JP2012106860A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化を回避可能な簡素な構成を有しながらも、シート積載部上のシートが少量になって剛性が低くなった場合でもその変形を回避し、安定したシートの給送が可能なシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート積載板上のシートが少量になってその剛性が小さくなった場合、シート31を湾曲させて剛性を付与することで、規制部材4による押圧でシートが変形する不都合を防止できる。このため、簡単な構成で実現可能な進退部材を設けるだけで、特に坪量の小さい薄いシートがシート積載板上で少量になった際に、剛性が小さくなることで基準部材と規制部材4との間で変形するなどの不都合の発生を防止できる。また、シートが満載状態などの所定量を超える場合に出没部6bは退入位置に退入するので、従来タイプと同程度の容積で積載シートの容量を確保することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ及び複合機等の画像形成装置に備えられたシート給送装置、及びこのシート給送装置を備える画像形成装置に関する。
従来のシート給送装置は、シートを送り出す給送部と、シートを積載して給送部に所定の圧でシートを当接させるシート積載部と、シート積載部上のシートの給送方向と直交する幅方向における一端部の位置を位置決めする基準部材とを備えている。更にシート給送装置は、基準部材に対向配置されて幅方向におけるシートの他端部に当接する規制部材と、付勢部材とを備えている。この付勢部材は、シート積載部上のシートの姿勢を整え、基準部材により位置決めされた位置で安定してシートを給送するため、シートを基準部材側へ付勢する。
積載されるシートの質量や剛性は、シートの坪量や積載量で異なる。そのため、付勢部材の付勢力が、シートの坪量や積載量に関わらず一定の場合、坪量の大きいシートが満載状態でも確実に付勢できるような付勢力に設定すると、以下のような問題を生じる。つまり、坪量の小さいシートが少量だけ積載されて剛度(剛性)が低くなった場合に、シートが付勢力に負けて変形してしまうおそれがある。この場合、その状態で給送されると、シートの斜行や詰まりを起こすおそれがあるため、シートの積載量に応じて、付勢力を変更するように構成した装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の装置は、給紙カセット1に、シートを積載し昇降する圧接板9と、圧接板9の昇降動作に応じて加圧バネ6のシートに対する付勢力を変更するカム7とを備えている。これにより、シートの積載量やサイズ変更に応じて付勢部材によって適切な付勢力をシートに与え、シートの積載位置を整えてシート搬送の安定化や搬送後に行なわれる画像形成位置を一定にしている。
特開2000−118730号公報
しかし、特許文献1に記載の装置では、シートの積載量や幅方向の大きさに応じて付勢力を変更する構成が必要となっているため、装置が大型化してしまうという問題があった。
即ち、特許文献1の装置では、付勢部材を有する規制部材に、シートの積載量やシート給送方向と直交する幅方向の大きさに応じて付勢力を変更する付勢力変更部が設けられている。この付勢力変更部は、シートが積載される圧接板の昇降動作や、シートの幅方向の大きさに合わせて設定される基準部材と規制部材の位置に連動して動作するカム機構であり、カムが回転することで付勢部材の付勢力を変更する構成を備えている。このため、少なくとも、圧接板の昇降動作や、規制部材の移動動作からカムの回転動作まで動力を伝達する機構を設置することが必要で、部品点数を増大させ、装置の大型化を招く虞がある。
