JP2012109748A - 画像生成装置、画像形成装置、および画像生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複写すると文字の可読性が低下して原稿の複写抑止効果が高められるパターンを生成し原稿画像に合成することのできる画像生成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複写時難読化印刷を行うと、潜像部と背景部とで構成されたパターンを、原稿画像に含まれている文字のサイズに従って決定し生成して、そのパターンを含んだ地紋画像を原稿画像に合成する。この地紋画像(パターン)の合成された原稿画像を印刷し、この印刷物である原稿を画像形成装置で複写すると、その複写物には原稿の画像が複写されると共に、再現された潜像部と再現されない背景部とで構成されたパターンが現れ、潜像部と背景部の間に高いコントラストが生じる。この複写物を見ると、パターンにおける潜像部と背景部のコントラストが大きく知覚され、文字とその背景のコントラストが知覚され難くなって文字が読み難くなる。
【選択図】図19
【解決手段】画像形成装置は、複写時難読化印刷を行うと、潜像部と背景部とで構成されたパターンを、原稿画像に含まれている文字のサイズに従って決定し生成して、そのパターンを含んだ地紋画像を原稿画像に合成する。この地紋画像(パターン)の合成された原稿画像を印刷し、この印刷物である原稿を画像形成装置で複写すると、その複写物には原稿の画像が複写されると共に、再現された潜像部と再現されない背景部とで構成されたパターンが現れ、潜像部と背景部の間に高いコントラストが生じる。この複写物を見ると、パターンにおける潜像部と背景部のコントラストが大きく知覚され、文字とその背景のコントラストが知覚され難くなって文字が読み難くなる。
【選択図】図19
Description
本発明は、複写時に再現される潜像部と再現されない背景部とで構成された地紋画像を生成する画像生成装置、画像形成装置、および画像生成方法に関する。
原本と、この原本を複写機で複写して得た複写物とを一目瞭然に区別可能にする技術として、原本では隠れていた文字などが、複写すると浮かび上がる、所謂、地紋画像がある。地紋画像は、複写時に再現される潜像部と再現されない背景部とからなり、潜像部と背景部の見た目の濃度は同一であって判別しにくいようにされている。かかる地紋画像は、読み取り解像度の限界から「分散した小さいドットは読み取れない」という装置の特性を利用したものであり、背景部は上記のような分散した小さいドットで構成し、潜像部は読み取り可能なサイズのドット、あるいは小さいドットが集合したドットで構成するようになっている。
たとえば、複写時に、白地に文字が浮かび上がるようにする場合は、文字を潜像部とし、文字以外の部分を背景部とした地紋画像にすればよい。一方、複写時に、地の中に白抜きの文字が浮かび上がるようにする場合は、文字を背景部とし、文字以外の部分を潜像部として地紋画像を原本の地画像にすればよい。
このような地紋画像では、隠されている文字を目視で判別困難にすることが重要であるが、潜像部と背景部とのマクロ的な濃度を同一にする必要があるので、潜像部においては、比較的大きいドットを低密度で配置することになる。このため、目視距離が近い場合には、潜像部のドットが目立ち、見た目の美しさが損なわれたり、潜像部と背景部の判別困難性が低下したりする。
このような問題に対応する技術として、たとえば、特許文献1、2には、潜像部の大きなドット間に、複写時に再現されなくてもよい小さいドットを埋め込むことで、潜像部を目立たなくさせる(潜像部と背景部の境界をわかりにくくする)技術が開示されている。また、潜像部においては、潜像部を構成する大きいドットを市松模様状に配置し、潜像部内の残りの領域に小さいドットを市松模様状に配置するようにしている。
一方、地紋画像は、複写の禁止を示す文字などを埋め込み、原本の複写時に複写物に浮かび上がらせることで、原本の複写を抑止させるために利用されている。また、たとえば、特許文献3に開示されているように、原本の文字自体を文字単位で、複写時に再現される大きさのドットの領域と複写時に再現されない大きさのドットの領域とで構成し、複写すると元の文字の一部が消えて読めなくなることにより、原本の情報漏洩を防止できるようにした技術もある。さらにこの技術では、文字の消失部分を再現させるために濃度を濃くして複写が行われたとしても、その高濃度の複写時のみに市松模様状のパターンが浮かび上がる地紋画像を原本に印刷しておくことにより、高濃度で複写が行われた場合にはそのパターンによって文字が読み難くなるようにしている。
上述したように、印刷物(原本)に地紋画像を印刷することで、複写時にそれが複写されたものであるかどうか、または、複写が禁止されたものかどうかがわかるように、情報を埋め込むことができる。しかしながら、この効果は、心理的な抑止効果のみにとどまり、複写が禁止であっても、悪意のあるユーザがこれを無視すれば実際上の効果を発揮することはない。
特許文献1、2に開示されているように、地紋画像の潜像部において、低密度に配置された大きいドット間に、複写時に再現されなくてもよい小さいドットを、互いが市松模様状となるように配置することで、潜像部と背景部の境界をわかりにくくする効果は高められる。しかし、原本の文字との関係を考慮することなく潜像部(大きいドット間に小さいドットが互いに市松模様状となるように配置された潜像部)を配置するので、たとえば、原本から複写物に複写された文字がその複写物に現れた潜像部の模様などによって可読性が低下されるような効果は得られず、やはり、複写を実際に抑止させる効果は発揮できない。
原本の文字を領域毎に大小のドットで構成することにより、複写後の文字の一部を消失させて可読性を低下させる特許文献3の技術では、例示されている12×12ピクセルなどのように画像をある程度のまとまりで構成するため、画像が粗くなってしまう(600dpiの場合は12ピクセルで0.5mm程度)。さらに、文字を領域毎に大小のドットで構成するため、文字の見た目の美しさが損なわれてしまう。また、原本に印刷した地紋画像に隠してある市松模様状のパターンを複写時に浮かび上がらせて文字の可読性を低下できるのは、高濃度の複写時のみに限られる。
また、地紋画像、あるいはその他印刷時に付加された情報を複写機で読み取り、複写禁止を示す情報が含まれていた場合に、複写を不可とする技術もあるが、これは本機能を搭載した特定の複写機に限られ、本機能を搭載していないその他の多くの複写機では複写できてしまう問題がある。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複写すると文字の可読性が低下して原稿の複写抑止効果が高められるパターンを生成し原稿画像に合成することのできる画像生成装置、画像形成装置、および画像生成方法を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]複写時に再現される潜像部と、前記潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンを生成し原稿画像に合成する画像生成装置であって、
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理部を有する
