JP2012086082A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小当り後の遊技において遊技者に対して確変の可能性を効果的に示唆する。
【解決手段】ぱちんこ遊技機10は、図柄の変動パターンについて、複数種の変動パターンから1つの変動パターンを選択するためのテーブルであって、異なる選択傾向が規定された複数のテーブルのうち、小当り遊技の終了後の通常遊技において参照すべきテーブルと、その参照終期とが定められた参照規則を保持する参照規則保持手段182と、その参照規則にしたがって複数のテーブルのいずれかを参照して変動パターンを決定する変動パターン決定手段115とを備える。この参照規則は、確変状態で小当り遊技が実行された場合について、確変の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルを参照すべきテーブルとして定め、かつ、その小当り遊技が実行された確変状態の終了を参照終期として定める。
【選択図】図3

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における遊技と演出の進行を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機においては、遊技盤上に設けられた始動口への入球を契機に当否抽選が行われ、その抽選結果に応じて図柄の変動表示が行われる。すなわち、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、特別遊技へと移行するものとして知られている。特別遊技は大当りとも呼ばれ、遊技盤上に設けられた大入賞口の所定期間の開放を伴う単位遊技が複数回行われ、その大入賞口への入球ごとに所定球数の賞球の払い出しが行われる。その結果、通常遊技より多くの賞球が得られるようになる(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。
遊技機の中には、また、特別遊技が終了した後にもいわゆる確率変動遊技(以下「確変」ともいう)と呼ばれる遊技者に有利な特定遊技に移行するものがある。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に確変が開始される。確変には通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。このような確変へ移行すると比較的早期に新たな特別遊技が発生するため、遊技者の期待感が一層高められる。
特開2003−230714号公報
近年、大入賞口をごく短時間だけ開放することで実質的には賞球の利益をほとんど発生させないまま特別遊技後の利益状態へ移行する、いわゆる2R大当りと呼ばれる大当りの手法が採用される機種が知られている。なお、このような2R大当りと上述した通常の大当りとを区別するために、後者を15R大当りと呼ぶこともある。2R大当りも特別遊技を発生させるため、確変を伴うことができる。すなわち、遊技者の知らないうちに確変移行がなされるいわゆる突然確変を発生させ、遊技者にインパクトを与えることができる。また、この2R大当りといった特殊な遊技と外観上は酷似した態様にて短時間だけ大入賞口を開放するも、利益状態への移行はしない、小当りと呼ばれる手法も併用される場合がある。2R大当りが発生したのか小当りが発生したのか、外観上は明確に区別し難い形にして遊技者の期待を煽るのが目的である。こうした機種においては、利益状態への移行がなされたか否かをできる限り明示しないことで、その煽りの効果を引き立てている。
ぱちんこ遊技機の中には、2R大当り後および小当り後に、確変状態へ移行した可能性を示唆する図柄変動(以下、「確変示唆変動」とも呼ぶ。)がなされることもある。上述のように、2R大当りと小当りとは外観上の区別が難しいため、実際には小当りであってもあたかも2R大当りにより確変に移行したかのような演出を行うことにより、遊技者の期待感を一層煽ることがその目的である。
ところで、ぱちんこ遊技機の中には、確変の遊技状態が継続する最大期間(以下、「確変継続期間」とも呼ぶ。)が、次の大当り発生まででなく予め定められた期間に制限されているものがある。このような機種では、確変継続期間内に大当りが発生しない場合、遊技状態は確変状態から通常状態へ戻されることになる。小当りは利益状態への移行、すなわち確変状態の開始または終了に関与するものではないため、確変中に小当りが発生したか否かにかかわらず、その確変は確変継続期間の経過に伴って終了することになる。
このように確変継続期間が制限されている場合、小当り後の通常遊技において確変示唆変動が長期間実行されると、確変の可能性がないにも関わらず確変示唆変動が長期間継続してしまうこともある。その結果、演出過剰となり、確変示唆変動の効果が削がれてしまうと本発明者は考えた。