本発明は、大型化を回避可能な簡素な構成を有しながらも、シート積載部上のシートが少量になって剛性が低くなった場合でもその変形を回避し、安定したシートの給送が可能なシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シートを積載した状態で昇降可能なシート積載部と、前記シート積載部に積載されたシートに当接した状態でシートを送り出す給送部と、前記シート積載部に積載されたシートの前記給送部による給送方向と直交する幅方向の一端を位置決めする基準部材と、シートの前記幅方向の他端を規制する規制部材と、を備えたシート給送装置において、前記シート積載部に、前記シート積載部上のシートをその給送方向と直交する幅方向から見て湾曲するように持ち上げる突出位置と前記シート積載部の積載面から退入する退入位置とに出没可能な進退部材を設け、前記進退部材は、前記突出位置と前記退入位置とに移動可能な出没部と、前記シート積載部上のシートが所定量を超える場合に前記出没部を前記退入位置に退入させ且つ前記シート積載部上のシートが前記所定量以下の場合に前記出没部を前記突出位置に突出させる移動部材と、により構成されることを特徴とする。
本発明によると、シート積載部上のシートが少量になってその剛性が小さく(低く)なった場合に、シートを湾曲させて剛性を付与することで、規制部材による押圧でシートが変形することを防止することができる。従って、簡単な構成で実現可能な進退部材を設けるだけで、特に坪量の小さい薄いシートがシート積載部上で少量になった際に、剛性が小さくなることで基準部材と規制部材との間で変形するなどの不都合の発生を確実に防止することができる。また、シートが満載状態などの所定量を超える場合に出没部は退入位置に退入するので、従来タイプと同程度の容積で積載シートの容量を確保することができる。従って、簡素な構成により装置を大型化することなく、安定したシートの給送を行なうことができる。このため、簡素な装置構成で大型化を招くことなく、規制部材側から押圧力が作用した場合でも、安定したシートの給送を行なうことができるシート給送装置、及びこのようなシート給送装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態におけるシート給送装置を示す斜視図。 第1の実施形態におけるシート給送装置を示す要部断面図。 第1の実施形態におけるシート給送装置を示す要部断面図。 第1の実施形態におけるシート給送装置を示す平面図。 付勢部材の構成を示す断面図。 基準部材及び規制部材等を示す平面図。 シート給送装置を備えた画像形成装置を示す要部断面図。 本発明に係る第2の実施形態におけるシート給送装置を示す斜視図。 第2の実施形態におけるシート給送装置を示す要部断面図。 第2の実施形態におけるシート給送装置を示す要部断面図。
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。図7は、4つのプロセスカートリッジ33が直線上に並んだタンデム方式の画像形成装置30を示す断面図である。なお、実施形態における給紙カセット11は、A4、A5など異なるサイズのシートの中央部を基準として積載する中央基準の給紙カセットであり、図7に示された構成の画像形成装置30に着脱自在に装着されるように構成される。
図7に示すように、画像形成装置30は、公知の電子写真技術により、外部から入力された画像情報に基づいてトナー像を形成し、シートにカラー画像を転写定着する構成を備えている。画像形成装置30は、シート給送装置1、露光部32、複数のプロセスカートリッジ33、無端状ベルトからなる中間転写体34、1次転写部(不図示)、2次転写部35、及び定着部36を備えている。また、各プロセスカートリッジ33は、主に感光ドラム33a、帯電器(不図示)、現像器(不図示)、クリーニング部(不図示)を備えている。
不図示の帯電器が感光ドラム33aの表面を帯電し、露光部32により露光されることにより、感光ドラム33aの表面に静電潜像が形成される。その静電潜像が不図示の現像器によって顕画化され、トナー像が形成される。このトナー像は、不図示の1次転写部によって、トナー像担持体である中間転写体34の表面に転写される。感光ドラム33a及び中間転写体34等により、シート積載板2から給送ローラ7によって送り出されるシートに画像を形成する画像形成部が構成されている。
各プロセスカートリッジ33は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色にそれぞれ対応しており、各色のトナー像を、図7中の矢印B方向に回転している中間転写体34上に重ねて形成して行く。
