JP2012093952A - 非接触及び接触共用icカード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ICカード1は、アンテナ20を用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子14を用いて外部との間で接触通信を行うICチップ11を備える非接触及び接触共用ICカードであって、ICチップ11が実装され、両端部にアンテナ20との接続部である基板側接続部13をそれぞれ有する実装基板12と、アンテナ20の両端に設けられ、基板側接続部13に接続され、このICカード1の上面2aを法線方向から見たときに、設置領域A23,A24が基板コーナ部12a,12b,12d,12eに重複するアンテナ側接続部23,24とを備える。
【選択図】図1
Description
(1)被覆付導線やエッチング加工にて形成されたアンテナコイルが埋め込まれたカード基板を作製する。
なお、アンテナの両端部の端子は、ICチップ実装基板と安定的な接続を可能とするとともに、材料費を抑え、生産性をよくするために、一般的には、ICチップ実装基板に設けられたアンテナ接続用端子と略同一サイズの略プレート状にしている。また、被覆付導線アンテナの場合には、両端部を連続的に狭ピッチで折畳んで、略プレート状に形成する。このため、被覆付導線アンテナは、両端部の端子サイズを大きくすると線長が長くなるので、形成時間が長くなり、また高コストになる。これらを防止するために、被覆付導線アンテナは、端子サイズを極力小さなサイズにするのが技術常識である。
第2の発明は、アンテナ(20,220)を用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子を用いて外部との間で接触通信を行うICチップ(11)を備える非接触及び接触共用ICカードであって、前記ICチップが実装され、両端部に前記アンテナとの接続部である基板側接続部(12,212)をそれぞれ有するICチップ実装基板(12,212)を備え、この非接触及び接触共用ICカードは、表面の法線方向から見たときに、外形が長方形であり、前記アンテナは、両端に設けられ前記基板側接続部に接続するアンテナ側接続部(23,24,223,224)を有し、このICカードの表面(2a)を法線方向から見たときに、長辺方向内側の前記アンテナ側接続部(24,224)の設置領域(A24)のみが、前記ICチップ実装基板のコーナ部である基板コーナ部(12d,12e,212d,212e)に重複するように形成されていること、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
第3の発明は、アンテナ(20,220)を用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子を用いて外部との間で接触通信を行うICチップ(11)を備える非接触及び接触共用ICカードであって、前記ICチップが実装され、両端部に前記アンテナとの接続部である基板側接続部(12,212)をそれぞれ有するICチップ実装基板(12,212)を備え、この非接触及び接触共用ICカードは、表面の法線方向から見たときに、外形が長方形であり、前記アンテナは、両端に設けられ前記基板側接続部に接続するアンテナ側接続部(23,24,223,224)を有し、このICカードの表面(2a)を法線方向から見たときに、短辺方向内側の前記アンテナ側接続部の設置領域のみが、前記ICチップ実装基板のコーナ部である基板コーナ部(12b,12e,212b,212e)に重複するように形成されていること、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の非接触及び接触共用ICカードにおいて、前記アンテナ側接続部(23,24,223,224)は、前記設置領域(A23,A24)が、前記基板コーナ部(12a,12b,12d,12e,212a,212b,212d,212e)に加えて、前記基板側接続部(12,212)の外側の辺(12c,12e,212c,212e)の一部に重複するように形成されていること、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の非接触及び接触共用ICカードにおいて、このICカードの表面(2a)を法線方向から見たときに、前記ICチップ実装基板(12,212)の外側の領域であって前記アンテナ側接続部及びカード基材からなる領域(A2)の剛性は、前記ICチップ実装基板が実装されている領域(A1)の剛性よりも低く、カード基材のみの領域(A3)の剛性よりも高いこと、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の非接触及び接触共用ICカードにおいて、前記アンテナ(20)は、被覆付導線(21)により前記アンテナ側接続部(23,24)及びアンテナコイル部(22)が形成され、前記アンテナ側接続部(23,24)は、前記被覆付導線を前記設置領域(A23,A24)内で連続して折り曲げて形成され、前記被覆付導線の導線部を露出させて前記基板側接続部(13)に接続されること、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
