JP6031070B2 - ドア装置 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉するドアを備えたドア装置に関し、特に、ドアが閉じ位置又は開き位置の一方から他方に移動するときにその移動の終わり近くでドアを付勢しながらゆっくりと停止状態に引き込んで保持する引込み機構を備えたものに関する。
従来、この種の引込み機構を備えたドア装置は一般に知られている。例えば特許文献1に示されるものでは、上枠に固定されて吊り戸(引戸)をスライド移動可能に吊下げ支持するガイドレール内に引込み機構が設けられている。この引込み機構は、吊り戸の移動方向に延びるケース内の両端部に摺動可能に支持された取付部材と、この各取付部材に水平方向の軸回りに揺動可能に支持されたフック部材と、両フック部材同士を互いに近付く方向に付勢する引張ばねからなる引込みばねと、両フック部材間に連結されたエアダンパからなる緩衝機構とを備え、常時は両フック部材がそれぞれケースの切欠きスリットに係止されて両フック部材間で引込みばねが付勢された状態としておき、吊り戸が例えば開き位置(又は閉じ位置)から閉じ位置(又は開き位置)に移動したとき、その閉じ位置近くで前側のフック部材がガイドレールの固定突起に係合して切欠きスリットとの係止が解除されることで、引込みばねの付勢力が吊り戸とガイドレールとの間に作用するようにして吊り戸を閉じ方向(開き方向)に付勢しかつ緩衝機構によってその移動を減衰させるようにしている。
また、この他、特許文献2や特許文献3にも、別の構造ではあるが同様の引き戸用の引込み機構が示されている。引用文献4には、丁番によって支持された揺動ドアに対し同様の引込み機構が示されている。
特許第4852569号 特開2003−27828号公報 特開2013−170415号公報 特開2009−203651号公報
ところで、これら従来のものでは、いずれもドアが例えば開き位置から閉じ位置に移動するときにばね(引込み付勢手段)の付勢力によってドアを付勢して閉じ位置に引き込むようにしているので、そのドアを閉じ位置に引き込んで完全に保持するためには、緩衝機構の減衰力を上回る大きさでかつ閉じ位置でもドアを閉じ方向に一定以上の付勢力で付勢できる程度の大きさのばね力を持つばねが必要である。
しかし、その場合、ドアが閉じ動作するときはスムーズに閉じるようになるものの、逆にドアを開くときには、ばね力に抗してドアを開くこととなり、ばね力が大きくなればドアの開き操作に大きな力を要し、高齢者や子供等にとって大きな負担になって使い勝手が悪くなるという問題があった。ばね力を小さくすれば、開き操作力は小さくなるが、ドアを閉じ位置に安定して保持することが困難になる。
尚、ドアが閉じ位置から開き位置に移動するときにばねの付勢力によってドアを付勢して開き位置に引き込むようにしている場合も、ドアの閉じ操作に大きな力を要するという同様の問題が生じる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、ドアを閉じ位置又は開き位置に引き込んで保持するための新規な機構を設けることにより、ドアを閉じ位置又は開き位置に完全に保持できるようにしつつ、そのドアを付勢するための引込み付勢手段の付勢力を小さくして、ドアを逆方向に操作する際の操作力を低減しようとすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、磁石の吸引磁力を利用し、ドアを閉じ位置又は開き位置に付勢する引込み付勢手段の付勢力を小さくした上で、磁石の吸引磁力によってドアを閉じ位置又は開き位置に引き込んで保持するようにした。
具体的には、第1の発明のドア装置は、開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、このドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、この引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構と、磁石の吸引磁力によって上記ドアを停止位置に引き込んで保持する保持機構とを備えている。そして、この保持機構は、ドア開口部側及びドア側にそれぞれ設けられた磁石と、一方の磁石において他方の磁石側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように磁極の対向状態を切り換える磁極切換機構とを備えており、この磁極切換機構は、ドアが停止位置に保持されるときには、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換えることで、異なる磁極間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換えることで、同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とする。
第2の発明は、開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、このドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、この引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構とを備えたドア装置において、上記引込み付勢手段のみではドアが停止位置に不完全に保持されるようになっており、その停止位置に不完全に保持されているドアを磁石の吸引磁力によって停止位置に完全に引き込んで保持する保持機構を備えている。そして、この保持機構は、ドア開口部側及びドア側にそれぞれ設けられた磁石と、一方の磁石において他方の磁石側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように磁極の対向状態を切り換える磁極切換機構とを備えており、この磁極切換機構は、ドアが停止位置に保持されるときには、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換えることで、異なる磁極間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換えることで、同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とする。
