JP2012107123A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱硬化性に優れ、貯蔵安定性も良好な熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、カチオン重合開始剤(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
【化1】


(式(I)において、Xは加水分解性基であり、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0、1又は2である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。
加水分解性シリル基を有する変性シリコーン樹脂を硬化させるための硬化触媒として、有機錫化合物等のルイス酸を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の硬化触媒と変性シリコーン樹脂とを含有する組成物は、常温湿気硬化型として知られている。
特開2005−290174号公報
上述のルイス酸を硬化触媒として含有する組成物は、タックフリーとなるまでの時間は短いものの、深部の硬化性は非常に悪い。しかも、深部の硬化性を高めるために脱水作業を行わない場合は、貯蔵安定性が悪くなるという問題がある。
本発明は、硬化性に優れ、貯蔵安定性も良好な熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、カチオン重合開始剤(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物により、硬化性が損なわれず、良好な貯蔵安定性が得られることを見出し、本発明を完成させた。
(式(I)において、Xは、加水分解性基であり、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは、0、1又は2である。)
すなわち、本発明は、一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、カチオン重合開始剤(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、硬化性に優れ、貯蔵安定性も良好である。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、カチオン重合開始剤(B)とを含有する。
(有機重合体(A))
式(I)で表される加水分解性シリル基は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、カチオン重合開始剤(B)によって加速される反応によりシロキサン結合を形成し、架橋しうる基である。
式(I)において、Xは加水分解性基である。加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基が用いられる。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。中でも、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中でも、加水分解性に優れるという観点から、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
Xは、1つの加水分解性シリル基の中に2又は3個存在する場合は、同一又は異なってよい。
式(I)において、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられる。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。中でも、立体障害が低く、硬化性に優れるという観点から、メチル基が好ましく用いられる。
式(I)において、nは0、1又は2である。nが0である場合の加水分解性シリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、メトキシジエトキシシリル基、エトキシジメトキシシリル基が挙げられる。中でも、活性が高く良好な硬化性が得られ、低温硬化性にも優れることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基がより好ましい。
nが1である場合の加水分解性シリル基の具体例としては、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基が挙げられる。中でも、加水分解性に優れる観点から、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。
nが2である場合の加水分解性シリル基の具体例としては、メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基、イソプロポキシジメチルシリル基が挙げられる。
nは、加水分解性に優れるという観点から、0又は1であるのが好ましく、速硬化性に優れるという観点から、0であるのが好ましい。
本発明の組成物は、1又は複数種の有機重合体を含有してよい。本発明の組成物は、例えば、カチオン重合開始剤が後述する式(II)で表される化合物である場合は、nが0である加水分解性シリル基を有する有機重合体が、本発明の組成物に含まれる全有機重合体の20〜100重量%含まれることが好ましい。
加水分解性シリル基を導入する方法は、特に制限されず、従来公知の方法で行うことができる。例えば、特開2009−249494号公報の[0021]〜[0033]に記載の方法で行うことができる。
加水分解性シリル基は、重合体分子鎖の主鎖の末端又は側鎖の末端にあってもよく、両方にあってもよい。特に、加水分解性シリル基が分子鎖の主鎖の末端にある場合は、硬化性に優れる、硬化物の破断強度、破断伸度に優れると言う観点から好ましい。
加水分解性シリル基は、速硬化性、粘度と可とう性のバランスに優れるという観点から、重合体1分子中に平均して1.0〜3.0個存在するのが好ましく、1.1〜2.7個存在するのがより好ましい。分子中に含まれる加水分解性シリル基の数が平均して1個以上である場合は、硬化性が十分に優れる。分子中に含まれる加水分解性シリル基の数が平均して3個以下であると、硬化物の破断強度、破断伸度に優れる点で良好である。また、加水分解性シリル基は、重合体1分子中に1又は2種以上含まれてもよい。
