JP2012112105A - リサイクル材料の使用比率が向上したタイルカーペットの製造方法 - Google Patents

リサイクル材料の使用比率が向上したタイルカーペットの製造方法 Download PDF

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【課題】十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が得られ、低エネルギーで製造でき、さらにはバッキング層にリサイクル材料を大量に使用することが可能となり、地球環境に貢献できるタイルカーペットの製造方法を提供する。
【解決手段】接着樹脂層として、塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルをバッキング層3表面、及び表面パイル層2の裏面にコーティングし、加熱ゲル化させた後に、表面パイル層2とバッキング層3を貼り合わせ、加熱押圧ロールで積層一体化させることにより、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が得られ、低エネルギーで製造でき、さらにはバッキング層3にリサイクル材料が使用することが可能となり、地球環境に貢献できるタイルカーペット1の製造。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイルカーペットの製造方法に関し、より詳しくは接着樹脂層として、塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルを用い、加熱ゲル化させた後に、タイルカーペットを構成する各層を積層一体化させたタイルカーペットの製造方法に関する。
従来からのタイルカーペットの製造方法において、パイル糸の抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)をある程度以上に確保する必要のあるタイルカーペットでは、表面パイル層のバックステッチ側に接着樹脂として、浸透性のある樹脂を、タイルカーペットの形状を形成するバッキング層の一部としての機能も兼ねて、多量の接着樹脂を塗布して表面パイル層とバッキング層を積層一体化する方法が採られていた。また、近年、地球環境保護の観点から、カーペット廃材を回収してリサイクル利用することが強く要請されている。このような社会的要請に応えるべく、塩化ビニル樹脂を含むカーペット廃材をリサイクル利用した新たなカーペットが開発されている。
その製造方法として、例えば、特許文献1においては、タイルカーペットの断面の層構造において、敷設状態における下層から上層順に、ガラス繊維集合体布を境にして基材部下層の塩化ビニル混和物軟質シートの層、次層のガラス繊維集合体布の層、次いで基材部上層の塩化ビニル混和物軟質層、次いで基布部を含むカーペット部の層、の順で積層するタイルカーペットが開示されている。
特許文献2においては、床面に接するハードバック層と、パイルを固定するパイル接着層からなるタイルカーペットにおいて、前記ハードバック層は使用済みのカーペットタイルを粉砕機で細かく粉砕し、ブロック化したものを混練して圧延した、20重量%以上の塩化ビニル樹脂を含有する、カレンダー圧延方式により作成されたバッキング材からなり、前記パイル接着層は塩化ビニルペーストゾルコートからなり、該ペーストゾルをパイル面、或いはハードバック層面からの加熱によりゲル化させ、積層したタイルカーペットが開示されている。
しかしながら、上記技術では、表面パイル層と、バッキング層を強固に接着させるために、接着樹脂層として、多量の接着樹脂を必要とし、当然の事ながら、該多量の接着樹脂をゲル化させるのに、大量の熱エネルギーを必要としていた。さらに特許文献2においてはリサイクル材料を使用しているものの、パイル面、或いはハードバック層面からの加熱する必要があり、また、多量の接着樹脂を使用しているために、リサイクル材料の使用比率を大きくできず、地球環境に貢献する物ではなかった。
特開2005−2541号公報 特開平7−32520号公報号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が得られ、低エネルギーで製造でき、さらにはバッキング層にリサイクル材料を大量に使用することが可能となり、地球環境に貢献できるタイルカーペットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、接着樹脂層として、塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルをバッキング層表面、及び表面パイル層の裏面にコーティングし、それぞれの該コーティング面を加熱し、ゲル化させた後に、表面パイル層とバッキング層を貼り合わせ、加熱押圧ロールで積層一体化させることにより、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が得られ、低エネルギーで製造でき、さらにはバッキング層にリサイクル材料を大量に使用することが可能となり、地球環境に貢献できるタイルカーペットの製造できることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、樹脂組成物からなるバッキング層を、接着樹脂層で積層一体化させるタイルカーペットの製造方法において、前記接着樹脂層として、前記バッキング層表面、及び前記表面パイル層の裏面に塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルをコーティングし、該塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルのそれぞれのコーティング面を加熱し、ゲル化させた後に、前記バッキング層のコーティング面と、前記表面パイル層のコーティング面を貼り合わせ、前記表面パイル層と前記バッキング層を加熱押圧ロールで積層一体化したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