ことを特徴とする画像生成装置。
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理部を有する
ことを特徴とする画像生成装置。
上記発明では、複写時に再現される潜像部と、この潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンを、原稿画像に含まれている文字のサイズに従って決定し生成して、原稿画像に合成する。パターンの合成された原稿画像を印刷し、この印刷物である原稿を複写すると、その複写物には原稿の画像が複写されると共に、再現された潜像部と再現されない背景部とで構成されたパターンが現れる。このパターンには、再現された潜像部と再現されない背景部の間に高いコントラスト(濃度差)が生じる。パターンは、このコントラストによって文字に干渉し(人間の目で文字を見たとき(読んだとき)の視覚的な干渉)、文字を読み難くする。
ただし、文字に対してパターンが大きすぎると、パターンは文字と区別して見られ、文字に対する視覚的な干渉が小さくなる。逆に、文字に対してパターンが小さすぎると、パターンのコントラストが識別(知覚)され難くなり、パターンは文字の背景(一様な濃度の背景)として見られ、やはり文字に対する視覚的な干渉が小さくなる。
このように、文字に対するパターン(コントラスト)の干渉の大きさは、文字のサイズに依存しており、文字のサイズに従ってパターンを決定することで、そのサイズの文字に対して適切に干渉するパターンを決定することができる。たとえば、文字のサイズに従ってパターンの大きさ(潜像部と背景部の大きさ)を決定することで、そのサイズの文字に対して適切に干渉する大きさのパターンを決定することができる。また、大きさのほかに、形状(幾何模様、線状模様などの模様を含む)、周期(潜像部と背景部の配列周期)などを文字のサイズに従って決定するようにしてもよい。
これにより、原稿を複写してパターンの現れた複写物を見ると、パターンにおける潜像部と再現されない背景部のコントラストが大きく知覚され、文字とその背景のコントラストが知覚され難くなって文字が読み難くなる。すなわち、原稿から複写物に複写された画像に含まれている文字は、複写物に現れたパターンのコントラストによって可読性が低下する。
[2]前記画像処理部は、前記文字の位置とサイズを検出し、該検出した文字の位置とサイズに従って前記パターンを決定する
ことを特徴とする[1]に記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]に記載の画像生成装置。
上記発明では、原稿画像に含まれている文字の位置とサイズに従って、より適切なパターンを決定することができる。たとえば、文字の位置に対するパターンの相対位置を調整し、文字の可読性をより低下させるなどが可能となる。
[3]前記画像処理部は、前記合成では前記潜像部を前記文字に重ねて配置する
ことを特徴とする[2]に記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[2]に記載の画像生成装置。
上記発明では、潜像部を文字に重ねて配置することで、潜像部と、潜像部の周囲に配置する背景部との境界に生じる高コントラスト部が文字の近傍もしくは文字に重なって配置されるようになる。たとえば、文字とほぼ同じ大きさの潜像部を文字の中心に重ねて配置した場合には、文字の周囲に高コントラスト部が配置される。文字よりも小さい潜像部を文字に重ねて配置した場合には、文字に高コントラスト部が重なって配置される。これにより、文字に対してパターンのコントラストを強く知覚させ、文字の可読性を低下させる効果が高められる。
[4]前記潜像部は、前記文字のサイズ未満から1/4以上の範囲の大きさである
ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
文字に対して潜像部が大きすぎたり小さすぎたりすると、潜像部と背景部の間に生じるコントラストの周期が文字に対して大きすぎたり小さすぎたりすることとなり、文字に対してパターンのコントラストを大きく知覚させる効果(文字に対してパターンを大きく干渉させる効果)が薄れ、文字を読み難くする効果が薄れる。上記発明では、潜像部を文字のサイズ未満から1/4以上の範囲の大きさにすることで、文字に対してパターンのコントラストを適正な周期で配置でき、文字に対してパターンのコントラストをより強く知覚させ、文字の可読性を著しく低下させることができる。
[5]前記潜像部は、前記文字との濃度差よりも白色との濃度差の方が大きくなる濃度である
ことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
上記発明では、文字と潜像部の濃度差よりも、白色と潜像部、すなわち、原稿を複写した複写物上では再現されない背景部と潜像部の濃度差の方が大きくなる。これにより、文字に対してパターンのコントラスト(濃度差)を強く知覚させ、文字の可読性を低下させる効果が高められる。
[6]前記潜像部と前記背景部の濃度は同じにして前記パターンの濃度を変更する操作を受け付ける濃度変更部を有する
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
上記発明では、原稿画像に合成するパターンの濃度をユーザが変更できる。ただし、原稿上では潜像部と背景部の境界が目立たなくなるよう、潜像部と背景部の濃度は同じにしてパターンの濃度を変更する。
たとえば、パターンの濃度を低くした場合には、原稿にパターンが低濃度で印刷され、原稿上の画像(文字)がパターンによって見難くなることを抑えられる。パターンの濃度を高くした場合には、原稿にパターンが高濃度で印刷され、この原稿の複写物に現れるパターンも高濃度になり、複写物に複写された文字をパターンのコントラストによって読み難くする効果が高められる。このように、原稿の見易さや複写物の文字の見難さをパターンの濃度変更によって調整できることにより、利便性が高まる。
[7]前記パターンのサイズを、前記文字のサイズに従って決定される許容範囲内で変更する操作を受け付けるサイズ変更部を有する
ことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
上記発明では、原稿画像に合成するパターンのサイズをユーザが変更できる。ただし、原稿画像に合成するパターンは、原稿画像に含まれている文字のサイズに従って決定されるので、その文字のサイズに従って決定される許容範囲内で変更する。これにより、ユーザが原稿画像に含まれている文字のサイズに応じてパターンのサイズを許容範囲内で変更するなどすれば、その原稿を複写した複写物の文字の見難さをパターンのサイズ変更によって調整できるようになり、利便性が高まる。
[8]前記原稿画像における文字以外の領域に対する前記パターンの配置の仕方を変更する操作を受け付ける配置変更部を有する
ことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
上記発明では、原稿画像における文字以外の領域(白地部分)に対するパターンの配置の仕方をユーザが変更できる。たとえば、文字以外の領域にパターンを配置するまたは配置しないなどの変更が可能となる。
