JP2009195819A - 液体濾過方法及び設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で被濾過液体の旋回を促進して遠心力を増大させ得るサイクロン式濾過装置を用い、更なる分離効率の向上を図り得る液体濾過方法及び設備を提供する。
【解決手段】工作機械1で使用され異物含有液体タンク2に貯留された被濾過液体をサイクロン式濾過装置5に導入し、サイクロン式濾過装置5で被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を清浄液体タンク7に貯留し、これと同時に、サイクロン式濾過装置5で分離された異物を含む被濾過液体の一部を抜出流量調節弁8の開度調節により抜き出して補助濾過装置10に導入し、補助濾過装置10で被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を清浄液体タンク7に貯留し、清浄液体タンク7に貯留された濾過後の液体を工作機械1に戻して再利用するよう液体濾過設備14を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】工作機械1で使用され異物含有液体タンク2に貯留された被濾過液体をサイクロン式濾過装置5に導入し、サイクロン式濾過装置5で被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を清浄液体タンク7に貯留し、これと同時に、サイクロン式濾過装置5で分離された異物を含む被濾過液体の一部を抜出流量調節弁8の開度調節により抜き出して補助濾過装置10に導入し、補助濾過装置10で被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を清浄液体タンク7に貯留し、清浄液体タンク7に貯留された濾過後の液体を工作機械1に戻して再利用するよう液体濾過設備14を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体中に混入した異物を効率良く遠心分離する液体濾過方法及び設備に関するものである。
一般に、工作機械によって各種金属部品等を切削や研削加工する際には、切削油や研削油、或いは洗浄油等の工業油が用いられているが、このような使用済みの工業油には、切削・研削くずや砥粒等の異物が含まれており、そのままでは再利用することができないため、再生装置によって前記異物を使用済みの工業油から取り除くことにより、該工業油を循環再利用することが行われている。
この種の再生装置としては、前記工業油等の被濾過液体中に含まれる異物を遠心分離して除去するサイクロン式濾過装置がある。
前記サイクロン式濾過装置の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1があり、該特許文献1に開示されているサイクロン式濾過装置は、円筒部と該円筒部下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部とを有するサイクロン本体と、異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体内で旋回流を生じさせるように導入する導入管と、前記サイクロン本体の軸芯部に配置され且つ異物が取り除かれた被濾過液体をサイクロン本体の外に導くための溢流上昇管(導出管)とを備えてなる構成を有している。
特開2003−210908号公報
ところで、前記特許文献1に開示されているような従来のサイクロン式濾過装置では、サイクロン本体内で生じる旋回流の遠心力により固液分離を行って被濾過液体から異物を除去するものであり、その分離能力は遠心力の大きさに左右されることになる。
しかしながら、遠心力の大きさを決定する供給ポンプの吐出圧(即ち、異物を含む被濾過液体の流速)やサイクロン本体の内径等には実用上の制約があるため、従来のサイクロン式濾過装置の分離能力には限界があり、充分な分離効率を得ることが困難となっていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、簡単な構成で被濾過液体の旋回を促進して遠心力を増大させ得るサイクロン式濾過装置を用い、更なる分離効率の向上を図り得る液体濾過方法及び設備を提供しようとするものである。
本発明は、円筒部と該円筒部下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部とを有するサイクロン本体と、該サイクロン本体の円筒部上部にその接線方向へ延びるよう接続され且つ異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体内で旋回流を生じさせるように導入する導入管と、前記サイクロン本体の軸芯部に回転自在となるよう配設され且つ異物が取り除かれた被濾過液体を下部の開口から導入して上端よりサイクロン本体外部の清浄液体タンクへ導くための導出管と、該導出管の外周部に配設され且つ前記被濾過液体に旋回エネルギを付与するための旋回エネルギ付与手段と、前記導出管を回転駆動する駆動手段とを備えるサイクロン式濾過装置を用いた液体濾過方法であって、