第3の発明のドア装置は、開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、このドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、この引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構と、磁石の吸引磁力によって上記ドアを停止位置に引き込んで保持する保持機構とを備えている。そして、この保持機構は、ドア側に設けられたドア側磁石と、ドア開口部側に設けられた磁性部材又は開口部側磁石と、これらドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入される挿入位置、及びドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入されない非挿入位置の間を移動可能に設けられ、挿入位置ではドア側磁石における磁性部材側又は開口部側磁石側の対向磁極に該対向磁極と同じ磁極を対向させる挿入磁石とを備えており、ドアが停止位置に保持されるときには、挿入磁石が非挿入位置に切り換わることで、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して挿入磁石が挿入位置に切り換わることで、その挿入磁石とドア側磁石との同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とする。
第4の発明は、開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、このドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、この引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構とを備えたドア装置において、上記引込み付勢手段のみではドアが停止位置に不完全に保持されるようになっており、その停止位置に不完全に保持されているドアを磁石の吸引磁力によって停止位置に完全に引き込んで保持する保持機構を備えている。そして、この保持機構は、ドア側に設けられたドア側磁石と、ドア開口部側に設けられた磁性部材又は開口部側磁石と、これらドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入される挿入位置、及びドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入されない非挿入位置の間を移動可能に設けられ、挿入位置ではドア側磁石における磁性部材側又は開口部側磁石側の対向磁極に該対向磁極と同じ磁極を対向させる挿入磁石とを備えており、ドアが停止位置に保持されるときには、挿入磁石が非挿入位置に切り換わることで、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して挿入磁石が挿入位置に切り換わることで、その挿入磁石とドア側磁石との同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とする。
の発明は、第1の発明のいずれか1つにおいて、ドアを停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させるときに引込み付勢手段の付勢力に抗して移動させるように構成されていることを特徴とする。
これらの発明では、ドアが移動開始位置から停止位置に移動するとき、その停止位置近くで引込み付勢手段が作用し、引込み付勢手段の付勢力によってドアが付勢されて自動的に停止位置に引き込まれるとともに、その移動が緩衝機構の減衰作用によって減速され、このことによってドアは停止位置にゆっくりと移動して引き込まれる。そして、その引込み付勢手段の付勢力が小さいと、引込み付勢手段のみではドアが停止位置に完全に保持されないことになるが、その場合にも保持機構が磁石の吸引磁力によってドアを吸引して停止位置に完全に保持する。このように、引込み付勢手段の付勢力が小さくても、ドアが停止位置に完全に安定して保持されるようになることで、その引込み付勢手段の付勢力が小さくなった分、ドアを停止位置から移動開始位置に向けて引込み付勢手段の付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力が小さくて済み、よってドア装置の使い勝手を良好にすることができる。
特に、第1及び第2の発明では、ドアが停止位置に保持されたときに、磁極切換機構により、ドア開口部側及びドア側にそれぞれ設けられている磁石のうちの一方の磁石の他方の磁石側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換えられ、この異なる磁極間の吸引磁力によってドアが閉じ位置に完全に保持される。そして、この状態から、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始する際、その移動に連動して、磁極切換機構により、一方の磁石の対向磁極が該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換えられる。このことで、同じ磁極間に反発磁力が生じ、この反発磁力によってドアが引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に逆方向に押し出される。この押出力により、ドアを停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させる際の操作力がアシストされるようになり、その操作力をさらに小さくすることができる。