シート給送装置1の給紙カセット11にセットされたシート31は、給送ローラ7によって2次転写部35に向けて送り出される(給送される)。給送ローラ7は、シート積載板2上のシートに当接した状態でシートを送り出す給送部を構成している。中間転写体34上に形成されたトナー像は、2次転写部35によりシート31に転写され、定着部36へと送られる。この定着部36において、トナー像が熱と圧力によってシート31上に定着される。
次に、シート給送装置1の構成及び機能について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る第1の実施形態の、シート給送装置に含まれる給紙カセットの構成を示す斜視図であり、図2は、シート給送装置の主要部を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、シート給送装置1は、給紙カセット11と、画像形成装置30の装置本体側に配置された給送ローラ7とを備えている。給紙カセット11は、シート積載板2と、シート積載板2に積載されたシートの給送ローラ7による給送方向(矢印A方向)と直交する幅方向(図2の手前−奥方向)の一端を突き当てて位置決めする基準部材3を備えている。更に給紙カセット11は、基準部材3と対向する位置に配置されてシートの給送方向と直交する幅方向の他端を規制する規制部材4と、付勢部材5と、進退部材6とを備えている。
給紙カセット11において、給紙カセット11の枠組みを構成するカセットトレイ11aの内部には、回動軸11bを支点として回動して昇降動作するシート積載板2が設けられている。シート積載板2は、シートを積載した状態で昇降可能なシート積載部を構成している。また、カセットトレイ11aの内部には、シート積載板2の下面と接し、回転軸12aを支点として回動することでシート積載板2を昇降動作させる昇降板12が設けられている。
昇降板12は、カセットトレイ11aの外側において、引張バネ(不図示)を介してカセットトレイ11aの外側面に沿って移動するように支持されたスライダ(不図示)と連結されている。給紙カセット11が画像形成装置30の装置本体に装着された状態では、装置本体に配置された昇降モータ(不図示)とスライダとが連結され、昇降モータが作動することで、スライダが所定位置まで移動させられる。これにより、引張バネの引張力を受けて昇降板12が回動する。
シート積載板2は、昇降板12により前側の裏面を押上げられて、給送部としての給送ローラ7に接近する方向に回動軸11bを支点として回動するため、シート積載板2上に積載されたシート31が給送ローラ7に所定の圧で当接する。給送ローラ7は、モータなどの駆動部(不図示)と連結されており、駆動部からの駆動力を受けることで回転し、シート積載板2上のシート31を送り出す(給送する)。カセットトレイ11aには、給送ローラ7と対向して分離部8が設けられている。給送ローラ7により給送されるシート31は、分離部8で一枚ずつに分離され、給送方向である図2の矢印A方向に給送される。
規制部材4は、基準部材3と同様、シート給送方向(矢印A方向)に長尺に形成され、その中央部分の上下方向に延在するように付勢部材5が設けられている。付勢部材5は、図5に示すように、規制部材4の中央部分の上下方向に形成された貫通穴4a,4b,4cに夫々係合突起5a,5b,5cを摺動自在に嵌合し、付勢部材5裏面及び規制部材4表面間で圧縮バネ5aが係合突起5bに嵌合されて縮設されている。係合突起5a,5cは規制部材4裏面にて上方、下方にそれぞれ屈曲する爪部を有し、係合突起5bは、このような爪部を有さず貫通穴4bの裏面に単に挿入されている。これらの構造により、付勢部材5は、規制部材4側から基準部材3側に向かう方向に常時バネ力で付勢された状態とされて、シート積載板2上に積載されたシート31を基準部材3側に押し付ける。
また、図1及び図6に示すように、基準部材3及び規制部材4には、シート積載板2の裏側(下側)に延在するようにラック3a,4aがそれぞれ設けられている。ラック3a,4aは、カセットトレイ11a内におけるシート積載板2の下側中央部の位置に回転自在に軸支されたピニオン13に噛合(係合)されている。このため、基準部材3及び規制部材4の少なくとも一方をシート31の幅方向に移動させると、ラック3a,4aに噛合しているピニオン13が回転する。これにより、基準部材3と規制部材4とが、カセットトレイ11aの中央部を基準として、カセットトレイ11a上をシートの幅方向に相対的に連動して移動する。
