JP2012086666A - 船舶推進機用トリム・チルト装置 - Google Patents

船舶推進機用トリム・チルト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】船舶推進機に対する水中障害物の衝突による衝撃力が過大になるときでも、過大な衝撃力を吸収することのできる船舶推進機用トリム・チルト装置を提供する。
【解決手段】船舶推進機用トリム・チルト装置において、チルトピストン71に設けられているショックリリーフ弁73の第1チルト室42Aに連通する入口73Aを、ピストンロッド61の伸長端で第1トリム室との連通路46に導く油路73Bが、該チルトピストン71に設けられてなるもの。
【選択図】図9

Description

本発明は、船外機、船内外機等のための船舶推進機用トリム・チルト装置に関する。
船外機用トリム・チルト装置として、特許文献1に記載の如く、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させるものであり、前記シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンと、トリムピストンとチルトピストンに挟まれるシリンダ内に配置され、第2トリム室と第2チルト室を区画するフリーピストンとを有してなるものがある。
この船舶推進機用トリム・チルト装置は、第1チルト室の作動油を設定圧で第2チルト室に移送するショックリリーフ弁と、第2チルト室の作動油を第1チルト室に戻すリターン弁を、チルトピストンに設けている。
これにより、船舶推進機による船体の前進航走中に、船舶推進機への流木等の水中障害物の衝突により、シリンダ装置の伸長方向への衝撃力が加わると、これによって昇圧する第1チルト室の作動油がショックリリーフ弁を開いて、第2チルト室に移送され、ピストンロッド及びチルトピストンが伸長して船舶推進機が跳ね上がり、上述の衝撃力を吸収する。
特許4132440
しかしながら、特許文献1に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置は、船舶推進機への水中障害物の衝突時に、ピストンロッド及びチルトピストンをシリンダのチルト室内で伸長動作させることにより、前述の衝撃力を吸収しようとするものであるに過ぎない。
従って、水中障害物との衝突によってシリンダ装置に加わる衝撃力が過大であり、ピストンロッド及びチルトピストンがシリンダのチルト室内で最伸長までチルト動作し、チルトピストンの上端面がシリンダの天面に衝接するに至ると、チルトピストンの上端面に設けられている、ショックリリーフ弁の第1チルト室に臨んでいた入口がシリンダの天面によって閉じられる。
このため、ピストンロッド及びチルトピストンがシリンダのチルト室内で最伸長に達した後もなお、シリンダ装置によって伸長方向への過大な衝撃力が加わり続けるような場合には、この過大な衝撃力がシリンダ及びトリムピストンをハウジングのトリム室内で伸長方向に移動させようとするものになる。ところが、船舶推進機に水中障害物が衝突する前進航走時には作動油給排装置のポンプが停止し、シリンダ装置への油圧流路はロックされている。従い、トリムピストンは密閉されている第1トリム室を異常に加圧し、ハウジングの第1トリム室を区画しているシリンダガイドを破損したり、作動油給排装置の油圧流路を破損するおそれがある。
本発明の課題は、船舶推進機用トリム・チルト装置において、船舶推進機に対する水中障害物の衝突による衝撃力が過大になるとき、ピストンロッド及びチルトピストンをシリンダのチルト室内で最伸長まで伸長動作させた後、更に、シリンダ及びトリムピストンをハウジングのトリム室内で伸長動作させ、過大な衝撃力を吸収することにある。
請求項1に係る発明は、船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させるものであり、前記シリンダ装置が、船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンと、トリムピストンとチルトピストンに挟まれるシリンダ内に配置され、第2トリム室と第2チルト室を区画するフリーピストンとを有してなる船舶推進機用トリム・チルト装置において、第1トリム室と第1チルト室を連通する連通路をシリンダに設け、第1トリム室と第1チルト室の作動油を設定圧で第2チルト室に移送するショックリリーフ弁と、第2チルト室の作動油を第1チルト室に戻すリターン弁を、チルトピストンに設け、チルトピストンに設けられているショックリリーフ弁の第1チルト室に連通する入口を、ピストンロッドの伸長端で第1トリム室との連通路に導く油路が、該チルトピストンに設けられてなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記チルトピストンに設けられる油路が、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの端面における、ショックリリーフ弁の入口まわりに設けられる溝状油路からなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記チルトピストンに設けられる油路が、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの細径外周部の側面に開口する孔状油路からなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)チルトピストンに設けられているショックリリーフ弁の第1チルト室に連通する入口を、ピストンロッドの伸長端で第1トリム室との連通路に導く油路が、該チルトピストンに設けられる。従って、水中障害物との衝突によってシリンダ装置に加わる衝撃力が過大であり、ピストンロッド及びチルトピストンがシリンダのチルト室内で最伸長までチルト動作し、チルトピストンの上端面がシリンダの天面に衝接するに至ったとき、チルトピストンに設けられているショックリリーフ弁の第1チルト室に臨んでいた入口が、該チルトピストンに設けられた油路を介して第1トリム室との連通路に導かれる。
このため、ピストンロッド及びチルトピストンがシリンダのチルト室内で最伸長に達した後もなお、シリンダ装置に伸長方向への過大な衝撃力が加わり続けるとき、これによって昇圧される第1トリム室の作動油が上記油路からショックリリーフ弁を開いて第2チルト室に移送され(チルトピストンとフリーピストンの間の第2チルト室は、チルトピストンの急激な伸長動作によって負圧状態にあり、第1トリム室の昇圧された作動油を受入れできる)、シリンダ及びトリムピストンが伸長して上述の過大な衝撃力を吸収する。これにより、第1トリム室の異常加圧を防止し、ハウジングの第1トリム室を区画しているシリンダガイドの破損や、作動油給排装置の油圧流路の破損を回避できる。
(請求項2)
(b)上述(a)のチルトピストンに設けられる油路を、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの上端面における、ショックリリーフ弁の入口まわりに設けられる溝状油路により簡易に形成できる。
(請求項3)
(c)上述(a)のチルトピストンに設けられる油路を、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの細径外周部の側面に開口する孔状油路により簡易に形成できる。
図1は船舶推進機を示す模式図である。 図2はトリム・チルト装置を示す断面図である。 図3はトリム・チルト装置の油圧回路図である。 図4はトリムダウン状態を示す断面図である。 図5はトリム動作状態を示す断面図である。 図6は流木衝突によるチルトピストンの伸長状態を示す断面図である。 図7は流木衝突によるチルトピストンの最伸長状態を示す断面図である。 図8は流木衝突によるトリムピストンの伸長状態を示す断面図である。 図9は図8の要部拡大図である。 図10はチルトピストンを示し、(A)は断面図、(B)は端面図である。 図11は本発明の変形例を示す断面図である。
船舶推進機10(船外機、但し船内外機であっても良い)は、図1に示す如く、船体11の船尾板11Aにクランプブラケット12を固定され、クランプブラケット12にはチルト軸13を介してスイベルブラケット14が略水平軸まわりに傾動可能に枢着されている。スイベルブラケット14には、図示されない略鉛直配置される転舵軸を介して、推進ユニット15が転舵軸まわりに回動可能に枢着されている。推進ユニット15の上部にはエンジンユニット16が搭載され、推進ユニット15の下部にはプロペラ17が備えられている。
即ち、船舶推進機10は、船体11に固定のクランプブラケット12に、チルト軸13、スイベルブラケット14を介して推進ユニット15を傾動自在に支持され、クランプブラケット12とスイベルブラケット14との間にトリム・チルト装置20のシリンダ装置21を介装し、作動油給排装置22からシリンダ装置21に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置21を伸縮させて推進ユニット15を図1のトリム域ないしはチルト域で傾動可能としている。尚、船舶推進機10は、推進ユニット15をトリム域内の比較的緩傾斜状態に保持することにより、水面ロードの変化に対して最適な航走姿勢を得ることを可能としている。
(シリンダ装置21)
トリム・チルト装置20のシリンダ装置21は、図2、図3に示す如く、クランプブラケット12に連結して用いられるハウジング31を有し、このハウジング31に大径のトリム室32を形成している。尚、ハウジング31は、例えばアルミ合金の鋳造製であり、クランプブラケット12への取付ピン挿着孔33を備える。
