JP2013178536A - イコライザのパラメータを制御する装置、方法およびプログラム - Google Patents

イコライザのパラメータを制御する装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】音響空間とイコライザとを含む閉ループの伝達関数の変動に関わらず、その閉ループを循環する残響音信号に表れる周波数軸上の急峻なピークの発生を確実に抑えこむ。
【解決手段】音場支援装置40のCPU61は、音響空間とPEQ54−1〜54−4を含む閉ループのうち音響空間を含みPEQ54−1〜54−4を含まない区間の振幅特性C(ω)を取得する。さらに、CPU61は、1〜8個のPEQパラメータpであって、それらのPEQパラメータpをPEQ54−1〜54−4に設定した場合におけるPEQ54−1〜54−4の伝達関数の振幅特性G(ω)と振幅特性C(ω)との和の振幅特性が目標レベルである0dB以下になるようなPEQパラメータpを算出し、それらのPEQパラメータpをPEQ54−1〜54−4に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、音響空間の音響効果を制御する技術に関する。
音響空間における既存の音響特性をベースとし、その音響空間における残響効果や初期反射音を含む反射音特性を増強、補正して音響特性を制御する音場支援システムがある。この音場支援システムは、音響空間の天井や側壁に固定されたマイクロホンおよびスピーカとそれらに接続された音場支援装置とにより構成される。
この種の音場支援システムの音場支援装置は、マイクロホンから収音信号が入力されると、FIRフィルタによってその収音信号へ所望の音響空間の残響効果等を付与するためのフィルタ係数列を畳み込み、この結果得られた信号をスピーカから放音するとともに放音した音の一部をマイクロホンへ帰還する、という処理を繰り返すことにより、音響空間における残響効果等を増強する。FIRフィルタに用いるフィルタ係数列の設定の如何によっては、狭小な音響空間でありながらあたかもコンサートホールなどの大きな音響空間で演奏しているかのような残響効果を創出することができる。
ところで、この種の音場支援システムにおいては、音響空間→マイクロホン→音場支援装置→スピーカ→音響空間という閉ループを音が循環する。そして、この閉ループの伝達関数(周波数応答)の振幅特性に鋭いピークが表れると、カラーレーションなどの聴感上の問題を引き起こすことがある。このような音響空間を含む閉ループの伝達関数(周波数応答)の振幅特性に鋭いピークが発生するのを抑えこむための仕組みを開示した文献として、たとえば、特許文献1が挙げられる。同文献に開示された音場支援装置は、FIRフィルタの後段にPEQ(Parametric Equalizer)を設け、PEQにおいて、FIRフィルタから出力される残響音信号における鋭いピークを含む帯域のゲインを低下させる。さらに、この音場支援装置は、音響空間にテスト音を放音してその収音信号を取得し、その収音信号にFFT(Finite Fourier Transform)処理を施してスペクトル分布を取得する。そして、PEQにおける限られたバンド数を効率的に用いたイコライジングを行うため、そのスペクトル分布をスムージング化し、スムージング化されたスペクトル分布をフラットにするようにPEQの伝達関数を設定する(特許文献1の図14を参照)。
特開平10−69280号公報
FIRフィルタによるフィルタ係数列の畳み込みを経て得られる残響音信号に現れるピークは、細く急峻なものであることも多い。しかしながら、特許文献1に記載された音場支援装置では、テスト音の収音信号から得たスペクトル分布をスムージング化したものを基にPEQの伝達関数を設定するようになっており、細く急峻なピークはスムージング化により消えてしまうため、イコライジングによってそのような細く急峻なピークを抑えこむことができなかった。また、そのようなピークを手動のイコライジングにより抑えこもうとした場合、残響音信号における他の重要な帯域の成分の振幅まで減衰させてしまい、十分な残響効果が得られない。また、そのピークを含む狭帯域の成分だけをノッチフィルタを用いて減衰させるという方策も採り得るところであるが、この場合、ピークの周波数が僅かでも変動すると効果が半減するため、有効な解決策とは言い難い。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、残響音信号に表れる周波数軸上の急峻なピークをPEQのイコライジングにより確実に抑えこむことを目的とする。
本発明は、複数バンドのイコライジング処理を実行するイコライザと、振幅特性を取得する振幅特性取得手段を含み、前記振幅特性取得手段が取得した振幅特性と目標特性との差分である第1の振幅特性に基づいて前記イコライザの目標振幅特性を求める目標振幅特性決定処理と、前記イコライザの振幅特性を前記目標振幅特性とする前記複数バンドのイコライジング処理のパラメータを決定するパラメータ生成処理であって、前記目標振幅特性を第2の振幅特性の初期値とし、その後、前記複数バンドのうち1つを設定バンドとし、前記第2の振幅特性の最大ピークの周波数を前記設定バンドの中心周波数とし、前記イコライザの振幅特性と前記第2の振幅特性との間のゲイン差の面積を最も小さくする前記設定バンドのイコライジング処理のパラメータを決定し、記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定した場合における前記イコライザの振幅特性と前記第1の振幅特性との和により前記第2の振幅特性を更新する処理を繰り返し、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定するパラメータ生成処理とを実行する制御手段とを具備することを特徴とするイコライザ装置を提供する。
