JP2012109224A - 導電性不織布、及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

導電性不織布、及びそれを用いた二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電気導電性にむらが少なく、捲回しても短絡しにくく、取り扱い易い強度を有する導電性不織布、それを構成要素とする活物質との密着性に優れた集電体、及びその集電体を構成部材として有する二次電池を提供する。
【解決手段】(1)平均繊維径が0.01〜5μmの極細長繊維により構成される不織布であって、該不織布を構成する前記極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、該導電膜により前記極細長繊維同士の接触部分又はその隣接部分が連結した3次元網目構造を有しており、空隙率が25%以上である、導電性不織布、(2)該導電性不織布を構成要素として有する集電体、及び(3)該集電体を構成部材として有する二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性不織布に関し、詳しくは、集電体等に利用することができる導電性不織布、その導電性不織布を構成要素とする集電体、及びその集電体を含む二次電池に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の小型電子機器や電気自動車の電源、電力貯蔵用等として広く使用されている。この二次電池は、電解質を介した化学反応で電池内部の電気エネルギーを正極、負極間において蓄積(充電)、取り出し(放電)を繰り返すものであり、特に高エネルギー密度を有する非水系リチウム二次電池(リチウムイオン二次電池を含む)が広く使用されている。
リチウム二次電池は、主としてリチウムを吸蔵放出可能な正極及び負極(正極活物質、負極活物質、集電極)、セパレータ、非水電解液から構成されている。
一般的には、集電極として正極にアルミニウム箔、負極に銅箔が用いられ、活物質を担持した正、負極集電体の間に、ポリオレフィン系の多孔薄膜セパレータを挟んだ状態で捲回し一体化し、非水電解液に浸してパッケージされる。リチウム二次電池内部での電圧降下を抑え、放電電圧を高めるためにイオン伝導率の低いセパレータを薄くする傾向にあり、短絡発生のおそれがある。
一方、リチウム二次電池が搭載されている電子機器の小型軽量化、多機能化が進み、電力消費量が増大する流れにある。そのため、リチウム二次電池の高容量化、高エネルギー密度化、高パワー密度化が望まれ、その結果、電池内は活物質など部材の充填密度が高くなり、益々短絡が発生しやすい状況になっている。特に、従来のアルカリ電池の高容量化のために使用される発泡状集電体のような3次元構造体は集電体の突起による短絡が危惧される。また、長期間の動作において活物質が集電体から剥離することによる接触抵抗の増加や活物質の利用率低下に伴う容量劣化が生じることが問題になっている。
そこで、短絡を防止し、電池性能や、活物質と集電体との接着力を向上させるため、エッチングにより電極表面を多孔質化した集電極を用いた二次電池(特許文献1参照)、樹脂不織布をイオンプレーティング法により金属蒸着した集電体(特許文献2参照)、樹脂製不織布にアルミニウム電解めっき層を形成した3次元多孔体の正極用集電体(特許文献3参照)、アルミニウム不織布からなる集電体(特許文献4参照)等が提案されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の集電体は、短絡発生の防止、可とう性の改善、電池性能の向上の点から、満足できるものではなく、特許文献3に記載の複合短繊維からなる不織布には、その表面に繊維端が多く存在するため短絡のおそれがある。
特許文献4のアルミニウム不織布では、電池の薄厚化、軽量化のためにより細い繊維が望まれるが、より細い繊維に加工することは困難である。
一方、中空の金属連続長繊維で構成された3次元網目構造を有するニッケル電極(特許文献5参照)も提案されている。しかしながら、この金属繊維の外径は70μm以上と太いため電極が電池内の空間容積の多くを占有してしまう。また、有機材料からなる繊維を熱分解したあとの金属繊維の中空部は無駄な空間となってしまう。
特開2005−78991号公報 特開平6−349481号公報 特開2010−9905号公報 特開2010−33891号公報 特開2010−108835号公報
本発明は、電気導電性にむらが少なく、捲回しても短絡しにくく、取り扱い易い強度を有する導電性不織布、それを構成要素とする活物質との密着性に優れた集電体、及びその集電体を構成部材として有する二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、極細長繊維で構成される不織布の繊維表面を導電膜で被覆して、その導電膜により繊維同士の接触部分又は近接部分を連結させて3次元網目構造を形成することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(3)を提供するものである。
