JP2012095535A - パン類、麺類、菓子類向けブレンド用米粉 - Google Patents
パン類、麺類、菓子類向けブレンド用米粉 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】米粒、米粉の適当なアルカリ処理とその前後のタンパク質、損傷澱粉、非澱粉性糖類の分離、除去処理、操作により、従来の米粉に比べ粒径が非常に小さく、タンパク質、損傷澱粉及び非澱粉性糖類含量の非常に少ない画期的に製パン性、製麺性、製菓特性の優れた米粉が調製できる。本米粉をブレンド粉として用いた場合、従来の米粉に比べ格段に高品質の米粉含有パン類、麺類、菓子類を製造できる。
【選択図】なし
Description
[1]
(1)生米粒をアルカリ性水溶液とともに粉砕処理するか、または生米粒を粉砕した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、
(2)分離した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、但し、この工程は、1回または2回以上行う、
(3)得られた米粉を、任意に水洗及び/又は中和した後に、脱水及び/又は乾燥して米粉製品を得る工程
を含む米粉製品の製造方法。
[2]
工程(1)及び(2)で用いるアルカリ性水溶液は、それぞれ独立に
アルカリ濃度が、0.2〜1.5規定の範囲であり、かつ
生米粒または米粉の質量の6から10倍量である[1]に記載の製造方法。
[3]
工程(3)で得られた米粉を粉砕して微粉を得る工程をさらに含む[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
工程(2)のアルカリ処理の前後、または工程(3)の中和処理の前後で、タンパク質分解酵素または細胞壁溶解酵素を含有した溶液中で米粉を処理する工程をさらに含む[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
工程(3)で得られる米粉製品は、平均粒径が3.0μm以上20.0μm以下、損傷澱粉量が0.5質量%以上5.0質量%以下、タンパク質含量が0.01質量%以上1.0質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.0質量%以上2.0質量%以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
平均粒径が3.0μm以上20.0μm以下、損傷澱粉量が0.5質量 %以上5.0質量%以下、タンパク質含量が0.01質量%以上1.0質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.0質量%以上2.0質量%以下である米粉製品。
[7]
平均粒径が4.0μm以上10.0μm以下、損傷澱粉量が0.8質量%以上3.0質量%以下、タンパク質含量が0.1質量%以上0.5質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.2質量%以上1.9質量%以下である[6]に記載の米粉製品。
[8]
平均粒径が5.0μm以上7.0μm以下、損傷澱粉量が1.0質量%以上2.5質量%以下、タンパク質含量が0.15質量%以上0.2質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.3質量%以上1.8質量%以下である[6]に記載の米粉製品。
[9]
パン類、麺類または菓子類の原料へのブレンド用である[6]〜[8]のいずれかに記載の米粉製品。
[10]
パン類またはケーキ類の原料へのブレンド用である[6]〜[8]のいずれかに記載の米粉製品。
[11]
[1]〜[5]のいずれかに記載の方法により製造した米粉製品または[6]〜[8]のいずれかに記載の米粉製品を、他のパン類、麺類または菓子類用原料と併用して、パン類、麺類または菓子類を製造することを含む、パン類、麺類または菓子類の製造方法。
[12]
[1]〜[5]のいずれかに記載の方法により製造した米粉製品または[6]〜[8]のいずれかに記載の米粉製品を、原料総質量の5〜60%の範囲で他のパン原料と併用して、パン類を製造することを含む、パン類の製造方法。
本発明の米粉製品の製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含む。
(1)生米粒をアルカリ性水溶液とともに粉砕処理するか、または生米粒を粉砕した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、
(2)分離した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、但し、この工程は、1回または2回以上行う、