運転時、前記導入管より被濾過液体をサイクロン本体内へ流入させつつ、前記旋回エネルギ付与手段を有する導出管を回転させ、前記被濾過液体に旋回エネルギを付与して異物を遠心分離し、該異物が遠心分離された被濾過液体を導出管の下部の開口から内部へ導入し上端より前記清浄液体タンクへ導くと共に、前記遠心分離された異物を含む被濾過液体の一部を、前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すことを特徴とする液体濾過方法にかかるものである。
運転時、前記導入管より被濾過液体をサイクロン本体内へ流入させつつ、前記旋回エネルギ付与手段を有する導出管を回転させ、前記被濾過液体に旋回エネルギを付与して異物を遠心分離し、該異物が遠心分離された被濾過液体を導出管の下部の開口から内部へ導入し上端より前記清浄液体タンクへ導くと共に、前記遠心分離された異物を含む被濾過液体の一部を、前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すことを特徴とする液体濾過方法にかかるものである。
前述の如き液体濾過方法の場合、運転時、前記導入管より被濾過液体をサイクロン本体内へ流入させつつ、前記旋回エネルギ付与手段を有する導出管を回転させ、前記被濾過液体に旋回エネルギを付与して異物を遠心分離すると、被濾過液体の旋回が促進されて遠心力を増大させることが可能となり、しかも、同時に、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すと、円錐部における異物の舞い上がりに伴う導出管内部への異物の混入が抑制され、分離効率を更に向上させることが可能となる。
前記液体濾過方法においては、前記設定比率を5[%]以下とすることが、被濾過液体を圧送するポンプの容量アップや全体の大型化を回避する上で有効となる。
又、前記液体濾過方法においては、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を補助濾過装置で濾過した後、前記清浄液体タンクへ導くことが、廃棄される被濾過液体を最小限に抑え、再利用可能な被濾過液体を増やし、無駄をなくす上で好ましい。
更に又、前記液体濾過方法においては、前記補助濾過装置をサイクロン式濾過装置と同じサイクロン式とすることができる。
一方、本発明は、円筒部と該円筒部下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部とを有するサイクロン本体と、該サイクロン本体の円筒部上部にその接線方向へ延びるよう接続され且つ異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体内で旋回流を生じさせるように導入する導入管と、前記サイクロン本体の軸芯部に回転自在となるよう配設され且つ異物が取り除かれた被濾過液体を下部の開口から導入して上端よりサイクロン本体外部の清浄液体タンクへ導くための導出管と、該導出管の外周部に配設され且つ前記被濾過液体に旋回エネルギを付与するための旋回エネルギ付与手段と、前記導出管を回転駆動する駆動手段とを備えるサイクロン式濾過装置を用いた液体濾過設備であって、
前記サイクロン本体の円錐部下端に、異物を含む被濾過液体の一部を前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう抜き出し可能な抜出流量調節弁を設けたことを特徴とする液体濾過設備にかかるものである。
前記サイクロン本体の円錐部下端に、異物を含む被濾過液体の一部を前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう抜き出し可能な抜出流量調節弁を設けたことを特徴とする液体濾過設備にかかるものである。
前述の如く液体濾過設備を構成すると、運転時には、前記導入管より被濾過液体がサイクロン本体内へ流入されつつ、前記旋回エネルギ付与手段を有する導出管が回転され、前記被濾過液体に旋回エネルギが付与されて異物が遠心分離されるため、被濾過液体の旋回が促進されて遠心力を増大させることが可能となり、しかも、同時に、抜出流量調節弁の開度調節を行うことにより、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すと、円錐部における異物の舞い上がりに伴う導出管内部への異物の混入が抑制され、分離効率を更に向上させることが可能となる。
前記液体濾過設備においては、前記抜出流量調節弁の開度を、前記設定比率が5[%]以下になる開度とすることが、被濾過液体を圧送するポンプの容量アップや全体の大型化を回避する上で有効となる。
又、前記液体濾過設備においては、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を濾過した後、前記清浄液体タンクへ導く補助濾過装置を備えることが、廃棄される被濾過液体を最小限に抑え、再利用可能な被濾過液体を増やし、無駄をなくす上で好ましい。