(1)平均繊維径が0.01〜5μmの極細長繊維により構成される不織布であって、該不織布を構成する前記極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、該導電膜により前記極細長繊維同士の接触部分又はその近接部分が連結した3次元網目構造を有しており、空隙率が25%以上である、導電性不織布。
(2)前記(1)に記載の導電性不織布を構成要素として有する集電体。
(3)前記(2)に記載の集電体を構成部材として有する二次電池。
本発明によれば、電気導電性にむらが少なく、捲回しても短絡しにくく、取り扱い易い強度を有する導電性不織布、それを構成要素とする活物質との密着性に優れた集電体、及びその集電体を構成部材として有する二次電池を提供することができる。
図1は、実施例2で得られた導電性不織布の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図2は、比較例2で得られた極細長繊維不織布の断面を示すSEM写真である。 図3は、実施例5の正極の断面図を示すSEM写真であり、導電性不織布層とチタン酸リチウム塗布層との境界部分を示す。
〔導電性不織布〕
本発明の導電性不織布は、平均繊維径が0.01〜5μmの極細長繊維により構成される不織布であって、該不織布を構成する前記極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、該導電膜により前記極細長繊維同士の接触部分又はその近接部分が連結した3次元網目構造を有しており、空隙率が25%以上であることを特徴とする。
本発明の導電性不織布は、電気導電性にむらが少なく、捲回しても短絡しにくく、取り扱い易い強度を有するが、これは、不織布を構成する極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、かつ導電膜により極細長繊維同士の接触部分又は近接部分が連結して3次元網目構造を形成していること、並びに不織布を構成する繊維が長繊維であるため繊維の端部が少ないことによるものと考えられる。
以下に、導電性不織布の各構成要素について説明する。
(繊維材料)
本発明においては、不織布を構成する極細長繊維の材料として各種の合成樹脂を使用することができるが、導電性不織布には引っ張り強度が大きいこと、曳糸性が良いこと、適切な導電膜が形成できることが望まれる。また、例えば、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるセパレータのシャットダウン温度が約130℃、メルトダウン温度が約160℃、そして熱暴走のきっかけになる活物質の熱分解が220℃以上で生じることを考慮すれば、使用する合成樹脂は、140℃以上でも構造が安定であることが好ましい。具体的には、融点及び熱分解開始温度が140℃以上、好ましくは170℃以上、より好ましくは220℃以上の耐熱性を有する合成樹脂を主成分として構成されることが好ましい。
かかる合成樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。
これらの中では、不織布製造の際の曳糸性、集電体としての可とう性、リチウムイオン電池の使用環境における耐熱性の観点から、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドが好ましく、ポリアミド(ナイロン6:融点225℃、ナイロン66:融点267℃)、アラミド(熱分解温度:500℃以上)、ポリイミド(熱分解温度:400℃以上)、ポリアミドイミド(連続使用温度260℃)がより好ましい。
(極細長繊維の製造)
本発明に用いられる平均繊維径が0.01〜5μmの極細長繊維の製造法としては、湿式紡糸法、乾式紡糸法、湿乾式紡糸法等の一般的な製造法や、物理的処理(例えば、超高圧ホモジナイザーによる強力な機械的せん断処理)によって繊維を微細化する方法等が挙げることができるが、電界紡糸法、複合溶融紡糸法、メルトブロー法等が好ましく、電界紡糸法がより好ましい。
本発明における「長繊維」とは、繊維長が10cm以上に加工された繊維、あるいは切断加工を行っていない繊維を言う。
電界紡糸法においては、ポリマーを溶媒に溶解した溶液(以下「紡糸原液」ともいう)をシリンジなどの溶液タンクに入れ、高電圧が印加された紡糸口となる針先から一定の速度で押し出すことで帯電した液滴をつくり、液滴の表面張力より大きな電気引力となる高電圧を印加することで、帯電した紡糸原液の液滴からジェットが電気的に接地された導電体であるコレクターに向けて噴射される。ジェット中の溶媒は飛翔中に徐々に揮発し、コレクターに到達した時点では乾燥し極細繊維形態になる。電界紡糸法によれば、その乾燥過程において体積収縮が起こること、及び原料自体が低粘度あるため、極細ノズルでの紡糸が可能であることにより、簡便な装置で極細の長繊維を得ることができる。紡糸原液の溶質、溶媒と濃度、粘度など物性を適時調整することにより、繊維形態や繊維径を制御した紡糸ができる。
電界紡糸法においては、溶液からの固化と延伸による紡糸とが同時に又は逐次的に起こるため、繊維がコレクターに到達したときの乾燥状態により集積体は、通常、繊維同士が結合、接触ないし近接した不織布として得られる。本発明では不織布の空隙率が高いほうが好ましいため、よく乾燥した状態でコレクター電極に到達し、繊維同士が接触ないし近接した状態で集積された不織布となることが好ましい。