本発明によると、制御手段は、振幅特性取得手段により振幅特性を取得し、その取得した振幅特性とイコライザの振幅特性との和の振幅特性が目標特性以下になるように、イコライザのパラメータを設定する。
本発明の一実施形態である音場支援装置を含む音場支援システムの全体構成を示す図である。 図1の音場支援システムにおける音場支援装置の構成を示す図である。 図2の音場支援装置のCPUが実行する処理を示すフローチャートである。 フラットでない振幅特性とフラットである振幅特性の一例を示す図である。 図2の音場支援装置のCPUが実行するPEQ目標振幅特性決定処理を示すフローチャートである。 振幅特性R’(ω)の包絡曲線を示す図である。 図2の音場支援装置のCPUが実行する振幅特性簡略化処理を示すフローチャートである。 図2の音場支援装置のCPUが実行するパラメータ生成処理を示すフローチャートである。 振幅特性R’(ω)と振幅特性G(ω)とを示す図である。 他の実施形態を説明するための図である。 他の実施形態を説明するための図である。 他の実施形態を説明するための図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態である音場支援装置40を含む音場支援システムの全体構成を示す図である。この音場支援システムは、音響空間1内における音響特性を制御する。本実施形態における音響特性の制御とは、初期反射音のレベル、時間構造、到来方向などの特性を含む反射音特性や、残響特性を制御することを意味する。この音場支援システムは、マイクロホン10−k(k=1〜8)、スピーカ20−m(m=1,2…M)、マイクアンプ部31、パワーアンプ部32、および音場支援装置40を有する。マイクロホン10−k(k=1〜8)とスピーカ20−m(m=1,2…M)は、音響空間1の側壁や天井に間隔を空けて固定される。
音場支援装置40は、音響空間1内で楽器の演奏等により発生した音が、マイクロホン10−k(k=1〜8)、当該音場支援装置40、およびスピーカ20−m(m=1,2…M)を経由して音響空間1へ帰還する状態(「音響帰還状態」という)を作り出し、音が当該音場支援装置40を経由する際に、音響空間1の残響や初期反射音に関する音響特性を目標とする別の音響空間(「目標音響空間」という)の音響特性に近づけるような信号処理を施す。この信号処理の詳細は、後述する。
図2は、音場支援装置40の構成を示す図である。この音場支援装置40において、音を収音したマイクロホン10−k(k=1〜8)からマイクアンプ部31を介して入力される8チャネルのアナログ信号は、A/D変換器(不図示)にてディジタル形式に変換され、ミキサ51およびEMR(Electronic Microphone Rotator)52を経由した後、4系統の収音信号としてFIR(Finite impulse response)フィルタ53−i(i=1〜4)へ入力される。ここで、EMR52は、当該EMR52に入力される4系統の信号と当該EMR52から出力される4系統の信号との接続関係を電気的に時々刻々切り換えることにより、システムの周波数特性を平坦化する役割を果たす。
FIRフィルタ53−i(i=1〜4)は、EMR52から入力された収音信号を遅延時間t(j=1,2…g)だけ遅延させた信号(「遅延オーディオ信号s(j=1,2…g)」という)を発生し、これらの遅延時間t(j=1,2…g)の各々に対応したフィルタ係数値h(j=1,2…g)を遅延オーディオ信号s(j=1,2…g)に乗算し、その乗算結果の各々を加算する積和演算を行い、その積和演算結果を残響効果等の付与された信号(「残響音信号」という)として出力する。
FIRフィルタ53−i(i=1〜4)には、残響パターンが設定される。残響パターンは、目標音響空間のインパルス応答(時間応答)に相当するフィルタ係数値h(j=1,2…g)と遅延時間t(j=1,2…g)の各対をフィルタ係数ht(j=1,2…g)とし、これらのフィルタ係数ht(j=1,2…g)を時間軸順に並べたものである。フィルタ係数ht(j=1,2…g)におけるインパルス応答(時間応答)をフーリエ変換すると、目標音響空間の周波数応答が求められる。そして、このフーリエ変換によって求められる周波数応答は、目標音響空間における振幅特性と位相特性とを含む。
図2において、FIRフィルタ53−i(i=1〜4)が出力した残響音信号は、PEQ(Parametric Equalizer)54−i(i=1〜4)に入力される。
PEQ54−i(i=1〜4)は、残響音信号の帯域を8つ以下の複数のバンドに分割し、残響音信号におけるそれらの各バンドの周波数成分に個別のイコライジングを施す。PEQ54−i(i=1〜4)には、PEQパラメータp(s=1〜8)が設定される。PEQパラメータp(s=1〜8)は、残響音信号の帯域を8つのバンドに分割した場合における第1バンドから第8バンドまでの各バンドの中心周波数cf(s=1〜8)、各バンドの中心周波数cf(s=1〜8)におけるレベルの増減量であるゲインg(s=1〜8)、および各バンドの周波数特性の鋭さであるQ値q(s=1〜8)を指定するパラメータである。PEQ54−i(i=1〜4)には、入力信号の全帯域の周波数成分を変えることなくそのまま出力するようなPEQパラメータp(s=1〜8)、すなわち、第1バンドから第8バンドまでの各バンドのゲインg(s=1〜8)を0dBとしたPEQパラメータp(s=1〜8)がデフォルトとして設定されている。そして、PEQ54−i(i=1〜4)におけるデフォルトのPEQパラメータp(s=1〜8)は、CPU61が生成する新たなPEQパラメータp(s=1〜8)によって書き換えられる。詳しくは、後述する。
