JP2012100195A - 音響処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響信号の特定の帯域成分を選択的に信号レベルの調整に反映させる。
【解決手段】信号調整部12は、音響信号SINの信号レベルを調整値Gに応じて調整して音響信号SOUTを生成する。帯域分割部22は、音響信号SINをN個の帯域成分B[1]〜B[N]に分割する。N個の調整値設定部30[1]〜30[N]は帯域成分B[1]〜B[N]に対応する。各調整値設定部30[n]は、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が増加するほど音響信号SINに対する音響信号SOUTの信号レベルが抑制されるように調整値C[n]を可変に設定する。調整値選択部26は、N個の調整値設定部30[1]〜30[N]が設定したN個の調整値C[1]〜C[N]の何れかを信号調整部12に適用される調整値Gとして選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響信号の信号レベルを調整する技術に関する。
音響信号が供給される増幅器のゲインを音響信号の信号レベルに応じて可変に制御する技術(コンプレッサやリミッタ)が従来から提案されている。例えば特許文献1(図5)には、音響信号を帯域分割した複数の帯域成分の各々の信号レベルに応じて設定された定数を音響信号に乗算するリミッタ装置が開示されている。
特許第2921375号公報
しかし、特許文献1に開示された技術では、音響信号を帯域分割した全部の帯域成分の信号レベルが音響信号に対する乗算値に反映される。したがって、例えば利用者が充分な信号レベルでの聴取を所望する特定の帯域成分の信号レベルが増加した場合にも音響信号の信号レベルが強制的に抑制されるという問題や、特定の帯域成分の信号レベルが増加して音響信号の信号レベルを抑制すべき状況なのに他の帯域成分の信号レベルが過度に低い影響で音響信号の信号レベルが充分に抑制されないという問題が発生し得る。以上の事情を考慮して、本発明は、音響信号の特定の帯域成分を選択的に音響信号の信号レベルの調整に反映させることを目的とする。
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を説明する。なお、本発明の理解を容易にするために、以下の説明では、本発明の要素と後述の実施形態の要素との対応を括弧書で付記するが、本発明の範囲を実施形態の例示に限定する趣旨ではない。
本発明の音響処理装置は、入力音響信号(例えば音響信号SIN)の信号レベルを調整値(例えば調整値G)に応じて調整して出力音響信号(例えば音響信号SOUT)を生成する信号調整手段(例えば信号調整部12)と、入力音響信号または出力音響信号を複数の帯域成分(例えば帯域成分B[1]〜B[N])に分割する帯域分割手段(例えば帯域分割部22)と、各帯域成分に対応する複数の調整値設定手段(例えば調整値設定部30[1]〜30[N])であって、入力音響信号に対する出力音響信号の信号レベルが当該帯域成分の信号レベルに応じて変化するように各々が調整値(例えば調整値C[1]〜C[N])を可変に設定する複数の調整値設定手段と、複数の調整値設定手段が設定した複数の調整値のうち信号調整手段に適用される調整値を選択する調整値選択手段(例えば調整値選択部26)とを具備する。例えば、調整値設定手段は、帯域成分の信号レベルが増加するほど入力音響信号に対する出力音響信号の信号レベルが抑制されるように各調整値を可変に設定する。以上の構成においては、各帯域成分に対応する複数の調整値のうち信号調整手段に適用される調整値が選択されるから、入力音響信号の特定の帯域成分の信号レベルを選択的に出力音響信号の信号レベルに反映させることが可能である。
本発明の好適な態様において、調整値選択手段は、利用者からの指示に応じて調整値を選択する。以上の態様においては、利用者からの指示に応じた調整値が選択されるから、複数の帯域成分のうち利用者の所望の帯域成分の信号レベルが出力音響信号の信号レベルに反映されるという利点がある。なお、以上の態様の具体例は例えば第1実施形態として後述される。
本発明の好適な態様において、調整値選択手段は、複数の帯域成分のうち信号レベルが最大の帯域成分に対応する調整値を選択する。以上の態様においては、信号レベルが最大の帯域成分に対応する調整値が選択されるから、信号レベルが最大の帯域成分以外の成分の信号レベルが充分に低い場合でも、出力音響信号の信号レベルを適切に抑制することが可能である。なお、以上の態様の具体例は例えば第3実施形態として後述される。
