JP2012111409A - シートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートクッションを上方に跳ね上げたときに、ベルトバックルが落ち込む、または抜け落ちることを未然に防止できるようにする。
【解決手段】シートベルトのベルトバックル5Cの後部は、ベルトウェービング8Cの輪部分8aで係止され、ベルトウェービング8Cの後端部は、シート1の背部側でシートフレーム9に固定されている。ベルトバックル5Cは、シートクッション2の後部とシートバック3の下部との間の隙間Sからシート1の前部側に引き出されるようになっている。シートクッション2のトリムに、隙間Sからベルトバックル5Cとともに引き出されたベルトウェービング8Cの輪部分8aに通して、ベルトバックル5Cを定位置に保持可能なバンド14が取付けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、シートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造に関する。
従来、図7(a)に示すように、自動車用のリアシート50では、荷室の拡大等のために、シートクッション51を矢印のように上方に跳ね上げ(チップアップ)できるようにしたものがある(特許文献1参照)。
ところで、リアシート50のシートベルトのベルトバックル53は、図7(b)のように、ベルトバックル53の下部がベルトウェービング54の輪部分54aで係止されている。このベルトウェービング54の下端部54bは、リアシート50の背部側でシートフレーム55に固定されている。そして、ベルトバックル53は、シートクッション51の後部とシートバック52の下部との間の隙間Sからリアシート50の前部側に引き出されるようになっている。
特開平9−188169号公報
しかしながら、図7(b)のように、シートクッション51を上方に跳ね上げたときに、ベルトバックル53がシートクッション51とシートバック52との隙間Sに落ち込むおそれがある。そして、シートクッション51を矢印のように着座状態に戻す際に、ベルトバックル53がシートクッション51とシートバック52との間に挟み込まれることがある。
また、図8のように、シートクッション51を矢印のように上方に跳ね上げたときに、ベルトバックル53がシートクッション51とシートバック52との隙間Sに落ち込んで、抜け落ちるおそれがある。この場合には、ベルトバックル53をシートクッション51とシートバック52との隙間Sからリアシート50の前部側に引き出し直さなければならない。
本発明は、前記問題を解消するためになされたもので、シートクッションを上方に跳ね上げたときに、ベルトバックルが落ち込む、または抜け落ちることを未然に防止できるシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、シートベルトのベルトバックルの後部は、ベルトウェービングの輪部分で係止され、このベルトウェービングの後端部は、シートの背部側でシートフレームに固定され、前記ベルトバックルは、シートクッションの後部とシートバックの下部との間の隙間からシートの前部側に引き出されるようになったシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造において、前記シートクッションのトリムに、前記隙間からベルトバックルとともに引き出されたベルトウェービングの輪部分に通して、ベルトバックルを定位置に保持可能なバンドが取付けられていることを特徴とするシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造を提供するものである。
請求項2のように、前記シートクッションのトリムにポケット部が形成され、前記ベルトバックルは、ベルトウェービングの輪部分を覆うポケット部の開口から引き出され、前記バンドは、ポケット部の内部で、シートクッションのトリムに取付けられている構成とすることができる。
請求項3のように、前記バンドの一端部は、シートクッションのトリムに固定され、前記バンドの他端部は、バンドの一端部側にボタン状ホックで留められている構成とすることができる。
本発明によれば、シートクッションのトリムに取付けたバンドを、シートクッションとシートバックとの間の隙間からベルトバックルとともに引き出されたベルトウェービングの輪部分に通すようにしたものである。したがって、シートクッションを上方に跳ね上げたときでも、ベルトバックルはバンドで定位置に保持された状態であるから、シートクッションとシートバックとの間の隙間に落ち込むことがなく、隙間から抜け落ちることもない。また、バンドを新たに設けるだけであるから、構造はきわめて簡単でコスト安でもある。
