JP2012105607A - 営巣材料排除装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電柱、鉄塔等の送電用構築物上にカラス等が営巣する過程で営巣材料を除去、落下させることによって巣の完成を有効、且つ確実に阻止することができる営巣材料排除装置を提供する。
【解決手段】送電用構築物に集積された営巣材料を排除する営巣材料排除装置であって、送電用構築物上に設置される営巣材料排除ユニットと、営巣材料排除ユニットを退避姿勢と排除姿勢との間で進退させる駆動機構と、を備え、営巣材料排除ユニットが退避位置にある時には営巣材料の集積を許容する一方で、排除姿勢にあるときには集積した営巣材料を放出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、送電用構築物上に鳥類が営巣して電線と接地された支持物間を短絡させることによって発生する地絡事故を有効に防止する営巣材料排除装置に関するものである。
電柱や鉄塔等の送電用構築物に設けられて送電線を支持する腕金や、腕金に付属する碍子、電線等は、鳩、カラス、鷺等の中・大型鳥類によって格好の営巣場所として利用され易いが、腕金等に対して針金、木の枝、草、葉等を集積した巣が形成されると、これらが腕金周辺の導体部と接地された支持物間を短絡させる配電線事故をもたらすことが多々ある。
ところで、従来から営巣を防止するために種々の提案がなされている。
例えば、特開2005−110571公報、特開2004−313005公報には、太い棒状の幹体から多数の細い枝体を多様な方向に突出させた鳥害防止具が開示されており、この防止具を電柱の腕金やその近傍に取り付けることによって営巣の防止を図っている。これらは、腕金周辺の営巣空間をなくすることによって営巣を防止することを目的としている。
また、特開2007−159537公報には、鉄塔材料に巻き付けたバンドから多数の細線を放射状に突出させることによって営巣の障害とした営巣防止装置が開示されている。
しかし、鳥類、特にカラスは、営巣防止部材(防巣部材)を営巣材料を係止する手段として巧みに利用して営巣することが多々ある。
また、カラスは腕金に予め形成されている多数のボルト穴や、取付けバンドと電柱との隙間に基礎材となる枝や針金を差し込むことによって基礎部を作ってから、その上に他の営巣材料を組み付けることによって堅牢な巣を完成させる。このため、腕金の上面等が防巣部材によって覆われている場合においても、腕金側面に僅かでも穴が開口しているかぎり、この穴を利用して形成した基礎上に営巣することができる。
特開2005−110571公報 特開2004−313005公報 特開2007−159537公報
鳥類、特にカラスは、鉄塔等に設置した防巣部材を営巣材料を係止する手段として巧みに利用して営巣したり、腕金の側面等に形成されたボルト穴や、バリヤー棒体間の隙間を巧みに利用して基礎材となる枝や針金を差込んで新たな営巣空間を作り出して営巣するため、従来の営巣防止装置は営巣防止効果が少なかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、電柱、鉄塔等の送電用構築物上にカラス等が営巣する過程で営巣材料を除去、落下させることによって巣の完成を有効、且つ確実に阻止することができる営巣材料排除装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る営巣材料排除装置は、送電用構築物に集積された営巣材料を排除する営巣材料排除装置であって、前記送電用構築物上に設置される営巣材料排除ユニットと、前記営巣材料排除ユニットを退避姿勢と排除姿勢との間で進退、変形させる駆動機構と、を備え、前記営巣材料排除ユニットが前記退避位置にある時には営巣材料の集積を許容する一方で、前記排除姿勢にあるときには集積した営巣材料を放出することを特徴とする。
