JP2020004960A - 発光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】青緑色の光を発する新たな発光モジュールを提供する。【解決手段】発光モジュール10は、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子12と、紫外線又は短波長可視光により励起されて放射光を発する蛍光体を含有する蛍光層16と、を備える。また、発光モジュール10の蛍光層16から出射した光が青緑色である。【選択図】図1
Description
本発明は、発光モジュールに関する。
従来、青緑色の光を利用した灯具や照明器具が知られている。例えば、対象とする魚類の視感度を考慮した青緑色の波長の光を発する集魚灯が考案されている(特許文献1参照)。この集魚灯は、450〜470nmの範囲にピーク波長を有する青色光を発する青色LED(Light Emitting Diode)チップと、520〜550nmの範囲にピーク波長を有する緑色光を発する緑色蛍光体を含有した透光性封止樹脂と、を有している。
しかしながら、前述の集魚灯は、青色LEDチップから正面に向かって出射した青色の透過光と、青色光の一部を吸収して波長変換された緑色の蛍光と、を混色して青緑色光を実現している。そのため、LEDチップの正面領域は青色が強く、LEDチップの正面から外れた領域は緑色が強くなり、発光面内における色度のばらつきが大きい。また、樹脂に含有させる緑色蛍光体の濃度や封止樹脂の厚みの変化によっても、色度が大きく変化するため、灯具の発光色を所望の色度範囲に調整することは簡単ではない。特に、色度範囲の狭い青緑色の灯具では発光色の調整が非常に困難である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、青緑色の光を発する新たな発光モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、紫外線又は短波長可視光により励起されて放射光を発する蛍光体を含有する蛍光層と、を備える。また、発光モジュールの蛍光層から出射した光が青緑色である。
この態様によると、蛍光体が発する指向性の少ない放射光により青緑色光が実現される。そのため、蛍光層の厚みや含有する蛍光体の濃度のばらつきによる色度のばらつきを抑えることが可能となり、特に、色度範囲の狭い青緑色の発光色の調整が容易となる。
蛍光層は、紫外線又は短波長可視光により励起されて青色光を発する青色蛍光体と、紫外線又は短波長可視光により励起されて緑色光を発する緑色蛍光体と、を含有していてもよい。これにより、青色蛍光体が発する指向性の少ない青色光と緑色蛍光体が発する指向性の少ない緑色光の混色により青緑色光が実現される。そのため、蛍光層の厚みや含有する蛍光体の濃度のばらつきによる色度のばらつきを抑えることが可能となり、特に、色度範囲の狭い青緑色の発光色の調整が容易となる。
蛍光層は、紫外線又は短波長可視光により励起されて青緑色光を発する青緑色蛍光体を含有していてもよい。これにより、青色蛍光体が発する指向性の少ない放射光により青緑色光が実現される。そのため、蛍光層の厚みや含有する蛍光体の濃度のばらつきによる色度のばらつきを抑えることが可能となり、特に、色度範囲の狭い青緑色の発光色の調整が容易となる。
蛍光層は、発光素子の光出射面から離間して配置されていてもよい。これにより、発光素子が複数配列された発光モジュールの場合であっても、色度や明るさのばらつきを抑制できる。
蛍光層から出射した光の色度は、CIE色度座標において、(cx,cy)=(0.0292,0.3775)、(0.2050,0.3775)、(0.1965,0.3380)、(0.0370,0.3380)で囲われた範囲であってもよい。これにより、従来、車両用灯具として用いられていない新たな灯光色を実現できるため、自車両周囲の歩行者や他車両に対する識別灯として機能する。
蛍光層は、青色蛍光体が樹脂に分散された第1の樹脂層と、緑色蛍光体が樹脂に分散された第2の樹脂層と、を有してもよい。第1の樹脂層は、蛍光層の光出射面側に配置されていてもよい。これにより、非点灯時の色が比較的白色に近い青色蛍光体を含む第1の樹脂層が、蛍光層の光出射面側に配置されているため、発光モジュールの非点灯時の見映えが向上する。
発光素子は、LED素子、LD素子および有機EL素子からなる群から選択された少なくとも一種の半導体発光素子であってもよい。これにより、発光モジュールの薄型化、小型化が可能となる。
発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が350〜430nmの範囲にある。これにより、発光素子が発する光がほとんど見えないため、蛍光層から出射する青緑色の光に発光素子の光が与える影響が小さくなる。
蛍光層は、出射した青緑光の発光スペクトルのピーク波長が420〜570nmの範囲にある。
