JP2020153025A - 導電性高分子含有不織布、及び導電性高分子含有不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性の高い導電性高分子含有不織布、及び導電性高分子含有不織布の製造方法を提供する。【解決手段】ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、置換又は無置換のポリアニリンなどの導電性高分子組成物に浸漬し、次いでプロトン供与体であるスルホコハク酸誘導体または芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液に浸漬する導電性高分子含有不織布及び導電性高分子含有不織布の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、導電性高分子含有不織布、及び導電性高分子含有不織布の製造方法に関する。
不織布に、導電性物質を含有させた導電性不織布は、電磁波シールド材、電磁波吸収材、電池又はコンデンサ用セパレーター等の多様な用途で使用される。
不織布は一般的にセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、オレフィン等から作られる。不織布に芳香族ポリエステル等を用い、導電性物質を含有させた導電性不織布が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
不織布は一般的にセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、オレフィン等から作られる。不織布に芳香族ポリエステル等を用い、導電性物質を含有させた導電性不織布が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
本発明の目的は、耐久性の高い導電性高分子含有不織布、及び導電性高分子含有不織布の製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の導電性高分子含有不織布等が提供される。
1.ポリフェニレンサルファイドを含む不織布及び
導電性高分子
を含む導電性高分子含有不織布。
2.前記導電性高分子が、プロトン供与体がドープしている置換又は無置換のポリアニリンである1に記載の導電性高分子含有不織布。
3.前記プロトン供与体が、スルホコハク酸誘導体を含む2に記載の導電性高分子含有不織布。
4.前記プロトン供与体が、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む2又は3に記載の導電性高分子含有不織布。
5.前記芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上が、下記式(4)若しくは(5)で表される化合物、又はその塩である4に記載の導電性高分子含有不織布。
(式(4)中、lは1以上であり、mは0以上であり、nは0以上である。m又はnの一方が0の場合、他方は1以上である。)
(式(5)中、qは1以上であり、pは0以上であり、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基である。)
6.前記芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上が、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、スルホサリチル酸又はこれらの塩である4又は5に記載の導電性高分子含有不織布。
7.ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、導電性高分子組成物に浸漬し、導電性高分子含有不織布を得る、導電性高分子含有不織布の製造方法。
8.前記導電性高分子組成物に浸漬後の、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液に浸漬する7に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
9.前記導電性高分子組成物が、さらにフェノール性化合物を含む7又は8に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
1.ポリフェニレンサルファイドを含む不織布及び
導電性高分子
を含む導電性高分子含有不織布。
2.前記導電性高分子が、プロトン供与体がドープしている置換又は無置換のポリアニリンである1に記載の導電性高分子含有不織布。
3.前記プロトン供与体が、スルホコハク酸誘導体を含む2に記載の導電性高分子含有不織布。
4.前記プロトン供与体が、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む2又は3に記載の導電性高分子含有不織布。
5.前記芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上が、下記式(4)若しくは(5)で表される化合物、又はその塩である4に記載の導電性高分子含有不織布。
6.前記芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上が、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、スルホサリチル酸又はこれらの塩である4又は5に記載の導電性高分子含有不織布。
7.ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、導電性高分子組成物に浸漬し、導電性高分子含有不織布を得る、導電性高分子含有不織布の製造方法。
8.前記導電性高分子組成物に浸漬後の、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液に浸漬する7に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
9.前記導電性高分子組成物が、さらにフェノール性化合物を含む7又は8に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
本発明によれば、耐久性の高い導電性高分子含有不織布、及び導電性高分子含有不織布の製造方法が提供できる。
本発明の導電性高分子含有不織布は、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布及び導電性高分子を含む。
これにより、耐久性(耐熱性)を向上させることができる。
また、任意の効果として、耐有機溶剤性を向上させることができる。任意の効果として、耐酸性及び耐アルカリ性を向上させることができる。
また、任意の効果として、耐有機溶剤性を向上させることができる。任意の効果として、耐酸性及び耐アルカリ性を向上させることができる。
ポリフェニレンサルファイドを含む不織布は、一般的に入手できるものであれば特に限定されない。
ポリフェニレンサルファイドを含む不織布はポリフェニレンサルファイド不織布が好ましい。
ポリフェニレンサルファイドを含む不織布はポリフェニレンサルファイド不織布が好ましい。
本発明の導電性高分子含有不織布は、導電性高分子を含む。
これにより、均一な被覆膜を形成することができる。
これにより、均一な被覆膜を形成することができる。
導電性高分子は、導電性を示す高分子であれば特に制限されない。
具体的な例としては、ポリアセチレン、ポリメチルアセチレン、ポリフェニルアセチレン、ポリフルオロアセチレン、ポリブチルアセチレン、ポリメチルフェニルアセチレン等のポリアセチレン系高分子;
ポリオルソフェニレン、ポリメタフェニレン、ポリパラフェニレン等のポリフェニレン系高分子;
ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(N−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチル−3−メチルピロール)、ポリ(N− エチル−3−ドデシルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)等のポリピロール系高分子;
ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジエチルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のポリチオフェン系高分子;
ポリフラン;ポリセレノフェン;ポリイソチアナフテン;ポリフェニレンスルフィド;
ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−エチルアニリン)、ポリ(2,6−ジメチルアニリン)等のポリアニリン系高分子;
ポリフェニレンビニレン;ポリチオフェンビニレン;ポリペリナフタレン;ポリアントラセン;ポリナフタレン;ポリピレン;又はポリアズレンが好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
具体的な例としては、ポリアセチレン、ポリメチルアセチレン、ポリフェニルアセチレン、ポリフルオロアセチレン、ポリブチルアセチレン、ポリメチルフェニルアセチレン等のポリアセチレン系高分子;
ポリオルソフェニレン、ポリメタフェニレン、ポリパラフェニレン等のポリフェニレン系高分子;
ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(N−ドデシルピロール)、ポリ(N−メチル−3−メチルピロール)、ポリ(N− エチル−3−ドデシルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)等のポリピロール系高分子;
ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジエチルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のポリチオフェン系高分子;
ポリフラン;ポリセレノフェン;ポリイソチアナフテン;ポリフェニレンスルフィド;
ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(2−エチルアニリン)、ポリ(2,6−ジメチルアニリン)等のポリアニリン系高分子;
ポリフェニレンビニレン;ポリチオフェンビニレン;ポリペリナフタレン;ポリアントラセン;ポリナフタレン;ポリピレン;又はポリアズレンが好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、安定性、信頼性、又は入手の容易さ等の観点から、ポリピロール系高分子、ポリチオフェン系高分子、及びポリアニリン系高分子からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
導電性高分子としては、耐久性及び耐熱性の観点から、置換又は無置換のポリアニリンがさらに好ましい。ポリアニリンの置換基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
導電性高分子(又は導電性高分子複合体)の分子量は、特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量が10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは30,000以上1,000,000以下であり、さらに好ましくは40,000以上1,000,000以下であり、特に好ましくは52,000以上1,000,000以下、又は70,000以上1,000,000以下である。
また、導電性高分子の分子量分布は、例えば1.5〜10.0である。分子量分布は、重量平均分子量/ 数平均分子量で表わされる値である。
上記重量平均分子量及び分子量分布は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定する。
また、導電性高分子の分子量分布は、例えば1.5〜10.0である。分子量分布は、重量平均分子量/ 数平均分子量で表わされる値である。
上記重量平均分子量及び分子量分布は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定する。
導電性高分子の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。製造方法の具体的な例としては、例えば、化学重合法、電解重合法、可溶性前駆体法、マトリックス(鋳型)重合法、又はCVD等の蒸着法が挙げられる。また、前記導電性高分子は、市販品を用いてもよい。
導電性高分子は、導電性向上の観点から、ドーパントがドープしていることが好ましい(以下、ドーパントがドープしている導電性高分子を「導電性高分子複合体」という場合がある)。導電性向上の観点から、ドーパントとしてプロトン供与体がドープしている置換又は無置換のポリアニリン(プロトネーションされた置換又は無置換のポリアニリン)がより好ましい。置換基は、上述のポリアニリンの置換基と同様である。
ドーパントの具体的な例としては、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸;
トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸;
メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、ジイソオクチルスルホコハク酸(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸)等のアルキルスルホン酸;
ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)等の高分子酸、及び
これらのイオン等が好ましく挙げられる。
これらは単独でも用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、より高い溶解性の発現の点では、ポリスチレンスルホン酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸及びこれらのイオンがより好ましい。
トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸;
メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、ジイソオクチルスルホコハク酸(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸)等のアルキルスルホン酸;
ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)等の高分子酸、及び
これらのイオン等が好ましく挙げられる。
これらは単独でも用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、より高い溶解性の発現の点では、ポリスチレンスルホン酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸及びこれらのイオンがより好ましい。
導電性高分子としてはポリアニリンが好ましい。
ポリアニリンは、好ましくは重量平均分子量が10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは30,000以上1,000,000以下であり、よりさらに好ましくは40,000以上1,000,000以下であり、特に好ましくは52,000以上1,000,000以下である。
ポリアニリンは置換基を有しても有さなくてもよいが、汎用性及び経済性の観点から、好ましくは無置換のポリアニリンである。
置換基を有する場合の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基(−CF3基)等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
また、ポリアニリンにプロトン供与体がドープしたポリアニリン複合体であると好ましい。
プロトン供与体がポリアニリンにドープしていることは、紫外・可視・近赤外分光法又はX線光電子分光法によって確認することができ、当該プロトン供与体は、ポリアニリンにキャリアを発生させるに十分な酸性を有していれば、特に化学構造上の制限なく使用できる。