従来の営巣防止装置は、鉄塔、電線等の送電用構築物上の営巣され易い部位に障害物を設置するだけであったため、障害物を利用して営巣することが可能であった。
本発明では、鳥類が営巣のために送電用構築物上、或いは営巣材料排除ユニット上に集積した針金、木の枝等の材料を営巣材料排除ユニットによって物理的に除去するように構成したので、営巣を確実に阻止、或いは断念させることが可能となる。
特に、営巣材料排除ユニットは、営巣材料の集積を許容する退避姿勢と、集積した材料を排除する排除姿勢との間を進退、変形するため、営巣防止効果が絶大となる。
第2の発明では、前記営巣材料排除ユニットは、気体を供給することによって拡張して前記排除姿勢となり、気体の供給を停止することによって収縮して前記退避姿勢となる伸縮部材であり、前記駆動機構は、前記伸縮部材に対する気体の供給、供給停止を行う空気供給手段を備えていることを特徴とする。
バルーンのように伸縮自在な営巣材料排除ユニットを用いることにより、設置場所の自由度が広がり、絶縁碍子付近のように従来営巣防止具を設置しにくかった部位にも容易に設置することが可能となる。伸縮部材が収縮している時に、鳥類がその上に営巣材料を集積したとしても、適時に伸縮部材を膨張、変形させることによって集積した材料を除去、落下させることができる。
第3の発明では、前記空気供給手段は、エアコンプレッサー、又は空気ボンベであることを特徴とする。
第4の発明では、前記営巣材料排除ユニットは、前記送電用構築物上に配置されて進退自在、変形自在、或いは回転自在に構成された可動部材であり、前記駆動機構は、モータ、或いは空気圧によって前記可動部材を駆動することを特徴とする。
営巣材料排除ユニットは、排除ユニット上、或いは送電用構築物上に集積した営巣材料を物理的に除去、排除する手段であれば、どのような物であっても良い。
第5の発明では、前記可動部材は、前記駆動機構によって進退させられる基部と、該基部の少なくとも一部に植設されたブラシ部と、を備えたブラシ部材であることを特徴とする。
ブラシ状の可動部材を用いることにより、送電用構築物上に堆積した営巣材料を効率よく除去することができる。
第6の発明では、前記可動部材は、営巣面を備えた可動部材であり、前記営巣面を上向きにした初期位置と、前記営巣面を下向きにした逆転姿勢との間を進退自在に構成されていることを特徴とする。
営巣面の上下を逆転可能に構成したので、より確実に営巣材料を除去できる。
以上のように本発明によれば、鳥類が営巣のために送電用構築物上、或いは営巣材料排除ユニット上に集積した針金、木の枝等の材料を営巣材料排除ユニットによって物理的に除去するように構成したので、営巣を確実に阻止、或いは断念させることが可能となる。
送電用鉄塔に本発明の営巣材料排除装置を取り付ける部位の例を示す説明図である。 (a)及び(b)は取付け部位を拡大して示す正面図、及び平面図である。 空気パイプの配管例を示す説明図である。 (a)及び(b)は営巣材料排除装置の具体的な構成例の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る営巣材料排除装置を取り付ける部位の例を示す説明図である。 (a)及び(b)は取付け部位を拡大して示す正面図、及び平面図である。 (a)及び(b)はワイヤーの配回し例を示す正面図、及び平面図である。 (a)及び(b)は営巣材料排除装置の具体的な構成例の説明図である。 第3の実施形態に係る営巣材料排除装置の構成説明図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は送電用鉄塔に本発明の営巣材料排除装置を取り付ける部位の例を示す説明図であり、図2(a)及び(b)は取付け部位を拡大して示す正面図、及び平面図であり、図3は空気パイプの配管例を示す説明図であり、図4(a)及び(b)は営巣材料排除装置の具体的な構成例の説明図である。
本発明の営巣材料排除装置は、送電用鉄塔、電柱等々の送電用構築物に集積された鳥類の営巣材料である樹木の枝、針金等々を物理的に除去、落下させる手段である。