本発明の好適な態様に係る音響処理装置は、各帯域成分の信号レベルを帯域成分毎に個別に調整して各調整値設定手段に供給する帯域成分調整手段(例えば帯域成分調整部50)を具備する。以上の態様においては、各帯域成分の信号レベルが帯域成分調整部にて個別に調整されるから、各調整値設定部が生成する調整値を調整値選択部が選択する可能性を帯域成分毎に個別に制御できるという利点がある。なお、以上の態様の具体例は例えば第2実施形態として後述される。
本発明の好適な態様に係る音響処理装置は、帯域分割手段から各調整値設定手段を介して調整値選択手段に至る複数の経路の各々の確立および遮断を個別に制御する経路制御手段(例えば経路制御部60)を具備する。以上の態様においては、帯域分割手段から調整値選択手段に至る複数の経路の各々の確立/遮断が個別に制御されるから、特定の帯域成分に対応する経路を遮断することで、当該帯域成分の信号レベルが出力音響信号の信号レベルに影響することを回避することが可能である。なお、以上の態様の具体例は例えば第4実施形態として後述される。
以上の各態様に係る音響処理装置は、DSP(Digital Signal Processor)等の専用の電子回路で実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働でも実現される。本発明のプログラムは、入力音響信号の信号レベルを調整値に応じて調整して出力音響信号を生成する信号調整手段と、入力音響信号または出力音響信号を複数の帯域成分に分割する帯域分割手段と、各帯域成分に対応する複数の調整値設定手段であって、当該帯域成分の信号レベルが増加するほど入力音響信号に対する出力音響信号の信号レベルが抑制されるように各々が調整値を可変に設定する複数の調整値設定手段と、複数の調整値設定手段が設定した複数の調整値のうち信号調整手段に適用される調整値を選択する調整値選択手段としてコンピュータを機能させる。以上のプログラムによれば、本発明の音響処理装置と同様の効果が実現される。なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
本発明の第1実施形態の音響処理装置のブロック図である。 本発明の第2実施形態の音響処理装置のブロック図である。 本発明の第4実施形態の音響処理装置のブロック図である。 本発明の第5実施形態の音響処理装置のブロック図である。 本発明の第6実施形態の音響処理装置のブロック図である。 変形例に係る調整値設定部のブロック図である。 変形例に係る調整値設定部のブロック図である。 変形例に係る音響処理装置のブロック図である。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響処理装置100Aのブロック図である。音響処理装置100Aは、上位装置から供給される音響信号SINの信号レベルを調整して音響信号SOUTを生成する信号処理装置である。第1実施形態の音響処理装置100Aは、音響信号SINの信号レベルの変動幅(ダイナミックレンジ)を減少させて音響信号SOUTを生成する効果付与装置(コンプレッサ)として機能する。音響信号SINおよび音響信号SOUTは、音声や楽音等の音響の時間波形を示すサンプル系列である。
図1に示すように、音響処理装置100Aは、信号調整部12と調整制御部14と指示受付部16とを具備する。音響信号SINは、信号調整部12に供給される系統(メインパス)と調整制御部14に供給される系統(サイドパス)との2系統に分岐する。指示受付部16は、例えば複数の操作子を含む入力機器で構成されて利用者からの指示を受付ける。
信号調整部12は、音響信号SINの信号レベルを調整値Gに応じて調整することで音響信号SOUTを生成する。例えば、音響信号SINに調整値Gを乗算する乗算回路(増幅器)が信号調整部12として好適に採用される。調整値Gは、音響信号SINの増幅のゲインに相当し、1以下の正数(0<G≦1)に設定される。調整制御部14は、信号調整部12の処理に適用される調整値Gを音響信号SINの特性に応じて可変に設定する。なお、調整値Gの範囲は1以下の正数に限定されない。例えば、調整値Gが1以上の数値に設定される構成によれば、音響処理装置100Aをエキスパンダーとして機能させることが可能である。また、調整値Gを1以上の数値に設定することで音響信号SOUTの信号レベルが所定の上限値を上回る場合には、音響信号SOUTの信号レベルを抑制する処理(例えばハードクリップやソフトクリップ等の公知の方法)が併用され得る。
図1に示すように、調整制御部14は、帯域分割部22と候補値生成部24と調整値選択部26とを含んで構成される。帯域分割部22は、周波数帯域が相違するN個の帯域成分B[1]〜B[N]に音響信号SINを帯域分割する(Nは2以上の自然数)。例えばIIR(Infinite Impulse Response)フィルタやFIR(Finite Impulse Response)フィルタ等の公知のフィルタ回路が帯域分割部22として任意に採用される。
