JP2012096195A - 高温ガスから窒素富化空気を製造する方法 - Google Patents

高温ガスから窒素富化空気を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、航空機等の防爆用に用いられる窒素富化空気を、より簡便にかつ効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】空気分離膜モジュールに、150℃以上の高温の空気を供給して窒素富化空気を製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温でも高い分離性能を有し、それを長時間維持できる空気分離膜モジュールを用いて、窒素富化空気を製造する方法に関する。
航空機には、燃料タンクの防爆方法の1つとして、搭載型不活性ガス発生システム(OBIGGS:on board inert gas generating system)を使用しているものがある。燃料タンク内の気相領域の酸素濃度は、爆発の危険性を防ぐために所定の濃度より低くする必要がある。そのため、OBIGGSは、空気中から酸素を分離して窒素濃度が高い窒素富化空気を製造し、これを燃料タンクに供給する。
OBIGGSは、例えば、空気分離膜モジュールによって窒素富化空気を製造する。空気分離膜は、通常、供給されるガスが高圧、高温であるほど処理量が多くなるため、エンジンの抽出ガスや周囲の空気等がコンプレッサ等で圧縮されてから空気分離膜モジュールに供給される。この圧縮されたガスは、通常149〜260℃となる。
従来の空気分離膜モジュールは、約82℃から約93℃で効率的に作動し、上記のような高温では分離性能が著しく低下するため使用することができない。したがって、一般的には、圧縮されたガスを、熱交換器を用いたり、低温の空気と混合したりすることにより、該温度まで降温してから空気分離膜モジュールに供給している(特許文献1)。
特開2010−142801号公報
本発明は、空気分離膜モジュールに、150℃以上の高温の圧縮空気を供給して、窒素富化空気を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の事項に関する。
1.空気分離膜モジュールを用いて空気から窒素富化空気を製造する方法であって、
150℃以上の空気を空気分離膜モジュールに供給することを特徴とする方法。
2.前記空気分離膜モジュールが、
使用開始時、175℃での酸素ガス透過速度(P’O2)が20×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上、かつ、175℃での酸素ガス透過速度と窒素ガス透過速度との比(P’O2/P’N2)が1.8以上であり、ならびに、
175℃で140時間使用したときのP’O2およびP’O2/P’N2が、前記使用開始前のP’O2およびP’O2/P’N2のそれぞれ90%以上を保持していることを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.前記空気分離膜モジュール内の空気分離膜が、225℃以下にガラス転移温度を示さない材料からなることを特徴とする上記1または2に記載の方法。
4.前記空気分離膜が、175℃に2時間置かれたとき、95%以上の形状保持率を示すことを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.上記1〜4のいずれかに記載の製造方法により窒素富化空気を製造し、航空機用燃料タンクに供給することを特徴とする、航空機の防爆方法。
本発明の方法によれば、高温、例えば150℃以上の空気を空気分離膜モジュールに供給し、窒素の濃度を高めた窒素富化空気を得ることができる。本発明は、高温において、酸素ガスの透過速度、および酸素と窒素との分離性能が高く、さらに、高温で長時間使用してもその性能を維持できる空気分離膜を用いることを特徴とする。本発明は、例えば、航空機の燃料タンクの防爆システムに好適である。該防爆システムにおいて本発明を用いると、空気分離膜モジュールに空気を供給する際、高温の空気を冷却するための熱交換器等が軽量化できる。また、空気分離膜は、供給される空気が高温であるほど透過速度が速くなるため、高温の空気を処理できる本発明の方法によれば、効率的で膜面積も小さくてすむ。したがって、航空機内の設備の簡素化、軽量化が可能となる。
実施例1および比較例2の測定結果を示す。 実施例1および実施例2の測定結果を示す。
本発明は、空気分離膜モジュールを用いて空気から窒素富化空気を生成する方法であって、150℃以上の高温の空気を空気分離膜モジュールに供給することを特徴とする。本発明において、特に断りがない限り、「高温」とは、150℃以上、好ましくは175℃以上、より好ましくは200℃以上のことを意味する。
空気分離膜モジュールは、例えば、適当な長さの中空糸膜100〜1000000本程度を束ね、その中空糸束の両端部を、中空糸の少なくとも一方の端が開口状態を保持した状態になるようにして、熱硬化性樹脂などからなる管板で固着し、得られた中空糸束と管板などからなる中空糸膜エレメントを、少なくとも空気供給口と透過ガス排出口と非透過ガス排出口とを備える容器内に、中空糸膜の内側に通じる空間と中空糸膜の外側へ通じる空間とが隔絶するように収納し取り付けることによって得られる。このような空気分離膜モジュールでは、空気が空気供給口から中空糸膜の内側あるいは外側に接する空間へ供給され、中空糸膜に接して流れる間に空気中の酸素が選択的に膜を透過し、透過ガス(酸素富化空気)が透過ガス排出口から、膜を透過しなかった非透過ガス(窒素富化空気)が非透過ガス排出口からそれぞれ排出されることによって、ガス分離が行われる。
