JP2012084680A - Cbd成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CBD成膜装置を、CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板であっても基板を溶解させることがないものとする。
【解決手段】基板2を裏面から支持して加熱する支持加熱部3と、支持加熱部3により支持された基板2の表面に膜形成用のCBD反応液を供給するための、開口部4aを有する反応槽4と、反応槽4を支持加熱部3により支持された基板2の表面に向けて前進させて基板2の表面に対して開口部4aを押し付けるとともに、反応槽4を基板2の表面から後退させて基板2の表面から開口部4aを引き離すことが可能な反応槽進退駆動部とを備えたものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、CI(G)S系太陽電池のバッファ層の形成などに好適に用いることが可能なCBD成膜装置に関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCISあるいはCIGS系等の薄膜系とが知られている。CI(G)Sは、一般式Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS系、x>0のときがCIGS系である。以下、CISとCIGSとを合わせて「CI(G)S」と表記する。
CI(G)S系等の従来の薄膜系光電変換素子においては一般に、光電変換層とその上に形成される透光性導電層(透明電極)との間にCdSバッファ層や、環境負荷を考慮してCdを含まないZnSバッファ層が設けられている。バッファ層は、(1)光生成キャリアの再結合の防止、(2)バンド不連続の整合、(3)格子整合、および(4)光電変換層の表面凹凸のカバレッジ等の役割を担っており、CI(G)S系等では光電変換層の表面凹凸が比較的大きく、特に上記(4)の条件を良好に充たす必要性から、液相法であるCBD(Chemical Bath Deposition)法による成膜が好ましい。
CBD法ではバッファ層の原料化合物を含む反応液に基板を浸漬する、いわゆるバッチ式の成膜方法が知られている。例えば特許文献1には成膜の均一性を向上させ、反応槽の小型化等が可能なCBD成膜装置として、CBD成膜形成対象表面を反応槽に対し水平上向きに保持し、振動子を駆動させる装置が記載されている。また、特許文献2には反応槽の壁面に等間隔で配置された振動子を備え、反応槽に対しCBD成膜形成対象物を鉛直に保持する装置が記載されている。
一方、連続的に成膜を行う方法も知られており、長尺な可撓性基板をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いるいわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)の成膜方法が知られている。この方法は、供給ロールからの基板の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基板の巻取りとを同期して行いつつ、反応槽において、搬送される基板に対し連続的に、あるいはストップ・アンド・ゴー方式で成膜を行なうことが可能である。例えば、特許文献3には反応槽壁面等への膜析出により、バッファ層形成用材料(反応溶液)のロスを抑制するために、反応溶液を回収する態様が記載されており、また、特許文献4においても同様の態様が記載されている。
特許4443645号公報 特許4080061号公報 米国特許出願公開2009/0246908号明細書 米国特許出願公開2009/0255461号明細書
上記特許文献1や2に記載されているような基板をCBD溶液に浸漬させるようなバッチ式では、CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板(例えば、基板端面や基板裏面など溶解しうる成分が露出している場合を含む)の場合、公知のCBD方法を採用できない。また、特許文献3や4に記載のロール・トゥ・ロールの成膜方法は生産性向上の観点からは好ましいものの、基板の端面や裏面の保護を行った上で連続的にCBD法を実施することはできない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、CBD溶液に溶解してしまうような部分を含む基板であっても基板を溶解させることなく、CBD成膜を実施可能なCBD成膜装置を提供することを目的とするものである。
本発明のCBD成膜装置は、基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部と、該支持加熱部により支持された前記基板の表面に膜形成用のCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽と、該反応槽を前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付けるとともに、前記反応槽を前記基板の表面から後退させて該基板の表面から前記開口部を引き離すことが可能な反応槽進退駆動部とを備えたことを特徴とするものである。