(3)得られた米粉を、任意に水洗及び/又は中和した後に、脱水及び/又は乾燥して米粉製品を得る工程
工程(1)では、生米粒をアルカリ性水溶液とともに粉砕処理するか、または生米粒を粉砕した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理する。米原料の種類は特に限定は無く、例えば、粳種、糯種、長粒種、中粒種、短粒種など種々のものが使用できる。また、米粒は、通常精米が使用され、例えば、70〜90質量%の精米歩合のものを使用することができる。70〜90質量%の精米歩合のものを使用することで、アルカリ処理の効果が首尾良く発揮され、望ましい特性の米粉を効率的に調製することができるという利点がある。
工程(2)では、工程(1)で分離した米粉を、再度、アルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する。アルカリ性水溶液への浸漬処理は、工程(1)と同様の条件で実施してもよいし、工程(1)と異なる条件で実施してもよい。但し、このアルカリ性水溶液のアルカリ度や浸漬温度、時間及び量は、工程(1)の説明を参照することができる。浸漬処理後の分離は、遠心分離、デカンテーション等の操作によって上清のアルカリ水溶液を除去することが行う。工程(2)では、このアルカリ性水溶液への浸漬および分離を1回または2回以上行う。2回以上行う場合、繰り返しの回数は、米粉のアルカリ処理の度合い等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、10回までの範囲で実施できる。但し、上限は10回に限定される意図ではない。必要により10回を超える回数のアルカリ性水溶液への浸漬および分離を実施することもできる。繰返し操作におけるアルカリ性水溶液への浸漬条件や分離条件は、各回同一でも異なってもよい。
工程(3)では、工程(2)で分離した米粉を、脱水及び/又は乾燥して米粉製品を得る。脱水及び/又は乾燥前には、任意で、水洗及び/又は中和をすることもできる。中和処理に使用する酸は食品用に利用できる酸であれば特に限定はなく、例えば、塩酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸や酢酸、乳酸、クエン酸などの有機酸やこれらの塩の単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。中和処理後の水洗は、通常大過剰の水を加えた後、中和処理した米粉混合液を良く混合し、遠心分離、デカンテーション等の操作によって、上清の分離と脱水を行う。中和処理後の水洗は、一回でも目的を達成できるが、好ましくは中和処理によって生成する塩類、可溶性タンパク質、非澱粉性糖類等を極力除去するため3回程度行うことが好ましい。
本発明の米粉の特徴は、主に種々の穀物粉等(主に小麦粉)に本米粉をブレンドしたブレンド粉の製パン性、製麺性、製菓適性が従来の米粉に比べ格段に優れていることにある。この効果により、従来不可能であった米粉を利用した高品質で、且つ、米粉の良好な特徴を発揮した各種パン類、麺類、菓子類の製造が可能になる。したがって、本発明の米粉製品は、パン類、麺類、菓子類の原料へのブレンド用米粉として好適である。
以下に示す方法により、本発明の米粉製品を調製した。これらの米粉製品は実施例2〜5に使用した。
精米した粳米の米粒200gに4℃に冷却した0.5%のNaOH溶液(質量%)1000mlを添加し、20℃前後で、12時間放置する。次に、水挽き方式の粉砕機で米粒を粉砕する。得られた米粉懸濁液を遠心分離し、上清のアルカリ溶液を除去する。遠心分離後の米粉沈殿物に0.5%のNaOH溶液(質量%)1000mlを添加し良く混合し20℃前後で、12時間放置し、遠心分離後上清のアルカリ溶液を除去する。次に、蒸留水1000mlを米粉沈殿物に添加し塩酸でpH7前後になるように中和処理する。この米粉懸濁液を同様に遠心分離し上清を除去する。この水洗操作を更に2回繰り返す(2回目以降は中和処理無し)。最後の水洗を終了した米粉沈殿は150メッシュの篩で篩別し、粗粒や細胞壁成分の除去を行なう。最後に得られた米粉沈殿物を40℃で通風乾燥後、乾燥粉末を乳鉢でマイルドに粉砕しアルカリ処理米粉Aを得た。アルカリ処理米粉Aの物性は以下のとおり。平均粒径15.3μm、損傷澱粉量1.1%、タンパク質含量0.60%、非澱粉性糖類1.5%。
粳米のA製粉(株)製気流製粉米粉200gに4℃に冷却した0.2%のNaOH溶液(質量%)を1600mlを添加し、12時間、4℃の低温庫で放置する。次に、上清のアルカリ溶液をデカンテーションにより除去する。この操作を同様に更に2回繰り返えす。次に、4℃に冷却した蒸留水を1600ml加え良く混合し、塩酸でpH7前後に中和処理を行う。その後同様に12時間、4℃の低温庫で放置し上清をデカンテーションにより除去する。蒸留水添加以降(中和処理は無し)の操作を同様に更に2回繰り返し、最後の米粉沈殿は、150メッシュの篩で篩別し、粗粒や細胞壁成分の除去を行なう。最後に得られた米粉沈殿物をアルカリ処理米粉Aと同条件で乾燥、粉砕しアルカリ処理米粉Bを得た。アルカリ処理米粉Bの物性は以下のとおり。平均粒径15.3μm、損傷澱粉量2.0%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