[2]前記塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルが粘度20000cps以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下であることを特徴とする前項1に記載のタイルカーペットの製造方法。
[3]前記塩化ビニル樹脂及び充填材からなるペーストゾルを前記バッキング層表面、及び前記表面パイル層の裏面に、それぞれ200〜700g/m2塗布し前記接着樹脂層を形成することを特徴とする前項1または2に記載のタイルカーペットの製造方法。
[4]前記塩化ビニル樹脂及び充填材からなるペーストゾルを120〜180℃で加熱ゲル化させた後に、前記表面パイル層と前記バッキング層を押圧ロールで積層一体化したことを特徴とする前項1ないし3に記載のタイルカーペットの製造方法。
[5]前記樹脂組成物からなるバッキング層が、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする前項1ないし4に記載のタイルカーペットの製造方法。
[6]前記樹脂組成物からなるバッキング層の重量が、2000〜3000g/mであることを特徴とする前項1ないし5に記載のタイルカーペットの製造方法。
[1]の発明では、接着樹脂層として、表面パイル層の裏面に塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルをコーティングすることにより、表面パイル層のバックステッチ部分に樹脂が含浸し、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)を有するタイルカーペットが得られ、またバッキング層表面にも、塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルをコーティングし、コーティング面を貼り合わせ、前記表面パイル層と前記バッキング層が強い接着力で積層一体化されたタイルカーペットとなる。さらに、前記塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルのそれぞれのーティング面を加熱し、ゲル化させた後に、積層一体化させることにより、低エネルギーの加工方法で貼り合わせが可能となる。また、バッキング層表面に接着樹脂層を設けるために、バッキング層に多量のリサイクル材料を使用することが可能となり、地球環境に貢献できるタイルカーペットとなる。
[2]の発明では、接着樹脂層として、粘度が20000cps以下の塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルを用いることにより、表面パイル層に樹脂が含浸し易く、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)を確保できる。また、ゲル化が容易で、貼り合わせ後の接着力も十分に発揮させることができる。また、無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下であるために、少量でも十分な強度を有することが可能である。
[3]の発明では、前記塩化ビニル樹脂及び充填材からなるペーストゾルを前記バッキング層表面、及び前記表面パイル層の裏面に、それぞれ200〜700g/m2塗布し前記接着樹脂層を形成することにより、軽量な接着樹脂層となり、ゲル化させるのに大きなエネルギーを必要とせず、さらに軽量化された分、バッキング層に多量のリサイクル材料を使用できる。
[4]の発明では、前記塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルを120〜180℃で加熱ゲル化させた後に、前記表面パイル層と前記バッキング層を押圧ロールで積層一体化するために、エネルギーコストのかからない加工方法で製造することができる。
[5]の発明では、樹脂組成物からなるバッキング層が、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とすることから、地球環境保護に十分に貢献できるタイルカーペットとなる。
[6]の発明では、前記樹脂組成物からなるバッキング層の重量が、2000〜3000g/m2であることから、タイルカーペットの安定した形状を形成することが可能となり、さらに、バッキング層にリサイクル材料を多量に使用することが可能となる。
本発明のタイルカーペットの製造方法によって製造されたタイルカーペット(1)は、図1に示すように、基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層(2)と、樹脂組成物からなるバッキング層(3)が前記表面パイル層(2)の裏面にコーティングされた第一接着樹脂層(4)と前記バッキング層(3)の表面にコーティングされた第二接着樹脂層(5)により積層一体化されてなるものである。さらに、タイルカーペット(1)の寸法安定性のために、前記バッキング層(3)の層間或いは層上にガラス繊維又はポリエステル繊維の不織布及び織布からなる補強層(6)を挿入することも可能である。
本発明における前記表面パイル層(2)としては、特に限定されるものではないが、例えばカーペット基材に表面にパイルが植設されたもの、タフテッドカーペット、織カーペット、編カーペット、電着カーペット等を例示できる。
