JP2012112800A - トルクセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で高剛性をもち、構造が単純なトルクセンサを提供する。
【解決手段】回転体10と回転体20との間に環状変形体30を配置する。環状変形体30の左側面の上下2箇所には、回転体10から突出した凸状部11,12が接合され、右側面の手前/奥の2箇所には、回転体20から突出した凸状部21,22(図示せず)が接合される。回転体10,20の外周は、ベアリング15,25により、筒状筐体40の内面に回転自在に支持される。駆動軸13から回転体10に加えた回転駆動力は、回転体20から従動軸23に伝達される。従動軸23に加わる負荷により、環状変形体30は楕円状に変形しながら回転し、その外周面30Eと固定電極Eとの距離は変動する。このため、両者によって構成される容量素子Cの静電容量値は変動する。測定回路51は、容量値により距離測定値dを求め、検出回路60は、その振幅により、回転負荷をトルクTとして検出する。
【選択図】図17

Description

本発明は、トルクセンサに関し、特に、回転動力の伝達軸に作用したトルクを電気信号として出力する機能をもったセンサに関する。
所定の回転軸まわりに作用したトルクを検出するトルクセンサは、様々な輸送機械や産業機械に広く利用されている。たとえば、下記の特許文献1には、トルクの作用によって生じた機械的な変形を歪みゲージによって検出するタイプのトルクセンサが開示されている。また、特許文献2には、シャフト表面にメッキ処理により磁歪膜を形成し、この磁歪膜の磁気特性の変化を測定することによりシャフトに作用したトルクを検出するセンサが開示されている。一方、特許文献3には、トーションバーの端部に磁気発生部を設け、この磁気発生部によって発生される磁気の磁束密度の変化を集磁リングを用いて検出するタイプのトルクセンサが開示されており、特許文献4には、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように円筒状に多数の磁石を配置し、これら磁石によって生じる磁界を検出するタイプのトルクセンサが開示されている。更に、特許文献5には、トルクの作用により環状部材の形状を径方向に変形させるリンク機構を用意し、環状部材の変形によってその径方向に加わる力を荷重センサで検出するトルクセンサが開示されている。また、特許文献6には、回転動力を伝達するトルク伝達系において、斜めスリットが形成された弾性円筒体を電極として利用し、静電容量値の変化に基づいてトルクを検出するトルクセンサが開示されている。
特開2009−058388号公報 特開2007−024641号公報 特開2009−244134号公報 特開2006−292423号公報 特開2000−019035号公報 特開平9−280973号公報
産業界では、小型で高剛性をもち、構造が単純なトルクセンサが要求されている。たとえば、車両の動力伝達軸に作用するトルクを検出するために、動力伝達軸の途中に介挿して用いるタイプのトルクセンサには、高い剛性が要求される。また、実装の便宜を考慮すると、できるだけ軸長の短い小型のセンサが望まれる。しかしながら、前掲の各特許文献に記載されている従来のトルクセンサは、いずれも構造が複雑であり、小型化を図ることが困難である。また、構造が複雑なゆえに、製造プロセスも複雑になるため、製造コストの低減も困難になる。
そこで本発明は、小型で高剛性をもち、構造が単純なトルクセンサを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体が、回転軸を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部を形成することにより得られる円環状の部材からなるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
従動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
装置筐体が、駆動回転体、従動回転体および環状変形体を収容する、回転軸を中心軸として配置された筒状の部材からなるようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、駆動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにし、
従動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、従動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第2の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、装置筐体の内面上の固定測定点と、環状変形体の外周面との距離を測定するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第2の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の貫通開口部に挿通し、装置筐体に固定され、回転軸を中心軸とする柱状の固定補助体を更に設け、
距離測定器が、固定補助体の外面上の固定測定点と、環状変形体の内周面との距離を測定するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第1〜第6の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動接続部材が、駆動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の駆動回転体に対向する駆動対向面上の駆動接続点に接合されており、
従動接続部材が、従動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の従動回転体に対向する従動対向面上の従動接続点に接合されているようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第7の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点および第2の駆動接続点が設けられ、
駆動接続部材は、第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、を有し、
環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点および第2の従動接続点が設けられ、
従動接続部材は、第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、を有し、
回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されているようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第8の態様に係るトルクセンサにおいて、
回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに直交する2直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の駆動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置されているようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第7の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点、第2の駆動接続点、第3の駆動接続点が設けられ、
駆動接続部材は、第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、第3の駆動接続点を駆動回転体に接続する第3の駆動接続部材と、を有し、
環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点、第2の従動接続点、第3の従動接続点が設けられ、
従動接続部材は、第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、第3の従動接続点を従動回転体に接続する第3の従動接続部材と、を有し、
回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点、第3の駆動接続点、第3の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されているようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第10の態様に係るトルクセンサにおいて、
回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに60°の角度をなす3直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第3の駆動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置され、第2の駆動接続点および第3の従動接続点の正射影投影像が第3の直線上に配置されているようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第1〜第11の態様に係るトルクセンサにおいて、
検出回路が、距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値を利用して、環状変形体が回転中に、その回転軸まわりに作用したトルクの大きさを出力するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係るトルクセンサにおいて、
それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の距離測定器を設け、
検出回路が、これら複数組の距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第12の態様に係るトルクセンサにおいて、
互いに逆位相の距離変動信号が得られる位置にある一対の固定測定点についての距離測定を行う一対の距離測定器からなる相補測定器対を設け、
検出回路が、相補測定器対を構成する一対の距離測定器から得られる距離変動信号の差分信号の振幅値を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第12の態様に係るトルクセンサにおいて、
それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の相補測定器対を設け、
検出回路が、各相補測定器対から得られる差分信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第1〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
必要な検出精度に応じた密度で配置された複数N個の固定測定点についての距離測定を行う複数N組の距離測定器を設け、
検出回路が、これらN組の距離測定器から得られる距離測定値の最大値と所定の基準値との差もしくはN組の距離測定器から得られる距離測定値の最小値と所定の基準値との差、または、最大値と最小値との差を、回転軸まわりの瞬時もしくは静止時のトルク近似値として出力するようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第1〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
互いに位相が異なる(但し、位相反転の関係にはない)距離変動信号が得られる位置にある固定測定点についての距離測定を行う少なくとも2組の距離測定器を設け、
検出回路が、これらの距離測定器から得られる距離変動信号の位相差に基づいて、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転方向を検出する機能を更に有するようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第1〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
検出回路が、距離測定器から得られる距離変動信号の極大位置もしくは極小位置をカウントすることにより、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転数を検出する機能を更に有するようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第1〜第18の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器を、
固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の変位面に設けられた変位電極と、を有する容量素子と、
容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
によって構成したものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第19の態様に係るトルクセンサにおいて、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述した第5の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、
装置筐体の内面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の外周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、固定電極と、この固定電極に対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、測定回路が、容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述した第21の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の少なくとも外周面が導電性材料からなり、環状変形体の外周面自身によって変位電極が構成されるようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述した第22の態様に係るトルクセンサにおいて、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述した第6の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、
固定補助体の外面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の内周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、固定電極と、この固定電極に対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、測定回路が、容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述した第24の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の少なくとも内周面が導電性材料からなり、環状変形体の内周面自身によって変位電極が構成されるようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述した第25の態様に係るトルクセンサにおいて、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述した第1〜第18の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の一部もしくは全部を導電性材料によって構成し、
距離測定器を固定測定点に設けられた渦電流変位計によって構成したものである。
(28) 本発明の第28の態様は、上述した第1〜第18の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の一部もしくは全部を磁石によって構成し、
距離測定器を固定測定点に設けられたホール素子によって構成したものである。
(29) 本発明の第29の態様は、上述した第1〜第18の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器を、
装置筐体もしくは固定補助体に固定され、環状変形体の変位面に対して斜め方向に光ビームを照射する光ビーム照射器と、
装置筐体もしくは固定補助体に固定され、変位面で反射された光ビームを受光する光ビーム受光器と、
光ビーム受光器による光ビームの受光位置に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
によって構成したものである。
(30) 本発明の第30の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
検出対象となるトルクの作用により弾性変形を生じる材質からなり、回転軸が挿通する貫通開口窓を有する環状変形体と、
回転軸に沿った第1の方向を定義した場合に、環状変形体の第1の方向に隣接する位置に配置され、検出対象となるトルクに基づく回転駆動力を受けて回転軸まわりに環状変形体の変形の自由度に応じた所定角度範囲で回転する駆動回転体と、
第1の方向とは逆の第2の方向を定義した場合に、環状変形体の第2の方向に隣接する位置に配置され、装置筐体に固定された固定支持体と、
環状変形体の第1の方向を向いた側面に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体の第2の方向を向いた側面に設けられた固定接続点を、固定支持体に接続する固定接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離に基づいて駆動回転体に作用したトルクを出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と固定接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにしたものである。