また、特に、第3及び第4の発明では、ドアが停止位置に保持されたときに、挿入磁石は非挿入位置に位置して、ドア側磁石はドア開口部側の磁性部材又は開口部側磁石に挿入磁石を介在することなく直接対向し、このドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間の吸引磁力によってドアが閉じ位置に完全に保持される。そして、この状態から、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始する際、その移動に連動して、挿入磁石が挿入位置に移動してドア側磁石とドア開口部側の磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入され、挿入磁石の磁極とドア側磁石の対向磁極とが同じ磁極で対向するように切り換えられる。この同じ磁極間の反発磁力によってドアが引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に逆方向に押し出され、この押出力により、ドアを停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させる際の操作力がアシストされ、その操作力をさらに小さくすることができる。
の発明は、第1〜第の発明のいずれか1つにおいて、保持機構は、磁石と磁性部材との間又は両磁石間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持するように構成されており、上記ドアが停止位置に完全に保持されたときに、磁石と磁性部材とは又は両磁石は互いに当接せずに離隔していることを特徴とする。
この第の発明では、保持機構によりドアが停止位置にあるとき、その保持機構における磁と磁性部材又は磁石との間の吸引磁力によりドアが閉じ位置に完全に保持される。そのとき、磁石と磁性部材とは又は磁石同士は互いに当接せずに離隔しているので、ドアが停止位置に完全に保持される際に磁石と磁性部材又は磁石とが衝突しないようになり、その衝突に起因する異音(衝突音)の発生を防いで違和感をなくすことができる
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれか1つにおいて、上記保持機構は、引込み付勢手段及び緩衝機構を有するドア装置に後付けされたものであることを特徴とする。
この第7の発明では、磁石を備えた保持機構が、引込み付勢手段及び緩衝機構を有する既存のドア装置に後付けされるので、その既存のドア装置のドアの操作力が引込み付勢手段の付勢力によって大きい場合に、その引込み付勢手段の付勢力を小さくし、それに合わせて緩衝機構の減衰力も調整した上で、保持機構を追加すればよく、ドアを停止位置に完全に安定して保持しながら、ドアを停止位置から移動開始位置に向けて移動させるときの操作力を小さくでき、既存のドア装置の使い勝手の向上を図ることができる。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれか1つにおいて、ドアは、ドア開口部に沿って移動する引戸もしくは吊り戸、又は丁番によってドア開口部周縁に揺動可能に支持された揺動ドアであることを特徴とする。
この第8の発明では、引戸、吊り戸、又は揺動ドアを移動開始位置から停止位置に付勢する引込み付勢手段の付勢力が小さくても、ドアが停止位置に完全に安定して保持されるようになり、ドアを停止位置から移動開始位置に向けて引込み付勢手段の付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力が小さくて済み、ドア装置の使い勝手を良好にすることができる。
以上説明したように、本発明によると、磁石の吸引磁力によってドアを停止位置に引き込んで保持する保持機構を設けたことにより、ドアを移動開始位置から停止位置に付勢する引込み付勢手段の付勢力が小さくても、ドアが停止位置に完全に安定して保持されるようになり、ドアを停止位置から移動開始位置に向けて引込み付勢手段の付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力を小さくしてドア装置の使い勝手の向上を図ることができる。また、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始する際、その移動に連動して、同じ磁極間に生じた反発磁力によってドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して押し出して、ドアを停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させる際の操作力をアシストすることができ、その操作力をさらに小さくすることができる。
特に、第の発明によると、ドアが停止位置に完全に保持されたときに、磁石と磁性部材又は磁石とが互いに当接せずに離隔するようにしたことにより、ドアが停止位置に完全に保持される際に磁石と磁性部材又は磁石との衝突に起因する異音の発生を防いで違和感をなくすことができる
図1は、参考形態に係るドア装置としての吊り戸装置を概略的に示す正面図である。 図2は、ドア装置のドアが閉じ位置に引き込まれる状態を示す図1相当図である。 図3は、保持機構を示す斜視図である。 図4は、ドアの閉じ位置からの距離と閉じ位置への引込み力との関係を示す図である。 図5は、保持機構の変形例を拡大して示す正面図である。 図6は、本発明の実施形態において、磁極の対向状態を切り換える構成の例を模式的に示す説明図である。 図7は、実施例においてドアの閉じ位置からの距離と開き操作力との関係を試験したときの結果を示す表である。 図8は、実施例においてドアの閉じ位置からの距離と開き操作力との関係を試験したときの結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の参考形態及び実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(参考形態)