第7の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の非接触及び接触共用ICカードにおいて、前記アンテナ(220)は、前記アンテナ側接続部(223,224)及びアンテナコイル部(222)がエッチングにより形成されていること、を特徴とする非接触及び接触共用ICカードである。
(1)本発明は、アンテナ側接続部の設置領域が基板コーナ部に重複するので、基板コーナ部近傍のカード剛性を向上できる。これにより、外力等により屈曲等した場合の物理的耐久性を向上させ、カード基材のうち基板コーナ部近傍の損傷、アンテナの損傷、基板側接続部及びアンテナ側接続部の剥離等の発生を防止でき、信頼性の高いICカードを提供できる。
(2)本発明は、長辺方向内側のアンテナ側接続部のみがICチップ実装基板のコーナ部に重複するように形成されているので、長辺方向の屈曲によって力が加わりやすい長辺方向内側のアンテナ側接続部近傍の剛性を向上して、前述した損傷、剥離等の発生を防止できるとともに、長辺方向外側のアンテナ側接続部のサイズを小さくできるので、コスト増加を抑えることができる。
(4)本発明は、アンテナ側接続部の設置領域が、基板コーナ部に加えて、基板側接続部の外側の辺に重複するように形成されているので、この外側の辺近傍のカード剛性を向上できるため、この外側の辺近傍での前述した損傷、剥離等の発生を防止できる。
(6)本発明は、被覆付導線を連続的に折り曲げてアンテナ側接続部を形成するので、被覆付導線によってアンテナ形成した比較的低コストのタイプのカードであっても、コスト増を抑制して、前述した損傷、剥離等の発生を防止できる。
(7)本発明は、アンテナ側接続部及びアンテナコイル部をエッチングにより形成した配線の自由度が高いタイプのカードであっても、コスト増を抑制して、前述した損傷、剥離等の発生を防止できる。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のICカード1の平面図及び断面図である。
図1(a)は、ICカード1の平面図(上面2a(表面)を法線方向から見た図)である。
図1(b)は、ICカード1の断面図(図1(a)に示すB−B部矢視断面図)である。
図1(c)は、ICカード1近傍の拡大図(図1(a)に示すC部拡大図)である。
なお、内部構成を説明するために、内部に収容された電気部品等は、適宜透視して示す。また、以下の説明において、ICカード1の外部接触端子14が設けられた面を上面2aとし、また、外部接触端子14を左側X1に配置したときの配置を基準に、左右方向X(長辺方向)、縦方向Y(短辺方向)、厚さ方向Zを規定する。
ICカード1は、カード基材2、ICモジュール10、アンテナ20を備える。また、説明は省略するが、ICカード1は、必要に応じて、ホログラム、磁気ストライプ、エンボス情報部、サインパネル等が設けられる。
カード基材2は、上層3及び下層4から構成される。上層3及び下層4は、ICカード1の厚さ方向Zの上側Z2及び下側Z1に配置されたシート部材である。上層3及び下層4は、PET、PET−G、PVC等の樹脂シート材を用いることができる。上層3は、単一のシート材により形成された単層構造でも、複数のシート材を積層した多層構造であってもよい。同様に、下層4は、単層構造でも、多層構造でもよい。
ICチップ11は、外部接触端子14を介して外部機器との間で接触通信を行う機能と、アンテナ20を介して外部機器との間で非接触通信を行う機能とを備える非接触及び接触共用のものである。
接触通信の主な機能は、例えば、国内及び海外のクレジット会員情報、銀行口座情報等の記憶、及びこれらの情報の認証や書き換え等である。一方、非接触通信の主な機能は、例えば、交通機関での定期券等の情報の記憶、及び改札の出入時におけるこれらの情報の認証等である。
基板側接続部13は、実装基板12の下面に形成された導電プレートであり、アンテナ20との接続端子である。また基板側接続部13は、プリント配線、金ワイヤ等の接続配線11aを介してICチップ11に接続され、アンテナ20及びICチップ11を電気的に接続する。基板側接続部13は、平面形状において、左側X1及び右側X2の端部であって、縦方向Yのほぼ中心にそれぞれ設けられており、その形状が矩形である。
外部接触端子14は、例えば、銅板に金メッキを施したものであり、ICカード1の他の構成部品よりも剛性が高い。
アンテナ20は、導線の周囲を、絶縁体により形成された被覆によって覆った被覆付導線21により形成される。ICカード1は、被覆付導線21を用いることにより、形成加工費を例えばエッチング等に比較して安価にできる。アンテナ20は、下層4の上面4aに埋設されている。
コイル部22は、被覆付導線21がコイル状(渦巻き状)に巻かれ(図1の例では、約3巻)、実際に上記通信機能を奏する部分である。
