JP2012099381A - 高輝度放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度の経時変化が少ない高輝度放電ランプの提供。
【解決手段】放電に伴って励起し可視光又は紫外線の一方又は双方を放射する発光物質が封入された発光管1と、発光管を囲むように設けられた外管3と、外管の内側に積層された蛍光体層と、蛍光体層を形成する蛍光体がEu2+付活β型サイアロンである高輝度放電ランプである。蛍光体層は、Eu2+付活β型サイアロンと共に、紫外光〜青色光で励起され、赤色光を発光する蛍光体と、青色光を発光する蛍光体と、黄色光を発光する蛍光体のいずれかの単体又はこれらの複数体であるのが好ましい。蛍光体層を形成する蛍光体の200℃での発光強度が、室温の発光強度の70%以上であるのが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】放電に伴って励起し可視光又は紫外線の一方又は双方を放射する発光物質が封入された発光管1と、発光管を囲むように設けられた外管3と、外管の内側に積層された蛍光体層と、蛍光体層を形成する蛍光体がEu2+付活β型サイアロンである高輝度放電ランプである。蛍光体層は、Eu2+付活β型サイアロンと共に、紫外光〜青色光で励起され、赤色光を発光する蛍光体と、青色光を発光する蛍光体と、黄色光を発光する蛍光体のいずれかの単体又はこれらの複数体であるのが好ましい。蛍光体層を形成する蛍光体の200℃での発光強度が、室温の発光強度の70%以上であるのが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、高輝度放電ランプ(High Intensity Discharge Lamp(HIDランプ))に関する。
高輝度放電ランプは、発光するアークが発光管の管壁温度によって安定化される管壁負荷が3×10−4W・m−2以上である熱陰極高輝度放電ランプと定義されていて、一般には水銀蒸気中で放電することによって発光する高圧水銀ランプ、ナトリウム蒸気中で放電することによって発光する高圧ナトリウムランプ、放電に伴ってハロゲン化金属が金属原子とハロゲン原子に解離し、そのうちの金属原子にて可視光を励起放射することにより発光するメタルハライドランプを指している。
高輝度放電ランプは、高効率で発光するランプとして知られており、例えばメタルハライドランプは、高効率、高演色の光出力が得られることに加え、ハロゲン電球に比して消費電力が低く長寿命であることから、店舗、商店街、ホールやスポーツ施設などの照明用光源や自動車用ヘッドライトなど広く用いられている。
特許文献1に示すように、高輝度放電ランプのうちメタルハライドランプには、発光管を内部に収納している外管を透明にして、反射鏡との組み合わせにて高い集光性を得ているものがあるが、これらは発光管からの発光が直接目に入ることによる眩しさや光源からの可視光以外の光を有効利用していないため、輝度が十分でないとの問題点があった。
この問題点を改善するため、放電に伴って可視光及び紫外光を放射する発光管と、その発光管を囲むように外管が設けられた構造であり、その外管の表面を蛍光体層で覆ったタイプのものもある。これらでは発光管からの発光が直接目に入ることによる眩しさの軽減や光色の改善を目的として蛍光体の塗布が行われているが、これらの蛍光体層が拡散膜として作用したり光の吸収をしてしまったりするため輝度の低下が起こってしまうという問題があった。
特許文献2には、この問題を解決するため、440〜460nmの青色系発光、505〜525nmの緑色系発光、585〜605nmの赤色系発光を有するメタルハライドランプが提案されている。しかし、蛍光体層はかなり高温に曝されるため、蛍光体の光変換効率が低下し、ランプ輝度の低下を防ぐのには不十分であった。
特許文献2には、この問題を解決するため、440〜460nmの青色系発光、505〜525nmの緑色系発光、585〜605nmの赤色系発光を有するメタルハライドランプが提案されている。しかし、蛍光体層はかなり高温に曝されるため、蛍光体の光変換効率が低下し、ランプ輝度の低下を防ぐのには不十分であった。
本発明の課題は、輝度の経時的変化が少ない高輝度放電ランプを提供することである。