前記支持加熱部は前記基板を上方から支持し、前記反応槽が前記基板の下方に配設されて該下方から前記基板の表面に向けて進退するものであることが好ましい。
前記反応槽は、該反応槽内に前記反応液を供給する反応液供給路と、該反応槽内の前記反応液を排出する反応液排出路とを備えていることが好ましい。
前記基板が可撓性基板であって、該可撓性基板が巻き付けられる巻芯と、該巻芯の周りに前記可撓性基板が巻回されて形成された基板ロールから前記基板を間欠的に引き出して前記支持加熱部に供給する基板搬送部とを備えていることが好ましい。
前記反応槽が複数設けられ、該複数の反応槽が同時に前記基板に向けて進退可能であることが好ましい。
前記基板は水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものであってもよい。
前記基板は、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、およびFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であってもよい。
本発明のバッファ層の製造方法は、基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるCBD法による前記バッファ層の製造方法において、前記基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部に供給して前記基板を裏面から加熱し、加熱した該基板に対して、前記バッファ層を形成するためのCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽を、前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付け、前記基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面に前記バッファ層の析出を行うことを特徴とするものである。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、前記バッファ層がCBD法により製造されるものであって、前記基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部に供給して前記基板を裏面から加熱し、加熱した該基板に対して、前記バッファ層を形成するためのCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽を、前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付け、前記基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面に前記バッファ層の析出を行うことにより製造されることを特徴とするものである。
本発明のCBD成膜装置は、基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部と、この支持加熱部により支持された基板の表面に膜形成用のCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽と、反応槽を支持加熱部により支持された基板の表面に向けて前進させて基板の表面に対して開口部を押し付けるとともに、反応槽を基板の表面から後退させて基板の表面から開口部を引き離すことが可能な反応槽進退駆動部とを備えているので、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることなく膜形成することが可能である。
また、基板が可撓性基板であって、可撓性基板が巻き付けられる巻芯と、この巻芯の周りに可撓性基板が巻回されて形成された基板ロールから基板を間欠的に引き出して支持加熱部に供給する基板搬送部とを備えている場合には、いわゆるロール・トゥ・ロールで成膜することが可能となるので、連続的な膜形成を行うことができる。
本発明のCBD成膜装置の一実施の形態を示す概略模式図である。 本発明のCBD成膜装置の別の実施の形態を示す概略模式図である。 反応槽の拡大概略模式図である。
以下、図面を参照して本発明のCBD成膜装置を説明する。図1は本発明のCBD成膜装置の一実施の形態を示す概略模式図である。図1に示すCBD成膜装置1は、基板2を裏面から支持して加熱する支持加熱部3と、支持加熱部3により支持された基板2の表面に膜形成用のCBD反応液を供給するための、開口部4aを有する反応槽4と、反応槽4を支持加熱部3により支持された基板2の表面に向けて前進させて基板2の表面に対して開口部4aを押し付けるとともに、反応槽4を基板2の表面から後退させて基板2の表面から開口部4aを引き離すことが可能な反応槽進退駆動部(図示せず、以下駆動部ともいう)とを備えてなる。