アンテナ側接続部23,24は、コイル部22の両端に形成されている。アンテナ側接続部23,24は、基板側接続部13に接続するための接続端子である。アンテナ側接続部23,24は、被覆付導線21の両端を、それぞれ縦方向Yに上下に繰り返し折り曲げしてプレート状、つまり平面状に展開するように形成されている。アンテナ側接続部23,24の設置領域A23,A24は、平面形状において、実装基板12の左辺12c、右辺12fを包有し、実装基板12の四隅を覆っている。すなわち、左側X1(カード外側)に設けられたアンテナ側接続部23の設置領域A23は、実装基板12の基板コーナ部12a,12b及び左辺12c(外側の辺)に重複し、一方、右側X2(カード内側)に設けられたアンテナ側接続部24の設置領域A24は、実装基板12の基板コーナ部12d,12e,右辺12f(外側の辺)に重複する。これは、後述するように、ICカード1の剛性を向上し、物理的耐久性を向上させるためである。
なお、被覆付導線21の導線は、ICカード1の剛性向上の観点からカード基材2よりも剛性の高い材料により形成することが望ましく、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料が望ましい。また後述するように、アンテナ側接続部23,24が設置されている領域(後述するアンテナ側接続部領域A2)は、カード基材2の剛性を向上するように、構造設計されている。
図2は、ICモジュール10を実装前の状態のICカード1の平面図、ICモジュール収容穴15の断面図である。
図2(a)は、平面図、図2(b)は、断面図(図2(a)のB−B部矢視断面図)である。
ICカード1は、以下の工程に従って製造される。なお、以下の工程は、最も簡単な構成のICカード1を説明するものであり、磁気ストライプ、ホログラム等を設ける場合には、これらの設置工程を別途設ける。
(1)被覆付導線21を図1に示す形状に成形して、アンテナ20を製造する。
(2)抜き加工前の状態の下層4の上面4aに、アンテナ20を熱圧着によって埋設する(図1(b),図2(b)参照)。
(4)アンテナ20を埋設したカード基材2を、打ち抜き加工によってカード形状に形成する。
(6)切削凹部15c内に露出したアンテナ20の両端部(アンテナ側接続部23,24)に導電性ペースト30を塗布する(図1(b)参照)。
(7)ICモジュール10に絶縁性接着剤を付着させてICモジュール収容穴15に収容し、ICモジュール10とカード基材2とを一体化する。なお、アンテナ20のアンテナ側接続部23,24と基板側接続部13とは、導電性ペースト30によって導通される。
以上により、ICカード1を製造できる。
図3は、第1実施形態のICカード1及び従来のICカード100に外力が加わり屈曲した状態を説明する図である。
図3(a)は、ICカードに外力が加わり屈曲する状態を説明する斜視図である。
図3(b)は、第1実施形態のICカード1のICモジュール10近傍における屈曲状態を説明する断面図である。
図3(c)は、従来のICカード100のICモジュール近傍における屈曲状態を説明する断面図である。
実装基板領域A1:実装基板12つまりICモジュール10と、アンテナ側接続部23,24と、カード基材2とから形成される領域。
アンテナ側接続部領域A2:アンテナ側接続部23,24と、カード基材2とから形成される領域。
カード基材領域A3:カード基材2のみから形成される領域。
アンテナ側接続部領域A2は、被覆付導線21がカード基材2に筋状に埋め込まれた状態になるため、カード基材2のみのカード基材領域A3よりも剛性が高くなる。なお、被覆付導線21をカード基材2よりも剛性の高い材料により形成した場合には、アンテナ側接続部領域A2の剛性を、カード基材領域A3よりも剛性を確実に高くできる。またアンテナ側接続部領域A2は、実装基板領域A1よりも剛性が低くなるようにバランスよく構造設計されている。
つまり、ICモジュール10近傍は、剛性が「実装基板領域A1>アンテナ側接続部領域A2>カード基材領域A3」となるように、構造設計されている。
このような、変形状態は、アンテナ側接続部23,24の設置領域A23,A24が実装基板12の左辺12c、右辺12f及び四隅を覆っているので、左右方向XにおいてICモジュール10を含む全ての断面形状に当てはまる。つまり、図1(c)に示すように、領域A5を通る全ての左右方向Xの断面形状に当てはまる。これにより、カード基材2に発生するカード基材2自体の損傷、つまり内部、上面2a及び下面2bに発生する亀裂等を防止できる。特に、カード基材2のICモジュール10よりも左側X1の周辺及び右側X2の周辺における亀裂を防止でき、カード耐久性を向上できる。
また、従来のICカード100は、湾曲するときの角度θ100が大きいためアンテナ20に大きなストレスが加わる。さらに、亀裂100cが発生すると、その近傍でのアンテナ120に局部的により大きなストレスが加わる。これにより、従来のICカード100は、アンテナ120の損傷が発生しやすく、外部機器との安定した非接触通信をできない場合があった。
