JP2012106286A - 継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】継目無鋼管の製造において非定常部特に先端近傍で大きくなる穿孔時の偏肉を抑制することが可能な継目無鋼管の製造方法を提供する。
【解決手段】バー2先端にプラグ1を取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置3で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、下記(1)式で与えられる最大偏肉率とバーたわみ量の関係を用いて最大偏肉率の許容上限に対応するバーたわみ量上限を定めておき、バーたわみ量を前記バーたわみ量上限(好ましくは0.5mm)以下に保って前記穿孔を行う。最大偏肉率(%)=c+b×logη+a×(logη)…(1)、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、a,b,c:係数(正の実数である)
【選択図】図1

Description

本発明は、継目無鋼管の製造方法に関し、詳しくは、汎用的な量産ラインとして確立されているマンネスマン穿孔‐マンドレルミルもしくはプラグミル延伸圧延‐定径圧延ラインにおいて、穿孔の条件を適正化して偏肉を抑制可能とした継目無鋼管の製造方法に関する。
鋼鋳片を用い、マンネスマン方式などにより穿孔を行って得る継目無鋼管の製造プロセスにおける寸法精度上の問題点として、偏肉の問題がある。偏肉は、横断面系と縦(長手方向)断面系に大別されるが、横断面系では偏芯性、対向(対称)性などがあり、これらの中で偏肉への影響が大きいのは偏芯性である。
偏芯性偏肉は最初の工程である穿孔(穿孔圧延ともいう)において発生することが多い。穿孔には、前記マンネスマン穿孔(マンネスマン方式によるもの)や、圧延方式であるプレスロール方式があり、これら以外に熱間押出のような形態も存在するが、熱間押出の場合には、主となる押出工程の前に機械的に中心孔を開けることがあり、その場合には偏芯性偏肉の問題は小さくなることから、大量生産ラインで用いられる方式である前者において問題は顕著である。
例えばプレスロールピアサーと呼ばれる角鋼片を圧延方式により穿孔する圧延機では、断面内鋼片温度の偏り、すなわち変形抵抗偏差や込みなどによる工具の設置位置の中心からのずれ等に起因して偏芯性偏肉を形成することが非特許文献1に報告されている。
マンネスマン穿孔を初めとする傾斜穿孔方式では、丸鋼片を回転させつつ穿孔するため、偏芯による肉厚の偏りは横断面内の最も厚肉(或いは薄肉)の部位の円周方向位置が長手方向で異なるという特徴を有する。更に、横断面内の偏肉は長手方向に一定の値をとるとは限らない。図3は小型の模型穿孔機にて実際に熱間鋼を圧延する際、意図的に先端部に偏芯を加えた偏芯材の長手方向偏肉率分布を示す模式図であるが、偏肉率は先端で最も高く、中央部では一定に近くなり、又後端に近づくほど大きくなる傾向が認められる。 いずれにしろ、初期の偏芯が肉厚精度に大きな影響を及ぼすことはいうまでもない。
尚、偏肉率は次のようにして求めた(以下同じ)。すなわち、管長さ方向の複数個所について断面円周方向の16箇所で肉厚を測定し、それぞれの位置での偏肉率(%)を下記(1)式により算出した。
偏肉率=((最大値―最小値)/16箇所の平均値)×100…(1)
このような丸鋼片を傾斜穿孔した場合の偏肉について、どのようなものが生ずるかを詳細に分類した結果が非特許文献2に示され、偏芯性偏肉の生ずる原因が加熱時の偏熱や機械的な要因によるなどとされている。これらについて一部、方法についての具体的な提案がされているものの、必ずしも全てに対応できるわけではなく、又どの程度といった数値的な範囲と実際にとることのできる操業範囲について対比されていないため、完全な解決には至っていない。
又、非特許文献2では先述した長手方向での偏肉レベルの議論がなされていない。管後端の偏肉率増加は非特許文献2にて示された管の振れ回りによるものであると考えられるが、先端については管が未形成であるから説明困難である。又、工具等の機械的精度をできる限り高めることで、偏肉をある程度までは抑制可能であるが、先端の偏肉率が高い傾向が解消するわけではない。