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機の小当り後の遊技において遊技者に対して確変の可能性を効果的に示唆することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、当否抽選の結果が当りであったときに開放される大入賞口と、大入賞口の開放がなされる特別遊技へ移行するための条件である特別遊技作動条件を保持する特別遊技作動条件保持手段と、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となって特別遊技作動条件が成立したときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選が特定の結果に該当した場合、特別遊技の終了後の通常遊技において当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となる確率が通常状態よりも高確率となる確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、大入賞口の開放がなされる遊技であって、確率変動状態の開始および終了に関与しない遊技である小当り遊技へ移行するための条件である小当り遊技作動条件を保持する小当り遊技作動条件保持手段と、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となって小当り遊技作動条件が成立したときに小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示における異なる変動時間を有する複数種の変動パターンから1つの変動パターンを選択するためのテーブルであって、異なる選択傾向が規定された複数のテーブルのうち、小当り遊技の終了後の通常遊技において参照すべきテーブルと、その参照の終期とが少なくとも定められた参照規則を保持する参照規則保持手段と、参照規則にしたがって複数のテーブルのいずれかを参照し、当否抽選の結果に応じて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、図柄を図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、を備える。特定遊技実行手段は、確率変動状態において実行された当否抽選が所定期間内に次の特別遊技への移行を示す結果とならない場合、その確率変動状態を終了させ、参照規則は、確率変動状態において小当り遊技が実行された場合について、確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルを参照すべきテーブルとして定め、かつ、その小当り遊技が実行された確率変動状態の終了を参照の終期として定めるものである。
特別遊技における大入賞口の開放態様と、小当り遊技における大入賞口の開放態様とは同じでもよく異なってもよい。「選択傾向」は、複数種の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する割合、すなわち複数種の変動パターンそれぞれの選択確率であってもよい。また、「異なる選択傾向が規定された複数のテーブル」におけるあるテーブルには、他のテーブルでは選択され得ない変動パターンが規定されてもよい。また「確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブル」は、現在の遊技状態が確変である可能性を遊技者に対して示唆するための特殊な変動パターンが選択可能に設定されたテーブルでもよく、その特殊な変動パターンを選択する割合が通常時のテーブルよりも高く設定されたテーブルでもよい。確率変動状態の終了は、所定期間の経過に伴う確率変動状態の終了であってもよく、次の特別遊技の発生に伴う現在の確率変動状態の終了であってもよい。
この態様によると、確変継続期間が制限された弾球遊技機において、確変中に小当り遊技が実行された場合、確変示唆用のテーブルが参照される期間はその確変継続期間内に限定される。確変示唆用のテーブルに基づき変動パターンが決定されるため、確変状態への移行の可能性を遊技者に対して示唆でき、遊技者の期待感を煽ることができる。また、確変の可能性がないにも関わらず確変継続期間を超えた長期間の確変示唆を抑止できる。言い換えれば、確変の可能性がないことを遊技者が認識できると想定されるタイミングでは確変示唆変動が終了することにより、過剰な確変示唆を抑止して効果的な確変示唆を実現できる。さらに言い換えれば、変動パターンを選択するためのテーブルの切替契機となる一方で、確変の開始や終了の契機とはならない小当りについて、その小当り遊技後、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる期間だけ、確変の可能性を遊技者へ示唆することができる。
特別遊技作動条件保持手段は、特別遊技として大入賞口の開放が所定の開放基準時間以上なされる長期開放遊技へ移行するための条件である長期作動条件を保持する長期作動条件保持手段と、特別遊技として大入賞口の開放が開放基準時間未満の時間だけなされる短期特別遊技へ移行するための条件である短期特別遊技作動条件を保持する短期特別遊技作動条件保持手段と、を含んでもよい。特別遊技制御手段は、当否抽選が長期開放遊技への移行を示す結果となって長期作動条件が成立したときに長期開放遊技を実行する長期開放遊技制御手段と、当否抽選が短期特別遊技への移行を示す結果となって短期特別遊技作動条件が成立したときに短期特別遊技を実行する短期特別遊技制御手段と、を含んでもよい。特定遊技実行手段は、短期特別遊技の終了後の通常遊技において確率変動状態へ移行させ、小当り遊技は、大入賞口の開放が開放基準時間未満の時間だけなされるものであり、参照規則は、短期特別遊技の終了後の確率変動状態、および通常状態において小当り遊技が実行された場合について、確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルを参照すべき旨を定めるものであり、かつ、通常状態において小当り遊技が実行された場合についてはさらに、確率変動状態の最大継続期間未満の所定期間の経過を参照の終期として定めるものであってもよい。