従来のICカード101,102と、本実施形態のICカード1の繰り返し屈曲試験について説明する。
図4は、比較試験に使用した従来のICカード101,102と、実施形態のICカード1の平面図である。
図5は、従来のICカード101,102と、実施形態のICカード1の繰り返し屈曲試験について説明する表である。
この試験では、従来のICカード101,102と、実施形態のICカード1の繰り返し屈曲試験を行い、カード基材2の表面及び下面の損傷と、アンテナ20の機能異常を確認した。
・厚さ300μmのポリエステル系基材シートに対して、被覆付導線(φ110μmの銅線)を加熱工法により略カード大サイズの約3回巻きのループ状になるように埋め込みを行うとともに、そのアンテナ側接続部を略プレート状になるように、ピッチ0.3mmで計20回連続的に折り曲げた。
・アンテナ側接続部のサイズ:
・従来例1のICカード101(アンテナ側接続部小):図4(a)に示すように、各アンテナ側接続部123−1,124−1を縦5mm×横6mmとした。
・従来例2のICカード102(アンテナ側接続部中):図4(b)に示すように、各アンテナ側接続部123−2,124−2を縦9mm×横6mmとした。
・実施形態のICカード1(アンテナ側接続部大):図4(c)に示すように、各アンテナ側接続部23,24を縦16.5mm×横6mmとした。
図4(d)に示すように、ICカード1の左右端を保持して、カード中心に厚さ方向の上下方向に交互に負荷を加えた。片側の振幅を30mm、全幅60mmとして、各30枚について、屈曲回数3000回の折り曲げ試験を行った。
そして、500回毎にカード基材2のカード外観(上面及び下面)の損傷と、非接触での機能動作確認とを行った。
実施形態のICカード1は、図5の表1に示すように、3000回まで、カード基材に亀裂が発生せず、また表2に示すように、3000回まで非接触での機能動作が可能であり、つまりアンテナ20の機能異常が発生しなかった。
一方、従来例1のICカード101は、表1に示すように、2500回で全てのカード基材に亀裂が発生した。また、従来例1のICカード101は、表2に示すように、2000回時点で68%のアンテナの機能異常が発生した。これは、アンテナ120−1が断線したか、基板側接続部113及びアンテナ側接続部123−1,124−1が剥離したためであると考えられる。なお、以降のアンテナ120の機能異常については、確認を省略した。
同様に、従来例2のICカード102は、表1に示すように、2500回で60%のカード基材に亀裂が発生した。また、従来例2のICカード102は、表2に示すように、3000回時点で40%のアンテナ120−2の機能異常が発生した。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、アンテナ220をエッチングによって形成したものである。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図6は、第2実施形態のICカード201の平面図(図1(a)に相当する図)である。
ICカード201は、アンテナ220が絶縁性シートにエッチング加工することにより形成され、つまりコイル部222及びアンテナ側接続部223,224がエッチングにより形成されている。
アンテナ側接続部223,224は、平面形状が矩形状に形成されている。第1実施形態と同様に、アンテナ側接続部223の設置領域は、実装基板212の基板コーナ部212a,212b、左辺212c(外側の辺)に重複し、一方、アンテナ側接続部224の設置領域は、実装基板212の基板コーナ部212d,212e、右辺212f(外側の辺)に重複する。
なお、アンテナ形成方式は、エッチングによる形成方法に限ったものではなく、印刷による形成方式、めっきによる形成方式等、各種形成方式を用いてもよい。
(1)実施形態において、アンテナ側接続部は、内側及び外側の設置領域が、実装基板のコーナ部に重複するように形成されている例を示したが、これに限定されない。
例えば、アンテナ側接続部は、長辺方向内側(図1に示す右側X2)の設置領域(図1に示す設置領域A24)のみが、実装基板のコーナ部に重複するように形成してもよい。ここで、ICカードの曲率は、内側に至る程大きくなる。例えば、図3に示すように、内側(右側X2)のアンテナ側接続部領域A2−2及びカード基材領域A3−2は、外側(左側X1)のアンテナ側接続部領域A2−1及びカード基材領域A3−1よりも曲率が大きくなる。このため、内側のアンテナ側接続部のみを実装基板のコーナ部に重複するように形成することにより、屈曲によって力が加わりやすい内側のアンテナ側接続部近傍の剛性を向上して、前述した損傷、剥離等の発生を防止できるとともに、コスト増加を抑えることができる。
ここで、前述したように、ICカードは、短辺方向よりも長辺方向に曲がりやすく、同一の力を加えた場合の変位は、短辺方向よりも長辺方向の方が大きい。しかし、同一の変位を加えた場合の曲率は、長辺方向よりも短辺方向の方が大きい。この場合には、ICチップ実装基板周辺に加わる力は、長辺方向よりも短辺方向の方が大きくなる。またICチップ実装基板の短辺方向外側コーナ部周辺よりも短辺方向内側コーナ部周辺に対して、より大きな力がかかる。
