JP2012082257A - 耐熱性衝撃吸収発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、球状気泡を有する発泡体を含み、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率40%において60%以上である。
【選択図】図5

Description

本発明は、耐熱性衝撃吸収発泡体に関する。詳細には、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体に関する。
発泡体は、吸水材、保水材、クッション材、断熱材、吸音材、分離膜、反射材、回路基板などの各種基板、印刷版などの保持部材、支持部材、研磨プロセス用の研磨パッドおよびそれを支持するための定盤、半導体や各種基板などを裏面から真空引きなどにより保持または搬送するために用いる支持台、などの様々な用途で幅広く利用されている。
最近、各種電子部品や光学部材が様々な機器に用いられている。このような電子部品や光学部材は、衝撃に弱いため、外部から応力が加わることを防止するための緩衝材が用いられている。発泡体は、このような緩衝材としても広く用いられている(特許文献1、2)。
しかし、最近の電子機器や光学機器などの機器類の小型化・薄型化に伴い、該機器類の駆動時に発生する熱量の影響が大きくなっている。したがって、緩衝材として用いられる発泡体に、十分な耐熱性が要求される。
さらに、最近の電子機器や光学機器などの機器類の小型化・薄型化に伴い、該機器類の使用時に受ける衝撃の影響が大きくなっている。したがって、緩衝材として用いられる発泡体に、より一層優れた衝撃吸収性が要求される。
特開2006−110773号公報 特開2010−84798号公報
本発明の課題は、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することにある。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、
球状気泡を有する発泡体を含み、
振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率40%において60%以上である。
好ましい実施形態においては、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、50%圧縮荷重が50N/cm以下である。
好ましい実施形態においては、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、125℃で22時間保存したときの寸法変化率が±5%未満である。
好ましい実施形態においては、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、125℃で22時間保存したときの50%圧縮荷重変化率が±10%以下である。
好ましい実施形態においては、上記発泡体が親水性ポリウレタン系重合体を含む。
好ましい実施形態においては、上記球状気泡の平均孔径が20μm未満である。
好ましい実施形態においては、上記発泡体が、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する。
好ましい実施形態においては、上記貫通孔の平均孔径が5μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記発泡体の密度が0.5g/cm以下である。
本発明によれば、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の好ましい実施形態を示す概略断面図である。 本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の別の好ましい実施形態を示す概略断面図である。 実施例1において作製した耐熱性衝撃吸収発泡体を斜めから撮影した表面/断面SEM写真の写真図である。 本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の断面SEM写真の写真図であって、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を明確に表す写真図である。 衝撃吸収率の測定方法を説明する説明図である。
≪≪A.耐熱性衝撃吸収発泡体≫≫
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、球状気泡を有する発泡体を含む。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体は、好ましくは、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する。代表的な構造としては、発泡体10からなる耐熱性衝撃吸収発泡体100(図1)や、発泡体10aと発泡体10bの間に基材20(後述する)を含む耐熱性衝撃吸収発泡体100(図2)が挙げられる。なお、図1および図2においては、耐熱性衝撃吸収発泡体の表面の保護のために剥離フィルム30が設けられているが、該剥離フィルムは設けられていなくても良い。
本明細書において「球状気泡」とは、厳密な真球状の気泡でなくても良く、例えば、部分的にひずみのある略球状の気泡や、大きなひずみを有する空間からなる気泡であっても良い。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体が有し得る球状気泡の平均孔径は、20μm未満であり、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体が有する球状気泡の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.1μmであり、さらに好ましくは1μmである。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体が有する球状気泡の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体の球状気泡の平均孔径を精密に小さく制御でき、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体の密度は、好ましくは0.5g/cm以下であり、より好ましくは0.1g/cm〜0.5g/cmであり、さらに好ましくは0.15g/cm〜0.45g/cmであり、特に好ましくは0.15g/cm〜0.4g/cmである。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体の密度が上記範囲内に収まることにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体の密度の範囲を広く制御した上で、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体は、好ましくは、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有している。この連続気泡構造は、ほとんどまたは全ての隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造であっても良いし、該貫通孔の数が比較的少ない半独立半連続気泡構造であっても良い。
隣接する球状気泡間に有する貫通孔は、耐熱性衝撃吸収発泡体の物性に影響する。例えば、貫通孔の平均孔径が小さいほど、耐熱性衝撃吸収発泡体の強度が高くなる傾向がある。図4に、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の断面SEM写真の写真図であって、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を明確に表す写真図を示す。
隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは4μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0.01μmである。隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、好ましくは、表面に表面開口部を有する。この表面開口部の平均孔径は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは20μm未満であり、さらに好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは4μm以下であり、最も好ましくは3μm以下である。表面開口部の平均孔径の下限値は特に限定されず、例えば、好ましくは0.001μmであり、より好ましくは0.01μmである。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が表面開口部を有し、且つ、該表面開口部の平均孔径が上記範囲内に収まることにより、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、非常に優れた衝撃吸収性を有する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率40%において60%以上であり、好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。