本発明は、放電に伴って励起し可視光又は紫外線の一方又は双方を放射する発光物質が封入された発光管と、当該発光管を囲むように設けられた外管と、当該外管の内側に積層された蛍光体層と、当該蛍光体層を形成する蛍光体がEu2+付活β型サイアロンである高輝度放電ランプである。
蛍光体層は、Eu2+付活β型サイアロン蛍光体と共に、紫外光〜青色光で励起され、赤色光を発光する蛍光体と、青色光を発光する蛍光体と、黄色光を発光する蛍光体のいずれかの単体又はこれらの複数体であるのが好ましい。
蛍光体層を形成する蛍光体の200℃での発光強度は、室温の発光強度の70%以上であるのが好ましい。
本発明の高輝度放電ランプは、輝度の経時的変化が少ないものである。
高輝度放電ランプの中でも演色性、ランプ効率に優れたメタルハライドランプを例に、説明する。図1は、メタルハライドランプの構造例であり、発光管1、口金2、外管3から構成されている。図1は外から見た図なので、外管3を点線で模式的に示した。
メタルハライドランプの構造は、発光管を外管に入れた二重構造になっており、発光管のガラスは高温になるため石英ガラス、場合によってはセラミックスが使用される。外管には硬質ガラスが用いられ、発光管の保温や金属部品の酸化防止の役目を果たしている。発光管の両端には電子放射物を塗った電極があり、発光管内には様々な金属ハロゲン化物が封入される。封入されている金属ハロゲン化物は主としてナトリウム、タリウム、インジウム、スカンジウム、ディスプロシウムがあり、これらは金属単体よりも蒸発しやすく強い光が得られる。メタルハライドランプは、金属の種類により光色が異なり、それを適正化して高演色化が実現されている。
メタルハライドランプの発光は、可視光以外にも紫外線が含まれる。紫外線〜近紫外発光は目に見えないためにエネルギーロスとなる。そこで、この目に見えない発光を可視光に変換するために蛍光体を使用する。具体的には、外管の内面に紫外線を吸収して可視光を発光する蛍光体層を形成する。この層を構成する蛍光体としては、紫外線を吸収して、主波長545〜565nmの可視光を発するものが輝度向上のためには好ましい。これは、視感効率の最も高い555nm近傍の波長とすることにより、多くの光量が得られるからである。
この蛍光体層は外管内、すなわち外管の内面や外管の内面と発光管の間に形成されていればよい。蛍光体層を外管の内面に形成する場合、蛍光体層を外管のほぼ全体に形成しても、一部、例えば頭部又はネック部付近を残して形成してもよい。
メタルハライドランプでは、金属ハロゲン化物を蒸発させるために、発光管の温度は非常に高くなり、外管の表面温度も数百℃に達する。従って、外管の内面に形成する蛍光体としては、高温での輝度低下の低いものが好ましく、具体的には、200℃での発光強度が室温の発光強度の70%以上であることが好ましい。
上記構成を満足する蛍光体として、Eu2+付活β型サイアロンがある。β型サイアロンは、β型窒化ケイ素の固溶体であり、β型窒化ケイ素結晶のSi位置にAlが、N位置にOが置換固溶したものである。単位格子に2式量の原子があるので、一般式としてSi6−ZAlZOZN8−Zが用いられる。組成Zは0〜4.2であり、固溶範囲は非常に広く、また(Si、Al)/(N、O)のモル比は、3/4を維持する必要がある。β型サイアロンにEu2+を付活した蛍光体は、紫外〜青色光の幅広い波長域で励起され、Z値に応じて、530〜560nmの波長域にピークを有する緑〜黄色発光を示す。更に、β型サイアロンは共有結合性の非常に強い結晶であり、高温でも蛍光強度の低下が少ないという特徴を有している。
本発明においては蛍光体としてβ型サイアロンと共に他の蛍光体、例えば紫外光〜青色光で励起され赤色光もしくは青色光もしくは黄色光を発光する各種蛍光体と組み合わせて、本発明の蛍光体のみでは達成できない色調を形成することができる。
輝度を維持するため、蛍光体併用時の200℃での発光強度が室温の発光強度の70%以上であることが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
図1に示すメタルハライドランプを用い、下記条件により発光させた。
定格ランプ電力:400W。
発光管:内径20mm。電極間距離36mm、管壁負荷17.7W/cm2。