前記カーペット基材としては、特に限定されるものではなくどのようなものでも使用できる。例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維からなる糸を製編織した布地の他、各種の繊維や糸を、ニードリング等により機械的に接結したり、あるいは接着剤等により化学的に接結した不織布等を使用できる。
前記パイル素材としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他、麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等を使用できる。更にパイル層の形成手段も特に限定されるものではなく、例えばモケット等のように経パイル織、緯パイル織等の製織によりパイル層を形成する手段、タフティングマシン等によりパイル糸を植毛してパイル層を形成する手段、編機によりパイル層を形成する手段、接着剤を用いてパイル糸を接着してパイル層を形成する手段等を例示することができる。パイル形態も特に限定されず、カットパイル、ループパイル等いずれの形態であっても良い。
本発明における、前記表面パイル層(2)の裏面にコーティングされた第一接着樹脂層(4)と前記バッキング層(3)の表面にの表面にコーティングされた第二接着樹脂層(5)は共に、粘度20000cps以下の塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルを用いる必要がある。塩化ビニル樹脂は加工性が良く、ゲル化状態で可撓性を呈し、タイルカーペット(1)の接着樹脂層に好適である。この粘度を上回れば、接着樹脂の塗布ムラが発生する恐れがあり、接着性を確保できない。また、前記塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルとしては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤、DOP、DINP等の可塑剤の混入も容易で、さらには必要に応じて更に各種の添加剤等の混入も可能である。
含有させる充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムあるいはガラス粉末などを使用できる。これらのうち、特に炭酸カルシウムが経済性および加工性の点で好ましい。充填剤の平均粒径は5〜500ミクロン、好ましくは10〜100ミクロンの範囲である。粒径が5ミクロンより小さいと該接着樹脂層の溶融時の粘度が増大し、加工が困難となる。また500ミクロンより大きいと、得られるゾルの取り扱い温度に於ける粘度を極力低く保つ上で有効であるが、無機化合物の沈降によるゾルの不均質化を生じる可能性がある。
また、上記範囲の粘度であれば、公知のコーティング方法で塗布することが可能で、前記表面パイル層(2)に樹脂が含浸し、十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)を確保できる。この範囲を上回れば、接着樹脂の塗布ムラが発生する恐れがある。
本発明における、前記表面パイル層(2)の裏面の第一接着樹脂層(4)と前記バッキング層(3)の表面の第二接着樹脂層(5)を形成する方法として、公知のコーティング方法で塗布することができる。また本発明において、第一接着樹脂層(4)及び前記第二接着樹脂層(5)の塗布量は200〜700g/mと非常に軽量で機能を果たすことができる。この範囲であれば、ゲル化に大きなエネルギーを必要とせず加工が可能となり、また、軽量化された分、バッキング層(3)に重量を乗せる事が可能となり、即ちリサイクル材料の使用比率を高めることができる。さらに、表面パイル層(2)とバッキング層(3)を強固に接着させることができ、この範囲を下回れば、第一接着樹脂層(4)及び前記第二接着樹脂層(5)の形成が困難で接着力が低下する可能性がある。また、この範囲を上回れば、接着樹脂の塗布ムラが発生し、経済的にも不利である。
次に、第一接着樹脂層(4)及び前記第二接着樹脂層(5)として塗布した塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルのコーティング面を120〜180℃、より望ましくは、140〜160℃の温度に加熱すれば、ペーストゾルをゲル化させ前記表面パイル層(2)と、前記バッキング層(3)を強い接着力で積層することができる。120℃を下回れば樹脂が完全にキュアせずに、樹脂の強度が発揮出ない。また、180℃を超えればペーストゾルが劣化し、接着強度が発揮できない。
前記ペーストゾルを加熱雰囲気下で熱処理を施して、即ち、前記ペーストゾル表面に直接加熱することにより、樹脂組成物をゲル化して連続的に前記表面パイル層(2)と、前記バッキング層(3)を効率よく押圧ロールで積層一体化させることができる。前記加熱温度は120〜180℃で加熱ゲル化させることが可能で、結果、低消費エネルギーで、積層一体化させることができる。
従来のプレコート加工及び接着方法では、プレコート加工で乾燥に多大なエネルギーを消費し、さらに接着方法においては前記バッキング層(3)を多大な熱量を与えてゲル化させ接着していた。また、前記バッキング層(3)にリサイクル材料を用いた場合、さらに多大な熱量を必要とする結果になっていた。本発明の加工方法は、この従来の加工方法に比べて約半分以下の消費エネルギーで加工することが可能となり、前記バッキング層(3)にリサイクル材料を用いた場合でも、生成品と同等もしくは同等以下の消費エネルギーで加工することができる。
本発明における樹脂組成物からなるバッキング層(3)はタイルカーペットの形状を形成するもので、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする。塩化ビニル樹脂が含有してなるカーペット廃材としては、特に限定されるものではないが、例えばカーペット製造時の裁断端材、一般家庭やオフィス等から出た廃棄処分に供されるカーペットなどが挙げられ、中でも塩化ビニル樹脂が裏打ちされたタイルカーペットが好適に用いられる。