本発明に用いられる空気分離膜としては、特に限定はされないが、例えば、主として空気分離性能を担う極めて薄い緻密層(好ましくは厚さが0.001〜5μm)とその緻密層を支える比較的厚い多孔質層(好ましくは厚さが10〜2000μm)とからなる非対称構造を有する非対称空気分離膜が挙げられる。好ましくは、内径が10〜3000μmで外径が30〜7000μm程度の中空糸膜である。
本発明に用いる空気分離膜は、高温において以下のような特性を有することが好ましい。
本発明に用いる空気分離膜は、高温において、酸素ガスの透過速度が高いことが好ましい。たとえば、175℃における酸素透過速度(P’O2)が、20×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上で、好ましくは25×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上、より好ましくは30×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上である。さらに、本発明に用いる空気分離膜は、高温でも分離性能が高いことが好ましく、たとえば、175℃において、膜の分離性能を表す酸素ガス透過速度と窒素ガス透過速度との比(P’O2/P’N2)が1.8以上、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上である。なお、透過速度の比は、通常低温ではより大きな値となる。透過速度比すなわち分離性能が高いと、目的とする窒素富化空気の回収率が高くなる。
また、本発明に用いる空気分離膜は、高温で長時間使用しても酸素ガスの透過速度および膜の分離性能が大きく低下しないことが好ましい。たとえば、175℃で140時間使用したとき、酸素透過速度(P’O2)、および酸素ガスの透過速度と窒素ガスの透過速度との比(P’O2/P’N2)が、使用前のP’O2およびP’O2/P’N2のそれぞれ75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
さらに、本発明に用いる空気分離膜は、高温状態でも、その機能を損なわない程度に形状が保持されることが好ましい。たとえば、空気分離膜を構成する材質のガラス転移温度(Tg)が、好ましくは225℃より高く(すなわち、225℃以下に示されず)、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上(ガラス転移温度が測定できないものを含む)であることが好ましい。さらに、高温で長時間形状が保持されることが好ましく、175℃に2時間置かれたときの形状保持率が95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。ここで、本発明において形状保持率とは、175℃で、2時間熱処理した後の糸の長さを、熱処理前の元の長さで徐して、その割合を示したものである。
ガラス転移温度が225℃より高く、本発明に用いる分離膜に好ましい材料としては、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、特に好ましくは、ポリイミドが挙げられる。
本発明の非対称ガス分離中空糸膜(以下、単に中空糸膜ともいう)を形成する材料として、特に限定されるものではないが、空気分離膜用として好適で、かつ、ガラス転移温度が225℃より高いポリイミドの組成の例を説明する。以下の組成のポリイミドは、下記一般式(1)の反復単位で示される芳香族ポリイミドであり、ガラス転移温度が通常250℃以上、好ましくは300℃以上(ガラス転移温度が測定できないものを含む)である。
Figure 2012096195
上記式中、Bはテトラカルボン酸成分に起因する4価のユニットであり、Aはジアミン成分に起因する2価のユニットである。芳香族ポリイミドを構成するユニットについて以下に詳述する。
ユニットBは、テトラカルボン酸成分に起因する4価のユニットであり、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%の下記一般式(B1)で示されるジフェニルヘキサフルオロプロパン構造からなるユニットB1と、90〜30モル%、好ましくは80〜40モル%の下記一般式(B2)で示されるビフェニル構造からなるユニットB2を含み、実質的にユニットB1およびユニットB2からなることが好ましい。ジフェニルヘキサフルオロプロパン構造が10モル%未満でビフェニル構造が90モル%を越えると、得られるポリイミドのガス分離性能が低下して、高性能ガス分離膜を得ることが難しくなる。一方、ジフェニルヘキサフルオロプロパン構造が70モル%を越えビフェニル構造が30モル%未満になると、得られるポリイミドの機械的強度が低下することがある。
