JP2012114141A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬質ヒートシンクに取付けが可能であり、反りを考慮し十分な放熱能力が高めることができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体素子が搭載された複数のダイパッドを有するリードフレームと、ダイパッドの接続された放熱板と、リードフレームの一部と放熱板の一部を覆う樹脂封止体と、を備える半導体装置において、放熱板が外面側に凸形状に湾曲し、且つ、ダイパッドに対応している位置が波形状に突出していることを特徴とする。また、製造方法は、放熱板の打ち抜き工程と、リードフレームのダイパッドに半導体素子を搭載する素子実装工程と、放熱板とリードフレームを接合し、樹脂封止する樹脂成形工程とを備える半導体装置の製造方法において、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させ、モールド工程の熱硬化収縮を利用して波形状にすることを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体素子が搭載された複数のダイパッドを有するリードフレームと、ダイパッドの接続された放熱板と、リードフレームの一部と放熱板の一部を覆う樹脂封止体と、を備える半導体装置において、放熱板が外面側に凸形状に湾曲し、且つ、ダイパッドに対応している位置が波形状に突出していることを特徴とする。また、製造方法は、放熱板の打ち抜き工程と、リードフレームのダイパッドに半導体素子を搭載する素子実装工程と、放熱板とリードフレームを接合し、樹脂封止する樹脂成形工程とを備える半導体装置の製造方法において、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させ、モールド工程の熱硬化収縮を利用して波形状にすることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関し、特にパワーモジュールとして使用され、放熱板を有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
家電用製品や産業用製品を問わず、空調機のコンプレッサ、洗濯機のドラム、ポンプ等に組み込まれるモータの駆動制御には高圧三相モータ駆動用半導体装置が使用されている。また、ハイブリット自動車、電気自動車等のモータ駆動制御にも使用されている。この種の半導体装置はハイサイド(H−side)駆動回路及びローサイド(L−side)駆動回路を1組の回路として三相分つまり3個の回路を集積化した構造を備えている。ハイサイド駆動回路は、電源電圧とモータ側出力との間に挿入されたハイサイド側スイッチング素子とその駆動用集積回路とを備えている。ローサイド駆動回路は、モータ側出力と基準電源との間に挿入されたローサイド側スイッチング素子とその駆動用集積回路を備えている。一般的に双方の駆動用集積回路は1つの半導体チップとして集積化されている。結果的に、半導体装置においては、合計6個のスイッチング素子と合計3個の駆動用集積回路とを備えている。ハイサイド側のスイッチング素子、ローサイド側のスイッチング素子のそれぞれには同一極性のトランジスタが使用され、双方のトランジスタは電気的に直列に接続してハーフブリッジ回路を構成している。また、樹脂封止体には金属製に放熱板が取り付けられている。このような半導体装置をパワーインテリジェントモジュール(IPM)とも呼ばれている。
近年、この半導体装置は高電圧化が求められ、高放熱性の要求が課題になってきている。
この放熱対策として、回路基板の下面中央部が外部側に突出して、水冷ジャケットと接触させ、放熱性を向上させたパワーモジュールが従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照、図1)。
パワーモジュールは、さらに、高温環境下において使用されることが要求されている。この時に半導体装置内で発生する熱を効率よく放出するため、接触部材との密着度が弱い懸念がある。
しかしながら、従来技術は、接触部が窪むことのできる水冷ジャケットならよいが、窪むことのできないアルミヒートシンクのような硬いものについて配慮されていないという課題がある。また、モジュールのパッケージ反りについて配慮がされていない、反っていると密着性が悪く、放熱性が低下するという課題がある。
従って、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、硬質ヒートシンクに取付けが可能であり、反りを考慮し十分な放熱能力が高めることができる半導体装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置は、半導体素子が搭載された複数のダイパッドを有するリードフレームと、ダイパッドの接続された放熱板と、リードフレームの一部と放熱板の一部を覆う樹脂封止体と、を備える半導体装置において、放熱板が外面側に凸形状に湾曲し、且つ、ダイパッドに対応している位置が波形状に突出していることを特徴とする。
また、樹脂封止体は外部に接合するための固定部を備えることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、放熱板の打ち抜き工程と、リードフレームのダイパッドに半導体素子を搭載する素子実装工程と、放熱板とリードフレームを接合し、樹脂封止する樹脂成形工程とを備える半導体装置の製造方法において、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させ、モールド工程の熱硬化収縮を利用して波形状にすることを特徴とする。