電界紡糸法としては、「加工技術」、2005年、40巻、2号、101頁及び167頁;「Polymer International」、1995年、36巻、195〜201頁;「Polymer Preprints」、2000年、41巻、2号、1193頁;「Journal of Macromolecular Science, Part B: Physics」、1997年、B36巻、169頁等に開示されている方法を用いることができる。
電界紡糸法では、溶融法、溶液法の両方を用いることができるが、極細長繊維を得ること、耐熱性や機械的強度に優れた繊維を得ることが容易、繊維径や形態や空隙率の制御が容易、無機材料などとの複合化が容易などの点から溶液法が好ましい。
(溶媒)
電界紡糸法に用いられる溶媒は、繊維材料として用いられる樹脂を溶解又は分散するものであれば特に制限なく使用することができるが、蒸発しやすいものが好ましい。例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム、セロソルブ、セロソルブアセテート、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、フェノール、クレゾール、クロロフェノール等のフェノール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ギ酸、水等が挙げられる。これらの中では、アミド系溶媒やギ酸が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ギ酸等がより好ましい。
これらの溶媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
また、紡糸原液には、導電性の付与、導電膜との密着性の改善等の目的に応じて、導電性フィラー(カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール、カーボンナノコイル等のカーボン、アルミニウム等の金属粉)、導電性樹脂、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、シリコン等の微粒子を添加することができる。かかるフィラーや微粒子は、繊維径より小さい粒径のものを紡糸原液に均一分散させて紡糸することが好ましい。
また、紡糸原液には、安定性付与等のため、必要に応じてアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を添加することができる。
(極細長繊維の形態と製造条件)
上記のようにして得られる極細長繊維は、その平均繊維径は0.01〜5μm、好ましくは0.5〜5μmである。
極細長繊維の平均繊維径は、樹脂の種類、分子構造、分子量、紡糸原液の溶媒や濃度や粘度、電界紡糸における紡糸口とコレクターとの紡糸距離、印加電圧、吐出量等の条件を調整することによって、前記範囲内で所望の平均繊維径とすることができる。例えば、濃度5〜20質量%の紡糸原液を、粘度(25℃測定)0.5〜100Pa・s、好ましくは1〜50Pa・sに調整し、紡糸距離5〜50cm、好ましくは10〜30cm、印加電圧5〜70kV、好ましくは10〜50kVの印加電圧下で、内径0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1mmの吐出ノズルから、吐出量0.1〜20mL/時、好ましくは0.5〜10mL/時の範囲で最適条件を設定して電界紡糸を行うことにより、前記の平均繊維径を有する極細長繊維を製造することができる。
また、目的とする分子構造体の前駆体溶液で紡糸し、適当な後処理、例えば熱処理して、目的とする分子構造を持つ極細長繊維の不織布とすることもできる。
極細長繊維からなる不織布の形態として、例えば特定方向に繊維を配向させること、樹脂の異なる不織布や空隙率、繊維径等の性質の異なる不織布を多層化すること、コレクター表面に例えば2次元的な電極パターンを用いて電界強度の分布を付与することで不織布に同様な空隙率の分布を付与すること等が可能である。
不織布の空隙率は、不織布内部の繊維まで均一な膜厚の導電膜を形成し、導電性のむらが少ない導電性不織布とするためには25%以上であることを要し、25〜95%が好ましく、35〜95%がより好ましく、50〜95%が更に好ましい。
また、空隙の孔径は、二次電池等で使用する活物質が容易に進入できるように活物質の粒径より大きいことが好ましく、10倍程度あることがより好ましく、5〜100μm程度であることが好ましい。
不織布の厚みは、使用形態にもよるが、集電体用としては3〜200μmが好ましく、3〜100μmがより好ましく、3〜50μmが更に好ましい。
また導電性不織布の厚みは電池特性に影響するので、その均一性を実現するには不織布の厚みむらは極力小さいことが好ましい。
不織布の目付質量は、通常0.5〜100g/m2であり、0.5〜50g/m2が好ましい。
(導電膜の形成)
本発明の導電性不織布において、導電膜は、不織布を構成する極細長繊維の表面を被覆するように形成される。
なお、本明細書において、導電膜という用語は、導電性不織布において、導電性を有する部分のことを表す概念として用いる。