請求項2によれば、トリムのポケット部で、ベルトウェービングの輪部分とともにバンドも覆われるから、見栄えが良好になる。
請求項3によれば、シートクッションのトリムに一端部を固定したバンドの他端部を、バンドの一端側にボタン状ホックで留めるから、バンドをベルトウェービングの輪部分に通してボタン状ホックの留め操作をするだけで、ベルトバックルの落ち込みを簡単に防止できるようになる。
本発明の実施形態のリアシートであり、(a)は斜視図、(b)はベルトバックルを隙間から引き出した斜視図である。 (a)はベルトバックルの輪部分にバンドを通した斜視図、(b)はバンドをボタン状ホックで留めた斜視図である。 (a)はベルトバックルをポケット部に格納する前の斜視図、(b)はベルトバックルとタングプレートをポケット部に格納した後の斜視図である。 リアシートのシートクッションの平面図である。 シートフレームおよびベルトバックルとタングプレートの斜視図である。 (a)はベルトバックルをポケット部に格納した斜視図、(b)はベルトバックルの輪部分に通したバンドをボタン状ホックで留めた斜視図、(c)は(a)のI−I線拡大断面図である。 従来の跳ね上げ式シートクッションであり、(a)は側面図、(b)はベルトバックの落ち込み状態の側面図である。 ベルトバックの抜け落ち状態の側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、自動車用のリアシート1の斜視図である。リアシート1は、シートクッション2とシートバック3とで構成され、シートバック3(3R,3L)は、着座者から見て右側のシートバック3Rと左側のシートバック3Lとに6:4で分割されている。各シートバック3R,3Lは、複数のリクライニング用ブラケット4で支持されて、シートクッション2に対して傾斜角度が可変(リクライニング…矢印参照)できるようになっている。
図1、図4および図6(a)のように、右側のシートバック3Rが位置するシートクッション2の後部のトリム上面には、2個のベルトバックル5A,5Bを嵌め入れる凹部2aが形成されている。また、左側のシートバック3Lが位置するシートクッション2の後部のトリム上面には、1個のタングプレート6(図5を参照)と、1個のベルトバックル5Cを嵌め入れる凹部2bが形成されている。
各凹部2a,2bの後半分程度を覆うように、シートクッション2のトリムにはポケット部2c,2dがそれぞれ形成されている〔図4、図6(a)では、ポケット部2c,2dとなるトリムをハッチングで示している。〕。したがって、右側の2個のベルトバックル5A,5Bは、その後部をポケット部2cに格納しながら凹部2a嵌め入れることができる。また、左側の1個のタングプレート6と1個のベルトバックル5Cは、その後部をポケット部2dに格納しながら凹部2b嵌め入れることができる。なお、タングプレート6は、金属製のタングプレート6を覆うようにタング用ベルトウェービング7を巻き付けて、ポケット部2dに格納する。
右側のベルトバックル5Aは、右側の着座者が使用するもので、車体の右側部から引き出される右側用シートベルトのタングプレート(不図示)を係止するものである。左側のベルトバックル5Cは、左側の着座者が使用するもので、車体の左側部から引き出される左側用シートベルトのタングプレート(不図示)を係止するものである。右側のベルトバックル5Bは、中央の着座者が使用するもので、左側のシートバック3Lの背部側に固定したタング用ベルトウェービング7(図5を参照)のタングプレート6を係止するものである。
右側のベルトバックル5A,5Bの後部は、図5のように、ベルトウェービング8A,8Bの輪部分8a〔図6(b)(c)を参照〕でそれぞれ係止され、各ベルトウェービング8A,8Bの後端部は、リアシート1の背部側で、シートフレーム9に右側ブラケット10Rを介してボルト11Rで固定されている。
また、左側のベルトバックル5Cの後部は、図5のように、ベルトウェービング8Cの輪部分8a〔図6(c)(d)を参照〕でそれぞれ係止され、ベルトウェービング8Cの後端部は、リアシート1の背部側で、シートフレーム9に左側ブラケット10Lを介してボルト11Lで固定されている。
さらに、左側のタングプレート6は、図5のように、タング用ベルトウェービング7の後端部は、左側のベルトバックル5Cのベルトウェービング8Cと同様に、左側ブラケット10Lを介してボルト11Lで固定されている。
各ベルトバックル5A,5B,5Cは、図6(a)のように、シートクッション2の後部とシートバック3R,3Lの下部との間の隙間S、具体的には、シートクッション2のトリムのポケット部2c,2dから、各ベルトウェービング8A,8B,8Cを介してリアシート1の前部側に引き出されるようになる。また、タングプレート6も同様に、タング用ベルトウェービング7を介してリアシート1の前部側に引き出されるようになる。