図1に示す支持加熱部3は基板2を上方から支持し、反応槽4が基板2の下方に配設されて下方から基板2の表面に向けて進退するものであるが、図2に示すように、支持加熱部3は基板2を下方から支持し、反応槽4が基板2の上方に配設されて上方から基板2の表面に向けて進退するものであってもよい。なお、この図2において図1中の構成要素と同等の構成要素には同番号を付している。
図1に示す基板2は可撓性基板であって、基板2は巻芯5の周りに巻回されており、基板2が巻回されて形成された基板ロールから基板2を間欠的に引き出して支持加熱部3に供給する基板搬送部を備えている。図1では基板搬送部は膜形成後の基板2を巻回する巻芯6に接続されている(図示せず)。
なお、ここでは基板が可撓性基板の場合を例にとって説明しているが、基板はカットされたものであってもよく、カットされた枚様の場合には可撓性でなくてもよい。また図1では反応槽4が3つ設けられている態様を示しているが、反応槽4の設置数はこれ以上であってもよく、また、生産性は劣ることにはなるが、反応槽4の設置数を1つとしてもよい。なお、反応槽4が複数である場合には、複数の反応槽は同時に基板に向けて進退可能である。
反応槽4の構成の詳細を図3を用いて説明する。反応槽4は上記のように、基板2の表面に膜形成用の反応液を供給するための開口部4aを有しており、反応槽4内に反応液を供給する反応液供給路7と、反応槽4内の反応液を排出する反応液排出路8とを備えている。駆動部によって、支持加熱部3により支持された基板2の表面に向けて反応槽4が前進させられて基板2の表面に対して開口部4aが押し付けられると、反応液供給路7から反応槽4内に反応液が供給されるように構成されている。
逆に、反応槽4を基板2の表面から後退させて基板2の表面から開口部4aを引き離す前には、反応槽4内の反応液は反応液排出路8から排出されるように構成されている。反応液排出路8は反応液供給路7から反応槽4に対して反応液が供給されているときには、反応槽4内の空気を逃がす役目も果たしている。また、反応液供給路7は、反応槽4の開口部4aまで反応液が満たされると反応液排出路8から余剰の反応液が排出されるが、それを検知して反応液の供給をストップすることが可能なように制御されている。
反応槽4の基板2に対して押し付ける開口部4aの押し付け面4bは、基板2に対して押し付けられたときに反応槽2内に反応液が漏れないようになっており、例えばシリコンで構成されている。また、反応槽4の幅Wは基板2の短手方向の幅よりも狭く形成されており、基板2の短手方向端部を避けて脱着することが可能なようになっている。このように構成することによって、基板がCBD反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板端面からこのような成分を溶出させることなく膜を形成することが可能である。
続いて、図1に示す本発明のCBD成膜装置の動作について説明する。なお、ここでは基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるバッファ層を製造する場合を例にとって説明する。基板搬送部により、基板2(ここでいう基板は、光電変換素子における基板、下部電極、光電変換半導体層がこの順に積層されたもの全体を意味する)を間欠的に引き出して支持加熱部3に供給する。このとき、基板2は支持加熱部3側が光電変換素子における基板、反応槽2側が光電変換半導体層となるように供給される。
支持加熱部3に供給された基板2は支持加熱部3により裏面、すなわち光電変換素子における基板側から加熱される。加熱された基板2に対して、バッファ層を形成するためのCBD反応液を供給するための反応槽4を、駆動部を駆動して支持加熱部3により支持された基板2の表面、すなわち光電変換半導体層の表面に向けて前進させ、基板2の光電変換半導体層表面に対して開口部4aを押し付ける。
反応槽4の開口部4aが光電変換半導体層表面に対して押し付けられると、反応槽4内に反応液供給路7から反応槽4内に反応液が供給され始める。反応液排出路8からは反応液の供給当初は反応槽4内の空気が排出されるが、基板2の表面まで反応液が満たされると反応液が排出されてくる。この排出量が、反応液が基板2の表面に達し余剰の反応液であると検知されると、反応液供給路7および反応液排出路8は閉じられる。そして、基板2の光電変換半導体層表面に対してバッファ層が析出する。
反応液は、バッファ層が析出する基板2の光電変換半導体層表面にしか接触しないため、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることなくバッファ層形成することが可能である。また、反応液を基板2の表面に膜形成を行うことが可能な必要最低限の量としても膜形成が可能であるため、バッチ式の場合に比べて一度の成膜で使用する反応液の量を減少させることができる。これによって、膜形成によって生じる反応液の廃液量を減少させることができ、環境面でのメリットも享受することができる。