一方、特許文献1には、偏肉を型別に分類し、その要因を同定することで操業上の対応を行う旨記載されている。又、特許文献2等には、穿孔における偏肉低減の観点から、加熱された丸鋼片を穿孔機の中心に案内するよう、ガイドシューを適宜、調整するといった技術が開示されている。又、特許文献3には、穿孔偏肉の代表的要因である加熱偏熱を抑制することによる偏肉低減技術が開示されている。
特開昭59−007407号公報 特開2008−161900号公報 特開2004−098101号公報
満田茂編「塑性と加工」第26巻第296号(1985.9)社団法人日本塑性加工学会発行 日本鋼管技報No.106(1985)「継目無鋼管圧延過程における肉厚精度」
しかしながら、特許文献1では具体的な偏肉の抑制方法が示されていないため、偏肉抑制に有効であるとはいえない。又、特許文献2等に開示されるガイドシュー調整では、長手方向中央部(いわゆる定常部)の偏肉軽減には有効であるが、先端部と後端部(いわゆる非定常部)の偏肉増大を抑制することはできない。又、特許文献3の加熱偏熱抑制でも、偏熱性偏肉の抑制には有効であるが、非定常部の偏肉増大を抑制することはできない。
上述のとおり、従来の技術では、継目無鋼管の製造において非定常部特に先端近傍で大きくなる穿孔時の偏肉を抑制することができておらず、これが未解決の課題であった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1) バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、下記(1)式で与えられる最大偏肉率とバーたわみ量の関係を用いて最大偏肉率の許容上限に対応するバーたわみ量上限を定めておき、バーたわみ量を前記バーたわみ量上限以下に保って前記穿孔を行うことを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
最大偏肉率(%)=c+b×logη+a×(logη) …(1)
ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
a,b,c:係数(正の実数である)
(2) 前記バーたわみ量上限を0.5mmと定めることを特徴とする(1)に記載の継目無鋼管の製造方法。
(3) 前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置とすることを特徴とする(2)に記載の継目無鋼管の製造方法。
(4) 前記バーの直径を、プラグ底の直径に対する相対比で、0.80以上1未満とすることを特徴とする(3)に記載の継目無鋼管の製造方法。
(5) (1)〜(4)の何れか1つにおいて、前記最大偏肉率に代えて、管先端からのカブレ疵発生範囲の長さであるカブレ長さとし、前記(1)式に代えて下記(2)式としたことを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
カブレ長さ(mm)=γ+β×logη+α×(logη) …(2)
ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
α,β,γ:係数(正の実数である)
(6) バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置とすることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
本発明によれば、丸断面の熱間鋼素材を穿孔するに際し、バーたわみ量を最大偏肉率の許容上限に対応するバーたわみ量上限以下に保って穿孔するようにしたので、非定常部特に先端近傍の偏肉を有効に軽減することができる。又、カブレ疵特に先端部のカブレ疵を防止する効果もある。
模型穿孔機におけるバーたわみ量と管長さ方向の最大偏肉率の関係を示すグラフである。 バー保持装置によるバー拘束状態と偏肉率の関係を示すグラフである。 模型穿孔機における偏芯材の長手方向偏肉率分布を示す模式図である。 本発明に用いる穿孔機の1例を示す概略図である。 最大偏肉率とカブレ長さの関係の1例を示す線図である。 本発明によるカブレ疵防止効果の1例を示すグラフである。
本発明者らは、穿孔において、バーたわみ量が偏肉を左右する重要な因子であることを見出し、本発明をなした。