精米した粳米の米粒200gに4℃に冷却した0.5%のNaOH溶液(質量%)の1000mlを添加し、12時間、4℃の低温庫で放置する。次に、水挽き方式の粉砕機で米粒を粉砕する。得られた米粉懸濁液を遠心分離し、上清のアルカリ溶液を除去する。遠心分離後の米粉沈殿物に0.2%のNaOH溶液(質量%)溶液1000mlを添加し良く混合後12時間、4℃の低温庫で放置する。その後この米粉懸濁液を遠心分離し上清のアルカリ溶液を除去する。次に、この遠心分離後の米粉沈殿物に蒸留水1000mlを添加し良く混合し塩酸でpH7前後になるように中和処理する。更に、この米粉懸濁液に、0.1%濃度になるように中性プロテアーゼ(天野製薬株式会社製)を添加し良く混合し、35℃で3時間保持した。次にこの酵素処理米粉懸濁液をアルカリ米粉Aの調製の場合と同様に遠心分離し上清除去する水洗操作を3回繰り返す。最後に得られた米粉沈殿物をアルカリ処理米粉Aと同条件で篩別、乾燥後、ミルで米粉を微粉砕しアルカリ処理米粉Cを得た。アルカリ処理米粉Cの物性は以下のとおり。平均粒径5.5μm、損傷澱粉量2.4%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
第1表に示す配合で、実施例1で製造した本発明の米粉ブレンド粉について、以下に示す製パン条件のノータイム法で山型食パンを製造し、製パン性等の評価を行なった。ノータイム法とは、パンの原材料をすべて始めにミキサーに投入し最適ミキシング後、直ぐに分割、丸め、ベンチタイム(生地一定時間放置し休ませる操作)操作を行い、一次発酵を行わず直ぐに成型操作を行い、最終発酵を取って焼成する製パン方法のことである。この方法においては、用いる穀物粉の特性の違いが、パンの比容積を初めとする製パン適性の評価の善し悪しに反映されやすい特性を持っているので採用した。
・ミキシング:全原料をミキサーに入れ、ミキシングピーク時間後10秒程度後までミキシングする
・分割、丸め:生地量100gずつ手で分割、丸め
・べンチ :30℃、20分
・成型 :モルダー、シーターにて成型
・ホイロ :温度38℃、湿度85%、70分
・焼成 :200℃、25分
2)アルカリ処理米粉B:平均粒径15.3μm、損傷澱粉量2.0%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
3)アルカリ処理米粉C:平均粒径5.5μm、損傷澱粉量2.4%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
4)A製粉(株)米粉:酵素処理気流製粉米粉(現状で最も製パン性の優れた市販米粉)、平均粒径51.7μm、損傷澱粉量3.8%、タンパク質含量7.4%、非澱粉性糖類2.5%。
5)市販上新粉:B製粉(株)製上新粉、平均粒径81.8μm、損傷澱粉量11.8%、タンパク質含量6.9%、非澱粉性糖類2.5%。
6)市販凍結乾燥グルテン:H印小麦蛋白(北国フード株式会社製)。
7)製パン評価、製パン時生地状態、パンの外観、内相、食感、風味の評価基準は以下の通りである。
◎:非常に良好、 ○:良好、 △:やや劣る、 ×:劣る
なお、各評価項目の評価の主な基準は以下の通りである。
製パン時生地状態:生地の分割、丸め、成型時の生地物性が良好であり、作業中に生地がだれたり、べとついたりせずスムーズに製パン作業のできる生地を良好な生地状態と評価する。
外観:パンが均一に良く膨らんでいるか、パンの表面色が均一で良好であるか、パンの外観・形状がきれいかどうかを主な評価基準として評価する。
内相:パンの内相(キメ(パンの穴の部分)、マク(パンの穴の周りの膜の部分))か均一で膜が薄いかどうかで評価する。
食感:パンを食した時の米粉パン独特のモチモチ感があるかどうかで評価する。
風味:パンとして良好な食味、香りがあるかどうかで評価する。
第2表に示すバターロール配合で種々の本発明の米粉ブレンド粉生地について、以下に示す製パン条件のノータイム法でバターロールを製造し、製パン性の評価を行なった。なお、ノータイム法の製法については、配合がバターロール配合になった以外実施例2と基本的に同様である。
・ミキシング:全原料をミキサーに入れ、ミキシングピーク時間後10秒程度後までミキシングする
・分割、丸め:生地量40gずつ手分割、丸め
・ベンチ :30℃、20分
・成型 :手でロール型に成型
・ホイロ発酵:38℃、湿度85%で生地が一定の大きさになるまで発酵