候補値生成部24は、信号調整部12に適用される調整値Gの候補となるN個の調整値C[1]〜C[N]を可変に設定する。図1に示すように、候補値生成部24は、相異なる帯域成分B[1]〜B[N]に対応するN個の調整値設定部30[1]〜30[N]で構成される。第n番目(n=1〜N)の調整値設定部30[n]は、帯域分割部22が生成した帯域成分B[n]の信号レベルL[n]に応じて調整値C[n]を可変に設定する。
図1に示すように、各調整値設定部30[n]は、信号レベル検出部42と設定処理部44とを含んで構成される。信号レベル検出部42は、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]を検出する。帯域成分B[n]の信号レベルL[n]の検出には公知の技術が任意に採用され得る。
設定処理部44は、信号レベル検出部42が検出した信号レベルL[n]に応じて調整値C[n]を可変に設定する。具体的には、設定処理部44は、当該設定処理部44が設定した調整値C[n]を調整値Gとして信号調整部12に適用した場合に、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が増加するほど音響信号SINに対する音響信号SOUTの信号レベルが抑制されるように、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]に応じて調整値C[n]を可変に設定する。
例えば、設定処理部44は、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が閾値LTHを下回る状態では調整値C[n]を1に設定し、信号レベルL[n]が閾値LTHを上回る状態がアタック時間Tatkだけ継続すると、信号レベルL[n]が増加するほど調整値C[n]が圧縮率(レシオ)Rに応じた度合で減少する(すなわち音響信号SOUTの信号レベルが音響信号SINに対して抑制される)ように調整値C[n]を制御する。また、設定処理部44は、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が閾値LTHを下回る状態がリリース時間Trelだけ継続すると、信号レベルL[n]に応じた調整値C[n]の制御を停止して調整値C[n]を1に設定する。調整値C[n]の制御に関連する変数(閾値LTH,圧縮率R,アタック時間Tatk,リリース時間Trel)の各数値は、指示受付部16に対する利用者からの指示に応じて可変に設定される。
図1の調整値選択部26は、候補値生成部24(調整値設定部30[1]〜30[N])が生成するN個の調整値C[1]〜C[N]の何れかを、信号調整部12に適用される調整値Gとして選択する。利用者は、N個の調整値C[1]〜C[N]のうち所望の調整値C[n](N個の帯域成分B[1]〜B[N]のうち所望の帯域成分B[n])の選択の指示を指示受付部16に対して付与することが可能である。調整値選択部26は、N個の調整値C[1]〜C[N]のうち指示受付部16に対する指示で利用者が選択した調整値C[n]を調整値Gとして選択する。調整値選択部26が選択した調整値Gが信号調整部12に指示された音響信号SOUTの生成(音響信号SINに対する調整値Gの乗算)に適用される。
以上の形態においては、各帯域成分B[n]に対応するN個の調整値C[1]〜C[N]の何れかが信号調整部12での調整値Gとして選択される。したがって、音響信号SINのN個の帯域成分B[1]〜B[N]のうち特定の帯域成分B[n]の信号レベルL[n]のみが選択的に音響信号SOUTの信号レベルに反映される。第1実施形態では、N個の調整値C[1]〜C[N]のうち利用者からの指示に応じた調整値C[n]が調整値Gとして選択されるから、利用者の所望の帯域成分B[n]のみが音響信号SOUTの信号レベルに反映されるという利点がある。
例えば、帯域成分B[n1]内の歌唱音と帯域成分B[n2]内の楽器の演奏音とを音響信号SINが含む場合を想定する。帯域成分B[n1]の調整値C[n1]を利用者が選択した場合、歌唱音(帯域成分B[n1])の信号レベルL[n1]が閾値LTHを下回るならば、演奏音(帯域成分B[n2])の信号レベルL[n2]が閾値LTHを上回る場合でも音響信号SOUTの信号レベルは抑制されない。したがって、利用者は楽器の演奏音を明確に聴取することが可能である。他方、歌唱音の信号レベルL[n1]が閾値LTHを上回る場合には音響信号SOUTの信号レベルが抑制される。すなわち、歌唱音の音量の過度の増加を抑制しながら楽器の演奏音を歌唱音と比較して優先的に聴取したいという利用者の要求に対応することが可能である。