送電用鉄塔1の本体2から横方向へ突出した腕金3の適所、本例では営巣され易い腕金の根元部分に営巣材料排除装置10を構成する排除ユニット11を取り付けた状態を示している。
営巣材料排除装置10は、送電用鉄塔1上に設置されて作動することにより集積した営巣材料を除去、落下させる営巣材料排除ユニット11(以下、排除ユニット、という)と、排除ユニット11を退避姿勢と排除姿勢との間で進退、変形させる駆動機構30と、を備えており、排除ユニット11が退避位置にある時には営巣材料の堆積(送電用鉄塔上、或いは排除ユニット上への堆積)を許容する一方で、排除姿勢にあるときには堆積した営巣材料を押し出して放出する。
本実施形態に係る排除ユニット11は、気体(空気)を注入することによって拡張して排除姿勢となり、気体の供給を停止することによって収縮して退避姿勢となる伸縮部材(バルーン)12である。伸縮部材12は、ゴム、或いはゴムと樹脂との合成材料から成る弾性変形可能な構成を備えている。伸縮部材12は、図4に示すように腕金等を構成する鋼材(本例では、L字型アングル材)4の上面に配置されて、図4(a)に示した退避姿勢(収縮姿勢)と(b)に示した排除姿勢(膨張姿勢)の何れかに変形する。
伸縮部材12は、鋼材4に対して固定されるパイラック等の固定金具14によって支持される。本例では、ボルト14a、ナット14bを用いて固定金具14を鋼材4に固定すると共に、固定金具の一部に伸縮部材12を接着、その他の任意の方法により固定する。
駆動機構30は、伸縮部材12に対する気体の供給、供給停止(排出)を行うエアコンプレッサー(空気供給手段)31と、エアコンプレッサーを制御する制御装置33と、エアコンプレッサーから圧送される空気を排除ユニット11に供給する絶縁性の管体35と、を備えている。管体35は、図3に示すように、L字形鋼材4の内側面に沿って配管し、緩衝材36を介在させた状態でステンレスバンド37によって固定する。
エアコンプレッサーの下流側に空気ボンベを接続して圧搾空気を一旦空気ボンベに溜めておき、電磁弁を作動させて適宜伸縮部材に供給するようにしてもよい。
エアコンプレッサーを駆動するための電力は送電線から得るようにしてもよいし、バッテリーを用いるようにしてもよい。
伸縮部材12は、例えば、エアコンプレッサー31から供給された空気(例えば、圧力15kg)によって膨張し、エアコンプレッサーからの空気の供給を停止することによって抜気して収縮するように構成する。
或いは、伸縮部材12の適所に抜気孔(抜気手段)を設けておき、エアコンプレッサーから供給される空気量が抜気孔からの抜気量を上回るように構成することによって空気の供給中は伸縮部材12が膨張、変形し、空気の供給を停止することによって抜気孔からの抜気によって伸縮部材が収縮するように構成してもよい。
また、抜気孔を開閉するバルブを設けておき、空気の供給によって伸縮部材の内圧が一定値に達するまではバルブによって抜気孔を閉じておき、一定値を越えたときにバルブが開放して抜気を開始するように構成してもよい。
図4(a)に示すように伸縮部材12が収縮している時には上面がフラット化しているため、カラス等によって営巣材料50を集積し易い状態となっている。一方、(b)のように伸縮部材が膨張した場合には上面が急傾斜した状態となるため、集積した営巣材料50が滑り落ちて行く。
また、エアコンプレッサーを手動操作できるように構成しておき、巡視員が定期的に手動操作して伸縮部材を膨張させるようにしてもよい。
なお、カラスは、腕金に形成されたボルト穴や僅かな空隙内に枝や針金等を差し込んで巣の基礎とし、基礎の上に材料を集積して巣を形成するが、営巣材料の大半が収縮した伸縮部材の上面に集積された状態で収縮部材が膨張して上面が急傾斜した場合には、大半の材料が落下するか、残存しても変形、離散して巣の機能を果たし得なくなる。
従って、伸縮部材の上面は、摩擦抵抗を少なく(滑りやすく)構成しておくのが好ましい。