本発明の半導体装置は、半導体素子が搭載された複数のダイパッドを有するリードフレームと、ダイパッドの接続された放熱板と、リードフレームの一部と放熱板の一部を覆う樹脂封止体と、を備える半導体装置において、放熱板が外面側に凸形状に湾曲し、且つ、ダイパッドに対応している位置が波形状に突出していることを特徴とする。
また、樹脂封止体は外部に接合するための固定部を備えることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、放熱板の打ち抜き工程と、リードフレームのダイパッドに半導体素子を搭載する素子実装工程と、放熱板とリードフレームを接合し、樹脂封止する樹脂成形工程とを備える半導体装置の製造方法において、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させ、モールド工程の熱硬化収縮を利用して波形状にすることを特徴とする。
本発明は、放熱板が予め湾曲形状をしているので、押さえながら密着させることができ、硬質接触体でも接合できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することができる効果を奏する。
また、放熱板が素子に沿った波形状をしているので、放熱部を確実に密着させ、放熱性を向上することができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することができる効果を奏する。
また、放熱板が素子に沿った波形状をしているので、放熱部を確実に密着させ、放熱性を向上することができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することができる効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、寸法関係の比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係る半導体装置1の構成を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る半導体装置1を示す平面図、正面図及び側面図である。図2は、半導体装置1の正面断面図であり、図3は、側面断面図である。
図1、図2に示すように、実施例1に係る半導体装置1は、モータ駆動用パワーモジュールであり、リードフレーム2と、放熱板3と、半導体素子4と、接続材5と、樹脂封止体6とを備えている。
リードフレーム2は、図3に示すように、リード2Aとダイパッド2Bとが一体型で構成されている。リードフレーム2は、例えば、銅又は銅合金の異形条素材を使用し、エッチング加工又はプレス打ち抜き加工により製造される。必要に応じて、リードフレーム2の表面には、ニッケルめっき等が施される。
リード2Aは、薄板状であり、例えば、0.5mmである。リード2Aの一方の端部側は内部端子として、ワイヤボンディングされ、もう一方の端部側は後述する樹脂封止体6から導出され、外部端子となり、電気的信号の入出力に使用される。
ダイパッド2Bは、複数個所設けられ、それぞれに半導体素子4を搭載し、半導体素子4が発熱した熱を伝達できるように、容量を大きくしている。すなわち、断面厚さをリード2Aより厚くしている。例えば、1.5mmである。
放熱板3は、図2に示すように、薄板形状であり、一方の面である放熱板内面側3Aともう一方の面である放熱板外面側3Bからなっている。材質は金属であり、銅又は銅合金である。寸法は、例えば、幅10mm、長さ40mm、厚さ0.3mmである。加工はリードフレーム2と同様にエッチング加工又はプレス打ち抜き加工により製造される。必要に応じて、放熱板3の表面には、ニッケルめっき等が施される。更に、放熱板3は、図4に示すように、全体が放熱板外面側3Bに向かって緩やかな凸形状である。
半導体素子4は、スイッチング素子であり、トランジスタやダイオード等のパワー素子である。たとえば、はんだ等の接合材によりリードフレーム2のダイパッド2Bに搭載され、ワイヤボンディングにより、電気的回路を構成する。
接続材5は、リードフレーム2のダイパッド2Bの半導体素子4搭載面と対向するもう一方の面と、放熱板3の一方の面である放熱板内面側3Aとを接合している。接続材5は、例えば、絶縁性接着剤又は絶縁性接着シートが使用できる。
樹脂封止体6は、トランスファーモールド法によるエポキシ樹脂を成形したものである。寸法は例えば、幅20mm、長さ50mm、高さ4.5mmである。樹脂成形は半導体素子4と、リードフレーム2の一部と、放熱板3の一部を覆うように樹脂封止し成形している。すなわち、リードフレーム2のリード2Aのもう一方の端部側が外部端子として導出され、放熱板外面側3Bが樹脂封止体6から放熱部として露出している。更に樹脂封止体6は、樹脂封止後の樹脂硬化収縮により、全体が放熱板3側を頂点とするように緩やかに湾曲している。
また、樹脂封止体6は、図1に示すように、平面図が長方形であり、両端部にパッケージを外部にねじ固定するための固定部6Aを備えている。固定部6AはU字溝状に樹脂封止体6に切り欠きが施してある。固定部6Aの形状は貫通孔の丸穴形状であってもよい。
次に、本発明の実施例1の係る半導体装置1の製造方法について説明する。図4は、半導体装置1の樹脂封止前を示す拡大正面図である。図5は樹脂封止後を示す拡大正面断面図である。
まず、放熱板3は、金属板をプレス装置により、打ち抜き加工により製造される。この時、放熱板3は、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させておく。放熱板外側3の中心が頂点になる緩やかな凸形状である。例えば、長辺方向の湾曲変位量は100ミクロンミリから120ミクロンミリであり、短辺方向の湾曲変位量は50ミクロンミリから60ミクロンミリである。(放熱板打ち抜き工程)
