JP2004318164A - 音響電子回路の音量調節方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 音響電気信号から、音を再生し人間に聴かせる機器において、聴き手があらかじめ聴き易いと感じる音量に設定してあっても、音響電気信号に含まれたもとの音の大きさや種類により、実際に聴き手が感じる音量即ち聴感音量は一定にならない。もとの音の大きさや種類がいかなる音であっても聴感音量を常に略一定に調節することを可能にする音量調節方法を提供する。
【解決手段】 再生されるべき音響電気信号の音量を調節するため、スピーカ等の前段に電子回路が配置される。この電子回路は、音響電気信号の交流としての少なくとも1つの要素情報信号を周波数分割手段や実効値抽出手段等で抽出し該要素情報信号から聴感音量信号を生成する平滑化手段や重み付け手段等を含む聴感音量信号生成手段を備え、送り手からどのような大きさの音が送られてきても常に聴き手が設定した聴き易い音量になるよう音量を自動的に調節する音量制御手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、音楽、音声等の音響電気信号を人間が聴こえる音波に変換するスピーカ、イヤーホン等の変換器の前段に配置される音響電子回路における音量調節方法に関するものである。
従来から知られている情報提供手段には、放送局から不特定多数の視聴者に一方的に情報を配信するテレビ放送やラジオ放送がある。これら放送における通信形態は、視聴者が受信装置(テレビあるいはラジオ)を利用して放送局から配信された情報を受信する構成が一般的である。特に、放送等に代表される情報提供手段では、一方的に放送局から視聴者に情報が配信されるので、視聴者がそれを再生する時の音量を設定しても放送の内容やシーンが変わると視聴者が感じる音量が一定とは限らず、快適に聴こうとすると音量を調節しなおす必要があった。
また、一対一で情報のやり取りをする最も一般的な手段である電話では、話し手によっては低く小さい声のため聴き取りにくい人もいれば、逆に甲高く大きな声の人もいるので、それらを常に快適に聴くには、その都度音量を調節しなおす必要があった。実際の場面では、音量調節の操作が面倒な為、不快であってもそのまま聴いている人が多い。
これらの音量に係わる快適性を高める為に特許文献1には、受信側の音量設定が固定されているにも拘らず、受信されるテレビ信号の種類や状態によって音量が変わってしまう場合に、最適な音量に自動調節する技術が開示されている。
日本国特開2002−369097号公報
発明者は、従来のテレビ、ラジオ、電話等、又は音が録音された媒体からの音響電気信号を再生出力するための構造を有する情報処理機器の電子回路の利用について詳細に検討した結果、以下のような課題を発見した。
例えば、テレビやラジオ等の受信装置から音を聴いている際に、経験則として、音量が固定された状態であってもシーンが変わるごとにうるさく感じたり、また人が発声する言葉を聴き取り難く感じたりすることがある。例えば、ニュースのような人間の音声のみのシーンに合わせて快適に聴けるよう音量が調節されていても、CMのように音楽などの他の音が混ざっているシーンに移行すると「うるさい」と感じることがある。逆に、背景に音楽が流れるドラマなど音声以外の音が混ざるシーンや戦争映画の戦闘シーン等に合わせて音量が調節されていると、音声のみのシーンに移行した際に再生される音声が小さ過ぎて聴き取り難く感じることがある。
これは、音の情報が放送局側から受信側へ一定の音量レベルで配信された場合であっても、人間の聴覚ではその音の構成要素によって音の大きさ、特に「うるささ」を違うと感じる性質があるからである。なお、特許文献1に開示された技術でも、受信側の音量を自動調節しているが、これは受信環境の変動や受信チャンネル違いに起因した信号の大きさの変動を抑制しようとするものであって、音を実際に聴いている人間が感じる聴感音量を調節するものではない。
具体的な聴感音量の変化には、以下の様なケースが経験的に知られている。例えば、(1)ニュース等の音声だけの番組で途中でCMが始まったときに、「うるさい」と感じるケース、(2)深夜などの静かな環境で、音量をセリフが聴き取れる限界の小音量に設定しておいた時、CM等の音楽を伴うシーンが始まった時や、戦争映画の戦闘シーンが始まった時などに「非常にうるさい」と感じるケース、(3)ビデオで映画鑑賞時に背景音の大きいシーンの時に快適に感じるように音量を設定した状態でセリフだけの静かなシーンに移行したときに、セリフが聴き取り難くなるケース、(4)高齢化に伴い聴力が低下した人では、快適と体感できる音量の許容範囲が狭くなるケースなどである。
また、電話の例では、電話の向こうで話している相手が、甲高く大きな声の人もいれば、低く小さな声の人もいるので、聴く側の好みに合った音量になっていない場合がある。しかも、同じ人でもその時の状況により、例えば雑踏の中では大きく喋ったり、周りに人がいる場合などは小声で喋ったりで、音量が大幅に変動することは良く知られている。音量の変化の度に、話しを聴く側が音量調節操作を繰り返す訳にいかず不便に感じることがある。
音量についても快適、不快という感覚の許容範囲は、図4に示されたように、聞き取り限界に近い領域R1では実際の音量レベルの変化に対して聴感音量レベルの変化の方が大きくなる。すなわち、この領域R1では、少しのレベルであっても音量が小さくなると著しく音声の聞き取りが難しくなる一方、僅かに音量が大きくなっただけでもうるさく感じてしまう。これは、深夜に小さな音量でテレビ番組を見ているときの状況など、過去の経験から容易に理解できる。
逆に、「うるさい」(不快)と感じる手前まで音量を大きくした状態でも、音量を僅かに大きくしただけで、また少し耳障りな音が混じっただけで、聴き手は不快に感じる。このように図4中のR2で示された領域においても、実際の音量レベルの変化と聴感音量レベルの変化に大きな差が生じる。
なお、上記聴感音量とは、人間が感じる主に「うるささ」を指数化して定量的に示した物理量である。例えば、図4は、一般に云われている実際の音量レベルと聴感音量レベルの関係を経験則に基づいて示す定性的なグラフであり、音量が小さいとき(図4中の領域R1)や大きいとき(図4中の領域R2)には、音量が通常の快適音量範囲にある時より、聴感音量レベルの変化が強調されることを示している。