更に又、前記液体濾過設備においては、前記補助濾過装置をサイクロン式濾過装置と同じサイクロン式とすることができる。
本発明の液体濾過方法及び設備によれば、旋回エネルギ付与手段を有する導出管を回転させるという簡単な構成で被濾過液体の旋回を促進して遠心力を増大させ得るサイクロン式濾過装置を用いることに加え、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すことにより、円錐部における異物の舞い上がりに伴う導出管内部への異物の混入を抑制し得、更なる分離効率の向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
又、本発明の液体濾過方法及び設備によれば、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を補助濾過装置で濾過した後、清浄液体タンクへ導くことにより、再利用可能な被濾過液体を増加し得、無駄をなくすことができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、工作機械1で使用された切削・研削くずや砥粒等の異物が含まれている被濾過液体を異物含有液体タンク2に貯留し、該異物含有液体タンク2に貯留された被濾過液体を供給ポンプ3により濾過送給管4を介してサイクロン式濾過装置5に導入し、該サイクロン式濾過装置5において被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を戻り管6を介して清浄液体タンク7に貯留し、これと同時に、前記サイクロン式濾過装置5で分離された異物を含む被濾過液体の一部を抜出流量調節弁8の開度調節により抜き出し、抜出管9を経て補助濾過装置10に導入し、該補助濾過装置10において被濾過液体中の異物を遠心分離して除去した後、異物が除去された被濾過液体を補助戻り管11を介して前記清浄液体タンク7に貯留し、該清浄液体タンク7に貯留された濾過後の液体を循環ポンプ12により再生管13から工作機械1に戻して再利用するよう液体濾過設備14を構成したものである。
本図示例の場合、前記サイクロン式濾過装置5は、図2及び図3に示す如く、架台15に対し、円筒部16と該円筒部16下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部17とを有するサイクロン本体18を設置し、該サイクロン本体18の円筒部16上部に、異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体18内で旋回流(図5参照)を生じさせるように導入する導入管19を、前記円筒部16の接線方向へ延びるよう接続し、前記サイクロン本体18の軸芯部に、異物が取り除かれた被濾過液体を下端の開口20から導入して上端よりサイクロン本体18外部の清浄液体タンク7(図1参照)へ導くための導出管21を回転自在となるよう配設し、該導出管21の外周部に、前記被濾過液体に旋回エネルギを付与するための旋回エネルギ付与手段としての複数の羽根22を取り付け、前記架台15のフレーム23に、前記導出管21を回転駆動する駆動手段としてのモータ24を設置してなる構成を有している。
前記サイクロン本体18の円錐部17の下端には、図2に示す如く、抜出流量調節弁8を取り付けてあり、運転時には、抜出流量調節弁8の開度調節を行うことにより、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管19からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体18の円錐部17下端から抜き出し、抜出管9を経て補助濾過装置10(図1参照)に導入するようにしてある。因みに、このようにしている理由は、仮に前記抜出流量調節弁8を閉じたまま運転を行うと、円錐部17における異物の舞い上がりに伴って導出管21内部へ異物が混入しやすくなり、分離効率が低下する虞があるためである。
前記導出管21は、サイクロン本体18の円筒部16の上端に連なる支持胴部25に設けられた軸受26,27によって回転自在に支持し、該導出管21の上端には、軸受28が内蔵されたエルボ29を介して、前記戻り管6と連結される外管30を接続してある。尚、前記サイクロン本体18の円筒部16上端には、前記導出管21が貫通する仕切壁31を取り付け、該仕切壁31と導出管21との間は、Oリング等のシール部材32により液密性を保持するようにしてある。又、前記開口20は導出管21の下端に設けてあるが、この開口20は導出管21の下部の外周面に設けることも可能である。