本発明における前記樹脂組成物からなるバッキング層(3)の重量は、第一接着樹脂層(4)及び前記第二接着樹脂層(5)が軽量のため、2000〜3000g/mとすることができる。この範囲であれば、タイルカーペットの安定した形状を形成することが可能となり、結果として多量のリサイクル材料を使用することができる。タイルカーペット総重量に対してのカーペット廃材を粉砕して得られた塩化ビニル樹脂組成物の含有重量比率でいえば60%以上が可能となる。該範囲を下回れば、タイルカーペットの形状を形成することが困難となり、上回れば取り扱いが難しい重量となり、経済的にも不利である。
本発明において補強層(6)を挿入する場合、補強層(6)としてガラス繊維又はポリエステル繊維の不織布及び織布を用いることができる。前記補強層(6)は前記バッキング層(3)の層間、或いは層上に積層する事により、カーペットの形状安定性を向上させるものである。即ち、ガラス繊維又はポリエステル繊維の不織布及び織布は、高い強度及び耐熱性により、経時変化が少なく、樹脂層との接触面積が大であるので、有効にカーペットの形状を安定化することが可能である。この点から最も好適なものとしてガラス繊維からなる不織布が挙げられる。前記ガラス繊維からなる不織布の目付け量は、好ましくは15〜60g/mの範囲である。この範囲より低い目付け量では、寸法安定性の効果が不足し、またこの範囲を超える高い目付け量では、いずれも樹脂層と不織布間の層間剥離が生じ易く好ましくない。
本発明のタイルカーペットの製造方法は、第一接着樹脂層(4)がコーティングされた前記表面パイル層(2)と第二接着樹脂層(5)がコーティングされた前記バッキング層(3)を貼り合わせる工程を含むものであれば、公知の加工方法を用いることができる。さらには、前記バッキング層(3)を形成する加工方法と組み合わせることが好ましく、パウダー散布加工、コーティング加工、カレンダー加工等の公知の加工技術を用いることができる。
例えばパウダー散布加工の方法として、まず、カーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物をスキャッターに投入する。この投入前に、必要に応じて可塑剤、滑剤、充填剤、顔料等をブレンドしておくことも可能である。次に、連続走行する無端離型性ベルト上に、上方に配置されたスキャッターから前記粉砕物を散布する。このスキャッターは、その下側の散布口において、表面にゴルフボールのようなディンプル(窪み)が多数形成されたローラーが配置されており、該ローラーを回転させることによりディンプルに入り込んだ前記粉砕物を順次下方に散布する装置であり、貯留された前記粉砕物を所望の一定量で散布することができる。次いで、加熱装置を用いて、無端離型性ベルト上に散布された前記粉砕物を加熱溶融させ、加圧ロールで加圧することによって、バッキング層(3)に形成することができる。
さらに、前記バッキング層(3)表面に塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルをコーティングし、該塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルのコーティング面を加熱し、ゲル化させ、その上に、裏面に塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルをコーティングし、そのコーティング面を加熱し、ゲル化させた前記表面パイル層(2)のコーティング面を貼り合わせ、前記表面パイル層(2)と前記バッキング層(3)を押圧ロールで積層一体化し、最後に所定形状、例えば500mm角の正方形に裁断すれば、最終製品としてのタイルカーペット(1)が得られる。また連続走行する離型性ベルトの上方に前記スキャッターを縦に複数個並べることにより、複数層のバッキング層(3)を形成することができ、該複数層のバッキング層(3)の間に前記補強層(6)を挿入することが可能となる。
なお、この発明のタイルカーペット(1)は、上記製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>表面パイル層として目付90g/m のポリエステル繊維の不織布(カーペット基材)に、ナイロン繊維からなるパイル糸をループパイルにタフティング(パイル目付610g/m2 )し、さらに、裏面に粘度500cpsの塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルを500g/mコーティングしたものを用意し、次にパウダー散布加工機において、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物を無端離型性ベルトの上方に位置するスキャッターに投入し、無端離型性ベルトの上に散布量2000g/m で散布し、次いで加熱装置により170℃で前記微粉砕物を加熱溶融せしめた後、水冷式の冷却加圧ロールで加圧した。次に、目付が35g/mのガラスの不織布からなる補強層を重ね合わせ、さらに、その上に、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とする樹脂組成物を無端離型性ベルトの上方に位置するスキャッターに投入し、無端離型性ベルトの上に散布量1000g/m で散布し、次いで加熱装置により170℃で前記微粉砕物を加熱溶融せしめ、水冷式の冷却加圧ロールで加圧し、補強層が挿入されたバッキング層を作成した。さらに、その上に粘度500cpsの塩化ビニル樹脂からなるペーストゾルを500g/mコーティングした。
次に、前記表面パイル層裏面にコーティングされたペーストゾル、及びバッキング層表面にコーティングされたペーストゾルを150℃で加熱ゲル化し、積層し、ついでロール圧着して、最後に500mm角の正方形に裁断し、タイルカーペットを製造した。