また、ユニットBは、下記式(B3)で示されるフェニル構造に基づく4価のユニットを含むこともできる。式(B3)で示されるフェニル構造に基づく4価のユニットは、0〜30モル%、好ましくは10〜20モル%が好適である。
さらに、ユニットBは、ユニットB1、B2、B3以外のその他のテトラカルボン酸に起因する4価のユニットB4を含むことができる。
Figure 2012096195
ユニットAは、ジアミン成分に起因する2価のユニットであり、下記一般式(A1a)、(A1b)および(A1c)からなる群より選ばれるユニットA1と、下記一般式(A2a)および(A2b)からなる群より選ばれるユニットA2を含む。さらに、ユニットAは、ユニットA1、A2以外のその他のジアミン成分に起因する2価のユニットA3を含むことができる。
ユニットA1aは、式(A1a)で示されるビフェニル構造に基づく2価のユニットであり、ユニットA1bおよびA1cは、式(A1b)および式(A1c)で示されるヘキサフルオロ置換構造、より詳細には2つのトリフルオロメチル基を有する構造のユニットを有する。
Figure 2012096195
(式中、Xは塩素原子または臭素原子で、nは1〜3である。)
Figure 2012096195
(式中、rは0または1であり、フェニル環はOH基により置換されていてもよい。)
Figure 2012096195
(式中、YはOまたは単結合を示す。)
ユニットA1が式(A1a)で示されるユニットを有するときは、ユニットAにおいて30〜70モル%、好ましくは、30〜60モル%が好適である。このベンジジン類は、分離度の向上に寄与しているが、その量が多すぎるとポリマーが不溶になって製膜が困難になり、少なすぎると分離度が低下するので好ましくない。
ユニットA1が式(A1b)および/または式(A1c)で示されるユニットを有するときは、これらが、ユニットAにおいて、10〜50モル%、好ましくは20〜40モル%含まれる。
ユニットA2は、含硫黄ヘテロ環構造、具体的には下記一般式(A2a)および(A2b)で示されるユニット類からなる群より選ばれる。
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基であり、nは0、1又は2である。)
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基であり、Xは−CH−又は−CO−である。)
ユニットA2は、ユニットAにおいて、90〜30モル%、好ましくは90〜40モル%、より好ましくは90〜50モル%、さらに好ましくは80〜60モル%含まれる。
ユニットA3は、ユニットAにおいて、50モル%以下、好ましく40モル%以下、より好ましくは20モル%以下の量で含むことができる。
次に、芳香族ポリイミドの前記各ユニットを構成するモノマー成分について説明する。
前記一般式(B1)で示されるジフェニルヘキサフルオロプロパン構造からなるユニットは、テトラカルボン酸成分として、(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、その二無水物、又はそのエステル化物を用いることによって得られる。前記(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸類としては、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、3,3’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、3,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、それらの二無水物、又はそれらのエステル化物を好適に用いることができるが、特に4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、その二無水物、又はそのエステル化物が好適である。
前記一般式(B2)で示されるビフェニル構造からなるユニットは、テトラカルボン酸成分として、ビフェニルテトラカルボン酸、その二無水物、又はそのエステル化物などのビフェニルテトラカルボン酸類を用いることによって得られる。前記ビフェニルテトラカルボン酸類としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、それらの二無水物、又はそれらのエステル化物を好適に用いることができるが、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その二無水物、又はそのエステル化物が好適である。
前記一般式(B3)で示されるフェニル構造に基づく4過のユニットは、ピロメリット酸およびその酸無水物等のピロメリット酸類を用いることによって得られる。このピロメリット酸類は、機械的性質を高めるうえで好適であるが、その量が多すぎると製膜時のポリマー溶液が凝固する等、不安定になって中空糸を形成することが困難になる。
ユニットB4を与えるその他のテトラカルボン酸成分は、上記で示される化合物以外のテトラカルボン酸類であり、本発明の本発明の効果を損なわず、場合によっては性能をさらに改良し得る化合物が選ばれる。例えば、ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸類、ベンゾフェノンテトラカルボン酸類、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸類、ナフタレンテトラカルボン酸類、ジフェニルメタンテトラカルボン酸類、ジフェニルプロパンテトラカルボン類等を挙げることができる。