本発明に係るトルクセンサでは、貫通開口部を有する環状変形体を利用してトルク検出が行われる。この環状変形体の左右両脇には、駆動回転体と従動回転体とが配置され、それぞれが異なる接続点に接合される。駆動回転体と従動回転体は、装置筐体内に回転自在に支持されているため、駆動回転体、環状変形体、従動回転体は、一体となって回転することができる。外部から駆動回転体に回転駆動力が加えられると、当該駆動力は環状変形体を介して従動回転体へと伝達され、従動回転体まで回転が伝わる。このとき、従動回転体に負荷がかかっていると、この負荷に基づくトルクにより環状変形体に歪みが生じ、環状変形体は歪んだまま回転する。本発明では、この環状変形体の歪みの大きさを、作用したトルク(従動回転体に作用した回転負荷)の大きさとして検出する。
たとえば、環状変形体を円環状の部材によって構成した場合、トルクが作用していない状態では、環状変形体は円形を維持したまま回転する。ところが、トルクが作用していると、環状変形体は楕円に変形した状態で回転するため、装置筐体の内面と環状変形体の外周面との距離は周期的に変動する。距離測定器は、この距離変動を電気信号として取り出す機能を果たし、検出回路は、この電気信号に基づいてトルク検出を行う。作用したトルクが大きければ大きいほど、環状変形体が構成する楕円の扁平率は大きくなり、距離変動は大きくなる。したがって、検出回路は、距離変動信号の振幅をトルクの大きさを示す信号とすればよい。
環状変形体、駆動回転体、従動回転体は、軸方向の厚みが小さな扁平構造体によって構成することができるので、センサ全体の軸長を短く設定することが可能になる。また、環状変形体の形状の歪みによってトルク検出が行われるので、環状変形体としては、弾性変形を生じる材質を用いる必要があるものの、比較的高い剛性をもった材質を利用しても、高精度の検出が可能になる。更に、環状変形体の形状の歪みは、距離測定器によって検出できるので、構造も単純化され、コストダウンに貢献することができる。
距離測定器としては、装置筐体側に固定された固定電極と、環状変形体の周面に沿って形成された変位電極と、によって構成される容量素子を用いることができる。歪んだ環状変形体が回転すると、固定電極と変位電極との距離が変動し、容量素子の静電容量値が変動する。よって、容量素子の静電容量値を電気的に測定することにより、距離変動信号が得られる。なお、環状変形体を導電性材料によって構成しておけば、環状変形体の表面それ自身を変位電極として利用できる。この他、渦電流変位計、ホール素子、光ビーム照射受光器などを利用して距離測定器を構成することも可能である。
装置筐体側の複数箇所に固定測定点を設け、各固定測定点と環状変形体との距離を測定するようにすれば、これら複数の測定値の和や平均を用いることにより、精度の高い検出が可能になる。また、距離変動信号が逆位相となるような一対の固定測定点についての測定を行えば、測定値の差分を利用したトルク検出が可能になる。このような差分検出は、同相ノイズやゼロ点ドリフトを抑えた安定したトルク検出に有効であり、また、温度による各部の膨張の影響を相殺して、精度の高い検出値を得るのに貢献する。更に、複数の固定測定点について得られた距離変動信号の位相差を利用すれば、回転方向を検出することも可能になる。また、多数の固定測定点について測定を行えば、静止状態におけるトルクの近似値検出も可能になる。
環状変形体と駆動回転体との接続点、および環状変形体と従動回転体との接続点は、トルクの作用により環状変形体に変形が生じるような位置であれば、どこに何カ所設けてもかまわないが、環状変形体の上下の2箇所を駆動回転体に接合し、左右の2箇所を従動回転体に接合して、各接続点が90°ずつずれるようにすれば、トルクの作用によって、環状変形体を効率的に変形させることができる。また、環状変形体の3箇所を駆動回転体に接合し、別な3箇所を従動回転体に接合し、前者3カ所と後者3カ所が交互に配置されるようにすれば、より安定した構造を実現できる。
なお、環状変形体の変形は外周面だけでなく、内周面にも及ぶため、環状変形体の貫通開口部に挿通する固定補助体を設ければ、この固定補助体の外面と環状変形体の内周面との距離を測定することにより、トルク検出を行うことも可能である。
本発明に係るトルクセンサの基本構造部の分解斜視図である。 図1に示す3つの構成要素を相互に接合することにより得られるトルクセンサの基本構造部の側面図である。 図2に示す基本構造部をYZ平面で切断した側断面図である。 図1に示す駆動回転体10および凸状部11,12を図1の右方向から見た正面図である。 図1に示す環状変形体30を図1の右方向から見た正面図である。 図1に示す従動回転体20および凸状部21,22を図1の右方向から見た正面図である。 図2に示す基本構造部を電気自動車の動力伝達軸に介挿した例を示す側面図である。 図2に示す基本構造部をXY平面で切断し、図2の左方向から見た断面図である。 図2に示す基本構造部にZ軸まわりの回転駆動力が作用したときの変形状態を示すXY平面での断面図である(図2に示す基本構造部をXY平面で切断し、図2の左方向から見た断面図である。破線は変形前の状態を示す)。 図9に示す基本構造部が時計まわりに90°回転した状態を示すXY平面での断面図である(図2に示す基本構造部をXY平面で切断し、図2の左方向から見た断面図である。破線は変形前の状態を示す)。 図2に示す基本構造部を装置筐体内に収容した状態を示す側断面図である。 図11に示す構造体をXY平面で切断した断面図である(図11の左方向から見た断面図である。なお、転がり軸受25は図示省略)。 図12に示す基本構造部にトルクが作用したときの変形状態を示すXY平面での断面図である(転がり軸受25は図示省略)。 図13に示す基本構造部がZ軸正まわりに90°回転した状態を示すXY平面での断面図である(転がり軸受25は図示省略)。 図12に示す基本構造部に回転駆動力が作用したときの2点F,Q間の距離の時間的な変動(横軸は基本構造部の回転角θ)を示すグラフである。 図12に示す基本構造部に回転駆動力が作用したときの2点F,Q間の距離dを測定する距離測定器を容量素子を利用して構成した例を示す図である(転がり軸受25は図示省略)。 本発明の基本的な実施形態に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。 図17に示すトルクセンサにおいて、容量素子を構成する一対の電極の間隔が最も短くなった状態を示すXY平面での断面図である(転がり軸受25は図示省略)。 図17に示すトルクセンサにおいて、容量素子を構成する一対の電極の間隔が最も長くなった状態を示すXY平面での断面図である(転がり軸受25は図示省略)。 図17に示すトルクセンサにおいて、一対の電極E,30Eによって構成される容量素子の静電容量値Cの時間的な変化(横軸は基本構造部の回転角θ)を示すグラフである。 複数組の容量素子を用いる変形例に係るトルクセンサの構成を示す断面図である。 図21に示す変形例における4組の容量素子C1〜C4の静電容量値Cの時間的な変化(横軸は基本構造部の回転角θ)を示すグラフである。 多数の容量素子を用いる変形例に係るトルクセンサの構成を示す断面図である。 図23に示す変形例において、異なる容量素子についての静電容量変化の位相差を示すグラフである。 図2に示す基本構造部にZ軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体の変形態様を示すXY平面での断面図である。 図2に示す基本構造部にZ軸負まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体の変形態様を示すXY平面での断面図である。 駆動接続点および従動接続点をそれぞれ1カ所のみ設けた変形例について、Z軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体の変形態様を示すXY平面での断面図である。 駆動接続点および従動接続点をそれぞれ3カ所ずつ設けた変形例について、Z軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体の変形態様を示すXY平面での断面図である。 容量素子に対する配線を簡潔化した変形例に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。 図29に示す変形例における容量素子構成部分の拡大図および等価回路図である。 図29に示す変形例における測定回路51の具体的な構成例を示す回路図である。 距離測定器として渦電流変位計を用いた変形例を示す断面図である。 渦電流変位計による距離測定の基本原理を示す図である。 環状変形体の内周面の変動を測定する変形例に用いられる基本構造部の分解斜視図である。 図34に示す基本構造部に固定補助体80を挿入した状態を示す側面図である。 従動回転体を固定する変形例に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 本発明に係るトルクセンサの基本構造部 >>>
図1は、本発明の基本的な実施形態に係るトルクセンサの基本構造部の分解斜視図である。図示のように、この基本構造部は、駆動回転体10と従動回転体20との間に、環状変形体30を配置し、これら3つの構成要素を相互に接合することによって構成される。ここでは、便宜上、図示のとおりXYZ三次元座標系を定義して、以下の説明を行うことにする。ここで、図の水平方向に描かれたZ軸が、検出対象となるトルクの回転軸に相当し、このトルクセンサは、この回転軸まわり(Z軸まわり)のトルクを検出する機能を果たすことになる。
図の中央に配置された環状変形体30は、検出対象となるトルクの作用により弾性変形を生じる材質からなり、その内部には、貫通開口部H30が形成されている。一方、図の左側に配置された駆動回転体10は、環状変形体30の左側面を支持する部材であり、図の右側に配置された従動回転体20は、環状変形体30の右側面を支持する部材である。ここに示す例では、駆動回転体10および従動回転体20は、回転軸(Z軸)を中心軸として配置された円盤状の部材からなる。また、環状変形体30は、回転軸(Z軸)を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部H30を有する円環状の部材からなる。
なお、後述するように、ここに示す実施形態の場合、駆動回転体10と従動回転体20とは、構造的には全く同じ部材である。ただ、その役割上、駆動回転体10には図示されていない駆動回転軸から回転駆動力が加えられ、当該回転駆動力が環状変形体30を介して従動回転体20へと伝達され、結果的に、従動回転体20に接続された従動回転軸が回転駆動することになる。そこで、本明細書では、説明の便宜上、駆動側の回転体を駆動回転体10と呼び、従動側の回転体を従動回転体20と呼ぶことにする。もちろん、構造的には全く同じ部材であるから、両者を入れ替えて用いることも可能である。別言すれば、以下の説明では、図1に示す基本構造部を用いて、図の左側から右側へと動力を伝達する利用形態について説明を行うが、逆に、図の右側から左側へと動力を伝達する利用形態も可能である。
図1に示すとおり、駆動回転体10の右側面(環状変形体30に対向する面)には、右方に突出した2つの扇形の凸状部11,12が設けられており、この凸状部11,12の頂面が環状変形体30の左側面(以下、駆動対向面という)に接合されている。図示のとおり、凸状部11は環状変形体30の上部(Y軸正方向に位置する部分)に接合され、凸状部12は環状変形体30の下部(Y軸負方向に位置する部分)に接合される。同様に、従動回転体20の左側面(環状変形体30に対向する面)には、左方に突出した2つの扇形の凸状部21,22が設けられており(凸状部21は、図1には現れていない)、この凸状部21,22の頂面が環状変形体30の右側面(以下、従動対向面という)に接合されている。図示のとおり、凸状部22は環状変形体30の手前の部分(X軸負方向に位置する部分)に接合される。一方、凸状部21は、図では隠れているが、環状変形体30の奥の部分(X軸正方向に位置する部分)に接合される。
図2は、図1に示す3つの構成要素を相互に接合することにより得られるトルクセンサの基本構造部の側面図であり、図3は、この基本構造部をYZ平面で切断した側断面図である。ここに示す例の場合、図3に示すとおり、凸状部11,12は、駆動回転体10と一体となった構造体であり、その頂面が環状変形体30の左側面(駆動対向面)に接合されている。同様に、凸状部21,22は、従動回転体20と一体となった構造体であり、その頂面が環状変形体30の右側面(従動対向面)に接合されている。
結局、凸状部11,12は、環状変形体30の駆動回転体10に対向する駆動対向面上の駆動接続点を、駆動回転体10に接続する駆動接続部材として機能し、凸状部21,22は、環状変形体30の従動回転体20に対向する従動対向面上の従動接続点を、従動回転体20に接続する従動接続部材として機能する。
図4は、駆動回転体10および凸状部11,12を図1の右方向から見た正面図、図5は、環状変形体30を図1の右方向から見た正面図、図6は、従動回転体20および凸状部21,22を図1の右方向から見た正面図である。図4において、凸状部11,12の中心位置に黒丸によって示されている点P11,P12は駆動接続点であり、環状変形体30に対する駆動回転体10の接続位置を示している。同様に、図6において、凸状部21,22の中心位置に白丸によって示されている点P21,P22は従動接続点であり、環状変形体30に対する従動回転体20の接続位置を示している。
なお、図4に示す部品(駆動回転体10および凸状部11,12)と図6に示す部品(従動回転体20および凸状部21,22)とは、実際には、全く同一のものにするのが好ましい。この場合、図4に示す部品をY軸を回転軸として180°回転させて裏返し、更に、Z軸を回転軸として90°回転させれば、図6に示す部品に完全に一致する。したがって、実際には、図4に示す部品を2組用意し、図5に示す部品を1組用意すれば、図2に示す基本構造部を構成することができる。
図5に示すとおり、環状変形体30には、円形の貫通開口部H30が設けられているが、これは、検出に必要な弾性変形を生じさせるためのものである。後述するように、この基本構造部に検出対象となるトルクが作用した場合、環状変形体30は変形する必要がある。このような環状変形体30の弾性変形のしやすさは、センサの検出感度を左右するパラメータになる。弾性変形しやすい環状変形体30を用いれば、微小なトルクでも検出可能な感度の高いセンサを実現することができるが、検出可能なトルクの最大値は抑制されることになる。逆に、弾性変形しにくい環状変形体30を用いれば、検出可能なトルクの最大値を大きくとることができるが、感度は低下するため、微小なトルクの検出はできなくなる。
環状変形体30の弾性変形のしやすさは、Z軸方向の厚み(薄くするほど弾性変形しやすい)および貫通開口部H30の径(大きくするほど弾性変形しやすい)に依存して決まり、更に、その材質にも依存して決まる。したがって、実用上は、トルクセンサの用途に応じて、環状変形体30の各部の寸法や材質を適宜選択すればよい。
一方、駆動回転体10および従動回転体20は、本発明の検出原理上、弾性変形を生じる部材である必要はない。むしろ、作用したトルクが環状変形体30の変形に100%寄与するようにするためには、駆動回転体10および従動回転体20は、完全な剛体である方が好ましい。このような理由から、図示の例では、駆動回転体10および従動回転体20は、開口部を有していない円盤状の部材によって構成されているが、もちろん、検出に必要な剛性を確保することができれば、必要に応じて、駆動回転体10および従動回転体20にも開口部を形成してかまわない。
このように、本発明に係るトルクセンサでは、環状変形体30は、トルク検出に必要な程度の弾性変形を生じる材質で構成する必要があるが、駆動回転体10および従動回転体20は、弾性変形を生じる必要はなく、むしろ剛性の高い材質を用いて構成するのが好ましい。実用上、駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30の材料としては、絶縁材料を利用するのであれば、プラスチックなどの合成樹脂を用いれば十分である。また、導電材料を利用するのであれば(この場合、後述するように、固定電極を形成する際に、電極が短絡しないよう必要箇所に絶縁を施す必要がある)、ステンレス、アルミニウムなどの金属を用いれば十分である。たとえば、剛性が必要な駆動回転体10および従動回転体20についてはステンレスを用い、弾性変形を生じさせる必要がある環状変形体30についてはアルミニウムを用いる、というような材質の使い分けを行うことができる。もちろん、絶縁材料と導電材料とを組み合わせて利用してもかまわないし、すべての構成要素を同一の材質で構成してもかまわない。
駆動回転体10、従動回転体20、環状変形体30は、いずれも軸方向の厚みが小さな扁平構造体によって構成することができるので、センサ全体の軸長を短く設定することが可能になる。また、環状変形体30の形状の歪みによってトルク検出が行われるので、環状変形体30としては、弾性変形を生じる材質を用いる必要があるものの、比較的高い剛性をもった材質を利用しても検出は可能である。
<<< §2. 環状変形体の変形態様 >>>
続いて、ここでは、§1で述べた基本構造部にトルクが作用した場合、各部がどのように変形するかを考えてみる。図7は、図2に示す基本構造部を電気自動車の動力伝達軸に介挿した例を示す側面図である。図示のとおり、駆動回転体10の左側面に駆動回転軸13が接続され、従動回転体20の右側面に従動回転軸23が接続されている。この例では、駆動回転軸13は電気自動車のモータ側に接続され、従動回転軸23は電気自動車の車輪側へ接続されることになる。駆動回転軸13および従動回転軸23は、いずれも図2に示すZ軸を中心に回転する軸であり、駆動回転軸13に与えられた回転動力(モータからの回転動力)は、駆動回転体10,環状変形体30,従動回転体20を介して、従動回転軸23へ(更に自動車の車輪へ)と伝達される。結局、図7に示されている構造体全体が、一体となって回転することになる。
図8は、図2に示す基本構造部をXY平面で切断し、図2の左方向から見た断面図である。ここで、この図8に示されたXY座標系は、通常のXY座標系を裏側から見たものになる(X軸正方向は図の左方向になる)。したがって、このXY座標系では、左上領域が第1象限、右上領域が第2象限、右下領域が第3象限、左下領域が第4象限になる。図示のI〜IVは、この座標系の各象限を示すものである。図にハッチングを施した断面部分は、環状変形体30の部分に相当し、その奥に、従動回転体20が見えている。図の点P11〜P22は、図4および図6に示した各接続点P11〜P22のXY平面上への正射影投影像である。
