JP2012098158A - 衛星信号判定装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】GPS受信機が内部に設けられていても、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができるようにする。
【解決手段】車両方向推定部30によって、各GPS情報と、検出された車速及びヨーレートとに基づいて、車両の進行方向の絶対方向を推定する。衛星方向推定部32によって、各GPS情報に基づいて、各測位衛星が存在する絶対方向を推定する。衛星方向推定部32によって、車両の進行方向の絶対方向、及び各測位衛星の絶対方向に基づいて、車両の進行方向に対する各測位衛星の相対方向を算出する。遮蔽判定部38によって、各測位衛星について、車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、算出された相対方向が属する分割範囲に対して予め定められたS/Nの閾値を用いて、当該測位衛星の衛星信号のS/Nが、閾値以上であるか否かを判定して、当該測位衛星の遮蔽状態を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、衛星信号判定装置及びプログラムに係り、特に、測位衛星からの衛星信号に基づいて、測位衛星の遮蔽状態を判定する衛星信号判定装置及びプログラムに関する。
従来より、簡単かつ確実な方法によってマルチパスの影響を受けた衛星信号を判別し、移動局の測定位置を補正するGPS測位補正方法が知られている(特許文献1)。この方法では、基準局が、位置補正用データと基準局の衛星信号の受信強度を移動局に送信し、移動局が、各衛星の衛星信号について基準局の受信強度と移動局の受信強度とを比較し、その差が所定の閾値以上である場合は、当該衛星の衛星信号を測位用衛星信号から除いている。
国際公開第2006/132003号パンフレット
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、GPS受信機が屋外に設置されることを仮定しており、車体による信号減衰が考慮されていない。一方、GPS受信機を車内に設置した場合には、ルーフやピラーにより信号が減衰するため、屋外における信号強度(S/N)の閾値を使うと、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定できない、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、GPS受信機が内部に設けられていても、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができる衛星信号判定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る衛星信号判定装置は、移動体の内部に設置され、かつ、測位衛星から送信された衛星信号を受信するGPS受信機と、複数の異なる測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された各GPS情報、又は前記移動体の移動体情報を検出する検出手段によって検出された前記移動体情報に基づいて、前記移動体の進行方向の絶対方向を推定する移動体方向推定手段と、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された前記GPS情報に基づいて、前記判定対象の測位衛星が存在する絶対方向を推定する衛星方向推定手段と、前記移動体方向推定手段によって推定された前記移動体の進行方向の絶対方向、及び前記衛星方向推定手段によって推定された前記判定対象の測位衛星の絶対方向に基づいて、前記移動体の進行方向に対する前記判定対象の測位衛星の相対方向を算出する相対方向算出手段と、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、前記閾値以上であるか否かを判定することにより、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する判定手段と、を含んで構成されている。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、複数の異なる測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、移動体の内部に設置されたGPS受信機から出力された各GPS情報、又は前記移動体の移動体情報を検出する検出手段によって検出された前記移動体情報に基づいて、前記移動体の進行方向の絶対方向を推定する移動体方向推定手段、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された前記GPS情報に基づいて、前記判定対象の測位衛星が存在する絶対方向を推定する衛星方向推定手段、前記移動体方向推定手段によって推定された前記移動体の進行方向の絶対方向、及び前記衛星方向推定手段によって推定された前記判定対象の測位衛星の絶対方向に基づいて、前記移動体の進行方向に対する前記判定対象の測位衛星の相対方向を算出する相対方向算出手段、及び前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、前記閾値以上であるか否かを判定することにより、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する判定手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、移動体の内部に設置されたGPS受信機によって、測位衛星から送信された衛星信号を受信する。移動体方向推定手段によって、複数の異なる測位衛星から送信された衛星信号に基づいてGPS受信機から出力された各GPS情報、又は移動体の移動体情報を検出する検出手段によって検出された移動体情報に基づいて、移動体の進行方向の絶対方向を推定する。