本発明において、例えば図4に示すように、バー2先端にプラグ1を取付け同バー後端を固定4したバー2の長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置3で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の断面にプラグ1を押し当てて穿孔を行うという点までは従来と同様である。ここで図示を省略した前記熱間鋼素材は、穿孔圧延機(略して、ミル)の1対の傾斜圧延ロール5で断面円周方向に回転されつつプラグ1側に送られる。傾斜圧延ロール5のロール径が最大となる部位をゴージという。バー保持装置3をバー保持に使用するときはバー2との隙間を閉鎖するので、「閉」と記し、使用しないときはバー2との隙間を開放するので、「開」と記す。
しかし、本発明では、従来と異なり、下記(1)式で与えられる最大偏肉率とバーたわみ量の関係を用いて最大偏肉率の許容上限に対応するバーたわみ量上限を定めておき、前記バーたわみ量を前記バーたわみ量上限以下に保って前記穿孔を行うのである。
最大偏肉率(%)=c+b×logη+a×(logη) …(1)
ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
a,b,c:係数(正の実数である)
そして、前記バーたわみ量上限は0.5mmとすることが好ましい。
又、バーたわみ量を0.5mm以下に保つためには、前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0(詳しくは0.00)超0.25以下の範囲内の位置とすることが好ましく、更には、バーの直径を、プラグ底の直径に対する相対比で、0.80以上1(詳しくは1.00)未満とすることが好ましい。
これらの点について、実施例を示しながら説明する。
模型穿孔機を用いてバーの振れ回りを変化させて穿孔実験を行い、偏肉に及ぼすバーたわみ量の影響を調査した。実験条件は次のとおりである。
・使用素材:0.30%C鋼の丸ビレット、直径58mm×長さ250mm
・加熱温度:1250℃
・圧延(穿孔)条件:圧延後に得られる素管長さが素材ビレットの2倍となるように延伸
・使用ロール径:ゴージ直径350mm
・使用プラグ寸法:底部(後端部)直径49mm×長さ130mm
上記条件において、模型穿孔機に付設されている3連(3基直列)のバー保持装置の初期設定条件として、1)条件C:3基とも閉(全閉という)、2)条件B:ミルに一番近い1基は開、他の2基は閉(#1開という)、3)条件A:3基とも開(全開という)、の3条件で穿孔実験を行い、得られた中空素管について長手方向10〜50mmピッチで円周方向断面内の肉厚を測定し、偏肉率を求めた。その結果を図2に示す。同図2よりバー保持装置によるバーの拘束を厳しくすることで、偏肉を抑制できることが認められる。そこで、模型穿孔機の周辺装置配置から下記の計算方法で前記バー保持装置の3条件におけるバーたわみ量を計算した。
(バーたわみ量の計算方法)
先端に配置されたプラグ自重によるたわみδ1とプラグバーの自重によるたわみδ2の重ね合わせが成立するものとすると、バーたわみ量δは、
δ=δ1+δ2、δ1=mL/(3EI)、δ2=wL/(8EI)である。ここで、m:プラグ重量、w:プラグバーの単位長さ当たり重量、L:閉じているバー保持装置からの距離、E:ヤング率、I:プラグバーの断面形状から決まる断面2次モーメントである。
そして、得られたバーたわみ量と、図2の偏肉量の長手方向分布におけるピーク値(最大偏肉量という)との関係を求めた。その結果を図1に示す。
図1より、バーたわみ量が小さければ小さいほど、偏肉の小さい素管を得ることが可能であるといえる。
本発明では、バーたわみ量と最大偏肉率の関係について図1のような曲線関係(前記(1)式で表わされる)を予め求め、かかる関係を用いて偏肉率の許容上限(図1中の横線の縦座標値で示される)に対応するバーたわみ量上限(図1中の縦線の横座標値で示される)を定めておく。そして、実機での穿孔では、バーたわみ量を、前記バーたわみ量上限以下に保って穿孔を行うのである。尚、図1の曲線は、前記(1)式で表わされ、その係数a,b,cは、実験データから最小自乗法で求められ、図1の場合、a=0.3411,b=2.0063,c=4.9549である。
