JP2012101151A - 発泡抑制機構を有する遠心分離機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 比重の小さい分離液体流を流出させる流出口1dを上端部の外周よりも内側に有する回転容器1と、回転容器1とは別体であり回転容器1の回転中において静止して流出口1dから流出した分離液体流を接触させて回転容器1の上端部の外周よりも内側の領域から外周縁部方向に分離液体流を導くことにより摩擦抵抗で前記分離液体流の流速を減速させると共に、減速した分離液体流を回転容器1の周囲の領域に分散して流出させる減速面を有する静置板3と、静置板3によって回転容器1の周囲の領域に分散して流出した分離液体流が遠心分離機外部に漏れないように回転容器1の外側を包囲する包囲部2を有する遠心分離機。
【選択図】 図1
Description
回転容器は、遠心分離対象の液状体から遠心力により比重の大きい物質と前記物質よりも比重の小さい液体を分離し、比重の小さい分離液体流を流出させる流出口を上端部の外周よりも内側に有する容器である。回転容器は、好ましくは、前記比重の大きい物質を排出する排出口を下端部に有するものにすることができる。
発泡抑制機構は、回転容器とは別体として構成されるものである。したがって、発泡抑制機構は、回転容器が回転中であっても静止することが可能であり、通常は、遠心分離機の他の構成部材(但し、回転容器を除く)と直接接合するか接合部材を介して間接的に接合することにより、固定して設けることができる。
本発明の遠心分離機は、回転容器の回転の中心軸が重力方向と平行になるように配置して遠心分離を行うものである。遠心分離時において、回転容器は、回転の中心軸を中心として回転し、回転容器の上端部の流出口の開口端から分離液体流を流出させる。分離液体流は、前記開口端よりも外側の領域(回転容器の回転軸上に中心を有する円の半径方向において、前記開口端よりも外側の領域)に流出するので、発泡抑制機構の減速面は、流出した分離液体流が回転容器の上端部に接触するのを妨げる位置及び広さで設ける。発泡抑制機構の減速面は、好ましくは、前記開口端が存在する位置か、この位置よりも重力方向に低い面上であって、前記開口端よりも外側の領域(回転容器の回転の中心軸上に中心を有する円の半径方向において、前記開口端よりも外側の領域)に設ける。また、発泡抑制機構の減速面は、前記減速面の外周縁部が、好ましくは、回転容器の最外周部ないし前記最外周部よりも外側の領域(回転容器の回転の中心軸上に中心を有する円の半径方向において、前記最外周部ないし前記最外周部よりも外側の領域)に達する程度の広さで設ける。
包囲部は、発泡抑制機構によって回転容器の周囲の領域に分散して流出した分離液体流が遠心分離機外部に漏れないように回転容器の外側を包囲するものである。包囲部の形状は、回転容器の形状に応じて適宜設定することができ、回転容器の形状が円筒状ないし略円筒状等の筒状である場合は、例えば、回転容器の径よりも大きい径の円筒状ないし略円筒状等の筒状にすることができる。
導出流路は、回転容器の外周面と包囲部の内周面との間に形成され、前記発泡抑制機構によって回転容器の周囲の領域に分散して流出した分離液体流を遠心分離機外部に導く流路である。導出流路は、通常は、回転容器の外周面と包囲部の内周面で形成することができるが、回転容器の外周面に分離液体流が接触しないように回転容器の外周面を包囲する円筒形状の部材を新たに設け、この新たに設けた円筒形状の部材の外周面と包囲部の内周面との間の円筒形状の空間部を導出流路とすることができる。
[回転容器1]
回転容器1は、略円筒状であり、モータ(図示せず)と結合する回転軸1aを有し、前記回転軸を中心として遠心分離可能な早さで回転する。回転容器1は、遠心分離対象の液状体(固体粒子を含む使用済みクーラント)から遠心力により比重の大きい物質(固体粒子)と前記物質よりも比重の小さい液体(固体粒子を分離された分離クーラント)を分離することが可能である。回転容器1は、比重の小さい分離液体流(分離クーラント流)を流出させる複数の流出口(内部空間が円柱状の貫通孔)1dを上端部の外周よりも内側の上蓋1cに有し、比重の大きい物質(固体粒子)を排出する排出口を下端部1eに有する。
クーラント供給管1bの先端の射出部の開口から、遠心分離対象の液状体(固体粒子を含む使用済みクーラント)が回転容器1の内部に連続して射出される。回転している回転容器の内部に前記射出部の開口から連続して射出された遠心分離対象の液状体(固体粒子を含む使用済みクーラント)は、遠心力により回転容器の内周壁面に押しつけられ略円筒形状になる。遠心分離対象の液状体(固体粒子を含む使用済みクーラント)は、射出部の開口から連続して射出されるので、回転容器の内周壁面に押し付けられる遠心分離対象の液状体(固体粒子を含む使用済みクーラント)の厚さは、内周壁面側から回転容器1の回転の中心軸に向かって次第に増加する。