「開放基準時間」は、例えば大入賞口を開放基準時間を超えて開放させるのは特別遊技の中でも特に長期開放遊技中の開放に限ることとした場合の基準時間であってもよい。すなわち、短期特別遊技および小当り遊技(以下、総称する場合は「短期開放遊技」とも呼ぶ。)における大入賞口の開放は開放基準時間未満の開放だけがなされ、短期開放遊技中に開放基準時間以上の大入賞口の開放はなされない。したがって、開放基準時間未満の開放は、相対的にごく短時間の開放であってもよい。また、大入賞口が開放される単位遊技が複数回繰り返されることで特別遊技ないし長期開放遊技が構成される一方、単位遊技を複数回繰り返す遊技は特別遊技に限られることとしてもよい。「開放基準時間」は、一回の単位遊技における大入賞口の開放時間の合計であってもよい。短期開放遊技は一回の単位遊技で構成される場合と複数回の単位遊技で構成される場合の双方が考えられるが、いずれの場合もそれら単位遊技における大入賞口の開放時間の合計が開放基準時間未満となる。また、すでに特定遊技状態となっているときに小当り遊技が実行された場合、その特定遊技状態が終了することなく、かつ、新たな特定遊技状態が開始されるなく、そのまま特定遊技状態が維持されてもよい。
小当り遊技は短期特別遊技とは異なり確変状態への移行を伴うものではないが、確変期間外で小当り遊技が実行されても、遊技者が小当り遊技と短期特別遊技とを見分けることは困難である。したがって、小当り遊技後の通常遊技では、確変状態へ移行されたか否かが遊技者からは判別困難であることにより、遊技者の期待感を煽ることができる。また、確変示唆用のテーブルの参照期間を確変継続期間未満に設定することにより、確変の可能性がないにも関わらず確変継続期間以上の長期間の確変示唆を抑止できる。その結果、小当り遊技後、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる期間だけ、確変の可能性を遊技者へ示唆することができる。
さらにこの態様によると、通常状態において小当り遊技または短期特別遊技のいずれかが実行されると確変示唆変動がなされるが、その確変示唆変動が小当りで規定された参照期間を超えて継続する場合、短期特別遊技が実行されたことが遊技者に判別可能になる。すなわち、確変示唆変動の実行回数により小当り遊技または短期特別遊技のいずれが実行されたかを判別可能になるという遊技性を遊技者に提供できる。
参照規則は、確率変動状態において、その最大継続期間の前期には、確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルとして、あと一つ図柄が揃えば当り図柄組合せとなるリーチ状態を伴う変動パターンを所定確率にて選択する第1テーブルを参照すべき旨を定め、最大継続期間の後期には、確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルとして、リーチ状態を伴う変動パターンを所定確率より高確率にて選択する第2テーブルを参照すべき旨を定めるものであり、その確率変動状態において小当り遊技が実行された場合については、第1テーブルと第2テーブルのいずれを参照中であるかにかかわらず、第1テーブルを参照すべきテーブルとして定めるものであってもよい。
「最大継続期間の前期」は、確率変動状態の開始時点から所定回数の図柄変動が実行されるまでの期間であってもよい。「最大継続期間の後期」は、前期で規定された所定回数の図柄変動終了時点での、確変継続期間の残期間、すなわち確率変動状態での図柄変動の残回数であってもよい。この態様によると、確変中に小当り遊技が実行された場合、その実行時点で参照されていた基準が第1基準と第2基準のいずれであっても、以後参照される基準は第1基準となる。すなわち、小当り遊技が実行された結果、確変状態においてはリーチ頻度が低い状態が維持されやすくなり、確変状態における時間効率が向上しやすくなるメリットを遊技者に提供することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、小当り後の遊技において遊技者に対して確変の可能性を効果的に示唆することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 参照規則保持手段により保持される参照規則を模式的に示す図表である。 参照規則保持手段により保持される参照規則によるテーブルの切替態様を示す状態遷移図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図7におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図6におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図6におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当りと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技において実行される特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。なお、本実施例のぱちんこ遊技機10においては確変継続期間が60回の図柄変動までと定められており、60回の図柄変動の間に特別遊技への移行が発生しない場合、確変は終了して非確変の状態に戻ることとなる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特別遊技作動条件保持手段176、小当り遊技作動条件保持手段180、参照規則保持手段182を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