従って、ICチップ実装基板の短辺方向内側のコーナ部周辺の剛性を向上することにより、ICカードが短辺方向に変位する場合に力がかかりやすいこの領域の損傷、剥離等の発生を効果的に防止できるとともに、短辺方向外側のアンテナ側接続部のサイズを小さくできるため、コスト増加を抑えることができる。
2 カード基材
10 ICモジュール
11 ICチップ
12,212 実装基板
12a,12b,12d,12e,212a,212b,212d,212e 基板コーナ部
12c,212c 左辺
12e,212e 右辺
13 基板側接続部
14 外部接触端子
15 ICモジュール収容穴
20,220 アンテナ
22,222 コイル部
23,24,223,224 アンテナ側接続部
A1 実装基板領域
A2 アンテナ側接続部領域
A3 カード基材領域
Claims (7)
- アンテナを用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子を用いて外部との間で接触通信を行うICチップを備える非接触及び接触共用ICカードであって、
前記ICチップが実装され、両端部に前記アンテナとの接続部である基板側接続部をそれぞれ有するICチップ実装基板と、
前記アンテナの両端に設けられ、前記基板側接続部に接続され、このICカードの表面を法線方向から見たときに、設置領域が少なくとも前記ICチップ実装基板のコーナ部である基板コーナ部に重複するアンテナ側接続部とを備えること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - アンテナを用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子を用いて外部との間で接触通信を行うICチップを備える非接触及び接触共用ICカードであって、
前記ICチップが実装され、両端部に前記アンテナとの接続部である基板側接続部をそれぞれ有するICチップ実装基板を備え、
この非接触及び接触共用ICカードは、表面の法線方向から見たときに、外形が長方形であり、
前記アンテナは、両端に設けられ前記基板側接続部に接続するアンテナ側接続部を有し、このICカードの表面を法線方向から見たときに、長辺方向内側の前記アンテナ側接続部の設置領域のみが、前記ICチップ実装基板のコーナ部である基板コーナ部に重複するように形成されていること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - アンテナを用いて外部との間で無線通信、及び外部接触端子を用いて外部との間で接触通信を行うICチップを備える非接触及び接触共用ICカードであって、
前記ICチップが実装され、両端部に前記アンテナとの接続部である基板側接続部をそれぞれ有するICチップ実装基板を備え、
この非接触及び接触共用ICカードは、表面の法線方向から見たときに、外形が長方形であり、
前記アンテナは、両端に設けられ前記基板側接続部に接続するアンテナ側接続部を有し、このICカードの表面を法線方向から見たときに、短辺方向内側の前記アンテナ側接続部の設置領域のみが、前記ICチップ実装基板のコーナ部である基板コーナ部に重複するように形成されていること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の非接触及び接触共用ICカードにおいて、
前記アンテナ側接続部は、前記設置領域が、前記基板コーナ部に加えて、前記基板側接続部の外側の辺の一部に重複するように形成されていること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の非接触及び接触共用ICカードにおいて、
このICカードの表面を法線方向から見たときに、前記ICチップ実装基板の外側の領域であって前記アンテナ側接続部及びカード基材からなる領域の剛性は、前記ICチップ実装基板が実装されている領域の剛性よりも低く、カード基材のみの領域の剛性よりも高いこと、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の非接触及び接触共用ICカードにおいて、
前記アンテナは、被覆付導線により前記アンテナ側接続部及びアンテナコイル部が形成され、
前記アンテナ側接続部は、
前記被覆付導線を前記設置領域内で連続して折り曲げて形成され、
前記被覆付導線の導線部を露出させて前記基板側接続部に接続されること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の非接触及び接触共用ICカードにおいて、
前記アンテナは、前記アンテナ側接続部及びアンテナコイル部がエッチングにより形成されていること、
を特徴とする非接触及び接触共用ICカード。
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