また、シリンダ装置21は、トリム域でのトリムアップ−ダウン操作時に、ハウジング31の開口端に設けてあるシリンダガイド34からトリム室32に伸縮可能に挿入されるシリンダ41を有し、このシリンダ41に小径のチルト室42を形成している。シリンダガイド34は、ハウジング31の開口端に螺着されるとともに、トリム室32に密接するOリング等のシール部材35を備えるとともに、シリンダ41の外面に摺接するOリング等のシール部材36を備える。
また、シリンダ装置21は、ハウジング31のトリム室32内にあるシリンダ41の端部に螺着されて固定される大径のトリムピストン51を有する。トリムピストン51は、トリム室32の内面に摺接するOリング等のシール部材52を備え、トリム室32を、シリンダ41を収容する側の第1トリム室32Aと、シリンダ41を収容しない側の第2トリム室32Bとに区画する。
また、シリンダ装置21は、スイベルブラケット14に連結して設けられるピストンロッド61を有し、このピストンロッド61をチルト域でのチルトアップ−ダウン操作時にシリンダ41の開口端に設けてあるロッドガイド部43からチルト室42に伸縮可能に挿入している。ロッドガイド部43は、ピストンロッド61の外面に摺接するOリング等のシール部材44を備える。ピストンロッド61は取付ジョイント62にスイベルブラケット14への取付ピン挿着孔62Aを備える。
また、シリンダ装置21は、シリンダ41のチルト室42内にあるピストンロッド61の端部に座金71Aを介してナット71Bにより固定される小径のチルトピストン71を有する。チルトピストン71は、シリンダ41の内面に摺接するOリング等のシール部材72を備え、チルト室42を、ピストンロッド61を収容する側の第1チルト室42Aと、ピストンロッド61を収容しない側の第2チルト室42Bとに区画する。
また、シリンダ装置21は、シリンダ41の第2チルト室42B内で、通常チルトピストン71に接する位置に設定されるフリーピストン81を有する。フリーピストン81は、シリンダ41の内周に接するOリング等のシール部材82を備える。
また、シリンダ装置21にあっては、シリンダ41を鉄系材料により鍛造成形されたものとし、外パイプ41Bと前述のロッドガイド部43を鍛造により一体成形し、組立工数を削減し、且つ強度面でも高強度化している。そして、シリンダ41は、ロッドガイド部43の内端面に設けた凹部と、外パイプ41Bに螺着される前述のトリムピストン51の内端面に設けた凹部との間に内パイプ41Aを挟持し、チルトシリンダ組立体としている。これにより、シリンダ41を内パイプ41Aと外パイプ41Bからなる二重筒構造とし、内パイプ41Aと外パイプ41Bの間の間隙を第1トリム室32Aと第1チルト室42Aとを連通する連通路46としている。連通路46は内パイプ41Aの上端面周りにおけるロッドガイド部43の天面に設けた通路46Aを介して第1チルト室42Aに連通し、外パイプ41Bの下端面周りにおけるトリムピストン51に設けた通路46Bを介して第1トリム室32Aに連通する。即ち、第1トリム室32Aはハウジング31に設けてある第1流路91に直接接続され、第1チルト室42Aはシリンダ41の連通路46、第1トリム室32Aを介して第1流路91に接続される。これにより、第1トリム室32Aと第1チルト室42Aは、トリム動作とチルト動作の(a)収縮行程で作動油給排装置22の供給側に第1流路91を介して連絡され、(b)伸長行程で作動油給排装置22の排出側に第1流路91を介して連絡される。
また、シリンダ装置21にあっては、トリムピストン51が第2トリム室32Bをフリーピストン81に臨ませる貫通孔状の連通路53を有している。即ち、第2トリム室32Bはハウジング31に設けてある第2流路92(図2では不図示)に直接接続され、第2チルト室42Bは、フリーピストン81、トリムピストン51の連通路53を介して、第2トリム室32Bと接する。これにより、第2トリム室32Bと第2チルト室42Bは、トリム動作とチルト動作の(a)伸長行程で作動油給排装置22の供給側に第2流路92を介して連絡され、(b)収縮行程で作動油給排装置22の排出側に第2流路92を介して連絡される。
(作動油給排装置22)
作動油給排装置22は、可逆式モータ23と可逆式ギヤポンプ24とタンク25と切替弁付き流路26からなり、前述の第1流路91、第2流路92を介して、シリンダ装置21の第1トリム室32A、第2トリム室32B、第1チルト室42A、第2チルト室42Bに作動油を給排可能とする。
このとき、シリンダ装置21は、ハウジング31の側傍にポンプハウジング27をボルトにより固定し、ポンプハウジング27の内部をタンク25としている。そして、タンク25内にあるモータ23の下部にはポンプ24が油中に浸漬される状態で固定配置され、モータ23の出力軸とポンプ24の被動軸とが接続されている。