当否抽選手段112は、通常状態では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブルという」)を参照し、確変状態では通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブルという」)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときにのみ大当りとなる。確変当否テーブルにおいては大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜3999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
本実施例では、特別遊技の一種として、大入賞口66が所定の開放基準時間以上開放される単位遊技が15回を上限として繰り返される長期開放遊技(以下、適宜「15R特別遊技」とも称する)がある。本実施例における開放基準時間は2秒であり、大入賞口66を2秒以上開放できるのは特別遊技中に限られることとする。その他、特別遊技の別の種類として、開放基準時間未満の大入賞口66の開放をする単位遊技を最少回数である2回だけ繰り返す特別遊技(以下、適宜「2R特別遊技」とも称する)が設けられている。また、開放基準時間未満の大入賞口66の開放をする単位遊技を1回だけ実行する小当り遊技が設けられている。以下、15R特別遊技へ移行する大当りを「15R大当り」、2R特別遊技へ移行する大当りを「2R大当り」、小当り遊技へ移行する当りを「小当り」と呼ぶ。また、短期特別遊技と小当り遊技とを総称して「短期開放遊技」とも呼ぶ。
当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合のうち、所定の範囲に該当した場合に小当りとなる。本実施例では、確変状態であるか否かにかかわらず、当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本実施例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現する。
当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルには、複数の変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ異なる関係が定められている。例えば異なる変動パターンや、変動パターンの選択における異なる選択確率が設定されており、言い換えれば、複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択する際の異なる選択傾向が規定されている。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するためのパターン抽選値を取得する。変動パターン決定手段115は、遊技状態に応じたパターン選択テーブルにしたがい、当否抽選の結果とパターン抽選値に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは外れ用のパターン選択テーブルを参照し、15R大当りのときは15R大当り用のパターン選択テーブルを参照する。また、当否判定結果が2R大当りや小当りのときには、2R当り用、小当り用のパターン選択テーブルを参照する。
本実施例において外れ用のパターン選択テーブルには、以下の5種類のテーブルが含まれる。これらのテーブルは、複数種の変動パターンから1つの変動パターンを選択する選択傾向が互いに異なるよう設定される。
第1のテーブルは、通常確率による当否判定が実行される通常遊技時、すなわち非確変状態であり、かつ非確変状態であることを遊技者が判別容易な時点において参照される「低確通常テーブル」である。第2のテーブルは、非確変状態であるものの、確変状態への移行状況をぱちんこ遊技機10の外観上では判別困難な時点(以下、「潜伏状態」とも呼ぶ。)において参照される「低確潜伏テーブル」である。第3のテーブルは、確変状態であるものの、確変状態への移行状況が潜伏状態である時点において参照される「高確潜伏テーブル」である。
第4および第5のテーブルは、確変状態であり、かつ確変状態であることを遊技者が判別容易な時点において参照される「高確前期テーブル」および「高確後期テーブル」である。高確前期テーブルは確変継続期間の前期、具体的には、確変における最初から54回目までの54回の図柄変動において参照される。一方で高確後期テーブルは確変継続期間の後期、具体的には、確変における55回目から60回目までの6回の図柄変動において参照される。また高確前期テーブルと高確後期テーブルとは、装飾図柄190がリーチ状態(あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態)を経て外れとなる図柄変動が選択される確率(以下、「リーチ確率」とも呼ぶ。)の設定が異なる。具体的には、高確後期テーブルのリーチ確率は高確前期テーブルのリーチ確率よりも大きく設定される。
なお、低確潜伏テーブル・高確潜伏テーブル・高確前期テーブル・高確後期テーブルには、遊技状態が確変状態に移行した可能性を示唆するための図柄変動(以下、「確変示唆変動」とも呼ぶ。)を実行させるための変動パターンが設定される。この確変示唆変動は、例えば、確変を示唆するための予め定められた態様の図柄変動であり、低確通常テーブルには設定されない図柄変動である。また後述するように、確変示唆変動の変動パターンは、遊技状態が確変状態である可能性を示唆するための予め定められた所定態様の演出(以下、「確変示唆演出」とも呼ぶ。)と対応づけられている。したがって、変動パターン決定手段115によりこれらのテーブルが参照される際は、確変示唆変動および確変示唆演出がぱちんこ遊技機10において実行されることになる。