導電膜の形成方法としては、無電解めっき法や電解めっき法の湿式法、真空蒸着やスパッタリング法、イオンプレーティング法に代表される物理的蒸着法や化学的蒸着法等が挙げられる。導電膜の形成工程には、繊維間への回り込み性、膜厚均一性、生産性の観点から、電解めっき法が含まれることが好ましい。より具体的には、まず繊維表面に第一層目の導電化皮膜として電解めっき法を適用するための導電化皮膜を形成し、次に電解めっき法によって、極細長繊維の表面に第二層目の導電化皮膜を形成し、この導電化皮膜により極細長繊維同士の接触部分又は近接部分を連結させて3次元網目構造とする方法が好ましい。
なお、本明細書において、導電化皮膜という用語は、めっき法や蒸着法により形成された導電性を有する皮膜のことを表す概念として用いる。
さらにイオンプレーティング法により電池特性に最適な第三層目の導電化皮膜で被覆して構成することもできる。
導電膜の材料としては、炭素(C)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、インジウム(In)、及びケイ素(Si)からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むことが好ましく、銅、ニッケル、亜鉛、及びアルミニウムからなる群から選ばれる1種以上の元素を含むことがより好ましい。
(導電化皮膜の形成)
導電膜の形成においては、まず不織布に導電性を付与するため、導電化皮膜を形成することが好ましい。導電化皮膜は、導電性を有していればよく、その材料に特に限定はない。導電化皮膜を付与する方法としては、繊維間への回り込み性が良い無電解めっき法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、不織布内部の繊維まで均一に導電化皮膜を形成するには無電解めっき法がより好ましい。
導電化皮膜の材料としては、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。
(電解めっき法)
次に、上記で得られた導電化皮膜を有する極細長繊維の表面に電解めっき層を形成することにより、導電膜を完成させることが好ましい。
電解めっき層として、例えば電解銅めっき膜の場合は、非水系溶媒に銅塩を溶解した浴を用いた電解めっきにより形成することができ、電解アルミニウムめっき膜の場合は、非水系溶媒にアルミニウム塩等の金属塩を溶解した浴を用いた電解めっきにより形成することができる。
非水系溶媒として、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルスルホン等が挙げられる。金属塩としては、硫酸銅や、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム等のアルミニウムハロゲン化物等が挙げられる。
導電膜の最表面層は、耐酸化性及び耐電解液性を有する材料が好ましい。例えば、リチウムイオン電池において、正極活物質に後述のコバルト酸リチウム等を用いる場合にはアルミニウムが好ましく、負極に炭素材料を用いる場合には銅が好ましい。
電解のための電流密度は、めっき効率及びヤケ防止の観点から、好ましくは10〜150mA/cm2、より好ましくは10〜80mA/cm2である。
導電膜の膜厚は、不織布の厚さ、空隙率等により異なるが、通常0.05〜10μmであり、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。
(導電膜形成の好適態様)
本発明において導電膜を形成する方法としては、無電解めっき法、ダイレクトプレーティングシステム(DPS)などの湿式法、真空蒸着やスパッタリング法、イオンプレーティング法に代表される物理的蒸着法や化学的蒸着法等の公知の方法を採用し得るが、量産性の点で、無電解めっき法、DPS、無電解めっきあるいはDPSと電解めっきとの併用が好ましい。
本発明において、ポリイミド不織布の好ましいめっき工程としては、アルカリを用いてポリイミド不織布の表面改質を行った後、触媒を担持し、無電解ニッケルめっきを行い、次いで電解銅めっきを行うものである。また、ナイロン6不織布の好ましいめっき工程としては、酸を用いてナイロン6不織布の表面改質を行った後、触媒を担持し、触媒を活性化し、無電解銅めっきを行い、次いで電解銅めっきを行うものである。
本発明において、導電膜形成の特に好ましい態様は、ポリイミド極細長繊維又はポリアミド極細長繊維を用いて、その表面を無電解めっきプロセスにより金属膜を形成する態様である。
かかる無電解めっきプロセスとしては、従来公知のプロセスを適用できる。本発明においては、従来から汎用的に用いられているABSやナイロンなどのプラスチック上への無電解めっき法も利用できる。このような汎用的無電解めっき法としては、例えば、「無電解メッキ・基礎と応用」(第6版、日刊工業新聞社、2002年4月、p.131〜144)や「メッキ教本」(第14版、日刊工業新聞社、2001年8月、p.233〜242)等に記載の方法が挙げられる。
特にポリイミドに適応可能な市販のプロセスではエルフシードプロセス(荏原ユージライト(株)製)やキャタリストボンドプロセス(日鉱金属(株)製)などを利用することができる。触媒金属のイオンやコロイドを含む溶液に浸漬することでポリイミド表面に触媒金属を析出させ、更に金属イオンの溶解した溶液に浸漬することで、触媒を核として金属を還元析出させ金属膜を形成するものである。ここでは公知の無電解めっき法を用いることができ、市販のエルフシードプロセス無電解ニッケルめっき(荏原ユージライト(株)製)、ニコムプロセス(日鉱商事(株)製)などが適用可能である。