有機重合体の主鎖骨格は、接着性や作業性、深部硬化性等の観点から、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子から選択される1つ以上からなることが好ましい。
有機重合体の主鎖構造は、直鎖状又は分岐状であってよい。主鎖が直鎖状の場合は硬化物の伸びに優れる。主鎖が分岐状の場合にはより強靭な硬化物を得ることができる。
有機重合体の主鎖骨格としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体などのポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレンなどとの共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレンなどとの共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル及びスチレンなどとの共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体などの炭化水素系重合体;アジピン酸などの2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの化合物をラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系化合物、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどの化合物をラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記重合体中でビニル系化合物を重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるポリアミド6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるポリアミド6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるポリアミド6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるポリアミド11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるポリアミド12、前記ポリアミドの複数からなる共重合ポリアミドなどのポリアミド系重合体;ビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合によるポリカーボネートなどのポリカーボネート系重合体;ジアリルフタレート系重合体;などの有機重合体が挙げられる。また、ポリジオルガノシロキサンなどのポリシロキサン系重合体も挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を主鎖骨格にもつ有機重合体(A)は貯蔵安定性、速硬化性、硬化物の強靭性に優れることから好ましい。
有機重合体の数平均分子量(Mn)はGPCにおけるポリスチレン換算において500〜100,000、好ましくは1,000〜50,000であり、より好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量(Mn)が500以上である場合は、硬化物の伸び特性の点で良好であり、100,000以下である場合は、粘度が高すぎず作業性が良好である。
有機重合体の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましい。具体的には、1.80以下が好ましく、1.60以下がより好ましく、1.40以下がさらに好ましい。分子量分布が1.80以下であると、粘度が高すぎず、作業性が良好になる。
以上の有機重合体の中でも、硬化性に優れ、貯蔵安定性が良好であるという観点から、例えば、末端にトリアルコキシシリル基又はジアルコキシシリル基を有する変性ポリオキシアルキレン、末端にジアルコキシシリル基を有する変性ポリアルキレン、末端にジアルコキシシリル基を有する変性テレケリックアクリル重合体が好ましく用いられる。
末端にトリアルコキシシリル基を有する変性ポリオキシアルキレンとしては、例えば、主鎖構造としてPPG(ポリプロピレングリコール)、PTHF(ポリテトラヒドロフラン)。PTMG(ポリテトラメチレングリコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、PMG(ポリメチレングリコール)PNPG(ポリネオペンチルグリコール)が挙げられる。末端にジアルコキシシリル基を有する変性ポリオキシアルキレンとしては、例えば、主鎖構造としてPPG(ポリプロピレングリコール)、PTHF(ポリテトラヒドロフラン)。PTMG(ポリテトラメチレングリコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、PMG(ポリメチレングリコール)PNPG(ポリネオペンチルグリコール)が挙げられる。末端にジアルコキシシリル基を有する変性ポリアルキレンとしては、末端にジアルコキシシリル基を有する変性ポリイソブチレン、ポリブテンが挙げられる。末端にジアルコキシシリル基を有する変性テレケリックアクリル重合体としては、例えば、主鎖構造としてPPG(ポリプロピレングリコール)、PTHF(ポリテトラヒドロフラン)。PTMG(ポリテトラメチレングリコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、PMG(ポリメチレングリコール)PNPG(ポリネオペンチルグリコール)が挙げられる。
これらの中でも、低温硬化性に優れる観点から、末端にトリアルコキシシリル基を有する変性ポリオキシアルキレンがより好ましく、末端にトリメトキシシリル基を有する変性ポリオキシプロピレンが特に好ましい。
(カチオン重合開始剤(B))