放電媒体:ハロゲン化物(ScI3+NaI+NaBr=32mg)。希ガス(Ar6.7×103Pa)及びHg適量。
安定器:400W用水銀灯安定器。
定格ランプ電力:400W。
発光管:内径20mm。電極間距離36mm、管壁負荷17.7W/cm2。
放電媒体:ハロゲン化物(ScI3+NaI+NaBr=32mg)。希ガス(Ar6.7×103Pa)及びHg適量。
安定器:400W用水銀灯安定器。
蛍光体としてβ型サイアロン(Si6−ZAlZOZN8−Z:Eu(実施例1ではz=1.0、実施例2ではZ=0.4))、及び、比較例1ではSrSiO4:Euを用いた。結着剤としてホウ酸カルシウム・バリウムとピロリン酸カルシウムの混合物を用いてメタルハライドランプの外管内表面に塗布した。
表1に実施例、比較例の輝度及び発光強度を示す。表1の比較例2は、実施例1の蛍光体を構成しなかった以外は同様なものである。
輝度は、トプコンテクノハウス社製BM−7を用い、ランプから1mの地点での輝度である。輝度の数値は比較例1の数値を100としたときの相対的な数値で示した。
輝度は、トプコンテクノハウス社製BM−7を用い、ランプから1mの地点での輝度である。輝度の数値は比較例1の数値を100としたときの相対的な数値で示した。
発光強度は分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製F4500)を用いて、励起・蛍光スペクトル測定を行い、室温での蛍光ピーク強度を100%としたときの200℃での発光強度を相対値として示した。
表1には開示しなかたが、蛍光体として、β型サイアロン(Si6−ZAlZOZN8−Z:Eu(z=0.4))、赤色蛍光体としてのCaAlSiN3:Eu、青色蛍光体としてのBaMgAl10O17:Euを2:1:1で混合したもの(蛍光体併用時の200℃での発光強度が室温の発光強度の75%)を使用して同様の評価を行った結果、比較例1を100としたときの輝度は105となり、良好な値となった。
本発明の高輝度放電ランプは紫外光〜青色光にて励起され、高輝度の可視光を発光することから、店舗、商店街、ホールやスポーツ施設などの照明用光源や自動車用ヘッドライトなど広く用いることができる。
1 発光管
2 口金
3 外管
2 口金
3 外管
Claims (3)
- 放電に伴って励起し可視光又は紫外線の一方又は双方を放射する発光物質が封入された発光管と、当該発光管を囲むように設けられた外管と、当該外管の内側に積層された蛍光体層と、当該蛍光体層を形成する蛍光体がEu2+付活β型サイアロンである高輝度放電ランプ。
- 蛍光体層が、Eu2+付活β型サイアロンと共に、紫外光〜青色光で励起され、赤色光を発光する蛍光体と、青色光を発光する蛍光体と、黄色光を発光する蛍光体のいずれかの単体又はこれらの複数体である請求項1記載の高輝度放電ランプ。
- 蛍光体層を形成する蛍光体の200℃での発光強度が、室温の発光強度の70%以上である請求項1又は2に記載の高輝度放電ランプ。
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JP2010247194A JP2012099381A (ja) | 2010-11-04 | 2010-11-04 | 高輝度放電ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004277547A (ja) * | 2003-03-14 | 2004-10-07 | Nichia Chem Ind Ltd | 酸窒化物蛍光体及びそれを用いた発光装置 |
JP2007513469A (ja) * | 2003-11-11 | 2007-05-24 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 水銀を含まないガスが充填された低圧蒸気放電ランプ |
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2010
- 2010-11-04 JP JP2010247194A patent/JP2012099381A/ja active Pending
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