現状の継目無鋼管に要求される肉厚精度は偏肉率でみておよそ8%とされており、穿孔後の各種圧延工程による偏肉増加を考慮すると、その半分程度であることが必要である。従って、穿孔での偏肉率の許容上限は図1のとおり4%とするのが好ましい。又、図1に示したバーたわみ量と最大偏肉率の曲線関係は、現状の継目無鋼管に用いられている鋼種の範囲内で、鋼種によって変動はするものの、その変動の程度は無視できる程度に小さい。よって、偏肉率の許容上限4%に対応するたわみ量上限は図1のとおり0.5mmとするのが好ましい。
次に、実機においてバー保持装置を仮設し、実施例1と同様の実験を行った。実機では、バー保持装置は仮設、既設を含めると5基となることから、既設を用いた4基で保持するケース(従来例)と仮設を含めた5基で保持するケース(本発明例)の2通りで実験を行った。
仮設の配置位置は、既設とミルの中間程度の位置とした。バーとしては通常の工程に用いるものを使用した。ここで、バー保持装置のバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で表すと、従来例では、0.37、0.58、0.76、0.90であり、前記好ましい範囲に入るものがないのに対し、本発明例では、これらに加えた仮設のバー保持位置が、0.21であり、前記好ましい範囲に入っている。
このとき前記計算方法で求めたバーたわみ量は、従来例では4.46mm、本発明例では0.345mmである。
各ケースで3本ずつ穿孔・製造試験を行った。ここにいう製造とは、穿孔後に延伸・定径圧延することを指す。穿孔条件等を以下に示す。
・使用プラグ径:底部直径174mm
・使用バー径:直径160mm
・使用素材:S25C鋼の丸ビレット、φ260(直径260mm)
・パススケジュール:穿孔[素材φ260→素管φ270×t40(外径270mm、肉厚40mm)]→製造[製品φ254×t20]
各ケースで得られた3本の製品についての最大偏肉率とその平均値を表1に示す。表1より、従来例では製品の最大偏肉率が約13.5%であるのに対し、本発明例では約7.5%であり、本発明の効果が明らかである。
Figure 2012106286
実機において仮設したバー保持装置に加え、バー直径を可及的に大きくすることによる効果の検討を行った。バー直径は3水準で、既設条件でも本発明で推奨されるバーたわみ量0.5mm以下を得るために、同じ径のプラグを使用しながら、バー直径を最大限とし、又バー断面形状についても、中空乃至中実と変化させ、穿孔・製造試験を行った。穿孔条件等は実施例2と同様であり、但しバー直径のみ170mmと増加させた。このとき前記計算方法で求めたバーたわみ量は、次のとおりである。
・既設のみの条件:4.46mm
・本発明例の条件(仮設含む):
1)中空(既設と類似、肉厚を同じ):0.30mm
2)中空(内径を維持、肉厚を変化):0.28mm
尚、プラグ底直径に対するバー直径の相対比は、1),2)とも、170/174=0.977であり、前記好ましい範囲に入っている。
本発明例1、2の条件の夫々について各3本の穿孔・製造試験を行った。夫々の最大偏肉率とその平均値を表2に示す。実施例2での表1との比較から、バー直径を増加させてバーたわみ量を更に減少させることで、製品の最大偏肉率が更に低減し、7.5%を下回ったことが分る。
以上より、偏肉防止に対する本発明の有効性が確認された。
Figure 2012106286
更に、発明者らは、本発明が、管内面疵の1種であるカブレ疵の防止にも有効である事を見出した。カブレ疵はラップ疵とも呼ばれ、内表面近傍で圧延材がかぶさるように変形し、これがあたかも瘡蓋のように一部は取れたり、或いは製造工程中に疵部が内表面から剥がれ金属片がくっついているかのようになった疵である。
このカブレ疵は一般に素材の加工性が悪いことに起因した、回転鍛造効果により丸鋳片の軸芯部で生ずるマンネスマン割れと呼ばれる欠陥の発生と強い相関があるが、マンネスマン割れは素材の加工性の悪化だけでなく加工歪が大きくなる事によっても発生する。発明者らの検討により、この加工歪が増すのは、プラグを支持するバーの振れ回りにより、プラグが素材端部中心(パスライン中心)に通常設けてある擂鉢状や円筒状などのセンター穴から外れて素材端部に突当り或いはセンター穴の擂鉢などの側面に突当り、加工面をあたかもすくいあげたり空回りを起こす事による加工歪の増加による処が大きいという事が判明した。
従って、バーの振れ回りを抑制する事でカブレ疵を防止できると考えて本発明を適用した。バーの振れ回りは、本発明によって充分抑制できるから、本発明によれば偏肉防止とカブレ疵防止とが同時に達成できる。