DPSとしては、公知の方法を用いることができるが、DPSは直接導電化皮膜を形成するため工程が容易であり、好ましく用いることができる。市販のDPSとしてはカーボンを導通剤とするブラックホールシステム(日本マクダーミット(株)製)やパラジウムを析出させるライザトロンDPSシステム(荏原ユージライト(株)製)などが利用できる。
仕様上問題なければ、そのまま導電膜として使用してもよいが、無電解めっき層あるいはDPSにより形成した導電化皮膜を下地層として更に電池電極に適した銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウムなどの電気抵抗の低い金属を厚付けして導電膜とし、極細長繊維同士の接触部分又はその近接部分を連結することにより3次元網目構造とすることが、電気伝導性や熱伝導性や強度、信頼性の点から好ましい。
導電膜の厚さは、電気抵抗がバルク値と同等で導電膜により繊維同士の結合構造が形成されれば特に制限はないが、導通の確保と強度の面から0.05〜10μm程度が好ましい。
DPSは、通常はビアを介したポリイミドフィルムの両面の金属層の電気的導通を得るために使用される導電化皮膜形成の手段であり、一般的には抵抗率の高い導電化皮膜が得られる。そのため本発明において導電膜を形成する方法としては、無電解めっき法、無電解めっきと電解めっきとの併用がさらに好ましい。
無電解めっき法による導電化皮膜を導電膜とする場合には0.1〜2μm程度が好ましい。導電化皮膜を厚付けする場合には、密着性を高めるために導電化皮膜とは異なる金属層を電解めっきで形成することが好ましく、特に電解めっきによる導電化皮膜と同一金属を、無電解めっきによる導電化皮膜の表面に置換めっきで形成すると極めて薄い傾斜層を形成できるため特に好ましい。
めっきする金属は特に制約されるものではないが、銅であることが電気抵抗を低くでき、プロセスも入手しやすいため好ましく、市販の電解銅めっき液が利用可能である。
さらに、めっき法に比べ材料の選択肢が広く、回り込み性や密着強度も良い特徴をもつイオンプレーティング法により、電池特性に最適な第三層目の導電化皮膜で被覆して構成してもよい。
なお、ここでは導電膜として銅を形成する場合を示したが、湿式めっき可能な金属であれば特に制限はない。
不織布のめっき状態の制御は、めっき装置仕様、めっき浴、不織布仕様等から電極配置、電流密度等のめっき条件が最適化されるように行われる。
上記のようにして得られた導電性不織布は、不織布を構成する極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、該導電膜により極細長繊維同士の接触部分又はその近接部分が連結した3次元網目構造を有している。また、最内部の繊維まで導電膜が形成されており、厚み方向にも適当な空隙を持つ貫通孔を有する。そして、活物質を担持させる領域での空隙率は25%以上であり、好ましくは30〜80%、より好ましくは35〜75%、更に好ましくは40〜75%である。このため、不織布全体の電気導電性にむらが少なく、かつ適度な強度を有する。
〔集電体〕
本発明の集電体は、本発明の導電性不織布を構成要素として有することを特徴とする。
導電性不織布を集電体の構成要素とする形態としては、(i)導電性不織布を単独で集電体とする形態、(ii)補強材として導電性シートを使用し導電性不織布を表面に積層し、電気的に接続し一体化して集電体とする形態、(iii)物性の異なる導電性不織布を複数層積層して電気的に接続し一体化して集電体とする形態等が挙げられる。
なお、集電体において、活物質を担持させる領域、外部取り出し電極との接続領域等、集電体部分の目的に応じて前記の空隙率が異なっていてもよく、接続領域部分では接続端子取り付け等のため、強度を高めるために空隙率を下げたほうが好ましい。
上記のようにして得られた導電性不織布に正極又は負極の活物質を担持させて集電体が構成される。このとき導電性不織布の空隙を電極活物質が埋め込むように、そして電極活物質中に導電性不織布を完全に埋め込むように電極活物質を担持する形態が好ましい。
(正極)
正極活物質は、用途にもよるが、コバルト、マンガン、及びニッケルから1種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物(LiCoO2、LiMn24、LiNiO2等)や、リチウム含有オリビン型リン酸塩(LiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4等)が好ましい。
正極は、例えば、前記の正極活物質を、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤と混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製のラス板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50〜250℃程度の温度で加熱処理することにより作製することができる。
(負極)
