JP6579531B2 - 遠心分離機 - Google Patents
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Description
たとえば、容器に一定量の液状体を充填しなければならない際に、気泡発生していると充填後に内容量が変化する。又、工作機械での研削及び切削等に使用するクーラントの気泡は、冷却不足、潤滑性不足、供給圧力不足などによる加工品質の低下をもたらす問題点がある。
これらの問題点に対処する為に大きな消泡タンクを設置している。工作機械のクーラントにおいて、研削油のような高粘度の場合は、消泡剤も効果が低く、タンクから泡が溢れ出ることもある。
上記問題の解決策として従来は、特許文献3記載の液状体の衝突部に傾斜面およびメッシュ部を設けたものがあった。また特許文献2の記載には、回転容器と別体の静止した流出口および静置板を設けたものがあった。
本願発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
[液状体供給管兼回転シャフト]
液状体供給管兼回転シャフト(2)は回転体(1)と同じ回転中心軸(1f)となっており、軸受(ベアリング(8)など)で保持する回転シャフトと液状体供給管を共用して回転体(1)に液状体を供給することができ、別体で回転シャフトの中に液状体供給管を設けてもよい。液状体供給管兼回転シャフト(2)の回転中心軸(1f)は好ましくは縦軸がよいが、横軸や斜め45度など必要に応じて自由な角度で用いてもよい。
回転体(1)は上部にある回転体上蓋部(1a)の中心穴から液状体を取入れ、気体と接触させないように滞留液表面(13a)より液中側に供給させる案内となる流路(13b)をもち、遠心力により比重の異なる物質を分離し、比重の小さい液状体を流出させる流出口(1e)となる円形開口部(1ea)を設けた容器である。前記回転体(1)の流出口(1e)となる円形開口部(1ea)は、回転体(1)と同じ回転中心軸(1f)となっている。
回転体(1)の上部にある回転体上蓋部(1a)には、その回転体(1)と同じ回転中心軸(1f)を持つ液状体供給管兼回転シャフト(2)を同軸回転するように設ける。その回転体上蓋部(1a)は、液状体供給管兼回転シャフト(2)の出口を塞がない穴を持っており、その穴を持った回転体上蓋部(1a)と重ならない距離に回転体(1)と同軸で回転する円盤(1b)を設ける。この円盤(1b)の円盤外周部(1c)となる供給口(1h)は、回転中の回転体内の滞留液状体(13)の内部または滞留液状体(13)の表面である滞留液表面(13a)に接するサイズとするが、滞留液表面(13a)から空間側に5mm程度離れた小径サイズでも許容可能である。
[回転体]
回転体(1)の流出口(1e)は、液状体の遠心方向の流出移動距離(20)を50mm以下の最短(図9を参照のこと)にして気泡発生防止受液ユニット(3)(環状受液先端部(3a)および受液円錐筒(3b)からなる)に流出させることができる。
気泡発生防止受液ユニット(3)は、環状受液先端部(3a)および受液円錐筒(3b) (受液円筒(3b1)を含む)からなっているが、一体で製作されてもよい。
静止固定された気泡発生防止受液ユニット(3)の環状受液先端部(3a)と回転体(1)の端部(流出口(1e)でもある円形開口部(1ea)付近の回転体(1))との環状に接近する部位に軸受(18)(図15参照)を用いて接合することにより、軸受(18)の許容回転数(周速)に制約を受けるものの回転体(1)の流出口(1e)から流出した遠心方向の液状体の流出移動距離(20)を0mmとする事が可能となり、液状体が静止固定された構造物との間に衝突現象が全く無く、従って気泡発生も全く無い状態を可能としている。
また、回転体(1)の所望回転数が1個の軸受(18)の許容回転数を超える場合、同回転軸となる軸受(18)を複数連結することにより、所望回転数に対応させる事が可能である。(例えば、回転体の所望回転数の半分の許容回転数を持つベアリングであれば、2個のベアリングを連結して各々のベアリングに半分ずつの回転数を受持たせる。)
隙間(23)(図8の部分拡大図9を参照)を設けた場合、回転中の回転体(1)の端部と静止固定された気泡発生防止受液ユニット(3)の環状受液先端部(3a)との隙間(23)は、小さいほど液状体が侵入し保持され易くなる。この液状体が侵入し保持されると、その隙間(23)が変化(加工組立精度に起因した回転体(1)の回転振れにより隙間(23)が周期的に変化する。)することによる液状体の圧縮と解放の繰返し現象で振動の原因となる抵抗変化を起こす。この抵抗変化は、回転体(1)の回転数と同期する為に振動が増幅されて共振し、容易に遠心分離機を破損させる。この抵抗変化を防止するために、気泡発生防止受液ユニット(3)の環状受液先端部(3a)と回転体(1)が、環状に最も接近する部位(隙間(23))の対面面積が小さくなる形状とし、環状受液先端部(3a)と回転体(1)の両方または何れか一方が、軸方向の断面でみた厚みがほぼ0mmで尖った先端形状(22)(図9〜図14、図16、図17、図19を参照)となっており、許容可能な厚みとしては40mm以下(隙間(23)を大きくすれば厚みも大きくできる)まで用いてよい。この尖った先端形状(22)は、上記の液状体の圧縮時の抵抗がほとんど無くなる(液状体を面のあるもので押すと反力が大きいが、尖ったもので押しても反力はほとんど無い。)ので、解放時との抵抗変化差を無視できるようになる。この事で、回転体(1)と環状受液先端部(3a)の隙間(23)を小さくする事(接近させる事)が可能となる。それによって流出口(1e)から流出した遠心方向の液状体の流出移動距離(20)(図9を参照)を最短にして、遠心力(加速度)に伴う距離(時間も同じ)を追うごとに高速度となる液状体の速度上昇前の低速度(衝撃が小さい)の段階で、静止固定された環状受液先端部(3a)に流出させ、気泡の元となる衝撃時の気体の取込みを抑制する事ができる。