伸縮部材12内の空気が抜気されて収縮状態に戻った際には、大半の営巣材料が落下しており、再営巣するためには新たに材料を集めて再集積する必要があるため、断念させることができる。
伸縮部材12の形状、特に膨張時の形状は図示の例に止まらず、種々変形することができる。
伸縮部材12は設置場所の自由度が高いため、腕金、碍子等の営巣され易い部位を任意に選定することができる。
鳥類の営巣は通常春先から開始されるため、営巣時期を選んで定期的に駆動機構30によって伸縮部材を作動させるように制御する。例えば、制御装置33による制御によって一日に1回〜数回、毎日或いは隔日に作動させることにより、営巣を阻止、或いは断念させることが可能となる。
なお、伸縮部材12が収縮状態(退避状態)にある時に、その一部によって腕金に形成された穴や、腕金近傍の隙間を塞ぐように構成することによって、カラスが穴や隙間内に枝や針金を差し込むことを阻止することも可能となる。
上記実施形態では排除ユニット11として伸縮部材12を例示したが、腕金を構成する鋼材の上面、その他の営巣され易い面に沿って可動部材を直線的に、或いは円弧軌道を描いて進退自在に配置し、駆動機構30によって作動させるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、エアコンプレッサー31から供給した空気によって伸縮部材12を膨張、変形させるように構成したが、エアコンプレッサーに代えて、圧縮空気を収容した空気ボンベ((空気供給手段))を用いて伸縮部材に圧搾空気を供給するようにしてもよい。この場合、空気ボンベを鉄塔の適所、例えば脚部に固定すると共に、空気ボンベと伸縮部材12との間を管体によって接続する一方、空気ボンベから伸縮部材に対する気体の供給をオンオフするバルブと、バルブの制御装置(タイマー)と、伸縮部材内の気体を抜気して伸縮部材を収縮させる抜気手段と、を設ける。制御装置は、定期的にバルブを開放して伸縮部材を膨張させることによって集積した営巣材料を除去する。
営巣の季節を過ぎた時期には空気ボンベを取り外しても良いし、来季に備えて継続使用するために残しておいても良い。
図5は本発明の第2の実施形態に係る営巣材料排除装置を取り付ける部位の例を示す説明図であり、図6(a)及び(b)は取付け部位を拡大して示す正面図、及び平面図であり、図7(a)及び(b)はワイヤーの配回し例を示す正面図、及び平面図であり、図8(a)及び(b)は営巣材料排除装置の具体的な構成例の説明図である。
即ち、第1の実施形態では、営巣材料排除ユニット11としてバルーンから成る伸縮部材を用いたがこれは一例に過ぎない。例えば、排除ユニット11を、送電用構築物上の特定部位に配置されて進退自在、変形自在、或いは回転自在に構成された可動部材によって構成し、駆動機構が、モータ、或いは空気圧によって可動部材を駆動するように構成してもよい。
第2の実施形態の営巣材料排除装置10は、排除ユニット11として一部を回動自在に軸支されたブラシ部材(可動部材)16を用い、このブラシ部材16を駆動機構30によって定期的に作動させることによって、腕金等の営巣され易い部位に集積された営巣材料を除去、落下させるように構成されている。また、ブラシ部材16自体が営巣の基礎として利用されている場合にもブラシ部材を動作させることによって材料を落下させることができる。
即ち、ブラシ部材(可動部材)16は、長尺な基部17と、基部17の下面、或いは全面に植設されたブラシ部18と、を備え、基部17の一端部に設けた軸穴17aを、鋼材4に対して固定されるパイラック等の固定金具19に突設した軸部19aによって回動自在に軸支される。軸部19a、その他の部位にはトーションバネ、コイルバネ等の弾性部材20を設けてブラシ部材16を常に初期位置に付勢する。
一方、駆動機構30は、ブラシ部材16を構成する基部17の他端に一端を固定されたワイヤー40と、腕金及び鉄塔本体の適所に夫々配置されてワイヤー40をガイドする複数のプーリー41と、ワイヤー40の他端を支持して巻き取るための駆動力を生成するモータ42と、モータを制御する制御装置(タイマー)43と、を備えている。