また、人間が情報機器から発せられる音の音量に係わるもう一つの問題は、携帯電話のように聴き手が居る環境により周囲の騒音が大幅に違うことがある。騒音の程度により同じ音量でも小さくて聴きづらかったり、逆に大き過ぎて耳が痛くなったりすることである。これも人間が聴く為に情報機器が発する音の音量に関する課題である。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、有線、無線を問わず配信された音響情報の音量を、受信側において、音響情報を聴いている人間にとって快適と感じる音量レベルに音量基準を一旦設定すれば、あとは音響情報の音量がどのように変わっても、また周囲の騒音がどのように変わっても、聴き手が実際に感じる聴感音量を音量基準に自動的に合わせる音量調節方法を提供することを目的としている。
この発明に係る電子回路は、音楽、音声等の音響電気信号を人間が聴こえる音波に変換するスピーカ、イヤーホン等の変換器の前段に配置される音量調節用のアナログ信号処理回路あるいはディジタル信号処理回路であって、テレビ、ラジオ、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)等、有線、無線を問わず配信され又は情報記録媒体から出力されたコンテンツに含まれる音響情報を再生出力するための音響電子回路の音量調節方法に適用される。
この発明は、人間が「うるさい」と感じるときの要素を調査した結果、単なる音波の振幅情報や電気的波形の実効値だけでなく、周波数軸上のエネルギー分布等の交流信号としての各種の要素情報信号が関係していることを発明者が発見したことによりなされたものである。例えば、振幅情報から観て同レベルの音響電気信号でもその信号に含まれている周波数成分の違いにより人が感じる音の「うるささ」(聴感音量)は異なる。そこで、この発明では、音響電気信号の振幅情報から導かれる物理量のみならず、例えば周波数成分のような交流信号としてのいろいろの要素情報信号を利用して、聴感上の「うるささ」を瞬時瞬時抽出して、その聴感上の「うるささ」を聴き手が設定した音量基準に瞬時瞬時可能な限り近づけるように自動的に音量を調節する。
すなわち、この発明に係る音響電子回路の音量調節方法は、再生出力されるべき音響電気信号から抽出された交流信号としての要素情報信号に基づいて、該音響電気信号の聴感音量を示す聴感音量信号を生成する平滑化手段を含む聴感音量信号生成手段と、生成された聴感音量信号に基づいて、該音響電気信号の再生出力期間中における聴感音量を聴き手が設定した音量基準に可能な限り近づけるよう、再生出力されるべき該音響電気信号の音量を調節するための音量制御手段とを備える。
したがって、この音量調節手段により、音響電気信号の再生シーンの切り替わりや再生シーン中であっても徐々に背景音楽が大きくなる状況など、如何なる音響シーンにおいても聴感音量は、略一定になる。また、当該電子回路がアナログ信号処理回路である場合、上記聴感音量信号はアナログ信号として取り扱われ、当該電子回路がディジタル信号処理回路である場合、上記聴感音量信号はディジタル信号として取り扱われる。
ここで、聴感音量信号生成手段に平滑化手段が含まれることも本発明の重要な要素である。即ち、人間が実際に感じるウルササとか音の大きさで代表する聴感音量とは、一瞬の音波の大きさではなく、ある時間幅に人間の耳に入ってくる音波の集合に基づいている。従って、瞬時瞬時の要素情報信号ではなく、それらのある時間幅の平均値を示すように平滑化する手段が欠かせない訳である。
また、上記要素情報信号抽出手段として、音響電気信号を複数のバンドに分割しなくても抽出可能である。すなわち、上記聴感音量信号生成手段は、アナログあるいはディジタル化された音響電気信号の周波数と略比例する利得特性を有するフィルタ手段を有し、このフィルタ手段からの出力信号の擬エネルギー成分をもって要素情報信号としてもよい。
上記フィルタ手段は、高い周波数ほど利得が大きいフィルタ(高域強調フィルタ)である。このような高域強調フィルタを通過した信号の擬エネルギー成分(RMS等)を平滑化した信号は、人間が感じる聴感音量にほぼ比例した信号となる。このように得られた信号が聴き手が設定した音量基準より大きい場合には、再生出力される音響電気信号の音量を抑える一方、該信号が聴き手が設定した音量基準より小さい場合には、該再生出力される音響電気信号の音量を大きくすることによっても、制御することが可能になる。
この発明に係る音量調節方法は、所定の再生装置により再生されるべき音響電気信号の音量を調節するための音量調節方法であって、上述のような電子回路(この発明に係る電子回路)やコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、この発明に係る音量調節方法は、再生されるべき音響電気信号から抽出された要素情報信号に基づいて、該音響電気信号の聴感音量を示す聴感音量信号を生成し、生成された聴感音量信号に基づいて、音響電気信号の聴感音量を聴き手が設定した音量基準に限りなく近づけるよう、再生出力されるべき音響電気信号の音量を調節する。
特に、この発明に係る音量調節方法における上記聴感音量信号は、要素情報信号として、アナログあるいはディジタル化された音響電気信号を周波数に対して複数のバンドに分割し、分割された前記バンドごとのエネルギーに相当する擬エネルギー成分を抽出し、抽出された前記バンドごとの擬エネルギー成分にに対して重み付けし、バンドごとの重み付けされた信号を合成且つ平滑化することで生成してもよい。
更に、上記のバンドごとの擬エネルギー成分を抽出する手段として高速フーリエ変換を用いてもよい。
また、この発明に係る音量調節方法における上記聴感音量信号の生成は、アナログあるいはディジタル化された音響電気信号の聴感音量に対し、周波数軸上において略比例する利得特性を有するフィルタを用意し、このフィルタ手段からの出力信号の擬エネルギー成分を要素情報信号として抽出することによっても可能である。
なお、上述のような音量調節方法は、電話のように音源の周波数幅が狭いものや音量調節の品質を低めてよい場合には、前記聴感音量信号の生成に使用する音響電気信号の要素情報信号として平均振幅情報信号または実効値情報信号だけでも生成可能である。
また、上述のような音量調節方法は、コンピュータ等で実行されるプログラムであってもよく、この場合、当該プログラムは、有線、無線を問わずネットワークを介して配信されてもよく、また、CD、DVD、フラッシュメモリ等の情報記録媒体に格納されていてもよい。
更に、前記では、聴感音量信号を聴き手が設定した音量基準に可能な限り近づけるようするのだが、この音量基準を聴き手の周囲の雑音レベルに応じて上下することで、雑踏などの周囲の騒音が大きい場所では、自動的に音量基準がそれに応じて大きくなるように制御することもできる。