[気泡発生防止液状体供給機構]
[気泡発生防止受液機構]
このように尖った先端形状(22)は、環状受液先端部(3a6)になくとも回転体(1)に設けても振動防止が可能となり遠心方向の流出移動距離(20)を短く設定できる。
回転体の内部に、本願発明および従来のノヅルによる供給方法で、消泡しにくい粘度40センチストークスの研削油を液状体として供給して気泡発生の比較をした。
1a 回転体上蓋部
1b 円盤
1ba 二段円盤
1c 円盤外周部
1ca 二段円盤外周部
1d 円盤取付スペーサー
1da 円盤取付スペーサー位置
1e 流出口
1e1 小径流出口(従来例)
1ea 円形開口部
1f 回転中心軸
1g 放射配管
1ga 放射配管外周部
1g1 放射配管変形例
1h 供給口
1h1 供給口(従来例)
2 液状体供給管兼回転シャフト
3 気泡発生防止受液ユニット
3-1 気泡発生防止受液ユニット(変形例)
3a 環状受液先端部
3a1 環状受液先端部(変形例)
3a2 環状受液先端部(変形例)
3a3 環状受液先端部(変形例)
3a4 環状受液先端部(変形例)
3a5 環状受液先端部(変形例)
3a6 環状受液先端部(変形例)
3b 受液円錐筒
3b1 受液円筒
4 ハウジング
5 スラッジおよび洗浄廃液通り管
6 上下動付スライド排水受
6-1 上下動エアーシリンダー
6-2 水平動エアーシリンダー
7 排水伸縮ホース
8 ベアリング
9 変速クラッチ
10 ロータリージョイント
11 モーター
12 スクレーパー
13 滞留液状体
13a 滞留液表面
13b 流路
13b1 流路(変形例)
13b2 流路(変形例)
14 ろ過液出口
15 送液口
16 供給ノズル
17 噴出液状体
18 軸受
19 集液円筒部
20 流出移動距離
21 再接近部
22 先端形状
23 隙間
24 内壁
25 水平部分
Claims (5)
- 比重の異なる物質を含む液状体を遠心力により分離する回転体(1)を有する遠心分離機であって、前記回転体(1)の下部には回転体(1)と同じ回転中心軸(1f)となる円形開口部(1ea)が設けてあり、さらに円形開口部(1ea)の下部に近接して静止固定され、かつ回転体(1)の回転中心軸(1f)とほぼ同じ位置に中心軸をもつ気泡発生防止受液ユニット(3)を有し、該気泡発生防止受液ユニット(3)は円形開口部(1ea)の下に環状受液先端部(3a)と次いで受液円錐筒(3b)又は、環状受液先端部(3a1)と次いで受液円筒(3b1)を連設もしくは一体で製作し、回転体(1)から放出された液状体が受液円錐筒(3b)もしくは受液円筒(3b1)で直ぐに受止められて遠心方向の流出移動距離が短く受液され、その内壁(24)を摩擦抵抗により、旋回速度を落としながら流れていくように構成した気泡発生防止受液機構を設けており、かつ回転中の回転体(1)に液状体を供給したときにその内部に形成される滞留液表面(13a)から溢れる液状体が、回転体(1)に設けた円形開口部(1ea)から遠心方向に向かって連続して放射状に流出するように構成すると共に、回転体(1)の円形開口部(1ea)から放出された液状体が遠心方向すなわち回転体(1)の中心軸から半径方向に沿った流出移動距離(20)である流出口(1e)から気泡発生防止受液ユニット(3)のテーパー部又は垂直部に到達するまでの距離が50mm以下で受液されるように、円形開口部(1ea)に近接して静止固定された環状受液先端部(3a)を有する気泡発生防止受液ユニット(3)を設けた事を特徴とする遠心分離機。
- 前記環状受液先端部(3a)は、回転体(1)の軸方向の断面でみた場合に環状受液先端部(3a)と回転体(1)の両方または何れか一方において、最接近部(21)の厚みが40mm以下で尖った先端形状(22)とした事を特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
- 前記環状受液先端部(3a)と回転体(1)の端部とを、軸受(18)を用いて一体にするように接合した事を特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
- 前記回転体(1)の内部に液状体を供給する供給口(1h)が、回転中に形成される滞留液状体(13)の内部又は滞留液表面(13a)に接するように設定された事を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠心分離機。
- 前記気泡発生防止受液ユニット(3)の内部にスラッジおよび洗浄廃液通り管(5)を設け、上下動付スライド排水受(6)が回転体(1)のスラッジおよび洗浄廃液通り管(5)側に移動し、回転体(1)の内部を洗浄する際に廃液を受取る事を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遠心分離機。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2018054375A JP6579531B2 (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 遠心分離機 |
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2018
- 2018-03-22 JP JP2018054375A patent/JP6579531B2/ja active Active
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