本発明の別の態様もまた、発光モジュールである。この発光モジュールは、青色光を発する青色有機EL層と、緑色光を発する緑色有機EL層と、が積層された発光層を備える。発光層から出射した光の色度は、CIE色度座標において、(cx,cy)=(0.0292,0.3775)、(0.2050,0.3775)、(0.1965,0.3380)、(0.0370,0.3380)で囲われた範囲である。
この態様によると、従来、車両用灯具として用いられていない新たな灯光色を実現できるため、自車両周囲の歩行者や他車両に対する識別灯として機能する。また、色の異なる複数のEL層を積層するだけで所望の灯光色を実現できるため、発光モジュールの薄型化が容易となる。また、車両の形態によっては従来の車両用灯具が設置できない、例えば、車両本体の曲面部にも設置できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、青緑色の光を発する新たな発光モジュールを提供できる。
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
[発光モジュール]
図1は、第1の実施の形態に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。図1に示す発光モジュール10は、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子12と、発光素子12が搭載される搭載基板14と、蛍光体を含有する蛍光層16と、を備える。
[発光モジュール]
図1は、第1の実施の形態に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。図1に示す発光モジュール10は、紫外線又は短波長可視光を発する発光素子12と、発光素子12が搭載される搭載基板14と、蛍光体を含有する蛍光層16と、を備える。
[発光素子]
本実施の形態に係る発光素子12は、LED素子やLD素子といった半導体発光素子である。これにより発光モジュールの小型化が可能となる。発光素子12の発光スペクトルのピーク波長は、350〜430nmの範囲にあり、好ましくは、370〜420nmの範囲であるとよい。
本実施の形態に係る発光素子12は、LED素子やLD素子といった半導体発光素子である。これにより発光モジュールの小型化が可能となる。発光素子12の発光スペクトルのピーク波長は、350〜430nmの範囲にあり、好ましくは、370〜420nmの範囲であるとよい。
[蛍光層]
蛍光層16は、紫外線又は短波長可視光により励起されて放射光を発する1種類以上の蛍光体を含有する。具体的には、蛍光層16は、青色蛍光体、緑色蛍光体、青緑色蛍光体等といった青緑色光を実現するために必要な色の光を発する蛍光体を含有する。例えば、蛍光層16は、紫外線又は短波長可視光により励起されて青色光を発する青色蛍光体と、紫外線又は短波長可視光により励起されて緑色光を発する緑色蛍光体と、青色蛍光体および緑色蛍光体が分散される透明な封止樹脂と、を含有する。封止樹脂は、紫外線による劣化が少ない耐UV性ものが好ましく、例えば、シリコーン樹脂が挙げられる。そして、本実施の形態に係る発光モジュール10は、蛍光層16から出射した光が青緑色となるように、蛍光層16に含まれる青色蛍光体および緑色蛍光体の量や比率が調整されている。なお、青色蛍光体と緑色蛍光体を含む蛍光層の代わりに、青緑色蛍光体を含む蛍光層であってもよい。
蛍光層16は、紫外線又は短波長可視光により励起されて放射光を発する1種類以上の蛍光体を含有する。具体的には、蛍光層16は、青色蛍光体、緑色蛍光体、青緑色蛍光体等といった青緑色光を実現するために必要な色の光を発する蛍光体を含有する。例えば、蛍光層16は、紫外線又は短波長可視光により励起されて青色光を発する青色蛍光体と、紫外線又は短波長可視光により励起されて緑色光を発する緑色蛍光体と、青色蛍光体および緑色蛍光体が分散される透明な封止樹脂と、を含有する。封止樹脂は、紫外線による劣化が少ない耐UV性ものが好ましく、例えば、シリコーン樹脂が挙げられる。そして、本実施の形態に係る発光モジュール10は、蛍光層16から出射した光が青緑色となるように、蛍光層16に含まれる青色蛍光体および緑色蛍光体の量や比率が調整されている。なお、青色蛍光体と緑色蛍光体を含む蛍光層の代わりに、青緑色蛍光体を含む蛍光層であってもよい。
[青色蛍光体]
蛍光層16に含有される青色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
BaMgAl10O17:Eu2+
(Ba,Sr,Ca)Al2O4:Eu2+
SrMgAl10O17:Eu2+
Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+
Sr2P2O7:Eu2+
Ca2PO4Cl:Eu2+
Ba2PO4Cl:Eu2+
(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(Ba,Sr)3MgSi3O8:Eu2+
Sr3MgSi2O8:Eu2+
SiO2+CaI2:Eu2+(シリカにナノサイズ蛍光粒子を分散させたナノコンポジット蛍光体)