前記一般式(A1a)で示されるビフェニル構造に基づく2価のユニットは、ジアミン成分として、一般式(A1a−M)で示されるハロゲン置換ベンジジン類を用いることによって得られる。
Figure 2012096195
(式中、Xは塩素原子または臭素原子で、n=1〜3である。)
ハロゲン置換ベンジジン類としては、ジクロロベンジジン(ジアミノジクロロビフェニル)類、テトラクロロベンジジン(ジアミノテトラクロロビフェニル)類、ヘキサクロロベンジジン類、テトラブロモベンジジン類、ジブロモベンジジン類、ヘキサブロモベンジジン類等を挙げることができる。前記ジクロロベンジジン類としては、3,3’-ジクロロベンジジン(DCB)、テトラクロロベンジジン類としては、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン(TCB)等を挙げることができる。
一般式(A1b)で示される2価のユニットは、ジアミン成分として、一般式(A1b−M)で示されるヘキサフルオロ置換化合物類を用いることによって得られる。
Figure 2012096195
(式中、rは0または1であり、フェニル環はOH基により置換されていてもよい。)

(A1b−M)で示されるヘキサフルオロ置換化合物類の好ましい化合物は、一般式(A1b−M1)〜(A1b−M3):
Figure 2012096195
で表される。
一般式(A1b−M1)で表されるビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン類としては、例えば2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。一般式(A1b−M2)で表されるビス(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン類としては、例えば2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。一般式(A1b−M3)で表されるヒドロキシル基置換ビス(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン類としては、例えば2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。
また、一般式(A1c)で示される2価のユニットは、ジアミン成分として、一般式(A1c−M)で示されるヘキサフルオロ置換化合物類を用いることによって得られる。
Figure 2012096195
(式中、YはOまたは単結合を示す。)

一般式(A1c−M)で表されるジアミン化合物類としては、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル等を挙げることができる。
また、前記一般式(A2a)又は前記一般式(A2b)で示される構造からなるユニットは、ジアミン成分として、それぞれ、下記一般式(A2a−M)及び一般式(A2b−M)で示される芳香族ジアミンを用いることによって得られる。
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基であり、nは0、1又は2である。)
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基であり、Xは−CH−又は−CO−である。)
前記一般式(A2a−M)で示される芳香族ジアミンとしては、一般式(A2a−M)のnが0である下記一般式(A2a−M1)で示されるジアミノジベンゾチオフェン類、又は一般式(A2a−M)のnが2である下記一般式(A2a−M2)で示されるジアミノジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド類を好適に挙げることができる。
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基である。)
Figure 2012096195
(式中、R及びR’は水素原子又は有機基である。)
前記のジアミノジベンゾチオフェン類(一般式(A2a−M1))としては、例えば3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,6−ジメチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−4,6−ジメチルジベンゾチオフェン、2,8−ジアミノ−3,7−ジメチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,8−ジエチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,6−ジエチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−4,6−ジエチルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,8−ジプロピルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,6−ジプロピルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−4,6−ジプロピルジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,8−ジメトキシジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,6−ジメトキシジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−4,6−ジメトキシジベンゾチオフェンなどを挙げることができる。
