JP3219773U - 体温管理シール - Google Patents
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Abstract
【課題】元の表面色とは異なる有色若しくは発色で周囲の作業者が互いに熱中症を発症していないかを容易に把握することができ、作業現場にて使用するのに好適な体温管理シールを提供する。【解決手段】体温管理シール1は、剥離紙2を剥離して人体表面に直接貼り付けられるシール本体部3(粘着層)と、シール本体部の表面又は裏面に位置して、屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部4と、を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、体温管理シール、特に、屋外作業中に作業者が熱中症を発症していることを周りの作業者等が認識できる体温管理シールに関する。
従来から、夏季における屋外作業中において、熱中症を発症してしまう場合が後を絶たない。人間は、体が熱を産み出す働き(産熱)と体から熱を逃がす働き(放熱)のバランスで体温を調節しているため、体温よりも気温の方が高い場合には、汗を出して気化することで体温を平常に保っている。
しかしながら、屋外での作業中に上記のバランスが崩れてしまうと、体温が上昇し、めまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす熱中症を発症してしまう。
そこで、透明性シートの裏面に設けた可逆熱変色性組成物を含む可逆熱変色層の外周部に低屈折率顔料を含む多孔質層を設けるとともに、この多孔質層の外周部に粘着剤を含む粘着層を設けた体温検知シーが既に知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような先行技術文献に開示の体温管理シールにあっては、体温検知シールを体表面に貼ると、運動に伴って発汗並びに体温上昇が発生しても、熱中症を基準とする体温変化に対して十分な色の変化を期待することができないうえ、場合によっては可逆熱変色層と多孔質層が無色に変化してしまい、遠目から見た場合に体温検知シールがあたかも剥がれてしまったかと誤認してしまうなど、作業現場にて使用するには不向きであるという問題が生じていた。
本考案の課題は、周囲の作業者が互いに熱中症を発症していないかを容易に視認することができる体温管理シールを提供するものである。
本考案に係る体温管理シールは、上記目的を達成のため、人体表面に直接貼り付けられるシール本体部と、前記シール本体部の表面又は裏面に位置して、屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部と、を備えるものである。
本考案に係る体温管理シールは、シール本体部が作業者の額等の人体表面に直接貼り付けられるとともに、そのシール本体部の表面又は裏面に、屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部が設けられている。
請求項2記載の考案は、前記シール本体部は、前記報知部の裏面に設けられた粘着剤からなる粘着層である、ものである。
したがって、シール本体部と報知部とを同一の大きさとして、粘着剤からなる粘着層としてのシール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができる。
請求項3記載の考案は、前記シール本体部は、前記報知部の表面に設けられて、前記報知部よりも大きい無色透明又は白色半透明な保護テープである、ものである。
したがって、シール本体部を報知部よりも大きくして、報知部の外側にはみ出たシール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができ、作業等に伴う発汗によってシール本体部が剥がれてしまうことを抑制するように、シール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができる。
本考案によれば、シール本体部が作業者の額等の人体表面に直接貼り付けられるとともに、そのシール本体部の表面又は裏面に、屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部が設けられていることにより、元の表面色とは異なる有色若しくは発色で周囲の作業者が互いに熱中症を発症していないかを容易に把握することができ、作業現場にて使用するのに好適な体温管理シールとすることができる。
請求項2記載の考案にあっては、シール本体部は、報知部の裏面に設けられた粘着剤からなる粘着層であることにより、シール本体部と報知部とを同一の大きさとして、粘着剤からなる粘着層としてのシール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができる。
請求項3記載の考案にあっては、報知部の表面に設けられたシール本体部が報知部よりも大きい無色透明又は白色半透明な保護テープであることにより、報知部の外側にはみ出たシール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができ、作業等に伴う発汗によってシール本体部が剥がれてしまうことを抑制するように、シール本体部を作業者の額等に直接貼り付けることができる。
次に、本考案に係る一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(A)に示すように、体温管理シール1は、剥離紙2に複数設けられており、必要に応じてその1枚を剥離紙2から剥がして、使用者の額等に直接貼り付けることができるようになっている。
図1(B)に示すように、体温管理シール1は、後述する作業者の額等の人体表面に直接貼り付けられるシール本体部3と、シール本体部3の表面に位置して屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部4と、を備える。
シール本体部3は、報知部4の裏面に設けられた粘着剤からなる粘着層である。したがって、シール本体部3と報知部4とは同一の大きさとなっている。
シール本体部3の粘着剤としては、人体の肌面(以下、「人肌」とも称する。)に直接貼り付けるものであることから、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、等で人肌に優しくかつ剥がれ難い材質のものを適宜使用することができる。
アクリル系粘着剤は、透明性、耐熱性、耐候性に優れ、粘着力のレンジが広いうえ、弱粘着タイプから強粘着タイプまで自由度が高いため、再剥離性が必要な保護テープであるシール本体部13としての利便性を確保することができる。