また、シリンダ装置21にあっては、シリンダ41がトリム動作域でハウジング31のシリンダガイド34から外方に突き出る部分を、作動油給排装置22を構成するサブタンクハウジング28により覆っている。サブタンクハウジング28は例えば樹脂製からなり、サブタンクハウジング28の下端開口部をシリンダガイド34まわりに嵌合し、サブタンクハウジング28の下端フランジ部28AをOリングを介してハウジング31の開口端面にボルトにより液密に締結してある。そして、サブタンクハウジング28の上端開口部にはピストンロッド61を液密に摺接可能とするオイルシール等のシール部材28Bを設けてある。これにより、サブタンクハウジング28は、シリンダ41とピストンロッド61の長手方向に沿ってそれらシリンダ41、ピストンロッド61の周囲に一定の間隙を介するように立設されてサブタンク28Cを形成し、このサブタンク28Cを、サブタンクハウジング28に設けた連絡口部28Dをポンプハウジング27の側壁にOリング等を介して液密に貫通せしめることにより、ポンプハウジング27の内部のタンク25に連通させている。
尚、作動油給排装置22は、ポンプ24を第1流路91、第2流路92に連絡する切替弁付き流路26もポンプハウジング27に内蔵し、この切替弁付き流路26にシャトル式切替弁101、逆止弁102、103、縮側リリーフ弁104、伸側リリーフ弁105、縮側緩衝弁106A、伸側緩衝弁106B、手動切替弁107を設けている。
シャトル式切替弁101は、シャトルピストン111、シャトルピストン111の両側に位置する第1チェック弁112A及び第2チェック弁112Bを有し、シャトルピストン111の第1チェック弁112A側に第1シャトル室113Aを画成し、シャトルピストン111の第2チェック弁112B側に第2シャトル室113Bを画成している。第1チェック弁112Aは、ポンプ24の正転によって管路93Aを介して第1シャトル室113Aに加えられる送油圧力によって開作動され、第2チェック弁112Bは、ポンプ24の逆転によって管路93Bを介して第2シャトル室113Bに加えられる送油圧力によって開作動可能とされている。また、シャトルピストン111は、ポンプ24の正転による送油圧力によって第2チェック弁112Bを開作動し、ポンプ24の逆転による送油圧力によって第1チェック弁112Aを開作動可能としている。
シャトル式切替弁101の第1チェック弁112Aは第1流路91に接続され、第2チェック弁112Bは第2流路92に接続されている。
ポンプ24とタンク25との接続管路94Aには逆止弁102が介装されている。即ち、船舶推進機10のチルトアップ操作時に、第1チルト室42Aの内容積は、ピストンロッド61の退出容積だけ増加することとなり作動油の循環油量が不足することから、上記逆止弁102が開作動し、タンク25からポンプ24に循環油量の不足分を補償可能としている。
ポンプ24とタンク25との接続管路94Bには逆止弁103が介装されている。即ち、船舶推進機10のトリムダウン操作時に、トリムピストン51が最大収縮位置に達してトリムダウンが完了し、第2トリム室32Bからポンプ24への戻り油がなくなった時点で、なおポンプ24が作動する場合に、上記逆止弁103が開作動し、タンク25からポンプ24に作動油を供給可能としている。
縮側リリーフ弁104は、第1シャトル室113Aに接続され、チルトダウン、トリムダウン作動時に余るロッド分の油量をタンク25に戻すため、及びトリムダウンが完了してもなおポンプ24を作動し続けたときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
伸側リリーフ弁105は、シャトルピストン111に内蔵され、チルトアップ操作時に、ピストンロッド61が最大伸長位置に達してチルトアップが完了してもなおポンプ24を作動し続けたときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
縮側緩衝弁106Aは、シリンダ装置21のチルトピストン71、フリーピストン81がチルト室42の中間位置で航走中、ピストンロッド61を収縮する方向の何らかの衝撃力が推進ユニット15に加わったとき(推進ユニット15に後方から障害物がぶつかった場合等)の油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
伸側緩衝弁106Bは、シリンダ装置21のチルトピストン71、フリーピストン81がチルト室42の中間位置で航走中、ピストンロッド61を伸長する方向の何らかの衝撃力が推進ユニット15に加わったときの油圧回路保護のため、設定圧で回路圧をタンク25に逃がすものである。
手動切替弁107は、第1流路91と第2流路92の連絡路95に介装され、第1流路91と第2流路92を導通することにより、シリンダ装置21を手動で伸縮せしめ、推進ユニット15をトリム域とチルト域とで傾動自在とするものである。
以下、トリム・チルト装置20の作動について説明する。
(1)トリムアップ