[9]前記複写時に現れる前記パターンの模様は、市松模様と、格子模様と、水玉模様とのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
ことを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1つに記載の画像生成装置。
上記発明では、複写時に現れるパターンの模様(複写時に再現される潜像部と、この潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンの模様)を、市松模様、格子模様、水玉模様とする。このような幾何学的な模様であれば、比較的簡単に生成することができる。また、文字が列方向や行方向に連続的(規則的)に配列されている原稿においては、個々の文字にその幾何学的な模様を個別に配置する(合成する)ことも可能であり、これによって文字毎にパターン(幾何学的な模様)を干渉させ可読性を低下させることもできる。すなわち、連続的(規則的)に配列される複数の文字の可読性を低下させる上では、このような幾何学的な模様であれば、個々の文字のサイズに対して適切な大きさや配置の決定が容易であり、高い可読性低下効果が得られる。
なお、原稿上の複数の文字に対し、一種類の模様を全文字共通で使用するようにしてもよく、複数種類の模様を文字毎に使い分けて使用するようにしてもよい。
[10][1]〜[9]のいずれか1つに記載の画像生成装置と、
前記画像生成装置によって生成されたパターンを原稿画像に合成した画像を記録紙上に画像形成して出力する画像形成部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
前記画像生成装置によって生成されたパターンを原稿画像に合成した画像を記録紙上に画像形成して出力する画像形成部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
上記発明では、画像生成装置を有する画像形成装置により、画像生成装置によって生成されたパターンを原稿画像に合成した画像を記録紙上に画像形成して出力した原稿、すなわち、複写するとパターンが現れて文字の可読性が低下し、複写抑止効果が高められる原稿を作成することができる。
[11]複写時に再現される潜像部と、前記潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンを生成し原稿画像に合成する画像生成方法であって、
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理工程を有する
ことを特徴とする画像生成方法。
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理工程を有する
ことを特徴とする画像生成方法。
本発明に係る画像生成装置、画像形成装置、および画像生成方法によれば、複写すると文字の可読性が低下して原稿の複写抑止効果が高められるパターンを生成し原稿画像に合成することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像生成方法によって地紋画像を生成する画像生成装置としての機能を備えた画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷して出力する複写機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へネットワークを通じて送信したりするスキャン機能、外部端末からネットワークを通じて受信した印刷データに係る画像を記録紙に印刷して出力するPCプリント機能などを備えた装置(所謂、複合機)である。
また、原稿の複写やPCプリントを行うに際して、複写対象あるいは印刷対象の画像(文字を含む)の背景に、地紋画像を合成して印刷する地紋印刷の機能を備えている。また、地紋印刷において、複写すると文字が読み難くなるパターンを含んだ地紋画像とするか、そのパターンを含んでいない地紋画像とするかを選択可能になっている。
画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を統括制御する制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11を備えている。CPU11には、バス12を通じて画像読取部13と、印刷部14と、ROM(Read Only Memory)15と、RAM(Random Access Memory)16と、不揮発メモリ17と、表示部18と、操作部19と、画像処理部21と、ネットワークI/F部22と、ハードディスク装置(HDD)23とが接続されている。
ROM15には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することにより画像形成装置10としての各機能(地紋画像を生成する画像生成装置としての機能を含む)が実現される。RAM16はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
画像読取部13は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像読取部13は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。たとえば、画像読取部13の読み取り解像度は、600dpiとなっている。
印刷部14は、画像データに応じた画像を記録紙に印刷する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、カラーレーザープリンタとして構成されている。他の方式のプリンタであっても構わない。たとえば、印刷部14の出力解像度は、3600dpiとなっている。
不揮発メモリ17には、システム情報、ユーザ情報などが記憶される。
表示部18は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部19は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部19は、表示部18の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
画像処理部21は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。後述する画像合成処理を行うように構成されてもよい。
ネットワークI/F部22は、LAN(Local Area Network)などのネットワークと接続して外部の端末装置やサーバなどと各種のデータを送受信する機能を果たす。
ハードディスク装置23は、大容量不揮発の記憶装置であり、たとえば、印刷データや画像データの保存に使用される。また、ハードディスク装置23には、フォントやスタンプ、複写時に再現される模様など地紋画像の生成に使用される各種のデータやパターンが記憶される。なお、これらを不揮発メモリ17に記憶する構成としてもよい。