図1に示すように、カセットトレイ11aの給送方向上流側には、カセットトレイ11aに対してシート給送方向に移動可能に支持された後端規制部材9が配置されている。後端規制部材9は、シート積載板2に載置されたシートの後端部に当接して、シートの後端位置を規制する。
シート積載板2には、基準部材3と規制部材4との間に延在するように長溝状に開口された長溝部15が設けられている。長溝部15には、長溝部15に沿って延在するように長尺に構成された、進退部材6の出没部6b(図3参照)が摺動自在に収容されている。シート積載板2における長溝部15両外側に位置する両端部には、曲げ部がそれぞれ形成されており、これら曲げ部の存在により、シート積載板2は長溝部15を有していても必要な強度を維持することができる。
進退部材6は、シート積載板2に、シート積載板2上のシートをその給送方向と直交する幅方向から見て湾曲するように持ち上げる突出位置(図3(a))と、シート積載板2の積載面から退入する退入位置(図3(b))とに出没可能に設けられている。この構成は、後述する進退部材10においても同様である。
即ち、進退部材6は、図3(a),(b)に示すように、突出位置と退入位置とに移動可能な出没部6bと、移動部材としての付勢部材6aとによって構成される。付勢部材6aは、シート積載板上(シート積載部上)のシート31が所定量を超える(例えば4〜100枚)の場合には、シート31の重量に打ち負けて出没部6bを退入位置に退入させる。また、付勢部材6aは、シート積載板2上のシート31が所定量以下(例えば3枚以下)の場合には、シート31の重量に打ち勝って出没部6bを突出位置に突出させる。
このように出没部6bを退入位置から突出位置に向けて付勢する付勢部材6aは、シート積載板上のシート31が所定量以下(例えば3枚以下)になった際に出没部6bを突出位置に突出させ得る付勢力(バネ力)に設定されている。圧縮バネで構成可能な付勢部材6aは、長尺に形成された出没部6bの両端部の2箇所に配置され、その上方に載置されたシート31に向けて突出して弾接する。
出没部6bに対する付勢部材6aの付勢力は、例えば30[gf]程度に設定することができ、坪量60[g]のA4サイズのシート3枚程度が湾曲する強さに設定されている。出没部6bのシート積載板2表面からの突出量α(図3(a)参照)が大きければ大きいほど、シート31が湾曲する量も大きくなってシート31の剛性は上がる。しかし、シート給送装置1の容積を増やさないことを考慮すると、突出量αは、例えば10[mm]程度が好ましい。また、出没部6bのシート給送方向と直交する幅方向の長さβ(図1参照)は、仕様として対応している最小幅のシートよりも小さく、本実施形態では、例えば130[mm]に設定することが好ましい。
次に、シート給送装置1の動作について説明する。まず、給送するシート31をシート積載板2上に積載し、シート31の幅に合わせて基準部材3の位置を設定する。これに連動して規制部材4の位置も移動し、シート積載板2上に積載されたシート31は、付勢部材5により基準部材3側へ付勢されてその姿勢が整えられる。
シート31の坪量の大小に拘わらず、満載状態ではシート積載板2上のシート31の質量が大きいため、進退部材6は、シート31の質量(重量)に打ち負けてシート積載板2から出没部6bを突出させない状態(退入位置)となる。
この状態から、シート31が給送ローラ7により給送され、シート積載板上のシート31が少なくなるにつれて、付勢部材6aによって付勢されている出没部6bは、軽くなるシート31に打ち勝って徐々にシート積載板2から突出する。
シート積載板2上のシート31が少量になると、出没部6bは、シート31の重量に打ち勝ってシート積載板2から突出して(突出位置)、シート31のほぼ中央部分を、シート給送方向と直交する方向から見て湾曲するように持ち上げる。これにより、少量であってもシート31はその剛性が上がるため、付勢部材5による付勢力を受けても変形しない状態となる。この際、図3(a)に示すように、進退部材6の出没部6b及び付勢部材6aは、シート給送方向での付勢部材5と対向する位置に配置されているので、シート31の剛性を、付勢部材5から付勢力を受ける領域に対応するように効果的に高めることができる。
