JP3074511U - 鳥害防止器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 送電・配電線用鉄塔等にカラスなどの鳥が営
巣するのを妨げ短絡事故等を防止する。 【解決手段】 基台１に鳥が嫌う忌避色に発光する羽根
２を回転自在に装着してなり、羽根２を自在に回転させ
ることにより鳥が嫌う光と威嚇する動きとの複合作用が
働き強い恐怖心を抱かせることができ、これにより鳥を
寄せ付けないようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、送電・配電線用鉄塔等にカラスなどの鳥が営巣することにより起こ る短絡事故等を防止するための鳥害防止器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、大容量の電力を送電・配電する送電・配電線用鉄塔には、カラスなどが 飛来して営巣することがあり、この営巣の材料として、例えば長い蔦や壊れた金 属製の物干し具が利用されている。ところで、このような長い蔦や壊れた金属製 の物干し具は送電・配電線に触れやすく、これが原因で短絡事故更には停電や地 絡事故がしばしば引き起こされていた。そこで、この様な被害を防ぐには、カラ スなどの鳥を前記鉄塔に寄せ付けないことが第一であり、威嚇のため鳥模型とし て大きな目玉を描いた板を取り付けたり、爆発音といった警戒声を発生させるな どの手段が取られていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記前者の手段では、鳥の学習効果から馴れを生じるため複合 した対策が必要とされ、また後者の手段では騒音公害となるなど完全な対策手段 とは言えず、この解決策が強く望まれていた。 そこで、本考案は前記要望に応えるべくなされたもので、鳥が嫌う忌避色に発 光する羽根を自在に回転するようにして光と動きの複合作用により恐怖心を抱か せ、これにより鳥を寄せ付けないようにした鳥害防止器を提供することを目的と するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために本考案に係わる鳥害防止器は、基台に鳥が嫌う忌 避色に発光する羽根を回転自在に装着した構成からなる。このように鳥が嫌う忌 避色に発光する羽根を自在に回転させることにより鳥が嫌う光と威嚇する動きと の複合作用が働き恐怖心を抱かせ、これにより鳥を寄せ付けないようにすること ができる。忌避色としてはカラスの場合赤色に発光させるが、他の鳥によっては それに相応した色を選択する。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係わる鳥害防止器の実施の形態を図面に基づき説明する。図１ は鳥害防止器の斜視図、図２は一部を断面にして示す側面図である。図において 、１は基台、２は該基台１に回転自在に装着される羽根である。前記基台１は座 板３と支持部材４とからなる。座板３は方形状の薄板からなり略中央部に２個の 螺子孔５が開設され四隅部にはそれぞれ取付孔６が開設されている。また、支持 部材４は、図２に示すように互いに逆向きの上水平部４ａと下水平部４ｂ及びこ れらの端部と連なる垂直部４ｃからなる側面クランク状をなし、下水平部４ｂに 前記螺子孔５と連通する螺子挿通孔７が開設されている。そして、螺子挿通孔７ を介して螺子孔５に螺子８を螺締めすることにより座板３に支持部材４が一体に 組みつけられる。

【０００６】 前記羽根２は、横長平板状の一対の羽根部２ａを互いに直交させ重ねて一体に 形成されており、各羽根部２ａの両端部であって対角線位置となる一側縁に互い に折り曲げ方向を逆にした風受け片９が設けられている。また、羽根２の交差部 にはベアリング１０が設けられている。そして、該ベアリング１０の軸孔１１に 前記上水平部４ａ先端の軸１２を嵌合し、更に軸１２に抜止めピン１３を取着し て羽根２が回転自在に装着される。該羽根２は風が前・後いずれの方向から当た っても回転できるように風受け片９が設けられている。また、前記ベアリング１ ０は、防塵性、防水性に優れ、グリース漏れも防止できる構造になっている。

【０００７】 しかして、本考案は、前記羽根２が鳥、特にカラスが嫌う忌避色である赤色に 発光するように蓄光顔料または自発光顔料といった蓄光材を混入した合成樹脂に より形成されている。カラスの習性から光る物や動きのある物に対しては恐怖心 を抱くことが知られているからである。蓄光材は鳥の種類によってそれに対応す るように種類を変えるようにする。また、蓄光材をシート状にして羽根の表面に 貼着するようにしてもよい。

【０００８】 本考案に係わる鳥害防止器Ａは上記構成よりなり、次に使用例を説明する。図 ３は送電線用の鉄塔の一部を示し、図中Ｓは鉄塔Ｔの支柱であり、複数のアング ルｓが組みつけられている。また、支柱Ｓの外側にアームＣが突設され、該アー ムＣに送電線Ｗが支持されている。そこで、通常、水平かつ方形状に枠組みされ たアングルｓの角部がカラスが飛来し営巣し易い場所であるため、その近くのア ングルｓの上面に風向きを考慮して複数の鳥害防止器Ａを設置する。各鳥害防止 器ＡはアームＣにボルト孔(図示せず。)を開設し、取付孔６を介してボルト孔に ボルト１４を螺締めすることにより固定される。

【０００９】 このように取り付けられた各鳥害防止器Ａは、羽根２が風により回転するも羽 根２が昼・夜を問わず眩しく光り輝きカラスが嫌う忌避色に発光することになる 。このように鳥が嫌う忌避色に発光する羽根を自在に回転させることにより鳥が 嫌う光と威嚇する動きとの複合作用が働き強い恐怖心を抱かせることができる。 これにより鳥を寄せ付けないようにすることが可能となる。

【００１０】 なお、本考案に係わる鳥害防止器は、送電線用の鉄塔に限らず、配電線用の鉄 塔、または電柱、ビルなどカラスなどの鳥が営巣し易い場所であればどこでも設 置することができること勿論である。

【００１１】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係わる鳥害防止器は、基台に鳥が嫌う忌避色に発光 する羽根を回転自在に装着した構成からなるので、羽根が忌避色に発光しかつ鳥 を威嚇するように回転してこれらが複合的に作用することとなり、これにより鳥 に強い恐怖心を抱かせることができ、鳥を寄せ付けないようにすることが可能と なる。そこで、送電・配電線用鉄塔などに鳥害防止器を取り付けることにより、 カラスなどの営巣による短絡事故を防止することができる。 また、羽根の回転による騒音もなく安定して長期にわたり使用することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる鳥害防止器の斜視図。

【図２】同一部を断面にして示す側面図。

【図３】同使用状態を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 羽根 Ａ 鳥害防止器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台に鳥が嫌う忌避色に発光する羽根を
   回転自在に装着したことを特徴とする鳥害防止器。