前記のジアミノジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド類(一般式(A2a−M2))としては、例えば3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,6−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−4,6−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、2,8−ジアミノ−3,7−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,8−ジエチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,6−ジエチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−4,6−ジエチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,8−ジプロピルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,6−ジプロピルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−4,6−ジプロピルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,8−ジメトキシジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−2,6−ジメトキシジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−4,6−ジメトキシジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシドなどを挙げることができる。
前記の一般式(A2b−M)において、Xが−CH−であるジアミノチオキサンテン−10,10−ジオン類としては、例えば3,6−ジアミノチオキサンテン−10,10−ジオン、2,7−ジアミノチオキサンテン−10,10−ジオン、3,6−ジアミノ−2,7−ジメチルチオキサンテン−10,10−ジオン、3,6−ジアミノ−2,8−ジエチル−チオキサンテン−10,10−ジオン、3,6−ジアミノ−2,8−ジプロピルチオキサンテン−10,10−ジオン、3,6−ジアミノ−2,8−ジメトキシチオキサンテン−10,10−ジオン、等を挙げることができる。
前記の一般式(A2b−M)において、Xが−CO−であるジアミノチオキサンテン−9,10,10−トリオン類としては、例えば3,6−ジアミノ−チオキサンテン−9,10,10−トリオン、2,7−ジアミノ−チオキサンテン−9,10,10−トリオンなどを挙げることができる。
ユニットA3を与えるその他のジアミン成分は、上記で示される化合物以外のジアミン化合物であり、本発明の本発明の効果を損なわず、場合によっては性能をさらに改良し得る化合物が選ばれる。
例えば、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジアミノジフェニルスルホン類;
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミノジフェニルエーテル類;
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミノジフェニルメタン類;
2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等の2,2−ビス(アミノフェニル)プロパン類;
2,2−ビス〔4−(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等の2,2−ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン類;
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン等のジアミノベンゾフェノン類;
3,5−ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸類;
1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;
2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジクロロジアミノジフェニルエーテル類;
オルトトリジン、メタトリジン等のトリジン類;
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル等のジヒドロキシジアミノビフェニル類;
等を挙げることができる。
これらの中でも好ましくは、ジアミノジフェニルスルホン類、ジアミノジフェニルエーテル類、ジアミノ安息香酸類、ジクロロジアミノジフェニルエーテル類、ジヒドロキシジアミノビフェニル類である。
本発明において、非対称空気分離膜に一般式(1)の反復単位で示される芳香族ポリイミドを用いる場合、例えば、上記テトラカルボン酸成分は、ユニットB1を与えるカルボン酸として4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン -ビス(無水フタル酸)、ユニットB2を与えるカルボン酸として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ユニットB3を与えるカルボン酸としてピロメリット酸二無水物、上記ジアミン成分は、ユニットA1を与えるジアミンとして2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、ユニットA2を与えるジアミンとして3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシドを組み合わせて用いることが好ましい。本発明において、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシドとは、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシドを主成分とし、メチル基の位置が異なる異性体3,7−ジアミノ−2,6−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド、3,7−ジアミノ−4,6−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシドを含む混合物のことを意味する。
前記芳香族ポリイミド溶液の調製は、有機極性溶媒中にテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを所定の組成比で加え、室温程度の低温で重合反応させてポリアミド酸を生成し次いで加熱して加熱イミド化するか又はピリジンなどを加えて化学イミド化する2段法、または、有機極性溶媒中にテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを所定の組成比で加え、100〜250℃好ましくは130〜200℃程度の高温で重合イミド化反応させる1段法によって好適に行われる。加熱によってイミド化反応を行うときは脱離する水またはアルコールを除去しながら行うことが好適である。有機極性溶媒に対するテトラカルボン酸成分とジアミン成分の使用量は、溶媒中のポリイミドの濃度が5〜50重量%程度好ましくは5〜40重量%にするのが好適である。
重合イミド化して得られた芳香族ポリイミド溶液は、そのまま直接紡糸に用いることもできる。また、例えば得られた芳香族ポリイミド溶液を芳香族ポリイミドに対し非溶解性の溶媒中に投入して芳香族ポリイミドを析出させて単離後、改めて有機極性溶媒に所定濃度になるように溶解させて芳香族ポリイミド溶液を調製し、それを紡糸に用いることもできる。
紡糸に用いる芳香族ポリイミド溶液は、ポリイミドの濃度が5〜40重量%更には8〜25重量%になるようにするのが好ましく、溶液粘度(回転粘度)は100℃で100〜15000ポイズ好ましくは200〜10000ポイズ、特に300〜5000ポイズであることが好ましい。溶液粘度が100ポイズ未満では、均質膜(フィルム)は得られるかもしれないが、機械的強度の大きな非対称膜を得ることは難しい。また、15000ポイズを越えると、紡糸ノズルから押し出しにくくなるため目的の形状の非対称中空糸膜を得ることは難しい。
前記有機極性溶媒としては、得られる芳香族ポリイミドを好適に溶解できるものであれば限定されるものではないが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールのようなフェノール類、2個の水酸基をベンゼン環に直接有するカテコール、レゾルシンのようなカテコール類、3−クロルフェノール、4−クロルフェノール(後述のパラクロロフェノールに同じ)、3−ブロムフェノール、4−ブロムフェノール、2−クロル−5−ヒドロキシトルエンなどのハロゲン化フェノール類などからなるフェノール系溶媒、又はN−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアミド類からなるアミド系溶媒、あるいはそれらの混合溶媒などを好適に挙げることができる。
本発明に用いる中空糸膜は、前記芳香族ポリイミド溶液等を用いて、乾湿式法による紡糸(乾湿式紡糸法)によって好適に得ることができる。乾湿式法は、中空糸形状にしたポリマー溶液の表面の溶媒を蒸発させて薄い緻密層(分離層)を形成し、更に、凝固液(ポリマー溶液の溶媒とは相溶し、ポリマーは不溶な溶剤)に浸漬し、その際生じる相分離現象を利用して微細孔を形成して多孔質層(支持層)を形成させる方法(相転換法)であり、Loebらが提案(例えば、米国特許3133132号)したものである。