また、図4に示すように、シート給送方向と直交する幅方向において、進退部材6の出没部6bの長さβは、給送ローラ(給送部)7の長さ(幅)dよりも大きく設定されている。つまり、シート給送方向と直交する幅方向での出没部6bの長さが、幅方向での給送ローラ7の長さdよりも長く設定されている。このため、少なくとも給送ローラ7とシート31とが当接する幅方向の領域でのシート31の変形を防止することができ、給送ローラ7で給送されるシート31の斜行や、シート31に生じるシワを防止することができる。なお、図中のL1は出没部6b及び給送ローラ7が夫々シート31に接する部位の間の距離、L2はシート給送方向と直交する幅方向でのシート端部と出没部6bの端部との間の距離を示す。
ここで、付勢部材5による付勢力を受けても変形しない剛性の高いシート(例えば坪量が大きいシート)である場合には、積載量が少量であっても重量がある程度重く、出没部6bが突出しなくても良い。従って、坪量の小さいシートが少量の場合には出没部6bが突出して付勢部材5によるシートの変形がなくなり、坪量の大きいシートが少量の場合には出没部6bが突出しないが付勢部材5によるシートの変形がなくなるようにすることができる。これにより、安定した給送を行なうことができ、画像形成装置30においては、シート31上に形成される画像の位置を一定にすることができる。
以上のように、本実施形態によると、シート積載板上のシートが少量になってその剛性が小さく(低く)なった場合、シート31を湾曲させて剛性を付与することで、規制部材4による押圧でシート31が変形することを防止することができる。従って、簡単な構成で実現可能な進退部材6を設けるだけで、特に坪量の小さい薄いシートがシート積載板上で少量になった際に、剛性が小さくなることで基準部材3と規制部材4との間で変形するなどの不都合の発生を確実に防止することができる。また、シートが満載状態などの所定量を超える場合に出没部6bは退入位置に退入するので、従来タイプと同程度の容積で積載シートの容量を確保することができる。従って、簡素な構成により装置を大型化することなく、安定したシートの給送を行なうことができる。このため、簡素な装置構成で大型化を招くことなく、規制部材4側から押圧力が作用した場合でも、安定したシートの給送を行なうことができるシート給送装置1、及びこのようなシート給送装置1を備えた画像形成装置30を提供することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、本実施形態におけるシート給送装置を示す斜視図、図9及び図10は本実施形態におけるシート給送装置を示す要部断面図である。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態に比して、進退部材10をシート積載板22の昇降動作に連動して可動する構成とした点が異なるだけで、他の部分はほぼ同一なので、主要部分に同一符号を付してその説明を省略する。
まず、本実施形態におけるシート給送装置21の構成及び機能について説明する。本実施形態では、図8及び図9に示すように、進退部材10は、出没部10bと、レバー部(移動部材)10dとで構成されている。レバー部10dは、出没部10bに一端が連結されると共に他端の膨出部10cが上下方向の移動を規制された状態でこれら一端及び他端(膨出部10c)の中間部分がシート積載板22に枢支されている。レバー部材としてのレバー部10dは、シート積載板上のシート31が少量になってシート積載板22が給送ローラ(給送部)7に接近する際に出没部10bを退入位置(図10(a))から突出位置(図10(b))に突出させるように構成されている。
シート積載板22には、基準部材3と規制部材4との間において延在するように長溝状に開口された長溝部25が設けられている。長溝部25には、長溝部25に沿って延在するように長尺に構成された出没部10bが摺動自在に収容されている。長溝部25の中央部には、シート給送方向の上流側に向けてやや切り欠かれ、出没部10bに連結されたレバー部10dの一端を昇降回動させるための切欠き部26が形成されている。また、シート積載板22における長溝部25の両外側に位置する各端部には、曲げ部がそれぞれ形成されており、これら曲げ部の存在により、シート積載板22は長溝部25を有していても必要な強度を維持することができる。
