JP2012102525A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】障子3を閉鎖した際に突出位置(第1位置)に移動した移動部14と受け体12との間に作用する磁力によって障子3の閉鎖状態が維持され、障子3を開放すると、移動部14が磁力によって吸引部15に向かって没入位置(第2位置)に移動することで、ばねを用いたラッチ装置などと比較して小さな操作力で障子3を開放することができるとともに、移動部14の移動に伴う音の発生も抑制することができ、利便性を高めることができる。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載のラッチ装置は、引戸の戸先に設けられる本体と、枠体に設けられる受体とを備え、本体は、ケースと、このケースから突没自在に設けられた磁石と、この磁石を没入側に付勢するコイルばねとを有して構成されている。このようなラッチ装置では、引戸を閉じて戸先が枠に接近すると、受体に吸引された磁石がコイルばねの付勢力に抗してケースから突出し、この磁石と受体とが互いに吸着することによって、引戸の閉鎖状態が維持されるようになっている。
このような構成によれば、面材を閉鎖した際に第1位置に移動した移動部が突出することで、枠体と面材との適宜なクリアランスを確保しつつ、他方の受け体に移動部を接近させて吸引力を確実に発揮させることができる。一方、面材を開放した際に第2位置に移動した移動部が没入することで、移動部が邪魔になることなく出入りなどができ、利便性をさらに向上させることができる。
このような構成によれば、移動部と受け体とを吸着させることで、互いの間に作用する磁力を必要以上に大きくしなくても最大の吸引力を得ることができ、面材の閉鎖状態を確実に維持させることができる。また、突出させた移動部を受け体に当接させて互いに吸着させることで、移動部が支持部から突出する移動量として、面材と枠体との対向部分のクリアランスよりも若干大きな移動量に設定しておくことで、面材の建て込み位置などによってクリアランスが多少変動した場合であっても、確実に移動部を受け体に吸着させて面材の閉鎖状態を維持することができる。
このような構成によれば、当接面を開閉方向と平行に設けることで、当接面同士が面内で摺接するせん断方向に面材を開放することとなり、面直交方向に引っ張る場合と比較して開放に要する操作力を確実に小さくすることができる。一方、開放方向に向かって当接面同士が傾斜を有して設けられていれば、開放に要する操作力をさらに小さくしたり、逆に開放方向に向かって若干の抵抗力を付与して面材の閉鎖状態を維持しやすくしたりなど、開放や閉鎖の状態を適宜に調節することができる。
このような構成によれば、移動部と受け体とを直接吸着させないことで、面材を閉じる際の音の発生もなくすことができ、利便性をさらに向上させることができる。
このような構成によれば、位置調整手段によって移動部の第1位置を調整することで、受け体との吸引力を適宜に調整することができ、面材の建て込み調整などを行った場合でも吸引力を適正に確保することによって、面材の閉鎖状態を確実に維持させることができる。また、移動部と受け体とを直接吸着させない場合においては、その隙間寸法を適宜に調整することで、音の発生を防止しつつ吸引力を確保することができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1〜図3において、本実施形態に係る建具である浴室出入り口用のドア1は、図示しない浴室壁や床等に固定される枠体としての建具枠2と、この建具枠2に開閉自在に支持される面材としての障子3とを備えて構成されている。建具枠2は、図示しない上枠および下枠と左右の縦枠4とを有して構成されている。障子3は、図示しない上框および下框と左右の縦框5,6とを框組みした内部にパネル材7を嵌め込んで構成されている。障子3は、図1の左側である吊元側の縦框5の上下端部がピボットヒンジ8を介して上枠および下枠に回動自在に支持され、図1の右側である戸先側の縦框6が浴室側に開くように支持されている。このドア1には、閉じた障子3の閉鎖状態を維持する閉鎖維持装置10が設けられている。
次に、本発明の第2実施形態に係るドア1Aについて、図6および図7を参照して説明する。本実施形態のドア1Aは、前記第1実施形態と比較して閉鎖維持装置の構成が相違するものの、その他の構成は略同様であるため、以下、相違点を詳しく説明する。
ドア1Aに設けられる閉鎖維持装置10Aは、障子3における戸先側の縦框6内部に設けられる装置本体11Aと、縦枠4の見込み面41に設けられる受け体12Aとを有して構成されている。装置本体11Aは、縦框6内部に固定される支持部13Aと、支持部13Aの内部に縦框6の見付け方向に左右移動自在に支持される移動部14Aと、縦框6の見付け方向内部側(パネル材7側)に設けられる吸引部15Aとを有して構成されている。支持部13Aは、見付け方向左右に延びて移動部14Aを案内する案内部132を有し、移動部14Aは、磁石で構成されている。受け体12Aは、見込み面41に固定されるカバー121と、カバー121内部に設けられて移動部14Aを磁力で吸引可能な吸引体122とを有して構成されている。