<B:第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図2は、第2実施形態の音響処理装置100Bのブロック図である。図2に示すように、第2実施形態の音響処理装置100Bは、第1実施形態の音響処理装置100Aの調整制御部14に帯域成分調整部50を追加した構成である。帯域成分調整部50は、N個の帯域成分B[1]〜B[N]の各々の信号レベルを個別に調整する。
図2に示すように、帯域成分調整部50は、相異なる帯域成分B[n]に対応するN個の調整部52[1]〜52[N]を含んで構成される。調整部52[n]は、帯域分割部22が生成した帯域成分B[n]に調整値a[n]を乗算する乗算回路(増幅器)である。調整値a[1]〜a[N]は、例えば指示受付部16に対する利用者からの指示に応じて可変に設定される。調整部52[n]による調整後(調整値a[n]の乗算後)の帯域成分B[n]が調整値設定部30[n]に供給される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、各帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が帯域成分調整部50にて個別に調整されるから、N個の調整値C[1]〜C[N]の各々が調整値Gとして選択される可能性を帯域成分B[n]毎に個別に制御できるという利点がある。例えば、帯域成分調整部50の調整部52[n]に適用される調整値a[n]を増加させた場合には調整値C[n]が調整値Gとして選択される可能性が増加する。以上の例示では、各調整値a[n]が利用者からの指示に応じて可変に設定されるから、利用者の所望の帯域成分B[n]の信号レベルL[n]を音響信号SOUTの信号レベル(調整値G)に優先的に反映させることが可能である。
<C:第3実施形態>
第3実施形態の音響処理装置100Cの構成は、図1に例示した第1実施形態の音響処理装置100Aと同様である。第1実施形態の調整値選択部26は、利用者からの指示に応じた調整値C[n]を調整値Gとして選択した。第3実施形態の調整値選択部26は、N個の帯域成分B[1]〜B[N]のうち信号レベル検出部42にて検出される信号レベルL[n]が最大の帯域成分B[n]に対応する1個の調整値C[n]を調整値Gとして選択する。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、特定の帯域成分B[n]の信号レベルL[n]のみが選択的に音響信号SOUTの信号レベルに反映されるという利点がある。また、第3実施形態では、信号レベルL[n]が最大となる帯域成分B[n]に対応する調整値C[n]が調整値Gとして選択されるから、音響信号SINのうち信号レベルL[n]が最大となる帯域成分B[n]以外の成分の信号レベルが充分に低い場合でも、音響信号SOUTの信号レベルを適切に抑制することが可能である。なお、信号レベルL[1]〜L[N]の高低に応じて調整値C[n]を選択する第3実施形態の構成は、帯域成分調整部50を具備する第2実施形態(図2)にも同様に適用され得る。
<D:第4実施形態>
図3は、第4実施形態の音響処理装置100Dのブロック図である。図3に示すように、第4実施形態の音響処理装置100Dは、第3実施形態の音響処理装置100C(図1)に経路制御部60を追加した構成である。経路制御部60は、相異なる帯域成分B[n]に対応するN個の切替部62[1]〜62[N]を含んで構成される。
経路制御部60を構成する第n番目の切替部62[n]は、帯域分割部22から各調整値設定部30[n]を介して調整値選択部26に至るN個の経路のうち帯域成分B[n]に対応する第n番目の経路の確立/遮断を制御する。図3の切替部62[n]は、調整値設定部30[n]内の信号レベル検出部42と設定処理部44との間に介在して両者間の接続を制御するスイッチである。N個の切替部62[1]〜62[N]の各々の状態(オン/オフ)は、指示受付部16に対する利用者からの指示に応じて個別に設定される。
第n番目の切替部62[n]がオン状態に制御された場合、調整値設定部30[n]内では信号レベル検出部42から設定処理部44に至る経路が確立されるから、第1実施形態と同様に、設定処理部44は信号レベルL[n]に応じた調整値C[n]を調整値Gの候補として生成する。他方、切替部62[n]がオフ状態に制御された場合、調整値設定部30[n]内の信号レベル検出部42から設定処理部44に至る経路が遮断されるから、設定処理部44は調整値C[n]の生成を停止する。したがって、帯域成分B[n]の信号レベルL[n]は、その高低に関わらず、信号調整部12に適用される調整値Gには反映されない。調整値選択部26は、候補値生成部24が生成する複数(N個以下)の調整値C[n]のうち最大の信号レベルL[n]に対応する調整値C[n]を調整値Gとして選択する。