実施例4として、実施例1において、実験条件の一部を以下の通り変更した以外は変更なしとして穿孔実験を行った。
・使用素材:硫黄快削鋼(加工性が悪くカブレ疵を発生させ易い鋼種である)の丸ビレット、直径58mm×長さ250mm
・加熱温度:1200℃
・圧延(穿孔)条件:圧延後に得られる素管長さが素材ビレットの2.5倍となるように延伸
実施例1と同じ条件A(全開),B(#1開),C(全閉)の各条件で10本ずつ圧延した。条件A,B,Cのバーたわみ量は実施例1と同様に計算し、夫々3mm、0.3mm、0.03mmであった。最大偏肉率は実施例1と同様に測定し、条件A,B,C毎に平均して求めた結果、夫々4.5%、3.0%、2.0%であった。最大偏肉率をY(%)、バーたわみ量をη(mm)で表すと、実施例1と同様、Yとηとの関係は、Y=c+b(logη)+a(logη)、なる曲線で良く近似できる。本例の場合、係数はa=0.2501,b=1.5116,c=3.7219となった。
又、各素管の先端からのカブレ疵発生範囲の長さを測定し条件毎に平均して求めたカブレ長さは、条件A,B,Cで夫々、132mm、89mm、55mmであった。
ここで、カブレ長さを最大偏肉率に対してプロットすると、図5に示される通り、カブレ長さは最大偏肉率の増加に伴い直線的に増加する。従って、本発明に従いバー振れ回りを抑制して偏肉防止を図る事は、そのままカブレ疵防止のための有効な手段でもある事が分る。
ところで図5の直線は、カブレ長さ(mm)=a1×最大偏肉率(%)+b1、なる形の式((3)式とする)で表され、本例の場合、a1=30.8、b1=-6.6である。
(3)式を用いて(1)式の最大偏肉率をカブレ長さに変換でき、該変換後の式は、次の(2)式の形になる。
カブレ長さ(mm)=γ+β×logη+α×(logη) …(2)
(2)式の係数はγ=a1×c+b1、β=a1×b、α=a1×aであり、何れも正の実数となる。又(1)式同様、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mmである。
従って、本発明では、
前記本発明(1)〜(4)の何れか1つにおいて、前記最大偏肉率に代えて、管先端からのカブレ疵発生範囲の長さであるカブレ長さとし、前記(1)式に代えて前記(2)式とする事により、本発明(1)〜(4)と同様の作用効果が得られる。よってこれを本発明(5)とした。
尚、本発明(5)は、独立形式で記述すると、バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、下記(2)式で与えられるカブレ長さとバーたわみ量の関係を用いてカブレ長さの許容上限に対応するバーたわみ量上限を定めておき、バーたわみ量を前記バーたわみ量上限以下に保って前記穿孔を行うことを特徴とする継目無鋼管の製造方法であり、これに本発明(2)〜(4)の発明特定要件を夫々従属させうるものである。
カブレ長さ(mm)=γ+β×logη+α×(logη) …(2)
ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
α,β,γ:係数(正の実数である)
なお、カブレ長さは材料や穿孔・圧延条件により異なるため、(2)式等で示した係数は一例に過ぎないが、別途行ったJIS-SUS420J1相当鋼などの実験でも、ほぼ同程度の係数が得られることを確認している。
またカブレ長さは以下に示す式で求めたビレット長さ換算後のカブレ長さにおいて50mm以下が望ましい。
ビレット長さ換算後のカブレ長さ=カブレ長さ/(管の長さ/ビレット長さ)
実施例5として、実施例2において、加工性にやや劣る5Cr以上の鋼材(Cr含有量が5mass%以上の鋼材)を使用素材に用い、本発明例の試験チャンス4回(実施例2では3回)とした以外は実施例2と同じ条件で穿孔・製造試験を行い、得られた管について、前記同様に求めた最大偏肉率にて偏肉抑制効果を評価すると共に、カブレ疵手入れ率にてカブレ疵抑止効果を評価した。
ここで、
カブレ疵手入れ率={(調査したN本の管のうちクロップに収まらず製品内面までカブレ疵が生じた管の総本数)/(調査したN本の管の総本数)}×100(%)
である。
又、本実施例5において、従来のデータはN=100本以上での実績データ、本発明例の試験チャンス4回では各回ともN=50本でのデータである。