本発明で用いられるカチオン重合開始剤は、熱によりカチオンを発生する熱カチオン重合開始剤である。熱カチオン重合開始剤は、常温では不活性であるが、加熱されて臨界温度(反応開始温度)に達すると開裂してカチオンを発生し、カチオン重合を開始させ得る。このような化合物としては、例えば、アルミニウムキレート錯体、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体;六フッ化アンチモンイオン(SbF )、四フッ化アンチモンイオン(SbF )、六フッ化ヒ素イオン(AsF )、六フッ化リンイオン(PF )などを陰イオン成分とする4級アンモニウム塩型化合物、ホスホニウム塩型化合物、ヨードニウム塩型化合物及びスルホニウム塩型化合物などが挙げられる。
有機金属錯体のうち、アルミニウムキレート錯体としては、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロピレート等が挙げられる。
4級アンモニウム塩型化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
ホスホニウム塩型化合物としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
ヨードニウム塩型化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨードニウム六フッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
スルホニウム塩型化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素及びジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素などが挙げられる。
また、スルホニウム塩型化合物としては、下記式(I)で表される化合物も挙げられる。
式(II)において、R、Rは、同一又は異なって、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基、アルケニル基、或いは水素原子である。
置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルケニレン基、アルコキシ基が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基が好ましく用いられる。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜10、好ましくは3〜6のものが挙げられる。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜6の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基が挙げられる。
アルケニレン基としては、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜6の直鎖または分岐状のものが挙げられる。例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブタジエニレン基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。中でも、メトキシ基が好ましく用いられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基、アリーレン基が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜14、好ましくは炭素数6〜10のものが挙げられる。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基が好ましく用いられる。
アラルキル基としては、炭素数7〜13、好ましくは炭素数7〜11のものが挙げられる。例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。中でも、ベンジル基が好ましく用いられる。
アリーレン基としては、炭素数6〜14、好ましくは炭素数6〜10のものが挙げられる。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ビフェニレン基が挙げられる。中でも、フェニレン基が好ましく用いられる。
芳香族炭化水素基は、さらに任意の炭素原子の位置に、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等の1以上の置換基を有してもよい。置換基を有する芳香族炭化水素基としては、例えば、トリル基、キシリル基、フェノキシ基等の置換基を有するアリール基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換基を有するアラルキル基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基、メチルナフチレン基等の置換基を有するアリーレン基が挙げられる。中でも、フェノキシ基が好ましく用いられる。
とRは、互いに結合して、メチレン基及び硫黄原子と共に環状構造を形成してもよい。この場合に、RとRは、連結基を解して互いに結合してもよい。環状構造を形成するR、Rの具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が挙げられる。中でも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましく用いられる。
アルケニル基は、上述の脂肪族炭化水素基についてのアルケニル基と同様である。
は、炭素数1〜20の炭化水素基である。炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の不飽和炭化水素基を含むアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられる。R4の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
Yは、下記式(1)で表される化合物、SbF、PF、BF又はAsFである。
これらの中でも、本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂のエポキシ基との反応性が高いという観点から、式(1)で表される化合物、SbF、BFが好ましい。中でも、式(1)で表される化合物、SbFがより好ましく、式(1)で表される化合物が特に好ましい。