PEQ54−i(i=1〜4)が出力した残響音信号は、スイッチ55−i(i=1〜4)および加算器56−i(i=1〜4)を経由し、コンプレッサ57−i(i=1〜4)によるダイナミックレンジ圧縮を経てからレベル・ディレイマトリックス58へ入力される。スイッチ55−i(i=1〜4)は、音響帰還状態のオンとオフとを切り換える役割を果たす。また、加算器56−i(i=1〜4)は、ノイズジェネレータ64から音響空間の伝達関数計測用の信号が出力されている場合に、その出力信号をコンプレッサ57−i(i=1〜4)へ供給する役割を果たす。このノイズジェネレータ64の出力信号については、後述する。
レベル・ディレイマトリックス58は、コンプレッサ57−i(i=1〜4)に繋がる4本の入力信号線(不図示)の各々とパワーアンプ部32へ繋がるMチャネル分の出力信号線(不図示)の各々とを交差させ、交差位置の各々にゲイン調整用可変抵抗(不図示)と遅延素子(不図示)とを配した装置である。このレベル・ディレイマトリックス58に入力される4系統の残響音信号は、各々の入力信号線と1〜Mの各チャネルの出力信号線との交差位置においてゲイン調整や位相調整が施され、Mチャネルに分割される。そして、分割されたMチャネルの残響音信号の各々は、D/A変換器(不図示)にてアナログ信号に変換され、変換されたアナログ信号はパワーアンプ部32による増幅を経てスピーカ20−m(m=1,2…M)へ出力される。
CPU61は、当該音場支援装置40の制御中枢であり、RAM62をワークエリアとして利用しつつ、ROM63に記憶された制御プログラムを実行する。制御プログラムは、PEQパラメータp(s=1〜8)を生成してPEQ54−i(i=1〜4)に設定する処理をCPU61に実行させるプログラムである。ノイズジェネレータ64は、CPU61による指示に従い、テスト音であるピンクノイズの信号を発生する。操作部65は、各種入力操作を受け付けるタッチパネルである。
次に、本実施形態の動作を説明する。図3は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。図3に示す一連の処理は、制御プログラムの働きによりCPU61が実行する処理である。CPU61は、PEQ54−i(i=1〜4)にデフォルトのPEQパラメータp(s=1〜8)が設定されている状態において、PEQパラメータp(s=1〜8)の生成の指示が操作部65によって下されると、PEQ54−i(i=1〜4)を1つずつ選択し、それらのPEQ54−i(i=1〜4)の各々について図3に示す一連の処理を実行する。
図3において、CPU61は、スイッチ55−i(i=1〜4)をオフ状態に切り換え(S100)、音響帰還状態を解消する。
CPU61は、ノイズジェネレータ64によるピンクノイズの信号の発生を開始させる(S110)。このピンクノイズの信号は、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)を含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)を計測するための信号である。ノイズジェネレータ64の出力信号は、CPU61へ供給されるとともに、加算器56−i(i=1〜4)、レベル・ディレイマトリックス58、およびパワーアンプ部32を経由し、スピーカ20−m(m=1,2…M)から音響空間1へテスト音として放射される。そして、その音響空間1におけるテスト音の応答音がマイクロホン10−k(k=1〜8)によって収音され、その収音信号が、マイクアンプ部31、ミキサ51、EMR52を介してFIRフィルタ53−i(i=1〜4)へ入力される。さらに、収音信号の入力を受けたFIRフィルタ53−i(i=1〜4)からその信号処理を経て出力される残響音信号が、その周波数成分を変更されないままPEQ54−iを通過してCPU61へ供給される。
CPU61は、予め設定されたピンクノイズの出力時間(たとえば、2秒間)が経過すると(S120:Yes)、ピンクノイズの信号の発生を停止させる(S130)。
すなわち、ステップS110においてピンクノイズの信号の発生が始まってからステップS130においてその発生が停止されるまでの間に、CPU61は、テスト音であるピンクノイズそのものの信号(「テスト信号」という)と、音響空間1におけるそのテスト音の応答音から得られた残響音信号(「応答信号」という)とを取得する。
次に、CPU61は、PEQ目標振幅特性決定処理を実行する(S140)。このPEQ目標振幅特性決定処理は、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)とを含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)の振幅特性(「振幅特性C(ω)」と記す)をフラットにするために必要なPEQ54−i(i=1〜4)の伝達関数(周波数応答)の振幅特性を決定する処理である。
ここで、振幅特性C(ω)がフラットであるとは、振幅特性C(ω)における全周波数の振幅の平均値とその最大値との差が十分に小さいことを意味する。