図1及び図2は参考形態に係るドア装置としての吊り戸装置Dを概略的に示し、1は建物の開口周縁部に施工されたドア枠であって、このドア枠1は戸先側及び戸尻側の左右縦枠2,3と、両縦枠2,3の上端部間に架け渡されて固定された上枠4とを有する。上枠4の左右中央部とその真下の床部Fとの間には前後1対の方立5,5(前側のみを示す)が立設され、この両方立5,5と戸尻側縦枠2の前後両側部との間にはそれぞれ前後1対の側壁パネル6,6(前側のみを示す)が張り渡されており、この両側壁パネル6,6間に、方立5,5間を後述のドア9の出入口とするドア収納部(戸袋)が形成され、ドア枠1の戸先側縦枠2と上枠4と方立5と床部Fとが囲む部分にドア開口部7が形成されている。
ドア枠1の上枠4下面には、上枠4の長さ方向に延びる凹溝(図示せず)が形成され、その凹溝内には上吊りレール10が固定されている。この上吊りレール10には上記ドア開口部7を開閉するドア9(吊り戸)が開き位置及び閉じ位置の間を左右方向にスライド移動可能に吊下げ支持されており、このドア9が図で右端の開き位置に移動してドア収納部内に収納されたときにドア開口部7が開かれる一方、図で左端の閉じ位置に移動してドア収納部から突出したときにはドア開口部7が閉じられるようになっている。9aはドア9の戸先側に取り付けられた引手である。
上記上吊りレール10内には、その内部をガイドローラ(図示せず)の転動により移動してドア9をスライド移動させる左右(戸先側及び戸尻側)の吊り車(図示せず)と、この両吊り車に連結され、ドア9が開き位置から閉じ位置に移動するとき、及び逆に閉じ位置から開き位置に移動するときに、その移動終わりの停止位置(閉じ位置又は開き位置)から手前側に所定距離(例えば60mm)離れたトリガ位置でドア9を目的の停止位置にゆっくりと引き込む引込み機構11(図1及び図2で斜線部分にて示す)とが収容されている。
上記引込み機構11は、引込み付勢手段としての引込みばねと、気体や液体等の流体圧を利用した減衰機構とを組み合わせた公知構造のものであり、引込みばね及び減衰機構を備えていればどのようなものでも利用可能であるので、ここでは詳細な説明及び図示は省略する。具体例としては、例えば特開2013−170415号公報、特開2013−167113号公報、或いは特許第4980161号、特許第5384975号、特許第5448730号、特許第5472925号、特許第5480104号等に示されるものを用いることができる。一例として、特開2013−170415号公報に示される引込み機構11を用いた場合について説明すると、この引込み機構11は、図示しないが、ドア9の移動方向に沿って延びるガイド部内の両端部に摺動可能に配置支持された1対のキャッチ部と、これら両キャッチ部同士を互いに近付く方向に付勢する引込みばね(引込み付勢手段)と、両キャッチ部間に連結されたダンパユニット(緩衝機構)とを備えている。そして、常時は両キャッチがそれぞれガイド部に対し、各キャッチのリンクピンがガイド部内側面の切欠きに当接することによって移動不能にロック保持されて、両キャッチ間で引込みばねが付勢された待機状態としておき、ドア9が例えば開き位置(又は閉じ位置)から閉じ位置(又は開き位置)に移動したとき、その移動終わり近くのトリガ位置で移動方向前側のキャッチがその内包ブロックと当接ブロックとの間に上吊りレール10内上面に設けたトリガ用被補足部材を捕捉するとともに、それに伴いリンクピンが当接ブロックの傾斜孔と内包ブロックの上下方向の誘導孔とに誘導されて上昇して、そのガイド部内側面の切欠きとのロック保持が解除されることで、引込みばねの付勢力をドア9と上吊りレール10との間に作用させ、この付勢力によりドア9を閉じ方向(又は開き方向)に付勢するとともに、その移動を緩衝機構によって減衰させて減速し、このことによってドア9が閉じ位置(又は開き位置)にゆっくりと移動して引き込まれるようになっている。本参考形態では、このような引込み機構11を用いることができる。
このとき、上記引込みばねは、ドア9の開き位置及び閉じ位置のうちの一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドア9が移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くのトリガ位置でドア9を該ドア9の移動方向に付勢するものであり、緩衝機構は、ドア9が停止位置に近付くに連れて減速するように引込みばねによるドア9の移動を減衰させるものである。また、ドア9を停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させるときに、上記トリガ位置に達するまでの間は上記引込みばねの付勢力に抗して移動させるように構成されている。
本発明の特徴として、磁石22の吸引磁力によってドア9を停止位置に引き込んで保持する閉じ側及び開き側(戸先側及び戸尻側)の2つの保持機構20,21が設けられている。例えば上記引込みばね(引込み付勢手段)のみではドア9が停止位置に完全に保持されないようになっており、保持機構20,21は、その停止位置に不完全に保持されているドア9を磁石22の吸引磁力によって当該停止位置に完全に引き込んで保持するものである。
具体的には、図3にも示すように、閉じ側保持機構20は、ドア9の戸先側端部である左端部の前面において所定の高さ位置に取付固定された磁石22(永久磁石)と、ドア枠1の戸先側縦枠2内面(右側面)の前側において上記磁石22に対応する高さ位置に取付固定された磁性体からなる磁性部材23(磁性片)とを備えており、ドア9が閉じ位置に移動したときに、ドア9側の磁石22でドア枠1側の磁性部材23を吸引磁力によって吸引することにより、そのドア9を閉じ位置に完全に保持するようにしている。
また、開き側保持機構21は、ドア9の戸尻側端部である右端部の前面において所定の高さ位置に取付固定された磁石22(永久磁石)と、ドア枠1のドア収納部内に位置する戸尻側縦枠3内面(左側面)の前側において上記磁石22に対応する高さ位置に取付固定された磁性部材23とを備え、ドア9が開き位置に移動したときに、ドア9側の磁石22でドア枠1側の磁性部材23を吸引磁力によって吸引することにより、そのドア9を開き位置に完全に保持するようにしている。尚、閉じ側及び開き側保持機構20,21は同じ構造であるので、磁石22及び磁性部材23は同じ符号を付して説明する。