式(II)で表される熱カチオン重合開始剤の具体例としては、例えば、下記式(IIa)で表される化合物
、下記式(IIb)で表される化合物
、下記式(IIc)で表される化合物
、下記式(IId)で表される化合物
、下記式(IIe)で表される化合物
、下記式(IIf)で表される化合物
などが挙げられる。
式(II)表される化合物は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法(例えば、式(IIa)の化合物については特開2008−308596号公報の参考例3、式(IIb)の化合物については同公報の参考例1参照)に従って得ることができる。また、一部の式(II)で表される化合物は市販品として入手できる。
熱カチオン重合開始剤としては、反応開始温度が70〜180℃のものが好ましく用いられ、80〜150℃のものがより好ましく用いられる。カチオン重合開始剤は、熱カチオン重合開始剤として作用するほか、光カチオン重合開始剤として作用するものであってもよい。カチオン重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱カチオン重合開始剤は、十分な速硬化性を確保し、貯蔵安定性を確保するという観点から、本発明の組成物に含まれる全有機重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部が配合されるのが好ましく、0.5〜5重量部配合されるのがより好ましい。
(エポキシ樹脂(C))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂をさらに含有してもよい。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有することで、接着性に優れたものとなる。このようなエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。例えば、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香環及び/又は脂環構造を有する2官能型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、その他の構造のエポキシ樹脂が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−ビニルシクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメタノール、ジシクロペンタジエンジエポキシド、オリゴマー型脂環式エポキシ樹脂等の環状オレフィンの二重結合を酸化(エポキシ化)することにより得られるエポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ナフタレン型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂を直接水添した水素化エポキシ樹脂、多価フェノール類を水添した後、エピクロルヒドリンと反応させることにより得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール等のポリカプロラクトンポリオール類、ポリカーボネートジオール類等と、エピクロルヒドリンとを反応させることにより得られたものが挙げられる。
芳香環及び/又は脂環構造を有する2官能型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、チオジフェノール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、テルペンジフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、メチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多官能型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、テルペンフェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂、石油系重質油又はピッチ類とホルムアルデヒド重合物とフェノール類とを酸触媒の存在下に重縮合させた変性フェノール樹脂等の各種のフェノール化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
その他の構造のエポキシ樹脂としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミンなどの種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロキシフタル酸、ダイマー酸などの種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、速硬化性を高めるという観点から、脂環式エポキシ樹脂、2官能型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、信越化学工業社製のシリコーンハイブリッドエポキシ樹脂:X−40−2670などを挙げることができる。2官能型エポキシ樹脂の中では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂は、その製造について特に制限されず、例えば、従来公知の方法に従って得ることができる。また、エポキシ樹脂は、市販品として入手できる。エポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、エポキシ樹脂は、本発明の樹脂組成物に含まれる全有機重合体100重量部に対して、0.1〜200重量部配合される。エポキシ樹脂の配合量は、用途に応じて適宜調整される。
(フィラー(D))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、フィラーをさらに含有してもよい。本発明の樹脂組成物は、フィラーを含有することで、成形性の調整が容易になり、また、エポキシ樹脂と共に含有されることで、補強性に優れたものとなる。