すなわち、図8において、Y軸上に配置された駆動接続点P11,P12(黒丸)は、駆動回転体10の凸状部11,12の接合位置(接合面の中心点)を示しており、X軸上に配置された従動接続点P21,P22(白丸)は、従動回転体20の凸状部21,22の接合位置(接合面の中心点)を示している。結局、環状変形体30の駆動対向面は、Y軸に沿った2箇所の駆動接続点P11,P12において駆動回転体10に接合され、環状変形体30の従動対向面は、X軸に沿った2箇所の従動接続点P21,P22において従動回転体20に接合されていることになる。
このように、環状変形体30の上下の2箇所を駆動回転体10に接合し、左右の2箇所を従動回転体20に接合して、各接続点が90°ずつずれるようにすれば、トルクの作用によって、環状変形体30を効率的に変形させることができる。
図8に示す例の場合、環状変形体30の両側面をXY平面上に投影して正射影投影像を得た場合に、第1の従動接続点P21の投影像が正のX軸上、第2の従動接続点P22の投影像が負のX軸上、第1の駆動接続点P11の投影像が正のY軸上、第2の駆動接続点P12の投影像が負のY軸上に配置されていることになる。このような配置を行うと、環状変形体30を軸対称性をもった楕円に変形させることができるので、軸対称性をもった距離測定値を得ることができる。
本発明に係るトルクセンサは、図2に示す基本構造部において、駆動回転体10と従動回転体20との間に相対的に加わるトルク(回転モーメント)を検出するものであり、検出値は、両回転体10,20間に相対的に作用する力を示すものである。上述したとおり、図示の例では、従動回転軸23の右側には、電気自動車の車輪が接続されることになるが、ここでは、まず、この右側に負荷が全く加わっていない状態を考えてみよう。たとえば、従動回転軸23と車輪との間にクラッチが設けられており、運転者がクラッチを切った状態を想定すればよい。
この場合、駆動回転軸13が回転すると、駆動回転体10が回転し、その回転が、凸状部11,12を介して環状変形体30の駆動接続点P11,P12に伝達され、環状変形体30が回転駆動される。そして、この環状変形体30の回転は、更に、従動接続点P21,P22に接合されている凸状部21,22を介して従動回転体20および従動回転軸23へと伝達される。このとき、従動回転軸23には有意な負荷はかかっていないので、駆動回転軸13の回転を妨げるトルクはゼロであり、環状変形体30は変形せずに、図8に示す円環状を維持したまま、Z軸を回転軸として回転することになる。
次に、運転者がクラッチを繋ぎ、従動回転軸23と車輪とが動力的に接続された場合を考えよう。この場合、従動回転軸23には、車輪側からの負荷がかかるので、駆動回転軸13の回転を妨げる方向にトルクが生じ、環状変形体30は変形した状態で回転する。たとえば、図8において、駆動回転軸13が時計まわりの方向に回転していたとすると、Y軸上の駆動接続点P11,P12は時計まわりに移動しようとする。ところが、X軸上の従動接続点P21,P22は車輪側にかかった負荷のため、静止しようとするので、必然的に、第1象限Iに位置する円弧P21−P11の部分は内側方向に縮み、第2象限IIに位置する円弧P11−P22の部分は外側に膨らみ、第3象限IIIに位置する円弧P22−P12の部分は内側方向に縮み、第4象限IVに位置する円弧P12−P21の部分は外側に膨らむことになる。
図9は、図8に示す構造体に、このような変形が生じた状態を示す断面図である。すなわち、図9は、図7に示す基本構造部に、駆動回転軸13からZ軸まわりの回転駆動力が作用したときの変形状態を示すXY平面での断面図(図7に示す基本構造部をXY平面で切断し、図7の左方向から見た断面図)ということになる。図9に示す白抜き矢印は、駆動回転軸13から伝達された回転駆動力の向きを示しており、破線は環状変形体30の変形前の状態を示している。
図9に描かれた破線を参考にすれば、車輪側に負荷がかかる環境下で、Z軸まわりの回転駆動力が作用したとき、環状変形体30が楕円に変形することが容易に把握できよう。ここでは、説明の便宜上、この楕円の長軸をW軸、短軸をV軸と呼ぶことにする。環状変形体30は、V軸を短軸方向、W軸を長軸方向とする楕円に変形しており、V軸およびW軸に対して軸対称性を有していることになる。ここで、車輪側に負荷がかかっていても、当該負荷が回転駆動を静止させるほどのものでなければ、環状変形体30は楕円に変形した状態のまま回転する。もちろん、環状変形体30とともに、駆動回転体10および従動回転体20も一緒になって回転する。
図10は、図9に示す基本構造部が時計まわりに90°回転した状態を示すXY平面での断面図である。図9に示す状態では、短軸Vが第1象限I,長軸Wが第2象限IIを向いていたが、図10に示す状態では、短軸Vが第2象限II,長軸Wが第3象限IIIを向いている。このように、楕円の長軸Wおよび短軸Vは、基本構造部の回転に同期して回転することになる。
なお、上例とは逆に、駆動回転軸13が反時計まわりの方向に回転した場合、図8において、Y軸上の駆動接続点P11,P12は反時計まわりに移動しようとし、X軸上の従動接続点P21,P22は静止しようとするので、第1象限Iに位置する円弧P21−P11の部分は外側に膨らみ、第2象限IIに位置する円弧P11−P22の部分は内側方向に縮み、第3象限IIIに位置する円弧P22−P12の部分は外側に膨らみ、第4象限IVに位置する円弧P12−P21の部分は内側方向に縮むことになる。その結果、環状変形体30は、やはり楕円に変形した状態で反時計まわりに回転する。
回転方向がいずれの場合であっても、車輪側に加えられた負荷が大きければ大きいほど、基本構造部に作用するトルクは大きくなり、環状変形体30の変形の程度も大きくなる。すなわち、作用したトルクが大きければ大きいほど、環状変形体30はより扁平した楕円に変形する。したがって、この環状変形体30の変形量(変形の程度)を測定することができれば、当該変形量をトルクの大きさを示す検出値として出力することができる。これが、本発明におけるトルク検出の基本原理である。
環状変形体30の変形量は、環状変形体30の外周面もしくは内周面の変位として検出することができる。たとえば、図9に示す例の場合、長軸W上における環状変形体30の外周面もしくは内周面は外側(回転軸Zから離れる方向)に変位しており、短軸V上における環状変形体30の外周面もしくは内周面は内側(回転軸Zに近づく方向)に変位している。したがって、この変位量を検出することができれば、環状変形体30の変形量を検出することができ、作用したトルクを検出することができる。実際には、この変位量は、§3で述べるように、所定の固定測定点と環状変形体30の変位面との距離として測定される。
<<< §3. 本発明の基本的実施形態 >>>
続いて、本発明に係るトルクセンサの基本的実施形態を説明する。この基本的実施形態では、これまで述べてきた基本構造部を装置筐体40内に収容し、この装置筐体40の所定箇所に配置された固定測定点Fと環状変形体30の外周面との距離を、容量素子を用いた距離測定器で測定することにより、環状変形体30の変形量を測定し、トルクの検出を行う。
図11は、図2に示す基本構造部(駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30,接続部材11,12,21,22)を装置筐体40内に収容した状態を示す側断面図である。ここで、駆動回転体10および従動回転体20は、いずれも回転軸(Z軸)まわりに回転自在となるように装置筐体40内に支持されている。具体的には、図示のとおり、駆動回転体10の外周面と装置筐体40の内周面との間には、転がり軸受15(この例では、ボールベアリング)が設けられており、この転がり軸受15によって、駆動回転体10が装置筐体40によって回転自在に支持されることになる。同様に、従動回転体20の外周面と装置筐体40の内周面との間には、転がり軸受25(この例では、ボールベアリング)が設けられており、この転がり軸受25によって、従動回転体20が装置筐体40によって回転自在に支持されることになる。
§1で述べたとおり、駆動回転体10および従動回転体20は、いずれも回転軸(Z軸)を中心軸として配置された円盤状の部材である。また、環状変形体30は、回転軸(Z軸)を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部H30を形成することにより得られる円環状の部材である。そこで、これらを収容する装置筐体40としては、回転軸(Z軸)を中心軸として配置された円筒状の部材を用いている。
転がり軸受15は、図示のとおり、駆動回転体10の外周面に取り付けられた円環状の内輪部15Aと、装置筐体40の内周面に取り付けられた円環状の外輪部15Bと、内輪部15Aの外周面に掘られた軌道条溝と外輪部15Bの内周面に掘られた軌道条溝との間に挟まれた多数のボール15Cによって構成されている。このため、外輪部15Bが装置筐体40に固定されているにもかかわらず、ボール15Cが軌道条溝内を転がることにより、内輪部15Aは回転軸(Z軸)まわりに自由に回転することができ、駆動回転体10が回転自在に支持される。転がり軸受25も同様の構造を有し、従動回転体20を回転自在に支持する。結局、駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30を含む基本構造部は、筒状の装置筐体40内で、回転軸(Z軸)まわりに回転自在に支持された状態になる。
なお、実用上は、内輪部15Aを駆動回転体10の外周部分と一体となる構造とし、外輪部15Bを装置筐体40の内周部分と一体となる構造とすれば、部品点数を減らすことができる。別言すれば、駆動回転体10の外周面に軌道条溝を堀り、装置筐体40の内周面に軌道条溝を堀る構造にすればよい。転がり軸受25の構造についても同様である。
図12は、図11に示す構造体をXY平面で切断した断面図である(図11の左方向から見た断面図である)。なお、図12では、図が煩雑になるのを避けるため、転がり軸受25は図示を省略している。
いま、図示のとおり、XY座標系の原点Oを通る任意の距離測定軸Kを定義し、この距離測定軸Kと装置筐体40の内周面との交点をFとし、この距離測定軸Kと環状変形体30の外周面との交点をQとする。ここで、点Fは、装置筐体40に固定された点(固定測定点と呼ぶ)になるが、点Qは、環状変形体30が回転した場合でも、常に、環状変形体30の外周面と距離測定軸Kとの交点になる。結局、2点F,Q間の距離dは、装置筐体40の内周面上に設定された固定測定点Fと環状変形体30の外周面との距離ということになる。
§2で述べたとおり、環状変形体30は、トルクが作用すると弾性変形を生じる材質からなるが、トルクが作用していない状態では円環状を維持したまま回転する。一方、装置筐体40は、この環状変形体30を収容する円筒状の剛体であり、変形することはない。しかも環状変形体30と装置筐体40とは同心配置、すなわち、いずれもZ軸を中心軸とするように配置されている。したがって、トルクが作用していない状態において、2点F,Q間の距離d0は、環状変形体30が回転したとしても一定値を維持する。そこで、このときの距離dを距離の基準値d0と呼ぶことにする。
これに対して、図13および図14は、トルクの作用により環状変形体30が楕円に変形して回転している状態を示す断面図である(転がり軸受25は図示省略)。環状変形体30はZ軸まわりに回転しているので、ある時点では、図13に示すように、楕円の長軸Wが距離測定軸Kに一致し、別なある時点では、図14に示すように、楕円の短軸Vが距離測定軸Kに一致する。図13に示す時点では、2点F,Q間の距離dは最小値dwをとり、図14に示す時点では、2点F,Q間の距離dは最大値dvをとる。結局、トルクが作用している場合、環状変形体30の回転により、2点F,Q間の距離dは、最小値dw〜最大値dvの範囲内で周期的に変動する。
図15は、図12に示す基本構造部に回転駆動力が作用したときの2点F,Q間の距離dの時間的な変動を示すグラフである。ここで、横軸は、基本構造部の回転角θ(長軸Wと距離測定軸Kとのなす角)を示している。基本構造部の回転速度が一定であれば、回転角θは時間tに比例することになり、距離dは基準値d0を中心として最小値dw〜最大値dvの範囲で一定周期で変動する。ここで、作用したトルクが大きければ大きいほど、環状変形体30の変形量は大きくなり、より扁平した楕円に変形する。そして、楕円の扁平度が高ければ高いほど、長軸Wの長さと短軸Vの長さとの差が大きくなるので、距離dの最小値dwと最大値dvとの差も大きくなる。結局、図15に示す距離変動グラフの振幅Aは、作用したトルク(図7に示す例の場合、車輪側に作用した負荷)の大きさを示すことになる。
このように、装置筐体40に所定の固定測定点Fを設定し、この固定測定点Fと環状変形体30の変位面との距離dを距離測定器によって測定し、得られた距離変動信号の振幅Aを求めれば、作用したトルクの大きさの検出が可能になる。ここで述べる基本的実施形態では、容量素子を利用した距離測定器を採用している。
図16は、距離測定器を容量素子を利用して構成した例を示す断面図(一部はブロック図)である。なお、ここでも便宜上、転がり軸受25は図示を省略している。この例は、距離測定軸KをY軸負方向に設定した例であり、Y軸の負の部分と装置筐体40の内周面との交点位置(固定測定点F)に固定電極Eが設けられ、Y軸の負の部分と環状変形体30の外周面との交点位置に変位電極30Eが形成されている。そして、これら一対の電極により、容量素子Cが形成されている。
測定回路51は、この容量素子Cの静電容量値(同じ符号Cで示す)を電気的に測定する回路であり、たとえば、静電容量値Cを電圧値Vに変換するC/V変換回路などによって構成することができる。一般に、容量素子の静電容量値Cは、容量素子を構成する一対の電極の電極間距離をd,電極面積をSとすれば、C=k・S/d(kは比例定数)で表される。図示の例の場合、固定電極Eおよびこれに対向する変位電極30Eの面積Sは一定であるから、測定回路51によって静電容量値Cを測定できれば、その逆数として、電極間距離d(すなわち、固定測定点Fと環状変形体30の外周面との距離測定値d)を得ることができる。
ここで、固定電極Eは装置筐体40の内周面に設定した固定測定点Fの近傍に形成した導電層(たとえば、金属層)によって構成される。図示の例では、装置筐体40が絶縁材料によって構成されているため、固定電極Eを装置筐体40の内周面に直接形成しているが、装置筐体40を導電性材料(たとえば、金属)によって構成する場合には、固定電極Eと装置筐体40とが導通しないように、間に絶縁膜を介挿するなどの対策を講じる必要がある。
一方、変位電極30Eは、独立した導電層によって構成されているわけではなく、実際には、導電性をもった環状変形体30の外周面の一部分(固定電極Eに対向する部分)によって構成される。すなわち、ここに示す実施例の場合、環状変形体30は、金属などの導電性材料によって構成されているため、外周面に何ら導電層を形成しなくても、環状変形体30の外周面自身が変位電極として機能する。図16では、説明の便宜上、変位電極30Eの部分を、固定電極Eと同じハッチングを施して示してあるが、実際には、この変位電極30Eの部分は、環状変形体30の他の部分と何ら変わりはない。ただ、電気的な現象に着目すると、環状変形体30のうち、固定電極Eに対向する領域の外周面近傍層が、変位電極30Eとして機能し、対向する一対の電極によって容量素子Cが形成されることになる。
もちろん、環状変形体30がZ軸まわりに回転すると、環状変形体30の外周面のうち、変位電極30Eとして機能する領域は、次々と移り変わってゆくことになる。別言すれば、環状変形体30の外周面全体が変位電極を構成し、環状変形体30の回転状態にかかわらず、常に、この変位電極(環状変形体30の外周面全体)のうちの固定電極Eに対向する一部の領域が、その時点での変位電極30E(容量素子を構成する一方の電極)として機能することになる。すなわち、環状変形体30がどのような回転位置にある場合にも、固定電極Eと、固定電極Eに対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されることになる。測定回路51は、この容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値dを出力する機能を果たす。
図17は、本発明の基本的な実施形態に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。上段の側断面図に示されている構造体は、図11に示す構造体に駆動回転軸13,従動回転軸23,固定電極Eを追加したものである。駆動回転軸13は、駆動回転体10の左側面に接続され、たとえば、電気自動車のモータからの回転動力を伝達する役割を果たす。一方、従動回転軸23は、従動回転体20の右側面に接続され、駆動回転軸13から伝達されてきた回転動力を、たとえば、電気自動車の車輪へと伝達する役割を果たす。
固定電極Eは、図16に示すように、装置筐体40の内周面上に定義された固定測定点Fの近傍に形成された導電層である。一方、環状変形体30の外周面に沿って、環状の変位電極が形成されている。前述したとおり、この実施例の場合、導電性材料からなる環状変形体30の外周面自身が環状の変位電極として機能する。そして、固定電極Eと、変位電極の一部30E(固定電極Eに対向する領域)とによって、容量素子Cが構成される。もちろん、環状変形体30の少なくとも外周面を導電性材料から構成しておけば、内部が絶縁性材料によって構成されていたとしても、環状変形体30の外周面自身によって変位電極を構成できる。
下段のブロック図に示されている測定回路51および検出回路60は、いずれも電子回路によって構成される。測定回路51は、容量素子Cの静電容量値を電気信号として検出する機能を果たし、たとえば、C/V変換回路によって構成される。なお、固定電極Eと測定回路51との間の配線は、装置筐体40の内周面の沿わせたり、装置筐体40に形成した配線用スルーホールを介して行うことができる。一方、変位電極30Eと測定回路51との間の配線は、変位電極30E(すなわち、環状変形体30)が回転するため、若干の工夫が必要である。たとえば、駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30,接続部材11,12,21,22をすべて金属などの導電性材料によって構成しておけば、これらの部材はすべて等電位になるので、転がり軸受15,25の部分にスリップリングを設けておけば、変位電極30Eに対して外部からの配線が可能になる(後の§4−5では、このような配線を簡潔化するための変形例を述べる)。