ワイヤー40は、図7に示すように鋼材に固定される他の固定金具19に設けたワイヤーガイド19bによって最適の経路に沿って配回す。
モータ42を駆動するための電力は送電線から得るようにしてもよいし、バッテリーを用いるようにしてもよい。
モータ42が駆動していない時には弾性部材20の力によってブラシ部材16は図6(b)中に実線で示した初期位置(退避位置)にあるが、モータが駆動してワイヤー40を引っ張った場合にはワイヤーによってブラシ部材16が破線で示した突出位置(排除位置)に移動する。つまり、モータをオンオフすることによりブラシ部材が往復動作して腕金等の上に集積した営巣材料を除去、落下させることができる。
なお、巡視員等の作業員が手動操作によってワイヤーを引っ張ることによってブラシ部材16を作動させてもよい。
また、特に図示しないが棒状の基部の外周面にブラシを植毛したローラ状のブラシ部材を回転させながら進退させることにより、営巣材料を除去するように構成してもよい。
カラスは腕金に予め形成されている多数のボルト穴や、取付けバンドと電柱との隙間に基礎材となる枝や針金を差し込むことによって基礎部を作ってから、その上に他の営巣材料を組み付けることによって堅牢な巣を完成させる。このようにして構築されようとする、或いは既に構築された巣であっても、ブラシ部材を進退させることによって営巣材料を効果的に除去したり、巣を破壊することができる。
次に、図9は第3の実施形態に係る営巣材料排除装置の構成説明図であり、この営巣材料排除装置10は、排除ユニット11として一部を上下方向に回動自在に軸支された板状の営巣誘導部材(可動部材)21を用い、営巣誘導部材21を駆動機構30によって定期的に作動させることによって、初期位置にある営巣誘導部材21上に集積された営巣材料を除去、落下させるように構成されている。
営巣誘導部材21は、鋼材4に対して固定されるパイラック等の固定金具22によって回動自在に支持される。固定金具22に設けた回動軸22aにより営巣誘導部材21の一部(一端)を回動自在に軸支する一方で、常時においては図示しないトーションバネ、コイルバネ等の弾性部材によって営巣誘導部材を実線で示した初期位置に付勢する。
営巣誘導部材21の上面には、営巣に適した形状、構造を有した営巣面21bが設けられており、この営巣面21bに鳥類が営巣材料を集積することを促進する。
駆動機構30は、営巣誘導部材21から突出したワイヤー係止部21bに一端を固定されたワイヤー40と、腕金及び鉄塔本体の適所に夫々配置されてワイヤー40をガイドする複数のプーリー41と、ワイヤー40の他端を支持して巻き取るための駆動力を生成するモータ42と、モータを制御する制御装置43と、を備えている。
一定の期間、営巣誘導部材21を初期位置(退避位置)に放置しておくと、カラス等が営巣面21bを利用して営巣を試みる。営巣材料が集積された時期を見計らって駆動機構30を駆動することにより、営巣誘導部材が逆転して営巣面が逆転姿勢(排除姿勢)となり、営巣面上の営巣材料が放出されて落下する。駆動機構を駆動する時期、期間は、予め制御装置に設定しておけばよい。
営巣誘導部材21を破線のように反転させることにより営巣材料を排除した後で、実線位置に復帰させてもよいし、或いは破線位置のままに保持して営巣誘導部材21の裏面に次の営巣を促すようにしてもよい。この状態で所定期間が経過した時に実線位置に戻すようにしてもよい。
営巣誘導部材上に強固に構築された巣であっても、逆転させることによって破壊することができ、巣の使用が困難となる。
モータ42を駆動するための電力は送電線から得るようにしてもよいし、バッテリーを用いるようにしてもよい。
なお、本発明において送電用構築物とは、送電用鉄塔、電柱のみならず、高所に配線される送電線を支持する構築物一般を含む。