蛍光層16に含有される青色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
BaMgAl10O17:Eu2+
(Ba,Sr,Ca)Al2O4:Eu2+
SrMgAl10O17:Eu2+
Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+
Sr2P2O7:Eu2+
Ca2PO4Cl:Eu2+
Ba2PO4Cl:Eu2+
(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(Ba,Sr)3MgSi3O8:Eu2+
Sr3MgSi2O8:Eu2+
SiO2+CaI2:Eu2+(シリカにナノサイズ蛍光粒子を分散させたナノコンポジット蛍光体)
好ましくは、一般式が(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+、Ca2PO4Cl:Eu2+、SiO2+CaI2:Eu2+の青色蛍光体である。
図2は、第1の実施の形態に係る青色蛍光体の励起スペクトル(PLE)および発光スペクトル(PL)の一例を示す図である。図2に示すスペクトル特性を有する青色蛍光体は、(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+である。図2に示す青色蛍光体は、励起スペクトルのピーク波長が、発光素子12の発光スペクトルのピーク波長の範囲と重複する約360〜420nmの範囲にある。また、図2に示す青色蛍光体は、発光スペクトルのピーク波長が約450〜470nmの範囲にある。そして、この青色蛍光体の発光色度は、(cx,cy)=(0.140,0.074)である。
[緑色蛍光体]
蛍光層16に含有される緑色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
(Ba、Ca、Sr、Mg)2SiO4:Eu2+
ZnSiO4:Mn2+、
Sr4Al14O25:Eu2+
BaMg2Al10O17:Eu2+,Mn2+
(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+
SrSi2O2N2:Eu2+
(Ba,Sr)Si2O2N2:Eu2+
Si6−zAlzOzN8−z:Eu2+(z=0〜4.2)
SrGa2S4:Eu2+
Ca3Sc2Si3O12:Ce3+
Ba3Si6O12N2:Eu2+
蛍光層16に含有される緑色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
(Ba、Ca、Sr、Mg)2SiO4:Eu2+
ZnSiO4:Mn2+、
Sr4Al14O25:Eu2+
BaMg2Al10O17:Eu2+,Mn2+
(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+
SrSi2O2N2:Eu2+
(Ba,Sr)Si2O2N2:Eu2+
Si6−zAlzOzN8−z:Eu2+(z=0〜4.2)
SrGa2S4:Eu2+
Ca3Sc2Si3O12:Ce3+
Ba3Si6O12N2:Eu2+
好ましくは、一般式がSr4Al14O25:Eu2+、Si6−zAlzOzN8−z:Eu2+(z=0〜4.2)、Sr2Si3O8・2SrCl2:Eu2+、SrGa2S4:Eu2+の緑色蛍光体である。
[青緑色蛍光体]
蛍光層16に含有される青緑色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
Sr5Si4O10Cl6:Eu2+
Sr8Si4O12Cl8:Eu2+
Sr5Si7.75O20.5・5SrCl2:Eu2+
Sr2Si3O8・2SrCl2:Eu2+
蛍光層16に含有される青緑色蛍光体として、以下の一般式で表される蛍光体が挙げられる。
Sr5Si4O10Cl6:Eu2+
Sr8Si4O12Cl8:Eu2+
Sr5Si7.75O20.5・5SrCl2:Eu2+
Sr2Si3O8・2SrCl2:Eu2+
好ましくは、一般式がSr5Si4O10Cl6:Eu2+の青緑色蛍光体である。
図3は、第1の実施の形態に係る緑色蛍光体の励起スペクトル(PLE)および発光スペクトル(PL)の一例を示す図である。図3に示すスペクトル特性を有する緑色蛍光体は、(Ba、Ca、Sr、Mg)2SiO4:Eu2+である。図3に示す緑色蛍光体は、励起スペクトルのピーク波長が、発光素子12の発光スペクトルのピーク波長から前述の青色蛍光体の発光スペクトルのピーク波長までの範囲と重複する約400〜470nmの範囲にある。また、図3に示す緑色蛍光体は、発光スペクトルのピーク波長が約510〜550nmの範囲にある。そして、この緑色蛍光体の発光色度は、(cx,cy)=(0.280,0.642)である。