変動パターン決定手段115は、後述する参照規則保持手段182が保持する参照規則にしたがって、当否判定結果が外れのときは上記5種類のパターン選択テーブルのうちのいずれかを参照する。また、その参照規則にしたがって、参照すべきテーブルを逐次切り替える。参照規則の具体的な内容は図4および図5に関連して後述する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技作動条件保持手段176は、大入賞口66の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件保持手段178と短期特別遊技作動条件保持手段179を含む。長期作動条件保持手段178は、長期開放遊技へ移行するための条件である長期作動条件を保持する。長期作動条件は、当否抽選で15R特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
短期特別遊技作動条件保持手段179は、短期開放遊技として特別遊技の一種である2R特別遊技へ移行するための条件である短期特別遊技作動条件を保持する。短期特別遊技作動条件は、当否抽選で2R特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件と短期特別遊技作動条件とを包括して特別遊技作動条件として保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
小当り遊技作動条件保持手段180は、短期開放遊技として小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り作動条件は、当否抽選で小当り遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
短期特別遊技作動条件保持手段179と小当り遊技作動条件保持手段180は、包括的に短期作動条件保持手段181として位置づけられる。また、短期作動条件保持手段181は、短期特別遊技作動条件と小当り作動条件とを包括して短期作動条件として保持する。短期作動条件は、当否抽選で2R特別遊技または小当り遊技へ移行する旨の結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176、すなわち長期作動条件保持手段178および短期特別遊技作動条件保持手段179は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させる確変特別遊技作動条件を保持する。確変特別遊技作動条件が成立するか否かは、当否抽選手段112による当否抽選の結果や図柄決定手段114が決定した特別図柄の種類によって判定される。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、長期開放遊技制御手段125と短期特別遊技制御手段127とを含む。長期開放遊技制御手段125は、当否抽選が長期開放遊技への移行を示す結果となって長期作動条件が成立したときに長期開放遊技として15R特別遊技を実行する。長期開放遊技制御手段125は、15R特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。
短期特別遊技制御手段127は、2R特別遊技として単位遊技を2回実行する。1回目の単位遊技において大入賞口66を約0.3秒と約0.6秒の2回開放し、2回目の単位遊技において大入賞口66を1回だけ約0.9秒間開放する。いずれの開放時間も開放基準時間である2秒間を下回り、開放時間の合計もまた開放基準時間を下回る。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、その単位遊技において大入賞口66を約0.3秒、約0.6秒、約0.9秒の3回にわたって開放する。いずれの開放時間も開放基準時間である2秒間を下回るとともに、それらの合計時間も開放基準時間を下回る。
短期特別遊技制御手段127と小当り遊技制御手段121を包括して短期開放遊技制御手段126と位置づける。短期開放遊技制御手段126は、短期作動条件が成立したときに短期開放遊技を実行することとなる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短との両方が含まれる。特定遊技実行手段122は、特定遊技状態へ移行させた後、所定の確変継続期間内に15R大当りもしくは2R大当りが発生した場合、その時点での特定遊技を一旦終了させ、特別遊技後の通常遊技から新たな特定遊技状態へ移行させる。その一方で、確変継続期間内に15R大当りもしくは2R大当りが発生しない場合、特定遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。ただし本実施例では、便宜的に、15R特別遊技の終了後および2R特別遊技の終了後は一律に確変状態へ移行させることとする。確変状態は次の大当りが発生するまで、もしくは大当りが未発生のまま確変継続期間が経過するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当り判定の確率が高い値のまま維持される。本実施例では、通常遊技中に2R大当りが発生し、大入賞口66への入球による出玉のない2R特別遊技を経て確変状態へ移行された場合、遊技状態が確変状態となっているかどうかは外観上は明示されない。言い換えれば、2R大当りによるいわゆる「突然確変」が発生した場合は、いわゆる「潜伏確変」と呼ばれる状態となる。