以上のようにこの発明によれば、再生前の音響電気信号の音量情報について、人が実際に感じる聴感音量に対応する物理量である聴感音量信号を抽出し、それをもとに、又周囲の音の音量に応じて音量が最適なレベルになるように制御しているので、うるささが頻繁に変化する音響情報であっても人間が実際に感じる聴感音量を自動的に略一定に維持することが可能になる。また、本発明が適用された携帯電話を使う人は、相手がどのような性質の声であっても自分が設定した好みの音量で、しかも自動的に周囲の騒音レベルに対応した音量で聴けるので、常に一定の聴き易さを実現できる。なお、発明者は下記段落番号51から段落番号81にかけて説明している第3の実施形態を用いてその中の定数をテレビ用に最適になるようにカスタマイズしてパソコン上でシミュレーション実験を行った。同様に電話用に最適になるように定数をカスタマイズした実験も行った。それらの結果、そのサンプル音を聴いた人全員が、テレビ用でも電話用でも顕著な効果を確認した。またパソコン上のシミュレーション実験で得た音をCD−DAに録音してある。そのCD−DAには、この発明を実施した音のほかに本発明を実施する前の音も録音してあるので、二つを比較しながら聴ける。
以下、この発明に係る情報処理機器、電子回路及び音量調節方法の第1の実施形態について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一部分、同一要素には同一番号を付して重複する説明を省略する。また、この発明に係る音量調節方法は、アナログ信号処理及びディジタル信号処理のいずれでも可能である。
図1は、この発明に係る音響電子回路の一実施形態の構成を示す図であり、特に音響情報の音量を調節する手段を含む音響信号再生回路の一構成例を示す図である。
この音響再生回路10は、アナログ信号処理回路及びディジタル信号処理回路のいずれであってもよく、音楽、音声等の音響電気信号を人間が聴こえる音波に変換するスピーカ、イヤーホン等の変換器の前段に配置される音量調節回路20を含み、テレビ1、ラジオ2、携帯電話3、PC4等、有線、無線を問わず配信されたコンテンツに含まれる音響情報を再生出力するための構造を備えた音響電子回路に適用される。
通常、テレビ1などの情報処理機器の電子回路における音響再生回路では、ボリューム11で予め設定された音量のアナログ音響電気信号を増幅器12(Amp)で増幅した後、スピーカ13から人間が聴き取れる音波として再生出力される。この発明に係る音量調節用の電子回路10は、このスピーカ13等の変換器の前段に配置され、聴感音量信号生成手段、比較手段27、音量調節手段28を備える。
上記聴感音量信号生成手段は、音響電気信号の要素情報信号抽出手段として周波数分割手段21および実効値抽出手段22で構成されていて、抽出された実効値情報及び周波数情報に基づいて聴感音量信号を生成する。上記比較手段27は、聴感音量信号と、予め外部(ボリューム11)から指示された音量指示信号とを比較する。上記音量制御手段28は、聴感音量信号及び音量指示信号との差分情報に基づいて、再生出力されるべきアナログ音響電気信号の音量を調節する。
さらに、上記聴感音量信号生成手段は、上記要素情報信号抽出手段の出力信号を平滑化する平滑化手段23と、周波数バンドごとに重み付けを行なう重み付け手段24と、重み付け後の信号を合成する合成手段25とを備える。上記周波数分割手段21は、音響電気信号を周波数に対して複数のバンドに分割する。上記実効値抽出手段22は、分割されたバンドごとの擬エネルギー成分を抽出する。上記平滑化手段23は、抽出されたバンドごとの瞬時瞬時の擬エネルギー成分を所定の時間間隔における平均化を行なう為平滑化する。上記重み付け手段24は、平滑化された信号に重み付けを施す。上記合成手段25は、重み付け手段24のバンド毎の出力を合成し(各出力信号の重畳あるいは加算)、聴感音量信号として出力する。
なお、図1の実施形態では、合成手段25の出力信号の聴感音量信号が伝搬する比較手段27との間にスイッチ26(SW)が配置されている。これは、クラシック音楽など、音の強弱が重要視される音の種類では、聴感音量の自動調節はかえって邪魔になるからである。ただし、聴感音量信号に基づいて、直接音量制御手段28による音量制御を行ってもよく、この場合、上記比較手段27は不要になる。
図2は、この発明に係る電子回路をディジタル信号処理回路として実現するための具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。具体的に、図2の電子回路は、図1に示された音量調節回路20を実現する。
この電子回路は、再生されるべきアナログ音響電気信号を一旦ディジタル化するためのアナログ/ディジタル変換器31(A/D)と、具体的な音量制御としてこの発明に係る音量調節方法を実行する制御部としてのディジタル信号演算部32(DSP)と、予め実行されるべきプログラム等が格納される記録手段としてのROM34と、作業領域やFIFOとして機能するRAM35と、音量調節されたディジタル音響電気信号をアナログ音響電気信号に変換するアナログ/ディジタル変換器33(D/A)とを、備える。
次に、この発明に係る音量調節方法のデジタル処理の例について説明する。図3は、この発明に係る音量調節方法(ディジタル信号処理の場合)として、ディジタル化された音響信号を周波数バンドに分割して処理する方法を説明するためのフローチャートである。
まず、音響再生回路10内において再生用に生成されたアナログ音響電気信号は、A/D31によって順次ディジタル化され(ステップST1)、一旦FIFOに格納される(ステップST2)。FIFOは、音響信号のタイミングを信号処理等の為に要素情報信号の抽出が遅れたタイミングを合わせる為に、音響信号を遅らせる為のものであり、ここでは、100ms程度遅れた音響ディジタル信号に対し音量調節を施せるようにする。一方、DSP32で行われる周波数バンド分割移行の処理に200ms程度の遅れが生じる。したがって、音量調節される音響信号は、FIFOへの格納時点より100ms前から100ms後までの間の信号を基に処理された聴感音量信号に基づき音量調節される。これにより、突然銃声が響くシーンであっても100ms先の未来の音も処理対象の中に入っているため、突然の音量変化も含めて音量調節が可能になる。
尚、FIFOを用いて音響信号を遅らせることは、本発明において必ずしも必須のことではない。音響信号を聴く人がより一層心地よく聴けるうようにする為のものである。無い場合は、急に音量が大きくなった時に、その瞬間は音量を小さくする制御が間に合わないことが起こる。この為、一瞬だけ大きな音のまま出力されることになる。急に大きな音が来ることが少ない使い方であれば、実用上問題にならない。従って、廉価な機器においてはFIFOを省いてもよい。