負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素材料(人造又は天然黒鉛等のグラファイト類)、リチウムを吸蔵及び放出可能な酸化物系材料としてチタン酸リチウム(Li4Ti512)、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(Si、Ge、Snから選ばれる金属単体、合金、酸化物等)等が挙げられる。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50〜250℃程度の温度で2時間程度、真空下で加熱処理することにより作製することができる。
〔二次電池〕
本発明の二次電池は、本発明の集電体を構成部材として有することを特徴とする。より具体的には、本発明の二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、本発明の集電体を構成部材とする正極又は負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液から構成される。
(非水溶媒)
非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、スルホン類、芳香族化合物等が挙げられる。
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、トランス又はシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられる。これらの環状カーボネートの好適な組合せとしては、ECとVC、FECとPC、DFECとPC、ECとFECとPC、ECとFECとVC、ECとVCとVEC等の組合せが挙げられる。
鎖状カーボネート類としては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の対称鎖状カーボネートが挙げられる。これらの中では、MEC及び/又はDMCを含むことが特に好ましい。
二次電池の高温及び低温サイクル特性を改善する観点から、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とを組み合せた非水溶媒を用いることが好ましい。
電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32、及びLiN(SO2252から選ばれる電解質塩を使用することができる。
リチウム電池の構造には特に限定はなく、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の多孔性フィルム、織布、ガラス繊維等の不織布等からなるセパレータを正極及び負極と一体化して捲回して電槽に挿入して電解液を注入し、密閉構造としたコイン型電池、円筒型電池とすることができる。また、正極、負極間にセパレータを配して電槽内に重ねていく方式の角型電池、ラミネート式電池にも適用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1−1)極細長繊維不織布の作製
極細長繊維の不織布の紡糸原料には、曳糸性、耐熱性に優れた可溶性ポリイミド樹脂のN−メチル−2−ピロリドン溶液を用いた。可溶性ポリイミド樹脂はテトラカルボン酸成分が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸=20:80、ジアミン成分がトルエンジイソシアネート:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル=80:20であり、5%質量減少の熱分解温度は496℃である。電界紡糸法の紡糸に用いた溶液の濃度は10質量%、粘度は12.4Pa・sである。電界紡糸法の紡糸条件を、吐出量1ml/min、電極間距離200mm、印加電圧20kVとして紡糸を行い、平均繊維径が約1μmで不織布の厚みが約20μm、空隙率が約90%の極細長繊維不織布を得た。
(1−2)不織布への導電膜の形成
前記(1−1)で得られたポリイミド極細長繊維不織布に、市販の荏原ユージライト株式会社製エルフシードプロセス(商品名)を使用し、表1に従って工程1−1〜1−6まで順に浸漬処理を行い、膜表面を銅置換めっきした無電解ニッケルめっき導電化皮膜を形成した。なお、工程1−1〜1−4及び1−6のそれぞれの処理後には水洗を行った。また工程1−5の処理後には、水洗、乾燥し、さらに120℃で2分間、大気中において加熱処理を行った。
このようにして形成された、膜表面を銅置換めっきした無電解ニッケルめっき導電膜の膜厚は約0.12μmであった。
膜表面を銅置換めっきした無電解ニッケル導電化皮膜を形成した不織布を、荏原ユージライト株式会社製キューブライト21(Cu−Brite21)プロセス(商品名)を使用し、膜表面を銅置換めっきした無電解ニッケルめっき導電化皮膜を給電層として、30℃で、該不織布10cm角当たり陰極電流密度6Aで電解銅めっきを行い、銅めっき皮膜を析出させた後、水洗、乾燥した。なお、電解銅めっきは、表3に示す時間で処理を行った。
以上の工程によりポリイミド極細長繊維を電解銅膜で被覆して該長繊維の接触部分又はその近接部分を電解銅により連結して3次元網目構造とした導電性不織布を得た。