ウレタン系粘着剤は、貼り付け時における被粘着面との間の空気抜け性に優れているうえ、被粘着面(人肌)に糊残りすることなく剥がせるため、再剥離性が必要な保護テープであるシール本体部13としての利便性を確保することができる。
シリコン系粘着剤は、使用可能温度の範囲が広く、耐薬品性、耐水性にも優れ、特に、微粘着タイプの場合、貼り付け時における被粘着面との間の空気抜け性に優れており、気泡が入ることなく貼り付けることができるため、被粘着面(人肌)に対する粘着性を確保することができる。
報知部4は、基材の表面を感温染料で有色(又は無色)化したものである。感温染料は、温度で色が変わるマイクロカプセル化された色素であり、用途に応じて水性インキや油性インキを用いることができる。感温染料の内包物は、染料・顕色剤・減感剤の3つ条件を基本としている。染料は、単独では無色であるが、顕色剤に電子を与えると構造が変わって発色する特性を有している。一方、減感剤は、ある温度以上になると、電子の授受を阻害することができることから、変色温度成分として用いる。したがって、これらの成分を適宜選択することにより、色・発色濃度・変色温度を決定することができる。
ここで、「熱中症を基準とする所定の温度以上」とは、所謂「平熱」そのものが個人差を有していることから、厳密な「熱中症を基準とする所定の温度」に設定することは不可能に近いが、「発熱状態」としての目安が37℃とされているため、それよりも高い38℃を所定の温度とする。また、作業現場は、例えば、屋内・屋外、日陰・日向、密室・開放、狭い・広い、等の作業環境によっても基準が異なる場合が想定されるため、その温度設定や変化・発色の色の組み合わせ設定は、作業環境に応じた種類(例えば、屋内用・屋外用)を複数用意することも可能である。
この際、「所定の温度」は、明らかに熱中症を発症しているような温度に設定してしまうのは好ましいとはいい難いことから、上述した38℃のように、熱中症の発症を未然に若しくは初期の段階で周囲の作業者が認識できるようにするのが好ましい。
また、変色には、例えば、平温時を示す元の色を青系の「涼しい」や「安全」を連想させる色とし、その元の色とは明らかに異なる色としては赤系の「熱い」や「危険」を連想させる色とするのが好ましい。また、発色には、元の色を無色(透明・半透明・白等)とすることにより、発色前と発色後との色の変化を明らかに異ならせるのが好ましい。
さらに、周囲を感温染料ではない通常のインクを用いるとともに、人肌との境目を認識し易くするとともに、例えば、黄色等の色合いの場合の色を際立たせるために黒等の縁取りを行ってもよい。
このような構成の体温管理シール1にあっては、剥離紙2から引き剥がして、図2に示すように、作業者Pの額等に粘着層としてのシール本体部3を直接貼り付ける。
そして、作業者Pが、例えば、平熱付近で作業をしている状態では、図2(A)に示すように、体温管理シール1の報知部4は元の色となっており、作業に伴って発熱し、その体温が所定温度(38℃)以上となると、図2(B)に示すように、体温管理シール1の報知部4の色が元の表面色とは異なる有色(若しくは発色)化するため、周囲の作業者が互いに熱中症を発症していないかを容易に把握することができ、作業現場にて使用するのに好適な体温管理シールとすることができる。
ところで、上記実施の形態では、体温管理シール1を、シール本体部3の表面に報知部4を設けた場合で示したが、層の順を逆としてもよい。具体的には、図3(A)に示すように、体温管理シール11は、剥離紙12に複数設けられており、必要に応じてその1枚を剥離紙12から剥がして、使用者の額等に直接貼り付けることができるようになっている。
図3(B)に示すように、体温管理シール11は、後述する作業者の額等の人体表面に直接貼り付けられるシール本体部13と、シール本体部13の裏面の一部に位置して屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部14と、を備える。
シール本体部13は、裏面に粘着剤からなる粘着層(図示せず)を介して報知部14の表面を貼り合わせたもので、報知部14よりも大きい無色透明又は白色半透明な保護テープである。
シール本体部13の粘着剤としては、人体の肌面(以下、「人肌」とも称する。)に直接貼り付けるものであることから、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、等で人肌に優しくかつ剥がれ難い材質のものを適宜使用することができる。
報知部14は、基材の表面を感温染料で有色(又は無色)化したもので、その色や温度設定は報知部4と同じである。
このような構成の体温管理シール11にあっては、剥離紙12から引き剥がして、図4に示すように、作業者Pの額等に粘着層としてのシール本体部13を直接貼り付ける。
そして、作業者Pが、例えば、平熱付近で作業をしている状態では、図4(A)に示すように、体温管理シール11の報知部14は元の色となっており、作業に伴って発熱し、その体温が所定温度(38℃)以上となると、図4(B)に示すように、体温管理シール11の報知部14の色が元の表面色とは異なる有色(若しくは発色)化するため、周囲の作業者が互いに熱中症を発症していないかを容易に把握することができ、作業現場にて使用するのに好適な体温管理シールとすることができる。
1 体温管理シール
2 剥離紙
3 シール本体部(粘着層)
4 報知部
11 体温管理シール
12 剥離紙
13 シール本体部(保護テープ)
14 報知部
P 作業者
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3 シール本体部(粘着層)
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11 体温管理シール
12 剥離紙
13 シール本体部(保護テープ)
14 報知部
P 作業者
Claims (3)
- 人体表面に直接貼り付けられるシール本体部と、
前記シール本体部の表面又は裏面に位置して、屋外作業における熱中症を基準とする所定の体温以上となった場合に、元の表面色とは異なる有色に変色若しくは発色する報知部と、
を備えることを特徴とする体温管理シール。 - 前記シール本体部は、前記報知部の裏面に設けられた粘着剤からなる粘着層である、ことを特徴とする請求項1に記載の体温管理シール。
- 前記シール本体部は、前記報知部の表面に設けられて、前記報知部よりも大きい無色透明又は白色半透明な保護テープである、ことを特徴とする請求項1に記載の体温管理シール。
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2018
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