そして、衛星方向推定手段によって、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号に基づいてGPS受信機から出力されたGPS情報に基づいて、判定対象の測位衛星が存在する絶対方向を推定する。相対方向算出手段によって、移動体方向推定手段によって推定された移動体の進行方向の絶対方向、及び衛星方向推定手段によって推定された判定対象の測位衛星の絶対方向に基づいて、移動体の進行方向に対する判定対象の測位衛星の相対方向を算出する。
そして、判定手段によって、移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、相対方向算出手段によって算出された相対方向が属する分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、閾値以上であるか否かを判定することにより、判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する。
このように、判定対象の測位衛星の相対方向が属する分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、閾値以上であるか否かを判定することにより、GPS受信機が内部に設けられていても、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができる。
本発明に係る前記分割範囲を、前記複数の分割範囲の各々について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分の鋭さの平均値が最大になるように、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割したものとすることができる。これによって、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
本発明に係る前記分割範囲を、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、分割した前記立体方向の範囲の各々の大きさが対応するように分割したものとすることができる。これによって、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
本発明に係る衛星信号判定装置は、各測位衛星から送信された衛星信号の信号強度と、前記相対方向算出手段によって算出された各測位衛星の前記相対方向とに基づいて、前記複数の分割範囲の各々について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分の鋭さの平均値が最大になるように、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、前記複数の分割範囲に分割する分割手段を更に含み、前記判定手段は、前記分割手段によって分割した前記複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定するようにすることができる。これによって、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
上記の前記分割範囲に対する前記閾値を、前記分割範囲について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分に応じて決定したものとすることができる。これによって、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
上記の前記分割範囲に対する前記閾値を、前記分割範囲について得られる信号強度の分布を2つの分布に分類したときの、前記分類の境界に対応する信号強度とすることができる。これによって、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
本発明に係るプログラムを、記憶媒体に格納して提供することができる。
以上説明したように、本発明の衛星信号判定装置及びプログラムによれば、判定対象の測位衛星の相対方向が属する分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、閾値以上であるか否かを判定することにより、GPS受信機が内部に設けられていても、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができる、という効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る車載測位装置を示すブロック図である。 S/N分布を示すグラフである。 GPS受信機のアンテナをルーフ上及び車内に設置した場合のS/N分布を示すグラフである。 YZ面、XZ面を説明するための図である。 (A)YZ面、XZ面でのS/N分布を示すグラフ、及び(B)水平面を仰角30度、40度、50度傾けた平面でのS/N分布を示すグラフである。 車両方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した様子を示す図である。 分割範囲におけるS/N分布を示すグラフである。 (A)車両方向に対する相対的な立体方向の範囲を所定角度で分割した様子を示す図、及び(B)車両方向に対する相対的な立体方向の範囲を均等に分割した様子を示す図である。 (A)分割範囲におけるS/N分布を示すグラフ、(B)S/Nに関する閾値を仮設定した様子を示す図、及び(C)S/N分布におけるとがり具合を示す数値を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車載測位装置のコンピュータにおけるS/N分布学習処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る車載測位装置のコンピュータにおける遮蔽判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 車両方向に対する相対的な立体方向の範囲を最適分割する方法を説明するための図である。 S/N分布におけるとがり具合を示す数値を説明するための図である。 車両方向に対する相対的な立体方向の範囲を最適分割した様子を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車載測位装置のコンピュータにおける遮蔽判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、車両に搭載されて受信位置(自車両の位置)を測定する車載測位装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る車載測位装置10は、測位衛星からの電波を受信して衛星信号の情報を出力するGPS受信機12と、自車両の車速を検出する車速センサ14と、ヨーレートを検出する角速度センサ16と、GPS受信機12、車速センサ14、及び角速度センサ16からの出力に基づいて、受信位置を測定するコンピュータ18と、を備えている。
GPS受信機12は、自車両の車内に設定されている。GPS受信機12は、測位衛星から送信された衛星信号を受信する受信部20と、受信部20で受信された全ての測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、測位衛星と受信位置との間の擬似距離(各測位衛星から受信した信号の伝播距離)を算出し、算出した擬似距離をコンピュータ18へ出力する擬似距離算出部22と、受信部20で受信された全ての測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、衛星信号のドップラーシフト周波数を算出するドップラー算出部24と、受信部20で受信された全ての測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、衛星信号の信号強度として、S/N(signal−to−noise ratio)を算出するS/N算出部26とを備えている。また、GPS受信機12は、受信部20で受信された全ての測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、GPS情報として、更に、測位衛星の衛星番号や、搬送波位相、衛星軌道情報(エフェメリスデータ)などを取得して、コンピュータ18に出力している。
コンピュータ18は、CPU、後述するS/N分布学習処理ルーチン及び遮蔽判定処理ルーチンを実現するためのプログラムを記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、及びHDD等の記憶装置で構成されている。
コンピュータ18を、以下で説明するS/N分布学習処理ルーチン及び遮蔽判定処理ルーチンに従って機能ブロックで表すと、図1に示すように、GPS受信機12から、GPS情報を取得するGPS情報取得部28と、取得したドップラーシフト周波数、車速、及びヨーレートに基づいて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する車両方向推定部30と、GPS受信機12から出力された衛星軌道情報に基づいて、測位衛星が存在する絶対方向を推定すると共に、推定された自車両の進行方向の絶対方向、及び測位衛星が存在する絶対方向に基づいて、自車両の進行方向に対する、測位衛星が存在する相対方向を衛星する衛星方向推定部32と、取得した衛星信号のS/N及び測位衛星の相対方向の組み合わせを蓄積して、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した分割範囲毎にS/N分布を作成するS/N分布作成部34と、分割範囲毎にS/Nに関する閾値を決定する閾値決定部36とを備えている。なお、衛星方向推定部32は、衛星方向推定手段及び相対方向算出手段の一例である。
GPS情報取得部28は、GPS受信機12から、各測位衛星のGPS情報(擬似距離、ドップラーシフト周波数、S/N、衛星軌道情報、測位衛星の衛星番号、搬送波位相など)を取得すると共に、各測位衛星について、取得した衛星軌道情報と現在時刻とに基づいて、測位衛星の軌道上の現在位置を各々算出する。なお、衛星位置の算出方法は、非特許文献(坂井丈泰、「GPSのための実用プログラミング」、東京電機大学出版局、2007年)に記載されている方法と同様であるため、説明を省略する。
車両方向推定部30は、GPS情報取得部28によって取得された複数の測位衛星の衛星信号のドップラーシフト周波数を用いて、以下に説明するように、車両の速度ベクトルを計算する。
まず、ドップラーシフト周波数と測位衛星に対する相対速度との関係を表わす以下の(1)式に従って、各測位衛星からの受信信号のドップラーシフト周波数から、各測位衛星に対する自車両の相対速度を算出する。
Figure 2012098158
ただし、vは測位衛星jに対する相対速度であり、D1は測位衛星jから得られるドップラーシフト周波数(ドップラーシフト量)である。また、Cは光速であり、Fは、測位衛星から送信される信号の既知のL1周波数である。
次に、GPS情報取得部28で算出された各測位衛星の位置座標の時系列データから、ケプラーの方程式の微分を用いて、各測位衛星の速度ベクトル(3次元速度VX、VY、VZ)を算出する。例えば、非特許文献(Pratap Misra and Per Enge原著 日本航海学会GPS研究会訳:“精説GPS基本概念・測位原理・信号と受信機”正陽文庫,2004.)に記載された方法を用いて、各測位衛星の速度ベクトルを算出することができる。