一方、ディジタル化された音響電気信号は、500Hzを境に高域バンドと低域バンドにバンド分割され(ステップST3)、分割されたバンドごとのエネルギー成分に相当する擬エネルギー成分を抽出すべくRMS処理が行われる(ステップST4)。これにより、高域バンドにおける擬エネルギー成分の実効値Hと、低域バンドにおける擬エネルギー成分の実効値Lが得られる。
続いて、得られた実効値H、Lを利用して、この発明に係る音量調節方法を実行するか否かについての判断が行われる。すなわち、上記実効値Hと予め設定されたしきい値Hmの比較、及び、上記実効値Lとしきい値Lmとの比較がそれぞれ行われる(ステップST5)。もし、上記実効値H、Lがいずれもしきい値Hm、Lm以下であれば、特に音量調節の必要がないと判断して重みAに1をセットする(ステップST6)。一方、上記実効値H、Lの少なくともいずれかがしき値Hm、Lmを越える場合、低域バンドの実効値Lに対する高域バンドの実効値Hの比(H/L)に2つの許容レベルB1、B2(<B1)を設定しておき、各許容レベルに応じた関数処理が行われる。
例えば、(H/L)≦B1の場合、重みAとして、C1/(L+e×H)をセットする。B1<(H/L)≦B2の場合、重みAとして、C2/(L+e×H)をセットする。B2<(H/L)の場合、重みAとして、C3/(L+e×H)をセットする。
なお、C1〜C3は、それぞれ重みAを適当なスカラ量に調節するための係数であり、e〜eはそれぞれ上記実効値Hが大きくなるほど重みAが小さくなるよう該実効値Hの影響度を調節するための係数である。
さらに上記FIFOの出力(ディジタル音響電気信号)には上述の処理により得られた重みAが掛けられ(ステップST8)、順次D/A33によりアナログ音響電気信号に変換される(ステップST9)。
なお、上述の第1の実施形態では、アナログあるいはディジタル化された音響電気信号を複数の周波数バンドに分割して関数処理する方法について説明したが、該音響電気信号を分割することなく音量調節することも可能である。これを第2の実施形態として以下に説明する。
本発明の第2の実施形態は、上記聴感音量信号生成手段は、音響電気信号の音量快適度に対し、周波数軸上において利得が変化するフィルタ手段と、このフィルタ手段からの出力信号の擬エネルギー成分を、聴感音量信号として抽出するエネルギー成分抽出手段とを備えてもよい。
この場合、上記フィルタ手段は、例えば高い周波数ほど利得が大きいフィルタ(高域強調フィルタ)である。このような高域強調フィルタを通過した信号の擬エネルギー成分(RMS等)は、人間が聴いていて快適に感じる度合いに略反比例した信号となる。このように得られた信号が大きい場合に再生出力されるアナログ音響電気信号の音量を抑える一方、該信号が小さい場合に該再生出力されるアナログ音響電気信号の音量を大きくすることによっても、再生音響情報を聴いている人間にとっての快適度をほぼ一定に維持することが可能になる。
ただ、単純に快適度を示す信号に応じた音量に制御したのでは単に高音域が一定の大きさのアナログ音響電気信号になるだけなので、適切な音量調節には非線形な関数処理が必要である。すなわち、快適度を示す上記信号の値が第1許容レベルL1未満であれば音量制御は行わず、該信号の値が第1許容レベルL1を越えたらm(dB)だけ音量を小さくし、さらに該信号の値が第2許容レベルL2(<L1)を越えたらn(dB)(>m)だけ音量を小さくするような音量制御が必要である。
次に、本発明に係る音量調節方法の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態も上記音量調節方法の第1の実施形態と同じく図1に示された音量調節回路20を実現する図2の電子回路の中で実行される。
図5は、図2に示すDSPが行う処理の第3の実施形態の処理の概念を示すブロック図である。実際には、第2図に示されたDSPが下記の処理を順に実行することで実現している。
まず、デジタル信号で入力された音響電気信号をFFT処理にかける。説明を具体的にする為に基本的な部分には具体的な数値を用いて説明する。これらの数値は例としてのものであり、実際には機器の性質などによって異なったものでもよい。
音のデジタル化のサンプリング・レートは22.05Kサンプル/秒とする。そしてFFTを掛けるデータの単位を例えば256データの塊にすると、この塊の時間幅は11.6ミリ秒になる。FFTの性質から周波数のキザミは約86Hz単位になる。次の塊はもとのデータを128データだけずらした256データである。つまり、データの塊の時間軸上での進みの単位は5.8ミリ秒となる。尚データの塊を作る時、通常矩形以外の形をした窓掛け処理を行うがこれは本発明の本質に関係しないので、ここでは窓掛けの説明を省く。
各データの塊のFFTの結果としてスカラー量Ipqが導き出される。ここでpはFFTの結果の周波数束の低い側からの番号で、ここでは0から116番目までを使う。第p番目の束の周波数Fpはp×86Hzとなる。この塊のIntensity(縦軸)がIpである。qはFFTの結果出来上がった塊の時間軸上の番号である。
次にIpqをq毎にp(周波数軸のキザミ)を低、中、高の3つの領域の塊にまとめる。低域と中域の境目を示す定数bを定め、p=0から順にp=(b−1)までを低域と定義し、この領域に入るIntensity(縦軸)Ipを総て加算し、その和をLqとする。これがq番目の低域成分を表す。
周波数軸上のp=bから順にp=(c−1)までを中域と定義し、この領域に入るIntensity(縦軸)を総て加算し、同様にその和をMqとする。ここでcは中域と高域の境目を示す定数である。
周波数軸上のp=cから順にp=116までを高域と定義し、この領域に入るIntensity(縦軸)を総て加算し、その和をHqとする。ここではp=117〜127は使わない。
重み付け定数α、β、γを用意し、それぞれLq、Mq、Hqに掛けて重み付けを施し、時間軸上のq番目の束の瞬時聴感音量に相当するRqを求める。式にするとRq=αLq+βMq+γHq となる。
Lq、Mq、Hqは、上記から分かる通り、加算されるFFTの結果の周波数バンドFpが含まれる数が異なるので、重みが始めから同じではない。そして、定数bとcにより周波数バンドFpが含まれる数が変化するので、α、β、γは、この元の重みの違いを考慮して設定する。
音量と云う概念は、一瞬の音の大きさではなく、ある時間幅の中で感じる感じ方である。ところが瞬時聴感音量を示すRqは128データ毎、時間にして5.8mS毎に生成されるので、人間が感じる音量を表す量にしては対象とする時間幅が狭過ぎる。従って、時間軸上に並んでいるRqを平滑化し、ある時間幅の中の平均値を掴む。しかし、Rqの列を平滑化すると応答速度が落ちるので、小さな音量から急に大きな音量になった時、追従できずに変化の始めの部分が大きな音になり、徐々に小さくなる現象が起こる。