図4(A)は、フラットでない振幅特性C(ω)の一例を示す図であり、図4(B)はフラットな振幅特性C(ω)の一例を示す図である。両図における振幅特性C(ω)の全周波数の振幅値(dB)の平均値LAVEとその最大値LMAXの差を比較すると、前者より後者のほうがその差が2.5dB程度小さくなっていることが分かる。これは、前者よりも後者のほうがカラレーションを発生させにくい特性であることを意味する。
図5は、PEQ目標振幅特性決定処理のサブルーチンを示す図である。
図5において、CPU61は、ステップS110においてピンクノイズの信号の発生が始まってからステップS130においてその発生が停止されるまでの間に取得したテスト信号と応答信号とを用いて振幅特性C(ω)を取得する(S141)。より詳細に説明すると、まず、テスト信号に対して、窓幅を32768サンプル、オーバーラップ率を95%とするFFT(Finite Fourier Transform)処理を施し、パワースペクトル(分布の時間平均)を求める。次に、応答信号に対しても同様のFFT処理を施し、パワースペクトル(分布の時間平均)を求める。そして、前者のパワースペクトルから後者のパワースペクトルを減算した結果を振幅特性C(ω)とする。
本実施形態においては、振幅特性を、各周波数の振幅を対数として示す一連の対数値列として取り扱う。
CPU61は、0dBを目標レベルとし(S142)、ステップS141で取得した振幅特性C(ω)とその目標レベルとの差である振幅特性(「振幅特性R(ω)」と記す)を算出する(S143)。
次に、CPU61は、ステップS144からステップS149の処理である振幅特性簡略化処理を実行する。振幅特性簡略化処理は、ステップS143で取得した振幅特性R(ω)を、その特徴をより起伏の少ない包絡曲線によって簡略化した振幅特性(「振幅特性R’(ω)」と記す)へと変換する処理である。図6は、ある振幅特性R(ω)に、振幅特性簡略化処理を経てその振幅特性R(ω)から得られた振幅特性R’(ω)を重ね合わせた図である。この振幅特性簡略化処理を実行するにあたり、CPU61は、次式に示すガウス関数GFの形状を決定づけるパラメータaおよびbのセットを記憶するための領域(「ガウス関数記憶領域」という)と変換途中の振幅特性を記憶するための領域(「振幅特性記憶領域」という)とをRAM62に確保し、これらの記憶領域の記憶内容を更新しつつ、ステップS144からステップS149の一連の処理を実行する。
GF=b・exp(−(x−a)/2c)…(1)
この式におけるパラメータaはガウス関数GFのピーク周波数を示し、パラメータbはそのピーク周波数における振幅を示す。また、cはガウス関数の幅を示す定数である。
振幅特性簡略化処理において、CPU61は、ステップS143で求めた振幅特性R(ω)を振幅特性記憶領域に記憶した後、その振幅特性記憶領域から最大ピークの周波数を検出する(S144)。CPU61は、最大ピークの周波数をパラメータaにするとともに、その周波数における振幅をパラメータbとし、両パラメータa,bのセットをガウス関数記憶領域に記憶する(S145)。
CPU61は、それまでにガウス関数記憶領域にセットとして記憶したパラメータa,bを上記式に入力し、その入力によって得られるガウス関数GFを重ね合わせた曲線(「フィット曲線」という)を求める(S146)。
さらに、CPU61は、振幅特性記憶領域に記憶されている振幅特性からステップS146で求めたフィット曲線を減算し、その残りの振幅特性における各周波数の振幅の最大値が閾値THを下回るか否かを判断する(S147)。この閾値THは0よりも僅かに大きな値とする。そして、閾値THを下回らない場合(S147:No)、その残りの振幅特性によって振幅特性記憶領域を更新し(S148)、ステップS144以降の処理を繰り返す。
CPU61は、ステップS147において、振幅特性における各周波数の振幅の最大値が閾値THを下回ると判断した場合(S147:Yes)、それまでにガウス関数記憶領域に記憶したパラメータa,bの各セットにより得られるフィット曲線を、振幅特性R’(ω)として取得する(S149)。
この振幅特性簡略化処理について、図7を参照してさらに具体的に説明する。図7は、ステップS144からステップS148のループのn回の繰り返しによって、振幅特性R’(ω)が求まるまでの様子を示す図である。図7の例では、ステップS143で求めた振幅特性R(ω)を振幅特性R(ω)と記す。この例における1回目のループでは、振幅特性R(ω)からフィット曲線Fcを減算することにより、振幅特性R(ω)が得られる。このフィット曲線Fcは、振幅特性R(ω)の最大ピークPの周波数をパラメータaとし、最大ピークPの振幅をパラメータbとして上記式に入力したガウス関数GFである。振幅特性R(ω)における各周波数の振幅の最大値が閾値THを上回る場合、2回目のループに入る。2回目のループでは、振幅特性R(ω)からフィット曲線Fcを減算することにより、振幅特性R(ω)が得られる。フィット曲線Fcは、振幅特性R(ω)の最大ピークPの周波数をパラメータaとし、最大ピークPの振幅をパラメータbとして上記式に入力したガウス関数GFを、1回目のループで求めたガウス関数GFに重ね合わせたものである。このようなループをn回繰り返し、そのn回の繰り返しを経て得られた振幅特性R(ω)における各周波数の振幅の最大値が閾値THを下回ると、それまでのn個のガウス関数GFを重ね合わせたフィット曲線Fcを振幅特性R’(ω)とする。
図5において、CPU61は、ステップS149で取得した振幅特性R’(ω)の逆特性となる振幅特性(「振幅特性−R’(ω)」と記す)を、振幅特性C(ω)をフラットな振幅特性にするために必要なPEQ54−iの目標振幅特性として取得する(S150)。