電解めっき銅膜の膜厚は、不織布繊維の表面積と電流密度とからめっき時間を設定することで設計を試みたが、繊維間を連結する構造が出現すると、連結点での銅の析出速度が速く周囲の繊維を取り込むように成長していくため、観察された連結点での繊維表面の銅膜厚は設計値とは異なっていた。このため本発明では空隙率を指標にしている。
実施例2〜3及び比較例1
電解めっき時間を表3に示す時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性不織布を得た。
比較例2
実施例1で得た極細長繊維不織布(めっき処理を行っていないもの)を比較例2の不織布とした。
実施例4
(2−1)極細長繊維不織布の作製
極細長繊維の不織布の紡糸原料に、ナイロン6のギ酸溶液を用いた。ナイロン6は、宇部興産株式会社製のナイロン6(製品グレード:1011FK、分子量11000)を用いた。電界紡糸法の紡糸に用いた溶液の濃度は25質量%、粘度は35Pa・sである。実施例1と同様の条件にて電界紡糸法による紡糸を行い、平均繊維径が約1μmで不織布の厚みが約20μm、空隙率が約85%の極細長繊維不織布を得た。
(2−2)不織布への導電膜の形成
前記(2−1)で得られたナイロン6極細長繊維不織布に、表2に従って工程2−1〜2−6まで順に浸漬処理を行い、無電解銅めっき導電化皮膜を形成した。なお、工程2−2〜2−6のそれぞれの処理後には水洗を行った。また工程2−6の処理後には防錆処理を行い、さらに大気中で120℃2分間の乾燥加熱処理を行った。なお、無電解銅めっきは、表3に示す時間で処理を行った。
この無電解銅めっき導電化皮膜が形成された不織布を、実施例1と同様にして、電解銅めっきを行った。なお、電解銅めっきは、表3に示す時間で処理を行った。
以上の工程によりナイロン6極細長繊維を電解銅膜で被覆して該長繊維の接触部分又はその近接部分を電解銅により連結して3次元網目構造とした導電性不織布を得た。
<物性等の測定>
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2の不織布について、空隙率、連結構造、厚み方向の貫通孔の有無、及び引っ張り強度を以下の方法で、測定、評価した。結果を表3に示す。
(i)空隙率
空隙率は、不織布断面及び導電性不織布の断面を走査型顕微鏡で観察し、任意の箇所の幅100μmを観察領域として繊維断面積及び導電性膜断面積の総和を計算し、これ以外の面積を全体の面積で除した数値とした。
この結果、実施例1の空隙率は約40%、実施例2の空隙率は約60%、実施例3の空隙率は約80%、実施例4の空隙率は約60%、比較例1の空隙率は約20%、比較例2(電解銅めっきなし)の空隙率は91%であった。
図1は、実施例2で得られた導電性不織布(空隙率が約60%)の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、図2は、比較例2で得られた極細長繊維不織布(電解銅めっきなし、空隙率が91%)の断面を示すSEM写真である。
図1中、白い部分は導電膜を示し、白い部分で囲まれている部分は繊維を示す。図1において、複数の繊維が導電膜により連結した構造が形成されていることがわかる。また、厚み方向(図中の上下方向)の貫通孔を確認することができる。なお、実施例4のナイロン6導電性不織布の断面についてもSEM観察を行ったところ、実施例2のポリイミド導電性不織布と同様の構造であった。
(ii)不織布の連結構造、厚み方向の貫通孔の有無
上記(i)の観察領域におけるSEM写真により、不織布の導電膜による連結構造の有無を下記基準で評価した。
○:繊維同士の連結構造が存在する。
△:繊維同士の連結構造が観察視野により混在する。
×:繊維同士の連結構造が存在しない。
また、同様にして、不織布の厚み方向の貫通孔の有無を観察した。
(iii)引っ張り強度の測定
不織布の引っ張り強度は、幅5mm、長さ15mmに切り出した試験サンプルを調製し、小型卓上試験機「EZ Test」(商品名、株式会社島津製作所製)を用いて、チャック間5mm、走引張速度2mm/分の条件で破断強度を測定した。3回の試験結果の平均値を計測し、極細長繊維不織布の破断強度である比較例2の強度で規格化した値を表3に示した。
実施例5、6及び比較例3
(3−1)コイン電池用評価電極の作製
集電体の電池特性は、負極活物質であるチタン酸リチウムを用いてコイン電池を作製し、充放電試験および放電レート試験により評価した。
実施例5として実施例2で得られたポリイミド導電性不織布(空隙率60%)を、実施例6として実施例4で得られたナイロン6導電性不織布(空隙率60%)を、及び比較例3として厚さ10μmの銅箔を、それぞれ集電極として用意した。
チタン酸リチウム(活物質):アセチレンブラック(導電材):ポリフッ化ビニリデン(バインダー)=90:5:5の質量比で混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリーとし、チタン酸リチウム15mgを含むスラリーを、φ14に打ち抜いた実施例2又は4で得られた導電性不織布に塗布し、100℃で2時間乾燥した後、圧力16MPaでプレスすることにより電極を作製した。これを実施例5及び6の正極とした。