進退部材10は、シート積載板22の中央下部の回動軸10aを支点として回動自在に支持されて、出没部10bを、シート積載板22の載置面から突出させる突出位置と載置面内に退入させる退入位置とに移動可能に構成されている。進退部材10は、積載されたシート31の減少に伴って給送ローラ(給送部)7に向けて上昇するシート積載板22の昇降動作に連動して、昇位置側では出没部10bを突出位置に突出させ、降位置側では出没部10bを退入位置に退入させる。
回動軸10aは、シート積載板22の裏面に配設された支持部27によって、シート給送方向と直交する幅方向から見た状態での時計方向と反時計方向とに回動自在に支持されている。膨出部10cは、カセットトレイ23aの底面部に配設されたレール部23cに摺動自在に収容されて案内され、カセットトレイ11aの底面部に沿ってシート給送方向にて移動するように構成されている。これにより、進退部材10は、シート積載板22の下側で回動軸10aを支点として回動自在となるように支持される。レール部23cは、図10(a),(b)の手前−奥方向にて切欠き部26の幅サイズとほぼ同じサイズに形成されており、切欠き部26とほぼ同じサイズで同方向に延在する略円柱状の膨出部10cを摺動自在に収容できるように構成されている。
図10(a)のように、シート積載板上のシート31が満載状態で給送ローラ7と当接し、シート積載板22が降状態にある場合には、膨出部10cがカセットトレイ23a上を給送方向で移動し、レバー部10dが回動軸10aを中心として回動する。これにより、出没部10bがシート積載板22内に退入することができる。
図10(b)に示すように、シート積載板上のシート31が少量の状態で給送ローラ7と当接し、シート積載板22が昇状態にある場合には、膨出部10cがレール部23c内にてカセットトレイ23a上をシート給送方向前方に移動する。これにより、レバー部10dが回動軸10aを支点として回動するため、出没部10bがシート積載板22上に突出する。出没部10bのシート積載板22からの突出量α(図10(b))が大きければ大きいほど、シートが湾曲する量も大きくなってその剛性も上がる。しかし、シート給送装置21の容積を増やさないことを考慮すると、突出量αは、例えば10[mm]程度に設定することが好ましい。また、出没部10bの幅方向の長さβ(図8参照)は、仕様として対応している最小幅のシートよりも小さく、本実施形態では、例えば130[mm]に設定することが好ましい。
本実施形態でも、シート給送方向と直交する幅方向において、出没部10bの長さβが、給送ローラ7の長さ(幅)dよりも大きく設定されている。
次に、本実施形態におけるシート給送装置21の動作について説明する。まず、給送するシート31をシート積載板22上に積載し、シート31の幅に合わせて基準部材3の位置を設定すると、これに連動して規制部材4の位置も移動する。そして、シート積載板22上に積載されたシート31は、付勢部材5によって基準部材3側に付勢されて、姿勢が整えられる。
シート給送装置21では、シート31の坪量の大小に拘わらず、満載状態では、図10(a)に示すように、シート積載板22が降状態にある。このため、膨出部10cがシート積載板22下部のレール部23c内に収容されることで、出没部10bが退入してシート積載板22から突出しない状態(退入位置)となる。そして、シート31が給送ローラ7により給送され、シート積載板22上のシート31が少なくなるにつれて、シート積載板22が回動軸23bを支点として給送ローラ7側に回動して昇状態となる。
シート積載板22の回動に伴い、進退部材10のレバー部10dは回動軸10aを支点として回動し、出没部10bが徐々にシート積載板22から突出する。本実施形態では、出没部10bの突出力が第1の実施形態のようなバネ力ではなく、シート積載板22の上昇に伴うレバー部10dの回動力によって得られる。このため、シートの坪量の大小に拘わらず、シートの積載量が少量の状態では、出没部10bを確実にシート積載板22の昇降に連動させて出没動作させることができる。