上記磁石22及び磁性部材23の取付位置は特に限定されず、ドア9の停止位置で両者が対向するように取り付ければよい。
ドア9が停止位置に完全に保持されたときに、上記ドア9側の磁石22とドア枠1側の磁性部材23との間で互いに吸引磁力が働く必要があるが、それぞれの対向面同士は互いに当接せずに僅かな間隔を空けて離隔するようにしてもよい。こうすれば、ドア9が停止位置に完全に保持される際に磁石22と磁性部材23とが互いに衝突しないようになり、その衝突に起因する異音(衝突音)の発生を防いで違和感をなくすことができる。
したがって、上記参考形態では、例えばドア9が開き位置(移動開始位置)から閉じ位置(停止位置)に左方向に向かって移動して閉じるとき、その閉じ位置近くのトリガ位置(閉じ位置から60mm離れた位置)で引込み機構11の引込みばねが作用し、その付勢力によってドア9が閉じ方向に付勢されて閉じ位置に自動的に引き込まれるとともに、その移動が緩衝機構の減衰作用によって減速され、このことによってドア9は閉じ位置にゆっくりと移動して引き込まれる。一方、この閉じ位置を移動開始位置としてドア9が閉じ位置から開き位置(停止位置)に右方向に向かって移動して開くときにも、その開き位置近くのトリガ位置(開き位置から60mm離れた位置)で引込み機構11の引込みばねが作用し、その付勢力によってドア9が開き方向に付勢されて開き位置に自動的に移動するとともに、その移動が緩衝機構の減衰作用によって減速され、ドア9は開き位置にゆっくりと移動して引き込まれる。
また、ドア9を閉じ位置又は開き位置(いずれも停止位置)からそれぞれ元の開き位置又は閉じ位置(同移動開始位置)に逆方向に移動させるときに引込みばねの付勢力に抗して移動させる。
このとき、図4に破線にて示すように、上記引込みばねのばね力である付勢力が大きいと、ドア9が閉じ位置又は開き位置(停止位置)から例えば60mmから離れたトリガ位置までの範囲の引込み力は大きいので、同様に例えば10mmから離れた位置までの範囲の引込み力も大きくなり、閉じ位置又は開き位置に完全に保持することができるが、ドア9を閉じ位置又は開き位置(停止位置)からそれぞれ開き位置又は閉じ位置(移動開始位置)に向けて引込みばねの付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力は大きくなり、ドア9がトリガ位置に向かうのに比例して増大する。
これに対し、図4に一点鎖線で示すように、引込みばねのばね力である付勢力が小さいと、上記ドア9を閉じ位置又は開き位置(停止位置)からそれぞれ開き位置又は閉じ位置(移動開始位置)に向けて移動させるときの操作力は小さくなるものの、引込みばねのみではドア9が閉じ位置又は開き位置(停止位置)から10mmから離れた位置までの範囲の引込み力も下がるので、その閉じ位置又は開き位置に完全に保持されないことになる。
しかし、本参考形態では、図4に実線にて示すように、その場合にもドア9が閉じ位置又は開き位置に至る近傍でそれぞれ閉じ側及び開き側保持機構20,21の磁石22と磁性部材23との間で吸引磁力が働き、この吸引磁力によってドア9の引込み力が大に確保され、ドア9が吸引されて閉じ位置又は開き位置に完全に保持される。
すなわち、このように、引込みばねの付勢力が小さくても、保持機構20,21の磁石22,22による吸引磁力によりドア9が閉じ位置又は開き位置に完全に安定して保持されるようになるので、その引込みばねの付勢力が小さくなった分だけ、ドア9を閉じ位置又は開き位置(停止位置)からそれぞれ開き位置又は閉じ位置(移動開始位置)に向けて引込みばねの付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力が小さくて済む。このことによって吊り戸装置D(ドア装置)の使い勝手を良好にすることができる。
尚、図4では、ドア9を開き位置又は閉じ位置(移動開始位置)からそれぞれ閉じ位置又は開き位置(停止位置)まで移動させる際にそのドア9の移動のための荷重を引込み力として表している。
上記の引込み付勢手段としての引込みばねと、流体圧を利用した減衰機構とを組み合わせた引込み機構11が既に設けられている既存の吊り戸装置D(ドア装置)があり、その引込みばねの付勢力が大きいことが原因で、ドア9を閉じ位置又は開き位置(停止位置)からそれぞれ開き位置又は閉じ位置(移動開始位置)に向けて引込みばねの付勢力に抗して逆方向に移動させるときの操作力が大きい場合に、その吊り戸装置Dに対し上記閉じ側及び開き側保持機構20,21を後付けすることもできる。こうして、引込みばねび緩衝機構を組み合わせた引込み機構11を有する既存の吊り戸装置Dのドア9の操作力が大きい場合でも、その引込みばねの付勢力を小さくし、かつそれに合わせて緩衝機構の減衰力も調整し、その上で、保持機構20,21を後付けで追加すれば、既存の吊り戸装置D(ドア装置)についても、ドア9を停止位置に完全に安定して保持しながら、ドア9を停止位置から移動開始位置に向けて移動させるときの操作力を小さくでき、その使い勝手を向上させることができる。
(他の参考形態
上記参考形態では、ドア9の戸先側及び戸尻側端部の前面に磁石22,22を、またドア枠1の戸先側縦枠2及び戸尻側縦枠3の各内面の前側に磁性部材23,23をそれぞれ取り付けているが、他の位置に取り付けることもできる。例えば図5に示す例では、上吊りレール10の内部を移動してドア9をスライド移動させる戸先側及び戸尻側の吊り車12,12において、その各々の転動ローラ12bを回転可能に支持するベース12aの先端に磁性部材23が取り付けられている。上吊りレール10内の戸先側及び戸尻側端部にはそれぞれ磁石22,22が取り付けられている(図5は戸先側のみを示している)。この磁石22は、図5で矢印にて示すように左右方向の位置、つまりドア9側の磁性部材23に対する対向位置を例えばねじ等によって調整可能に取り付けられており、この位置調整によってドア9の停止位置(閉じ位置又は開き位置)での吸引磁力を調整できるようにしている。図5中、12cは吊り車12にドア9を吊り下げて取り付ける吊り下げ部である。
