JP2012097302A - Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット - Google Patents
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】金属製容器にて、Cu粉末及びGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、酸素分圧20Pa以下の雰囲気中で30℃以上400℃以下の温度で加熱しながら、金属製攪拌羽根で撹拌して合金化したCu−Ga合金粉末を作製し、このCu−Ga合金粉末を焼結して、Fe、Ni、Crの合計が3ppm以下であるCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する。
【選択図】なし
Description
先ず、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットについて説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Cu−Ga合金粉末を原料として粉末焼結法により製造することができ、Fe、Ni、Crの金属不純物の合計が3ppm以下である。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、金属不純物の合計が3ppm以下であることによって、スパッタにより形成したスパッタ膜に含有される金属不純物を抑えることができる。これにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて、CIGS太陽電池の光吸収層を形成した場合には、光吸収層に含有される金属不純物の含有量を非常に少なくすることができ、太陽電池の性能に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
次に、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Cu粉末及びGaからCu−Ga合金粉末を製造し、得られたCu−Ga合金粉末を焼結してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する。
先ず、Cu−Ga合金粉末の製造方法について説明する。
Cu−Ga合金粉末の原料としては、Cu粉末及びGaが用いられる。Cu粉末及びGaの純度は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットをスパッタして形成されるCIGS光吸収層等の特性に影響を与えないように適宜選択される。
Cu粉末とGaとは、質量比で85:15〜55:45の割合で配合する。Ga量が15質量%以上であることにより、Gaによる均一被覆が可能となると共に、得られた粉末を焼結した際に均一な合金組織にすることが可能となる。また、Ga量が45質量%以下であることにより、Cu粉末の間に存在する多量のGaによってCu粉末同士が結合して塊状になるのを防ぐことができ、合金粉末の収率を向上させることができる。
合金化は、金属製容器に、上述した質量比となるように秤量したCu粉末とGa小片とを投入し、酸素分圧20Pa以下の雰囲気、30℃以上400℃以下の温度で、金属製撹拌羽根により攪拌することにより、Cu粉末とGaとを混合し、Cu粉末の表面又は内部にGaが分散したCu−Ga二元系合金粉末を作製する。このような合金化の方法では、金属製容器と金属製攪拌羽根を用いているにもかかわらず、金属製容器と金属製攪拌羽根に含まれる金属がCu−Ga合金粉末に混入することを抑制できる。したがって、得られたCu−Ga合金粉末中に含まれる金属不純物の量を非常に少なくすることができる。
次に、上述したCu−Ga合金粉末を用いたCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
焼結工程では、上述した製造方法により製造したCu−Ga合金粉末を、例えばプレスにて成形し、この成形体を真空中で、400〜800℃で焼結する粉末焼結法を用いることができる。400〜800℃で焼結することにより、CuやGaが拡散するため、均一に合金化したCu−Ga合金焼結体が得られる。焼結方法は、不活性ガス雰囲気中での焼結でもよく、また、原料粉末を高温で耐熱性の型に入れて加圧するホットプレス法(HP法)、加圧媒体であるガスを用いて、高温高圧下で被処理物を等方的に加圧する熱間静水圧加圧焼結法(HIP法)等を用いてもよい。この中でもホットプレス法によれば、高密度の焼結体を安価に得ることができる。
仕上げ工程では、Cu−Ga合金焼結体の表面を研削により平面に仕上げ、Cu製のバッキングプレートにボンディングすることにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
サンプル1では、先ず、金属不純物の含有量が10ppm以下の電解銅粉136gとGa64gをSUS304製のビーカーに投入した。次に、このビーカーとマントルヒーター及びSCS13製の攪拌羽根を取り付けた攪拌機をグローブボックス内にセットし、真空排気した後に、Arガスを導入した。グローブボックス内の酸素をジルコニア酸素濃度計(第一熱研株式会社製、型式ECOAZ TB−IIV)で測定した結果、0.1ppm以下、即ち酸素分圧0.01Pa以下であった。この状態で、ビーカー内をマントルヒーターで200℃に加熱しながら銅粉とGaを攪拌してCu−Ga合金粉末を作製した。
サンプル2では、グローブボックス内の酸素濃度を100ppm(酸素分圧10Pa)としたこと以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根には、サンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。次に、サンプル1と同様にして、φ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金ターゲットを作製した。