上述したとおり、測定回路51で測定された静電容量値Cは、固定測定点Fと環状変形体30の外周面との距離dを示す値になる。すなわち、ここに示す基本的実施形態の場合、容量素子Cと測定回路51とによって、距離測定器50が形成されている。距離測定器50は、装置筐体40に位置する所定の固定測定点Fと環状変形体の変位面(外周面)との距離を測定し、距離測定値d(実際には、静電容量値C)として出力する。検出回路60は、この距離測定器50によって測定された距離dの変動(実際には、静電容量値Cの変動)に基づいて従動回転体20にかかった負荷を検出し、これを回転軸(Z軸)まわりのトルク検出値Tとして出力する。
続いて、この図17に示すトルクセンサに、トルクが作用した場合(駆動回転軸13から与えられる回転動力に基づいて回転中に従動回転体20に負荷がかかった場合)を考える。これまで述べたとおり、基本構造部にトルクが作用すると、環状変形体30は楕円に変形し、楕円状態のまま回転することになる。環状変形体30が楕円に変形すると、外周面は変位を生じるので、回転位置に応じて、距離測定器50が出力する距離測定値d(実際には、静電容量値C)は変動する。
図18は、図17に示すトルクセンサにおいて、容量素子Cを構成する一対の電極の間隔が最も短くなった状態を示すXY平面での断面図であり、図19は、容量素子Cを構成する一対の電極の間隔が最も長くなった状態を示すXY平面での断面図である(いずれも、転がり軸受25は図示省略)。すなわち、図18は、楕円の長軸WがY軸負方向(距離測定軸方向)を向いた瞬間の状態を示しており、電極E/30Eの間隔は最も短くなる。このとき、容量素子Cの静電容量値は最大値Cwをとる。これに対して、図19は、楕円の短軸VがY軸負方向(距離測定軸方向)を向いた瞬間の状態を示しており、電極E/30Eの間隔は最も長くなる。このとき、容量素子Cの静電容量値は最小値Cvをとる。
図20は、図17に示すトルクセンサにおいて、一対の電極E,30Eによって構成される容量素子Cの静電容量値Cの時間的な変化を示すグラフである。このグラフの特性は、図15に示す距離dの変動グラフと基本的には同じである。ただ、容量値Cは距離dの逆数になるため、距離dが最小値dwをとる時点で容量値は最大値Cwをとり、距離dが最大値dvをとる時点で容量値は最小値Cvをとる。ここで、横軸は、基本構造部の回転角θ(長軸Wと距離測定軸Kとのなす角)を示している。基本構造部の回転速度が一定であれば、回転角θは時間tに比例することになり、容量値Cは基準値C0を中心として最小値Cv〜最大値Cwの範囲で一定周期で変動する。そして、図15についての説明で述べたとおり、この容量値Cの変動グラフの振幅Aは、作用したトルクの大きさを示すことになる。結局、図17に示す検出回路60は、測定回路51から与えられる距離測定値dの変動信号(実際には、静電容量値Cの変動信号)の振幅値Aを求め、これをトルク検出値Tとして出力すればよい。
<<< §4. 本発明の変形例 >>>
ここでは、§3で述べた基本的実施形態についてのいくつかの変形例を述べる。
<4−1.複数組の距離測定器を用いる変形例>
本発明に係るトルクセンサの基本原理は、環状変形体がトルクにより変形することを利用し、環状変形体の変位面と所定の固定測定点との間の距離を測定し、距離変動信号の振幅値Aをトルクの大きさとして検出するものである。たとえば、図12には、装置筐体40の内面に設けた固定測定点Fと環状変形体30の外周面上の点Qとの距離dを測定する例が示されており、図16には、一対の電極からなる容量素子によって距離測定器を構成した例が示されている。
これらの例は、いずれも1つの固定測定点Fについて距離測定を行う例であり、1組の距離測定器(1組の容量素子)を用いて測定が行われる。このように、原理的には、1組の距離測定器による距離測定を行うことができれば、検出回路60は、この距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値Aを、環状変形体30が回転中に、その回転軸まわりに作用したトルクの大きさとして出力することができる。ただ、実用上は、それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の距離測定器を設け、検出回路60が、これら複数組の距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにするのが好ましい。
図21は、複数組の容量素子を用いる変形例に係るトルクセンサの構成を示すXY平面での断面図である。このトルクセンサの構成は、図17に示す基本的実施形態に係るトルクセンサの構成とほぼ同じである。ただ、図17に示すトルクセンサには、距離測定器50として、負のY軸上に配置された1組の容量素子(固定電極Eと変位電極30E)が設けられているだけであるが、図21に示す変形例では、合計4組の容量素子が距離測定器として設けられている。
具体的には、X軸の正の領域と装置筐体40の内周面との交点位置に第1の固定測定点F1、Y軸の正の領域と装置筐体40の内周面との交点位置に第2の固定測定点F2、X軸の負の領域と装置筐体40の内周面との交点位置に第3の固定測定点F3、Y軸の負の領域と装置筐体40の内周面との交点位置に第4の固定測定点F4が設定されている。そして、装置筐体40の内周面における第1の固定測定点F1の近傍に第1の固定電極E1、第2の固定測定点F2の近傍に第2の固定電極E2、第3の固定測定点F3の近傍に第3の固定電極E3、第4の固定測定点F4の近傍に第4の固定電極E4が形成されている。
一方、環状変形体30は、これまで述べてきた基本的実施形態と同様に、導電性材料からなる円環状の部材である。ただ、電気的な挙動に着目すると、環状変形体30の外周面のうち、各固定電極E1〜E4に対向する領域は、それぞれ変位電極30E1〜30E4として振る舞うことになるので、対向する個々の電極対によって、それぞれ容量素子C1〜C4が形成される。これらの容量素子C1〜C4は、それぞれ固定測定点F1〜F4と環状変形体30の外周面との距離を測定する距離測定器として機能する。
図22は、図21に示す変形例における4組の容量素子C1〜C4の静電容量値Cの時間的な変化を示すグラフであり、横軸は、基本構造部の回転角θ(長軸WとX軸の正の部分とのなす角)を示している。基本構造部の回転速度が一定であれば、回転角θは時間tに比例することになり、各静電容量値Cは一定周期で変動する。ここで、各変動信号の振幅値A1〜A4は、いずれも作用したトルクの大きさを示すものになる。トルクが一定で、基本構造部および装置筐体が完全な同心配置をとり、固定電極E1〜E4の面積が互いに等しければ、理論的には、振幅値A1〜A4は等しくなる。
ただ、実際には、各構造部の寸法誤差や測定回路による測定誤差などの要因により、振幅値A1〜A4にはバラツキが生じる。そこで、検出回路60が、これら4組の距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値A1〜A4の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにすれば、上記誤差の影響が相殺された、より精度の高い検出値を得ることができるようになる。
なお、図22に示す4組の変動信号の位相を比べると、X軸上に配置された容量素子C1,C3の変動信号は互いに同位相であり、Y軸上に配置された容量素子C2,C4の変動信号も互いに同位相であることがわかる。これは、トルクの作用により環状変形体30が楕円状に変形し、その長軸Wもしくは短軸Vが一直線上の軸になるため、一直線上に配置された一対の距離測定器からは同位相の距離変動信号が得られるためである。一方、X軸上に配置された容量素子C1,C3の変動信号と、Y軸上に配置された容量素子C2,C4の変動信号とを比べると、互いに逆位相であることがわかる。これは、楕円状に変形した環状変形体30の長軸Wと短軸Vとが直交しているため、90°ずれた位置に配置された一対の距離測定器からは逆位相の距離変動信号が得られるためである。
このように、互いに逆位相の距離変動信号が得られる位置にある一対の固定測定点についての距離測定を行う一対の距離測定器を、ここでは「相補測定器対」と呼ぶことにする。たとえば、容量素子C1とC2とは相補測定器対であり、容量素子C3とC4とは相補測定器対である。このような相補測定器対を利用すると、差分検出を行うことができ、検出精度の向上を図ることができる。差分検出を行うには、検出回路60が、相補測定器対を構成する一対の距離測定器から得られる距離変動信号の差分信号の振幅値を、トルク検出値Tとして出力するようにすればよい。
たとえば、図22に示すような4組の変動信号が得られた場合、差分信号Δ1を「Δ1=C1−C2」なる演算によって求めれば、差分信号Δ1の振幅値α1は、実質的に振幅値A1とA2との和に対応した値になるので、この振幅値α1をトルク検出値Tとして出力することができる。この場合、差分信号Δ1はあくまでも容量値C1とC2との差を示す信号であるから、温度膨張などの共通誤差要因を排除した検出結果を得ることが可能になり、検出精度の向上が図れる。同様に、差分信号Δ2を「Δ2=C3−C4」なる演算によって求めれば、差分信号Δ2の振幅値α2をトルク検出値Tとして出力することもできる。
もちろん、各相補測定器対から得られる差分信号の振幅値の和もしくは平均を、トルク検出値Tとして出力してもよい。具体的には、上例の場合、差分信号Δ1の振幅値α1と差分信号Δ2の振幅値α2との和もしくは平均を、トルク検出値Tとして出力すればよい。和をとる場合、「(C1−C2)+(C3−C4)」なる演算によって求まる変動信号の振幅値α3が、トルク検出値Tとして出力されることになる。
図23は、より多数の距離測定器を用いた変形例に係るトルクセンサの構成を示すXY平面の断面図である。このトルクセンサの構成も、図17に示す基本的実施形態に係るトルクセンサの構成とほぼ同じであるが、合計24組の容量素子が距離測定器として設けられている。すなわち、装置筐体40の内周面には、15°おきに合計24枚の固定電極E1〜E24が形成されている。一方、環状変形体30は、これまで述べてきた基本的実施形態と同様に、導電性材料からなる円環状の部材である。
この変形例においても、その電気的な挙動に着目すると、環状変形体30の外周面のうち、各固定電極E1〜E24に対向する領域は、それぞれ変位電極30E1〜30E24として振る舞うことになるので、対向する個々の電極対によって、それぞれ容量素子C1〜C24が形成され、いずれも距離測定器として機能する。したがって、図21に示す変形例と同様に、検出回路60が、これら24組の距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値A1〜A24の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにすれば、より精度の高い検出値を得ることができる。
また、この図23に示す変形例においても、互いに90°ずれた位置に配置された一対の容量素子(たとえば、固定電極E1を含む容量素子C1と固定電極E7を含む容量素子C7)は、互いに逆位相の距離変動信号を出力し、前述した相補測定器対を構成する。そこで、このような相補測定器対から得られる差分信号の振幅値の和もしくは平均を、トルク検出値Tとして出力する差分検出も可能である。
<4−2.複数組の距離測定器を用いる変形例の利点>
図21や図23に示す変形例のように、複数の距離測定器を用いると、いくつかの利点が得られる。ここでは、これらの利点について説明する。
(1) 検出精度の向上
上述したとおり、原理的には、トルクの大きさを検出するには、1組の距離測定器による距離測定を行えば十分であるが、実際には、各構造部の寸法誤差や測定回路による測定誤差などにより、検出値には誤差が含まれる。複数の距離測定器による距離測定値の和もしくは平均により検出値を得るようにすれば、これらの誤差要因を低減させ、検出精度を向上させることができる。また、上述したように、相補測定器対を利用した差分検出を行えば、温度膨張などの共通誤差要因を排除した検出結果を得ることが可能になる。
(2) 回転位置の分解能の向上
本発明では、距離変動信号の振幅値Aに基づいてトルクの大きさを検出する。ここで、振幅値Aは距離変動信号の正および負のピーク位置において求めることができる。たとえば、単一の距離測定器を用いて図15に示すような距離変動信号が得られた場合、回転角θ=0°,90°,180°,270°の各位置(正および負のピーク位置)において振幅値A(実際には、その半分の値A/2)を得ることができる。しかしながら、回転位置がその間の回転角をとる場合、振幅値Aの測定はできない。別言すれば、基本構造部が1回転する間に、振幅値Aを4回しか測定することができない。
これに対して、たとえば、図23に示す例のように、合計24組の距離測定器を設けておけば、楕円状に変形した環状変形体30の長軸W(もしくは短軸V)が、いずれかの距離測定器による測定位置にきていれば、振幅値Aを測定することができる。すなわち、振幅値Aの測定が可能な回転位置は、θ=0°,15°,30°,45°,... と15°刻みとなり、測定可能な回転位置の分解能が向上することになる。
これは、急激なトルク変動が生じた場合にも、十分に追随したトルク検出が可能になることを意味する。一般に、回転速度が遅いにもかかわらず、トルク変動が速い系に利用する場合には、多数の距離測定器を用いて、迅速な応答特性を確保するようにするのが好ましい。
また、たとえば、自動車のステアリング軸に介挿して用いる場合のように、回転角度が比較的小さい系に利用する際にも、多数の距離測定器を用いて測定可能な回転位置の分解能を向上させるようにするのが好ましい。たとえば、図23に示す例のように、15°おきに距離測定器を設けておけば、±15°程度の回転角しか得られない場合でも、いずれかの距離測定器からの測定値に基づいて、トルク検出値を得ることができる。
(3) 静止時もしくは瞬時のトルク検出
本発明に係るトルクセンサの主たる用途は、回転動力の伝達軸に作用したトルクを検出することにあり、装置筐体内で基本構造体を回転させた状態において、環状変形体の変形量を測定することを基本原理とする。ただ、図23に示す変形例のように、ある程度の密度で距離測定器を配置しておけば、静止状態でも、作用したトルクの近似値を検出することができる。
たとえば、駆動回転体10に対して回転駆動力が加えられているものの、従動回転体20がブレーキなどで固定されていた場合を考えよう。この場合、図23に示す変形例では、環状変形体30は楕円状に変形したまま静止状態となる。このとき、24組の距離測定器(容量素子)によって測定される距離測定値は、その位置に応じて様々な値を示す。具体的には、楕円の長軸W方向に位置する固定測定点についての距離測定値は最小値をとり、楕円の短軸V方向に位置する固定測定点についての距離測定値は最大値をとる。
したがって、予め、トルクが作用していない状態(図23に示すように、環状変形体30が円を維持している状態)における距離測定値を基準値として設定しておけば(具体的には、たとえば、トルクが作用していない状態における24組の距離測定器の測定値の平均値を基準値と設定しておけば)、トルクが作用している静止状態において得られた24組の測定値のうちの最大値と基準値との差(あるいは、最小値と基準値との差)は、作用しているトルクの大きさを示す検出値になる。また、最大値と最小値との差も、作用しているトルクの大きさを示す検出値として用いることができる。
もっとも、このようにして得られた検出値は、必ずしも正しい値を示すものにはならない。なぜなら、24組の測定値のうちの最大値(もしくは最小値)は、必ずしも回転状態における最大値(もしくは最小値)にはならないからである。たとえば、楕円の長軸Wが、固定電極E1の中心に設定された固定測定点F1の位置を正確に向いていれば、この固定測定点F1について測定された距離測定値は正確な最小値になるが、固定電極E1とE2との中間位置を向いていれば、当該距離測定値は正確な最小値にはならない。結局、上述した静止状態の場合の検出値には、楕円状に変形した環状変形体30の回転位置に応じた誤差が含まれることになるので、当該検出値は、正確なトルクの値ではなく、その近似値ということになる。
そして、固定測定点の配置密度を高めれば高めるほど、得られる検出値の近似の程度も向上する。たとえば、図23に示す例のように、15°おきに合計24個の固定測定点を設ければ、図15に示すグラフにおいて、山もしくは谷のピーク値に関する誤差は、当該山もしくは谷の位置から±7.5°の範囲内に収まるので、実用上は、十分な近似値を得ることができる。
このように、静止時のトルクの近似値を検出できるということは、回転時において瞬時のトルクの近似値を検出できるということと等価である。したがって、図23に示すように、多数の距離測定器を設けた変形例は、回転速度が非常に遅い系に利用した場合でも、瞬時瞬時のトルクの近似値を得ることができる利点を有している。
要するに、必要な検出精度に応じた密度で複数N個の固定測定点を配置し、これらの固定測定点についての距離測定を行う複数N組の距離測定器を設けておけば、検出回路60は、このN組の距離測定器から得られる距離測定値の最大値と所定の基準値との差もしくはN組の距離測定器から得られる距離測定値の最小値と所定の基準値との差、または、最大値と最小値との差を、回転軸まわりの瞬時もしくは静止時のトルク近似値として出力することができる。
(4) 回転方向の検出
これまで述べてきた実施形態は、いずれも作用したトルクの大きさを検出する機能を有するトルクセンサについてのものであるが、複数の距離測定器を設けた変形例では、距離変動信号の位相差に基づいて、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転方向を検出することができるようになる。
たとえば、図23に示す変形例の場合、トルクの作用により環状変形体30が楕円状に変形した状態で回転すると、その長軸W(もしくは短軸V)の向きも回転することになるので、距離測定値の最小値(もしくは最大値)を示す距離測定器は、順番に移り変わってゆくことになる。たとえば、環状変形体30が時計まわりに回転している場合、距離測定値の最小値(もしくは最大値)を示す距離測定器も、時計まわりに順次移ってゆくことになるし、逆に、反時計まわりに回転している場合、距離測定値の最小値(もしくは最大値)を示す距離測定器も、反時計まわりに順次移ってゆくことになる。したがって、24組の距離測定器から得られる距離変動信号の相互の位相変化を解析すれば、環状変形体30の回転方向を認識することができる。
理論的には、2組の距離測定器から得られる距離変動信号の位相差に基づいて、回転方向の認識が可能である。たとえば、図23に示す変形例において、固定電極E1を含む容量素子C1と固定電極E4を含む容量素子C4という2組の距離測定器から得られる変動信号(静電容量値の変動信号)を考えてみる。