図4は、第1の実施の形態に係る発光モジュール10の発光スペクトルの一例を示す図である。本実施の形態に係る発光モジュール10の発光色度は、(cx,cy)=(0.205,0.344)であり、発光色は青緑色である。発光モジュール10の発光スペクトルのピーク波長は、420〜570nmの範囲にある。また、発光モジュール10の発光スペクトルは、図4に示すように、青色蛍光体が発する青色光および緑色蛍光体が発する緑色光の発光強度が大きく、発光素子12が発する紫光の発光強度が小さい。また、発光素子12は、発光スペクトルのピーク波長が350〜430nmの範囲にあり、発光素子12が発する光がほとんど見えない。そのため、蛍光層から出射する青緑色の光に発光素子12が発する光が与える影響が小さくなる。
つまり、発光モジュール10の発光色は、青色蛍光体が発する指向性の少ない青色光と緑色蛍光体が発する指向性の少ない緑色光の混色により青緑色光が実現される。そのため、蛍光層の厚みや含有する蛍光体の濃度のばらつきによる色度のばらつきを抑えることが可能となり、特に、色度範囲の狭い青緑色の発光色の調整が容易となる。
図5は、本実施の形態に係る発光モジュールの発光色の色度範囲を説明するための図である。図4に示す発光スペクトルのように、蛍光層16から出射した光の色度は、図5に示す色度範囲Rに含まれているとよい。色度範囲Rは、CIE色度座標において、(cx,cy)=(0.0292,0.3775)、(0.2050,0.3775)、(0.1965,0.3380)、(0.0370,0.3380)で囲われた範囲である。この色度範囲の青緑色光は、従来、車両用灯具として用いられていない新たな灯光色を実現できるため、自車両周囲の歩行者や他車両に対する識別灯として有効に機能する。
蛍光層16から出射した光の色度が色度範囲Rに含まれるようにするためには、様々な色の蛍光体の組合せが考えられるが、青色蛍光体と緑色蛍光体とを組み合わせる場合は、以下の組合せを選ぶとよい。具体的には、発光色度のcyが色度範囲Rよりも小さい青色蛍光体および発光色度のcyが色度範囲Rよりも大きい緑色蛍光体の中から、青色蛍光体の発光色の色度座標と、緑色蛍光体の発光色の色度座標とを結んだ直線が色度範囲Rを横切るような蛍光体の組合せを選ぶとよい。
また、青色蛍光体と緑色蛍光体との組合せを工夫することで、青緑色の色度範囲Rの中で、特にcx=0.150〜0.200、cy=0.340〜0.380で囲まれる視感度の高い色度範囲R1(図5参照)に含まれる発光色を実現することも可能である。
[実施例1]
実施例1に係る発光モジュールは、青色蛍光体((Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+)と緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu2+)を重量比1:1.5で混合し、シリコーン樹脂に分散した蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。実施例1に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、蛍光層のシリコーン樹脂中の蛍光体全体の濃度範囲は、0.1〜30vol%であり、好ましくは0.5〜20vol%である。
実施例1に係る発光モジュールは、青色蛍光体((Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+)と緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu2+)を重量比1:1.5で混合し、シリコーン樹脂に分散した蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。実施例1に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、蛍光層のシリコーン樹脂中の蛍光体全体の濃度範囲は、0.1〜30vol%であり、好ましくは0.5〜20vol%である。
[変形例1]
変形例に係る発光モジュールは、青緑色蛍光体Sr5Si4O10Cl6:Eu2+をシリコーン樹脂に分散した蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。変形例1に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、蛍光層のシリコーン樹脂中の蛍光体全体の濃度範囲は、0.1〜30vol%であり、好ましくは0.5〜20vol%である。
変形例に係る発光モジュールは、青緑色蛍光体Sr5Si4O10Cl6:Eu2+をシリコーン樹脂に分散した蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。変形例1に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、蛍光層のシリコーン樹脂中の蛍光体全体の濃度範囲は、0.1〜30vol%であり、好ましくは0.5〜20vol%である。