図3において、CPU61は、PEQ54−iの目標振幅特性を取得した後、パラメータ生成処理を実行する(S160)。
図8は、パラメータ生成処理のサブルーチンを示す図である。
上述したように、振幅特性簡略化処理では、振幅特性C(ω)と目標レベル(0dB)との差である振幅特性R(ω)のピークの周波数とその振幅をそれぞれパラメータa,bとするn個のガウス関数を重ね合わせたフィット曲線を振幅特性R’(ω)とする。図9に示すように、この振幅特性R’(ω)には、PEQ54−iによるイコライジングが可能なバンドの最大数である8よりも多くのピークが発生し得る。パラメータ生成処理は、8つ以下のPEQパラメータpであって、それらを設定した場合におけるPEQ54−iの伝達関数(周波数応答)の振幅特性(「振幅特性G(ω)」と記す)と振幅特性R’(ω)との和である振幅特性の最大ピークの振幅値が0dBより僅かに大きな閾値TH以下になるようなPEQパラメータpを生成する処理である。
パラメータ生成処理を実行するにあたり、CPU61は、生成済みのPEQパラメータpを記憶するための領域(「パラメータ記憶領域」という)、PEQパラメータpの生成数を示す変数sを記憶するための領域(「生成数記憶領域」という)、およびPEQパラメータpを生成する過程において算出した振幅特性を記憶するための領域(「振幅特性記憶領域」という)、およびその過程において算出した面積を記憶するための領域(「面積記憶領域」という)をRAM62に確保し、これらの記憶領域の記憶内容を更新しつつ、ステップS161からステップS178の一連の処理を実行する。
図8において、CPU61は、生成数記憶領域における変数sを初期値1に設定した後(S161)、PEQ54−iの目標振幅特性である振幅特性−R’(ω)を、振幅特性−R’(ω)として振幅特性記憶領域に記憶する(S162)。
後述するように、この振幅特性記憶領域に記憶される振幅特性−R’(ω)は、変数sのインクリメントに従い、振幅特性−R’(ω)、振幅特性−R’(ω)…振幅特性−R’(ω)と書き換えられる。
次に、CPU61は、振幅特性記憶領域に記憶された振幅特性−R’(ω)における最大ピークの周波数を中心周波数cfとして決定し(S163)、その中心周波数cfとした周波数の振幅値をゲインgとして決定する(S164)。さらに、CPU61は、振幅特性−R’(ω)における中心周波数cfとした周波数の振幅の1/√2の振幅値を有する一つの周波数をf1とし、中心周波数cfに関して周波数軸上でf1と対称になる周波数をf2とした場合に以下の式から求まる値qをQ値qの初期値として決定し(S165)、これらの3種類の値cf,g,qからなるPEQパラメータpをパラメータ記憶領域に記憶する(S166)。
q=cf/(|f1−f2|)…(2)
後述するように、このパラメータ記憶領域には、PEQパラメータp、PEQパラメータp…PEQパラメータpが1つずつ書き加えられる。
CPU61は、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)を算出し(S167)、この振幅特性G(ω)と振幅特性−R’(ω)とのゲイン差の面積を算出する(S168)。より具体的には、振幅特性G(ω)と振幅特性−R’(ω)との間の周波数ごとのゲイン(dB値)の差を求め、周波数ごとのゲイン(dB値)の差の絶対値を総計した値をゲイン差の面積とする。
CPU61は、ステップS168において求めた面積が面積記憶領域に記憶されている面積よりも小さいか否かを判断する(S169)。ここで、当該パラメータ生成処理が開始された当初は、面積記憶領域に比較対象となる面積が記憶されていない。この場合、ステップS169では、ステップS168において求めた面積が面積記憶領域に記憶されている面積よりも小さいとみなす。
CPU61は、ステップS168において求めた面積が面積記憶領域に記憶されている面積よりも小さいと判断したとき(S169:Yes)、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのQ値qをそれよりも所定量だけ小さなQ値qに置き換え(S170)、ステップS168において求めた面積を面積記憶領域に上書きした後(S171)、ステップS167に戻る。ステップS167では、Q値qを変更したPEQパラメータpとパラメータ記憶領域におけるそれ以外のPEQパラメータpとをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)が算出され、この振幅特性G(ω)を基に以降の処理が実行される。
一方、CPU61は、ステップS168において求めた面積が面積記憶領域に記憶されている面積よりも大きいと判断したとき(S169:No)、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのQ値qを、その前のステップS170における置き換えを行う前のQ値qに戻す(S172)。
ここで、PEQ54−iの伝達関数(周波数応答)における各バンドのピークはそのバンドのQ値を小さくするほど緩やかなものとなる。また、PEQ54−iにおける各バンドのゲインは中心周波数を中心として左右対称な形状になるのに対し、振幅特性−R’(ω)における振幅はある周波数のピークを中心として左右対称な形状にはならない。そこで、本実施形態では、振幅特性−R’(ω)における最大ピークの周波数を中心周波数cfとし、その中心周波数cfに応じて十分に大きなQ値qの初期値を求め、その初期値からQ値qを所定量ずつ小さくしながらゲイン差の面積の極小値を探索し、面積が減少から増加に転じる直前のQ値qを採用する。