このときの実施例5及び6の正極におけるチタン酸リチウム塗布層は76μmであり、めっき不織布層は20μmである。図3は、実施例5の正極の断面図を示すSEM写真であり、導電性不織布層とチタン酸リチウム塗布層との境界部分を示す。図3から、活物質であるチタン酸リチウム塗布層の粒子が集電体である導電性不織布層内に入り込んで担持されていること、並びに集電体がチタン酸リチウム塗布層に埋め込まれていることがわかる。また、加圧成型により導電膜で連結された部分同士が接触し電気的に接続されることで、3次元的に電気導電性のむらを低減するとともに、活物質が入り込む空間を形成していることもわかる。なお、実施例6の正極の断面についてもSEM観察を行ったところ、実施例5の正極と同様の構造であった。
また、φ14に打ち抜いた厚み10μmの銅箔に上記のスラリーを塗布し、100℃で2時間乾燥した後、圧力16MPaでプレスすることにより電極を作製し、これを比較例3の正極とした。
プレス後の電極の状態を目視観察し、塗膜と電極とが剥がれていないか観察したところ、比較例3の銅箔電極では剥離が見られたが、実施例5及び6の導電性不織布を用いた場合には剥離は見られなかった。このことから、導電性不織布を用いた集電体がより活物質との接着強度が強いことが分かる。
(3−2)コイン型電池の作製
上記で得られた電極を正極とし、対極にLi箔、セパレータにグラスフィルター(アドバンテック社製、商品名:GA100)、電解液として、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)(体積比)=1:2の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解して非水電解液を用いて、アルゴングローブボックス内でコイン電池(CR2032タイプ)を作製した。
<コイン電池評価>
(i)充放電試験
上記で得られたコイン電池を用いて充放電試験を行った。充電は定電流0.2C(電池容量を5時間で放電する電流値)で1.4Vまで充電した後、1.4Vで定電圧充電を充電電流が0.02Cになるまで行った(CCCV充電)。放電は定電流0.2Cで2.0Vまで行った(CC放電)。この充放電を3回繰り返した。3サイクル目の放電容量を表4に示す。
実施例5及び6の正極において比較例3より4.5%又は6.5%大きな放電容量を得ている。
(ii)放電レート試験
続いて放電レート試験を行った。充電は充放電試験と同様に充電レート0.2Cにて1.4VまでCCCV充電を行い、放電は放電レートを1C及び2Cで2.0VまでCC放電を行った。各レート放電容量を0.2C放電容量(充放電試験3サイクル目)の相対値で、表4に示す。
1C及び2Cでの放電容量においても、実施例5及び6の方が比較例3より大きな放電容量を得ており、レートが高くなるにつれ容量は低減するものの実施例5及び6のほうが高レートにおいても容量保持率が高いことが分かる。
以上のことから集電体に導電性不織布を用いた場合、活物質との密着強度が改善され、効率よく活物質を利用でき、高放電レートにおいても容量維持率を高めることができる。また、密着強度が改善されることで、筒型電池についても捲回に適した可とう性を維持しつつ長期信頼性の改善が期待できる。
なお、実施例5において、銅めっきの代わりに、ニッケルめっき又は亜鉛めっきをしても、銅めっきの場合と同様の充放電試験結果が得られた。
本発明の導電性不織布は、厚み方向にも導電膜のむらが少ないため電気導電性に異方性が少なく、捲回しても短絡しにくく、活物質との密着に優れ、活物質の高密度担持、電極表面積の増加により内部抵抗の低減をすることで電池性能を改善でき、取り扱い易い強度を有し、また電極材料使用量を低減し軽量化を図ることができる。このため、本発明の導電性不織布は、リチウムイオン二次電池等の二次電池の集電体として極めて有用である。

Claims (8)

  1. 平均繊維径が0.01〜5μmの極細長繊維により構成される不織布であって、該不織布を構成する前記極細長繊維の表面が導電膜で被覆され、該導電膜により前記極細長繊維同士の接触部分又はその近接部分が連結した3次元網目構造を有しており、空隙率が25%以上である、導電性不織布。
  2. 前記長繊維が、電界紡糸法により製造された連続長繊維である、請求項1に記載の導電性不織布。
  3. 前記繊維が、融点及び熱分解開始温度が140℃以上の合成樹脂を主成分とする、請求項1又は2に記載の導電性不織布。
  4. 前記導電膜が、電解めっき法を含む工程により形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性不織布。
  5. 前記導電膜が、C、Cu、Ni、Al、Ag、Cr、Fe、Co、Ti、Zn、Sn、In、及びSiからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性不織布。
  6. 厚み方向に貫通孔を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性不織布。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性不織布を構成要素として有する集電体。
  8. 請求項7に記載の集電体を構成部材として有する二次電池。
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