当該ポリアニリン複合体を用いることにより、溶剤への溶解性が向上するため好ましい。
プロトン供与体としては、例えばブレンステッド酸、又はそれらの塩が挙げられ、好ましくは有機酸、又はそれらの塩(例えばスルホン酸又はスルホン酸塩)であり、さらに好ましくは下記式(I)で示されるプロトン供与体である。
M(XARn)m (I)
上記式(I)において、Mは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。
上記有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられる。上記無機遊離基としては、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、アンモニウム等が挙げられる。
ポリアニリンは、好ましくは重量平均分子量が10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは30,000以上1,000,000以下であり、よりさらに好ましくは40,000以上1,000,000以下であり、特に好ましくは52,000以上1,000,000以下である。
ポリアニリンは置換基を有しても有さなくてもよいが、汎用性及び経済性の観点から、好ましくは無置換のポリアニリンである。
置換基を有する場合の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基(−CF3基)等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
また、ポリアニリンにプロトン供与体がドープしたポリアニリン複合体であると好ましい。
プロトン供与体がポリアニリンにドープしていることは、紫外・可視・近赤外分光法又はX線光電子分光法によって確認することができ、当該プロトン供与体は、ポリアニリンにキャリアを発生させるに十分な酸性を有していれば、特に化学構造上の制限なく使用できる。
当該ポリアニリン複合体を用いることにより、溶剤への溶解性が向上するため好ましい。
プロトン供与体としては、例えばブレンステッド酸、又はそれらの塩が挙げられ、好ましくは有機酸、又はそれらの塩(例えばスルホン酸又はスルホン酸塩)であり、さらに好ましくは下記式(I)で示されるプロトン供与体である。
M(XARn)m (I)
上記式(I)において、Mは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。
上記有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられる。上記無機遊離基としては、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば−SO3 −、−PO3 2−、−PO4(OH)−、−OPO3 2−、−OPO2(OH)−、−COO−で表される基等が挙げられ、−SO3 −で表される基が好ましい。
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基である。
当該炭化水素基としては、例えば炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;アルケニル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メンチル等の置換基を含んでいてもよいシクロアルキル基;ビシクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等の縮合してもよいジシクロアルキル基若しくはポリシクロアルキル基;フェニル、トシル、チオフェニル、ピローリニル、ピリジニル、フラニル等の置換基を含んでいてもよい芳香環を含むアリール基;ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、キノリニル、インドニル等の縮合していてもよいジアリール基若しくはポリアリール基;アルキルアリール基等であって、対応する(n+1)価の基が挙げられる。
当該炭化水素基としては、例えば炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;アルケニル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メンチル等の置換基を含んでいてもよいシクロアルキル基;ビシクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等の縮合してもよいジシクロアルキル基若しくはポリシクロアルキル基;フェニル、トシル、チオフェニル、ピローリニル、ピリジニル、フラニル等の置換基を含んでいてもよい芳香環を含むアリール基;ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、キノリニル、インドニル等の縮合していてもよいジアリール基若しくはポリアリール基;アルキルアリール基等であって、対応する(n+1)価の基が挙げられる。
Rは、それぞれ独立して、−R1、−OR1、−COR1、−COOR1、−CO(COR1)、又は―CO(COOR1)で表される置換基である。
R1は炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(R2O)x−R3で表される基、又は−(OSiR3 2)x−OR3(R2はアルキレン基、R3はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)で表される基である。
R1の炭化水素基の例としては、直鎖若しくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。
nは2以上の整数である。mはMの価数である。
R1は炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(R2O)x−R3で表される基、又は−(OSiR3 2)x−OR3(R2はアルキレン基、R3はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)で表される基である。
R1の炭化水素基の例としては、直鎖若しくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。
nは2以上の整数である。mはMの価数である。
式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩は、好ましくは、ジアルキルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルナフタレンスルフォン酸、スルホフタル酸エステル、又は下記式(II)で表される有機プロトン酸又はその塩である。
M(XCR4(CR5 2COOR6)COOR7)p (II)
M(XCR4(CR5 2COOR6)COOR7)p (II)
上記式(II)において、M及びXは、式(I)と同様である。
pはMの価数である。
pはMの価数である。
R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR8 3Si−で表される基(ここで、R8は、炭化水素基であり、3つのR8は同一又は異なっていてもよい)である。
R4及びR5の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;芳香環を含むアリール基;アルキルアリール基等が挙げられる。
R8の炭化水素基は、R4及びR5の炭化水素基と同様である。
R4及びR5の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;芳香環を含むアリール基;アルキルアリール基等が挙げられる。
R8の炭化水素基は、R4及びR5の炭化水素基と同様である。
R6及びR7は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R9O)q−R10で表される基[ここで、R9は炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 3Si−で表される基(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]である。