このようなフィラーとしては、無機充填材が好ましく用いられる。例えば、シリカ、酸化アンチモン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、アルミナ、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー等のクレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素が挙げられる。
フィラーの平均粒径は、補強性能の観点から、1〜100μmであることが好ましく、1〜40μmであることがより好ましい。
フィラーは、その製造について特に制限されず、例えば、従来公知の方法に従って得ることができる。フィラーは市販品として入手できる。フィラーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
フィラーは、本発明の樹脂組成物に含まれる全有機重合体100重量部に対して、0.1〜500重量部配合される。フィラーの配合量は、接着性、補強性能により優れ、ハンドリングし易いという観点から、全有機重合体100重量部に対して、10〜100重量部であるのが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、発明の効果を損なわない範囲で、ルイス酸等の硬化促進剤をさらに含有してもよい。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上述した各成分以外に、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、反応性希釈剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤が挙げられる。
本発明の組成物は、その製造について特に制限されない。例えば、加水分解性シリル基を有する有機重合体、カチオン重合開始剤および必要に応じて添加されるエポキシ樹脂、添加剤の各成分を室温で減圧下または窒素雰囲気下において、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて充分混練し、均一に分散させることによって、1液型のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明の組成物は、例えば、加水分解性シリル基を有する有機重合体を含む第1液(主剤)と、カチオン重合開始剤を含む第2液(硬化剤)とを有する2液型の組成物として製造することができる。必要に応じて添加されるエポキシ樹脂、添加剤は、第1液及び/または第2液に加えることができる。第1液及び第2液は、それぞれ室温で減圧下または窒素雰囲気下において、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて充分混練し、均一に分散させることによって製造することができる。
本発明の組成物は、例えば、建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材、接着剤、弾性接着剤、コーティング材、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の様々な用途に利用可能である。中でも、接着剤、シーリング材、液状ガスケット、複層ガラス用シーリング材としてより好ましく利用可能である。
本発明の組成物を硬化させる際の温度は、例えば、有機重合体としてアルコキシシリル変性ポリオキシアルキレン重合体又は加水分解性シリル基テレケリックアクリル重合体を用い、カチオン重合開始剤として式(II)で表される化合物を用いた場合は、70〜180℃であるのが好ましく、80〜150℃であるのがより好ましい。
本発明において、硬化性は、樹脂組成物の表面の深部の10mm厚硬化試験で評価される。具体的には、深さ10mmの容器に樹脂組成物を流し込み、所定時間経過ごとに容器から硬化した皮膜を取り出し、その厚みが10mmに達した時間が測定される。本発明の組成物の硬化時間は、例えば、有機重合体としてアルコキシシリル変性ポリオキシアルキレン重合体又は加水分解性シリル基テレケリックアクリル重合体を用い、カチオン重合開始剤として式(II)で表される化合物を用いた場合は、100℃で2時間以内であり、好ましくは80℃で2時間以内であり、より好ましくは80℃で1.5時間以内である。
また、本発明において、貯蔵安定性は、具体的には、後述するように粘度計で測定した粘度を基に評価される。本発明の組成物の貯蔵安定性は、例えば、有機重合体としてアルコキシシリル変性ポリオキシアルキレン重合体又は加水分解性シリル基テレケリックアクリル重合体を用い、カチオン重合開始剤として式(II)で表される化合物を用いた場合は、1日冷蔵(5℃)保存後に増粘がないことであり、好ましくは室温で1日保存して増粘がないことであり、より好ましくは室温で1週間保存して増粘がないことである。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
(熱硬化性樹脂組成物の製造)
実施例1〜19、比較例1、2として、下記表1〜3に示す各成分を、それぞれ同表に示す配合比で混合し、熱硬化性樹脂組成物を製造した。表中の各成分の数値は、重量部で表す。
表1〜3に示す各成分の詳細は以下の通りである。
・ 硬化性シリコーン樹脂(1):トリアルコキシシリル基変性ポリオキシアルキレン重合体(商品名SAX510、カネカ社製MSポリマー)
・ 硬化性シリコーン樹脂(2):ジアルコキシシリル基変性ポリオキシアルキレン重合体(商品名S303、カネカ社製MSポリマー)
・ 硬化性シリコーン樹脂(3):ジアルコキシシリル基変性ポリイソブチレン重合体(商品名EP705S、カネカ社製エピオン)
・ 硬化性シリコーン樹脂(4):ジアルコキシシリル基含有テレケリックアクリル重合体(商品名SA100S、カネカ社製XMap)
・ 硬化剤(1):式(IIa)で表されるスルホニウム塩化合物
硬化剤(1)は次のようにして調製した。ベンジルクロライド10gと4−メチルチオフェノール11.07gをメタノール中で室温で24時間反応させ、クロライド中間体を得た。さらに中間体10gとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩水溶液(固形分10%)263gを混合し、硬化剤(1)を得た。
・ 硬化剤(2):式(IIb)で表されるスルホニウム塩化合物