モータ23及びポンプ24を逆転すると、ポンプ24の吐出油は、管路93Bからシャトル式切替弁101の第2シャトル室113Bへ流れ、シャトルピストン111は図3で右側に移動し、第1チェック弁112Aを押し開く。また、切替弁101の第2シャトル室113Bに流入した作動油は自らの圧力で第2チェック弁112Bを押し開き、実線矢印で示すように、管路92を介して第2トリム室32Bに送られる。このようにして、第2トリム室32Bに流れ込んだ作動油は、トリムピストン51を押し上げようとする。尚、第2トリム室32Bの作動油は、トリムピストン51に作用するだけでなく、トリムピストン51に密接しているフリーピストン81及びチルトピストン71にもトリムピストン51の貫通孔状の連通路53を通って作用するが、トリムピストン51の受圧面積の方がフリーピストン81及びチルトピストン71の受圧面積より大きくなるように連通路53の面積を設定してあるため、トリムピストン51がチルトピストン71を押し上げ移動するものとなる。このとき、第1トリム室32Aの作動油が第1流路91へ流出し、ひいてはポンプ24に戻るため、トリムピストン51が移動するとともに、シリンダ41及びピストンロッド61をハウジング31の外方へ突出し、トリムアップする。そして、トリムピストン51が第1トリム室32A内のトリムアップ方向のストロークエンドに衝合するに至り、最大トリムアップとなる。
(2)チルトアップ
上記(1)において、トリムピストン51が最大トリムアップまで移動した後、更に、作動油が第2トリム室32Bに供給されると、第2トリム室32B内の作動油圧力がトリムピストン51に設けてある貫通孔状の連通路53からフリーピストン81を介してチルトピストン71の反ピストンロッド61側端面に及ぶ。これにより、第2トリム室32Bに供給される作動油は、シリンダ41内でトリムピストン51とフリーピストン81(及びチルトピストン71)との間に次第に拡張形成される第2チルト室42Bに充填され、第1チルト室42A内の作動油はシリンダ41のロッドガイド部43に設けた通路46A、シリンダ41の連通路46、トリムピストン51に設けた通路46B、第1トリム室32Aを介して第1流路91へ流出するため、チルトピストン71のみが移動することとなる。これにより、ピストンロッド61はシリンダ41の外方へ突出し、チルトアップする。そして、チルトピストン71が第1チルト室42A内のチルトアップ方向のストロークエンドたるシリンダ41のロッドガイド部43の天面に衝合するに至り、最大チルトアップとなる。
(3)チルトダウン
モータ23及びポンプ24が正転すると、ポンプ24からの吐出油は管路93Aから切替弁101の第1シャトル室113Aへ流れ、シャトルピストン111は図3で左側へ移動し、第2チェック弁112Bを押し開く。また、切替弁101の第1シャトル室113Aに流入した作動油は、自らの圧力で第1チェック弁112Aを押し開き、破線矢印で示すように、第1流路91から第1トリム室32A、通路46B、シリンダ41の連通路46、通路46Aを介して第1チルト室42Aに送られる。このようにして、作動油が第1チルト室42Aへ流れ込むと、上記作動油はチルトピストン71及びフリーピストン81を押し下げる。尚、このとき、第1トリム室32Aの作動油がトリムピストン51に作用するが、第1チルト室42Aに面するチルトピストン71の受圧面積の方が第1トリム室32Aに面するトリムピストン51の受圧面積より大きくなるように設定してあるため、チルトピストン71及びフリーピストン81がトリムピストン51に衝合するまではチルトピストン71及びフリーピストン81だけが押し下げられる。これにより、ピストンロッド61はシリンダ41の内方へ没入し、チルトダウンする。このとき、第2トリム室32Bの作動油が第2流路92へ流出し、ひいてはポンプ24に戻る。そして、チルトピストン71及びフリーピストン81がトリム室32のトリムアップ方向のストロークエンドに停留しているトリムピストン51に衝合するに至り、チルトダウンを終了する。
(4)トリムダウン
上記(3)のチルトダウン終了後、更に、作動油が第1トリム室32A、第1チルト室42Aに供給されると、チルトピストン71及びフリーピストン81はトリムピストン51と一体となって第2トリム室32Bの側へ押し下げられ、第2トリム室32B内の作動油は第2流路92へ流出するため、シリンダ41及びピストンロッド61はハウジング31の内方へ更に没入し、トリムダウンする。そして、トリムピストン51が第2トリム室32B内のトリムダウン方向のストロークエンドに衝合するに至り、トリムダウンを終了する。
ここで、トリム・チルト装置22にあっては、上記(1)〜(2)のトリムアップからチルトアップへの移行過程、及び(3)〜(4)のチルトダウンからトリムダウンへの移行過程で、ピストン51、71の有効面積が大径トリムピストン51と小径チルトピストン71との間で変化する。アップ時のピストンロッド61の移行速度は、「トリム域<チルト域(チルト域の方がトリム域より高速)」であり、ピストンロッド61に作用する力は「トリム域>チルト域(トリム域の方がチルト域より大きな力)」であり、ダウン時のピストンロッド61の移行速度は、「トリム域<チルト域(チルト域の方がトリム域より高速)」であり、ピストンロッド61に作用する力は「トリム域<チルト域(チルト域の方がトリム域より大きな力)」である。即ち、上記実施例では、(a)トリム域においては、プロペラ推力に対向してトリム角の微調整ができるとともに、浅瀬航行も可能となり、(b)チルト域においては、推進ユニット自重を支えるに必要な比較的小さな力で、迅速にチルトアップ/ダウンできる。