CPU61は、パラメータ記憶領域におけるPEQパラメータpのQ値qを、ステップS170における置き換えを行う前のQ値qに戻した後、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性簡略化処理において算出した振幅特性R’(ω)との和である振幅特性を算出し(S173)、この振幅特性の最大ピークの振幅値が閾値TH以下になったかを判断する(S174)。
CPU61は、ステップS174において、振幅特性C(ω)と振幅特性R’(ω)との和である振幅特性の最大ピークの振幅値が閾値TH以下になっていないと判断した場合(S174:No)、生成数記憶領域における変数sが「8」であるか否かを判断する(S175)。
CPU61は、ステップS175において、変数sが「8」でないと判断した場合(S175:No)、変数sを1つインクリメントした後(S176)、面積記憶領域に記憶されている面積を消去する(S177)。さらに、CPU61は、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性記憶領域に記憶されている振幅特性−R’(ω)との和である振幅特性を新たな振幅特性−R’(ω)として振幅特性記憶領域に上書きした後、ステップS163に戻る。そして、そのステップS163からステップS166において、パラメータ記憶領域に新たなPEQパラメータpが書き加えられ、続くステップS167からS171に至るループの繰り返しを経て、そのPEQパラメータpのQ値qが最適化される。
CPU61は、ステップS174において、振幅特性C(ω)と振幅特性R’(ω)との和である振幅特性の最大ピークの振幅値が閾値TH以下になったと判断した場合(S174:Yes)、または、ステップS175において、変数sが「8」であると判断した場合(S175:Yes)、パラメータ生成処理を終了する。
このパラメータ生成処理では、ステップS163からステップS178に至るループが最大で8回繰り返されることにより、1〜8個のPEQパラメータpであって、それらをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性R’(ω)との和の振幅特性の最大ピークが閾値TH以下になるようなPEQパラメータpがパラメータ記憶領域に記憶される。
図3において、CPU61は、パラメータ生成処理によってPEQパラメータpを生成すると、その時点においてパラメータ記憶領域に記憶されている1〜8個のPEQパラメータpをPEQ54−iに設定する(S180)。以後、スイッチ55−qがオン状態に切り換えられると、PEQ54−iは、FIRフィルタ53−qが出力する残響音信号へこのPEQパラメータpに従った1〜8バンドのイコライジングを施し、イコライジングを施した残響音信号を出力する。
以上説明した本実施形態によると、音場支援装置40のCPU61は、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)とを含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)の振幅特性C(ω)を取得し、その振幅特性C(ω)と目標レベル(0dB)との差の振幅特性R’(ω)を求める。さらに、CPU61は、1〜8個のPEQパラメータpであって、それらのPEQパラメータpをPEQ54−iに設定した場合におけるPEQ54−iの伝達関数(周波数応答)の振幅特性G(ω)と振幅特性R’(ω)との和である振幅特性の最大ピークが閾値TH以下になるようなPEQパラメータpを算出し、それらのPEQパラメータpをPEQ54−iに設定する。よって、音響空間1を含む閉ループの伝達関数(周波数応答)の変動の如何に変わらず、その音響空間内1を循環する残響音信号における急峻なピークの発生を確実に抑えることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記実施形態のパラメータ生成処理におけるステップS168では、音場支援装置40のCPU61は、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)とPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性である振幅特性−R’(ω)とのゲイン差の面積を求めた。しかし、このステップS168では、CPU61は、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性R’(ω)とのゲイン和の面積を求めるようにしてもよい。
(2)上記実施形態において、音場支援装置40のCPU61は、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)とを含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)の振幅特性C(ω)と目標レベルである0dBとの差である振幅特性R’(ω)を算出し、振幅特性R’(ω)の逆特性である振幅特性−R’(ω)をPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性としてパラメータ生成処理を行った。しかし、図10に示すように、振幅特性−R’(ω)を求めた後、操作部65の操作を通じて設定した伸縮率α(0<α≦1)をその振幅特性−R’(ω)に乗算し、この振幅特性−R’(ω)×αをPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性としてパラメータ生成処理を行ってもよい。この伸縮率αを上限値である1に近づけると、残響音信号における急峻なピークの発生をより確実に抑制することができるものの、残響音信号の波形は狙いとする残響音のものから遠ざかる。よって、急峻なピークの発生の抑制を重視する場合はαを大きくし、狙いとする残響音のものに近い残響音信号を出力することを重視する場合はαを小さくするとよい。