その結果、最大偏肉率は、従来が13%前後、本発明例の試験チャンス4回(試験1〜4)が何れも8%弱であり、実施例2(表1参照)と同様、本発明による偏肉抑制効果が顕現した。
一方、カブレ疵手入れ率は、図6に示す通り、従来の5.5%程度から本発明例の試験1〜4のデータ(夫々3.2%、3.4%、2.3%、1.5%)の平均で2.7%に半減できた。この効果は、バーの振れ回り抑制により、カブレ長さが抑制され、通常のクロップ長さ内に収める事ができたと共に、手入れを必要とした疵の多くが解消できた事による。
上述のとおり、本発明によれば、偏肉とカブレ疵とを同時に抑制でき、この効果を得るには、[実施例1]の直上の段の記載から明らかに、「前記バー保持装置の少なくとも1ついて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0(詳しくは0.00)超0.25以下の範囲内の位置とする」事項が好ましく、この事項は本発明(3)の発明特定要件であるものの、これが本発明(2)に従属しない場合であっても、同様の効果を奏する事は自明である。よって、本発明(3)の発明特定要件を本発明(2)から独立させ、本発明(6)とした。
即ち、本発明(6)は前述のとおり、バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置とすることを特徴とする継目無鋼管の製造方法であり、詳しくは、バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置として、偏肉とカブレ疵とを同時に抑制することを特徴とする継目無鋼管の製造方法である。
1 プラグ
2 バー
3 バー保持装置
4 固定
5 傾斜圧延ロール

Claims (6)

  1. バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、下記(1)式で与えられる最大偏肉率とバーたわみ量の関係を用いて最大偏肉率の許容上限に対応するバーたわみ量上限を定めておき、バーたわみ量を前記バーたわみ量上限以下に保って前記穿孔を行うことを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
    最大偏肉率(%)=c+b×logη+a×(logη) …(1)
    ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
    a,b,c:係数(正の実数である)
  2. 前記バーたわみ量上限を0.5mmと定めることを特徴とする請求項1に記載の継目無鋼管の製造方法。
  3. 前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置とすることを特徴とする請求項2に記載の継目無鋼管の製造方法。
  4. 前記バーの直径を、プラグ底の直径に対する相対比で、0.80以上1未満とすることを特徴とする請求項3に記載の継目無鋼管の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1つにおいて、前記最大偏肉率に代えて、管先端からのカブレ疵発生範囲の長さであるカブレ長さとし、前記(1)式に代えて下記(2)式としたことを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
    カブレ長さ(mm)=γ+β×logη+α×(logη) …(2)
    ここで、η:バーたわみ量(mm)=0.05〜5mm、
    α,β,γ:係数(正の実数である)
  6. バー先端にプラグを取付け同バー後端を固定した前記バーの長さ方向の先後端以外の少なくとも1箇所をバー保持装置で保持し、丸断面の熱間鋼素材を断面円周方向に回転させつつ、該熱間鋼素材の先端に前記プラグを押し当てて穿孔を行う継目無鋼管の製造方法において、前記バー保持装置の少なくとも1つについて、そのバー保持位置を、バー全長に対するバー先端からのバー長さの相対比で、0超0.25以下の範囲内の位置とすることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
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