一方、比較例1に係る発光モジュールは、緑色蛍光体(Sr4Al14O25:Eu2+)がシリコーン樹脂に分散されている蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が460nmの青色LEDとを備えた青緑色光源である。青色LEDは、発光色度が(cx、cy)=(0.124,0.371)であり、青緑色の色度範囲Rのほぼ中央の色の光を発する。そのため、比較例1に係る発光モジュールの発光色は、視感度の高い色度範囲R1から大きく外れている。
そこで、実施例1や変形例1に係る発光モジュールの発光スペクトルのピーク強度と、比較例1に係る発光モジュールのピーク強度とが同じになるように各発光モジュールの駆動電流を調整して、明るさを測定した。その結果、実施例1に係る発光モジュールの明るさ(光束)が、比較例1に係る発光モジュールの明るさ(光束)の1.9倍であった。
なお、上述の発光モジュールを複数配列することで、ライン状またはマトリックス状に発光部を形成できるため、様々な配光や意匠を実現できる。また、上述の発光モジュールをライン状の透明樹脂の片端または両端に設置し、発光モジュールの光を透明樹脂に入射させることで、ライン状に青緑色で発光する灯具を実現できる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。図6に示す発光モジュール20は、一つ以上の発光素子12と、発光素子12が搭載される搭載基板14と、蛍光体を含有する蛍光層22と、を備える。蛍光層22は、発光素子12の光出射面12aから離間して配置されていている。なお、発光素子12、蛍光層22に含まれる青色蛍光体、緑色蛍光体および透明な樹脂、好ましい色度範囲等の構成は、第1の実施の形態と実質的に同じである。
図6は、第2の実施の形態に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。図6に示す発光モジュール20は、一つ以上の発光素子12と、発光素子12が搭載される搭載基板14と、蛍光体を含有する蛍光層22と、を備える。蛍光層22は、発光素子12の光出射面12aから離間して配置されていている。なお、発光素子12、蛍光層22に含まれる青色蛍光体、緑色蛍光体および透明な樹脂、好ましい色度範囲等の構成は、第1の実施の形態と実質的に同じである。
蛍光層22は、青色蛍光体および緑色蛍光体をシリコーン樹脂に分散させたシート状の部材である。なお、青緑色蛍光体をシリコーン樹脂に分散させたシート状の部材であってもよい。また、紫色の光源として、紫色LEDや紫色OLED(有機EL素子)を用いることができる。このように、発光素子と蛍光層とを離間することで、発光素子が複数配列された発光モジュール20の場合であっても、色度や明るさのばらつきを抑制できる。従来、青緑色の光を発するLEDを複数個並べただけの灯具では、点灯時に各LEDの高輝度部分が粒状に見えるため、見映えの点で改善の余地があった。一方、本実施の形態に係る発光モジュールは、色度や明るさのばらつきが抑制されており、見映えが改善されている。特に、発光素子として面発光の紫色OLEDを用いれば、光出射面26cにおける色や明るさのばらつきをほとんどなくすことができる。
図7は、第2の実施の形態の変形例に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。図7に示す発光モジュール24は、一つ以上の発光素子12と、発光素子12が搭載される搭載基板14と、蛍光層26と、を備える。蛍光層26は、発光素子12の光出射面12aから離間して配置されていている。また、蛍光層26は、青色蛍光体が樹脂に分散された第1の樹脂層26aと、緑色蛍光体が樹脂に分散された第2の樹脂層26bと、を有している。第1の樹脂層26aは、蛍光層26の光出射面26c側に配置されている。
これにより、非点灯時の色が比較的白色に近い青色蛍光体を含む第1の樹脂層26aが、蛍光層26の光出射面26c側に配置されているため、発光モジュール24の非点灯時の見映えが向上する。また、図3に緑色蛍光体が発する緑色光は、青色光を吸収し励起されたものである。そのため、緑色蛍光体を含有する第2の樹脂層26bを、青色蛍光体を含有する第1の樹脂層26aより発光素子12側に配置することで、青色蛍光体が発する青色光が緑色蛍光体で吸収されることが低減され、発光モジュール全体としての発光効率が向上する。
[実施例2]
実施例2に係る発光モジュールは、青色蛍光体((Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+)がシリコーン樹脂に分散された第1の樹脂層(シート厚2mm、蛍光体濃度1.0vol%)と、緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu2+)がシリコーン樹脂に分散された第2の樹脂層(シート厚1mm、蛍光体濃度1.0vol%)と、を有する蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。実施例2に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、第1の樹脂層および第2の樹脂層の厚さの範囲は、0.1〜100mm、好ましくは、0.5〜5mmである。また、第1の樹脂層および第2の樹脂層のシリコーン樹脂中の各蛍光体の濃度範囲は、0.1〜20vol%であり、好ましくは0.5〜10vol%である。