次に、図4に示すように、ダイボンダ装置により、リードフレーム2のダイパッド2Bに半導体素子4を搭載する。例えば、はんだ等により接合する。その後、ワイヤボンダ装置により、ワイヤ配線をおこなう(図示省略)。(素子実装工程)
次に、図5に示すように、放熱板3とリードフレーム2のダイパッド2Bを接合し、熱硬化型エポキシ樹脂を用いて、樹脂封止する。エポキシ樹脂の熱硬化収縮を利用して、放熱板3を波形状にする。これは、金属製ダイパッドが並んでおり、その間に樹脂が充填される。その時、熱膨張の違いから、樹脂の硬化収縮時に放熱板3がダイパッド2Bの位置に対応して、収縮する過程で、波形状になる。ダイパッド2Bに対応する中心位置が波形状の凸と合致している。樹脂封止体6内部においては放熱板3の変形により密着性も向上している。これにより、半導体装置1が完成する。例えば、樹脂の線膨張係数は13ppm/℃であり、ダイパッド・放熱板の線膨張係数は17ppm/℃である。図4におけるダイパッド2Bの幅は4mm、間隔は1.5mmである。例えば、波形状の凸変形量は10ミクロンミリから30ミクロンミリである。(樹脂成形工程)
次に、完成した半導体装置1のヒートシンク8への実装について説明する。図6は、本発明の実施例1に係る半導体装置1をヒートシンク8に実装する正面図である。図7は、半導体装置1をヒートシンク8に固定した正面図である。
図6に示すように、ヒートシンク8の実装面にグリス樹脂9を塗布する。半導体装置1の両端部に有るU字切り欠き状の固定部6Aを利用して、固定ネジ7により固定する。図7に示すように、ネジを締めつけることにより、湾曲し両端が浮いた状態の半導体装置1が、中央部から接触し、順に固定部6A側へ接触部が移動し、平坦になるように変形する。この時、樹脂グリス9内に含まれているボイド(空気)が中央部から外側へ押し出される。
次に、上述した実施例1に係る半導体装置1の効果を説明する。
上述したように実施例1に係る半導体装置1は、全体的に反らせて、波形状の放熱板3を備えることによって、ヒートシンクに実装する際に、中央部から接地し、中央部を起点として接地部が外側へ移動すると同時にグリス樹脂内部の空気を外側へ排出することができ、硬質体であるヒートシンクとの密着性を向上することができ、放熱効率を上げることができる。これにより、半導体装置1の放熱性を向上させることが可能である。
また、実施例1に係る半導体装置1は、全体的に反らせて、波形状の放熱板3を備えることによって、ヒートシンクに実装する際に、発熱素子の搭載されているダイパッドと対になった波形状の各中央部が接地し、発熱の強い中央部がヒートシンクと接地することによって、放熱効率を上げることができる。波形状の凸頂点を確実にヒートシンクに接触させるので、素子の熱をダイパッドに伝え、ダイパッドから放熱板へ伝えさらにヒートシンクへ伝えることとなる。これにより、半導体装置1の放熱性を向上させることが可能である。
また、実施例2としては、放熱板3を打ち抜き工程時に全体を湾曲させると同時に予め、波形状に加工してもよい。プレス装置による圧縮成形にておこなうことができる。リードフレーム2のダイパッド2Bに対応するように波形状を形成し、波形状の凸部とダイパッド2Bを合致させる。この時、樹脂収縮が発生しない低応力エポキシ樹脂を使用する。その他の構成は実施例1と同様である。
実施例2においても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
以上の実施例1、実施例2より、本発明に係る半導体装置は、放熱板が予め湾曲形状をしているので、押さえながら密着させることができ、硬質接触体でも接合することが可能である。また、放熱板が素子に沿った波形状をしているので、放熱部を確実に密着させ、放熱性を向上することが可能である。
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
例えば、リードフレーム2の素材は銅又は銅合金に代えて、鉄又は鉄合金としてもよい。
また、放熱板3の素材はアルミ又はアルミ合金としてもよい。
また、放熱板3とダイパッド2Bを接合する場合、接続材5は、放熱板3の面積全体に用いて接続してもよい。また、接続材5により放熱板3を接続してから、半導体素子4を搭載してもよい。
1、半導体装置
2、リードフレーム
2A、リード
2B、ダイパッド
3、放熱板
3A、放熱板内面側
3B、放熱板外面側
4、半導体素子
5、接続材
6、樹脂封止体
6A、固定部
7、固定ネジ
8、ヒートシンク
9、グリス樹脂
2、リードフレーム
2A、リード
2B、ダイパッド
3、放熱板
3A、放熱板内面側
3B、放熱板外面側
4、半導体素子
5、接続材
6、樹脂封止体
6A、固定部
7、固定ネジ
8、ヒートシンク
9、グリス樹脂
Claims (3)
- 半導体素子が搭載された複数のダイパッドを有するリードフレームと、前記ダイパッドの接続された放熱板と、前記リードフレームの一部と前記放熱板の一部を覆う樹脂封止体と、を備える半導体装置において、放熱板が外面側に凸形状に湾曲し、且つ、ダイパッドに対応している位置が波形状に突出していることを特徴とする半導体装置。
- 前記樹脂封止体は外部に接合するための固定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 放熱板の打ち抜き工程と、リードフレームのダイパッドに半導体素子を搭載する素子実装工程と、放熱板とリードフレームを接合し、樹脂封止する樹脂成形工程とを備える半導体装置の製造方法において、打ち抜き工程で放熱板全体を湾曲させ、モールド工程の熱硬化収縮を利用して波形状にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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