地紋画像は、複写時に再現される潜像部(潜像領域)と複写時に再現されない(消失する)背景部(背景領域)とで構成されており、背景部は、分散した小さいドットで描画される。たとえば、3600dpiの解像度に対応するドット(小ドットと呼ぶものする。)を、600dpiの解像度では再現できない密度で分散配列する。たとえば、3ドット間隔で配列された小ドットを600dpiに相当するアパーチャ(たとえば、小ドットを6×6としたサイズの開口)で読み取ると、濃度は、アパーチャ全体にドットがある場合の濃度を1として、4/36となる。したがって、50%の閾値で白黒2値にすると、白画素となり、複写時に再現されなくなる。一方、人には、背景部は4/36の濃度のグレー領域として観察される。
潜像部は、複写時に再現されるドットのみ、もしくは複写時に再現されるドットとこれよりも小さいドット(複写時に再現されなくてもよいドット)とを配列して描画される。たとえば、複写時に再現されなくてもよいドットは上記の小ドットとし、複写時に再現されるドット(大ドットと呼ぶものとする。)は、小ドットを5×5の形状で25ドット集合させたドットとする。大ドットは、600dpiのアパーチャで読み取ると濃度は25/36となり、50%を閾値として白黒2値にすると黒画素となり、複写時に再現される。
地紋画像では、潜像部と背景部とを人の目で判別できなくするために、それらのマクロ的な濃度(平均濃度)は同一にされる。すなわち、上記の例では、背景部の平均濃度は4/36なので、潜像部では大ドットを十分低密度に配列することになる。たとえば、潜像部において、60×60ドットの領域内に大ドットを10個の割合で分散配置し、その間に150個の小ドットを適宜に配列すれば、平均濃度は400/3600となり、背景部と同一濃度にすることができる。
次に、複写すると文字が読み難くなるパターンを含んだ地紋画像について説明する。
地紋画像における潜像部は複写時に再現され、背景部は複写時に再現されないことにより、地紋画像が印刷された原稿を複写すると、その複写物では背景部が消えて潜像部が残り、これらの間に高いコントラスト(濃度差)が生じる。この複写物を人が見たときに、潜像部と消失した背景部の間に生じたコントラストを強く知覚させるパターンを構成することで、原稿から複写物に複写された文字をそのパターンのコントラストによって読み難くする。詳細には、原稿を複写してパターンの現れた複写物を人が見たときに、そのパターンにおける潜像部と消失した背景部のコントラストを大きく知覚させ、文字とその背景のコントラストを知覚され難くすることで、原稿から複写物に複写された文字の可読性を低下させる。
たとえば、文字に対してパターンが大きすぎると、パターンは文字と区別して見られ、文字に対する視覚的な干渉が小さくなる。逆に、文字に対してパターンが小さすぎると、パターンのコントラストが識別(知覚)され難くなり、パターンは文字の背景(一様な濃度の背景)として見られ、やはり文字に対する視覚的な干渉が小さくなる。このように、文字に対するパターン(コントラスト)の干渉の大きさは、文字のサイズに依存しており、ここでは、文字の位置とサイズに従ってパターンの大きさ(潜像部と背景部の大きさ)と位置を決定することで、文字に対して適切に干渉するパターンを決定する。
なお、上記のパターンを含んだ地紋画像を原稿に合成印刷することを「複写時難読化印刷」と呼ぶ。以下、文字とパターンの関係について説明する。
図2は、原稿の一例を示している。本例の原稿M0には、フォントサイズ(ポイント数)が同一とされた複数の文字がほぼ均等な間隔で列方向および行方向に配列され印刷されている。
図3は、図2に示した原稿M0に、原稿上の画像(文字)の背景として地紋画像が合成印刷された状態を示している。たとえば、画像形成装置10にて複写時難読化印刷を設定し、図2に示した原稿M0の複写を行うと、画像形成装置10は原稿M0の複写物に地紋画像を背景として合成印刷し出力する。また、外部端末から画像形成装置10へのPCプリントを行う際に、外部端末にて印刷対象の画像(図2の画像)に対し複写時難読化印刷を設定することで、画像形成装置10はその画像に地紋画像を背景として合成印刷し出力する。この複写時難読化印刷を設定した原稿の複写や画像のPCプリントによって、図3に例示した、画像の背景に地紋画像が合成印刷された原稿M1が作成される。また、地紋画像の濃度は、原稿上の画像(文字)が見難くならないようにするため、その画像の濃度よりも低くされる。
図4は、図3に示した原稿M1を画像形成装置10で複写した場合の複写物N1の一例を示している。複写時には、地紋画像における背景部が消えて白抜きとなり、潜像部が残る。本例の複写物には、消えた背景部による低濃度部(白抜き部)Pbと、残った潜像部による高濃度部Paとによって、図示のような濃淡の市松模様状のパターンP1が現れる。
パターンP1は、矩形状の高濃度部Paと低濃度部Pbとが列方向と行方向とに交互に連続的に配列された市松模様状のパターンである。1つの文字には、2組の高濃度部Paと低濃度部Pbからなる市松模様が対応して配置されている。たとえば、文字に外接する矩形状の領域(外接矩形領域)の周囲に余白を加えて、文字のサイズよりも一回り大きな矩形状の文字領域を構成し、この文字領域を左上、右上、左下、右下に4分割した各分割領域に、高濃度部Paと低濃度部Pbを点対称に配置する。本例では、1つの高濃度部Paおよび1つの低濃度部Pbの大きさは、文字領域の大きさの1/4である(〔文字領域の高さ×1/2〕×〔文字領域の幅×1/2〕)。また、高濃度部Paと低濃度部Pbの境界に生じる高コントラスト部は、文字上と文字間に位置し、文字の配列周期に同期している。なお、高濃度部Paと低濃度部Pbの配置はこの逆であってもよい。
上記の市松模様状のパターンP1が現れた複写物N1では、市松模様が文字に重なって干渉し、市松模様における高濃度部Pa(潜像部)と低濃度部Pb(背景部)のコントラストが大きく知覚され、文字とその背景のコントラストが知覚され難くなり、文字が読み難くなる。
図5は、図4に示した市松模様状のパターンP1よりもサイズの大きな市松模様状のパターンP2の一例を示している。
パターンP2は、1つの文字に1つの高濃度部Paまたは1つの低濃度部Pbが対応して配置され、それらが列方向と行方向とに交互に連続的に配列された市松模様状のパターンである。本例では、1つの高濃度部Paおよび1つの低濃度部Pbの大きさは、文字領域の大きさと同じである。また、高濃度部Paと低濃度部Pbの境界に生じる高コントラスト部は、文字の間に位置し、文字の配列周期に同期している。
この市松模様状のパターンP2が現れた複写物N2では、高濃度部Pa(潜像部)と低濃度部Pb(背景部)のコントラストは知覚されるものの、高濃度部Paと低濃度部Pbの境界に生じるその高コントラスト部が文字の間に位置するため、図4のパターンP1に比べて、文字とその背景のコントラストが知覚され易くなり、文字が読み難くなる効果は低下する。しかし、図4のパターンP1程ではないが、文字の可読性を低下する効果は発揮される。
図6は、図4に示した市松模様状のパターンP1よりもサイズの小さい市松模様状のパターンP3の一例を示している。
パターンP3は、文字領域を矩形状に64分割して各分割領域に高濃度部Paと低濃度部Pbを列方向と行方向とに交互に連続的に配列し、1つの文字に32組の高濃度部Paと低濃度部Pbが対応して配置された市松模様状のパターンである。本例では、1つの高濃度部Paおよび1つの低濃度部Pbの大きさは、文字領域の大きさの1/64である(〔文字領域の高さ×1/8〕×〔文字領域の幅×1/8〕)。