本発明における発泡抑制機構を構成する静置板3は、図1に図示されているように、回転容器1の回転軸1aに対して直角に交差する面上に設けられている。また、静置板3は、回転容器1の上端部の上蓋1c(あるいは、開口端1d0が開口する上蓋1cの外面1cs)に対して平行に設けられている。なお、図2に図示されているように、静置板3は、回転容器1とは別体として構成されたものであり、接合部材(図示せず)を介して包囲部2の上端部2aの内壁面に固定されているので、回転容器1が回転しても静止したままである。
回転容器1の上端部の上蓋1cの開口端1d0から流出した分離クーラント流は、遠心力によって、回転容器1の回転軸1aに対して直角方向に流出する。静置板3を設けていない場合には、図5に図示するように、上蓋41cの開口端41d0から流出した分離クーラント流は、遠心分離可能な程度の高速で回転する上蓋41c(より詳細には、開口端41d0が開口する上蓋41cの外面41cs)において加速され、上蓋41cの外周縁部から高速で(開口端41d0から流出した時よりも、より高速で)流出して包囲部42の内周壁面(特に、内周壁面に設けられている強度補強用部材の突起部)に激しく衝突して発泡する。なお、図5の二点鎖線で囲んだ領域が、分離クーラント流の衝突により発泡する領域である。
包囲部2は、静置板3によって回転容器1の周囲の領域に分散して流出した分離クーラント流が遠心分離機外部に漏れないように略円筒形状の回転容器1の外側を包囲するものであり、略円筒形状である。包囲部2の内径は、回転容器1の外径よりも大きいので、回転容器1は、包囲部2の円柱状の内部空間に収容されて設けられている。略円筒形状の包囲部2の中心軸は、回転容器1の回転の中心軸上に存在し、回転容器1の外周壁面と略円筒形状の包囲部2の内周壁面との間隔は、回転容器1の外周壁面に沿って周方向に一定である。
回転容器1の外周壁面と略円筒形状の包囲部2の内周壁面との間に形成された筒状の空間部は、静置板3によって回転容器1の周囲の領域に分散して流出した分離クーラント流を遠心分離機外部に導く導出流路である。
静置板3の減速面の全面に、金属製の網からなるメッシュ層を設けたこと以外は前記実施例1と同様の遠心分離機。
メッシュ層の厚さ方向に対して直角方向のメッシュ層表面が、開口端1d0が開口する上蓋1cの外面1csと同一の面上に存在するように、静置板3を重力方向に低く配置したこと以外は前記実施例2と同様の遠心分離機。
図4〜5は、本発明の発泡抑制機構を有しない比較例の遠心分離機についての図面である。図4は、本発明の発泡抑制機構を有しない比較例の遠心分離機の概略断面図(回転容器の回転軸41aの長さ方向の概略断面図)である。図5は、図4の比較例の遠心分離機における、回転容器の上端部の上蓋及びその近傍を、重力方向に視た概略図であり、回転容器の回転軸は図示していない。
前記実施例と同様に静置板を有する試験用遠心分離装置と、前記比較例と同様に静置板を有しない試験用遠心分離装置を用いて遠心分離を行い、消泡効果を評価した。静置板を有する試験用遠心分離装置の概略を図6に示す。図6は、回転容器61の中心軸60に対して直角方向から視た、静置板を有する試験用遠心分離装置の概略断面図(中心軸60の長さ方向の断面図)である。また、静置板を有しない試験用遠心分離装置の概略を図7に示す。図7は、回転容器71の中心軸70に対して直角方向から視た、静置板を有しない試験用遠心分離装置の概略断面図(中心軸70の長さ方向の断面図)である。
図6の試験用遠心分離装置は、実施例1の遠心分離機と同様の構造を有し、実施例1の遠心分離機と同様に遠心分離可能なものであり、円筒状の回転容器61、円筒状の包囲部62、環状の静置板63を有する。回転容器61の上端部の上蓋61cは、流出口61dを有し、流出口61dには管状部材Pがはめ込まれて固定されている。管状部材Pの先端部は、上蓋61cの外面から突出している。回転容器61は、直径Dが180mm、回転軸方向の高さHが130mmである。
それぞれの試験用遠心分離装置の回転容器を回転数760rpmで回転させて、遠心分離を行い、遠心分離されたクーラントを採取した。発泡により気泡を含んだ液体は、密度が小さくなるため、密度を測定して、泡の発生量の目安とした。遠心分離の際には58Gの遠心力が発生した。使用したクーラントは、CG50P(ノリタケカンパニーリミテド製)を水で30倍に希釈したもの(遠心分離前の密度1.002g/cm3)である。評価結果を表1に示す。静置板を有する試験用遠心分離装置の場合は、静置板を有しない試験用遠心分離装置の場合よりも採取クーラントの平均密度が大きいので、より発泡しにくいと考えられる。
1a 回転軸
1b クーラント供給管
1c 上蓋
1cs 開口端1d0が開口する上蓋1cの外面
1d 流出口
1d0 開口端
1e 下端部
2 包囲部
2a 包囲部2の上端部
3 静置板
3h 開口
4 遮蔽板
5 突起部
Claims (10)
- 遠心分離対象の液状体から遠心力により比重の大きい物質と前記物質よりも比重の小さい液体を分離し、比重の小さい分離液体流を流出させる流出口を上端部の外周よりも内側に有する回転容器を備える遠心分離機の、前記回転容器とは別体の発泡抑制機構であって、