また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、次の大当りが発生するまで、もしくは大当りが未発生のまま確変継続期間が経過するまで続行される。また、特別遊技の終了後は確変状態への移行有無にかかわらず原則として時短へ移行するが、時短状態でないときに2R大当りが発生したときに限っては、その2R特別遊技の終了後は時短へ移行させない。また、小当り遊技の終了後も時短や確変への移行は行われず、小当り遊技開始前の遊技状態が維持される。したがって、小当り遊技開始前から時短や確変の状態にある場合は、小当り遊技終了後も終了条件を満たしていない限りは時短や確変の状態が維持される。この場合、短期開放遊技の発生に起因して時短や確変へ移行したかのような外観を呈するため、その短期開放遊技が実際には小当りであったとしても、外観上は2R大当りであったかのように見え、遊技者は両者の区別が困難となる。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中または小当り遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、確変示唆演出に関する複数種の演出パターンをさらに保持する。
演出決定手段132は、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。演出決定手段132は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、決定した変動演出パターンの情報や確変示唆演出の演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。ここで、パターンテーブルにおいては、確変示唆演出の演出パターンは、確変示唆変動の変動パターンに対応づけて設定されている。したがって、明示的な確変状態、確変・非確変両方の可能性がある潜伏状態においては、確変示唆演出の演出パターンが変動演出パターンとして決定されることになる。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
参照規則保持手段182は、通常遊技において参照すべき上記5つのパターン選択テーブルについて、その通常遊技の状況に応じて参照すべきテーブルと、その参照の終期とが定められた参照規則を保持する。変動パターン決定手段115は、特別図柄192の変動パターンを決定すべき際にこの参照規則を参照し、この参照規則にしたがってパターン選択テーブルを選択する。そして、選択したパターン選択テーブルを参照して特別図柄192の変動パターンを決定する。
図4は、参照規則保持手段182により保持される参照規則を模式的に示す図表である。同図の横軸は、パターン選択テーブルの切替トリガが発生した時点において参照されていた遷移元テーブルとして上記5つのパターン選択テーブルを示している。同図の縦軸は、パターン選択テーブルの切替トリガを示している。同図の「遷移先」は、パターン選択テーブルの切替トリガが発生後、遷移元テーブルから遷移する先のテーブルを示している。また「回数」は、その遷移先のテーブルの参照を終了すべき終期、具体的には図柄変動の回数を示している。なお「回数=0回」は、テーブルの参照回数が新たに設定されず、その時点における残参照回数がそのまま維持されることを意味する。すなわち、小当りが発生しても確変継続期間には影響を与えないため、その小当りが発生した確変の終了が小当り後に参照するテーブルの参照終期となることを示している。
図5は、参照規則保持手段182により保持される参照規則によるテーブルの切替態様を示す状態遷移図である。同図ではN回の図柄変動の実行を「N回転」と表現している。なお、図4と図5は同じ内容を別の形式で示したものであり、以下では両図を参照してパターン選択テーブルの切替処理を説明する。
(1)遷移元テーブルが低確通常テーブルである場合、すなわち遊技状態が非確変・非時短の通常状態である場合:
15R大当りが発生すると、その15R特別遊技後の通常遊技における54回の図柄変動の間、高確前期テーブルを参照する。
2R大当りが発生すると、その2R特別遊技後の通常遊技における60回の図柄変動の間、高確潜伏テーブルを参照する。
小当りが発生すると、その小当り遊技後の通常遊技における確変継続期間未満の所定回数、すなわち10回・20回・30回いずれかの図柄変動の間、低確潜伏テーブルを参照する。
(2)遷移元テーブルが低確潜伏テーブルである場合、すなわち遊技状態が非確変・非時短の潜伏状態である場合:
遷移元テーブルが低確通常テーブルである場合と同様のテーブル切替処理を実行する。
小当りが新たに発生すると確変継続期間未満の所定回数が新たに割り当てられ、その小当り遊技後の通常遊技では新たに割り当てられた所定回数の図柄変動の間、低確潜伏テーブルを参照する。
いずれの当りも発生せず所定回数の図柄変動が終了すると、以降の通常遊技では低確通常テーブルの参照に戻る。
(3)遷移元テーブルが高確前期テーブルである場合、すなわち遊技状態が明示的な確変・時短状態であり、確変継続期間の前期である場合:
15R大当りが新たに発生すると54回の図柄変動回数が新たに割り当てられ、その15R特別遊技後の通常遊技では新たに割り当てられた54回の図柄変動の間、高確前期テーブルを参照する。2R大当りが発生した場合も同様である。
小当りが発生すると、その小当り遊技後の通常遊技ではその小当りが発生した確変状態が終了するまでの間、高確前期テーブルを参照する。