以上の形態においては、各帯域成分B[n]の信号レベルL[n]を音響信号SOUTの信号レベル(調整値G)に反映させるか否かが帯域成分B[n]毎に個別に制御されるから、特定の帯域成分B[n]が音響信号SOUTの信号レベルに影響することを回避することが可能である。例えば、歌唱音の帯域成分B[n]に対応する切替部62[n]をオフ状態に制御すれば、歌唱音の信号レベルL[n]が増加した場合でも音響信号SOUTの信号レベルの抑制は回避される。
なお、以上の例示では、調整値選択部26が信号レベルL[n]の高低に応じて調整値C[n]を選択したが、第1実施形態や第2実施形態と同様に、利用者からの指示に応じた調整値C[n]を選択する構成を第4実施形態に適用することも可能である。また、経路制御部60が設置される位置は適宜に変更される。例えば、帯域分割部22と各信号レベル検出部42との間に経路制御部60(切替部62[1]〜62[N])を設置した構成や、各設定処理部44と調整値選択部26との間に経路制御部60(切替部62[1]〜62[N])を設置した構成も採用され得る。
<E:第5実施形態>
図4は、第5実施形態の音響処理装置100Eのブロック図である。調整制御部14が時間領域の音響信号SINを処理する以上の各形態とは相違して、第5実施形態では、調整制御部14が音響信号SINを周波数領域で処理する。図4に示すように、第5実施形態の音響処理装置100Eは、第1実施形態の音響処理装置100Aに周波数変換部72と信号遅延部74とを追加した構成である。
周波数変換部72は、音響信号SINの各フレームに対する周波数変換で音響信号SINの周波数スペクトルをフレーム毎に生成する。周波数変換部72による演算には、離散フーリエ変換やウェーブレット変換等の公知の周波数変換が任意に採用される。帯域分割部22は、周波数変換部72が生成した周波数スペクトルの分割でN個の帯域成分B[1]〜B[N]を生成する。他方、図4の信号遅延部74は、周波数変換部72での処理に必要な時間だけ音響信号SINを遅延させる。信号遅延部74での遅延後の音響信号SINが信号調整部12に供給される。
以上の構成においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態では、信号遅延部74での遅延後の音響信号SINが信号調整部12に供給されるから、音響信号SINのうち調整値Gの生成に適用された区間(フレーム)と当該調整値Gが信号調整部12にて適用される区間との時間軸上のズレが低減されるという利点がある。ただし、信号遅延部74は省略され得る。
<F:第6実施形態>
本発明の第6実施形態を説明する。以上の各形態では、音響信号SINに応じた調整値Gを音響信号SINに適用して音響信号SOUTを生成するフィードフォワード型の構成を例示した。第6実施形態は、音響信号SOUTに応じて調整値Gを設定したうえで音響信号SINの信号レベルの調整に適用するフィードバック型である。
図5は、第6実施形態の音響処理装置100Fのブロック図である。図5に示すように、第6実施形態の帯域分割部22は、信号調整部12による調整後の音響信号SOUTの帯域分割でN個の帯域成分B[1]〜B[N]を生成する。候補値生成部24は、第1実施形態と同様の構成および処理で各帯域成分B[n]に対応するN個の調整値C[1]〜C[N]を生成する。調整値選択部26は、N個の調整値C[1]〜C[N]の何れかを調整値Gとして選択する。信号調整部12は、調整値選択部26が選択した調整値Gに応じて音響信号SINの信号レベルを調整することで音響信号SOUTを生成する。
第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、図5では第1実施形態を基礎とした構成を例示したが、音響信号SOUTに応じて調整値Gを設定する第6実施形態のフィードバック型の構成は、第2実施形態から第5実施形態にも同様に適用され得る。
<G:変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)変形例1
以上の各形態における各調整値設定部30[n]の構成は適宜に変更される。例えば図6の調整値設定部30A[n]や図7の調整値設定部30B[n]を、以上の各形態における調整値設定部30[n]に置換することが可能である。
図6の調整値設定部30A[n]は、対数変換部82と対数逆変換部84とを以上の各形態の調整値設定部30[n]に追加した構成である。対数変換部82は、帯域分割部22が生成した帯域成分B[n]を対数領域の数値(デシベル値)に変換(Linear-Logarithm変換)する。対数変換部82による変換後の帯域成分B[n]から信号レベル検出部42が信号レベルL[n]を検出し、設定処理部44が信号レベルL[n]から調整値C[n]を設定する。対数逆変換部84は、設定処理部44が設定した調整値C[n]を線形領域の数値に変換(Logarithm-Linear変換)する。対数逆変換部84による変換後の調整値C[n]が調整値Gの候補として調整値選択部26に供給される。なお、設定処理部44による演算の内容が対数逆変換部84の作用を包含する場合には対数逆変換部84が省略され得る。