前記回転容器の回転中において静止して配される減速面を有し、前記減速面は、前記流出口から流出した分離液体流を接触させて前記回転容器の上端部の外周よりも内側の領域から外周縁部方向に分離液体流を導くことにより摩擦抵抗で前記分離液体流の流速を減速させると共に、減速した分離液体流を前記回転容器の周囲の領域に分散して流出させることを特徴とする発泡抑制機構。 - 前記発泡抑制機構の前記減速面は、前記回転容器の回転軸に対して直角ないし略直角に交差する面上に存在することを特徴とする請求項1に記載の発泡抑制機構。
- 前記発泡抑制機構の前記減速面は、前記回転容器の前記流出口よりも外側の領域において、前記回転容器の周方向に連続する環状面であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一に記載の発泡抑制機構。
- 前記発泡抑制機構は、中央部に開口を有する板状部材を有し、前記板状部材は、前記回転容器の回転軸に対して直角ないし略直角に交差する面上であって、前記回転容器の前記流出口の全てが前記開口から露出する位置に設けられ、前記減速面は、前記流出口が露出する側の前記板状部材の面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の発泡抑制機構。
- 遠心分離対象の液状体から遠心力により比重の大きい物質と前記物質よりも比重の小さい液体を分離し、比重の小さい分離液体流を流出させる流出口を上端部の外周よりも内側に有する回転容器と、
前記回転容器とは別体として前記回転容器の回転中において静止して配される減速面を備えた発泡抑制機構とを有し、前記減速面は、前記流出口から流出した分離液体流を接触させて前記回転容器の上端部の外周よりも内側の領域から外周縁部方向に分離液体流を導くことにより摩擦抵抗で前記分離液体流の流速を減速させると共に、減速した分離液体流を前記回転容器の周囲の領域に分散して流出させるよう構成され、さらに、
前記発泡抑制機構によって前記回転容器の周囲の領域に分散して流出した分離液体流が遠心分離機外部に漏れないように前記回転容器の外側を包囲する包囲部と、
前記回転容器の外周面と前記包囲部の内周面との間に形成され前記分離液体流を遠心分離機外部に導く導出流路と、を有することを特徴とする遠心分離機。 - 前記回転容器は、前記比重の大きい物質を排出する排出口を下端部に有する回転容器であることを特徴とする請求項5に記載の遠心分離機。
- 前記回転容器は、回転軸を上端部に有し、前記分離液体流を流出させる複数の流出口が前記回転軸の周囲に分散して設けられ、遠心分離対象の液状体を回転容器内部に供給する供給管を下端部に有し、前記供給管は、下端部の前記排出口から回転容器内部に引き込んで設けていることを特徴とする請求項5〜6のいずれか一に記載の遠心分離機。
- 前記発泡抑制機構の前記減速面は、前記回転容器の回転軸に対して直角ないし略直角に交差する面上に存在することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一に記載の遠心分離機。
- 前記発泡抑制機構の前記減速面は、前記回転容器の前記流出口よりも外側の領域において、前記回転容器の周方向に連続する環状面であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一に記載の遠心分離機。
- 前記発泡抑制機構は、中央部に開口を有する板状部材を有し、前記板状部材は、前記回転容器の回転軸に対して直角ないし略直角に交差する面上であって、前記回転容器の前記流出口の全てが前記開口から露出する位置に設けられ、前記減速面は、前記流出口が露出する側の前記板状部材の面であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一に記載の遠心分離機。
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JP2010250105A JP2012101151A (ja) | 2010-11-08 | 2010-11-08 | 発泡抑制機構を有する遠心分離機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103567084A (zh) * | 2013-10-21 | 2014-02-12 | 绿水分离设备有限公司 | 一种应用消泡板技术的卧式螺旋卸料沉降离心机 |
JP2018144034A (ja) * | 2018-03-22 | 2018-09-20 | 俊治 角野 | 遠心分離機 |
JP2018143939A (ja) * | 2017-03-03 | 2018-09-20 | 俊治 角野 | 遠心分離機 |
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RU2752189C1 (ru) * | 2017-06-30 | 2021-07-23 | Конинклейке Филипс Н.В. | Соковыжималка и способ приготовления сока |
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