尚、図1及び図2に示す上記参考形態においても、ドア枠1の磁石22を同様にして位置調整可能としてもよいのは勿論である。
上記保持機構20,21としては、上記のようにドア9側に磁石22を、またドア枠1側に磁性部材23をそれぞれ取付固定するものに代え、逆にドア枠1側に磁石22を、またドア9側に磁性部材23をそれぞれ取付固定したものを用いることもできる。
また、ドア9側及びドア枠1側の双方にそれぞれ磁石22,22を取付固定するようにすることもできる。その場合、両磁石22,22はドア9の停止位置で各々の異なる磁極が対向するように取付固定して、両磁石22,22間の異磁極の吸引磁力によりドア9を停止位置に完全に保持するように構成する必要がある。
(実施形態)
また、そのようにドア9側及びドア枠1側の双方に磁石22,22を取り付ける場合に、一方の磁石22において他方の磁石22と対向する部分の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように磁極の対向状態を切り換える磁極切換機構を設け、ドア9が停止位置に保持されるときには、一方の磁石22の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換え、それら異なる磁極間の吸引磁力によりドア9を停止位置に保持する一方、ドア9が停止位置から移動開始位置に移動する際に、そのドア9の移動に連動して、一方の磁石22の対向磁極が該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換え、同じ磁極間の反発磁力によりドア9を引込みばねの付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に向けて押し出すようにしてもよい。
図6は上記磁極の対向状態の切換えを例示しており、例えば図6(a)に示すように、一方の磁石22(図6(a)左側のもの)を左右水平方向の軸心回りに揺動可能にし、その他方の磁石22との対向部に位置する対向磁極として互いに異なる2種類の磁極を形成しておき、常時は図6(a)の左側部に示すように、ばね等の復元手段(図示せず)により一方の磁石22の対向磁極が他方の磁石22の磁極と異なるようにして、両磁極間の吸引磁力によりドア9を停止位置に保持する一方、ドア9が停止位置から逆方向に移動するときには、そのドア9の動きをリンク機構、ワイヤ機構、ギヤ機構、電気システム(ドア9の移動を検知するスイッチやセンサと、磁石22を移動させる電動アクチュエータとを組み合わせたもの)等の連動機構(図示せず)によって一方の磁石22に伝達して、図6(a)の右側部に示すように、その一方の磁石22を復元手段の付勢力及び両磁石22,22間の吸引磁力に抗して回動させ、その対向磁極が他方の磁石22の磁極と同じとなるようにして、両磁極間の反発磁力によりドア9を引込みばねの付勢力に抗して停止位置から押し出すようにすることができる。その場合、上記復元手段や連動機構により上記磁極切換機構が構成される。
また、この他、ドア9の停止位置で両磁石22,22が互いに当接せずに離隔していることを利用し、図6(b)の左側部に示すように、両磁石22,22が異なる磁極で対向している状態から、図6(b)の右側部に示すように、一方の磁石22(図6(b)左側のもの)を表裏反転させて両磁石22,22が同じ磁極で対向するように切り換えたり、図6(c)の左側部に示すように、両磁石22,22が異なる磁極で対向している状態から、図6(c)の右側部に示すように、両磁石22,22間に別の挿入磁石24を挿入して、その挿入磁石24両側の磁極がそれぞれ両磁石22,22の対向磁極と同じ磁極で対向するようにしたりしてもよく、いずれも上記と同様の作用が得られる。これらの場合、いずれも、一方の磁石22において他方の磁石22側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように両磁石22,22の磁極の対向状態が切り換えられる。また、磁石22を反転させ或いは両磁石22,22間に別の磁石を挿入するためには、両磁石22,22間の間隔をある程度大きくしておく必要がある。
尚、図6中、N,Sは磁極を表している。また、図6(a)〜(c)の各々の左側部はドア9を停止位置に保持するときの磁極対向状態を、また右側部はドア9を停止位置から移動開始位置に操作するときの磁極対向状態をそれぞれ示している。
図6(c)に示す構成において、ドア9側に磁石22を取り付けるが、ドア枠1側には磁石22に代えて磁性部材23を取付固定するようにしてもよい。
すなわち、挿入磁石24は、磁石22及び磁性部材23の間に挿入される挿入位置(図6(c)の右側部に相当する)と、磁石22及び磁性部材23の間に挿入されない非挿入位置(図6(c)の左側部に相当する)との間を移動可能に設けられたものとし、その挿入位置では、磁石22における磁性部材23側の対向磁極に該対向磁極と同じ磁極を対向させる。このことで、ドア9が停止位置に保持されるときには、挿入磁石24が非挿入位置に切り換わることで、磁石22及び磁性部材23間の吸引磁力によりドア9を停止位置に完全に保持する一方、ドア9が停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、ドア9の逆方向の移動に連動して挿入磁石24が挿入位置に切り換わることで、その挿入磁石24と磁石22との同じ磁極間の反発磁力によりドア9を引込みばねの付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すようになっている。