ここで、右側のシートバック3Rのベルトバックル5A,5Bは、右側のシートバック3Rとシートクッション2との隙間Sが狭いので、落ち込むおそれがない。これに対して、左側のシートバック3Lのベルトバックル5Cは、タング用ベルトウェービング7の移動のために、左側のシートバック3Lとシートクッション2との隙間Sが広いので、落ち込むおそれがある。
そこで、ベルトバックル5Cのポケット部2dの内部で、シートクッション2のトリムには、図1(b)のように、バンド14の一端部14aが縫い付けて固定されている。このバンド14の一端部14a側には、ボタン状ホック15の雌部(または雄部)15aが取付けられている。また、バンド14の他端部14bには、ボタン状ホック15の雄部(または雌部)15bが取付けられている。
そして、図2(b)、図6(b)(c)のように、隙間Sからベルトバックル5Cとともに引き出されたベルトウェービング8Cの輪部分8aにバンド14の他端部14bを通す。ついで、図2(b)のように、バンド14の他端部14bのボタン状ホック15の雄部15bを、バンド14の一端部14a側のボタン状ホック15の雄部15bに留める。
これにより、ベルトバックル5Cが定位置に保持されて、隙間Sに落ち込まないようになる。
前記のようなシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造であれば、シートクッション2のトリムに取付けたバンド14を、シートクッション2と左側のシートバック3Lとの間の隙間Sからベルトバックル5Cとともに引き出されたベルトウェービング8Cの輪部分8aに通すようにしたものである。
したがって、シートクッション2を上方に跳ね上げたときでも、ベルトバックル5Cはバンド14で定位置に保持された状態であるから、シートクッション2と左側のシートバック3Lとの間の隙間Sに落ち込むことがなく、隙間から抜け落ちることもない。また、バンド14を新たに設けるだけであるから、構造はきわめて簡単でコスト安でもある。
さらに、シートクッション2のトリムのポケット部8cで、ベルトウェービング8Cの輪部分8aとともにバンド14も覆われるから、見栄えが良好になる。
また、シートクッション2のトリムに一端部14aを固定したバンド14の他端部14bのボタン状ホック15の雄部15bを、バンド14の一端部14a側のボタン状ホック15の雄部15aに留めるから、バンド14をベルトウェービング8Cの輪部分8aに通してボタン状ホック15の留め操作をするだけで、ベルトバックル5Cの落ち込みを簡単に防止できるようになる。
なお、必要があれば、右側のベルトバックル5A,5Bやタングプレート6にもバンド14を適用することができる。
1 リアシート
2 シートクッション
2b 凹部
2d ポケット部
3L シートバック
5C ベルトバックル
6 タングプレート
8C ベルトウェービング
9 シートフレーム
14 バンド
14a 先端部
14b 後端部
15 ボタン状ホック

Claims (3)

  1. シートベルトのベルトバックルの後部は、ベルトウェービングの輪部分で係止され、このベルトウェービングの後端部は、シートの背部側でシートフレームに固定され、前記ベルトバックルは、シートクッションの後部とシートバックの下部との間の隙間からシートの前部側に引き出されるようになったシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造において、
    前記シートクッションのトリムに、前記隙間からベルトバックルとともに引き出されたベルトウェービングの輪部分に通して、ベルトバックルを定位置に保持可能なバンドが取付けられていることを特徴とするシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造。
  2. 前記シートクッションのトリムにポケット部が形成され、前記ベルトバックルは、ベルトウェービングの輪部分を覆うポケット部の開口から引き出され、前記バンドは、ポケット部の内部で、シートクッションのトリムに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造。
  3. 前記バンドの一端部は、シートクッションのトリムに固定され、前記バンドの他端部は、バンドの一端部側にボタン状ホックで留められていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルトのベルトバックル落ち込み防止構造。
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