図10(b)に示すように、シート積載板22上のシートが少量になると、出没部10bはシート積載板22から突出してシート31を給送方向で湾曲させるため、シート31の剛性が上がり、付勢部材5による付勢力を受けてもシート31は変形しない。この場合、シート31の給送方向において、出没部10bが付勢部材5と対向する位置に配置されているので、付勢部材5からの付勢力を受けるシート31の領域の剛性が効果的に高められている。
本実施形態でも、第1の実施形態とほぼ同様の効果が得られる。更に、本実施形態でも、シートの幅方向において出没部10bの長さβが給送ローラ7の長さ(幅)よりも大きく設定されるので、少なくとも給送ローラ7とシート31とが当接する幅方向の領域でシート31の変形を防止できる。これにより、給送ローラ7によって給送されるシート31の斜行や、シート31に生じるシワを防止することができる。従って、坪量が小さいシートが少量の場合であっても、付勢部材5による変形が生じることなく、安定した給送を行なうことができる。
なお、第1及び第2の実施形態では、シート31の枚数が多い状態にあっては進退部材6,10が退入位置に退入して、進退部材6,10が必要なときのみ突出するので、常時シートが盛り上がってその形状のクセが付くような不都合を生じることがない。
1,21…シート給送装置、2,22…シート積載部(シート積載板)、3…基準部材、4…規制部材、6,10…進退部材、6a…移動部材(付勢部材)、6b,10b…出没部、7…給送部(給送ローラ)、10a…回動軸、10c…膨出部、10d…レバー部材(レバー部)、23c…レール部、30…画像形成装置、31…シート、33a,34…画像形成部(感光ドラム,中間転写体)、d…給送部の長さ、β…出没部の長さ

Claims (5)

  1. シートを積載した状態で昇降可能なシート積載部と、前記シート積載部に積載されたシートに当接した状態でシートを送り出す給送部と、前記シート積載部に積載されたシートの前記給送部による給送方向と直交する幅方向の一端を位置決めする基準部材と、シートの前記幅方向の他端を規制する規制部材と、を備えたシート給送装置において、
    前記シート積載部に、前記シート積載部上のシートをその給送方向と直交する幅方向から見て湾曲するように持ち上げる突出位置と前記シート積載部の積載面から退入する退入位置とに出没可能な進退部材を設け、
    前記進退部材は、
    前記突出位置と前記退入位置とに移動可能な出没部と、
    前記シート積載部上のシートが所定量を超える場合に前記出没部を前記退入位置に退入させ且つ前記シート積載部上のシートが前記所定量以下の場合に前記出没部を前記突出位置に突出させる移動部材と、により構成される、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記移動部材は、前記出没部を前記退入位置から前記突出位置に向けて付勢する付勢部材であり、
    前記付勢部材は、前記シート積載部上のシートが前記所定量以下になった際に前記出没部を前記突出位置に突出させ得る付勢力に設定される、ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記移動部材は、前記出没部に一端が連結されると共に他端が上下方向の移動を規制された状態でこれら一端及び他端の中間部分が前記シート積載部に枢支されたレバー部材であり、
    前記レバー部材は、前記シート積載部上のシートが少量になって前記シート積載部が前記給送部に接近する際に前記出没部を前記退入位置から前記突出位置に突出させる、ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  4. 前記給送方向と直交する幅方向での前記出没部の長さが、前記幅方向での前記給送部の長さよりも長く設定される、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシート給送装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のシート給送装置と、
    前記シート積載部から前記給送部によって送り出されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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