この場合、ドア9が停止位置に保持されたときに、挿入磁石24は非挿入位置に位置し、ドア9側の磁石22はドア枠1側の磁性部材23に挿入磁石24を介在することなく直接対向する。この磁石22と磁性部材23との間の吸引磁力によってドア9が閉じ位置に完全に保持される。この状態から、ドア9が停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始する際、その移動に連動して、挿入磁石24が挿入位置に移動してドア9側の磁石とドア枠1側の磁性部材23との間に挿入され、挿入磁石24の磁極と磁石22の対向磁極とが同じ磁極で対向するように切り換えられる。この同じ磁極間の反発磁力によってドア9が引込みばねの付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に逆方向に押し出される。尚、挿入磁石4が挿入位置にあるときに、その挿入磁石24は磁性部材23に吸引されるが、問題は生じない。
以上のいずれの場合でも、ドア9を停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させる際の操作力がアシストされるようになり、その操作力をさらに小さくすることができる。
尚、上記引込み機構11は、ドア9が開き位置から閉じ位置に移動する閉じ動作と、閉じ位置から開き位置に移動する開き動作とのいずれでも作動するものとしているが、いずれか一方のみ(例えば閉じ動作のみ)に作動するものでもよく、それに応じて閉じ側及び開き側保持機構20,21の一方のみを設けることで、同様の作用効果が期待できる。
また、ドア枠1はなくてもよく、ドア9周りの壁部に磁性部材23を取り付けたり、磁石22を設けたりすればよい。
さらに、ドア9は吊り戸の他、引戸でもよく、さらには丁番によってドア開口部7周縁に揺動可能に支持された揺動ドアであってもよい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。試験体として、引込み機構がドアの閉じ動作のみに作動する吊り戸装置(ドア装置)を施工した。引込み機構の構成は上記参考形態と同じである。吊り戸としてのドアの重さは30kg(本体19kg+錘11kg)であり、幅は1645mm、高さは2045mmである。
(実施例)
上記参考形態と同様に、引込み機構の引込みばねは軽量ドア用でばね力が小さいものとし、ドア側に磁石を、またドア枠の戸先側縦枠に磁性部材をそれぞれ対応して取付固定し、ドアが閉じ位置に磁石と磁性部材との間の吸引磁力によって引き込まれて保持されるようにした。磁石の磁力は最も強い位置で180mTとなるようにした。
(比較例1)
引込み機構の引込みばねは重量ドア用でばね力が大きいものとした。ドア側及びドア枠の戸先側縦枠に磁石や磁性部材は取り付けられておらず、ドアが閉じ位置に引込みばねの付勢力(引込み力)のみによって引き込まれて保持されるようにした。他は実施例と同じである。
(比較例2)
引込み機構の引込みばねは実施例と同様に軽量ドア用でばね力が小さいものとした。比較例1と同様に、ドア側及びドア枠の戸先側縦枠に磁石や磁性部材は取り付けられておらず、ドアが閉じ位置に引込みばねの付勢力(引込み力)のみによって引き込まれて保持されるようにした。他は実施例と同じである。
(試験)
ドアを閉じ位置から10mm、30mm、60mm離れた位置に開くまでに必要な開き操作力を測定し、併せてドアの閉じ位置への引込み不良(ドアが閉じ位置に不完全に保持されている状態)の有無を確認した。その試験の結果を図7に表で、また図8にグラフでそれぞれ示す。
この試験結果を見ると、比較例1では、ドアが閉じ位置から0〜10mmの範囲にあるときの引込み力は大きくてドアの引込み不良は生じていないが、引込みばねの付勢力が大きい分だけドアの開き操作力が大きくなっている。
また、比較例2では、引込みばねの付勢力が小さい分だけドアの開き操作力が小さいが、ドアが閉じ位置から0〜10mmの範囲にあるときの引込み力も小さくなってドアの引込み不良が生じている。
これに対し、図8に破線で囲んだ部分で示すように、ドアが閉じ位置から0〜10mmの範囲にあるときには、実施例は比較例1と同等かそれ以上の引込み力を保持しており、ドアの引込み不良は生じていない。また、ドアの開き操作力も比較例1に比べ最大で20%程度下がっており、その開き操作力が低減している。すなわち、開き操作力の低減と引込み力の増大による引込み不良の防止(停止位置への完全な保持)とを併せ図ることができることが判る。
本発明は、引込み機構が設けられたドア装置のドアを停止位置に完全に保持しつつ、その停止位置から移動開始位置に操作するときの操作力を低減できるので、極めて有用である。
D 吊り戸装置(ドア装置)
7 ドア開口部
9 ドア
11 引込み機構
20 閉じ側保持機構
21 開き側保持機構
22 磁石
23 磁性部材
24 挿入磁石

Claims (8)

  1. 開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、
    上記ドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、
    上記引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構と、
    磁石の吸引磁力によって上記ドアを停止位置に引き込んで保持する保持機構とを備え
    上記保持機構は、ドア開口部側及びドア側にそれぞれ設けられた磁石と、
    一方の磁石において他方の磁石側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように磁極の対向状態を切り換える磁極切換機構とを備えており、
    上記磁極切換機構は、ドアが停止位置に保持されるときには、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換えることで、異なる磁極間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換えることで、同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とするドア装置。
  2. 開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、
    上記ドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、