ここでは、この2組の容量素子C1,C4について、図24に示すような変動信号S1,S4が得られたものとしよう。両者を比較すると、変動信号S1は、変動信号S4より、回転角θの単位で45°だけ位相が進んでいる(本願では、説明の便宜上、回転角θを横軸にとって変動信号のグラフを描いているため、変動周期は180°になる。したがって、図24に示す例の場合、一般的な周期信号の位相差としては90°であるが、ここでは回転角θの単位で示した位相差45°を用いることにする)。
一方、図23において、容量素子C1の位置(固定電極E1の位置)と容量素子C4の位置(固定電極E4の位置)とは45°ずれている。そして、変動信号S1の方が変動信号S4よりも位相が45°進んでいるので、環状変形体30の回転方向は、容量素子C1からC4へ向かう方向、すなわち、時計まわりである、と認識することができる。逆に、変動信号S1の方が変動信号S4よりも位相が45°遅れていた場合は、環状変形体30の回転方向は、容量素子C4からC1へ向かう方向、すなわち、反時計まわりである、と認識することができる
なお、互いに位相反転の関係にある2組の変動信号については、位相の進み遅れを認識することができないので、図23に示す変形例の場合、たとえば、固定電極E1を含む容量素子C1と固定電極E7を含む容量素子C7という2組の距離測定器を用いた場合は、位相差に基づく回転方向の認識を行うことはできない。結局、回転方向の認識を行うには、互いに位相が異なる(但し、位相反転の関係にはない)距離変動信号が得られる位置にある固定測定点についての距離測定を行う少なくとも2組の距離測定器を設けておき、検出回路60が、これらの距離測定器から得られる距離変動信号の位相差に基づいて、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転方向を検出すればよい。
<4−3.接続点に関する変形例>
これまで述べてきた基本的実施形態に係るトルクセンサは、図1および図2に示す基本構造部を有している。すなわち、この基本構造部は、駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30という3つの主たる構成要素と、これらを相互に接続する接続部材11,12,21,22とによって構成されている。ここで、接続部材11,12は、環状変形体30の駆動対向面(図の左側面)に設けられた駆動接続点を駆動回転体10に接続する駆動接続部材であり、接続部材21,22は、環状変形体30の従動対向面(図の右側面)に設けられた従動接続点を、従動回転体20に接続する従動接続部材である。
本発明では、トルクの作用により、環状変形体30に機械的な変形を生じさせることが必須事項である。そのためには、駆動接続点および従動接続点の配置が重要である。ここでは、この各接続点の配置について検討する。
既に述べたとおり、本発明の基本的実施形態に係るトルクセンサでは、環状変形体30の駆動対向面上に第1の駆動接続点P11および第2の駆動接続点P12が設けられており、駆動接続部材は、第1の駆動接続点P11を駆動回転体10に接続する第1の駆動接続部材11と、第2の駆動接続点P12を駆動回転体10に接続する第2の駆動接続部材12と、によって構成されている。また、環状変形体30の従動対向面上に第1の従動接続点P21および第2の従動接続点P22が設けられており、従動接続部材は、第1の従動接続点P21を従動回転体20に接続する第1の従動接続部材21と、第2の従動接続点P22を従動回転体20に接続する第2の従動接続部材22と、によって構成されている。
図25は、図2に示す基本構造部にZ軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体30の変形態様を示すXY平面での断面図である。ここで、黒丸によって示されている点P11,P12は駆動接続点のXY平面上への正射影投影像であり、実際の駆動接続点P11,P12は、図に示す環状変形体30の紙面手前側の面(駆動対向面)に定義されている。一方、白丸によって示されている点P21,P22は従動接続点のXY平面上への正射影投影像であり、実際の従動接続点P21,P22は、図に示す環状変形体30の紙面奥側の面(従動対向面)に定義されている。
ここで、図25に黒矢印で示すように、駆動回転体10に対して時計まわり(Z軸正まわり)の回転駆動力が作用すると、黒丸で示す駆動接続点P11,P12は時計まわりに移動しようとする。ところが、従動回転体20に負荷がかかっていると、白丸で示す従動接続点P21,P22は静止しようとするので、第1象限Iに位置する円弧P21−P11の部分および第3象限IIIに位置する円弧P22−P12の部分は、図に白抜き矢印で示すように内側方向に縮み、第2象限IIに位置する円弧P11−P22の部分および第4象限IVに位置する円弧P12−P21の部分は、図に白抜き矢印で示すように外側に膨らむことになる。一方、図26に示すように、駆動回転体10に対して反時計まわり(Z軸負まわり)の回転駆動力が作用すると、白抜き矢印の向きは逆転する。
このように、トルクの作用により環状変形体30に変形を生じさせるためには、回転軸に直交する投影面(図示の例の場合、回転軸Zに直交するXY平面)についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにする必要がある。このような条件を満たしつつ、駆動接続点を少なくとも1カ所、従動接続点を少なくとも1カ所に設ければ、トルクの作用により環状変形体30に変形を生じさせることができる。したがって、駆動接続点および従動接続点の位置は必ずしも2カ所に限定されるものではない。
図27は、駆動接続点P11(黒丸)および従動接続点P21(白丸)をそれぞれ1カ所のみ設けた変形例について、Z軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体30の変形態様を示すXY平面での断面図である。図に黒矢印で示すように、駆動回転体10に対して時計まわり(Z軸正まわり)の回転駆動力が作用すると、黒丸で示す駆動接続点P11は時計まわりに移動しようとする。ところが、従動回転体20に負荷がかかっていると、従動接続点P21は静止しようとするので、環状変形体30の右半分の部分は白抜き矢印で示すように外側方向に膨らみ、左半分の部分は白抜き矢印で示すように内側方向に縮むことになる。したがって、環状変形体30は、幾何学的な楕円にはならないが、歪んだ形状に変形することになり、その外周面は、固定測定点Fに対して変位面として機能する。
ただ、図27に示すように、駆動接続点および従動接続点を1カ所ずつに設ける変形例では、効率的な変形を生じさせることはできない。したがって、実用上は、これまで述べてきた基本的実施形態のように、駆動接続点を2カ所、従動接続点を2カ所に設け、かつ、回転軸に直交する投影面(この例ではXY平面)に環状変形体30を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体30の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点P11、第1の従動接続点P21、第2の駆動接続点P12、第2の従動接続点P22の順に、各接続点の正射影投影像が配置されているようにするのが好ましい。このような構成を採れば、環状変形体30により効率的な変形を生じさせることができる。
特に、これまで述べてきた基本的実施形態では、円環状の環状変形体30を、幾何学的対称性をもった楕円状に変形させることができるように、2カ所の駆動接続点P11,P12および2カ所の従動接続点P21,P22の配置が幾何学的対称性をもつようにしている。すなわち、図25,図26に示す例のように、回転軸(Z軸)に直交する投影面(XY平面)上に、回転軸の投影点(O)を通り互いに直交する2直線(X軸およびY軸)を引いた場合に、第1の駆動接続点P11および第2の駆動接続点P12の正射影投影像が第1の直線上(Y軸上)に配置され、第1の従動接続点P21および第2の従動接続点P22の正射影投影像が第2の直線上(X軸上)に配置されているようにしている。
一方、図28は、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ3カ所ずつ設けた変形例について、Z軸正まわりの回転駆動力が作用したときの環状変形体30の変形態様を示すXY平面での断面図である。この変形例では、環状変形体30の駆動対向面上に第1の駆動接続点P11,第2の駆動接続点P12,第3の駆動接続点P13が設けられている。図28に黒丸で示す点P11,P12,P13は、これら3つの駆動接続点のXY平面上への正射影投影像である。また、環状変形体30の従動対向面上には、第1の従動接続点P21,第2の従動接続点P22,第3の従動接続点P23が設けられている。図28に白丸で示す点P21,P22,P23は、これら3つの従動接続点のXY平面上への正射影投影像である。
ここで、図28に示すように、回転軸(Z軸)に直交する投影面(XY平面)に環状変形体30を投影して正射影投影像を得た場合、環状変形体30の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点P11、第1の従動接続点P21、第2の駆動接続点P12、第2の従動接続点P22、第3の駆動接続点P13、第3の従動接続点P23の順に、各接続点の正射影投影像が配置されている。
このように、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ3カ所ずつ設定した場合、駆動接続部材および従動接続部材もそれぞれ3つずつ設ける必要がある。すなわち、この変形例の場合、駆動接続部材は、第1の駆動接続点P11を駆動回転体10に接続する第1の駆動接続部材と、第2の駆動接続点P12を駆動回転体10に接続する第2の駆動接続部材と、第3の駆動接続点P13を駆動回転体10に接続する第3の駆動接続部材と、によって構成される。同様に、従動接続部材は、第1の従動接続点P21を従動回転体20に接続する第1の従動接続部材と、第2の従動接続点P22を従動回転体20に接続する第2の従動接続部材と、第3の従動接続点P23を従動回転体20に接続する第3の従動接続部材と、によって構成される。
なお、この図28に示す変形例の場合も、円環状の環状変形体30を、幾何学的対称性(形状が120°ずつずれた対称性)をもって変形させることができるように、3カ所の駆動接続点P11,P12,P13および3カ所の従動接続点P21,P22,P23の配置が幾何学的対称性をもつようにしている。すなわち、図28に示すように、回転軸(Z軸)に直交する投影面(XY平面)上に、回転軸の投影点(O)を通り互いに60°の角度をなす3直線α,β,γを引いた場合に、第1の駆動接続点P11および第2の従動接続点P22の正射影投影像が第1の直線α上に配置され、第1の従動接続点P21および第3の駆動接続点P13の正射影投影像が第2の直線β上に配置され、第2の駆動接続点P12および第3の従動接続点P23の正射影投影像が第3の直線γ上に配置されている。
ここで、図28に黒矢印で示すように、駆動回転体10に対して時計まわり(Z軸正まわり)の回転駆動力が作用すると、黒丸で示す駆動接続点P11,P12,P13は時計まわりに移動しようとする。ところが、従動回転体20に負荷がかかっていると、白丸で示す従動接続点P21,P22,P23は静止しようとするので、円弧部分31,33,35は、図に白抜き矢印で示すように外側に膨らみ、円弧部分32,34,36は、図に白抜き矢印で示すように内側方向に縮むことになる。したがって、環状変形体30は、楕円にはならないが、歪んだ形状に変形することになり、その外周面は、固定測定点Fに対して変位面として機能する。
図25に示すように、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ2カ所ずつ設定した例と、図28に示すように、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ3カ所ずつ設定した例とを比較すると、同じトルクが作用した場合の変形量は前者の方が多くなり、得られる距離変動信号の振幅が大きくなるので、検出感度は前者の方が高くなる。しかしながら、距離測定値のピーク(最大値および最小値)は、前者では1回転中に4回しか得られないのに対して、後者では1回転中に6回得られることになり、回転位置の分解能は後者の方が向上する。また、前者では、環状変形体は合計4カ所で支持されるのに対して、後者では、環状変形体は合計6カ所で支持されることになり、構造の安定性という面では、後者の方が優れている。
<4−4.回転数を検出する変形例>
本発明に係るトルクセンサの元来の目的は、トルクを検出することにある。ただ、必要に応じて、このセンサに回転数を検出する付随的な機能をもたせることもできる。既に述べたとおり、トルクの作用によって変形した環状変形体30が回転すると、図15のグラフのように、距離dの変動を示す周期的な距離変動信号を得ることができる。この例では、環状変形体30が1回転する間(θ=0〜360°の期間)に、距離変動信号の極大位置(図の山状ピーク)もしくは極小位置(図の谷状ピーク)が2回カウントされることになる。
したがって、検出回路60は、距離測定器50から得られる距離変動信号の極大位置もしくは極小位置をカウントすることにより、トルクの作用によって変形した環状変形体30の回転数を検出することができる。図15の例は、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ2カ所ずつ設定して環状変形体30を楕円状に変形させる例であるため、1カウントは、1/2回転に相当する。これに対して、図28に示すように、駆動接続点および従動接続点をそれぞれ3カ所ずつ設定した例では、1カウントは、1/3回転に相当することになる。
<4−5.容量素子に対する配線を簡潔化した変形例>
図17に示す基本的実施形態では、測定回路51と固定電極Eとの間および測定回路51と変位電極30Eとの間に、それぞれ配線を施し、容量素子Cの静電容量値を測定する例を述べた。このように、距離測定器として容量素子を用いる場合、原理的には、固定電極Eと変位電極30Eとの間の静電容量値を測定することになる。ただ、環状変形体30は回転するため、測定回路51と変位電極30Eとの間の配線を行うためには、たとえば、スリップリングを設けるなどの工夫が必要になる。ここでは、このような配線を簡潔化するための変形例を述べる。
図29は、容量素子に対する配線を簡潔化した変形例に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。図17に示す基本的実施形態と図29に示す変形例との相違は、前者の固定電極Eが、後者では一対の副固定電極Ea,Ebに置き換わっている点と、前者では変位電極30E(環状変形体30)と固定電極Eとにそれぞれ配線が行われているのに対し、後者では一対の副固定電極Ea,Ebに対してそれぞれ配線が行われている点である。
要するに、この図29に示す変形例では、装置筐体40側に形成される固定電極が、第1副固定電極Eaと第2副固定電極Ebという一対の副電極によって構成されていることになる。この一対の副固定電極Ea,Ebは、互いに電気的絶縁状態となるように、所定間隔を置いて、固定測定点(たとえば、装置筐体40の内面上における両副電極Ea,Ebの中間地点)の近傍に配置されている。したがって、第1副固定電極Eaと、これに対向する環状変形体30の外周面の一部分と、によって第1副容量素子Caが形成され、第2副固定電極Ebと、これに対向する環状変形体30の外周面の一部分と、によって第2副容量素子Cbが形成される。更に、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとを直列接続することにより、容量素子Cが形成される。
図30(a) は、図29に示す変形例における容量素子構成部分の拡大図であり、図30(b) はその等価回路図である。図30(a) において、第1副固定電極Eaおよび第2副固定電極Ebは、いずれも装置筐体40の内面に形成された固定電極である。これに対して、変位電極30Eは、実際には、回転する環状変形体30の一部の外周面近傍部分によって構成され、環状変形体30の変形状態により変位する電極である。また、図の測定用端子Ta,Tbは、測定回路51に対する配線用の端子である。この変形例の特徴は、測定回路51に対する配線が、この測定用端子Ta,Tbに対してのみ行われ、変位電極30E(すなわち、環状変形体30)に対する配線が行われていない点である。
図示のとおり、第1副固定電極Eaと、これに対向する変位電極30Eの一部分と、によって第1副容量素子Caが形成され、第2副固定電極Ebと、これに対向する変位電極30Eの一部分と、によって第2副容量素子Cbが形成されている。しかも、副容量素子Ca,Cbを構成する上方側の電極として、変位電極30Eが共用されているため、副容量素子Ca,Cbは互いに直列接続された状態になっている。したがって、図30(a) に示す容量素子構成部分は、電気的には、図30(b) に示すような等価回路で表される。
この図30(b) の等価回路は、測定用端子Ta,Tb間に、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとを直列接続した回路である。ここで、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとの直列接続によって構成される容量素子を容量素子Cとすれば、測定用端子Ta,Tb間の電気的特性を測定することにより、この容量素子Cの静電容量値を測定することができる。当該静電容量値は、各副固定電極Ea,Ebと変位電極30Eとの距離に応じた値になるので、この静電容量値を、固定測定点と環状変形体30の外周面との距離測定値として出力することができる。
図31は、図29に示す変形例における測定回路51の具体的な構成例を示す回路図である。上述したとおり、測定回路51は、測定用端子Ta(第1副固定電極Ea)と測定用端子Tb(第2副固定電極Eb)との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとの直列接続によって構成される容量素子Cの静電容量値Cを測定し、これを出力する機能を有し、図示のとおり、交流信号源51aと振幅測定部51bとによって構成される。