本発明には、この問題を改善する方法が二つ含まれている。一つは音量の補正を受ける音響信号自身を少し遅らせて、補正係数の応答の遅さに合わせる方法である。その為FIFOを必要としている。しかし、信号の遅れを大きくし過ぎると別の問題が出る。例えば、テレビなどでは、映像と音のズレが目立ち不自然になる。携帯電話等はもともと遅れが大きいので、更なる遅れは出来るだけ小さくしなければならない事情もある。
第二の改善策は、本発明の重要な一部である次の方法である。即ち、平滑化の応答速度に工夫をこらすことである。特に不快感や違和感があるのは無音から(又は小さな音から)急に大きな音になった場合である。これに対処する為、ここでは音量の上昇方向の応答速度を速く(時定数を小さくすることに相当)、下降方向の応答速度を遅く(時定数を大きくすることに相当)する。それが下に掲げた式である。実験によると大きな音から急に小さな音に変わる場合は、小から大になる時ほど応答速度が速くなくても不快感は少ない。
平滑化の式は、 sRq=[(φ−1)×sR(q−1)+Rq]÷φ である。
但し、Rq−R(q−1)>0 の時 φ=n それ以外は、 φ=N ここで n<NnとNは平滑化度を示す定数であり、次の式から平滑化度を示す時定数に変換できる。即ちT1=−1/ln(1−l/n)とT2=−1/ln(1−l/N)で導かれるT1、T2が時定数になる。尚、lnは自然対数を示す一般に使われている演算子である。計算を始める時は、sR−1=0として扱い、q=0から計算を開始する。このsRqが聴感音量を代表する物理量になる。
この後、sRqから音量を補正する係数Kを算出し、その後FIFOから取り出した信号に掛けて振幅を補正する。補正方法の基本は、聴感音量を表すsRqから補正係数Kを作り、そのKを音データの個々の値に掛けて新しい音データの個々の値S’を作ることである。ただ、sRqは128のデータが束になった量なので、元のデータからみると128個のものとデータ毎に階段状に変化する量になる。従って、補正式に使う前に階段状の角を直線でつないで補間したK’をつくり、それを補正式に代入する。式にすると、S’=A×S×K’となる。Sは処理前のデータ、S’は処理後のデータを示す。
補正の掛け方の基本的な考え方は、このsRqが大きい場合は、その区間の音量を絞ることである。即ちもとの音響信号Sに1より小さいK’を掛けて音データの振幅を小さくする。逆にこのsRqが小さい場合は、もとの音響信号Sに1より大きいK’を掛けて音データの振幅を大きくする。このような関係になるような補正係数K’を作る訳だ。
このような補正が有効な理由は、元のデータ(音響信号)Sの振幅とsRqの関係が比例関係にあるからである。例えば、その区間の総ての波形が相似で、振幅が総て2倍になれば、sRqも2倍になる。波形が相似で全振幅が半分になればsRqも半分になる。但し、FFTの処理から始まりsRqを作るまでの計算が総てリニアな関係になっている事である。
例えば、心地よい音量で流れている音響信号のsRqの値を調べたら、その値がZだったとする。逆に云うと、いつもsRqがZになっていればいつも心地よい音量の訳である。しかし、実際の音源の聴感音量は変動している。例えば、ある区間ではsRqの値がZの2倍になるような大きな音だったとする。その場合には、その区間の総ての振幅を1/2にすれば、sRqが望ましい値Zになる。なぜなら、振幅を1/2にした結果の音響信号(波形)にsRqを算出する処理と同じ処理を施したとすれば、それで得られたsRqの値はもとの半分になり、即ちZになるからである。逆に、sRqの値がZの1/2になるような小さな音量の信号だったとする。この場合は、その信号の総ての振幅を2倍にすれば良い訳だ。
但し、振幅補正後の信号のsRqをわざわざ算出する必要はない。説明の都合上、もし補正後の信号についてもsRqを算出したとすれば、そのような値になると云う意味だ。実際には、上記よりもっと木目の細かい補正を行えるように、振幅補正係数Kを作る。それを次に説明する。
sRqを基にして同じタイミングを表すqに対する補正係数Kqを導き出す訳だが、sRqとKqとの関係を図6のグラフを用いて説明する。グラフの横軸はsRqである。縦軸には、二つのグラフが重なっている。まず縦軸の左側の目盛りはKqを表し、グラフは点線で表されている。これは、横軸のsRqが変化した時、Kqがどう云う値を取れば良いかを示すグラフ(点線)である。処理後の音量が太い実線になるようにsRqの函数Kqを作るのである。つまり、Kqを点線のようにすれば、このような処理後の音量が得られる訳だ。KqはsRqの大きさに応じて3つの領域に分かれてsRqから補正係数Kqを作る。それらの式は図6のグラフの下にある式▲1▼、▲2▼、▲3▼である。
縦軸の右側は、太い線で表されたグラフに対応する目盛りで、振幅補正後の音響信号に仮にsRqを求めた時と同じ処理を施したと仮定した場合(この処理は実際には行わない。考え方としてだけ。)に得られるであろうsRqに相当する。
例えば、聴き手が望みのZのレベルを超える大きな音が入ってきて、sRqが図6の中の横軸上でL1になったとする。もし、補正をしないと仮定すれば、グラフの中の45度の線上の点P1を介して出力は同じくL1になる。
実際には補正をするので、この時のKqはグラフ上でP2になる。式では、sRqがYより大きいので▲3▼の式を介して、Kq=Z/L1になる。これをsRqがL1の大きさの元の音響信号に掛けると、L1×Kq=L1×(Z/L1)=Z で結果としてZになる。つまり、もともとグラフ上でP1だった聴感音量がP3のZのレベルまで引き下げられた形になる。
即ち、sRqがYより大きい領域では、KqはsRqに反比例した形になるので、sRqがどんな大きさであっても、掛けた結果の当該音響信号のsRqを計算したとすれば、該sRqは総てZのレベルになる訳である。これは、常に聴き手が望んだ音量レベルZになることを意味する。
同様にsRqがXとYの間の値を取る時は、式▲2▼を介して得られたKqを元の音響信号に掛ける。掛けた後の音響信号についてsRqを計算したとすれば、グラフの中の太い線のようになる。この意味するところは、Yより小さいレベルでは、補正する度合いを緩和すると云うことである。即ち、小さい音量の場合は、徐々に雑音レベルに近づいてきて、大きくし過ぎるとかえって不快になるからである。
また、sRqがXより小さいところでは、Kqは強制的に1にする。これは、元の音響信号にKqを掛けても、1を掛けるので補正を掛けないのと同じである。これは、音響信号がXより小さい場合は、人間が聴きたい音情報ではなく雑音と判断し、その部分は補正せず元のままにする。この処置をしないと雑音まで大きな音にしてしまい、かえって不快な状態になってしまう。