この市松模様状のパターンP3が現れた複写物N3では、高濃度部Pa(潜像部)と低濃度部Pb(背景部)のコントラストの周期が文字に対して非常に小さいため、人の目で見るとコントラストが知覚され難くなり、市松模様状のパターン(背景)が一様に認識されてしまう。そのため、図4のパターンP1に比べて文字が読み難くなる効果は低下する。また、図5のパターンP2と比べても文字が読み易くなっており、文字の可読性を低下する効果が薄れる。
図7と図8は、図4に示した市松模様状のパターンP1の変形例であり、高濃度部Pa(潜像部)と低濃度部Pb(背景部)の面積比を異ならせた場合の一例を示している。
図7は、低濃度部Pbよりも高濃度部Paの面積比が大きい場合の市松模様状のパターンP4の一例を示している。このパターンP4は、図4のパターンP1における1つの文字(文字領域)に対応して配置された市松模様において、左上の高濃度部Paを大きくして文字に重ね、右下の高濃度部Paと右上および左下の低濃度部Pbとを小さくした構成である。
図8は、図7とは逆に、高濃度部Paよりも低濃度部Pbの面積比が大きい場合の市松模様状のパターンP5の一例を示している。このパターンP5は、図4のパターンP1における1つの文字(文字領域)に対応して配置された市松模様において、右上の低濃度部Pbを大きくして文字に重ね、左下の低濃度部Pbと左上および右下の高濃度部Paとを小さくした構成である。
文字の背景に低濃度部Pb(地紋画像における背景部)が配置されている図8のパターンP5は、文字の可読性が高くなっている。一方、文字の背景に高濃度部Pa(地紋画像における潜像部)が配置されている図7のパターンP4は、文字の可読性が低くなっており、図4のパターンP1と比較しても可読性を低下できている。
図9は、高濃度部Pa(潜像部)を文字に重ねて配置した格子模様状のパターンP6の一例を示している。このパターンP6は、文字に重ねて、文字のサイズとほぼ同じ大きさの矩形状の高濃度部Paが配置され、この高濃度部Paの周囲(文字同士の間)に、高濃度部Paを囲むように低濃度部Pbが配置されて、格子模様状のパターンを構成している。
図10は、高濃度部Pa(潜像部)を文字に重ねて配置した水玉模様状のパターンP7の一例を示している。このパターンP7は、文字に重ねて、文字のサイズとほぼ同じ大きさの楕円状の高濃度部Paが配置され、この高濃度部Paの周囲(文字同士の間)に、高濃度部Paを囲むように低濃度部Pbが配置されて、水玉模様状のパターンを構成している。
パターンP6、P7は、低濃度部Pbが配置されている領域が図7の市松模様状のパターンP4より大きいため、低濃度部Pbが強く知覚される。また、文字と高濃度部Paの重なりが大きいため、図5や図8の市松模様状のパターンP2、P5と比較しても可読性が小さくなる効果がある。ただし、主観によるが、図4に示した市松模様状のパターンP1と比較して、文字を読むときの嫌悪感は受けにくい。
図11は、図3とは異なる原稿M11の例を示している。本例の原稿M11には、文字の他に空き領域(白地領域)が存在している。地紋画像は、この空き領域を含む全領域に印刷されている。
図12は、原稿M11を画像形成装置10で複写した場合の複写物N11の一例を示している。本例の複写物N11には、図4で説明した市松模様状のパターンP1が空き領域を含む全領域に現れている。この場合も、文字に重なっている市松模様状のパターンP1によって、文字の可読性が低下する。
図13は、図11に示した原稿に対し、空き領域には地紋画像を印刷せず、文字が印刷されている領域のみに地紋画像を印刷した原稿M21の例を示している。
図14は、原稿M21を画像形成装置10で複写した場合の複写物N21の一例を示している。本例の複写物N21には、図4で説明した市松模様状のパターンP1が、文字が複写された領域のみに現れている。この場合も、文字に重なっている市松模様状のパターンP1によって、文字の可読性が低下する。
図15は、異なるサイズの文字が印刷された原稿M31の例を示している。本例の原稿M31には、文字の他に空き領域(白地領域)も存在している。地紋画像は、この空き領域を含む全領域に印刷されている。またここでは、文字が印刷されている領域に、潜像部と背景部からなる市松模様状のパターンが配置されており、空き領域に背景部が配置されている。
図16は、原稿M31を画像形成装置10で複写した場合の複写物N31の一例を示している。本例の複写物N31には、図4で説明した市松模様状のパターンP1が、文字が複写された領域のみに現れている。また、パターンP1の大きさは文字のサイズに応じて異なっており、パターンP1を構成する高濃度部Pa(潜像部)と低濃度部Pb(背景部)の大きさは、各文字(文字領域)のサイズに対して約1/4の大きさとなっている。ここでは、サイズの大きい文字に対しては大きいパターンが配置され、サイズの小さい文字に対しては小さいパターンが配置されている。また、文字以外の空き領域に配置されている背景部は消失し、複写物N31ではその空き領域が白抜きとなっている。
このように、原稿上の異なるサイズの文字に対しても、複写後には各文字のサイズに応じた大きさのパターン(市松模様状のパターンP1)が文字に重なって現れることで、そのパターンによって各文字の可読性が低下する。
なお、文字のサイズが異なる場合は、文字間の空白の幅、高さが異なるため、文字が存在しない空き領域については、一様に背景部または潜像部を配置することが望ましい。
次に、画像形成装置10が行う複写時難読化印刷の動作について説明する。
図17は、複写時難読化印刷に関する各種の設定をユーザから受け付ける複写時難読化印刷設定画面50の一例を示している。複写時難読化印刷設定画面50は、CPU11の制御により表示部18に表示される。たとえば、所定のメニュー画面において操作部19を通じて「複写時難読化印刷設定」の選択操作を受けた場合に表示される。
複写時難読化印刷設定画面50には各種のラジオボタン51〜55と、OKボタン56と、Cancelボタン57とが表示され、それらのボタン(操作部19のタッチパネル)を通じて以下の操作を受け付ける。
複写時難読化印刷ラジオボタン51により、複写時難読化印刷を行うか否かの選択を受け付ける。模様選択ラジオボタン52により、複写時難読化印刷を行う場合に、背景部と潜像部からなるパターンの模様について、市松模様とするか、格子模様とするか、水玉模様とするかの選択を受け付ける。白地部分選択ラジオボタン53により、複写時難読化印刷を行う場合に、文字領域以外の白地部分(空き領域)に、複写時に再現されない背景部のみを配置するか(「複写されない」)、複写時に再現される潜像部のみを配置するか(「複写する」)、選択した模様を配置するか(「模様を印刷」)、背景部、潜像部、選択した模様のいずれも配置しないか(「印刷しない」)の選択を受け付ける。模様サイズ選択ラジオボタン54により、選択した模様のサイズ(「ふつう」/「ちいさい」)の選択を受け付ける。濃度選択ラジオボタン55により、地紋画像(選択した模様の潜像部と背景部)の濃度(「こい」/「ふつう」/「うすい」)の選択を受け付ける。
CPU11は、複写時難読化印刷設定画面50を通じて複写時難読化印刷に関する各種の設定操作を受け付け、OKボタン56が押下されると、その時点の設定内容を複写時難読化印刷設定情報として不揮発メモリ17に保存する。また、Cancelボタン57が押下されると、その時点の設定内容を破棄し前画面に戻る。