前記導出管21の外周部に取り付けられ被濾過液体に旋回エネルギを付与する旋回エネルギ付与手段としての羽根22は、高い耐摩耗性を有する金属材料や樹脂材料等で形成し、一側線が導出管21の外周部に固着されて該導出管21の軸方向に延在する複数(図3の例では、八枚)の平板部材で構成してあり、前記導出管21の外周部から概ねその半径方向へ突出するようにして周方向に所定の角度間隔をあけて配置してある。前記羽根22の導出管21への取り付けは、例えば、溶接やネジによる締結等により実施することができる。又、前記羽根22は、導出管21の外周部から一定の幅で突出する垂直部22aと、該垂直部22aの下端から導出管21の外周部側に向かって漸次幅を狭めるように傾斜した傾斜部22bとを有し、これにより、前記サイクロン本体18の円筒部16下方に向け旋回流に与える旋回エネルギを徐々に低減して導出管21の下端に位置する開口20付近での乱流の発生を抑制し、導出管21に流入するクリーンな被濾過液体に異物が混入することを防止できるようにしてある。更に、前記羽根22を導出管21の先端部まで設けずに、導出管21の下部に羽根22を設けない一定の領域を確保することで、導出管21の開口20付近での乱流の発生をより確実に抑制できるようにしてある。尚、前記導出管21に設けた羽根22を構成する平板部材の形状、数量、及び配置等は本発明が適用される装置が要求される濾過性能に応じて種々の変更が可能である。例えば、図4に示すように、平板部材の枚数を減らす(図4の例では、四枚)と共に、該平板部材を、図3に示すような導出管21の概ね半径方向に突出させた状態とする代わりに、旋回流の進行方向側に位置をずらして設けることができる。又、羽根22を省略した構成も可能であり、その場合、旋回エネルギ付与手段として導出管21の外形を円形以外の多角形とすることができる。
前記導出管21の上部には、図2に示す如く、従動プーリ33を嵌着してあり、該従動プーリ33と前記駆動手段としてのモータ24側の駆動プーリ34との間にベルト35を巻き掛け、該ベルト35でモータ24の動力を駆動プーリ34から従動プーリ33へ伝達することにより、導出管21を回転駆動するようにしてある。
尚、前記抜出流量調節弁8の開度調節、並びに前記モータ24の回転速度は、図示していない制御装置によって制御するようにしてある。
一方、本図示例の場合、図1に示す前記補助濾過装置10は、図2〜図5に示すサイクロン式濾過装置5と同じサイクロン式とし、運転時には、前述と同様に、抜出流量調節弁8´の開度調節を行うことにより、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管19´からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体18´の円錐部17´下端から抜き出し、抜出管9´を経てドレンタンク36(図1参照)に排出するようにしてある。前記サイクロン式濾過装置5では、濾過処理にフィルタを用いておらず、フィルタの定期的な交換に起因するコストが生じないという利点があり、更に、連続使用によるフィルタの目詰まりや分離能力の低下等により、稼働率が低下したり連続運転が阻害されたりすることもなく有効となるが、前記補助濾過装置10としては、サイクロン式に限らず、必要に応じて他の種々の形式の濾過装置を採用しても良いことは言うまでもない。因みに、他の種々の形式の濾過装置には、フィルタを用いた形式の濾過装置も勿論含まれる。
次に、上記図示例の作用を説明する。
図1に示す前記液体濾過設備14においては、工作機械1で使用された切削・研削くずや砥粒等の異物が含まれている被濾過液体は異物含有液体タンク2に貯留され、該異物含有液体タンク2に貯留された被濾過液体は、供給ポンプ3により濾過送給管4を介してサイクロン式濾過装置5に導入され、該サイクロン式濾過装置5において被濾過液体中の異物が遠心分離されて除去された後、異物が除去された被濾過液体は、戻り管6を介して清浄液体タンク7に貯留され、これと同時に、前記サイクロン式濾過装置5で分離された異物を含む被濾過液体の一部は、抜出流量調節弁8の開度調節により抜き出され、抜出管9を経て補助濾過装置10に導入され、該補助濾過装置10において被濾過液体中の異物が遠心分離されて除去された後、異物が除去された被濾過液体は、補助戻り管11を介して前記清浄液体タンク7に貯留され、該清浄液体タンク7に貯留された濾過後の液体は、循環ポンプ12により再生管13から工作機械1に戻されて再利用される。
ここで、前記サイクロン式濾過装置5においては、図5の矢印で示すように、異物が含まれている被濾過液体は、供給ポンプ3(図1参照)の吐出圧力によって導入管19から前記サイクロン本体18の円筒部16の内周面の接線方向へ流入し、円筒部16の内周面に沿った旋回流となって流下する。このとき、導出管21はモータ24によって旋回流と同一方向に回転駆動されるため、前記被濾過液体の旋回流は、旋回エネルギ付与手段としての羽根22により旋回エネルギを与えられて流速が上昇する。このように、運転時には、前記導入管19より被濾過液体がサイクロン本体18内へ流入されつつ、前記羽根22付きの導出管21が回転され、前記被濾過液体に旋回エネルギが付与されて異物が遠心分離されるため、被濾過液体の旋回が促進されて遠心力を増大させることが可能となる。