硬化剤(2)は次のようにして調製した。1−(クロロメチル)ナフタレン10gと4−メチルチオフェノール7.9gをメタノール中で室温で24時間反応させ、クロライド中間体を得た。さらに中間体10gとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩水溶液(固形分10%)220.16gを混合し、硬化剤(2)を得た。
・ 硬化剤(3):式(IIc)で表されるスルホニウム塩化合物(商品名SI100L、三新化学社製)
・ 硬化剤(4):式(IId)で表されるスルホニウム塩化合物(商品名SI60L、三新化学社製)
・ 硬化剤(5):式(IIe)で表されるスルホニウム塩化合物(商品名CP77、ADEKA社製)
・ 硬化剤(6):式(IIf)で表されるスルホニウム塩化合物(商品名SI100L、三新化学社製)
・ 硬化剤(7):下記式で表されるジオクチル錫塩及び正珪酸エチルの反応物(商品名ネオスタンS1、日東化成社製)
・ エポキシ樹脂(1):3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(商品名CEL2021P、ダイセル化学社製)
・ エポキシ樹脂(2):下記式で表される化合物(商品名X-40-2670、信越化学工業社製)

・ カップリング剤(1):ビニルトリメトキシシラン(商品名A171、モーメンティブ社製)
・ カップリング剤(2):[N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン](商品名KBM603、信越化学工業社製)
・ 充填剤(1):球状シリカ(商品名SE5050、アドマテックス社製)
・ アミン化合物(1):1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(東京化成工業株式会社製)
(評価)
得られた各樹脂組成物について、下記の方法で硬化時間を測定し、硬化性を評価した。また、下記の方法で増粘性を観察し、貯蔵安定性を評価した。結果を表1〜3に示す。
(1)硬化性
得られた各組成物について、深部の10mm厚硬化試験で評価した。具体的には、得られた各組成物を深さ10mmのアルミ容器に流し込み、80℃及び100℃の各温度で硬化させ、所定時間経過ごとに硬化した皮膜を容器から取り出し、その厚みが10mmに達した時間を測定した。なお、深部は、硬化した皮膜の容器内での下層部に相当する。皮膜の厚みが10mmに達していれば、最下層部まで完全に硬化していることを示し、10mmに達していなければ、表面は硬化しているが下層部が硬化していないことを示す。ここでは、80℃で1.5時間以内に10mmに達したものをA、80℃で2時間以内に10mmに達したものをB、100℃で2時間以内に10mmに達したものをC、いずれの温度でも2時間以内には10mmに達しなかったものをDとそれぞれ評価した。C以上の評価の組成物を使用可能とした。
(2)貯蔵安定性
得られた各組成物について、25℃の条件下でE型粘度計 VISCONIC EHD型(東機産業株式会社製)を用いてに準じて初期粘度を測定した。アルミ箔上に1gを載せ、室温で1週間保存後、室温で1日保存後、1日冷蔵保存(5℃)後に初期粘度と同様にして組成物の粘度(保存後の粘度)を測定した。硬化していなかった場合は増粘あり、硬化していた場合は増粘なしとした。室温で1週間保存後に増粘なしのものをA、室温1日保存後は増粘なしのものをB、1日冷蔵保存後に増粘なしのものをC、1日冷蔵保存後に増粘するものをDとそれぞれ評価した。C以上の評価の組成物を使用可能とした。
表1〜3に示す結果から明らかなように、硬化剤として従来の錫触媒を用いた組成物(比較例1)は、硬化性が悪く、貯蔵安定性も悪かった。
また、硬化剤としてカチオン重合開始剤を含有する組成物であっても、アミン化合物を含有するもの(比較例2)は、硬化性が悪く、貯蔵安定性も悪かった。
これに対し、硬化剤としてカチオン重合開始剤を含有する組成物であって、アミン化合物を含有しないもの(実施例1〜19)は、優れた硬化性が損なわれることなく、貯蔵安定性も良好であった。
特に、カチオン重合開始剤として、式(II)で表される化合物として式(1)で表されるアニオンを持つものを含有するもの(実施例1〜4、9〜19)は、極めて良好な硬化性を示した。
また、有機重合体として、末端にトリアルコキシシリル基で変性された変性基を有するものを含有する組成物(実施例1〜8、12〜19)は、比較的低温でも硬化性に優れていた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)と、カチオン重合開始剤(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物。

    (式(I)において、Xは加水分解性基であり、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0、1又は2である。)
  2. 前記カチオン重合開始剤(B)が下記式(II)で表される化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。

    (式(II)において、R、Rは、同一又は異なって、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基、アルケニル基、或いは水素原子であり、互いに結合してもよく、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。Yは、下記式(1)で表される化合物、SbF、PF、BF又はAsFである。)
  3. 前記加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)100重量部に対し、前記カチオン重合開始剤(B)0.1〜10重量部が配合された請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)100重量部に対し、エポキシ樹脂(C)0.1〜200重量部と、フィラー(D)0.1〜500重量部とをさらに含有する請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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