なお、濃度の設定については、パターン(模様)を構成する潜像部と背景部の見かけ上の濃度は小さいほうが原稿上の文字は読みやすくなるが、その原稿の複写物における文字の難読化(可読性低下)の効果は小さくなる。逆に濃度が大きければ、原稿上の文字は読み難くなるが、その原稿の複写物における文字の難読化の効果は大きくなる。したがって、適宜なデフォルトの濃度(潜像部と背景部の見かけ上の濃度)を設定しておき、例示した複写時難読化印刷設定画面50のように、濃度選択ラジオボタン55などのユーザインタフェースを通じて、ユーザが状況や好みに応じて濃度を設定(変更)できるようにすることが望ましい。
また、地紋画像におけるパターン(潜像部および背景部)は、文字との濃度差よりも白色との濃度差の方が大きくなる濃度にすることが好ましい。これにより、文字と潜像部の濃度差よりも、白色と潜像部、すなわち、原稿を複写した複写物上では再現されない背景部と潜像部の濃度差の方が大きくなり、文字に対してパターンのコントラスト(濃度差)を強く知覚させ、文字の可読性を低下させる効果が高められる。
図18は、複写時難読化印刷設定画面50による設定で生成されるパターン(模様)の一例を示している。
画像形成装置10では、たとえば、市松、格子、水玉の各模様における2つのサイズ(ふつう/ちいさい)に対応する計6種類のパターンのデータを予め作成して、ハードディスク装置23(または不揮発メモリ17)に記憶しておく。そして、複写時難読化印刷設定画面50により設定(選択)された種類およびサイズに対応するパターンのデータを、文字のサイズに応じて伸長または縮小してその文字に対応するパターンを生成し、その文字に重ねて配置する。
詳細には、画像形成装置10は、複写対象あるいは印刷対象の画像に含まれている文字を、文字認識などによって一文字単位で認識し、各文字の位置とサイズを検出する。文字のサイズは、認識した文字に外接する矩形の領域(外接矩形領域)を、その文字のサイズとして検出する。すなわち、文字の外接矩形領域における高さを、その文字の高さ(Hs)として検出し、文字の外接矩形領域における幅を、その文字の幅(Ws)として検出し、これらの検出した高さと幅から文字のサイズ(S)を取得する。
文字のサイズ(外接矩形領域):S=Hs×Ws
文字のサイズ(外接矩形領域):S=Hs×Ws
また、文字の周囲に余白(マージン)を加えた、文字のサイズ(外接矩形領域)より一回り大きい領域を、文字領域として確保する。ここでは、文字の上下左右にそれぞれ10%の余白を加えるようにしており、文字の高さと幅をそれぞれ1.2倍して文字領域(T)を確保する。
文字領域:T=Ht×Wt
文字領域の高さ:Ht=Hs×1.2
文字領域の幅 :Wt=Ws×1.2
文字領域:T=Ht×Wt
文字領域の高さ:Ht=Hs×1.2
文字領域の幅 :Wt=Ws×1.2
本例における6種類のパターンのデータは、この文字領域に対応するように作成されている。たとえば、パターンのデータは、正方形で所定のサイズ(基準サイズ)に形成する。この場合の高さと幅は、6mmなどにしてもよい。仮に、文字領域の高さと幅が共に6mm(T=6mm×6mm)であれば、この文字領域に含まれる文字の高さと幅は共に5mm(S=5mm×5mm)ということになる。
市松模様におけるふつうサイズのパターンのデータは、図7のパターンP4に相当するものである。このパターンP4は、文字のサイズに占める左上の潜像部Pa(高濃度部)の面積比率が81%で、右上の潜像部Paの面積比率が9%であり、右上と左下の背景部Pb(低濃度部)の面積比率がそれぞれ9%となっている。
市松模様におけるちいさいサイズのパターンのデータは、図4のパターンP1に相当するものである。このパターンP1は、文字のサイズに占める左上と右下の潜像部Paおよび右上と左下の背景部Pbの面積比率がそれぞれ25%となっている。
格子模様におけるふつうサイズのパターンのデータは、図9のパターンP6に相当するものである。このパターンP6は、潜像部Paの高さが文字の高さと同じで、潜像部Paの幅が文字の幅の0.95倍となるように設定されており、文字のサイズに占める潜像部Paの面積比率が95%となっている。また、潜像部Paの左右に位置する背景部Pbが文字のサイズに占める面積比率はそれぞれ2.5%となっている。
格子模様におけるちいさいサイズのパターンのデータは、上記のパターンP6に対して潜像部Paを小さくしたものである。このパターンP8は、潜像部Paの高さと幅が文字の高さと幅のそれぞれ0.7倍となるように設定されており、文字のサイズに占める潜像部Paの面積比率が約50%となっている。また、潜像部Paを囲む背景部Pbが文字のサイズに占める面積比率は約50%となっている。
水玉模様におけるふつうサイズのパターンのデータは、図10パターンP7に相当するものである。このパターンP7は、潜像部Paの高さと幅が文字の高さと幅のそれぞれ1.1倍となるように設定されており、文字のサイズに占める潜像部Paの面積比率が約90%となっている。また、文字のサイズ内において潜像部Paの左上、右上、左下、右下に位置する各背景部Pbが文字のサイズに占める面積比率はそれぞれ約2.5%となっている。
水玉模様におけるちいさいサイズのパターンのデータは、上記のパターンP7に対して潜像部Paを小さくしたものである。このパターンP9は、潜像部Paの高さと幅が文字の高さと幅のそれぞれ0.8倍となるように設定されており、文字のサイズに占める潜像部Paの面積比率が約50%となっている。また、潜像部Paを囲む背景部Pbが文字のサイズに占める面積比率は約50%となっている。
画像形成装置10は、上記の各パターンのデータを使用して、文字に重ねるパターン(合成パターン)を生成し、生成したパターンをその文字に重ねて配置する。詳細には、パターンのデータを文字領域と同じ大きさにするよう、高さ方向/幅方向に伸長または縮小して合成パターンを生成し、その合成パターンを文字領域に位置を合わせて配置することにより、その合成パターンを文字に重ねて配置する。
図18では、上記の6種類のパターンについて、各パターンのデータを使用して、文字のサイズに従って生成した合成パターンを文字(本例では「あ」)に重ねて配置した例を示している。なお、パターンのデータを伸縮して生成した合成パターンを文字領域に合わせて配置しても、相似の関係により、文字のサイズに占める潜像部Paと背景部Pbの面積比率は、元のパターンのデータと同じになる。
また、本例の複写時難読化印刷設定画面50では、パターン(模様)のサイズを選択し設定することができる。ただし、ユーザがパターンのサイズを任意に変更できるわけではない。画像形成装置10は、文字毎に生成するパターンのサイズを、文字のサイズに従って決定した許容範囲内で変更する。本例では、許容範囲内における上限側の「ふつう」と下限側の「ちいさい」のうちの選択・設定された方に変更する。なお、本例ではパターンのサイズの選択肢を「ふつう」と「ちいさい」の2つにしているが、3つ以上として(たとえば、3つの場合は「おおきい」を追加するなど)、許容範囲内での選択肢を増やすようにしてもよい。
図19は、複写時難読化印刷を行う場合の画像形成装置10の動作の流れを示している。なお、特に断らない限り、各パターンの生成、合成等の画像処理はCPU11が行うものとするが、一部の特定の処理を画像処理部21で行う構成としてもよい。また、本動作では、複写時難読化印刷設定画面50の白地部分選択ラジオボタン53により、文字領域以外の白地部分に背景部のみを配置する選択がなされた場合(「複写されない」)を例に説明する。