しかるに、トリム・チルト装置20にあっては、推進ユニット15による船体11の前進航走中に、推進ユニット15に対する水中障害物の衝突による衝撃力が過大になるとき、ピストンロッド61及びチルトピストン71をシリンダ41のチルト室42内で最伸長まで伸長させた後、更に、シリンダ41及びトリムピストン51をハウジング31のトリム室32内で伸長動作させ、過大な衝撃力を吸収するため、下記(A)〜(C)の構成を具備する(図2、図3、図9、図10)
(A)第1トリム室32Aと第1チルト室42Aを連通する連通路46をシリンダ41に設ける。
(B)第1トリム室32Aと第2チルト室42Aの作動油を設定圧で第2チルト室42Bに移送するショックリリーフ弁73と、第2チルト室42Bの作動油を第1チルト室42Aに戻すリターン弁74を、チルトピストン71に設ける。本実施例では、4個のショックリリーフ弁73と1個のリターン弁74をチルトピストン71に設けてある。
(C)チルトピストン71に設けられているショックリリーフ弁73の第1チルト室42Aに連通する入口73Aを、ピストンロッド61がシリンダ41から突き出る伸長端で第1トリム室32Aとの連通路46に導く油路73Bがチルトピストン71に設けられる。
本実施例では、チルトピストン71に設けられる油路73Bが、ピストンロッド61の伸長端でシリンダ41のロッドガイド部43の天面に衝接するチルトピストン71の上端面における、ショックリリーフ弁73の入口73Aまわりに凹設される溝状油路からなる。
このとき、チルトピストン71の上端寄り外周部71Rは、シリンダ41の内パイプ41Aの内周に摺接する下端側外周より細径をなし、シリンダ41の内パイプ41Aの内周との間に常時第1チルト室42Aを形成する。溝状油路73Bはショックリリーフ弁73の入口73Aまわりからチルトピストン71の上端寄り細径外周部71Rにまで展開される(図9、図10)。ピストンロッド61の伸長端でロッドガイド部43の天面に衝接したチルトピストン71は、第1チルト室42Aの最上部に、ショックリリーフ弁73の入口73Aが開口する油路73Bの溝状スペースをロッドガイド部43の天面下に形成するとともに、この油路73Bの溝状スペースが開口する環状スペースを内パイプ41Aの内周に形成する。そして、シリンダ41のロッドガイド部43に設けてある連通路46の通路46Aが、第1チルト室42Aの最上部の上述の溝状スペースと環状スペースに連通するものになる。
従って、トリム・チルト装置20は、推進ユニット15による船体11の前進航走中に、推進ユニット15に対する水中障害物の衝突による衝撃力を受けたとき、以下の如くに推進ユニット15を跳ね上げ動作する。
(1)トリム・チルト装置20は、船体11の前進航走時に、作動油給排装置22のポンプ24により第2トリム室32Bに作動油を供給し、トリムピストン51を図4から図5の如くにトリムアップ動作する。ピストンロッド61及びチルトピストン71をシリンダ41に対する収縮位置に位置付けたまま、シリンダ41及びピストンロッド61をハウジング31の外方へ突き出す(図5)。これにより、推進ユニット15をトリム域内の所定位置に位置付け、船体11に最適な前進航走姿勢を確保したとき、作動油給排装置22のポンプ24を停止し、トリム・チルト装置20への油圧流量をロックする。
(2)前述(1)の前進航走中に、推進ユニット15への流木等の水中障害物の衝突が生じ、シリンダ装置21のピストンロッド61に伸長方向への衝撃力が加わると、これによって昇圧する第1チルト室42Aの作動油がショックリリーフ弁73を開いて、チルトピストン71とフリーピストン81の間の第2チルト室42Bに移送され、ピストンロッド61及びチルトピストン71がシリンダ41のチルト室42内で図6の如くに伸長して推進ユニット15を跳ね上げ、上述の衝撃力を吸収する。このとき、フリーピストン81はその位置にとどまり、チルトピストン71だけが動く。
尚、水中障害物との衝突による衝撃力が上述(2)で吸収し終われば、推進ユニット15の自重や船体11の前進推力でピストンロッド61のチルトピストン71が元の位置(フリーピストン81がとどまっている位置)に戻ろうとし、これによってリターン弁74が開く。チルトピストン71とフリーピストン81との間の第2チルト室42Bの作動油を第1チルト室42Aに戻す。
(3)水中障害物との衝突による衝撃力が上述(2)で吸収しきれないときには、シリンダ装置21のピストンロッド61に作用し続ける伸長方向への衝撃力が第1チルト室42Aの作動油を昇圧し続けてショックリリーフ弁73を開き続け、この第1チルト室42Aの作動油をチルトピストン71とフリーピストン81との間の第2チルト室42Bに移送し続ける。そして、ピストンロッド61及びチルトピストン71はシリンダ41のチルト室42内で最伸長まで伸長し、チルトピストン71の上端面が図7に示す如く、シリンダ41のロッドガイド部43の天面に衝接するに至る。