交流信号源51aが、交流信号(正弦波や矩形波など)を第1副容量素子Caの一方の電極(第1副固定電極Ea)に供給すると、この交流信号は第1副容量素子Caの容量結合を介して、他方の電極(変位電極30E)に伝達される。更に、当該交流信号は、第2副容量素子Cbの一方の電極(変位電極30E)から、第2副容量素子Cbの容量結合を介して、他方の電極(第2副固定電極Eb)に伝達される。振幅測定部51bは、こうして伝達されてきた交流信号の振幅を測定する。得られた振幅測定値は、各副容量素子Ca,Cbの静電容量値に応じたものになり、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとの直列接続によって構成される容量素子Cの静電容量値Cを示す値になる。
このように、図29に示す変形例では、回転する環状変形体30に対する配線は一切不要になり、測定回路51に対しては、一対の副固定電極Ea,Ebに対してのみ配線を行えばよい。このため、測定に必要な配線を簡潔化できるメリットが得られる。
<4−6.距離測定器に関する変形例>
これまで述べた基本的実施形態では、図17に示すように、固定測定点Fに設けられた固定電極Eと環状変形体30の変位面に設けられた変位電極30Eとによって構成される容量素子C(あるいは、図29に示す変形例では、副固定電極Ea,Ebと環状変形体30の変位面に設けられた変位電極30Eとによって構成される副容量素子Ca,Cbの直列接続からなる容量素子C)と、この容量素子Cの静電容量値を測定し、得られた静電容量値に基づいて距離測定値dを出力する測定回路51と、によって距離測定器50を構成している。しかしながら、本発明における距離測定器は、固定測定点Fと環状変形体30の変位面との距離を測定することができる装置であれば、必ずしも容量素子を用いた装置にする必要はない。ここでは、距離測定器のバリエーションをいくつか述べておく。
(1) 渦電流変位計を用いた距離測定器
図32は、距離測定器として渦電流変位計を用いた変形例を示す断面図である。この変形例の基本構成は、これまで述べてきた基本的実施形態の構成と同一である。ただ、距離測定器として、容量素子を用いた装置の代わりに、渦電流変位計を用いた点だけが異なっている。図は、この変形例の基本構造部をXY平面で切断した断面を示しており、環状変形体30が装置筐体40内に収容されている点は、図21に示す実施形態と全く同様である。ただ、図21に示す実施形態では、4カ所(XおよびY軸上)の固定測定点に設けられた距離測定器が容量素子C1〜C4を用いた装置であるのに対して、図32に示す変形例では、4カ所の固定測定点に設けられた距離測定器が渦電流変位計M1〜M4を用いた装置となっている。
図33は、渦電流変位計による距離測定の基本原理を示す図である。渦電流変位計は、高周波発振回路71とコイル72によって構成される装置であり、コイル72に近接配置された導電性の検出物体73とコイル72との距離を電気的に検出する機能を有している。その基本原理は次のとおりである。まず、高周波発振回路71からコイル72に対して高周波電流を流すと、コイル72から高周波磁界74が発生し、この高周波磁界74の電磁誘導作用により、導電性の検出物体73に渦電流75が流れる。そして、この渦電流75により、コイル72のインピーダンスが変化し、その結果、高周波発振回路71の発振状態に変化が生じることになる。コイル72のインピーダンス変化量は、コイル72と検出物体73との距離に応じたものになるので、高周波発振回路71に、発振状態の変化を検出する回路を設けておけば、コイル72と検出物体73との距離を電気的に検出することができる。
図32に示されている渦電流変位計M1〜M4は、このような原理で動作する距離測定器である。図32において、環状変形体30の一部もしくは全部を導電性材料によって構成しておけば、当該導電性部分には、図33に示す原理図における検出物体73と同様に、渦電流が流れることになる。この渦電流によって、渦電流変位計M1〜M4に内蔵されているコイルのインピーダンスが変化するので、これを電気的に検出することにより、コイルと環状変形体30の外周面との距離を測定することができる。
(2) ホール素子を用いた距離測定器
図32に示す変形例に示す渦電流変位計M1〜M4の代わりに、ホール素子を用いて距離測定を行うこともできる。ホール素子は、ホール効果によって磁界を検出する機能をもった素子であるから、環状変形体30の一部もしくは全部を磁石によって構成しておけば、固定測定点に設けられたホール素子によって距離測定器を構成することができる。たとえば、環状変形体30全体を磁石によって構成するか(この場合、変形に耐えうる機械的強度をもった磁石を用いる必要がある)、あるいは、環状変形体30の外周面に磁石を固着しておけば、固定測定点に設けられたホール素子に作用する磁界の強度は、固定測定点と環状変形体30の外周面との距離によって変化することになる。よって、ホール素子による磁界の検出値を、距離測定値として用いることが可能になる。
(3) 光ビームを用いた距離測定器
この他、光ビームを利用して、距離測定器を構成することも可能である。たとえば、装置筐体40に固定され、環状変形体30の変位面(外周面)に対して斜め方向に光ビームを照射する光ビーム照射器と、装置筐体に固定され、環状変形体30の変位面(外周面)で反射された光ビームを受光する光ビーム受光器と、光ビーム受光器による光ビームの受光位置に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、によって距離測定器を構成することもできる。
環状変形体30の変位面(外周面)が変位すると、光ビームの照射位置および反射ビームの射出方向が変化することになる。その結果、光ビーム受光器による光ビームの受光位置も変化するので、この受光位置に基づいて距離測定値を得ることができる。
なお、実用上、装置筐体40の内部にオイルを充填して利用するケースがある。このようなケースでは、容量素子、渦電流変位計、ホール素子を用いた距離測定には支障は生じないが、光ビームを用いた距離測定を行う場合には、オイルの光吸収により、光ビーム受光器へ到達するまでにビーム光量が減衰してしまうことになる。したがって、用いる光ビームの波長に対してできるだけ透明なオイルを用いるなどの工夫を施す必要がある。
<4−7.環状変形体の内周面の変位を測定する変形例>
これまで述べてきた実施形態では、装置筐体40に所定の固定測定点Fを定義し、この固定測定点Fと環状変形体30の外周面との距離を距離測定器によって測定する手法が採られていた。すなわち、距離測定器は、装置筐体40の内面上の固定測定点Fと、環状変形体30の外周面との距離を測定していた。しかしながら、環状変形体30の変位面は外周面だけではなく、内周面も変位面になる。したがって、所定の固定測定点Fと環状変形体30の内周面との距離を距離測定器によって測定する手法を採ることも可能である。
また、所定の固定測定点Fは、必ずしも装置筐体40上の点である必要はなく、装置筐体に固定された何らかの部材(ここでは、固定補助体と呼ぶことにする)上に設けた点であってもよい。特に、環状変形体30の内周面との距離を測定する場合は、固定測定点Fは環状変形体30の内側に設ける必要があるので、装置筐体40とは別に固定補助体を設け、この固定補助体上に固定測定点Fを設けるようにすればよい。
図34は、環状変形体30の内周面の変動を測定する変形例に用いられる基本構造部の分解斜視図である。図1に示す基本構造部との違いは、駆動回転体10の代わりに、貫通開口部H10が形成された駆動回転体10Aを用い、従動回転体20の代わりに、貫通開口部H20が形成された従動回転体20Aを用いた点だけであり、その余の構成は全く同一である。図35は、この図34に示す基本構造部に固定補助体80を挿入した状態を示す側面図である。
固定補助体80は、環状変形体30の貫通開口部H30に挿通し、回転軸(Z軸)を中心軸とする柱状の構造体であり、図には示されていないが、何らかの接続部材を介して装置筐体40に固定されている。特に、ここに示す例の場合、固定補助体80は、Z軸を中心軸とする円柱状の部材からなり、XY平面での断面を見ると、固定補助体80の外周面と環状変形体30の内周面とは同心円を構成する。このような構造体を用意すれば、固定補助体80の外面上に固定測定点Fを設定し、当該固定測定点Fと環状変形体30の内周面との距離を測定する距離測定器によって、環状変形体30の内周面の変位量を測定することができ、これまで述べてきた基本的実施形態と同様に、トルクの検出を行うことができる。
たとえば、容量素子を用いた距離測定器を採用する場合は、固定補助体80の外面に位置する固定測定点Fに設けられた固定電極と、環状変形体30の内周面に沿って形成された環状の変位電極と、によって容量素子を構成し、更に、この容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力する測定回路を設けるようにすればよい。環状変形体30の内周面に沿って環状の変位電極を形成しておけば、環状変形体30がどのような回転位置にある場合にも、固定補助体80の外面に形成された固定電極と、この固定電極に対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されることになる。実用上は、少なくとも内周面が導電性材料からなる環状変形体30を用いるようにし、この環状変形体30の内周面自身によって変位電極が構成されるようにすればよい。
なお、容量素子に対する配線を簡潔化する上では、§4−5で述べた変形例と同様に、固定電極Eを、固定補助体80の外面に位置する固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極Eaと第2副固定電極Ebとによって構成し、第1副固定電極Eaと、これに対向する環状変形体30の内周面の一部分と、によって第1副容量素子Caが形成され、第2副固定電極Ebと、これに対向する環状変形体30の内周面の一部分と、によって第2副容量素子Cbが形成されるようにすればよい。そうすれば、測定回路51が、第1副固定電極Eaと第2副固定電極Ebとの間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子Caと第2副容量素子Cbとの直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することができる。
結局、本発明に係るトルクセンサでは、装置筐体40もしくは装置筐体40に固定された固定補助体80上に位置する所定の固定測定点Fと環状変形体30の変位面(外周面もしくは内周面)との距離を距離測定器によって測定できればよい。
<4−8.環状変形体の形状に関する変形例>
これまで述べてきた実施形態では、環状変形体30として、円環状の部材を用いているが、環状変形体30は、必ずしも円形の環状体である必要はなく、開口部を有するループ状の部材であればよい。たとえば、正八角形、正六角形、正方形の形状をした環状体でもかまわないし、任意形状の環状体であってもかまわない。
ただ、実用上は、これまで述べた実施形態に示すように、円形の環状体を用いるのが好ましい。環状変形体30として、円環状の部材を用いると、距離測定器から得られる距離変動信号は滑らかな連続波形の信号になり、検出回路による処理が容易になる。また、製造プロセスも円環状にした方が容易である。
<4−9.従動回転体を固定する変形例>
これまで述べてきた実施形態は、駆動回転体10,環状変形体30,従動回転体20のすべてが、回転軸まわりに回転することを前提としたトルクセンサの例であり、モータやエンジンなどで発生させた動力を伝達させる動力伝達系の中間に介挿して用いるのが一般的な利用形態になる。これに対して、ここで述べる変形例は、これまでの実施形態における従動回転体20を固定して利用する形態ということになる。
図36は、従動回転体を固定する変形例に係るトルクセンサの構成を示す側断面図およびブロック図である。この変形例において、駆動回転体10,環状変形体30,従動回転体20B,駆動回転軸13,各凸状部,固定電極Eは、図17に示す基本的実施形態における各対応部材と同じものである。一方、装置筐体45は、図17に示す装置筐体40と同様に、円筒状の構造体であるが、図の右側の端面は封止された状態になっており、ここに従動回転体20Bが接合されている。この図36に示す従動回転体20Bは、図17に示す従動回転体20と物理的には全く同じ部材であるが、装置筐体45に固着された状態となっており、回転することはない。そこで、この変形例では、「従動回転体20B」と呼ぶ代わりに「固定支持体20B」と呼ぶことにする。
図示のとおり、固定支持体20Bの右側面は装置筐体45に固着され、左側面からは凸状部21B,22B(図には凸状部21Bのみが現れているが、凸状部22Bは手前側に位置する)が左方に突き出している。これら凸状部21B,22Bは、これまで述べてきた実施形態において「従動接続部材」と呼ばれてきた部材であるが、ここでは「固定接続部材」と呼ぶことにする。これら固定接続部材21B,22Bの先端部は、環状変形体30の右側面上の固定接続点(これまで述べてきた実施形態における従動接続点に対応)に接続される。そして、環状変形体30の左側面上の駆動接続点に、駆動回転体10の右側面から突き出した凸状部11,12(駆動接続部材)の先端部が接続され、駆動回転体10の左側面に駆動回転軸13が接続されている点は、これまで述べてきた実施形態と同様である。
結局、駆動回転軸13,駆動回転体10,環状変形体30,固定支持体20Bは、いずれも装置筐体45によって支持されることになるので、転がり軸受(ボールベアリング)を設けなくても、これら各部材は装置筐体45内の定位置に支持されることになる。もっとも、環状変形体30は、これまで述べてきた実施形態と同様に、検出対象となるトルクの作用により弾性変形を生じる材質からなり、回転軸Zが挿通する貫通開口窓H30を有する部材であるため、装置筐体45を固定した状態において、駆動回転軸13に外力が作用すると、環状変形体30の変形の自由度に応じた範囲内で駆動回転軸13および駆動回転体10は変位を生じることになる。
この装置は、回転軸Zまわりのトルクを検出するトルクセンサであるので、正確な測定を行うためには、駆動回転軸13が常にZ軸を中心軸として回転するようにするのが好ましい。そのためには、必要に応じて、駆動回転体10の外周面と装置筐体45の内周面との間に転がり軸受(ボールベアリング)を設ければよい。
なお、この変形例の場合、固定支持体20Bが固定されているため、駆動回転軸13および駆動回転体10は自由に回転できるわけではなく、環状変形体30の変形の自由度に応じた所定角度範囲で回転する(いわゆる、回動する)にすぎない。別言すれば、この変形例に係るトルクセンサは、駆動回転軸13に対して加わる捻れ力を検出するセンサということになる。
図示のとおり、この変形例においても、装置筐体45の内周面に固定電極Eが形成され、環状変形体30の外周面の対向部分が変位電極30Eとして機能する。そして、固定電極Eと変位電極30Eとによって容量素子Cが形成され、この容量素子Cと測定回路51とによって、距離測定器50が構成される。測定回路51は、容量素子Cの静電容量値Cを距離測定値dを示すパラメータとして出力し、検出回路60は、これに基づいてトルク検出値Tを出力する。
要するに、この変形例に係るトルクセンサは、回転軸Zに沿った第1の方向(図示する例の場合は左方向)を定義した場合に、環状変形体30の第1の方向に隣接する位置に、検出対象となるトルクに基づく回転駆動力を受けて回転軸Zまわりに環状変形体30の変形の自由度に応じた所定角度範囲で回転する駆動回転体10を配置し、第1の方向とは逆の第2の方向(図示する例の場合は右方向)を定義した場合に、環状変形体30の第2の方向に隣接する位置に、装置筐体45に固定された固定支持体20Bを配置した基本構成を有する。
ここで、環状変形体30の第1の方向を向いた側面(図の左側面)に設けられた駆動接続点は、駆動接続部材11,12によって駆動回転体10に接続され、環状変形体30の第2の方向を向いた側面(図の右側面)に設けられた固定接続点は、固定接続部材21,22によって固定支持体20Bに接続されている。そして、装置筐体45上に位置する所定の固定測定点と環状変形体30の変位面との距離を測定する距離測定器50と、この距離測定器50によって測定された距離に基づいて駆動回転体10に作用したトルクを出力する検出回路60と、が設けられている。
このような構成のトルクセンサでは、駆動回転軸13に加わるトルクが大きければ大きいほど、環状変形体30の変形の度合い(楕円の長軸と短軸の長さの差)は大きくなり、環状変形体30の外周面(変位電極30E)の変位量は大きくなるので、容量素子Cの静電容量値の変化量も大きくなる。したがって、トルクが作用したいない状態(環状変形体30が円形をしている状態)における容量素子Cの静電容量値を基準としたときの静電容量値の変化量を、作用したトルクの大きさを示す値として出力することができる。
なお、図36では、図示の便宜上、固定電極Eを環状変形体30の真下の位置(負のY軸上)に配置して示しているが、実際には、より高い検出感度を得るため、固定電極Eは、楕円状に変形した環状変形体30の長軸Wもしくは短軸Vの位置(たとえば、図9参照)に配置するのが好ましい。また、配線を簡潔化する上では、§4−5で述べたとおり、図30および図31に示す測定原理を利用できるように、固定電極Eを一対の副固定電極Ea,Ebによって構成するのが好ましい。
もちろん、この図36に示す変形例においても、容量素子Cの代わりに、§4−6で述べた様々な距離測定器を用いることができる。また、§4−1で述べたように、複数組の距離測定器を用いるようにしてもよい。更に、§4−3で述べたように、接続点の数を増減することも可能である。この変形例の場合も、回転軸Zに直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と固定接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにすれば、トルクの作用により、環状変形体30に変形を生じさせることができ、トルク検出が可能になる。また、この図36に示す変形例においても、§4−7で述べたように、装置筐体45に固定された固定補助体を設け、環状変形体30の内周面の変位を測定することが可能であり、§4−8で述べたように、様々な形状の環状変形体を用いることが可能である。
10,10A:駆動回転体
11:凸状部(第1の駆動接続部材)
12:凸状部(第2の駆動接続部材)
13:駆動回転軸
15:転がり軸受(ボールベアリング)
15A:内輪部
15B:外輪部
15C:ボール
20,20A:従動回転体
20B:固定支持体
21:凸状部(第1の従動接続部材)
21B:凸状部(第1の固定接続部材)
22:凸状部(第2の従動接続部材)
23:従動回転軸
25:転がり軸受(ボールベアリング)
30:環状変形体
30E:変位電極
30E1〜30E4:変位電極
31〜36:円弧部分
40,45:装置筐体
50:距離測定器
51:測定回路
51a:交流信号源
51b:振幅測定部
60:検出回路
71:高周波発振回路
72:コイル