サンプル3では、グローブボックス内の酸素濃度を200ppm(酸素分圧20Pa)としたこと以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根には、サンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。次に、サンプル1と同様にしてφ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金ターゲットを作製した。
サンプル4では、ビーカー内を400℃に加熱したこと以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根には、サンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。次に、サンプル1と同様にしてφ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
サンプル5では、金属不純物含有量が10ppm以下のアトマイズ銅粉170gとGa30gをビーカーに投入したこと以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根には、サンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。次に、サンプル1と同様にしてφ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金ターゲットを作製した。
サンプル6では、金属不純物含有量が10ppm以下の電解銅粉110gとGa90gを投入し、ビーカー内を30℃としたこと以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根には、サンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。次に、真空排気した後、Ar流量0.4L/min、温度400℃の条件がした以外はサンプル1と同様にホットプレスを行って、φ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金ターゲットを作製した。
サンプル7では、Cu製攪拌羽根を取り付けたこと以外はサンプル1と同様にして攪拌を行ったところ、ビーカー内壁と攪拌羽根にはサンプル1と同様の薄い金属被膜が形成されていた。Cu製攪拌羽根に形成されていた金属皮膜の一部を削り採って定性分析したところ、GaとCuを含む金属被膜であった。そして、酸洗浄のためにビーカーと攪拌羽根を希硝酸に浸漬したところ、SUS304製ビーカーは被膜だけが溶解したが、Cu製攪拌羽根はCu露出部分が溶解しはじめたため洗浄を中止した。また、酸洗浄の液を希塩酸に変えて被膜が付いているCu製攪拌羽根を浸漬したが、被膜がほとんど溶解しないので洗浄できなかった。次に、サンプル1と同様にしてφ60mm、厚さ3mmのCu−Ga合金ターゲットを作製した。
サンプル8では、グローブボックス内の酸素濃度を300ppm、即ち酸素分圧30Paとしたこと以外はサンプル1と同様にして攪拌を開始したところ、攪拌羽根と容器内壁に塊状の固形物が付着して成長し、攪拌不能になったので、合金粉を作製することができなかった。
サンプル9では、ビーカー内を500℃に加熱した以外はサンプル1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根にはサンプル1と同様の金属被膜が形成されていた。Cu−Ga合金粉末中の金属不純物を分析したところ、表1に示すように、多量に混入していた。サンプル9では、Cu−Ga合金粉末に金属不純物が多量に混入していたのでCu−Ga合金スパッタリングターゲットは作製しなかった。
参考例として、テフロン(登録商標)を被覆したビーカーと攪拌羽根を使用して、Cu−Ga合金粉末を作製したものを示す。参考例では、テフロン(登録商標)を被覆したビーカーと攪拌羽根を使用したこと以外はサンプル1と同様にして合金粉を作製して、金属不純物の分析を行った。攪拌後のビーカー内壁と攪拌羽根に被膜は形成されていなかった。作製した合金粉末を用いて、サンプル1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製し、一部を取って不純物の分析を行った。
Claims (3)
- 金属製容器にて、Cu粉末及びGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、酸素分圧20Pa以下の雰囲気中で30℃以上400℃以下の温度で加熱しながら金属製攪拌羽根で撹拌して合金化したCu−Ga合金粉末を作製し、
上記Cu−Ga合金粉末を焼結する
ことを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。 - 上記金属製容器は、ステンレスである
ことを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。 - ステンレス製容器にて、Cu粉末及びGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、酸素分圧20Pa以下の雰囲気中で30℃以上400℃以下の温度で加熱しながら金属製攪拌羽根で撹拌して合金化したCu−Ga合金粉末を作製し、上記Cu−Ga合金粉末を焼結して作製され、
Fe、Ni、Crの合計が3ppm以下である
ことを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
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