R6及びR7の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;芳香環を含むアリール基;アルキルアリール基等が挙げられる。
R6及びR7の炭化水素基の具体例としては、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
R6及びR7の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基;芳香環を含むアリール基;アルキルアリール基等が挙げられる。
R6及びR7の炭化水素基の具体例としては、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
R9の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基;芳香環を含むアリーレン基;アルキルアリーレン基;アリールアルキレン基等である。
また、R10及びR11の炭化水素基としては、R4及びR5の場合と同様である。qは、1〜10の整数であることが好ましい。
また、R10及びR11の炭化水素基としては、R4及びR5の場合と同様である。qは、1〜10の整数であることが好ましい。
R6及びR7が−(R9O)n−R10で表される基である場合の式(II)で表される有機プロトン酸又はその塩の具体例としては、下記式で表される酸が挙げられる。
(式中、Xは、−SO3で表される基等である。)
プロトン供与体はスルホコハク酸誘導体を含むことが好ましく、上記式(II)で表される化合物(有機プロトン酸又はその塩)は、好ましくは下記式(III)で示されるスルホコハク酸誘導体である。
M(O3SCH(CH2COOR12)COOR13)m (III)
上記式(III)において、M及びmは、上記式(I)と同様である。
M(O3SCH(CH2COOR12)COOR13)m (III)
上記式(III)において、M及びmは、上記式(I)と同様である。
R12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)r−R15で表される基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 3Si−で表される基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]である。
R12及びR13の炭化水素基は、R6及びR7の炭化水素基と同様である。
R14の炭化水素基は、R9の炭化水素基と同様である。また、R15及びR16の炭化水素基は、R4及びR5の炭化水素基と同様である。
rは、好ましくは1〜10の整数である。
R14の炭化水素基は、R9の炭化水素基と同様である。また、R15及びR16の炭化水素基は、R4及びR5の炭化水素基と同様である。
rは、好ましくは1〜10の整数である。
R12及びR13が、−(R14O)r−R15で表される基である場合の式(III)で表される有機プロトン酸又はその塩の具体例は、R6及びR7が−(R9O)n−R10で表される基である場合の式(II)で表される有機プロトン酸又はその塩と同様である。
R12及びR13の炭化水素基は、R6及びR7の炭化水素基と同様であり、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が好ましい。
R12及びR13の炭化水素基は、R6及びR7の炭化水素基と同様であり、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が好ましい。
プロトン供与体は、耐熱性の観点から、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含むことが好ましい。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上は、下記式(4)若しくは(5)で表される化合物、又はその塩が好ましい。
式(4)中、lは1以上であり、m1は0以上であり、nは0以上である。m1又はnの一方が0の場合、他方は1以上である。
lは1〜3が好ましい。m1は1〜3が好ましい。nは1〜3が好ましい。
qは1〜3が好ましい。pは0〜3が好ましい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシ基、水酸基が好ましい。
qは1〜3が好ましい。pは0〜3が好ましい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシ基、水酸基が好ましい。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上は、耐熱性の観点から、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、スルホサリチル酸又はこれらの塩であることが好ましい。
芳香族スルホン酸としては、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−スルホサリチル酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、4,4’−ビフェニルジスルホン酸、ジベンゾフラン−2−スルホン酸、フラビアン酸、モノイソプロピルナフタレンスルホン酸、1−ピレンスルホン酸等が挙げられる。
耐熱性向上の観点から、4−スルホフタル酸、5−スルホサリチル酸、5−スルホイソフタル酸、2−ナフタレンスルホン酸、ジベンゾフラン−2−スルホン酸、フラビアン酸、2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸及び1−ピレンスルホン酸が好ましい。
芳香族スルホン酸塩としては、上記芳香族スルホン酸の塩が挙げられる。塩の対の遊離基としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。
導電性高分子にドープしているプロトン供与体は、1種単独でもよく、2種以上でもよい。
ポリアニリンに対するプロトン供与体のドープ率は、好ましくは0.30以上0.65以下であり、より好ましくは0.32以上0.60以下であり、さらに好ましくは0.33以上0.57以下であり、特に好ましくは0.34以上0.55以下である。ドープ率が0.30以上であれば、ポリアニリン複合体の有機溶剤への溶解性が十分高い。
ドープ率は(ポリアニリンにドープしているプロトン供与体のモル数)/(ポリアニリンのモノマーユニットのモル数)で定義される。例えば無置換ポリアニリンとプロトン供与体を含むポリアニリン複合体のドープ率が0.5であることは、ポリアニリンのモノマーユニット分子2個に対し、プロトン供与体が1個ドープしていることを意味する。
ドープ率は、ポリアニリン複合体中のプロトン供与体とポリアニリンのモノマーユニットのモル数が測定できれば算出可能である。例えば、プロトン供与体が有機スルホン酸の場合、プロトン供与体由来の硫黄原子のモル数と、ポリアニリンのモノマーユニット由来の窒素原子のモル数を、有機元素分析法により定量し、これらの値の比を取ることでドープ率を算出できる。
ドープ率は(ポリアニリンにドープしているプロトン供与体のモル数)/(ポリアニリンのモノマーユニットのモル数)で定義される。例えば無置換ポリアニリンとプロトン供与体を含むポリアニリン複合体のドープ率が0.5であることは、ポリアニリンのモノマーユニット分子2個に対し、プロトン供与体が1個ドープしていることを意味する。
ドープ率は、ポリアニリン複合体中のプロトン供与体とポリアニリンのモノマーユニットのモル数が測定できれば算出可能である。例えば、プロトン供与体が有機スルホン酸の場合、プロトン供与体由来の硫黄原子のモル数と、ポリアニリンのモノマーユニット由来の窒素原子のモル数を、有機元素分析法により定量し、これらの値の比を取ることでドープ率を算出できる。
ポリアニリン複合体は、好ましくは無置換ポリアニリンとプロトン供与体であるスルホン酸とを含み、下記式(5)を満たす。
0.32≦S5/N5≦0.60 (5)