73:検出物体
74:高周波磁界
75:渦電流
80:固定補助体
A:距離変動信号の振幅値
C:容量素子/その静電容量値
C0:静電容量の基準値
C1〜C4:容量素子/その静電容量値
Ca:第1副容量素子
Cb:第2副容量素子
Cv:静電容量の最小値
Cw:静電容量の最大値
d:距離測定値
d0:距離の基準値
dv:距離の最大値
dw:距離の最小値
E:固定電極
Ea:第1副固定電極
Eb:第2副固定電極
E1〜E24:固定電極
F:固定測定点
F1〜F4:固定測定点
H10:駆動回転体10Aに形成された貫通開口部
H20:従動回転体20Aに形成された貫通開口部
H30:環状変形体30に形成された貫通開口部
K:距離測定軸
M1〜M4:渦電流変位計
O:XYZ三次元座標系の原点
P11〜P13:駆動接続点/その投影像
P21〜P23:従動接続点/その投影像
Q:環状変形体の外周面上の点
S1,S4:変動信号
T:トルク検出値
Ta,Tb:測定用端子
V:楕円に変形した環状変形体の短軸
W:楕円に変形した環状変形体の長軸
X:XYZ三次元座標系の座標軸
Y:XYZ三次元座標系の座標軸
Z:XYZ三次元座標系の座標軸
α,β,γ:接続点配置軸
θ:基本構造体の回転角
(1) 本発明の第1の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
環状変形体が、回転軸を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部を形成することにより得られる円環状の部材からなり、
環状変形体の貫通開口部に挿通し、装置筐体に固定され、回転軸を中心軸とする柱状の固定補助体を更に設け、
距離測定器が、固定補助体の外面上の固定測定点と、環状変形体の内周面との距離を測定するようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、
固定補助体の外面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の内周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、固定電極と、固定電極に対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、測定回路が、容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の少なくとも内周面が導電性材料からなり、環状変形体の内周面自身によって変位電極が構成されているようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係るトルクセンサにおいて、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
互いに逆位相の距離変動信号が得られる位置にある一対の固定測定点についての距離測定を行う一対の距離測定器からなる相補測定器対が設けられており、
検出回路が、環状変形体の回転中に、相補測定器対を構成する一対の距離測定器から得られる距離変動信号の差分信号の振幅値を、その回転軸まわりに作用したトルクの大きさとして出力するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第5の態様に係るトルクセンサにおいて、
それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の相補測定器対を設け、
検出回路が、各相補測定器対から得られる差分信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
必要な検出精度に応じた密度で配置された複数N個の固定測定点についての距離測定を行う複数N組の距離測定器を設け、
検出回路が、N組の距離測定器から得られる距離測定値の最大値と所定の基準値との差もしくはN組の距離測定器から得られる距離測定値の最小値と所定の基準値との差、または、最大値と最小値との差を、回転軸まわりの瞬時もしくは静止時のトルク近似値として出力するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
互いに位相が異なる(但し、位相反転の関係にはない)距離変動信号が得られる位置にある固定測定点についての距離測定を行う少なくとも2組の距離測定器を設け、
検出回路が、これらの距離測定器から得られる距離変動信号の位相差に基づいて、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転方向を検出する機能を更に有するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
検出回路が、距離測定器から得られる距離変動信号の極大位置もしくは極小位置をカウントすることにより、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転数を検出する機能を更に有するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
距離測定器を、
固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の変位面に設けられた変位電極と、を有する容量素子と、
容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
によって構成し、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第5〜第10の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体が、回転軸を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部を形成することにより得られる円環状の部材からなるようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第5〜第10の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
従動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
装置筐体が、駆動回転体、従動回転体および環状変形体を収容する、回転軸を中心軸として配置された筒状の部材からなるようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、駆動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにし、
従動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、従動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第11の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、装置筐体の内面上の固定測定点と、環状変形体の外周面との距離を測定するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第11の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の貫通開口部に挿通し、装置筐体に固定され、回転軸を中心軸とする柱状の固定補助体を更に設け、
距離測定器が、固定補助体の外面上の固定測定点と、環状変形体の内周面との距離を測定するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された駆動回転体と、
回転軸まわりに回転自在となるように装置筐体内に支持された従動回転体と、
駆動回転体と従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
環状変形体に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体に設けられた従動接続点を、従動回転体に接続する従動接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて従動回転体にかかった負荷を検出し、これを回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにし、
距離測定器が、装置筐体の内面上の固定測定点と、環状変形体の外周面との距離を測定するために、装置筐体の内面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の外周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、固定電極と、固定電極に対向する変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、測定回路が、容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第16の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の少なくとも外周面が導電性材料からなり、環状変形体の外周面自身によって変位電極が構成されているようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第17の態様に係るトルクセンサにおいて、
固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
測定回路が、第1副固定電極と第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、第1副容量素子と第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力するようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第1、第5〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器を、
固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の変位面に設けられた変位電極と、を有する容量素子と、
容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
によって構成したものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第1、第5〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の一部もしくは全部が導電性材料からなり、
距離測定器が固定測定点に設けられた渦電流変位計によって構成されているようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述した第1、第5〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の一部もしくは全部が磁石からなり、
距離測定器が固定測定点に設けられたホール素子によって構成されているようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述した第1、第5〜第15の態様に係るトルクセンサにおいて、
距離測定器が、
装置筐体もしくは固定補助体に固定され、環状変形体の変位面に対して斜め方向に光ビームを照射する光ビーム照射器と、
装置筐体もしくは固定補助体に固定され、変位面で反射された光ビームを受光する光ビーム受光器と、
光ビーム受光器による光ビームの受光位置に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
によって構成されているようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述した第1〜第22の態様に係るトルクセンサにおいて、
駆動接続部材が、駆動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の駆動回転体に対向する駆動対向面上の駆動接続点に接合されており、
従動接続部材が、従動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の従動回転体に対向する従動対向面上の従動接続点に接合されているようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述した第23の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点および第2の駆動接続点が設けられ、
駆動接続部材は、第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、を有し、
環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点および第2の従動接続点が設けられ、
従動接続部材は、第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、を有し、
回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されているようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述した第24の態様に係るトルクセンサにおいて、
回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに直交する2直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の駆動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置されているようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述した第23の態様に係るトルクセンサにおいて、
環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点、第2の駆動接続点、第3の駆動接続点が設けられ、
駆動接続部材は、第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、第3の駆動接続点を駆動回転体に接続する第3の駆動接続部材と、を有し、
環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点、第2の従動接続点、第3の従動接続点が設けられ、
従動接続部材は、第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、第3の従動接続点を従動回転体に接続する第3の従動接続部材と、を有し、
回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点、第3の駆動接続点、第3の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されているようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述した第26の態様に係るトルクセンサにおいて、
回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに60°の角度をなす3直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第3の駆動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置され、第2の駆動接続点および第3の従動接続点の正射影投影像が第3の直線上に配置されているようにしたものである。
(28) 本発明の第28の態様は、所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサにおいて、
装置筐体と、
検出対象となるトルクの作用により弾性変形を生じる材質からなり、回転軸が挿通する貫通開口窓を有する環状変形体と、
回転軸に沿った第1の方向を定義した場合に、環状変形体の第1の方向に隣接する位置に配置され、検出対象となるトルクに基づく回転駆動力を受けて回転軸まわりに環状変形体の変形の自由度に応じた所定角度範囲で回転する駆動回転体と、
第1の方向とは逆の第2の方向を定義した場合に、環状変形体の第2の方向に隣接する位置に配置され、装置筐体に固定された固定支持体と、
環状変形体の第1の方向を向いた側面に設けられた駆動接続点を、駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
環状変形体の第2の方向を向いた側面に設けられた固定接続点を、固定支持体に接続する固定接続部材と、
装置筐体もしくは装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
距離測定器によって測定された距離に基づいて駆動回転体に作用したトルクを出力する検出回路と、
を設け、
回転軸に直交する投影面についての駆動接続点の正射影投影像と固定接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにしたものである。
下段のブロック図に示されている測定回路51および検出回路60は、いずれも電子回路によって構成される。測定回路51は、容量素子Cの静電容量値を電気信号として検出する機能を果たし、たとえば、C/V変換回路によって構成される。なお、固定電極Eと測定回路51との間の配線は、装置筐体40の内周面に沿わせたり、装置筐体40に形成した配線用スルーホールを介して行うことができる。一方、変位電極30Eと測定回路51との間の配線は、変位電極30E(すなわち、環状変形体30)が回転するため、若干の工夫が必要である。たとえば、駆動回転体10,従動回転体20,環状変形体30,接続部材11,12,21,22をすべて金属などの導電性材料によって構成しておけば、これらの部材はすべて等電位になるので、転がり軸受15,25の部分にスリップリングを設けておけば、変位電極30Eに対して外部からの配線が可能になる(後の§4−5では、このような配線を簡潔化するための変形例を述べる)。

Claims (30)

  1. 所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサであって、
    装置筐体と、