また、算出された各測位衛星の速度ベクトル(VX、VY、VZ)及び各測位衛星の方向(θ、φ)に基づいて、自車方向の各測位衛星の速度Vsを算出する
次に、各測位衛星jに対する自車両の相対速度v及び自車方向の各測位衛星jの速度Vsに基づいて、以下の(2)式に従って、各測位衛星jの方向の自車両の速度Vvを算出する。
Figure 2012098158
ただし、vは、測位衛星jに対する自車両の相対速度(衛星方向における測位衛星との相対速度)であり、Vsは、自車方向の測位衛星jの速度である。また、Vvは、測位衛星jの方向の自車速であり、Cbのドットは、クロックバイアスドリフトである。
そして、以下に説明するように、自車両の速度ベクトルの最適推定を行う。
まず、自車の速度ベクトルを(Vx,Vy,Vz)とした時、測位衛星方向の自車両の速度Vvとの関係は以下の(3)式、(4)式で表される。
Figure 2012098158
各測位衛星jについて得られる上記(3)式、(4)式より、Vx,Vy,Vz及びCbのドットを推定値とした、以下の(5)式で表される連立方程式が得られる。
Figure 2012098158
4個の測位衛星からなる各組み合わせについて、上記(5)式の連立方程式を解くことによって、自車両の速度ベクトル(Vx,Vy,Vz)を各々算出し、算出された自車両の速度ベクトル(Vx,Vy,Vz)の最小二乗解を求めることによって、自車両の速度ベクトルの最適値を推定する。
そして、推定された自車両の速度ベクトルの向きに基づいて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。
上記のように、車両方向推定部30は、ドップラーシフト周波数を用いて、各衛星方向に対する自車両の速度を算出し、各衛星方向に対する自車両の速度から、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。
また、車両方向推定部30は、GPS受信機12によって衛星信号が受信されない場合には、車速センサ14によって検出された車速、及び角速度センサ16によって検出された角速度を用いて、自車両の速度ベクトルの変化分を算出する。また、車両方向推定部30は、直近で算出された自車両の速度ベクトルと、算出された自車両の速度ベクトルの変化分とに基づいて、現在の自車両の速度ベクトルを算出し、自車両の速度ベクトルの向きに基づいて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。
衛星方向推定部32は、各測位衛星について、GPS情報取得部28で算出された測位衛星の位置座標と、自車両の位置座標とに基づいて、測位衛星が存在する絶対方向を推定する。なお、自車両の位置座標としては、前回算出された自車両の位置座標を用いればよい。あるいは、GPS情報取得部28で取得された各測位衛星の擬似距離に基づいて、自車両の位置座標を求めればよい。
また、衛星方向推定部32は、車両方向推定部30により推定された自車両の進行方向の絶対方向、及び測位衛星が存在する絶対方向に基づいて、自車両の進行方向に対する、測位衛星が存在する相対方向(衛星仰角及び水平面上の対車両角)を推定する。
次に、本実施の形態の原理について説明する。
まず、図2に、車両のルーフ上にGPS受信機のアンテナを設置し、都市部を走行した際の、ある1衛星の受信信号強度(S/N)の分布を表す。測位衛星から直接信号がGPS受信機のアンテナに届く場合は、S/Nの値が大きく、一方、衛星信号が建物に遮蔽されてしまい反射・回折波のみがGPSアンテナに届く場合には、S/Nの値は小さくなる。また、直接波のS/Nは高い値で安定して観測されるため、S/N分布中では、高いピークを含む部分として現れる。ピークを含む部分以外の低いS/N部分は、測位衛星が遮蔽された時の間接波を表す。直接波のS/Nと間接波のS/Nは、S/N分布中で明らかに異なっている。従来技術では、この違いを利用して、S/Nに関する閾値を設け、測位衛星が建物に遮蔽されているか否かの判定を行う。
しかし、通常車載用のGPS受信機では、アンテナは車内に設置される。図3に、GPS受信機のアンテナをルーフに設置した場合と車内に設置した場合の、同一衛星のS/N分布の比較を示す。GPS受信機のアンテナが車内に設置された場合は、ルーフに設置した時のような、直接波の明確なピークを含む部分が現れず、分布形状から間接波と直接波を識別するのが難しくなっていることがわかる。
このように、GPS受信機のアンテナを車内に設置した場合、車体によって衛星信号が遮蔽されてしまうため、S/Nによる測位衛星の遮蔽状態の判定が困難になる。
ここで、GPS受信機のアンテナを車内に置いた時に上記図3に示すように直接波のピークを含む部分が出なくなってしまうのは、車体によって衛星信号が遮蔽されて信号強度が減衰するからである。しかし、車体もウインドウ部分は良く衛星信号を通し、ルーフやピラー部分は金属であるので衛星信号を遮蔽するといったように、図4に示すように、車体の部位によって信号遮蔽具合は異なる。例えば、図5(A)に示すように、YZ面上の方向やXZ面上の方向に応じて、信号強度が異なる。また、図5(B)に示すように、水平面から所定の仰角だけ傾けた面上においても、方向に応じて信号強度が異なる。
そこで、本実施の形態では、S/N分布作成部34は、GPS情報取得部28によって取得した衛星信号のS/N、及び衛星方向推定部32によって推定された測位衛星の相対方向の組み合わせを蓄積する。また、S/N分布作成部34は、図6に示すように、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を複数の分割範囲に予め分割しておき、蓄積したデータに基づいて、分割範囲毎にS/N分布を作成する。
これによって、ピラーやウインドウなどによる遮蔽の違いを分割範囲別のS/N分布として分離できる。例えば、上記図3と同じ衛星のS/N分布について、対車両角[−120、−90]の範囲からなる分割範囲のS/N分布を図7に示す。上記図3と異なり、車体の各部位の遮蔽状態の違いが分離されるため、直接波のピークを含む部分が明確に現れている。