(4)ピストンロッド61及びチルトピストン71がシリンダ41のチルト室42内で上述(3)の如くに最伸長に達したとき、水中障害物との衝突による衝撃力が過大であってなお吸収しきれない場合には、この過大な衝撃力がシリンダ41及びトリムピストン51をハウジング31のトリム室32内で伸長方向に移動させようとするものになる。ところが、推進ユニット15に水中障害物が衝突する前進航走時には作動油給排装置22のポンプ24が停止し、シリンダ装置21への油圧流路はロックされている。従い、トリムピストン51は密閉されている第1トリム室32Aを加圧するものになるが、本実施例では、チルトピストン71に設けられているショックリリーフ弁73の第1チルト室42Aに臨んでいる入口73Aが、該チルトピストン71に設けられた油路73Bを介して第1トリム室32Aとの連通路46に導かれている。
このため、過大な衝撃力を受けた上述のトリムピストン51によって加圧された第1トリム室32Aの作動油は、上述の連通路46、油路73Bを介してショックリリーフ弁73を開き、第2チルト室42Bに移送され、結果としてシリンダ41及びトリムピストン51がトリム動作可能域(シリンダ装置21がトリムアップ完了していない状態)で伸長して上述の過大な衝撃力を吸収する。
尚、トリム・チルト装置20は、フリーピストン81にリセット逆止弁83を有している。船舶推進機10の前進中の障害物との衝突、前進中のブレーキ操作時、あるいは始動操作時に何らかの理由でシリンダ装置21の伸長方向への外力が加わったとき、ショックリリーフ弁73が開いてピストンロッド61が延び、第1チルト室42Aから第2チルト室42Bに移送された油がチルトピストン71とフリーピストン81との間に入った状態で、かつフリーピストン81が最下点にあるとき、これをポンプ作動によりピストンロッド61を圧縮させながら前進したとき、リセット逆止弁83が開いてチルトピストン71とフリーピストン81が接するもとの位置にリセットされる。リセット逆止弁83は、船体11の停泊中に、チルトピストン71とフリーピストン81の間に入った油の気温による膨張分を逃がす働きもある。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)チルトピストン71に設けられているショックリリーフ弁73の第1チルト室42Aに連通する入口73Aを、ピストンロッド61の伸長端で第1トリム室32Aとの連通路46に導く油路73Bが、該チルトピストン71に設けられる。従って、水中障害物との衝突によってシリンダ装置21に加わる衝撃力が過大であり、ピストンロッド61及びチルトピストン71がシリンダ41のチルト室42内で最伸長までチルト動作し、チルトピストン71の上端面がシリンダ41の天面に衝接するに至ったとき、チルトピストン71に設けられているショックリリーフ弁73の第1チルト室42Aに臨んでいた入口73Aが、該チルトピストン71に設けられた油路73Bを介して第1トリム室32Aとの連通路46に導かれる。
このため、ピストンロッド61及びチルトピストン71がシリンダ41のチルト室42内で最伸長に達した後もなお、シリンダ装置21に伸長方向への過大な衝撃力が加わり続けるとき、これによって昇圧される第1トリム室32Aの作動油が上記油路73Bからショックリリーフ弁73を開いて第2チルト室32Bに移送され(チルトピストン71とフリーピストン81の間の第2チルト室32Bは、チルトピストン71の急激な伸長動作によって負圧状態にあり、第1トリム室32Aの昇圧された作動油を受け入れできる)、シリンダ41及びトリムピストン51が伸長して上述の過大な衝撃力を吸収する。これにより、第1トリム室32Aの異常加圧を防止し、ハウジング31の第1トリム室32Aを区画しているシリンダガイド34の破損や、作動油給排装置22の油圧流路の破損を回避できる。
(b)上述(a)のチルトピストン71に設けられる油路73Bを、ピストンロッド61の伸長端でシリンダ41に衝接する該チルトピストン71の上端面における、ショックリリーフ弁73の入口73Aまわりに設けられる溝状油路73Bにより簡易に形成できる。
図11は本発明の変形例を示し、チルトピストン71に設けられてショックリリーフ弁73の入口73Aを、ピストンロッド61がシリンダ41から突き出る伸長端で第1トリム室32Aとの連通路46に導く油路73Bが、ピストンロッド61の伸長端でシリンダ41のロッドガイド部43の天面に衝接するチルトピストン71の細径外周部71Rの側面に開口する孔状油路からなるものにした。油路73Bを簡易に形成できる。