(3)上記実施形態のPEQ目標振幅特性決定処理において、音場支援装置40のCPU61は、0dBを目標レベルとし、振幅特性C(ω)とその目標レベルの差を振幅特性R(ω)とした。しかし、0dBに代わる任意の目標特性を操作部65の操作により設定できるようにしてもよい。たとえば、図11に示すように、高域になるほどゲインが小さくなるような目標特性を設定し、振幅特性C(ω)とその目標特性との差を振幅特性R(ω)として以後の処理を行うことにより、低音が強調される振幅特性C(ω)となるようなPEQパラメータpをPEQ54−i(i=1〜4)に設定することが可能である。この実施形態によると、音響空間1を含む閉ループの伝達関数(周波数応答)の振幅特性と目標音響空間の音響特性との関係によって決まる目標特性が平坦とはならない場合においても、その音響空間内1を循環する残響音信号における急峻なピークを発生させることなく、音響空間内1の音響特性を目標音響空間のそれに近づけるような制御を実現できる。
(4)上記実施形態のPEQ目標振幅特性決定処理において、音場支援装置40のCPU61は、0dBを目標レベルとし、振幅特性C(ω)における目標レベル以上のレベルを減衰させるような振幅特性−R’(ω)をPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性とした。しかし、振幅特性C(ω)における目標レベル以上のレベルを減衰させるだけでなく、その目標レベル以下のレベルを強調するような振幅特性−R’(ω)をPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性としてもよい。たとえば、図12に示すように、レベルの強調量の最大許容値βを設定し、振幅特性C(ω)と目標レベル−最大許容値βとの差を振幅特性R(ω)とし、振幅特性R(ω)を簡略化した振幅特性R’(ω)を求め、この振幅特性R’(ω)を目標レベルを反転軸として反転させた振幅特性−R’(ω)をPEQ54−i(i=1〜4)の目標振幅特性としてもよい。ここで、最大許容値βを大きくすると、振幅特性C(ω)はフラットに近づくものの、PEQ54−i(i=1〜4)によるイコライジングを経て音響空間1に帰還される残響音信号の波形は狙いとする残響音のものから遠ざかる。よって、振幅特性C(ω)をフラットに近づけることを重視する場合は、最大許容値βを大きくし、狙いとする残響音のものに近い残響音信号を出力することを重視する場合は最大許容値βを小さくするとよい。
(5)上記実施形態のPEQ目標振幅特性決定処理において、音場支援装置40のCPU61は、音響空間1へテスト音を放射させ、そのテスト音そのものの信号であるテスト音信号と、音響空間1におけるそのテスト音の反射音の収音信号から得た残響音信号である反応信号とを取得し、それらの2種類の信号のパワースペクトルの差を基に、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)を含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)の振幅特性C(ω)を取得した。しかし、このような実測結果を用いた算出に代えて、所望の音響空間の形状からその音響空間のインパルス応答を割り出すシミュレータを用いて振幅特性C(ω)を取得してもよい。
(6)上記実施形態のパラメータ生成処理において、音場支援装置40のCPU61は、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性簡略化処理において算出した振幅特性R’(ω)との和である振幅特性が閾値TH以下になったことを、当該パラメータ生成処理の終了の条件とした。しかし、パラメータ記憶領域に記憶されているPEQパラメータpのすべてをPEQ54−iに設定した場合における振幅特性G(ω)と振幅特性C(ω)との和である振幅特性が閾値TH以下になったことを、当該パラメータ生成処理の終了の条件としてもよい。要するに、音響空間1とPEQ54−i(i=1〜4)を含む閉ループのうち音響空間1を含みPEQ54−i(i=1〜4)を含まない区間の伝達関数(周波数応答)の振幅特性である振幅特性C(ω)が目標特性以下になるように、PEQ54−iの各々の伝達関数を制御するようになっていればよい。
(7)上記実施形態において、音場支援装置40は、CPU61、RAM62、ROM63の代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアを有し、このハードウェアに、制御プログラムの働きによる処理と同様の処理を実行させてもよい。
(8)上記実施形態の振幅特性簡略化処理において、音場支援装置40のCPU61は、ガウス関数の形状を決定付ける3種類のパラメータa,b,cのうちその幅を決定付けるパラメータcを固定値とした。しかし、このパラメータcを動的に変化させてもよい。この実施形態の振幅特性簡略化処理では、たとえば、ステップS145において、最大ピークの周波数をパラメータaとし、その周波数における振幅をパラメータbとし、最大ピークの周波数と振幅の大きさがその周波数の2分の1まで減衰している高周波側または低周波側の周波数との間の幅に基づいた値をパラメータcとし、これらのパラメータa,b,cのセットをガウス関数記憶領域に記憶する。そして、続くステップS146では、それまでにガウス関数記憶領域にセットとして記憶したパラメータa,b,cを上記式(1)に入力し、その入力によって得られるガウス関数の重ねあわせをフィット曲線とする。