・焼成 :200℃、13分
2)アルカリ処理米粉B:平均粒径15.3μm、損傷澱粉量2.0%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
3)アルカリ処理米粉C:平均粒径5.5μm、損傷澱粉量2.4%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
4)A製粉(株)米粉:酵素処理気流製粉米粉(現状で最も製パン性の優れた市販米粉)、平均粒径51.7μm、損傷澱粉量3.8%、タンパク質含量7.4%、非澱粉性糖類2.5%。
5)市販上新粉:B製粉(株)製上新粉、平均粒径81.8μm、損傷澱粉量11.8%、タンパク質含量6.9%、非澱粉性糖類2.5%。
6)市販凍結乾燥グルテン:H印小麦蛋白(北国フード株式会社製)。
◎:非常に良好、 ○:良好、 △:やや劣る、 ×:劣る
なお、各評価項目の評価の主な基準は以下の通りである。
製パン時生地状態:生地の分割、丸め、成型時の生地物性が良好であり、作業中に生地がだれたり、べとついたりせずスムーズに製パン作業のできる生地を良好な生地状態と評価する。
外観:パンが均一に良く膨らんでいるか、パンの表面色が均一で良好であるか、パンの外観・形状がきれいかどうかを主な評価基準として評価する。
内相:パンの内相(キメ(パンの穴の部分)、マク(パンの穴の周りの膜の部分))か均一で膜が薄いかどうかで評価する。
食感:パンを食した時の米粉パン独特のモチモチ感があるかどうかで評価する。
風味:パンとして良好な食味、香りがあるかどうかで評価する。
第3表に示す配合で、種々の本発明の米粉添加生地について、以下に示す方法で中華麺を製造し、生麺、ゆで麺の官能評価を行った。
・ミキシング:縦型ミキサー、低速1分、中低速7分
・ロール操作:荒延1回、ロール間隙 3.0mm
複合2回、ロール間隙 3.0mm
圧延1回目、ロール間隙 2.2mm
圧延2回目、ロール間隙 1.8mm
圧延3回目、ロール間隙 最終麺厚が1.4mmになるように調節
・切り出し :切刃20番、麺の長さ25cm前後
・ゆで :沸騰水中で約3分
なお、麺の評価は、生麺の場合切り出し直後、ゆで麺の場合ゆで直後にそれぞれ行った。
2)アルカリ処理米粉B:平均粒径15.3μm、損傷澱粉量2.0%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
3)アルカリ処理米粉C:平均粒径5.5μm、損傷澱粉量2.4%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
4)A製粉(株)米粉:酵素処理気流製粉米粉(現状で最も製麺性が良好と言われている市販米粉)、平均粒径51.7μm、損傷澱粉量3.8%、タンパク質含量7.4%、非澱粉性糖類2.5%。
5)市販上新粉:B製粉(株)製上新粉、平均粒径81.8μm、損傷澱粉量11.8%、タンパク質含量6.9%、非澱粉性糖類2.5%。
6)市販凍結乾燥グルテン:H印小麦蛋白(北国フード株式会社製)。
◎:非常に良好、 ○:良好、 △:やや劣る、 ×:劣る
なお、各評価項目の評価の主な基準は以下の通りである。
色相:鮮やかな黄色を示す生麺を良好、黒ずんでくすんだ生麺を劣ると評価する。
ホシの程度:細かい黒っぽいぶつぶつの少ない良好な生麺を良好と評価し、その逆を劣ると評価する。
食感:茹で麺に適度の弾力、硬さ、滑らかさ、モチモチ感のある茹で麺を良好と評価し、その逆を劣ると評価する。
食味:ほのかな米粉の風味、良好な中華麺の風味を示す茹で麺を良好と評価し、その逆を劣ると評価する。
第4表に示す配合で種々の本発明の米粉ブレンド粉生地について、以下に示す条件でスポンジケーキを製造し、スポンジケーキ適性評価を行なった。
ミキシング :ミキサーボールに粉以外の材料を入れ、ホイッパーを使い低速で30秒ミキシングする。次に、ミキサーボールに粉を一度に入れ生地比重が0.45±0.02になるまで中速でミキシングを行う。
生地の型入れ:生地を18cmの丸ケーキ型に350g入れ、空気抜きのため型を10cm位の高さから何度か落とし、台のうえで回転させる。
焼成 :ナショナルNE-F3オーブンにて天板を2枚ひいた160℃のオーブン45分焼成する。
冷却・保管 :焼き上がったら、15cmの高さから垂直に台の上に落とし、型から外して上向きに網にのせて約40分さまし、ポリエチレンの袋に2重に入れてシーラーでとめ、湿度70%、温度20℃で保管し、翌日官能評価を行う。
2)アルカリ処理米粉B:平均粒径15.3μm、損傷澱粉量2.0%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
3)アルカリ処理米粉C:平均粒径5.5μm、損傷澱粉量2.4%、タンパク質含量0.20%、非澱粉性糖類1.8%。