また、支持加熱部3によって基板は裏面から加熱されている上、反応槽4はバッチ式に比較して反応槽4内の反応液の温度差が殆ど生じない大きさとすることが可能であるので、膜厚のバラツキが少ないバッファ層を形成することができる。この際、基板の温度をCBD用反応液の液温と同じか、それ以上にしておくことが好ましい。基板の温度をCBD用反応液の液温以上にしておくことにより、基板上での析出を優先的に進行させることが可能になる。また、そのときに反応液の温度を低くしても基板上での析出が進行する場合には、反応液中でのコロイド状固形物の発生が抑えられる方向になるので、反応液を長時間使用し続けたりすることが可能となる。また、供給する反応液を常に新しいものとすれば、より膜厚のバラツキが少ない、組成の均一なバッファ層を形成することができる。さらに、図1に示すように、いわゆるロール・トゥ・ロールで成膜することができるので、連続的な膜形成が可能である。
バッファ層の成膜時にはバッファ層の表面にコロイド状固形物が付着する場合がある。このコロイド状固形物をそのままの状態にしておくと、バッファ層被覆部での高抵抗を保持し、太陽電池の変換効率を向上させることができなくなるため、通常はこれを洗浄処理等により除去する必要があるが、図1に示すように、支持加熱部3が基板2を上方から支持し、反応槽4が基板2の下方に配設されている場合には、バッファ層の成膜時におけるコロイド状固形物の付着を相当程度、抑制することが可能である。図2に示す反応装置の場合には、バッファ層表面に付着したコロイド状固形物を洗浄処理等により除去することが好ましい。
所望とする膜厚のバッファ層が析出したら、反応槽4内の反応液を反応液排出路8から排出する。なお、一度使用した反応液は廃棄してもよいが、膜厚や組成のばらつきが許容される範囲においては再利用してもよい。反応液を排出したら、駆動部を駆動して、反応槽4を基板2の表面から後退させて基板2の表面から開口部4aを引き離す。続いて基板搬送部により、基板は次の反応槽の位置に移動させる。このように反応槽が複数ある場合には、バッファ層の析出は反応槽の数に対応して複数回、ストップ・アンド・ゴー方式で行われることになる。
通常、基板にバッファ層を成膜した後は、水洗、乾燥を実施する必要がある。図1ではバッファ層が成膜された基板を巻芯6によって巻き取る態様で示しているが、バッファ層の成膜後の洗浄・乾燥工程までをインラインにて実施する態様としてもよい。さらに、後述するバッファ層形成後の加熱工程もインラインで行うように構成してもよい。
なお、バッファ層を形成する前の基板は予めプレ加熱されているものを用いることが好ましい。プレ加熱としては基板を温風ドライエアーで温めたり、あるいはヒーターを用いて温める方法であってもよい。例えば、巻芯5から支持加熱部3に搬送される間に基板を温風ドライエアーで温める加熱部を別途設けてもよい。もちろん、バッファ層形成前には、通常光電変換半導体層表面に付着する付着物を洗浄して除去するが、この場合には先に洗浄工程を実施してから基板を温風ドライエアーで温めたり、あるいはヒーターを用いて温める方がよい。一方、巻芯5に巻回される前の基板に対して、この付着物を除去するための溶液(純水、アンモニア水、又は低級アミン溶液等)を加温して、付着物の除去工程と基板予備加熱工程を同時に実施するようにしてもよい。
以上のようにしてバッファ層を成膜することができる。なお、本発明のCBD成膜装置は上記で説明したバッファ層の成膜だけでなく、金属酸化物や金属酸化物に特定の元素をドープしたような薄膜等のCBD成膜にも好適に用いることができる。
バッファ層が後述するZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)の場合には、バッファ層の形成後、150℃〜230℃の温度、好ましくは170℃〜210℃の温度で、5分〜60分、後加熱を行う。加熱手段としては特に限定されないが、市販のオーブン、電気炉、真空オーブン等を利用した加熱が好ましい。このように加熱処理を行うことによって光電変換素子の変換効率等の特性を向上させることができる。
CBD法は、一般式 [M(L)i] m+ ⇔Mn++iL(式中、本発明においてMはCdまたはZnの金属元素、Lは配位子、m,n,i:正数を各々示す。)で表されるような平衡によって過飽和条件となる濃度とpHを有する金属イオン溶液を反応液として用い、金属イオンMの錯体を形成させることで、安定した環境で適当な速度で基板上に結晶を析出させる方法である。
本発明のCBD成膜装置に用いられる反応液としては、例えばCdまたはZnの金属(M)源と硫黄源を含むものを挙げることができる。これによって、CdS、ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)のバッファ層を形成することができる。硫黄源としては硫黄を含有する化合物、例えばチオ尿素(CS(NH22、チオアセトアミド(C25NS)等を用いることができる。
CdSバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Cd化合物(例えば硫酸カドミウム、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、クエン酸カドミウムおよびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(例えばCH3COONH4、NH4Cl、NH4Iおよび(NH42SO4等)との混合溶液を反応液として用いることができる。ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)などのZn化合物層からなるバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Zn化合物(例えば硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、クエン酸亜鉛およびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(上記と同様)との混合溶液を反応液として用いることができる。
なお、Zn化合物層からなるバッファ層を形成する場合には、反応液にはクエン酸化合物(クエン酸三ナトリウムおよび/またはその水和物)を含有させることが好ましい。クエン酸化合物を含有させることによって錯体が形成されやすく、CBD反応による結晶成長が良好に制御され、膜を安定的に成膜することができる。
本発明のCBD成膜装置は、どのような基板であっても適用することが可能であるが、基板がCBD用反応液に溶解してしまう成分を含むものであっても、基板からこのような成分を溶出させることがないという本発明の効果からすれば、基板が水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものである場合にその効果を得ることができ、より詳細にはAlを含む基板に効果的に適用できる。
具体的には、基板は、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、および、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であることが好ましい。
光電変換半導体層の主成分としては特に制限されず、高い変換効率が得られることから、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましく、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることがより好ましい。
光電変換半導体層の主成分としては、
CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS2,CuGaS2,CuInS2
CuAlSe2,CuGaSe2
AgAlS2,AgGaS2,AgInS2
AgAlSe2,AgGaSe2,AgInSe2
AgAlTe2,AgGaTe2,AgInTe2
Cu(In,Al)Se2,Cu(In,Ga)(S,Se)2
Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se2,およびAg(In,Ga)(S,Se)2等が挙げられる。
光電変換半導体層の膜厚は特に制限されず、1.0μm〜3.0μmが好ましく、1.5μm〜2.0μmが特に好ましい。
バッファ層上には、光を取り込むと共に、下部電極と対になって、光電変換半導体層で生成された電流が流れる電極として機能する層である透光性導電層(例えばZnO:Al等のn−ZnO等)、上部電極(Al等)を形成すれば光電変換素子が完成する。光電変換素子は、太陽電池等に好ましく使用することができ、光電変換素子に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
以下、本発明のCBD成膜装置を用いてバッファ層を形成する場合を実施例によりさらに詳細に説明する。
(基板〜光電変換層の製造)
ステンレス鋼(SUS)と高純度Al(アルミ純度:4N)を冷間圧延法により加圧接合、減厚することにより、ステンレス鋼厚さ100μm、Al層厚さ30μmの2層クラッド材を作製し、金属基板とした。この金属基板を切り出して、大きさ30cm×30cmのシートを得た。この金属基板上にアルミニウム陽極酸化膜(AAO)を10μm厚で形成し、さらにその上にスパッタ法によりソーダライムガラス(SLG)層を0.2μm厚で、Mo下部電極を0.8μm厚で成膜した。この基板上にCIGS層の成膜法の一つとして知られている3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se2層を成膜した。
(反応液の調製)
水中にZnSO4が0.03M、チオ尿素が0.05M、クエン酸三ナトリウム濃度が0.03M、アンモニア濃度が0.15Mとなるように添加・混合して反応液を調製した。
(実施例1)
準備した基板を図1に示すCBD反応装置の支持加熱部3の左端の反応槽部分に1枚だけセットし、CBD反応液を90℃に加温して15分間バッファ層の析出を行った。
(実施例2)
実施例1において、CBD反応装置を図2に示すものに変更した以外は実施例1と同様にしてバッファ層の析出を行った。
(比較例1)
PFA製の反応容器に準備したCBD反応液を入れ、準備した基板を反応容器の中央に立てて入れ、60分間バッファ層の析出を行った。
(評価)
上記実施例1〜3および比較例1のバッファ層析出後、CBD反応液2.5mLを25mLメスフラスコでメスアップ(10倍希釈)し、SPS3000 ICP発光分光分析装置を用いてAl濃度を測定した(定量下限値:Al(<1ppm))。なお、測定結果は各サンプルについて2回ずつ測定を行い、得られた値の平均値で算出した。