上記衝撃吸収率の上限は、圧縮率40%において、好ましくは100%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の上記衝撃吸収率が、圧縮率40%において上記範囲内に収まることは、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が非常に優れた衝撃吸収性を有することを意味する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率5%において、好ましくは60%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。上記衝撃吸収率の上限は、圧縮率5%において、好ましくは100%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の上記衝撃吸収率が、圧縮率5%において上記範囲内に収まることは、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が非常に優れた衝撃吸収性を有することを意味する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率20%において、好ましくは60%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。上記衝撃吸収率の上限は、圧縮率20%において、好ましくは100%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の上記衝撃吸収率が、圧縮率20%において上記範囲内に収まることは、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が非常に優れた衝撃吸収性を有することを意味する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率60%において、好ましくは60%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。上記衝撃吸収率の上限は、圧縮率60%において、好ましくは100%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の上記衝撃吸収率が、圧縮率60%において上記範囲内に収まることは、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が非常に優れた衝撃吸収性を有することを意味する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率80%において、好ましくは50%以上であり、より好ましくは55%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。上記衝撃吸収率の上限は、圧縮率80%において、好ましくは100%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の上記衝撃吸収率が、圧縮率80%において上記範囲内に収まることは、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が非常に優れた衝撃吸収性を有することを意味する。
なお、上記振り子試験における衝撃吸収率の具体的な測定方法は後述する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、50%圧縮荷重が、好ましくは50N/cm以下であり、より好ましくは45N/cm以下であり、さらに好ましくは40N/cm以下であり、特に好ましくは35N/cm以下であり、最も好ましくは30N/cm以下である。上記50%圧縮荷重の下限は、好ましくは10N/cmである。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の50%圧縮荷重が上記範囲内に収まることにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、優れた柔軟性およびクッション性を発現し得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、125℃で22時間保存したときの50%圧縮荷重変化率が、好ましくは±10%以下であり、より好ましくは±9%以下であり、さらに好ましくは±8%以下である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体において125℃で22時間保存したときの50%圧縮荷重変化率が上記範囲内に収まることにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は優れた耐熱性を有し得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、125℃で22時間保存したときの寸法変化率が、好ましくは±5%未満であり、より好ましくは±3%以下であり、さらに好ましくは±1%以下である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体において125℃で22時間保存したときの寸法変化率が上記範囲内に収まることにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は優れた耐熱性を有し得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体は、気泡率が、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体において気泡率が上記範囲内に収まることにより、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体は、好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体を含む。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体が親水性ポリウレタン系重合体を含むことにより、気泡構造が精密に制御されており、気泡率が高く、精密に制御された多数の微細な表面開口部を有し、耐熱性に優れ、衝撃吸収性に優れた、耐熱性衝撃吸収発泡体を提供することができる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体の詳細や、それに含まれる親水性ポリウレタン系重合体の詳細については、後述の製造方法の説明において言及する。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、任意の適切な形状を採り得る。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体における、厚み、長辺および短辺等の長さは、任意の適切な値を採り得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な基材を含有していても良い。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に基材が含有される形態としては、例えば、耐熱性衝撃吸収発泡体の内部に基材の層が設けられている形態が挙げられる。このような基材としては、例えば、繊維織布、繊維不織布、繊維積層布、繊維編布、樹脂シート、金属箔膜シート、無機繊維などが挙げられる。
繊維織布としては、任意の適切な繊維から形成される織布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維織布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
繊維不織布としては、任意の適切な繊維から形成される不織布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維不織布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。より具体的には、例えば、スパンボンド不織布が挙げられる。
繊維積層布としては、任意の適切な繊維から形成される積層布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維積層布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。より具体的には、例えば、ポリエステル繊維積層布が挙げられる。
繊維編布としては、例えば、任意の適切な繊維から形成される編布を採用し得る。このような繊維としては、例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維などの天然繊維;再生繊維、合成繊維、半合成繊維、人造無機繊維などの人造繊維;などが挙げられる。合成繊維としては、例えば、熱可塑性繊維を溶融紡糸した繊維などが挙げられる。また、繊維編布は、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