実施例2に係る発光モジュールは、青色蛍光体((Sr、Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+)がシリコーン樹脂に分散された第1の樹脂層(シート厚2mm、蛍光体濃度1.0vol%)と、緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu2+)がシリコーン樹脂に分散された第2の樹脂層(シート厚1mm、蛍光体濃度1.0vol%)と、を有する蛍光層と、発光スペクトルのピーク波長が405nmの紫色LEDとを備えた青緑色光源である。実施例2に係る発光モジュールの発光色度は、(cx、cy)=(0.200、0.360)であり、視感度の高い青緑色の色度範囲R1に含まれている。なお、第1の樹脂層および第2の樹脂層の厚さの範囲は、0.1〜100mm、好ましくは、0.5〜5mmである。また、第1の樹脂層および第2の樹脂層のシリコーン樹脂中の各蛍光体の濃度範囲は、0.1〜20vol%であり、好ましくは0.5〜10vol%である。
実施例1と同様に、実施例2に係る発光モジュールの発光スペクトルのピーク強度と、前述の比較例1に係る発光モジュールのピーク強度とが同じになるように各発光モジュールの駆動電流を調整して、明るさを測定した。その結果、実施例2に係る発光モジュールの明るさ(光束)が、比較例1に係る発光モジュールの明るさ(光束)の1.9倍であった。
(第3の実施の形態)
従来、青緑色の光を発するLEDを複数個並べただけの灯具では、点灯時に各LEDの高輝度部分が粒状に見えるため、見映えの点で改善の余地があった。そこで、本実施の形態では、発光色度が前述の青緑色の色度範囲R内にある青緑色発光のOLEDパネルを発光モジュールとして考案した。
従来、青緑色の光を発するLEDを複数個並べただけの灯具では、点灯時に各LEDの高輝度部分が粒状に見えるため、見映えの点で改善の余地があった。そこで、本実施の形態では、発光色度が前述の青緑色の色度範囲R内にある青緑色発光のOLEDパネルを発光モジュールとして考案した。
図8は、第3の実施の形態に係る発光モジュールの概略構成を示す模式図である。第3の実施の形態に係る発光モジュール30は、青色光を発する青色有機EL層32aと、緑色光を発する緑色有機EL層32bと、が積層された半導体発光素子としての発光層32を備える。発光層32は、搭載基板14に搭載されている。搭載基板14は、ガラスや樹脂である。
青色有機EL層における青色発光材料は、BCzVBi、ADN、TBP、FIrpic、FIr6等である。緑色有機EL層における緑色発光材料は、Alq3、C540、C545T、Ir(ppy)3等である。
OLEDパネルは、均一な面発光であることから、従来の青緑LEDより点灯時の見映えは向上する。また、OLEDパネルは薄く、軽量であり、基板をフレキシブルな樹脂にした場合、更に軽量で曲面搭載可能な灯具を実現できる。なお、発光色の好ましい色度範囲等の構成は、第1の実施の形態と実質的に同じである。
このように、発光モジュール30は、従来、車両用灯具として用いられていない新たな灯光色を実現できるため、自車両周囲の歩行者や他車両に対する識別灯として機能する。また、色の異なる複数のEL層を積層するだけで所望の灯光色を実現できるため、発光モジュールの薄型化が容易となる。また、車両の形態によっては従来の車両用灯具が設置できない、例えば、車両本体の曲面部にも設置できる。
(第4の実施の形態)
第1乃至第3の実施の形態に係る発光モジュールを車両に搭載する位置について説明する。図9は、発光モジュールを灯具として車両に搭載する場合に好適な場所を説明するための模式図である。図10は、発光モジュールを用いたエンブレム形状の灯具を示す図である。図10に示すエンブレム形状の灯具は、「K」の文字の表面が全て発光面となるように、導光体や反射板を備えている。
第1乃至第3の実施の形態に係る発光モジュールを車両に搭載する位置について説明する。図9は、発光モジュールを灯具として車両に搭載する場合に好適な場所を説明するための模式図である。図10は、発光モジュールを用いたエンブレム形状の灯具を示す図である。図10に示すエンブレム形状の灯具は、「K」の文字の表面が全て発光面となるように、導光体や反射板を備えている。
図9に示すように、各実施の形態に係る発光モジュールを自動運転車であることを示す識別灯具として車両に搭載する場合、1個の場合は車両の中央のルームミラー34、グリル36の中央部36a、バンパー38の中央部38aが好ましい。グリル36やバンパー38の中央部に搭載する場合、図10に示すようなエンブレム形状の識別灯具であってもよい。
また、車両に搭載する識別灯具が2個の場合、左右対称で同じ高さに配置することが好ましい。具体的には、サイドミラー40、ヘッドランプ42、バンパー38の左右端部38bに配置することが好ましい。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