乾湿式紡糸法は、紡糸用ノズルを用いて乾湿式法によって中空糸膜を形成する方法であり、例えば特開昭61−133106号公報や特開平3−267130号公報などに記載されている。
製造方法は、通常、紡糸工程(紡糸ドープ吐出工程)、凝固工程、洗浄工程、乾燥工程および熱処理工程を含む。
まず、紡糸工程(紡糸ドープ吐出工程)において、紡糸ドープ液の吐出のために使用される紡糸ノズルは、紡糸ドープ液を中空糸状体に押し出すものであればよく、チューブ・イン・オリフィス型ノズルなどが好適である。通常、押し出す際の芳香族ポリイミド溶液の温度範囲は約20℃〜150℃、特に30℃〜120℃が好適である。好適な温度範囲はドープの溶媒種類、粘度などによって異なる。また、ノズルから押し出される中空糸状体の内部へ気体または液体を供給しながら紡糸がおこなわれる。
紡糸工程から連続する凝固工程では、ノズルから吐出された中空糸状体が、一旦、大気中または窒素等の不活性ガス雰囲気中等に押し出され、引き続き、凝固浴に導かれ、凝固液に浸漬される。凝固液は、芳香族ポリイミド成分を実質的には溶解せず且つ芳香族ポリイミド溶液の溶媒と相溶性があるものが好適である。特に限定するものではないが、水や、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどの低級アルコール類や、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどの低級アルキル基を有するケトン類など、あるいは、それらの混合物が好適に用いられる。また、芳香族ポリイミド溶液の溶媒がアミド系溶媒であるときは、アミド系溶媒の水溶液も好ましい。
次の洗浄工程では、必要によりエタノール等の洗浄溶媒で洗浄し、次いで置換溶媒、例えばイソペンタン、n−ヘキサン、イソオクタン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素を使用して、中空糸の外側および内側の凝固液および/または洗浄溶媒を置換する。
次の乾燥工程では、置換溶媒を含む中空糸を適当な温度で乾燥する。そして、熱処理工程において、好ましくは、用いられた芳香族ポリイミドの軟化点又は二次転移点よりも低い温度で、熱処理を行うことで、非対称ガス分離中空糸膜が得られる。
次に、実施例によって本発明を更に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<中空糸膜のガラス転移温度(Tg)の測定方法>
ガラス転移温度(Tg)の測定は、JIS K7121の補外ガラス転移開始温度の測定方法に従い、島津製作所DSC50装置を用い、試料量2mg、窒素雰囲気ガス下で室温から400℃までを10℃/minにて実施した。
<中空糸膜の形状保持率の測定方法>
形状保持率の測定では、200mm長さの中空糸を175℃の熱風式恒温器中にて2時間保持した熱処理前後の長さを測定した。熱処理前の元の長さに対する、熱処理後の長さの割合を形状保持率とした。
<溶液粘度の測定方法>
ポリイミド溶液の溶液粘度は、回転粘度計(ローターのずり速度1.75sec−1)を用い温度100℃で測定した。
<製造例1>
撹拌機と窒素ガス導入管が取り付けられたセパラブルフラスコに、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ビス(無水フタル酸) 200ミリモルと、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 225ミリモルと、ピロメリット酸二無水物 75ミリモルと、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン 250ミリモルと、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド 250ミリモルとを、溶媒の4−クロロフェノール1882gと共に加え、窒素ガスをフラスコ内に流通させながら、撹拌下に反応温度190℃で20時間重合イミド化反応をおこない、ポリイミド濃度が17重量%の芳香族ポリイミド溶液を調製した。この芳香族ポリイミド溶液の100℃における溶液粘度は1940ポイズであった。
前記調製した芳香族ポリイミド溶液を、400メッシュの金網でろ過し、これをドープ液として、中空糸紡糸用ノズルを備えた紡糸装置を使用して、中空糸紡糸用ノズル(円形開口部外径1000μm、円形開口部スリット幅200μm、芯部開口部外径400μm)の円形開口部からドープ液を吐出させ、同時に芯部開口部から窒素ガスを吐出させて中空糸状体を形成し、それを窒素雰囲気中に通した後、凝固液に浸漬して凝固させ、引取りロールによって引き取って、湿潤中空糸膜を得た。次いでこの中空糸膜を乾燥し、更に250℃で30分間加熱処理して、中空糸膜1を得た。
得られた中空糸膜1は、大略、外径が410μm、内径が280μmであった。中空糸膜から糸束エレメントを形成し、次いで、それらの各中空糸膜の糸束エレメントからガス分離膜モジュールを形成した。
以下実施例1、2においては、上記により製造した中空糸膜1を用いた空気分離膜モジュール1を使用し、比較例1、2においては、下記中空糸膜2を用いた空気分離膜モジュール2、または中空糸膜3を用いた空気分離膜モジュール3を使用した。