(式中、S5はポリアニリン複合体に含まれる硫黄原子のモル数の合計であり、N5はポリアニリン複合体に含まれる窒素原子のモル数の合計である。上記窒素原子及び硫黄原子のモル数は、有機元素分析法により測定した値である。)
0.32≦S5/N5≦0.60 (5)
(式中、S5はポリアニリン複合体に含まれる硫黄原子のモル数の合計であり、N5はポリアニリン複合体に含まれる窒素原子のモル数の合計である。上記窒素原子及び硫黄原子のモル数は、有機元素分析法により測定した値である。)
導電性高分子の形態は、特に制限されず、繊維状、固状、液状、粉末状、粒状、溶液状、又は分散液状等、いずれの形態であってもよい。
カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト等の炭素材料、顔料、着色剤等の無機粒子等を含んでもよい。
カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト等の炭素材料、顔料、着色剤等の無機粒子等を含んでもよい。
本発明の導電性高分子含有不織布の製造方法では、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、導電性高分子組成物に浸漬する。これにより、上述の導電性高分子含有不織布を得ることができる。
上記浸漬に代えて、導電性高分子組成物(例えば、導電性高分子が分散又は溶解)を塗布してもよい。
塗布する方法としては、キャスト法、スプレー法、ドクターブレード法、バーコード法、スピンコート法、エレクトロスピニング法、スクリーン印刷、グラビア印刷法等の公知の方法を用いることができる。
また、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布に、導電性高分子を直接重合(例えば、化学酸化重合)してもよい。
上記浸漬に代えて、導電性高分子組成物(例えば、導電性高分子が分散又は溶解)を塗布してもよい。
塗布する方法としては、キャスト法、スプレー法、ドクターブレード法、バーコード法、スピンコート法、エレクトロスピニング法、スクリーン印刷、グラビア印刷法等の公知の方法を用いることができる。
また、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布に、導電性高分子を直接重合(例えば、化学酸化重合)してもよい。
導電性高分子組成物に浸漬後の、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液に浸漬することが好ましい。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩は、上述の芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩と同様のものが挙げられる。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩は、上述の芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩と同様のものが挙げられる。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液の濃度は、0.1〜3%であることが好ましい。
芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液の溶剤としては、後述の導電性高分子組成物の溶剤と同様のものが挙げられる。
上記導電性高分子組成物は、成分(a)として、上述の導電性高分子複合体(又は導電性高分子)を含むことが好ましい。
上述の導電性高分子組成物は、成分(b)として、溶解度パラメーターが9.0〜12.0(cal/cm3)1/2である樹脂を含んでもよい。
成分(b)のSP値は、好ましくは9.5〜12.0(cal/cm3)1/2であり、より好ましくは9.5〜11.0(cal/cm3)1/2である。
SP値は、「Polymer Engineering & Science」、1974年、第14巻、147〜154頁に記載のFedors法により算出する。
SP値は、「Polymer Engineering & Science」、1974年、第14巻、147〜154頁に記載のFedors法により算出する。
成分(b)としては、上記のSP値を有する高分子化合物を特に制限なく用いることができる。成分(b)としては、従来バインダーとして用いられる樹脂が挙げられ、例えば、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。
成分(b)の分子量は特に制限はないが、好ましくは1,000〜500,000である。
成分(b)の添加量は、成分(a)に対して、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜40質量%であり、0.1〜35質量%、0.1〜25質量%、0.1〜15質量%、0.1〜10質量%、0.1〜5.0質量%、1.0〜15質量%、又は2.0〜5.0質量%としてもよい。
上述の導電性高分子組成物は、好ましくは、成分(c)として、溶剤を含む。溶剤は、成分(a)を溶解するものであれば特に制限はないが、有機溶剤が好ましい。有機溶剤は、水溶性有機溶剤でもよいし、実質的に水に混和しない有機溶剤(水不混和性有機溶剤)でもよい。
水溶性有機溶剤は、プロトン性極性溶剤でもよく、非プロトン性極性溶剤でもよい。例えばイソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、ベンジルアルコール、アルコキシアルコール(例えば1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール)等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル等のエーテル類;Nメチルピロリドン等の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。
水不混和性有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤;メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類溶剤;シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類溶剤等が挙げられる。また、炭化水素系溶剤として1種又は2種以上のイソパラフィンを含むイソパラフィン系溶剤を用いてもよい。
水不混和性有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤;メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類溶剤;シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類溶剤等が挙げられる。また、炭化水素系溶剤として1種又は2種以上のイソパラフィンを含むイソパラフィン系溶剤を用いてもよい。
これらのうち、成分(a)の溶解性に優れる点でトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、トリクロロエタン及び酢酸エチルが好ましい。
尚、成分(a)のうちポリアニリン複合体は、溶剤がイソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、ベンジルアルコール、アルコキシアルコール等のアルコール類であっても溶解することができる。アルコールは、トルエン等の芳香族に比べて環境負荷低減の観点から好ましい。
尚、成分(a)のうちポリアニリン複合体は、溶剤がイソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、ベンジルアルコール、アルコキシアルコール等のアルコール類であっても溶解することができる。アルコールは、トルエン等の芳香族に比べて環境負荷低減の観点から好ましい。
溶剤として有機溶剤を用いる場合、水不混和性有機溶剤と水溶性有機溶剤を99〜1:1〜99(質量比)で混合した混合有機溶剤を用いることにより、保存時のゲル等の発生を防止でき、長期保存できることから好ましい。