従って、図11の変形例では、ピストンロッド61の伸長端でロッドガイド部43の天面に衝接したチルトピストン71の細径外周部71Rが、第1チルト室42Aの最上部において、ショックリリーフ弁73の入口73Aに連通している孔状油路73Bが開口する環状スペースを内パイプ41Aの内周に形成する。そして、シリンダ41のロッドガイド部43に設けてある連通路46の通路46Aが、第1チルト室42Aの最上部の上述の環状スペースに連通するものになる。
尚、図11の変形例では、チルトピストン71に設けるショックリリーフ弁73の入口73Aをチルトピストン71の上端面に開口し、この入口73Aの中間部に横孔状に交差する孔状油路73Bを設けた。但し、チルトピストン71にあっては、ショックリリーフ弁73の入口73Aをチルトピストン71の上端面に開口せず、チルトピストン71の内部で入口73Aと孔状油路73BをL字状に交差させても良い。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、船舶推進機用トリム・チルト装置において、第1トリム室と第1チルト室を連通する連通路をシリンダに設け、第1トリム室と第1チルト室の作動油を設定圧で第2チルト室に移送するショックリリーフ弁と、第2チルト室の作動油を第1チルト室に戻すリターン弁を、チルトピストンに設け、チルトピストンに設けられているショックリリーフ弁の第1チルト室に連通する入口を、ピストンロッドの伸長端で第1トリム室との連通路に導く油路が、該チルトピストンに設けられる。これにより、船舶推進機用トリム・チルト装置において、船舶推進機に対する水中障害物の衝突による衝撃力が過大になるとき、ピストンロッド及びチルトピストンをシリンダのチルト室内で最伸長まで伸長動作させた後、更に、シリンダ及びトリムピストンをハウジングのトリム室内で伸長動作させ、過大な衝撃力を吸収することができる。
10 船舶推進機
11 船体
15 推進ユニット(船舶推進機)
20 トリム・チルト装置
21 シリンダ装置
22 作動油給排装置
23 モータ
24 ポンプ
25 タンク
26 切替弁付き流路
28 サブタンクハウジング
28C サブタンク
31 ハウジング
32 トリム室
32A 第1トリム室
32B 第2トリム室
34 シリンダガイド
41 シリンダ
42 チルト室
42A 第1チルト室
42B 第2チルト室
46 連通路
51 トリムピストン
53 連通路
61 ピストンロッド
71 チルトピストン
73 ショックリリーフ弁
73A 入口
73B 油路
74 リターン弁
81 フリーピストン

Claims (3)

  1. 船体と、この船体に傾動自在に支持された船舶推進機との間にシリンダ装置を介装し、作動油給排装置からシリンダ装置に作動油を供給もしくは排出制御することにより、シリンダ装置を伸縮させて船舶推進機をトリム動作及びチルト動作させるものであり、
    前記シリンダ装置が、
    船体と船舶推進機の一方に連結して用いられる、大径のトリム室を形成するハウジングと、
    ハウジングのトリム室に伸縮可能に挿入され、小径のチルト室を形成するシリンダと、
    ハウジングのトリム室内のシリンダ端部に固定され、トリム室をシリンダ収容側の第1トリム室と、シリンダ非収容側の第2トリム室とに区画する大径のトリムピストンと、
    船体と船舶推進機の他方に連結して用いられ、シリンダのチルト室に伸縮可能に挿入されるピストンロッドと、シリンダのチルト室内のピストンロッド端部に固定され、チルト室をピストンロッド収容側の第1チルト室と、ピストンロッド非収容側の第2チルト室とに区画する小径のチルトピストンと、
    トリムピストンとチルトピストンに挟まれるシリンダ内に配置され、第2トリム室と第2チルト室を区画するフリーピストンとを有してなる船舶推進機用トリム・チルト装置において、
    第1トリム室と第1チルト室を連通する連通路をシリンダに設け、
    第1トリム室と第1チルト室の作動油を設定圧で第2チルト室に移送するショックリリーフ弁と、第2チルト室の作動油を第1チルト室に戻すリターン弁を、チルトピストンに設け、
    チルトピストンに設けられているショックリリーフ弁の第1チルト室に連通する入口を、ピストンロッドの伸長端で第1トリム室との連通路に導く油路が、該チルトピストンに設けられてなることを特徴とする船舶推進機用トリム・チルト装置。
  2. 前記チルトピストンに設けられる油路が、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの端面における、ショックリリーフ弁の入口まわりに設けられる溝状油路からなる請求項1に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置。
  3. 前記チルトピストンに設けられる油路が、ピストンロッドの伸長端でシリンダに衝接する該チルトピストンの細径外周部の側面に開口する孔状油路からなる請求項1に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置。
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