CPU11は、画像読取部13に対してコピー対象の原稿の読み取りを要求し、その原稿に対応する原稿画像データを入力してRAM16に保存する(ステップS101)。なお、原稿画像データは、パーソナルコンピュータなどの外部端末からネットワークI/F部22を通じて入力されてもよいし、パーソナルコンピュータなどの外部端末からネットワークI/F部22を通じて受信した印刷データをCPU11でラスタライズして取得してもよい。原稿画像データの取得方法は問わない。
CPU11は、複写時難読化印刷設定画面50で受け付けた複写時難読化印刷設定情報を不揮発メモリ17から読み出して参照し、複写時難読化印刷の要求がなされているか否かを確認する(ステップS102)。複写時難読化印刷の要求なしの場合は(ステップS102;No)、印刷部14に対して、ステップS101で取得した原稿画像データの印刷を要求し(ステップS111)、処理を終了する。
複写時難読化印刷の要求がなされている場合は(ステップS102;Yes)、CPU11は、原稿(原稿画像データ)の大きさと同じ大きさの合成画像作成用の領域をRAM16上に確保し、複写時難読化印刷設定情報に従い所定のドットでフィルする(ステップS103)。本例では、文字領域以外の白地部分に背景部のみを配置する選択がなされており、この場合は、複写時に再現されないドット、すなわち、背景部を構成するドットでフィルする。
なお、白地部分に潜像部のみを配置する選択がなされている場合は、複写時に再現されるドット、すなわち、潜像部を構成するドットでフィルする。また、白地部分に模様(パターン)を配置する選択がなされている場合は、選択された模様(市松模様または格子模様または水玉模様)を構成するように、複写時に再現されるドットと複写時に再現されないドット(潜像部と背景部からなるパターンを構成するドット)でフィルする。この場合の模様を構成する潜像部と背景部の大きさは、たとえば、初期設定による一定の大きさにするようにしてもよい。また、初期設定による一定の大きさを、複写時難読化印刷設定画面50の模様サイズ選択ラジオボタン54により選択された模様のサイズ(「ふつう」/「ちいさい」)に応じて変更した大きさにするようにしてもよい。また、白地部分に背景部、潜像部、模様のいずれも配置しない選択がなされている場合は、ドットを打たない。
次に、CPU11は、RAM16に保存した原稿画像データに含まれている文字の存在有無の確認位置を設定し(ステップS104)、文字があるか否かを確認する(ステップS105)。たとえば、原稿(原稿画像データ)の左上位置を最初(始端)の確認位置に設定し、その位置から右方向への主走査および下方向への副走査により、確認位置を左上方向から右下方向へ向けて順次移動させて、各確認位置における文字の存在有無を、ページ全体をカバーするようにサーチする。また、他の位置を最初の確認位置に設定し、別の方向に確認位置を順次移動させて、各確認位置における文字の存在有無を、ページ全体をカバーするようにサーチするようにしてもよい。この最初の確認位置やサーチ方向は問わない。
設定した確認位置に文字が存在した場合は(ステップS105;Yes)、CPU11は、当該文字の位置とサイズを取得し(ステップS106)、複写時難読化印刷設定情報における模様の種類、サイズ、濃度と、取得した文字のサイズに従い、当該文字に対して合成するパターン(模様)の種類、サイズ、濃度を決定し、そのパターンを生成する(ステップS107)。
文字のサイズの取得については、文字認識により一文字単位で文字を認識し、その認識した文字の高さと幅を検知してサイズを取得するなど、その取得方法は問わない。また、文字に対して合成するパターンは、図18で説明したように、ハードディスク装置23(または不揮発メモリ17)に記憶してある各種のパターン(模様)のデータを使用し、文字のサイズ(文字のサイズから構成した文字領域のサイズ)に基づいて作成する。
CPU11は、合成画像作成用の領域における、ステップS106で取得した文字の位置に対応する位置に、生成したパターン(合成パターン)を配置する(ステップS108)。そして、ステップS104へ戻り、次の文字の存在有無の確認位置を設定し、以降のステップを同様に繰り返す。
設定した確認位置に文字が存在しなかった場合は(ステップS105;No)、CPU11は、サーチ位置が原稿画像データの終端か否かを確認する(ステップS109)。サーチ位置が原稿画像データの終端に達していない場合は(ステップS109;No)、ステップS104へ戻り、次の文字の存在有無の確認位置を設定し、以降のステップを同様に繰り返す。
サーチ位置が原稿画像データの終端に達した場合は(ステップS109;Yes)、CPU11は、RAM16上の原稿画像データと合成用画像データを合成する(ステップS110)。この合成においては、作成した合成用画像(潜像部と背景部からなるパターンを含んだ地紋画像)が原稿画像の背景となるように両画像データを合成する。そして、印刷部14に対して、合成した画像データの印刷を要求し(ステップS111)、処理を終了する。
このように、画像形成装置10は複写時難読化印刷を行うと、潜像部と背景部とで構成されたパターンを、原稿画像に含まれている文字のサイズに従って決定し生成して、そのパターンを含んだ地紋画像を原稿画像に合成する。この地紋画像(パターン)の合成された原稿画像を印刷し、この印刷物である原稿を画像形成装置10で複写すると、その複写物には原稿の画像が複写されると共に、再現された潜像部と再現されない背景部とで構成されたパターンが現れる。
これにより、原稿を複写してパターンの現れた複写物を見ると、パターンのコントラストが大きく知覚され、文字とその背景のコントラストが知覚され難くなって(パターンのコントラストが文字に干渉して)、文字が読み難くなる。このように、原稿から複写物に複写された文字は、複写物に現れたパターンのコントラストによって可読性が低下するので、原稿の複写抑止効果が高められる。
特に本実施の形態では、原稿画像に含まれている文字の位置とサイズを取得し、文字の位置に対するパターンの相対位置を調整していることで、文字の可読性をより低下させることができる。詳細には、図4、図5、図7、図9、図10などに示したように、潜像部を文字に重ねて配置することで、潜像部と、潜像部の周囲に配置する背景部との境界に生じる高コントラスト部が文字の近傍もしくは文字に重なって配置されるようになる。たとえば、図7、図9、図10などに示したように、文字とほぼ同じ大きさの潜像部を文字の中心に重ねて配置した場合には、文字の周囲に高コントラスト部が配置される。図4などに示したように、文字よりも小さい潜像部を文字に重ねて配置した場合には、文字に高コントラスト部が重なって配置される。これにより、文字に対してパターンのコントラストを強く知覚させ、文字の可読性を低下させる効果が高められる。
また、文字に対して潜像部が大きすぎたり小さすぎたりすると、潜像部と背景部の間に生じるコントラストの周期が文字に対して大きすぎたり小さすぎたりすることとなり、文字に対してパターンのコントラストを大きく知覚させる効果が薄れ、文字を読み難くする効果が薄れる。たとえば、図6に示したように、文字に対して潜像部が小さくなりすぎ、コントラストの周期が文字に対して小さくなりすぎると、パターン(背景)が一様に認識されてしまい、文字を読み難くする効果が薄れる。