以上のように本発明では、鳥類が営巣のために送電用構築物上、或いは営巣材料排除ユニット上に集積した針金、木の枝等の材料を営巣材料排除ユニットによって物理的に除去するように構成したので、営巣を確実に阻止、或いは断念させることが可能となる。
特に、営巣材料排除ユニットは、営巣材料の集積を許容する退避姿勢と、集積した材料を排除する排除姿勢との間を進退、変形するため、営巣防止効果が絶大となる。
また、営巣材料排除ユニットとして、気体を供給することによって拡張して排除姿勢となり、気体の供給を停止することによって収縮して退避姿勢となる伸縮部材を用いることにより、設置場所の自由度が広がり、絶縁碍子付近のように従来営巣防止具を設置しにくかった部位にも容易に設置することが可能となる。伸縮部材が収縮している時に、鳥類がその上に営巣材料を集積したとしても、適時に伸縮部材を膨張、変形させることによって集積した材料を除去、落下させることができる。
また、営巣材料排除ユニットは、排除ユニット上、或いは送電用構築物上に集積した営巣材料を物理的に除去、排除する手段であれば、どのような物であっても良い。
また、ブラシ状の可動部材を用いることにより、送電用構築物上に堆積した営巣材料を効率よく除去することができる。
また、営巣面の上下を逆転可能に構成すれば、更に確実に営巣材料を除去できる。
1…送電用鉄塔、2…本体、3…腕金、10…営巣材料排除装置、11…営巣材料排除ユニット、12…伸縮部材、14…固定金具、14a…ボルト、14b…ナット、16…ブラシ部材、17…基部、17a…軸穴、18…ブラシ部、19…固定金具、19a…軸部、19b…ワイヤーガイド、20…弾性部材、21…営巣誘導部材、21a…ワイヤー係止部、21b…営巣面、22…固定金具、22a…回動軸、30…駆動機構、31…エアコンプレッサー、33…制御装置、35…管体、36…緩衝材、37…ステンレスバンド、4…鋼材、40…ワイヤー、41…プーリー、42…モータ、43…制御装置、50…営巣材料

Claims (6)

  1. 送電用構築物に集積された営巣材料を排除する営巣材料排除装置であって、
    前記送電用構築物上に設置される営巣材料排除ユニットと、
    前記営巣材料排除ユニットを退避姿勢と排除姿勢との間で進退、変形させる駆動機構と、を備え、
    前記営巣材料排除ユニットが前記退避位置にある時には営巣材料の集積を許容する一方で、前記排除姿勢にあるときには集積した営巣材料を放出することを特徴とする営巣材料排除装置。
  2. 前記営巣材料排除ユニットは、気体を供給することによって拡張して前記排除姿勢となり、気体の供給を停止することによって収縮して前記退避姿勢となる伸縮部材であり、
    前記駆動機構は、前記伸縮部材に対する気体の供給、供給停止を行う空気供給手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の営巣材料排除装置。
  3. 前記空気供給手段は、エアコンプレッサー、又は空気ボンベであることを特徴とする請求項2に記載の営巣材料排除装置。
  4. 前記営巣材料排除ユニットは、前記送電用構築物上に配置されて進退自在、変形自在、或いは回転自在に構成された可動部材であり、
    前記駆動機構は、モータ、或いは空気圧によって前記可動部材を駆動することを特徴とする請求項1に記載の営巣材料排除装置。
  5. 前記可動部材は、前記駆動機構によって進退させられる基部と、該基部の少なくとも一部に植設されたブラシ部と、を備えたブラシ部材であることを特徴とする請求項4に記載の営巣材料排除装置。
  6. 前記可動部材は、営巣面を備えた可動部材であり、前記営巣面を上向きにした初期位置と、前記営巣面を下向きにした逆転姿勢との間を進退自在に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の営巣材料排除装置。
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