15R大当りもしくは2R大当りが発生せず、54回の図柄変動が終了すると、以降の通常遊技では高確後期テーブルを参照する。
なお、後述するように、参照するテーブルが高確前期テーブルから高確後期テーブルへ遷移した後に小当りが発生すると高確前期テーブルを再度参照する。この場合、その小当りが発生した確変が終了すると、言い換えれば、その小当りが発生した確変において合計60回の図柄変動が実行されると、以降の通常遊技では低確通常テーブルの参照に戻る。
(4)遷移元テーブルが高確後期テーブルである場合、すなわち遊技状態が明示的な確変・時短状態であり、確変継続期間の後期である場合:
15R大当り・2R大当り・小当りが発生した場合、遷移元テーブルが高確前期テーブルである場合と同様のテーブル切替処理を実行する。したがって、確変中において小当りが発生すると、その時点の参照テーブルが高確前期テーブルか高確後期テーブルかに関わらず以降の通常遊技では高確前期テーブルを参照することになる。
いずれの当りも発生せず6回の図柄変動が終了すると、以降の通常遊技では低確通常テーブルの参照に戻る。
(5)遷移元テーブルが高確潜伏テーブルである場合、すなわち遊技状態が確変・非時短の潜伏状態である場合:
15R大当りが発生すると、その15R特別遊技後の通常遊技における54回の図柄変動の間、高確前期テーブルを参照する。
2R大当りが新たに発生すると54回の図柄変動回数が新たに割り当てられ、その2R特別遊技後の通常遊技では新たに割り当てられた54回の図柄変動の間、高確前期テーブルを参照する。
小当りが発生すると、その小当り遊技後の通常遊技ではその小当りが発生した確変状態が終了するまでの間、高確潜伏テーブルを参照する。
15R大当りもしくは2R大当りが発生しない場合、小当りの発生には関係なく、60回の図柄変動が終了すると、以降の通常遊技では低確通常テーブルを参照する。
図6は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図7は、図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図8は、図7におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定する(S46)。変動パターン決定手段115は、参照規則保持手段182に保持された参照規則を参照し、パターン選択テーブルの切替条件が充足される場合(S48のY)、参照対象となるパターン選択テーブルを切り替える(S50)。その切替条件が充足されなければ(S48のN)、S50はスキップされる。すなわち、変動パターン決定手段115は、図4および図5で示した切替規則にしたがってパターン選択テーブルを切り替える。変動パターン決定手段115は、適宜切り替えたパターン選択テーブルから、当否判定結果や特別図柄の停止図柄に応じて特別図柄の変動パターンを選択する(S52)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S54)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S56)。
図9は、図6におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S70のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S72のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S74のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S76)、開放済みであれば(S74のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S78)。所定回数の大入賞口66の開閉が終了した場合であって(S80のY)、特別遊技の演出ないし終了デモ演出が終了した場合(S82のY)、特別遊技を終了し(S84)、時短や確変の特定遊技状態を開始する(S86)。特別遊技の演出ないし終了デモ演出が終了していない場合は(S82のN)、S84およびS86をスキップし、所定回数の大入賞口66の開閉が終了していない場合は(S80のN)、S82〜S86をスキップする。S72において特別遊技が開始済みでない場合は(S72のN)、特別遊技を開始し、例えば開始デモ演出を表示させ(S88)、S74〜S86をスキップする。大当りでない場合は本図のS72以降のフローをスキップする(S70のN)。
図10は、図6におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S120のY)、すでに小当り遊技が開始済みであって(S122のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S124のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S126)、開放済みであれば(S124のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S128)。所定回数の大入賞口66の開閉が終了した場合(S130のY)、小当り遊技を終了し(S132)、所定回数の大入賞口66の開閉が終了していない場合は(S130のN)、S132をスキップする。S122において小当り遊技が開始済みでない場合は(S122のN)、小当り遊技を開始し(S134)、S124〜S132をスキップする。小当りでない場合は本図のS122以降のフローをスキップする(S120のN)。