上記混合有機溶剤の水不混和性有機溶剤として低極性有機溶剤が使用でき、低極性有機溶剤は、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤;クロロホルム等の含ハロゲン系溶剤;イソパラフィン系溶剤が好ましい。
混合有機溶剤の水溶性有機溶剤としては、高極性有機溶剤が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル等のエーテル類が好ましい。
混合有機溶剤は水不混和性有機溶剤を1種又は2種以上含んでもよく、水溶性有機溶剤を1種又は2種以上含んでもよい。
上記混合有機溶剤の水不混和性有機溶剤として低極性有機溶剤が使用でき、低極性有機溶剤は、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤;クロロホルム等の含ハロゲン系溶剤;イソパラフィン系溶剤が好ましい。
混合有機溶剤の水溶性有機溶剤としては、高極性有機溶剤が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル等のエーテル類が好ましい。
混合有機溶剤は水不混和性有機溶剤を1種又は2種以上含んでもよく、水溶性有機溶剤を1種又は2種以上含んでもよい。
上述の導電性高分子組成物は、成分(d)として、フェノール性化合物を含んでもよい。フェノール性化合物を用いることにより導電性膜の導電性を高めることができる。
フェノール性化合物は特に限定されず、ArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示される化合物である。具体的には、p−tert−アミルフェノール、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、o−,m−又はp−エチルフェノール、o−,m−又はp−プロピルフェノール、o−,m−又はp−ブチルフェノール、o−,m−又はp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類;カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール性化合物;及びフェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等を例示することができる。
フェノール性化合物は特に限定されず、ArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示される化合物である。具体的には、p−tert−アミルフェノール、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、o−,m−又はp−エチルフェノール、o−,m−又はp−プロピルフェノール、o−,m−又はp−ブチルフェノール、o−,m−又はp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類;カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール性化合物;及びフェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等を例示することができる。
また、下記式(3)で表されるフェノール性化合物を用いることができる。
(式中、nは1〜5の整数である。
Rは、それぞれ炭素数2〜10のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。)
Rは、それぞれ炭素数2〜10のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。)
上記のRについて、以下に説明する。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャルブチル、ターシャルアミル等が挙げられる。
アルケニル基としては、上述したアルキル基の分子内に不飽和結合を有する置換基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
アルキルアリール基、及びアリールアルキル基としては、上述したアルキル基とアリール基を組み合わせて得られる置換基等が挙げられる。
これらの基のうち、Rとしては、メチル又はエチル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャルブチル、ターシャルアミル等が挙げられる。
アルケニル基としては、上述したアルキル基の分子内に不飽和結合を有する置換基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
アルキルアリール基、及びアリールアルキル基としては、上述したアルキル基とアリール基を組み合わせて得られる置換基等が挙げられる。
これらの基のうち、Rとしては、メチル又はエチル基が好ましい。
また、下記式(3’)で表されるフェノール性化合物を用いることができる。
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基である。)
式(3’)におけるRの具体例は上記式(3)におけるRと同様である。
式(3’)におけるRの具体例は上記式(3)におけるRと同様である。
成分(d)の含有量は、成分(a)100質量部に対して、好ましくは10〜5000質量部であり、より好ましくは10〜2000質量部である。
上述の導電性高分子組成物は、成分(f)として、疎水性基を有する酸を含んでもよい。当該成分は、通常、浸透性向上剤として用い、組成物を対象物中により浸透させることができる。
疎水性基としては、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、アルキルフェニル基、アルキルナフチル基等が挙げられる。直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基のアルキル基、及びアルキルフェニル基、アルキルナフチル基に含まれるアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜20である。
成分(f)としては、アルキルカルボン酸,リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、アルキルベンゼンカルボン酸、アルキルベンゼンホスホン酸等が挙げられる。尚、アルキルベンゼンカルボン酸はR−Ph−COOHで表される化合物であり、アルキルベンゼンホスホン酸はR−Ph−PO(OH)2で表される化合物である(式中、Rはアルキル基を示し、Phはフェニレン基を示す)。
アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸及びアルキルベンゼンホスホン酸のアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜20である。リン酸モノエステル及びリン酸ジエステルは、好ましくはリン酸と炭素数2〜20のアルコールから得られるエステルである。
アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸及びアルキルベンゼンホスホン酸のアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜20である。リン酸モノエステル及びリン酸ジエステルは、好ましくはリン酸と炭素数2〜20のアルコールから得られるエステルである。
成分(f)としては、具体的に、プロピオン酸、DL−2−メチル酪酸、2−メチル吉草酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、ミリスチン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノメチルとリン酸ジメチルの混合物、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸モノエチルとリン酸ジエチルの混合物、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸モノイソプロピルとリン酸ジイソプロピルの混合物、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノブチルとリン酸ジブチルの混合物、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)とリン酸ジ(2−エチルヘキシル)の混合物等が挙げられる。