各中空糸膜についての特性等を表1に示す。ガラス転移温度、形状保持率は上記方法により測定した。
Figure 2012096195
各空気分離膜モジュールの諸元について、表2に示す。
Figure 2012096195
<実施例1>
空気分離膜モジュール1に、175℃の空気を圧力0.2MPaGで供給し、非透過ガスすなわち窒素富化空気中の酸素ガス濃度が12%になるように空気供給量を調整し、この条件で連続的に運転した。運転を開始してからの各経過時間において、製造された窒素富化空気の流量を測定した。測定結果を図1に示す。また、測定結果より、運転開始から0時間、140時間、2069時間経過後の空気分離膜の酸素透過速度(P’O2)、分離性能を示す酸素ガス透過速度と窒素ガス透過速度との比(P’O2/P’N2)を算出した。その結果を表3に示す。
運転を開始した時点(0時間)では、P’O2は35.4×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgであり、空気分離膜モジュール1から得られた窒素富化空気の流量は、0.748Nm/hであった。運転開始後140時間経過時には、P’O2は33.4×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgであり、運転開始時より5.6%低下したのみであった。運転開始後2069時間経過後のP’O2は31.4×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgであり、運転開始時より11%低下した。運転開始後2069時間経過後の空気分離膜モジュール1から得られた窒素富化空気の流量は、0.65Nm/hであり、運転開始の時点と比較して13%しか減少しなかった。この結果から、175℃で2000時間運転しても、空気分離膜モジュール1はガス分離膜能を維持していることがわかる。
<比較例1>
空気分離膜モジュール2を使用して、実施例1と同様の測定を試みたが、175℃では中空糸膜の収縮が激しく窒素富化空気を得ることが不可能であった。175℃に保持した空気分離膜モジュール2には、中空の潰れ、糸切れ、管板の歪み等が観察された。
<比較例2>
空気分離膜モジュール3を使用したほかは実施例1と同様の条件で運転を行い、各経過時間における窒素富化空気の流量を測定した。測定結果を図1に示す。運転を開始した時点におけるP’O2は、19.3×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgであり、空気分離膜モジュールから得られる窒素富化空気の流量は、0.625Nm/hであった。運転開始後140時間経過後において、分離膜のP’O2は、11.3×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHgと使用開始時の41%減少し、空気分離膜モジュールから得られる窒素富化空気の流量は、0.419Nm/hとなり、使用開始時より35%減少した。
<実施例2>
製造される窒素富化空気中の酸素ガス濃度が5%になるように空気供給量を調整したほかは実施例1と同様に測定した。測定結果を図2に示す。運転を開始した時点の窒素富化空気の流量は、0.18Nm/hであった。運転開始後2069時間経過後の窒素富化空気の流量は、0.15Nm/hであり、16%の減少にとどまっている。この結果から、実施例1と同様、175℃で2000時間経過しても、空気分離膜モジュール1はガス分離膜能を維持していることがわかる。
Figure 2012096195
本発明により、高温、例えば150℃以上の空気を、空気分離膜モジュールに供給し、窒素の濃度を高めた窒素富化空気を得ることができる。本発明の方法は、例えば、航空機の燃料タンクの防爆システムに利用できる。

Claims (5)

  1. 空気分離膜モジュールを用いて空気から窒素富化空気を製造する方法であって、
    150℃以上の空気を空気分離膜モジュールに供給することを特徴とする方法。
  2. 前記空気分離膜モジュールが、
    使用開始時、175℃での酸素ガス透過速度(P’O2)が20×10−5cm(STP)/cm・sec・cmHg以上、かつ、175℃での酸素ガス透過速度と窒素ガス透過速度との比(P’O2/P’N2)が1.8以上であり、ならびに、
    175℃で140時間使用したときのP’O2およびP’O2/P’N2が、前記使用開始前のP’O2およびP’O2/P’N2のそれぞれ90%以上を保持していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記空気分離膜モジュール内の空気分離膜が、225℃以下にガラス転移温度を示さない材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記空気分離膜が、175℃に2時間置かれたとき、95%以上の形状保持率を示すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により窒素富化空気を製造し、航空機用燃料タンクに供給することを特徴とする、航空機の防爆方法。
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