本開示の発光モジュールは、自動運転車用のアイデンティフィケーション(Identification)ランプやシグナルランプといった車両用灯具に利用可能である。
10 発光モジュール、 12 発光素子、 12a 光出射面、 16 蛍光層、 20 発光モジュール、 22 蛍光層、 24 発光モジュール、 26 蛍光層、 26a 第1の樹脂層、 26b 第2の樹脂層、 26c 光出射面、 30 発光モジュール、 32 発光層、 32a 青色有機EL層、 32b 緑色有機EL層。
Claims (10)
- 紫外線又は短波長可視光を発する発光素子と、
前記紫外線又は短波長可視光により励起されて放射光を発する蛍光体を含有する蛍光層と、を備え、
前記蛍光層から出射した光が青緑色であることを特徴とする発光モジュール。 - 前記蛍光層は、前記紫外線又は短波長可視光により励起されて青色光を発する青色蛍光体と、前記紫外線又は短波長可視光により励起されて緑色光を発する緑色蛍光体と、を含有することを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
- 前記蛍光層は、前記紫外線又は短波長可視光により励起されて青緑色光を発する青緑色蛍光体を含有することを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
- 前記蛍光層は、前記発光素子の光出射面から離間して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光モジュール。
- 前記蛍光層から出射した光の色度は、CIE色度座標において、(cx,cy)=(0.0292,0.3775)、(0.2050,0.3775)、(0.1965,0.3380)、(0.0370,0.3380)で囲われた範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光モジュール。
- 前記蛍光層は、前記青色蛍光体が樹脂に分散された第1の樹脂層と、前記緑色蛍光体が樹脂に分散された第2の樹脂層と、を有し、
前記第1の樹脂層は、前記蛍光層の光出射面側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の発光モジュール。 - 前記発光素子は、LED素子、LD素子および有機EL素子からなる群から選択された少なくとも一種の半導体発光素子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光モジュール。
- 前記発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が350〜430nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光モジュール。
- 前記蛍光層は、出射した青緑光の発光スペクトルのピーク波長が420〜570nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の発光モジュール。
- 青色光を発する青色有機EL層と、緑色光を発する緑色有機EL層と、が積層された発光層を備え、
前記発光層から出射した光の色度は、CIE色度座標において、(cx,cy)=(0.0292,0.3775)、(0.2050,0.3775)、(0.1965,0.3380)、(0.0370,0.3380)で囲われた範囲であることを特徴とする発光モジュール。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021149559A1 (ja) * | 2020-01-21 | 2021-07-29 | 株式会社小糸製作所 | 車両用灯具 |
CN116875302A (zh) * | 2023-07-18 | 2023-10-13 | 西北师范大学 | 一种氯硅酸盐青色长余辉发光材料及其制备方法 |
-
2019
- 2019-05-29 JP JP2019100371A patent/JP2020004960A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021149559A1 (ja) * | 2020-01-21 | 2021-07-29 | 株式会社小糸製作所 | 車両用灯具 |
US11754243B2 (en) | 2020-01-21 | 2023-09-12 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Automotive lamp |
CN116875302A (zh) * | 2023-07-18 | 2023-10-13 | 西北师范大学 | 一种氯硅酸盐青色长余辉发光材料及其制备方法 |
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