    前記回転軸まわりに回転自在となるように前記装置筐体内に支持された駆動回転体と、
    前記回転軸まわりに回転自在となるように前記装置筐体内に支持された従動回転体と、
    前記駆動回転体と前記従動回転体との間に配置され、トルクの作用により弾性変形を生じる材質からなる環状変形体と、
    前記環状変形体に設けられた駆動接続点を、前記駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
    前記環状変形体に設けられた従動接続点を、前記従動回転体に接続する従動接続部材と、
    前記装置筐体もしくは前記装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と前記環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
    前記距離測定器によって測定された距離の変動に基づいて前記従動回転体にかかった負荷を検出し、これを前記回転軸まわりのトルクとして出力する検出回路と、
    を備え、
    前記回転軸に直交する投影面についての前記駆動接続点の正射影投影像と前記従動接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにしたことを特徴とするトルクセンサ。
  2. 請求項1に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体が、回転軸を中心軸として配置された円盤の中央部に、より径の小さな同心円盤の形状をした貫通開口部を形成することにより得られる円環状の部材からなることを特徴とするトルクセンサ。
  3. 請求項2に記載のトルクセンサにおいて、
    駆動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
    従動回転体が、回転軸を中心軸として配置された円盤状の部材からなり、
    装置筐体が、駆動回転体、従動回転体および環状変形体を収容する、回転軸を中心軸として配置された筒状の部材からなることを特徴とするトルクセンサ。
  4. 請求項3に記載のトルクセンサにおいて、
    駆動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、駆動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにし、
    従動回転体の外周面と装置筐体の内周面との間に転がり軸受を設け、従動回転体が装置筐体によって回転自在に支持されるようにしたことを特徴とするトルクセンサ。
  5. 請求項2に記載のトルクセンサにおいて、
    距離測定器が、装置筐体の内面上の固定測定点と、環状変形体の外周面との距離を測定することを特徴とするトルクセンサ。
  6. 請求項2に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の貫通開口部に挿通し、装置筐体に固定され、回転軸を中心軸とする柱状の固定補助体を更に備え、
    距離測定器が、前記固定補助体の外面上の固定測定点と、環状変形体の内周面との距離を測定することを特徴とするトルクセンサ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    駆動接続部材が、駆動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の駆動回転体に対向する駆動対向面上の駆動接続点に接合されており、
    従動接続部材が、従動回転体の環状変形体に対向する面から突出した凸状部によって構成され、当該凸状部の頂面が環状変形体の従動回転体に対向する従動対向面上の従動接続点に接合されていることを特徴とするトルクセンサ。
  8. 請求項7に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点および第2の駆動接続点が設けられ、
    駆動接続部材は、前記第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、前記第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、を有し、
    環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点および第2の従動接続点が設けられ、
    従動接続部材は、前記第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、前記第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、を有し、
    回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されていることを特徴とするトルクセンサ。
  9. 請求項8に記載のトルクセンサにおいて、
    回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに直交する2直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の駆動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置されていることを特徴とするトルクセンサ。
  10. 請求項7に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の駆動対向面上に第1の駆動接続点、第2の駆動接続点、第3の駆動接続点が設けられ、
    駆動接続部材は、前記第1の駆動接続点を駆動回転体に接続する第1の駆動接続部材と、前記第2の駆動接続点を駆動回転体に接続する第2の駆動接続部材と、前記第3の駆動接続点を駆動回転体に接続する第3の駆動接続部材と、を有し、
    環状変形体の従動対向面上に第1の従動接続点、第2の従動接続点、第3の従動接続点が設けられ、
    従動接続部材は、前記第1の従動接続点を従動回転体に接続する第1の従動接続部材と、前記第2の従動接続点を従動回転体に接続する第2の従動接続部材と、前記第3の従動接続点を従動回転体に接続する第3の従動接続部材と、を有し、
    回転軸に直交する投影面に環状変形体を投影して正射影投影像を得た場合に、環状変形体の輪郭に沿った環状路に、第1の駆動接続点、第1の従動接続点、第2の駆動接続点、第2の従動接続点、第3の駆動接続点、第3の従動接続点の順に、各接続点の正射影投影像が配置されていることを特徴とするトルクセンサ。
  11. 請求項10に記載のトルクセンサにおいて、
    回転軸に直交する投影面上に、回転軸の投影点を通り互いに60°の角度をなす3直線を引いた場合に、第1の駆動接続点および第2の従動接続点の正射影投影像が第1の直線上に配置され、第1の従動接続点および第3の駆動接続点の正射影投影像が第2の直線上に配置され、第2の駆動接続点および第3の従動接続点の正射影投影像が第3の直線上に配置されていることを特徴とするトルクセンサ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    検出回路が、距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値を利用して、環状変形体が回転中に、その回転軸まわりに作用したトルクの大きさを出力することを特徴とするトルクセンサ。
  13. 請求項12に記載のトルクセンサにおいて、
    それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の距離測定器を備え、
    検出回路が、前記複数組の距離測定器から得られる距離変動信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力することを特徴とするトルクセンサ。
  14. 請求項12に記載のトルクセンサにおいて、
    互いに逆位相の距離変動信号が得られる位置にある一対の固定測定点についての距離測定を行う一対の距離測定器からなる相補測定器対を備え、
    検出回路が、前記相補測定器対を構成する一対の距離測定器から得られる距離変動信号の差分信号の振幅値を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力することを特徴とするトルクセンサ。
  15. 請求項12に記載のトルクセンサにおいて、
    それぞれ異なる位置に配置された固定測定点についての距離測定を行う複数組の相補測定器対を備え、
    検出回路が、前記各相補測定器対から得られる差分信号の振幅値の和もしくは平均を、回転軸まわりのトルクの大きさとして出力することを特徴とするトルクセンサ。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    必要な検出精度に応じた密度で配置された複数N個の固定測定点についての距離測定を行う複数N組の距離測定器を備え、
    検出回路が、前記N組の距離測定器から得られる距離測定値の最大値と所定の基準値との差もしくは前記N組の距離測定器から得られる距離測定値の最小値と所定の基準値との差、または、前記最大値と前記最小値との差を、回転軸まわりの瞬時もしくは静止時のトルク近似値として出力することを特徴とするトルクセンサ。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    互いに位相が異なる(但し、位相反転の関係にはない)距離変動信号が得られる位置にある固定測定点についての距離測定を行う少なくとも2組の距離測定器を備え、
    検出回路が、これらの距離測定器から得られる距離変動信号の位相差に基づいて、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転方向を検出する機能を更に有することを特徴とするトルクセンサ。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    検出回路が、距離測定器から得られる距離変動信号の極大位置もしくは極小位置をカウントすることにより、トルクの作用によって変形した環状変形体の回転数を検出する機能を更に有することを特徴とするトルクセンサ。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    距離測定器が、
    固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の変位面に設けられた変位電極と、を有する容量素子と、
    前記容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
    によって構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  20. 請求項19に記載のトルクセンサにおいて、
    固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
    前記第1副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、前記第2副固定電極と、これに対向する変位電極の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
    測定回路が、前記第1副固定電極と前記第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、前記第1副容量素子と前記第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することを特徴とするトルクセンサ。
  21. 請求項5に記載のトルクセンサにおいて、
    距離測定器が、
    装置筐体の内面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の外周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
    前記環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、前記固定電極と、前記固定電極に対向する前記変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、前記測定回路が、前記容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することを特徴とするトルクセンサ。
  22. 請求項21に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の少なくとも外周面が導電性材料からなり、前記環状変形体の外周面自身によって変位電極が構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  23. 請求項22に記載のトルクセンサにおいて、
    固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
    前記第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、前記第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の外周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
    測定回路が、前記第1副固定電極と前記第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、前記第1副容量素子と前記第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することを特徴とするトルクセンサ。
  24. 請求項6に記載のトルクセンサにおいて、
    距離測定器が、
    固定補助体の外面に位置する固定測定点に設けられた固定電極と、環状変形体の内周面に沿って形成された環状の変位電極と、距離測定値を出力する測定回路と、を有し、
    前記環状変形体がどのような回転位置にある場合にも、前記固定電極と、前記固定電極に対向する前記変位電極の一部分と、によって容量素子が形成されるようにし、前記測定回路が、前記容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することを特徴とするトルクセンサ。
  25. 請求項24に記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の少なくとも内周面が導電性材料からなり、前記環状変形体の内周面自身によって変位電極が構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  26. 請求項25に記載のトルクセンサにおいて、
    固定電極が、固定測定点の近傍に配置された第1副固定電極と第2副固定電極とを有し、
    前記第1副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第1副容量素子が形成され、前記第2副固定電極と、これに対向する環状変形体の内周面の一部分と、によって第2副容量素子が形成されるようにし、
    測定回路が、前記第1副固定電極と前記第2副固定電極との間の電気的特性を測定することにより、前記第1副容量素子と前記第2副容量素子との直列接続によって構成される容量素子の静電容量値を測定し、この静電容量値に基づいて距離測定値を出力することを特徴とするトルクセンサ。
  27. 請求項1〜18のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の一部もしくは全部が導電性材料からなり、
    距離測定器が固定測定点に設けられた渦電流変位計によって構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  28. 請求項1〜18のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    環状変形体の一部もしくは全部が磁石からなり、
    距離測定器が固定測定点に設けられたホール素子によって構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  29. 請求項1〜18のいずれかに記載のトルクセンサにおいて、
    距離測定器が、
    装置筐体もしくは固定補助体に固定され、環状変形体の変位面に対して斜め方向に光ビームを照射する光ビーム照射器と、
    装置筐体もしくは固定補助体に固定され、前記変位面で反射された光ビームを受光する光ビーム受光器と、
    前記光ビーム受光器による光ビームの受光位置に基づいて距離測定値を出力する測定回路と、
    によって構成されていることを特徴とするトルクセンサ。
  30. 所定の回転軸まわりのトルクを検出するトルクセンサであって、
    装置筐体と、
    検出対象となるトルクの作用により弾性変形を生じる材質からなり、前記回転軸が挿通する貫通開口窓を有する環状変形体と、
    前記回転軸に沿った第1の方向を定義した場合に、前記環状変形体の前記第1の方向に隣接する位置に配置され、検出対象となるトルクに基づく回転駆動力を受けて前記回転軸まわりに前記環状変形体の変形の自由度に応じた所定角度範囲で回転する駆動回転体と、
    前記第1の方向とは逆の第2の方向を定義した場合に、前記環状変形体の前記第2の方向に隣接する位置に配置され、前記装置筐体に固定された固定支持体と、
    前記環状変形体の前記第1の方向を向いた側面に設けられた駆動接続点を、前記駆動回転体に接続する駆動接続部材と、
    前記環状変形体の前記第2の方向を向いた側面に設けられた固定接続点を、前記固定支持体に接続する固定接続部材と、
    前記装置筐体もしくは前記装置筐体に固定された固定補助体上に位置する所定の固定測定点と前記環状変形体の変位面との距離を測定する距離測定器と、
    前記距離測定器によって測定された距離に基づいて前記駆動回転体に作用したトルクを出力する検出回路と、
    を備え、
    前記回転軸に直交する投影面についての前記駆動接続点の正射影投影像と前記固定接続点の正射影投影像とが異なる位置に形成されるようにしたことを特徴とするトルクセンサ。
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