上記で求めたKqの値は、元の音響データのキザミから見ると上記した通り128個が1個の塊に対応したものである。従って、もとの音響データに対応して並べてみると、同じ値が128個並んだ階段状になる。階段状のままでもそのキザミが5.8ミリ秒と短いので大きな問題にはならないが、ここではそれを補間して滑らかに変化するK’にしてから補正式に使うことにする。補間の方法は直線補間で良い。
式で表すと: Ki’=K(q−1)+〔{Kq−K(q−1)}÷128〕×i 但し、iは、補間計算で出来上る128個のデータの中で、古い方〔K(q−1)の側〕から数えた順番を示す値である。そしてi=0から数え始める。Kqが1個できる度に補間計算を進める。K−1=0として扱い、q=0から計算を開始する。最新のKqが出来たところで、上記の式でKi’を求め、K(q−1)に近い方(i=0)から順に取り出し、振幅補正計算に使う。
上記で求めたKi’は、漸化式で平滑化した値sRqを元に算出されているので遅れが生じる。その為、時間的に最新のデータよりd個だけ遅れた位置にある信号(データ)Sjに補正を掛ける。dはFIFOの段数に当る。これからj=i−dが成り立つ。補正計算式は:Sj’=A×Sj×K’i 但し、 K’i は補間で得た128個のデータのうちKq−1側から順番に取り出したデータである。Aは全体のレベルを調整する為の定数である。このSj’をDACへ出力することでアナログ信号を得る。
ここで、上記で使用した定数を整理して列記し、それぞれを再度簡単に解説する。
b:周波数の低域と中域の境目を示す定数。中域側の最初の番号(p)で示す。
(男女の声の音量感を調整するのに意味を持つ。)
c:周波数の中域と高域の境目を示す定数。高域側の最初の番号(p)で示す。
(音楽、非音楽の音量感の違いを調整するのに意味を持つ。)
n:Rqが上昇時に、平滑化する時の時定数(短い方)に相当する定数。
N:Rqが下降時に、平滑化する時の時定数(長い方)に相当する定数。
A:Aは全体の音量を決める定数。
α:周波数の低域の重み付け係数。
β:周波数の中域の重み付け係数。
γ:周波数の高域の重み付け係数。
d:補正をかける対象のもとの音データを遅らせる常数(FIFOの段数)。
X:sRqがこの値より小さい場合は補正しない小さい音量の限界値。
Y:これより大きいと音量レベルの時は、総てZに合わせる。
Z:音量を聴き手が望む基準の音量レベルを表す。
これらの定数は、組み込む機器により最適値は異なってくる。例えば、電話では、もともと周波数幅が狭く、音源も人間の声が中心である。またテレビやラジオでは音源の種類も多く、音量変化の幅も広い。それぞれの機器の特徴に合わせて定数を選び、それぞれに合わせて、カスタマイズする。
次に、本発明に係る音量調節方法の第4の実施形態として、携帯電話に実施した場合について説明する。第4の実施形態も、上記第3の実施形態と同じく図1に示された音量調節回路20を実現するために図2に示した電子回路と同様の電子回路の中で実行される。
第4の実施形態の説明においても、第3の実施形態の説明で使った図5を同じ様に使えるが下記に説明する1点だけが違うので、改めて図9を設けることにする。図9は第2の実施形態の図5と同じく図2に示すDSPが行う処理の概念を示すブロック図である。実際には、第2図に示されたDSPが下記の処理を順に実行することで実現している。
携帯電話の場合は、携帯電話が使われる周囲の騒音レベルが千差万別であり、聴き手が設定した音量基準が同じであっても聴き取り易さは一定とは限らない。そこで、図7〜図9に携帯電話の場合に実施する形態を示し、説明する。
図7で、携帯電話の使用者の声や周囲の雑音が携帯電話のマイクロフォン36で音響信号に変換され、増幅器37で増幅された後、整流器38で整流され、その後平滑化手段39で平滑化される。該平滑化手段39の出力は該音響信号の振幅情報に当る。次に該平滑化手段39の出力の振幅情報の最小値を保持し出力する最小振幅保持手段に導かれる。音響信号の音量は音響信号の振幅に比例するので、該最小振幅保持手段は最小音量信号保持手段41と同じものと云える。次に該最小音量信号保持手段の出力をサンプリングし且つホールドするS&H手段42に導かれる。
一方、図7のタイミング信号発生手段40により、図8のような時間関係のサンプリグ信号とリセット信号が発せられる。サンプリング信号は前記S&H手段42に導かれ最小音量信号保持手段41の出力信号をサンプルし且つホールドする。一方、リセット信号は前記最小音量信号保持手段の動作をリセットし、新たな次の周期の中で最小値を捜し保持する動作を開始する。
尚、図8に示すサンプリング信号とリセット信号が発せられる周期Tsは、携帯電話の場合、数秒程度にする。これは人の喋り言葉の息付きの区切りの平均間隔に近い周期にしておくとよい。この周期の中に携帯電話の話し手の喋り言葉が途切れる時が含まれる確率が高くなるからである。携帯電話の使用者が喋っていない時の平滑化手段39の出力信号は当該携帯電話が使われている周囲の音の音量レベルを示すことになる。誰でも非常に短い時間の隙間が全く無いくらいに喋り続ける人はいないので、ちょっと息付きで喋りが停止した時の音量が周囲の音の音量に相当する。
このように、S&H手段42でホールドされた信号をマルチプレクサー43を介してA/D44に導き、A/D44でデジタル化されたデジタル信号をDSP45に導く。この時、DSP45に導かれる値をEvと名付ける。DSP45の中では、ROM47に収納されたプログラムにより図9に示す処理を行う。尚、RAM48はDSPが動く時に必要なRAMである。
音量調節方法の第4の実施形態のプログラム処理は下記の1点を除いて音量調節方法の第3の例と全く同じである。違う1点とは、第3の例の中で説明した聴き手が望む音量を示す定数Zの値を、定数ではなくEvの関数とすることである。
即ち、周囲の音のレベルが大きい時はEvも大きいので、それに応じて聴き手の好みで設定したZを大きくする。それには、Zを次のようにEvの関数にする。即ち、Z=Zo×Ev/Evoである。ここでZoは基準となる定数で一定である。Evoは、周囲の音のレベルの基準になる値である。従って、この式の意味するところは、もし周囲の音のレベルが基準Evoより大きい場合Ev/Evoの比率だけZの値が大きくなることを意味する。小さい場合はその逆である。
尚、ZをEvの関数にする方法の他に、処理の最後の段階で行う音響信号の振幅補正において、補正式S’=A×S×Kiの中のAを定数ではなく、Evの関数とする事でも同じ効果が得られる。つまり、AをA=Ao×Ev/Evoとする。ここでAoは基準となる定数で一定である。Evoは上記と同じものである。従って、この式の意味するところは、もし周囲の音の音量が基準の音量Evoより大きかったとしたら、AがEv/Evoの比率だけ大きくなり、その結果音響信号の振幅がその分大きくなることを意味する。小さい場合は上記と同じくその逆である。