なお、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割する分割方法については、例えば、図8(A)に示すように、方位角方向の所定値、及び仰角方向の所定値で分割すればよい。
あるいは、図8(B)に示すように、分割範囲の大きさ(面積)が均等になるように分割してもよい。測位衛星の電波(直接波)の到来方向に依存して、S/Nの適切な閾値が決まるため、上記図8(B)のように、立体方向の範囲をできるだけ均等に分割するのが好ましい。この場合には、判定精度を維持したまま、分割数を削減することができ、S/N分布の学習を効率化することができる。
閾値決定部36は、分割範囲毎に、当該分割範囲について作成されたS/N分布に基づいて、以下に説明するように、直接波と間接波を区別するための、当該分割範囲のS/Nに関する閾値を決定する。
図9(A)に示すようなS/N分布において、図9(B)に示すように、移動させながらS/Nに関する閾値を仮設定し、ピークを含む直接波部分(仮設定された閾値以上の部分)のとがり具合を示す数値(面積M/幅σ )を算出し、M/σが最大化となる閾値を検索する。これによって、図9(C)に示すように、直接波部分のS/N分布のばらつきが小さく、かつ面積が大きくなるように、閾値が決定される。なお、上記のとがり具合を示す数値が、鋭さの一例である。
コンピュータ18は、更に、各測位衛星について、GPS情報取得部28で取得した衛星信号のS/Nに基づいて、当該測位衛星の遮蔽状態を判定する遮蔽判定部38と、遮蔽判定部38の判定結果と、GPS情報取得部28で取得した各測位衛星の擬似距離及び衛星位置とに基づいて、受信位置の位置座標を算出する自車位置算出部40とを備えている。
遮蔽判定部38は、各測位衛星について、GPS情報取得部28で取得した衛星信号のS/Nと、衛星方向推定部32によって推定された当該測位衛星の相対方向が属する分割範囲について決定された閾値とに基づいて、衛星信号のS/Nが閾値以上であれば、当該測位衛星が遮蔽されていないと判定し、一方、衛星信号のS/Nが閾値以上であれば、当該測位衛星が遮蔽されていると判定する。
自車位置算出部40は、遮蔽判定部38によって遮蔽されていると判定された測位衛星以外の、衛星信号を受信した4つ以上の測位衛星の組み合わせについて、GPS情報取得部28で取得した各測位衛星の擬似距離及び衛星位置に基づいて、受信位置の位置座標を、自車位置として算出する。なお、受信位置の位置座標の算出方法については、従来既知の方法を用いればよいため、詳細な説明を省略する。
次に、第1の実施の形態に係る車載測位装置10の作用について説明する。
GPS受信機12の受信部20によって、複数の測位衛星から電波を受信しているときに、コンピュータ18において、図10に示すS/N分布学習処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100において、GPS受信機12から出力される複数のGPS情報(擬似距離、ドップラーシフト周波数、衛星軌道情報、S/N、衛星番号など)を取得する。また、各測位衛星について、取得した衛星軌道情報に基づいて、衛星位置を算出する。
そして、ステップ102において、上記ステップ100で取得した各測位衛星のドップラーシフト周波数に基づいて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。次のステップ104では、上記ステップ100で算出した各測位衛星の衛星位置に基づいて、各測位衛星が存在する絶対方向を推定する。次のステップ106において、上記ステップ102で推定した自車両の進行方向の絶対方向と、上記ステップ104で推定した各測位衛星が存在する絶対方向とに基づいて、各測位衛星の相対方向を推定する。
そして、ステップ108において、各測位衛星について、上記ステップ100で取得した当該測位衛星の衛星信号のS/Nと、上記ステップ106で推定された当該測位衛星の相対方向との組み合わせを、メモリ(図示省略)に記録する。
次のステップ110では、データ収集を終了するか否かを判定する。例えば、上記ステップ108で記録されたデータ数が、所定値に到達していない場合には、上記ステップ100へ戻り、一方、記録されたデータ数が、所定値に到達した場合には、データ収集を終了すると判定し、ステップ112へ進む。
ステップ112では、上記ステップ108で記録されたデータから、予め定められた分割範囲毎に、当該分割範囲に属する当該測位衛星の相対方向に対応するS/Nを収集して、各S/N値に対する確率密度を表わすS/N分布を作成する。
そして、ステップ114において、上記ステップ112で作成された各分割範囲のS/N分布に基づいて、各分割範囲に対するS/Nの閾値を決定して、メモリ(図示省略)に記憶し、S/N分布学習処理ルーチンを終了する。
また、GPS受信機12の受信部20によって、複数の測位衛星から電波を受信しているときに、コンピュータ18において、図11に示す遮蔽判定処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ120において、GPS受信機12から出力される複数のGPS情報(擬似距離、ドップラーシフト周波数、衛星軌道情報、S/N、衛星番号など)を取得する。また、各測位衛星について、衛星軌道情報に基づいて、衛星位置を算出する。
そして、ステップ122において、上記ステップ120で取得した各測位衛星のドップラーシフト周波数に基づいて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。次のステップ124では、上記ステップ120で算出した各測位衛星の衛星位置に基づいて、各測位衛星が存在する絶対方向を推定する。そして、ステップ126において、上記ステップ122で推定した自車両の進行方向の絶対方向と、上記ステップ124で推定した各測位衛星が存在する絶対方向とに基づいて、各測位衛星の相対方向を推定する。