図7の調整値設定部30B[n]は、乗算部86を以上の各形態の調整値設定部30[n]に追加した構成である。乗算部86は、帯域分割部22が生成した帯域成分B[n]に閾値LTHの逆数(1/LTH)を乗算する。閾値LTHは、前述の各形態と同様に、指示受付部16に対する利用者からの指示に応じて可変に設定される。閾値LTHが小さい数値に設定されるほど、乗算部86の演算後の帯域成分B[n]の信号レベルL[n]が増加するから、音響信号SOUTを抑圧するように調整値C[n]が設定される。
例えば、設定処理部44が以下の数式の演算で帯域成分B[n]の信号レベルL[n]から調整値C[n]を算定する場合を想定する。記号Rは前述のように圧縮比(レシオ)を意味する。
Figure 2012100195
いま、閾値LTHが0.5に設定されるとともに圧縮率Rが2.0に設定された状態のもとで、信号レベルが1.0の帯域成分B[n]が図7の調整値設定部30B[n]に供給された場合を想定する。閾値LTHの逆数(1/0.5=2.0)を乗算部86が帯域成分B[n]に乗算することで、信号レベル検出部42が検出する信号レベルL[n]は2.0(=1.0×2.0)となる。したがって、設定処理部44が算定する調整値C[n]は0.7071(=2.0-1/2)となる。なお、乗算部86を省略した構成では、信号レベル検出部42が検出する信号レベルL[n]が1.0であるから、設定処理部44が算定する調整値C[n]は1.0となる。すなわち、帯域成分B[n]に対する閾値LTHの逆数の乗算は、音響信号SOUTの信号レベルを抑圧させるように作用する。
(2)変形例2
図8に示すように、音響信号SINの信号レベルを調整する調整部182や音響信号SOUTの信号レベルを調整する調整部184を追加した構成も好適である。調整部182および調整部184の各々は、例えば指示受付部16に対する利用者からの指示に応じた数値を入力信号(SIN,SOUT)に乗算する。なお、図8ではフィードフォワード型の構成を例示したが、第6実施形態として例示したフィードバック型の構成にも調整部182および調整部184が追加され得る。
(3)変形例3
以上の形態では、N個の調整値C[1]〜C[N]から1個の調整値C[n]を調整値Gとして選択したが、調整値選択部26がN個の調整値C[1]〜C[N]から複数個(N個未満)の調整値C[n]を選択して調整値Gを決定する構成も採用され得る。例えば、調整値選択部26は、利用者からの指示や信号レベルL[n]の高低に応じて選択した複数の調整値C[n]について所定の演算を実行することで調整値Gを算定する。
100A,100B,100C,100D,100E,100F……音響処理装置、12……信号調整部、14……調整制御部、16……指示受付部、22……帯域分割部、24……候補値生成部、26……調整値選択部、30[n],30A[n],30B[n]……調整値設定部、42……信号レベル検出部、44……設定処理部、50……帯域成分調整部、52[n]……調整部、60……経路制御部、62[n]……切替部、72……周波数変換部、74……信号遅延部、82……対数変換部、84……対数逆変換部、86……調整部。

Claims (5)

  1. 入力音響信号の信号レベルを調整値に応じて調整して出力音響信号を生成する信号調整手段と、
    前記入力音響信号または前記出力音響信号を複数の帯域成分に分割する帯域分割手段と、
    前記各帯域成分に対応する複数の調整値設定手段であって、前記入力音響信号に対する前記出力音響信号の信号レベルが当該帯域成分の信号レベルに応じて変化するように各々が調整値を可変に設定する複数の調整値設定手段と、
    前記複数の調整値設定手段が設定した複数の調整値のうち前記信号調整手段に適用される調整値を選択する調整値選択手段と
    を具備する音響処理装置。
  2. 前記調整値選択手段は、利用者からの指示に応じて調整値を選択する
    請求項1の音響処理装置。
  3. 前記調整値選択手段は、前記複数の帯域成分のうち信号レベルが最大の帯域成分に対応する調整値を選択する
    請求項1または請求項2の音響処理装置。
  4. 前記各帯域成分の信号レベルを帯域成分毎に個別に調整して前記各調整値設定手段に供給する帯域成分調整手段
    を具備する請求項1から請求項3の何れかの音響処理装置。
  5. 前記帯域分割手段から前記各調整値設定手段を介して前記調整値選択手段に至る複数の経路の各々の確立および遮断を個別に制御する経路制御手段
    を具備する請求項1から請求項4の何れかの音響処理装置。
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