然し携帯電話の場合、この処理だけでは不充分である。つまり、携帯電話の使用者が、もし途切れ無く前記の周期Tsより長く喋り続けた場合は、その喋った声の音量の最低値に相当する値がEvになってしまう。これは周囲の雑音レベルより大きな値になることがある。従って、上記のZ=Zo×Ev/EvoやA=Ao×Ev/Evoの処理をする前に次の処理を挿入する必要がある。
即ち、携帯電話の使用者が喋った時の声の小さいレベルにおけるEvを採取し、その値をEvmとする。Ev<Evmの時は、上記の処理のままで良いが、Ev>Evmの場合は、その一つ前に使用したEvを代用して使うことにする。また、通話の最初からEv>Evmが満足された場合には、Ev=Evoとして処理する。
こうすることで、携帯電話を使う人は、自分が設定した好みの音量を更に周囲の雑音レベルに合わせた音量に修正して聴けるので、周囲の雑音に拘らず常に一定の聴き易さを実現できる。しかも、自分が喋った声の音量が周囲の雑音の音量と混同されない訳である。
更に、Evmを前記最小音量信号保持手段と並んで最大音量保持手段を設け、最大音量保持手段の出力信号にほぼ比例する関数とすることで、一層例外的に騒音の烈しい場合にも支障をきたさないようにできる。なぜなら、騒音の烈しい場所では、話し手は自然に大きな声になるので、その場合は判別のための基準値Evmがそれに応じて大きくなるので、声と周囲の騒音を混同するトラブルを避けられるからである。
次に第5の実施形態として、既に電子ボリュームにて音量を電気的に調節する手段を備えている音響機器に本発明を実施する場合について、その方法も説明する。電子ボリュームを使っている音響機器は一般的に図10(a)に示すプロック図のような構成になっている。その構成に、図10(b)に示す一点鎖線で囲まれたブロック図が追加される。この一点鎖線で囲まれた部分は図2に示すDSPを主体とした回路のブロック図とかなりの点で同じである。違う点は、図2の方ではDSPで要素情報信号を抽出することと、それによる音響電気信号の振幅を補正することの両方を行っているが、図10の方では要素情報信号の抽出と聴感音量信号の生成をDSPの中で行い、音響電気信号の自動音量調節は電子ボリュームの音量指定デジタル信号を修正することで実現している。修正する時のもとになる量は、前記第3の実施形態の時に求めたsRqである。尚、電子ボリュームでは、音量指定デジタル信号により音量が変化する形は、通常1ステップ当たり1デシベルのように対数化されている。従って、sRqも対数化して使うことになる。
この様子を図11のグラフで示している。これは図6のグラフに似ている。違うところは、図6の方は、縦軸が音響電気信号の振幅を補正する係数であったのに対して、図11の方は、望みの音量になる為の電子ボリュームへの音量指定デジタル信号を修正する係数であることである。また、上記の通り縦軸も横軸も対数化されたものになっている。
例えば、その音響機器において入力された音が標準的な音量の時、この時のsRqを対数化した値をrとする。もしsRqがrの時は、音量指定デジタル信号はそのままで修正されない。もしrより大きな音量が入ってきた場合は、望みの音量に設定されていた音量指定デジタル信号をrより大きい分だけ減算し、それを電子ボリュームに送出する。
逆に、sRqを対数化した値がrより小さい場合は、設定された音量指定デジタル信号に小さい幅だけ加算して電子ボリュームへ送出する。尚、図11のグラフも図6のグラフも、sRqがあるレベルより小さくなると、補正しないゼロのレベルに近づいてくる。また、更に小さくなると補正をしないゼロのレベルに固定される。この理由は、第3の実施形態で説明したのと同じであるので、ここでは割愛する。
本第5の実施形態では、要素情報を抽出し、聴感音量信号を生成する為のプロセサーの性能が比較的低い廉価なもので間に合うのと、既存回路にある電子式音量調節手段を利用できる特徴がある。
本発明を実際のテレビ受像機に実施した例を説明する。通常テレビにはリモート・コントローラが付いていて、その中に必ず消音と云うボタンがある。このボタンを押す度に画面上に消音のマークとOFFのマークが交互に現れ、それぞれの働きをする。即ち、消音が選択されると音が全く出ない訳である。これに本発明を実施すると下記のようになる。
本発明を上記のようなテレビに実施すれば、消音ボタンで切り替わるポジションが1ポジション増えて3ポジションになる。即ち、ボタンが1回押される度に「OFF」「聴覚音量一定」「消音」の3つのポジションを次々に回ることになる。特に深夜に戦争映画を見ている時などは聴覚音量一定を選択すれば良く、また音の強弱に意味のあるクラッシク音楽を楽しみたい時などは、OFFを選べば良い。
本発明による音量調節方法を音響機器の電子回路に実施することにより、その音響機器に導かれた音響信号がいかなる音響信号であっても、聴き手が実際に感じる音量が略一定になるように制御できる。従って、人間に音を聴かせる手段が含まれている機器に本発明を利用することにより、その製品が「人にやさしい製品」になれる。そして対象製品はテレビ、ラジオ、携帯電話、カーステレオ、トランシーバなど音を出す機能を含む製品の総てと云ってよいほど多岐にわたる。
この発明に係る音響電子回路の音量調節方法の一実施形態の構成を示す図である。 この発明に係る音量調節方法を実現する具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。 この発明に係る音量調節方法を説明するためのフローチャートである。 実際の音量レベルと聴感音量レベルの関係を経験則に基づいて示すグラフである。 この発明に係る第3の実施形態を示す図であり、第2図に示すハードウエアの中のソフト的な処理をブロック化して図示したものである。 第3の実施形態の中のsRqからKを導き出すグラフとグラフの中の3つの領域によりsRqからKを導き出す3つの式をまとめた表である。 第4の実施形態を説明するブロック図である。 図7の中のタイミング信号発生手段が発生するサンプル&ホールド信号とリセット信号の関係を示すグラフである。 第4の実施形態のDSPの中の処理の概念を示すブロック図である。 第5の実施形態を説明するブロック図である。 第5の実施形態の中の対数化されたsRqと音量指定デジタル信号の増減の関係を示すグラフである。
符号の説明
1…テレビ
2…ラジオ
3…携帯電話
4…パーソナルコンピュータ(PC)
10…音響再生回路
11…ボリューム
12…増幅器(アンプ)
13…スピーカ
20…音量調節回路
21…周波数分割手段
22…RMS処理要素
23…関数処理要素
24…重み付け要素
25…合成手段
26…スイッチ(SW)