また、バッファ層が析出した表面および断面をSEM観察し、コロイド粒子の付着を観察した。実施例1、2および比較例1の反応条件等とともに評価結果を表1に示す。
Figure 2012084680
表1から明らかなように、本発明の製造装置を用いた実施例は基板に含まれるAlを溶出させることなくバッファ層を形成することができた。一方で、基板の裏面や端面が反応液に接触する比較例1ではAlの溶出が確認された。また、図1のCBD成膜装置を用いた実施例1ではコロイド粒子の付着が確認されなかった。このことから、図1のCBD成膜装置で製造されたバッファ層被覆部は高抵抗を保持することが可能であり、太陽電池とした場合には、変換効率を向上させることが可能である。
1 CBD成膜装置
2 基板
3 支持加熱部
4 反応槽
5、6 巻芯
7 反応液供給路
8 反応液排出路

Claims (9)

  1. 基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部と、
    該支持加熱部により支持された前記基板の表面に膜形成用のCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽と、
    該反応槽を前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付けるとともに、前記反応槽を前記基板の表面から後退させて該基板の表面から前記開口部を引き離すことが可能な反応槽進退駆動部と
    を備えたことを特徴とするCBD成膜装置。
  2. 前記支持加熱部が前記基板を上方から支持し、前記反応槽が前記基板の下方に配設されて該下方から前記基板の表面に向けて進退するものであることを特徴とする請求項1記載のCBD成膜装置。
  3. 前記反応槽が、該反応槽内に前記反応液を供給する反応液供給路と、該反応槽内の前記反応液を排出する反応液排出路とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載のCBD成膜装置。
  4. 前記基板が可撓性基板であって、該可撓性基板が巻き付けられる巻芯と、該巻芯の周りに前記可撓性基板が巻回されて形成された基板ロールから前記基板を間欠的に引き出して前記支持加熱部に供給する基板搬送部とを備えていることを特徴とする請求項1、2または3記載のCBD成膜装置。
  5. 前記反応槽が複数設けられ、該複数の反応槽が同時に前記基板に向けて進退可能であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のCBD成膜装置。
  6. 前記基板が水酸化物イオンと錯イオンを形成しうる金属を含むものであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のCBD成膜装置。
  7. 前記基板が、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    およびFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板のうちいずれか1つの陽極酸化基板であることを特徴とする請求項6記載のCBD成膜装置。
  8. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるCBD法による前記バッファ層の製造方法において、
    前記基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部に供給して前記基板を裏面から加熱し、加熱した該基板に対して、前記バッファ層を形成するためのCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽を、前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付け、前記基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面に前記バッファ層の析出を行うことを特徴とするバッファ層の製造方法。
  9. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、前記バッファ層がCBD法により製造されるものであって、
    前記基板を裏面から支持して加熱する支持加熱部に供給して前記基板を裏面から加熱し、加熱した該基板に対して、前記バッファ層を形成するためのCBD反応液を供給するための、開口部を有する反応槽を、前記支持加熱部により支持された前記基板の表面に向けて前進させて該基板の表面に対して前記開口部を押し付け、前記基板上に設けられた前記光電変換半導体層表面に前記バッファ層の析出を行うことにより製造されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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