1…音響空間1、10…マイクロホン、20…スピーカ、31,32…アンプ部、40…音場支援装置、51…ミキサ、52…EMR、53…FIRフィルタ、54…PEQ、55…スイッチ、56…加算器、57…コンプレッサ、58…レベル・ディレイマトリックス、61…CPU、62…RAM、63…ROM、64…ノイズジェネレータ、65…操作部。

Claims (6)

  1. 複数バンドのイコライジング処理を実行するイコライザと、
    振幅特性を取得する振幅特性取得手段を含み、前記振幅特性取得手段が取得した振幅特性と目標特性との差分である第1の振幅特性に基づいて前記イコライザの目標振幅特性を求める目標振幅特性決定処理と、前記イコライザの振幅特性を前記目標振幅特性とする前記複数バンドのイコライジング処理のパラメータを決定するパラメータ生成処理であって、前記目標振幅特性を第2の振幅特性の初期値とし、その後、前記複数バンドのうち1つを設定バンドとし、前記第2の振幅特性の最大ピークの周波数を前記設定バンドの中心周波数とし、前記イコライザの振幅特性と前記第2の振幅特性との間のゲイン差の面積を最も小さくする前記設定バンドのイコライジング処理のパラメータを決定し、記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定した場合における前記イコライザの振幅特性と前記第1の振幅特性との和により前記第2の振幅特性を更新する処理を繰り返し、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定するパラメータ生成処理とを実行する制御手段と
    を具備することを特徴とするイコライザ装置。
  2. 前記パラメータ生成処理では、前記第2の振幅特性の最大ピークの周波数を前記設定バンドの中心周波数とし、前記イコライザの振幅特性と前記第2の振幅特性との間のゲイン差の面積を最も小さくする当該設定バンドのイコライジング処理のQ値を探索することを特徴とする請求項1に記載のイコライザ装置。
  3. 前記目標振幅特性決定処理では、前記第1の振幅特性を包絡曲線により簡略化した簡略化振幅特性に変換し、前記簡略化振幅特性の逆特性を前記目標振幅特性とすることを特徴とする請求項1または2に記載のイコライザ装置。
  4. 前記目標振幅特性決定処理では、前記第1の振幅特性がピークとなる周波数においてピークとなる複数の関数を重ね合わせた曲線を求めることにより前記簡略化振幅特性を生成することを特徴とする請求項3に記載のイコライザ装置。
  5. 振幅特性を取得する振幅特性取得過程と、
    前記振幅特性取得過程において取得した振幅特性と目標特性との差分である第1の振幅特性に基づいて前記イコライザの目標振幅特性を求める目標振幅特性決定処理と、複数バンドのイコライジング処理を実行するイコライザの振幅特性を前記目標振幅特性とする前記複数バンドのイコライジング処理のパラメータを決定するパラメータ生成処理であって、前記目標振幅特性を第2の振幅特性の初期値とし、その後、前記複数バンドのうち1つを設定バンドとし、前記第2の振幅特性の最大ピークの周波数を前記設定バンドの中心周波数とし、前記イコライザの振幅特性と前記第2の振幅特性との間のゲイン差の面積を最も小さくする前記設定バンドのイコライジング処理のパラメータを決定し、記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定した場合における前記イコライザの振幅特性と前記第1の振幅特性との和により前記第2の振幅特性を更新する処理を繰り返し、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定するパラメータ生成処理とを実行する制御過程と
    を具備することを特徴とするイコライザの制御方法。
  6. コンピュータに、
    振幅特性を取得する振幅特性取得過程と、
    前記振幅特性取得過程において取得した振幅特性と目標特性との差分である第1の振幅特性に基づいて前記イコライザの目標振幅特性を求める目標振幅特性決定処理と、複数バンドのイコライジング処理を実行するイコライザの振幅特性を前記目標振幅特性とする前記複数バンドのイコライジング処理のパラメータを決定するパラメータ生成処理であって、前記目標振幅特性を第2の振幅特性の初期値とし、その後、前記複数バンドのうち1つを設定バンドとし、前記第2の振幅特性の最大ピークの周波数を前記設定バンドの中心周波数とし、前記イコライザの振幅特性と前記第2の振幅特性との間のゲイン差の面積を最も小さくする前記設定バンドのイコライジング処理のパラメータを決定し、記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定した場合における前記イコライザの振幅特性と前記第1の振幅特性との和により前記第2の振幅特性を更新する処理を繰り返し、前記記憶手段に記憶されたパラメータを前記イコライザに設定するパラメータ生成処理とを実行する制御過程と
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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