成分(f)の含有量は、成分(a)100質量に対して、好ましくは20〜900質量部であり、より好ましくは100〜500質量部である。
上述の導電性高分子組成物は、成分(g)として、シリカを含んでもよい。シリカを含むことにより、さらに耐熱性に優れる導電性膜を形成することができる。
「シリカ」とは、ケイ素(Si)及び酸素(O)を含むケイ素酸化物を意味し、SiO2等のSiOXで表される化合物に限らず、シロキサン結合(−O−Si−O−)を含むオリゴマー又はポリマーも含まれる。また、水和物であっても無水物であってもよい。
シリカは、好ましくは粒子状であり、粒子が数珠状に連なった構造であってもよい。シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜200nmである。コロイド状態のシリカ粒子(コロイダルシリカ)を用いてもよい。
シリカ粒子の平均粒子径は、BET法により比表面積を算出し、当該比表面積から換算して求める。BET法により比表面積の算出は、JIS Z8830(2013年)に記載の条件で行う。
シリカの市販品としては、日産化学株式会社製の「オルガノシリカゾル」シリーズ(「IPA−ST」、「IPA−ST−ZL」、「IPA−ST−UP」等)や「スノーテックス」シリーズ等が挙げられる。
成分(g)の含有量は、成分(a)100質量部に対して、好ましくは0.1〜60質量部であり、0.1〜40質量部としてもよい。
上述の導電性高分子組成物の、例えば、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、99.9質量%以上、又は100質量%が、
成分(a)及び(c)
成分(a)、(c)及び(d)
成分(a)〜(d)、
成分(a)〜(d)及び(f)、又は
成分(a)〜(d)、(f)及び(g)であってもよい。
成分(a)及び(c)
成分(a)、(c)及び(d)
成分(a)〜(d)、
成分(a)〜(d)及び(f)、又は
成分(a)〜(d)、(f)及び(g)であってもよい。
浸漬方法は、ディップ等が挙げられる。
浸漬時間は1分間以上が好ましく、3分間以上200分間以下がより好ましい。浸漬温度は、5℃〜50℃が好ましい。
浸漬後の乾燥は、オーブン、ホットプレート等により行うことが好ましい。
乾燥温度は、80〜200℃が好ましく、100〜170℃がより好ましい。
乾燥時間は、1〜180分間が好ましく3〜60分間がより好ましい。必要に応じて、減圧下で加熱してもよい。乾燥温度及び乾燥時間は、特に制限されず、用いる材料に応じて適宜選択すればよい。
浸漬時間は1分間以上が好ましく、3分間以上200分間以下がより好ましい。浸漬温度は、5℃〜50℃が好ましい。
浸漬後の乾燥は、オーブン、ホットプレート等により行うことが好ましい。
乾燥温度は、80〜200℃が好ましく、100〜170℃がより好ましい。
乾燥時間は、1〜180分間が好ましく3〜60分間がより好ましい。必要に応じて、減圧下で加熱してもよい。乾燥温度及び乾燥時間は、特に制限されず、用いる材料に応じて適宜選択すればよい。
本発明の導電性高分子含有不織布は、電池及びコンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ電磁波シールド材、電磁波吸収材等の電子部材等に用いることができる。
本発明の導電性高分子含有不織布は、電気及び電子回路基板に実装される回路素子等、特に、自動車等に搭載される回路素子等に用いることができる。
製造例1(ポリアニリン複合体の製造)
1,000mlセパラブルフラスコに、ネオコールSWC(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製)32.4g、13.3gのアニリン、ソルボンT−20(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル構造を有する非イオン乳化剤、東邦化学工業株式会社製)0.9gを、トルエン320.4gに溶解させた。そこに17質量%のリン酸水溶液450gを加え、トルエンと水の2つの液相を有する反応液を撹拌し、反応液の内温を−5℃まで冷却した。反応液の内温を−5℃に到達した後、すぐ、撹拌しながら、過硫酸アンモニウム(APS)39.3gを17質量%のリン酸水溶液90.2gに溶解した溶液を、滴下漏斗を用いて1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに溶液内温を−5℃に保ったまま8時間撹拌(合計反応時間9時間)した。
撹拌停止後、分液漏斗に内容物を移し、静置し、水相と有機相との2相に分離した。分離した2相の水相を分液し、有機相を得た。
1,000mlセパラブルフラスコに、ネオコールSWC(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製)32.4g、13.3gのアニリン、ソルボンT−20(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル構造を有する非イオン乳化剤、東邦化学工業株式会社製)0.9gを、トルエン320.4gに溶解させた。そこに17質量%のリン酸水溶液450gを加え、トルエンと水の2つの液相を有する反応液を撹拌し、反応液の内温を−5℃まで冷却した。反応液の内温を−5℃に到達した後、すぐ、撹拌しながら、過硫酸アンモニウム(APS)39.3gを17質量%のリン酸水溶液90.2gに溶解した溶液を、滴下漏斗を用いて1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに溶液内温を−5℃に保ったまま8時間撹拌(合計反応時間9時間)した。
撹拌停止後、分液漏斗に内容物を移し、静置し、水相と有機相との2相に分離した。分離した2相の水相を分液し、有機相を得た。
得られた有機相を、8.5質量%のリン酸水溶液180.3gで1回洗浄し、イオン交換水328.0gで5回洗浄した。洗浄後、No.2のろ紙を用いて、ろ過より不溶分を除去し、ポリアニリン複合体トルエン溶液を得た。
得られたポリアニリン複合体トルエン溶液をエバポレーターに移し、60℃の湯浴で加温し、減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、ポリアニリン複合体(プロトネーションされたポリアニリン)を得た。ポリアニリン複合体のポリアニリンの重量平均分子量は112,000であった。
得られたポリアニリン複合体トルエン溶液をエバポレーターに移し、60℃の湯浴で加温し、減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、ポリアニリン複合体(プロトネーションされたポリアニリン)を得た。ポリアニリン複合体のポリアニリンの重量平均分子量は112,000であった。
ポリアニリンの重量平均分子量は以下のようにして測定した。
ポリアニリン複合体0.25gをトルエン5gに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を10mL加えて15分間撹拌を行った後、吸引ろ過した。得られた残渣をトルエン10mLで3回、イオン交換水10mLで3回、メタノール10mLで3回洗浄を行い、得られた固形分を減圧乾燥し、得られたポリアニリンの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した。
GPC測定は、GPCカラム(昭和電工株式会社製「ShodexKF−806M」、2本)を用いて行い、以下の測定条件で行った。
溶媒:0.01MLiBr含有NMP
流量:0.70mL/分
カラム温度:60℃
注入量:100μL
UV検出波長:270nm
上記方法で得られた重量平均分子量は、ポリスチレン(PS)換算値である。