例えば、前記実施形態においては、浴室出入り口用のドア1,1Aを例示して説明したが、本発明の建具としては、浴室出入り口用のドア1に限らず、部屋の入口などに設けられるドアであってもよいし、窓であってもよい。また、前記実施形態では、面材である障子3が回動開閉可能に設けられたドアを例示したが、面材の開閉形式としては、引戸などのようにスライド開閉可能なものでもよいし、折れ戸などのようにスライドかつ回動開閉可能なものであってもよい。ここで、建具が折れ戸の場合には、互いに折れ曲がり自在に連結される一対の障子の連結部と枠体との対向位置に閉鎖維持装置が設けられていればよく、具体的には、連結部の上下端部(または上下いずれかの端部)に装置本体(または受け体)を設けるとともに、枠体の上枠および下枠(または上枠および下枠のいずれか)に受け体(または装置本体)が設けられていればよい。また、本発明の建具が開き戸や引戸である場合でも、枠体における上枠および下枠の少なくとも一方に閉鎖維持装置の装置本体または受け体が設けられ、面材(障子)の戸先側上下端部の少なくとも一方に受け体または装置本体が設けられていてもよいし、これらと縦枠および縦框の装置本体および受け体を併用してもよい。
また、前記実施形態の閉鎖維持装置10,10Aでは、移動部14,14Aに磁石(磁着体)が設けられるとともに吸引部15,15Aと受け体12,12Aとに被磁着体が設けられていたが、これに限らず、吸引部と受け体とに磁石等の磁着体が設けられるとともに移動部に被磁着体が設けられていてもよい。
また、前記実施形態の閉鎖維持装置10,10Aでは、装置本体11,11Aにおける移動部14,14Aが面材の開閉方向(枠体近傍の開閉方向であり、見込み方向)と直交する方向(縦框6の見付け方向)に移動自在に設けられるとともに、面材の開放時に受け体12,12Aに対してせん断方向に移動するように構成されていたが、これに限らず、面材の開閉方向に沿った方向に移動部が移動自在に設けられていてもよいし、面材の開閉方向とは無関係な方向に移動自在に設けられていてもよい。
また、前記実施形態の閉鎖維持装置10,10Aにおいて、装置本体11,11Aおよび受け体12,12Aの一方に他方を係止する係止手段を設けてもよく、この係止手段としては、例えば、受け体の12,12Aの浴室側端部に所定の掛かり代を有した突起状の引掛り部を設け、面材の閉鎖状態において引掛り部で移動部14,14Aを引っ掛けるような構成が例示できる。このような係止手段を設けることで、面材が勢いよく閉鎖された場合であっても、面材の跳ね返りを防止して閉鎖状態とすることができ、また閉鎖状態の面材が不意に開放してしまうことが防止できる。また、係止手段としては、例えば、スポンジなどの弾性部材を受け体の12,12Aの表面に取り付け、面材の閉鎖状態において弾性部材を移動部14,14Aに当接させることで摩擦抵抗を付与するものであってもよい。
施錠装置20は、障子3の縦框6に設けられる装置本体21と、縦枠4の見込み面41に設けられる錠受け(受け体)22と、装置本体21を操作する操作部27とを備えて構成されている。装置本体21は、縦框6に固定される支持部23と、この支持部23に移動自在に支持される移動部24と、この移動部24を磁力で吸引する吸引部25とを有して構成されている。
また、施錠装置20の操作部27としては、磁石273の反発力によって移動部24を突出させるものに限らず、磁石273の吸引力によって移動部24を突出させ、磁石273の反発力によって移動部24を没入させるように構成されていてもよい。
また、施錠装置20において、縦枠4の側に移動部24の磁石243を吸引可能な他の磁石を設けてもよく、これにより施錠状態を安定して維持させることができる。この場合でも、縦枠4側の磁石による吸引力よりも大きな反発力(または吸引力)で移動部24を没入させるようにすれば、緊急時に障子3を開放することができる。
また、施錠装置20において、移動部24の磁石242と操作部27磁石273とのS極およびN極は、前述のものと逆向きに配置されていてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 枠体と、この枠体に開閉自在に支持される面材と、この面材の閉鎖状態を維持する閉鎖維持装置とを備えた建具であって、
前記閉鎖維持装置は、前記面材および前記枠体の一方に設けられる装置本体と、他方に設けられる受け体とを備えて構成され、
前記装置本体は、前記面材および前記枠体の一方に固定される支持部と、この支持部に移動自在に支持される移動部と、前記移動部を磁力で吸引する吸引部とを有し、前記受け体は、前記吸引部と反対方向かつ当該吸引部による吸引力よりも大きな磁力で前記移動部を吸引可能に構成され、
前記面材の閉鎖状態において、前記受け体に吸引されて第1位置に移動した前記移動部と当該受け体との間に作用する磁力によって当該面材の閉鎖状態が維持され、前記面材の開放状態において、前記受け体から離隔された前記移動部が前記吸引部に向かって第2位置に移動可能に構成されている建具。 - 前記第1位置に移動した前記移動部が前記面材および前記枠体の一方から他方に向かって突出可能に構成され、前記第2位置に移動した前記移動部が前記面材および前記枠体の一方に没入可能に構成されている請求項1に記載の建具。
- 前記第1位置に移動した前記移動部が前記受け体に当接して吸着可能に構成されている請求項2に記載の建具。
- 前記移動部と前記受け体とは、それぞれ互いに当接可能な当接面を有して構成され、前記当接面は、前記枠体近傍における前記面材の開閉方向に平行に設けられるか、または開放方向に向かって傾斜を有して設けられている請求項3に記載の建具。
- 前記第1位置に移動した前記移動部が前記受け体と隙間を介して対向可能に構成されている請求項2に記載の建具。
- 前記装置本体には、前記移動部の第1位置を調整可能な位置調整手段が設けられている請求項1から請求項5のいずれかに記載の建具。
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