本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、パターン選択テーブルの切替契機となりうるが、確変の開始・終了の契機とはならないという制約を有する小当りについて、その小当り遊技後、確変示唆変動や確変示唆演出を効果的に実行できる。すなわち、確変継続期間が制限されるため、その確変継続期間の経過により遊技者は確変の可能性がないことを認識でき、小当り遊技後の確変示唆が長期間提供されると、却って遊技者に煩わしさを感じさせることもある。本実施例のぱちんこ遊技機10では、小当り遊技後の確変示唆変動や確変示唆演出は確変継続期間の経過以前に終了し、すなわち、小当り遊技後、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる期間だけ確変の可能性を遊技者へ示唆できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施例では、2R大当りには必ず確変移行が付随する構成としたが、変形例として、2R大当りの場合であっても確変移行を伴うか否かは別の基準で判定されることとし、確変付きの2R大当りと確変なしの2R大当りの2通りがあってもよい。15R大当りについても同様である。
また上記実施例では、図柄変動の開始時点においてパターン選択テーブルを切り替えることとしたが、変形例として、パターン選択テーブルの切替条件が充足された時点で即座にパターン選択テーブルを切り替えてもよい。具体的には、図8のS48およびS50において実行することとした処理を、図7のS40の後、図9のS84の後でS86の前、図10のS132の後に実行してもよい。すなわち、通常遊技における図柄変動終了時・15R特別遊技および2R特別遊技終了時・小当り遊技終了時に、参照規則保持手段182に保持された参照規則を参照して、パターン選択テーブルの切替条件が充足される場合はパターン選択テーブルを切り替えてもよい。
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 66 大入賞口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 115 変動パターン決定手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 176 特別遊技作動条件保持手段、 180 小当り遊技作動条件保持手段、 182 参照規則保持手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
    前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否抽選の結果が当りであったときに開放される大入賞口と、
    前記大入賞口の開放がなされる特別遊技へ移行するための条件である特別遊技作動条件を保持する特別遊技作動条件保持手段と、
    前記当否抽選が前記特別遊技への移行を示す結果となって前記特別遊技作動条件が成立したときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記当否抽選が特定の結果に該当した場合、前記特別遊技の終了後の通常遊技において前記当否抽選が前記特別遊技への移行を示す結果となる確率が通常状態よりも高確率となる確率変動状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
    前記大入賞口の開放がなされる遊技であって、前記確率変動状態の開始および終了に関与しない遊技である小当り遊技へ移行するための条件である小当り遊技作動条件を保持する小当り遊技作動条件保持手段と、
    前記当否抽選が前記小当り遊技への移行を示す結果となって前記小当り遊技作動条件が成立したときに前記小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
    前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    前記図柄の変動表示における異なる変動時間を有する複数種の変動パターンから1つの変動パターンを選択するためのテーブルであって、異なる選択傾向が規定された複数のテーブルのうち、前記小当り遊技の終了後の通常遊技において参照すべきテーブルと、その参照の終期とが少なくとも定められた参照規則を保持する参照規則保持手段と、
    前記参照規則にしたがって前記複数のテーブルのいずれかを参照し、前記当否抽選の結果に応じて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
    前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記図柄を前記図柄表示装置に変動表示させる図柄表示制御手段と、
    を備え、
    前記特定遊技実行手段は、確率変動状態において実行された当否抽選が所定期間内に次の特別遊技への移行を示す結果とならない場合、その確率変動状態を終了させ、
    前記参照規則は、確率変動状態において小当り遊技が実行された場合について、確率変動状態の可能性を示唆するための所定の選択傾向が規定されたテーブルを前記参照すべきテーブルとして定め、かつ、その小当り遊技が実行された確率変動状態の終了を前記参照の終期として定めるものであることを特徴とする弾球遊技機。
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