    上記引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構とを備えたドア装置において、
    上記引込み付勢手段のみではドアが停止位置に不完全に保持されるようになっており、
    上記停止位置に不完全に保持されているドアを磁石の吸引磁力によって停止位置に完全に引き込んで保持する保持機構を備え
    上記保持機構は、ドア開口部側及びドア側にそれぞれ設けられた磁石と、
    一方の磁石において他方の磁石側の対向磁極が該対向磁極と異なる磁極又は同じ磁極と対向するように磁極の対向状態を切り換える磁極切換機構とを備えており、
    上記磁極切換機構は、ドアが停止位置に保持されるときには、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と異なる磁極と対向するように切り換えることで、異なる磁極間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して、一方の磁石の上記対向磁極を該対向磁極と同じ磁極と対向するように切り換えることで、同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とするドア装置。
  3. 開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、
    上記ドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、
    上記引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構と、
    磁石の吸引磁力によって上記ドアを停止位置に引き込んで保持する保持機構とを備え、
    上記保持機構は、ドア側に設けられたドア側磁石と、
    ドア開口部側に設けられた磁性部材又は開口部側磁石と、
    上記ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入される挿入位置と、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入されない非挿入位置との間を移動可能に設けられ、挿入位置ではドア側磁石における磁性部材側又は開口部側磁石側の対向磁極に該対向磁極と同じ磁極を対向させる挿入磁石とを備えており、
    ドアが停止位置に保持されるときには、挿入磁石が非挿入位置に切り換わることで、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して挿入磁石が挿入位置に切り換わることで、該挿入磁石とドア側磁石との同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とするドア装置。
  4. 開き位置及び閉じ位置の間を移動してドア開口部を開閉するドアと、
    上記ドアの開き位置及び閉じ位置のうちの少なくとも一方を移動開始位置とし他方を停止位置として、ドアが移動開始位置から停止位置に移動する際に該停止位置近くでドアを該ドアの移動方向に付勢する引込み付勢手段と、
    上記引込み付勢手段によるドアの移動を減衰させる緩衝機構とを備えたドア装置において、
    上記引込み付勢手段のみではドアが停止位置に不完全に保持されるようになっており、
    上記停止位置に不完全に保持されているドアを磁石の吸引磁力によって停止位置に完全に引き込んで保持する保持機構を備え、
    上記保持機構は、ドア側に設けられたドア側磁石と、
    ドア開口部側に設けられた磁性部材又は開口部側磁石と、
    上記ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入される挿入位置と、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間に挿入されない非挿入位置との間を移動可能に設けられ、挿入位置ではドア側磁石における磁性部材側又は開口部側磁石側の対向磁極に該対向磁極と同じ磁極を対向させる挿入磁石とを備えており、
    ドアが停止位置に保持されるときには、挿入磁石が非挿入位置に切り換わることで、ドア側磁石と磁性部材又は開口部側磁石との間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持する一方、ドアが停止位置から移動開始位置に逆方向に移動開始するときには、該ドアの逆方向の移動に連動して挿入磁石が挿入位置に切り換わることで、該挿入磁石とドア側磁石との同じ磁極間の反発磁力によりドアを引込み付勢手段の付勢力に抗して停止位置から移動開始位置に押し出すように構成されていることを特徴とするドア装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    ドアを停止位置から移動開始位置に逆方向に移動させるときに引込み付勢手段の付勢力に抗して移動させるように構成されていることを特徴とするドア装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1つにおいて、
    保持機構は、磁石と磁性部材との間又は両磁石間の吸引磁力によりドアを停止位置に完全に保持するように構成されており、
    上記ドアが停止位置に完全に保持されたときに、磁石と磁性部材とは又は両磁石は互いに当接せずに離隔していることを特徴とするドア装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つにおいて、
    保持機構は、引込み付勢手段及び緩衝機構を有するドア装置に後付けされたものであることを特徴とするドア装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    ドアは、ドア開口部に沿って移動する引戸もしくは吊り戸、又は丁番によってドア開口部周縁に揺動可能に支持された揺動ドアであることを特徴とするドア装置。
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