27…比較手段
28…音量制御手段
31…アナログ/ディジタル変換器(A/D)
32…ディジタル信号演算部(DSP)
33…デジタル/アナログ変換器(D/A)
34…記録手段(ROM)
35…記録手段(RAM)
36…マイクロフォン
37…増幅器
38…整流手段
39…平滑化手段
40…タイミング信号発生手段
41…最小音量信号保持手段
42…サンプル・ホールド手段
43…マルチプレクサー
44…AD変換手段
45…デジタル・シグナル・プロセサー
46…DA変換手段
47…ROM
47…RAM。

Claims (15)

  1. 音響電気信号を所定の音量で再生出力する電子回路を有する情報処理機器の電子回路の音量調節方法において、
    前記電子回路は、該音響電気信号の波形としての少なくとも1つの要素情報信号を時時刻刻抽出する要素情報信号抽出手段と、
    該要素情報信号抽出手段により抽出された要素情報信号に基づいて、前記音響電気信号を再生して聴く人間が体感する音量度を示す聴感音量信号を生成するための平滑化手段を含む聴感音量信号生成手段と、
    再生された前記音響電気信号を聴く聴き手が好みの音量基準を設定できる音量基準設定手段と、
    前記聴感音量信号生成手段により生成された聴感音量信号に基づいて、前記音響電気信号の音量と前記音量基準設定手段により設定された音量基準との差を縮めるように再生出力されるべき前記音響電気信号の振幅を制御する少なくとも1つの振幅制御手段を備えたことを特徴とする音量調節方法。
  2. 前記音響電気信号の波形としての1つの要素情報信号として、微小時間平均振幅情報または擬似的微小時間平均振幅情報を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項1記載の音量調節方法。
  3. 前記音響電気信号の波形としての1つの要素情報信号として、微小時間平均実効値情報または擬似的微小時間平均実効値情報を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項1記載の音量調節方法。
  4. 前記音響電気信号の波形としての2つ目の要素情報信号として、周波数情報を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項2記載の音量調節方法。
  5. 前記音響電気信号の波形としての2つ目の要素情報信号として、周波数情報を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項3記載の音量調節方法。
  6. 前記要素情報信号抽出手段として、音響電気信号を周波数に対して複数のバンドに分割するためのバンド分割手段と、
    該バンド分割手段により分割されたバンドごとのエネルギーに相当する擬エネルギー成分を抽出するためのエネルギー成分抽出手段と、
    該エネルギー成分抽出手段により抽出されたバンドごとの擬エネルギー成分に基づいて関数処理された中間信号に対して重み付けするための重み付け手段と
    該重み付け手段から出力されたバンドごとの出力信号から同時に微小時間平均振幅情報または擬似的微小時間平均振幅情報および周波数情報の両方を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項4記載の音量調節方法。
  7. 前記要素情報信号抽出手段として、前記音響電気信号を周波数に対して複数のバンドに分割するためのバンド分割手段と、
    該バンド分割手段により分割されたバンドごとのエネルギーに相当する擬エネルギー成分を抽出するためのエネルギー成分抽出手段と、
    該エネルギー成分抽出手段により抽出されたバンドごとの擬エネルギー成分に基づいて関数処理された中間信号に対して重み付けするための重み付け手段と
    該重み付け手段から出力されたバンドごとの出力信号から同時に実効値情報または擬似的実効値情報および周波数情報の両方を抽出する要素情報信号抽出手段が含まれることを特徴とする請求項5記載の音量調節方法。
  8. 前記要素情報信号抽出手段として、周波数軸上において略比例する利得特性を有するフィルタ手段と、
    該フィルタ手段からの出力信号より微小時間平均振幅情報または擬似的微小時間平均振幅情報および周波数情報の二つの要素情報信号を抽出する要素情報抽出手段が含まれることを特徴とする請求項4記載の音量調節方法。
  9. 前記要素情報信号抽出手段として、周波数軸上において略比例する利得特性を有するフィルタ手段と、
    該フィルタ手段からの出力信号より実効値情報または擬似的実効値情報および周波数情報の二つの要素情報信号を抽出する要素情報抽出手段が含まれることを特徴とする請求項5記載の音量調節方法。
  10. 前記平滑化手段を含む聴感音量信号生成手段として、平滑化前の聴感音量信号の変化率により自動的に選択される少なくとも2種類の平滑化度を有する平滑化手段が含まれることを特徴とする請求項1〜9の音量調節方法。
  11. 前記音量基準設定手段として、周辺環境音波を採取し音響信号に変換する音波採取音響信号生成手段を有し、該音波採取音響信号生成手段の出力から所定の周期の間の最小音量信号を採取する最小音量信号採取手段を有し、該最小音量信号採取手段で採取された最小音量信号を該所定の周期の間保持する最小音量信号保持手段を有し、該最小音量信号保持手段により保持された最小音量信号に対応して、前記音量基準設定手段で設定された音量基準を更に増減させる音量基準設定変更手段が含まれることを特徴とする請求項1〜10の音量調節方法。
  12. 前期音量基準設定手段として、周辺環境音波を採取し音響信号に変換する音波採取音響信号生成手段を有し、該音波採取音響信号生成手段の出力から所定の周期の間の最小音量信号を採取する最小音量信号採取手段を有し、該最小音量信号採取手段で採取された最小音量信号を該所定の周期の間保持する最小音量信号保持手段を有し、聴き手が好みの音量に設定する第1の振幅制御手段のほかに該最小音量信号保持手段により保持された最小音量信号に対応して振幅を制御する第2の振幅制御手段が含まれることを特徴とする請求項1〜10の音量調節方法。
  13. コンピュータにより請求項1〜12のいずれか1項に記載の音量調節方法を実行するコンピュータプログラム。
  14. コンピュータにより請求項1〜12のいずれか1項に記載の音量調節方法を実行するコンピュータプログラムが記録された情報記録媒体。
  15. 電子工学上の原理と理論を使って請求項1〜12のいずれか1項に記載の音量調節方法を実現する電子回路。
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