そこで、潜像部を文字のサイズ未満から1/4以上の範囲の大きさにする(図18参照)。これにより、文字に対してパターンのコントラストを適正な周期で配置できるようになり、文字に対してパターンのコントラストをより強く知覚させ、文字の可読性を著しく低下させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、文字の可読性を低下させるパターンは、実施の形態で説明したように文字の配列周期に同期させて配置するなど、文字の位置に従って配置する必要はない。文字の位置に関わらずにランダムに配置するようにしてもよい。また、パターンの種類(形状)については、実施の形態で例示した一定の幾何学的な模様に限らず、複数の幾何学的な模様を組み合わせたり、波型やランダムな模様にしたりするなどしてもよい。
また、大ドット、小ドットのサイズは、実施の形態に例示したものに限定されない。大ドットは複写時に再現されるドットであればよく、また、小ドットは、大ドットより小さいドットであればよい。また、1ドットは、単独のドットでもよいし、より小さい複数ドットの集合体であってもよい。
実施の形態では、画像形成装置10を例に説明したが、画像読取部13や印刷部14などを具備せず、パターンを含む地紋画像を生成し、入力された画像の背景にこれを合成した画像データを生成する画像生成装置として構成されてもよい。また、画像生成装置としての機能は、コンピュータ装置に所定のプログラムを実行させることで実現されてもよく、本発明は該プログラムとされてもよい。
10…画像形成装置
11…CPU
12…バス
13…画像読取部
14…印刷部
15…ROM
16…RAM
17…不揮発メモリ
18…表示部
19…操作部
21…画像処理部
22…ネットワークI/F部
23…ハードディスク装置
50…複写時難読化印刷設定画面
51…複写時難読化印刷ラジオボタン
52…模様選択ラジオボタン
53…白地部分選択ラジオボタン
54…模様サイズ選択ラジオボタン
55…濃度選択ラジオボタン
56…OKボタン
57…Cancelボタン
M0、M1、M11、M21、M31…原稿
N1、N2、N3、N11、N21、N31…複写物
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9…パターン
Pa…高濃度部(潜像部)
Pb…低濃度部(背景部)
11…CPU
12…バス
13…画像読取部
14…印刷部
15…ROM
16…RAM
17…不揮発メモリ
18…表示部
19…操作部
21…画像処理部
22…ネットワークI/F部
23…ハードディスク装置
50…複写時難読化印刷設定画面
51…複写時難読化印刷ラジオボタン
52…模様選択ラジオボタン
53…白地部分選択ラジオボタン
54…模様サイズ選択ラジオボタン
55…濃度選択ラジオボタン
56…OKボタン
57…Cancelボタン
M0、M1、M11、M21、M31…原稿
N1、N2、N3、N11、N21、N31…複写物
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9…パターン
Pa…高濃度部(潜像部)
Pb…低濃度部(背景部)
Claims (11)
- 複写時に再現される潜像部と、前記潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンを生成し原稿画像に合成する画像生成装置であって、
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理部を有する
ことを特徴とする画像生成装置。 - 前記画像処理部は、前記文字の位置とサイズを検出し、該検出した文字の位置とサイズに従って前記パターンを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。 - 前記画像処理部は、前記合成では前記潜像部を前記文字に重ねて配置する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像生成装置。 - 前記潜像部は、前記文字のサイズ未満から1/4以上の範囲の大きさである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 前記潜像部は、前記文字との濃度差よりも白色との濃度差の方が大きくなる濃度である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 前記潜像部と前記背景部の濃度は同じにして前記パターンの濃度を変更する操作を受け付ける濃度変更部を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 前記パターンのサイズを、前記文字のサイズに従って決定される許容範囲内で変更する操作を受け付けるサイズ変更部を有する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 前記原稿画像における文字以外の領域に対する前記パターンの配置の仕方を変更する操作を受け付ける配置変更部を有する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 前記複写時に現れる前記パターンの模様は、市松模様と、格子模様と、水玉模様とのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像生成装置。 - 請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像生成装置と、
前記画像生成装置によって生成されたパターンを原稿画像に合成した画像を記録紙上に画像形成して出力する画像形成部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 複写時に再現される潜像部と、前記潜像部の周囲に配置され複写時に再現されない背景部とで構成されたパターンを生成し原稿画像に合成する画像生成方法であって、
原稿画像に含まれている文字のサイズに従って前記パターンを決定し生成して前記原稿画像に合成する画像処理工程を有する
ことを特徴とする画像生成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014138203A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Ricoh Co Ltd | 情報処理装置、画像生成方法及び画像生成プログラム |
JP2014188731A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写システムまたは熱転写方法 |
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2010
- 2010-11-16 JP JP2010256344A patent/JP2012109748A/ja not_active Withdrawn
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