前記被濾過液体中の異物は、該被濾過液体と異物との比重差によって旋回流による遠心力を受け、円筒部16の内周面側に移動し、その後、旋回流は円筒部16の下部に達して旋回速度が緩まる一方、異物は被濾過液体の流れから離れて沈降して円錐部17に堆積する。仮に前記抜出流量調節弁8を閉じたまま運転を行うと、円錐部17における異物の舞い上がりに伴って導出管21内部へ異物が混入しやすくなり、分離効率が低下する虞があるが、本図示例では、抜出流量調節弁8の開度調節を行うことにより、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管19からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体18の円錐部17下端から抜き出しているため、円錐部17における異物の舞い上がりに伴う導出管21内部への異物の混入が抑制され、分離効率を更に向上させることが可能となる。
図6は本発明者等が実際に行った実験結果として、前記導入管19からの流入量に対する抜出量を変化させた場合における羽根加速度と分離効率との関係を示す比較線図である。この実験は、前記導入管19からの流入量を60[l/min]とし、該流入量を基準とした抜出量の設定比率を0、1、2[%]として、抜出量を0、0.6、1.2[l/min]とし、これらそれぞれの条件のもと、前記羽根22の回転による羽根加速度を、300G、600G、700Gと変化させた場合に、導入管19からの被濾過液体の流入量を100[ml]当たりの重量Winとして計測すると共に、外管30から出てくる濾過後の液体を0.8[μm]メッシュのメンブレンフィルタに通して100[ml]当たりの重量Woutとして計測し、重量法による分離効率η[%]を
η=(Win−Wout)/Win
として求め、プロットしたものである。
η=(Win−Wout)/Win
として求め、プロットしたものである。
この線図より、基本的に前記羽根22の回転による羽根加速度を大きくするほど、分離効率が高まる傾向を示すことがわかると共に、前記設定比率を0[%]として抜出量を0[l/min]とした場合に比べ、前記設定比率を1[%]として抜出量を0.6[l/min]とした方が分離効率は高まり、更に前記設定比率を2[%]として抜出量を1.2[l/min]とした方が分離効率はより高まることが確認できた。
但し、前記抜出量は単純に多くすれば良いのではなく、前記設定比率を5[%]を超えた値にすると、前記サイクロン式濾過装置5の供給ポンプ3の容量アップが避けられなくなると共に、補助濾過装置10の大型化に伴う設備全体の大型化が避けられなくなって、デメリットが多くなることが予想されるため、こうした観点から、前記設定比率は5[%]を上限とすることが望ましい。
又、前記液体濾過設備14においては、前記サイクロン本体18の円錐部17下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を濾過した後、前記清浄液体タンク7へ導く補助濾過装置10を備えているため、廃棄される被濾過液体を最小限に抑え、再利用可能な被濾過液体を増やし、無駄をなくすことが可能となる。
こうして、羽根22付きの導出管21を回転させるという簡単な構成で被濾過液体の旋回を促進して遠心力を増大させ得るサイクロン式濾過装置5を用いることに加え、異物を含む被濾過液体の一部を、導入管19からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、サイクロン本体18の円錐部17下端から抜き出すことにより、円錐部17における異物の舞い上がりに伴う導出管21内部への異物の混入を抑制し得、更なる分離効率の向上を図り得ると共に、前記サイクロン本体18の円錐部17下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を補助濾過装置10で濾過した後、清浄液体タンク7へ導くことにより、再利用可能な被濾過液体を増加し得、無駄をなくすことができる。
尚、本発明の液体濾過方法及び設備は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、例えば、サイクロン式濾過装置は、工作機械の使用済みの工業油等の被濾過液体に限らず異物を含む種々の液体の処理に使用可能なこと、又、異物は必ずしも固体である必要はなく、被濾過液体と比重差のある液体でも良いこと、更に又、補助濾過装置の下流側にもう一基の或いは複数基の補助濾過装置を設けて被濾過液体の濾過を行うようにしても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 工作機械
2 異物含有液体タンク
5 サイクロン式濾過装置
7 清浄液体タンク
8 抜出流量調節弁
8´ 抜出流量調節弁
9 抜出管
9´ 抜出管
10 補助濾過装置
14 液体濾過設備
16 円筒部
17 円錐部
17´ 円錐部
18 サイクロン本体
18´ サイクロン本体
19 導入管
20 開口
21 導出管