次のステップ128では、各測位衛星について、上記ステップ126で推定された当該測位衛星の相対方向に属する分割範囲に対応する閾値を、メモリから取得する。そして、ステップ130において、各測位衛星について、上記ステップ120で取得した当該測位衛星の衛星信号のS/Nと、上記ステップ128で取得した閾値とを比較して、当該測位衛星の遮蔽状態を判定し、遮蔽判定処理ルーチンを終了する。
そして、コンピュータ18は、上記遮蔽判定処理ルーチンにおいて、遮蔽されていると判定された測位衛星以外の、衛星信号を受信した4つ以上の測位衛星の組み合わせについて、取得した各測位衛星の擬似距離及び衛星位置を用いて、自車位置を算出する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る車載測位装置によれば、測位衛星の相対方向が属する分割範囲に対して予め定められたS/Nの閾値を用いて、測位衛星から送信された衛星信号のS/Nが、閾値以上であるか否かを判定することにより、GPS受信機が車両内部に設けられていても、衛星信号のS/Nに基づいて測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができる。
また、仰角方向だけでなく対車両方位角方向にも、自車両に対する衛星方向(衛星信号の到来方向)の範囲を分割して、分割範囲別に、観測されたS/Nの分布を学習し、各々の分割範囲でのS/Nの閾値を設定することで、車体やピラーによる信号減衰の影響をキャンセルすることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態に係る車載測位装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲の分割結果を、最適化している点が、主に第1の実施の形態と異なっている。
第2の実施の形態では、S/N分布作成部34によって、GPS情報取得部28によって取得した衛星信号のS/N、及び衛星方向推定部32によって推定された測位衛星の相対方向の組み合わせを蓄積する。また、S/N分布作成部34は、以下に説明するように、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、複数の分割範囲に分割する。
まず、分割過程として、図12(A)、(B)に示すように、相対的な立体方向の注目範囲の分割前と、相対的な立体方向の注目範囲を4分割した後とで、分割範囲毎のS/N分布におけるピークを含む直接波部分(とがり部分)のとがり具合を示す数値(面積M/幅σ )を算出し(図13参照)、とがり具合を示す数値の平均値が、分割前より分割後の方が大きい場合には、相対的な立体方向の範囲を4分割する。一方、とがり具合を示す数値の平均値が、分割前より分割後の方が小さい場合、又は分割前と分割後が同じ場合には、相対的な立体方向の注目範囲を分割しない。なお、とがり具合を示す数値を算出する前には、分割範囲毎のS/N分布に基づいて、各分割範囲に対するS/Nの閾値を決定する。決定された各分割範囲に対するS/Nの閾値を用いて、分割範囲毎のとがり具合を示す数値を算出する。
そして、図12(C)に示すように、分割された分割範囲について、変化がなくなるまで、上記の分割を繰り返し行う。
次に、統合過程として、図12(D)に示すように、注目の分割範囲と隣接した1つの分割範囲とを統合した場合における、統合した分割範囲のS/N分布におけるピークを含む直接波部分のとがり具合を示す数値(面積M/幅σ )を算出し、算出された値が、統合前の分割範囲の各々についての直接波部分のとがり具合を示す数値の平均値よりも大きい場合には、注目の分割範囲と、当該隣接した1つの分割範囲とを統合する。なお、とがり具合を示す数値を算出する前には、分割範囲毎のS/N分布に基づいて、各分割範囲に対するS/Nの閾値を決定する。決定された各分割範囲に対するS/Nの閾値を用いて、分割範囲毎のとがり具合を示す数値を算出する。
そして、図12(E)に示すように、分割された分割範囲について、変化がなくなるまで、上記の統合を繰り返し行う。
以上の処理により、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、複数の分割範囲に分割し、図14に示すように、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲の分割結果が、各分割範囲のS/N分布の直接波部分のとがり具合を示す数値の平均値が最大となるように、最適化される。
次に、第2の実施の形態に係るS/N分布学習処理ルーチンについて、図15を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
まず、ステップ100において、GPS受信機12から出力される複数のGPS情報を取得すると共に、各測位衛星について、衛星軌道情報に基づいて、衛星位置を算出する。そして、ステップ102において、自車両の進行方向の絶対方向を推定する。次のステップ104では、各測位衛星が存在する絶対方向を推定し、ステップ106において、各測位衛星の相対方向を推定する。
そして、ステップ108において、各測位衛星について、上記ステップ100で取得した当該測位衛星の衛星信号のS/Nと、上記ステップ106で推定された当該測位衛星の相対方向との組み合わせを、メモリ(図示省略)に記録する。
次のステップ110では、データ収集を終了するか否かを判定し、データ収集を終了すると判定した場合には、ステップ200へ進む。
ステップ200では、上記ステップ108で記録されたデータに基づいて、各分割範囲のS/N分布の直接波部分のとがり具合を示す数値の平均値が最大となるように、自車両の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、複数の分割範囲に分割する。