4)A製粉(株)米粉:酵素処理気流製粉米粉(現状で最も製菓適性が優れていると言われている市販米粉)、平均粒径51.7μm、損傷澱粉量3.8%、タンパク質含量7.4%、非澱粉性糖類2.5%。
5)市販上新粉:B製粉(株)製上新粉、平均粒径81.8μm、損傷澱粉量11.8%、タンパク質含量6.9%、非澱粉性糖類2.5%。
6)市販凍結乾燥グルテン:国産小麦蛋白(北国フード株式会社製)。
7)乳化油脂:メロディアップ(カネカ株式会社製)
◎:非常に良好、 ○:良好、 △:やや劣る、 ×:劣る
なお、各評価項目の評価の主な基準は以下の通りである。
スポンジケーキ生地調製時の状態:生地のホイップの時適度な粘度を示し、均一ガスを包含し適切な生地比重に短時間に到達する生地を調製時生地状態が良いと評価する。
外観 :スポンジケーキが均一に良く膨らんでいるか、スポンジケーキの表面色が均一で良好であるか、スポンジケーキの外観・形状がきれいかどうかを主な評価基準として評価する。
色相 :スポンジケーキをカットしたときの内面の色相が均一で色がスポンジケーキの色として適切であるかどうかで評価する。
食感 :スポンジケーキを食した時の米粉スポンジケーキ独特のモチモチ感、しっとり感があるかどうかで評価する。
風味 :スポンジケーキとして良好な食味、香りがあるかどうかで評価する。
ボリューム:一定条件で製造したスポンジケーキのボリュームを評価する。
Claims (12)
- (1)生米粒をアルカリ性水溶液とともに粉砕処理するか、または生米粒を粉砕した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、
(2)分離した米粉をアルカリ性水溶液に浸漬処理し、処理後の米粉とアルカリ性水溶液とを分離する工程、但し、この工程は、1回または2回以上行う、
(3)得られた米粉を、任意に水洗及び/又は中和した後に、脱水及び/又は乾燥して米粉製品を得る工程
を含む米粉製品の製造方法。 - 工程(1)及び(2)で用いるアルカリ性水溶液は、それぞれ独立に
アルカリ濃度が、0.2〜1.5規定の範囲であり、かつ
生米粒または米粉の質量の6から10倍量である請求項1に記載の製造方法。 - 工程(3)で得られた米粉を粉砕して微粉を得る工程をさらに含む請求項1または2に記載の製造方法。
- 工程(2)のアルカリ処理の前後、または工程(3)の中和処理の前後で、タンパク質分解酵素または細胞壁溶解酵素を含有した溶液中で米粉を処理する工程をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 工程(3)で得られる米粉製品は、平均粒径が3.0μm以上20.0μm以下、損傷澱粉量が0.5質量%以上5.0質量%以下、タンパク質含量が0.01質量%以上1.0質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.0質量%以上2.0質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 平均粒径が3.0μm以上20.0μm以下、損傷澱粉量が0.5質量 %以上5.0質量%以下、タンパク質含量が0.01質量%以上1.0質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.0質量%以上2.0質量%以下である米粉製品。
- 平均粒径が4.0μm以上10.0μm以下、損傷澱粉量が0.8質量%以上3.0質量%以下、タンパク質含量が0.1質量%以上0.5質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.2質量%以上1.9質量%以下である請求項6に記載の米粉製品。
- 平均粒径が5.0μm以上7.0μm以下、損傷澱粉量が1.0質量%以上2.5質量%以下、タンパク質含量が0.15質量%以上0.2質量%以下で、且つ、非澱粉性糖類が1.3質量%以上1.8質量%以下である請求項6に記載の米粉製品。
- パン類、麺類または菓子類の原料へのブレンド用である請求項6〜8のいずれかに記載の米粉製品。
- パン類またはケーキ類の原料へのブレンド用である請求項6〜8のいずれかに記載の米粉製品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造した米粉製品または請求項6〜8のいずれかに記載の米粉製品を、他のパン類、麺類または菓子類用原料と併用して、パン類、麺類または菓子類を製造することを含む、パン類、麺類または菓子類の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造した米粉製品または請求項6〜8のいずれかに記載の米粉製品を、原料総質量の5〜60%の範囲で他のパン原料と併用して、パン類を製造することを含む、パン類の製造方法。
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