ポリアニリン複合体0.25gをトルエン5gに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を10mL加えて15分間撹拌を行った後、吸引ろ過した。得られた残渣をトルエン10mLで3回、イオン交換水10mLで3回、メタノール10mLで3回洗浄を行い、得られた固形分を減圧乾燥し、得られたポリアニリンの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した。
GPC測定は、GPCカラム(昭和電工株式会社製「ShodexKF−806M」、2本)を用いて行い、以下の測定条件で行った。
溶媒:0.01MLiBr含有NMP
流量:0.70mL/分
カラム温度:60℃
注入量:100μL
UV検出波長:270nm
上記方法で得られた重量平均分子量は、ポリスチレン(PS)換算値である。
また、ポリアニリンに対するプロトン供与体(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)のドープ率は0.36であった。
上記のドープ率は、ポリアニリン複合体について、N原子については元素分析装置vario EL cube CHE(エレメンタール社製)を用いて、S原子については炭素硫黄分析装置EMIA−920V2(株式会社堀場製作所製)を用いて、元素分析を行い、求めたS原子とN原子とのモル比から、S原子の値をN原子の値で除して算出した。
上記のドープ率は、ポリアニリン複合体について、N原子については元素分析装置vario EL cube CHE(エレメンタール社製)を用いて、S原子については炭素硫黄分析装置EMIA−920V2(株式会社堀場製作所製)を用いて、元素分析を行い、求めたS原子とN原子とのモル比から、S原子の値をN原子の値で除して算出した。
製造例2(導電性高分子組成物の製造)
イソプロピルアルコール38g、p−tert−アミルフェノール38g、及びヘキサン24gを均一になるまで撹拌混合して混合溶剤Aを調製した。
95gの得られた混合溶剤Aに、5gの製造例1で得られたポリアニリン複合体を添加して均一に溶解させ、ポリアニリン複合体が5質量%であるポリアニリン複合体溶液を調製した。
その後、このポリアニリン複合体溶液に2−ナフタレンスルホン酸水和物0.38g添加し、均一に溶解させて導電性高分子組成物を得た。
イソプロピルアルコール38g、p−tert−アミルフェノール38g、及びヘキサン24gを均一になるまで撹拌混合して混合溶剤Aを調製した。
95gの得られた混合溶剤Aに、5gの製造例1で得られたポリアニリン複合体を添加して均一に溶解させ、ポリアニリン複合体が5質量%であるポリアニリン複合体溶液を調製した。
その後、このポリアニリン複合体溶液に2−ナフタレンスルホン酸水和物0.38g添加し、均一に溶解させて導電性高分子組成物を得た。
製造例3(4−スルホフタル酸溶液の製造)
50質量%の4−スルホフタル酸(東京化成工業株式会社製)2g、イソプロピルアルコール(和光純薬株式会社製)98gを混合し、浸漬用酸溶液として、1質量%の4−スルホフタル酸溶液を得た。
50質量%の4−スルホフタル酸(東京化成工業株式会社製)2g、イソプロピルアルコール(和光純薬株式会社製)98gを混合し、浸漬用酸溶液として、1質量%の4−スルホフタル酸溶液を得た。
実施例1
[導電性不織布の製造]
製造例2で得られた導電性高分子組成物10gに、不織布XL−3060(ポリフェニレンサルファイド(PPS)不織布、日本バイリーン株式会社製)を、5分間浸漬し、その後150℃で30分間乾燥した。
乾燥後のPPS不織布を、さらに製造例3で得られた1質量%の4−スルホフタル酸溶液に10分間浸漬した。浸漬後、170℃で1時間乾燥し、導電性不織布(導電性高分子含有不織布)を得た。
[導電性不織布の製造]
製造例2で得られた導電性高分子組成物10gに、不織布XL−3060(ポリフェニレンサルファイド(PPS)不織布、日本バイリーン株式会社製)を、5分間浸漬し、その後150℃で30分間乾燥した。
乾燥後のPPS不織布を、さらに製造例3で得られた1質量%の4−スルホフタル酸溶液に10分間浸漬した。浸漬後、170℃で1時間乾燥し、導電性不織布(導電性高分子含有不織布)を得た。
[初期の伸び率の測定]
得られた導電性不織布を、幅8mm、長さ3cmの短冊状に切断し、小型卓上引張試験機EZGraph(株式会社島津製作所製)を用いて、変位1mm/分の速度で引っ張り、引張試験を行い、初期の伸び率を測定した。結果を表1に示す。
得られた導電性不織布を、幅8mm、長さ3cmの短冊状に切断し、小型卓上引張試験機EZGraph(株式会社島津製作所製)を用いて、変位1mm/分の速度で引っ張り、引張試験を行い、初期の伸び率を測定した。結果を表1に示す。
[加熱後の伸び率の測定]
また、得られた導電性不織布を、150℃500時間、オーブンで加熱した。取り出した後、「初期の伸び率の評価」と同様に、加熱後の伸び率を測定した。結果を表1に示す。
また、得られた導電性不織布を、150℃500時間、オーブンで加熱した。取り出した後、「初期の伸び率の評価」と同様に、加熱後の伸び率を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
XL−3060に代えて、不織布WXL−3020(PPS不織布、日本バイリーン株式会社製)を用いた以外、実施例1と同様に、導電性不織布を製造し、評価した。結果を表1に示す。
XL−3060に代えて、不織布WXL−3020(PPS不織布、日本バイリーン株式会社製)を用いた以外、実施例1と同様に、導電性不織布を製造し、評価した。結果を表1に示す。
本発明の導電性高分子含有不織布は、電池及びコンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ電磁波シールド材、電磁波吸収材等の電子部材等に用いることができる。また、本発明の導電性高分子含有不織布は、電気及び電子回路基板に実装される回路素子等、特に、自動車等に搭載される回路素子等に用いることができる。
Claims (9)
- ポリフェニレンサルファイドを含む不織布及び
導電性高分子
を含む導電性高分子含有不織布。 - 前記導電性高分子が、プロトン供与体がドープしている置換又は無置換のポリアニリンである請求項1に記載の導電性高分子含有不織布。
- 前記プロトン供与体が、スルホコハク酸誘導体を含む請求項2に記載の導電性高分子含有不織布。
- 前記プロトン供与体が、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む請求項2又は3に記載の導電性高分子含有不織布。
- 前記芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上が、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、スルホサリチル酸又はこれらの塩である請求項4又は5に記載の導電性高分子含有不織布。
- ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、導電性高分子組成物に浸漬し、導電性高分子含有不織布を得る、導電性高分子含有不織布の製造方法。
- 前記導電性高分子組成物に浸漬後の、ポリフェニレンサルファイドを含む不織布を、芳香族スルホン酸及び芳香族スルホン酸塩からなる群から選択される1以上を含む溶液に浸漬する請求項7に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
- 前記導電性高分子組成物が、さらにフェノール性化合物を含む請求項7又は8に記載の導電性高分子含有不織布の製造方法。
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---|---|---|---|---|
WO2024080197A1 (ja) * | 2022-10-14 | 2024-04-18 | 出光興産株式会社 | 導電性組成物、導電性材料、導電性膜及び導電性物品 |
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2019
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