次のステップ202では、上記ステップ200の処理において最終的に得られた各分割範囲に対するS/Nの閾値を取得して、メモリ(図示省略)に記憶し、S/N分布学習処理ルーチンを終了する。
なお、第2の実施の形態に係る車載測位装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る車載測定装置によれば、自車両に対する衛星方向の範囲の分割を、各分割範囲に対するS/N分布におけるピークを含む直接波部分が際立つように最適化することにより、測位衛星の遮蔽状態をより精度良く判定することができる。
なお、上記の実施の形態では、分割過程と統合過程を経て、自車両に対する衛星方向の範囲の分割を最適化する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の手法を用いて、自車両に対する衛星方向の範囲の分割を最適化するようにしてもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態に係る車載測位装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、直接波と間接波を区別するためのS/Nの閾値を決定する方法が、第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態では、閾値決定部36によって、分割範囲毎に、当該分割範囲について作成されたS/N分布を、k−mean法により、直接波部分と間接波部分とに分類し、分類の境界に対応するS/Nを、直接波と間接波を区別するための、S/Nに関する閾値として決定する。
なお、第3の実施の形態に係る車載測位装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る車載測定装置によれば、分割範囲に対するS/N分布を、直接波部分と間接波部分とに分類して、直接波と間接波を区別するためのS/Nに関する閾値を決定しているため、このS/Nに関する閾値を用いて、測位衛星の遮蔽状態を精度良く判定することができる。
なお、上記の実施の形態では、分類手法を用いてS/Nの閾値を決定している場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、分割範囲に対するS/N分布の曲線を2階微分し、S/N分布におけるピークを含む直接波部分の開始の点を特定し、特定された点に対応するS/Nを、閾値として決定してもよい。または、直接波の分布を正規分布、間接波の分布をレイリー分布で表現し、EMアルゴリズムで分布パラメータを学習し、学習した分布を使って50%確率点を求めることにより、閾値を決定してもよい。
また、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、ドップラーシフト周波数と、車速及びヨーレートとを用いて、自車両の進行方向の絶対方向を推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、車載カメラによって、周辺画像を撮像し、予め用意しておいたランドマークの位置が記録された地図データと、周辺画像から検出されたランドマークとを照らし合わせて、周辺画像中のランドマークの位置から、車両の進行方向の絶対方向を推定するようにしてもよい。
または、磁気方位計から出力される方角と、検出される車速及びヨーレートとを用いて、自車両の進行方向の絶対方向を推定するようにしてもよい。この場合には、磁気方位計は、車両の運動の影響を受けて揺れるので、ローパスフィルタを通して滑らかにした出力を使えばよい。また、検出される車速及びヨーレートから磁気方位計にかかる力を求めて、磁気方位計の運動方程式を解くことで、車両運動の影響を除去した正しい方角を推定するようにすればよい。
または、上述した推定手法を組み合わせて、自車両の進行方向の絶対方向を推定するようにしてもよい。例えば、各推定手法によって推定された結果の平均をとっても良いし、各推定手法の推定結果の誤差量を考慮して、カルマンフィルタを使って、推定結果を統合しても良い。
また、ドップラーシフト周波数を用いた他の手法により、自車両の進行方向の絶対方向を推定するようにしてもよい。例えば、非特許文献(W Ding,“Integration of MEMS INS with GPSCarrier Phase Derived Velosity:A new approach”、Proceedings of ION GNSS 2007,(2007))に記載された手法を用いて、自車両の進行方向の絶対方向を推定するようにしてもよい。
また、必要なデータ数となるまで、データ(S/Nと相対方向の組み合わせ)を蓄積してから、S/N分布を作成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、データを保持せずに、S/N分布曲線と今までのデータ数Nだけを保持しておくようにしてもよい。この場合には、新しいデータが入った時に、そのデータ点中心のガウスカーネルを1/N倍して、S/N分布曲線に足し合わせたものを、新しいS/N分布曲線として更新するようにすればよい。
また、直接波の分布を正規分布、間接波の分布をレイリー分布で別々に表現し、分布パラメータを、データを使って最尤推定して、S/N分布を作成するようにしてもよい。この場合には、ある分割範囲に属する新しいデータが入ってきたときに、前回までに決定されたS/Nの閾値を用いて、新しいデータが、直接波の分布に属するか、間接波の分布に属するかを決定して、当該分割範囲のS/N分布を更新する。なお、新しいデータのS/Nが、閾値に近いときは、新しいデータは両方の分布に属することにしてもよい。次に、各分割範囲のS/N分布ごとに、直接波と間接波を区別するS/Nの閾値を決定する。このように、S/N分布の更新と閾値の決定とを交互に繰り返して行うようにしてもよい。