22 羽根(旋回エネルギ付与手段)
22a 垂直部
22b 傾斜部
23 フレーム
24 モータ(駆動手段)
30 外管
36 ドレンタンク
2 異物含有液体タンク
5 サイクロン式濾過装置
7 清浄液体タンク
8 抜出流量調節弁
8´ 抜出流量調節弁
9 抜出管
9´ 抜出管
10 補助濾過装置
14 液体濾過設備
16 円筒部
17 円錐部
17´ 円錐部
18 サイクロン本体
18´ サイクロン本体
19 導入管
20 開口
21 導出管
22 羽根(旋回エネルギ付与手段)
22a 垂直部
22b 傾斜部
23 フレーム
24 モータ(駆動手段)
30 外管
36 ドレンタンク
Claims (8)
- 円筒部と該円筒部下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部とを有するサイクロン本体と、該サイクロン本体の円筒部上部にその接線方向へ延びるよう接続され且つ異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体内で旋回流を生じさせるように導入する導入管と、前記サイクロン本体の軸芯部に回転自在となるよう配設され且つ異物が取り除かれた被濾過液体を下部の開口から導入して上端よりサイクロン本体外部の清浄液体タンクへ導くための導出管と、該導出管の外周部に配設され且つ前記被濾過液体に旋回エネルギを付与するための旋回エネルギ付与手段と、前記導出管を回転駆動する駆動手段とを備えるサイクロン式濾過装置を用いた液体濾過方法であって、
運転時、前記導入管より被濾過液体をサイクロン本体内へ流入させつつ、前記旋回エネルギ付与手段を有する導出管を回転させ、前記被濾過液体に旋回エネルギを付与して異物を遠心分離し、該異物が遠心分離された被濾過液体を導出管の下部の開口から内部へ導入し上端より前記清浄液体タンクへ導くと共に、前記遠心分離された異物を含む被濾過液体の一部を、前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう、前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出すことを特徴とする液体濾過方法。 - 前記設定比率を5[%]以下とした請求項1記載の液体濾過方法。
- 前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を補助濾過装置で濾過した後、前記清浄液体タンクへ導く請求項1又は2記載の液体濾過方法。
- 前記補助濾過装置をサイクロン式濾過装置と同じサイクロン式とした請求項3記載の液体濾過方法。
- 円筒部と該円筒部下端から下方に向かって漸次縮径する円錐部とを有するサイクロン本体と、該サイクロン本体の円筒部上部にその接線方向へ延びるよう接続され且つ異物を含んだ被濾過液体をサイクロン本体内で旋回流を生じさせるように導入する導入管と、前記サイクロン本体の軸芯部に回転自在となるよう配設され且つ異物が取り除かれた被濾過液体を下部の開口から導入して上端よりサイクロン本体外部の清浄液体タンクへ導くための導出管と、該導出管の外周部に配設され且つ前記被濾過液体に旋回エネルギを付与するための旋回エネルギ付与手段と、前記導出管を回転駆動する駆動手段とを備えるサイクロン式濾過装置を用いた液体濾過設備であって、
前記サイクロン本体の円錐部下端に、異物を含む被濾過液体の一部を前記導入管からの流入量を基準として抜出量が設定比率以下となるよう抜き出し可能な抜出流量調節弁を設けたことを特徴とする液体濾過設備。 - 前記抜出流量調節弁の開度を、前記設定比率が5[%]以下になる開度とした請求項5記載の液体濾過設備。
- 前記サイクロン本体の円錐部下端から抜き出された異物を含む被濾過液体を濾過した後、前記清浄液体タンクへ導く補助濾過装置を備えた請求項5又は6記載の液体濾過設備。
- 前記補助濾過装置をサイクロン式濾過装置と同じサイクロン式とした請求項7記載の液体濾過設備。
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JP2008039560A JP2009195819A (ja) | 2008-02-21 | 2008-02-21 | 液体濾過方法及び設備 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015107445A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-11 | カヤバ システム マシナリー株式会社 | 遠心分離タンク装置 |
CN111470665A (zh) * | 2020-05-19 | 2020-07-31 | 北京朗新明环保科技有限公司 | 一种矿井水电增稠涡流预处理系统及使用方法 |
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2008
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