<実施例2>加熱ゲル化する温度を130℃としたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを得た。
<実施例3>加熱ゲル化する温度を170℃としたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを得た。
<比較例1>表面パイル層裏面にプレコート層として、SBR共重合体のラテックスを500g/m塗布した後に、乾燥したものを用意し、EVA共重合体の接着樹脂500g/mで、表面パイル層とバッキング層を積層したこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを得た。
<比較例2>加熱ゲル化する温度を100℃としたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを得た。
<比較例3>加熱ゲル化する温度を200℃としたこと以外は実施例1と全く同様にしてタイルカーペットを得た。
上記のようにして得られた各タイルカーペットに対して下記評価法に基づいてタイルカーペットのパイル糸の抜糸強度、耐ホツレ性(ファズ強度)、消費エネルギーの多少による加工性、カーペット廃材のリサイクル比率を調べた。その結果を表1に示す。
(パイル糸の抜糸強度)JIS L 1021の規定に準じ、パイル糸の抜糸強度(N)を測定した。25N以上を合格とした。
(耐ホツレ性
―ファズ強度)テーバー型摩耗試験機(JIS L 1096.17.3に規定)に準じた。針布状摩耗輪を使用し、それぞれの摩耗輪に片輪300gの荷重をかけ試験台を20回回転して試験片を引掻き、そのパイル糸の毛羽立ち状態を目視により評価した。毛羽立ちの非常に少ないものを(◎)、毛羽立ちの少ないものを(○)、毛羽立ちがある程度あるものを(△)、毛羽立ちが多いものを(×)とした。
(消費エネルギーの多少による加工性)表面パイル層における、パイル糸の抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)を得るための加工、及びバッキング層との接着に要する消費エネルギーに関し、少量の消費で加工できたものを○とし、著しく消費したものを×とした。
(カーペット廃材のリサイクル比率)タイルカーペット総重量に対してのカーペット廃材を粉砕して得られた塩化ビニル樹脂組成物の含有重量比率。
表1から明らかなように、実施例1〜3のタイルカーペットは、いずれも十分な抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が得られ、低エネルギーで製造でき、さらにはバッキング層にリサイクル材料が使用することが可能なタイルカーペットを得た。
これに対し、比較例1のタイルカーペットは高い消費エネルギーを必要とし、比較例2,3のタイルカーペットは抜糸強度と耐ホツレ性(ファズ強度)が満足のいく物ではなかった。
本発明における一実施形態に係るタイルカーペットの概略断面図である。
1・・・タイルカーペット 2・・・表面パイル層2-1・・・パイル糸2-2・・・基布 3・・・バッキング層 4・・・第一接着樹脂層5・・・第二接着樹脂層 6・・・補強層

Claims (6)

  1. 基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、樹脂組成物からなるバッキング層を、接着樹脂層で積層一体化させるタイルカーペットの製造方法において、前記接着樹脂層として、前記バッキング層表面、及び前記表面パイル層の裏面に塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルをコーティングし、該塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルのそれぞれのコーティング面を加熱し、ゲル化させた後に、前記バッキング層のコーティング面と、前記表面パイル層のコーティング面を貼り合わせ、前記表面パイル層と前記バッキング層を加熱押圧ロールで積層一体化したことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
  2. 前記塩化ビニル樹脂を主材料とするペーストゾルが粘度20000cps以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載のタイルカーペットの製造方法。
  3. 前記塩化ビニル樹脂及び充填材からなるペーストゾルを前記バッキング層表面、及び前記表面パイル層の裏面に、それぞれ200〜700g/m塗布し前記接着樹脂層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のタイルカーペットの製造方法。
  4. 前記塩化ビニル樹脂及び充填材からなるペーストゾルを120〜180℃で加熱ゲル化させた後に、前記表面パイル層と前記バッキング層を押圧ロールで積層一体化したことを特徴とする請求項1ないし3に記載のタイルカーペットの製造方法。
  5. 前記樹脂組成物からなるバッキング層が、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られたリサイクル樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし4に記載のタイルカーペットの製造方法。
  6. 前記樹脂組成物からなるバッキング層の重量が、2000〜3000g/mであることを特徴とする請求項1ないし5に記載のタイルカーペットの製造方法。
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