また、車載測位装置において、S/N分布を作成し、閾値を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、予め型が決められた車体の、決められた位置に、車載測位装置が設置される場合には、同じ型の車体の、同じ位置に設置された他の車載測位装置によって、S/N分布を作成し、閾値を決定するようにしてもよい。この場合には、例えば、車載測位装置の製造時に、予め決定された閾値を設定すると共に、車体の内部の決められた位置に、車載測位装置を設置するようにすればよい。また、同じ型の車体の、同じ位置に設置された他の車載測位装置によって、車両方向に対する立体方向の範囲の最適分割を行うと共に、分割範囲毎に閾値を決定するようにしてもよい。
10 車載測位装置
12 GPS受信機
14 車速センサ
16 角速度センサ
18 コンピュータ
20 GPS受信部
22 擬似距離算出部
24 ドップラー算出部
26 S/N算出部
30 車両方向推定部
32 衛星方向推定部
34 S/N分布作成部
36 閾値決定部
38 遮蔽判定部

Claims (7)

  1. 移動体の内部に設置され、かつ、測位衛星から送信された衛星信号を受信するGPS受信機と、
    複数の異なる測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された各GPS情報、又は前記移動体の移動体情報を検出する検出手段によって検出された前記移動体情報に基づいて、前記移動体の進行方向の絶対方向を推定する移動体方向推定手段と、
    判定対象の測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された前記GPS情報に基づいて、前記判定対象の測位衛星が存在する絶対方向を推定する衛星方向推定手段と、
    前記移動体方向推定手段によって推定された前記移動体の進行方向の絶対方向、及び前記衛星方向推定手段によって推定された前記判定対象の測位衛星の絶対方向に基づいて、前記移動体の進行方向に対する前記判定対象の測位衛星の相対方向を算出する相対方向算出手段と、
    前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、前記閾値以上であるか否かを判定することにより、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する判定手段と、
    を含む衛星信号判定装置。
  2. 前記分割範囲を、前記複数の分割範囲の各々について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分の鋭さの平均値が最大になるように、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割したものとした請求項1記載の衛星信号判定装置。
  3. 前記分割範囲を、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、分割した前記立体方向の範囲の各々の大きさが対応するように分割したものとした請求項1記載の衛星信号判定装置。
  4. 各測位衛星から送信された衛星信号の信号強度と、前記相対方向算出手段によって算出された各測位衛星の前記相対方向とに基づいて、前記複数の分割範囲の各々について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分の鋭さの平均値が最大になるように、前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を、前記複数の分割範囲に分割する分割手段を更に含み、
    前記判定手段は、前記分割手段によって分割した前記複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する請求項1記載の衛星信号判定装置。
  5. 前記分割範囲に対する前記閾値を、前記分割範囲について得られる信号強度の分布のうちピークを含む部分に応じて決定したものとした請求項1〜請求項4の何れか1項記載の衛星信号判定装置。
  6. 前記分割範囲に対する前記閾値を、前記分割範囲について得られる信号強度の分布を2つの分布に分類したときの、前記分類の境界に対応する信号強度とした請求項1〜請求項4の何れか1項記載の衛星信号判定装置。
  7. コンピュータを、
    複数の異なる測位衛星から送信された衛星信号に基づいて、移動体の内部に設置されたGPS受信機から出力された各GPS情報、又は前記移動体の移動体情報を検出する検出手段によって検出された前記移動体情報に基づいて、前記移動体の進行方向の絶対方向を推定する移動体方向推定手段、
    判定対象の測位衛星から送信された衛星信号に基づいて前記GPS受信機から出力された前記GPS情報に基づいて、前記判定対象の測位衛星が存在する絶対方向を推定する衛星方向推定手段、
    前記移動体方向推定手段によって推定された前記移動体の進行方向の絶対方向、及び前記衛星方向推定手段によって推定された前記判定対象の測位衛星の絶対方向に基づいて、前記移動体の進行方向に対する前記判定対象の測位衛星の相対方向を算出する相対方向算出手段、及び
    前記移動体の進行方向に対する相対的な立体方向の範囲を分割した複数の分割範囲のうち、前記相対方向算出手段によって算出された前記相対方向が属する前記分割範囲に対して予め定められた信号強度の閾値を用いて、前記判定対象の測位衛星から送信された衛星信号の信号強度が、前記閾値以上であるか否かを判定することにより、前記判定対象の測位衛星の遮蔽状態を判定する判定手段
    として機能させるためのプログラム。
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