樹脂シートとしては、任意の適切な樹脂から形成されるシートを採用し得る。このような樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。樹脂シートは、メッキやスパッタリングなどによってメタリック加工されていても良い。
金属箔膜シートとしては、任意の適切な金属の箔膜から形成されるシートを採用し得る。
無機繊維としては、任意の適切な無機繊維を採用し得る。このような無機繊維としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などが挙げられる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、基材中に空隙が存在する場合、該空隙の一部または全部に耐熱性衝撃吸収発泡体と同じ材料が存在していても良い。
基材は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
≪≪B.耐熱性衝撃吸収発泡体の製造方法≫≫
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、任意の適切な方法で製造し得る。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、好ましくは、W/O型エマルションを賦形および重合することによって製造し得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の製造方法としては、例えば、連続的に連続油相成分と水相成分を乳化機に供給して本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを調製し、続いて、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「連続法」が挙げられる。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の製造方法としては、また、例えば、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することで本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを調製し、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「バッチ法」が挙げられる。
W/O型エマルションを連続的に重合する連続重合法は生産効率が高く、重合時間の短縮効果と重合装置の短縮化とを最も有効に利用できるので好ましい方法である。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、より具体的には、好ましくは、
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを調製する工程(I)と、
得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と、
賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)と、
得られた含水重合体を脱水する工程(IV)と、
を含む製造方法によって製造することができる。ここで、得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)とは少なくとも一部を同時に行っても良い。
≪B−1.W/O型エマルションを調製する工程(I)≫
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションは、連続油相成分と該連続油相成分と不混和性の水相成分を含むW/O型エマルションである。W/O型エマルションは、より具体的に説明すると、連続油相成分中に水相成分が分散したものである。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、W/O型エマルションを形成し得る範囲で任意の適切な比率を採り得る。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、該W/O型エマルションの重合によって得られる発泡体の構造的、機械的、および性能的特性を決定する上で重要な因子となり得る。具体的には、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションにおける、水相成分と連続油相成分との比率は、該W/O型エマルションの重合によって得られる発泡体の密度、気泡サイズ、気泡構造、および多孔構造を形成する壁体の寸法などを決定する上で重要な因子となり得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルション中の水相成分の比率は、下限値として、好ましくは30重量%であり、より好ましくは40重量%であり、さらに好ましくは50重量%であり、特に好ましくは55重量%であり、上限値として、好ましくは95重量%であり、より好ましくは90重量%であり、さらに好ましくは85重量%であり、特に好ましくは80重量%である。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルション中の水相成分の比率が上記範囲内にあれば、本発明の効果を十分に発現し得る。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、例えば、粘着付与樹脂;タルク;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸やその塩類、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜鉛華、ベントナイン、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などの充填剤;顔料;染料;などが挙げられる。このような添加剤は、1種のみ含まれていても良いし、2種以上が含まれていても良い。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを製造する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを製造する方法としては、例えば、連続油相成分と水相成分を連続的に乳化機に供給することでW/O型エマルションを形成する「連続法」や、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することでW/O型エマルションを形成する「バッチ法」などが挙げられる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションを製造する際、エマルション状態を得るための剪断手段としては、例えば、ローターステーターミキサー、ホモジナイザー、ミクロ流動化装置などを用いた高剪断条件の適用が挙げられる。また、エマルション状態を得るための別の剪断手段としては、例えば、動翼ミキサーまたはピンミキサーを使用した振盪、電磁撹拌棒などを用いた低剪断条件の適用による連続および分散相の穏やかな混合が挙げられる。
「連続法」によってW/O型エマルションを調製するための装置としては、例えば、静的ミキサー、ローターステーターミキサー、ピンミキサーなどが挙げられる。撹拌速度を上げることで、または、混合方法でW/O型エマルション中に水相成分をより微細に分散するようデザインされた装置を使用することで、より激しい撹拌を達成しても良い。
「バッチ法」によってW/O型エマルションを調製するための装置としては、例えば、手動での混合や振盪、被動動翼ミキサー、3枚プロペラ混合羽根などが挙げられる。
連続油相成分を調製する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。連続油相成分を調製する方法としては、代表的には、例えば、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む混合シロップを調製し、続いて、該混合シロップに、重合開始剤、架橋剤、その他の任意の適切な成分を配合し、連続油相成分を調製することが好ましい。
親水性ポリウレタン系重合体を調製する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。親水性ポリウレタン系重合体を調製する方法としては、代表的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とをウレタン反応触媒の存在下で反応させることにより得られる。
<B−1−1.水相成分>
水相成分としては、実質的に連続油相成分と不混和性のあらゆる水性流体を採用し得る。取り扱いやすさや低コストの観点から、好ましくは、イオン交換水などの水である。
水相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、例えば、重合開始剤、水溶性の塩などが挙げられる。水溶性の塩は、W/O型エマルションをより安定化させるために有効な添加剤となり得る。このような水溶性の塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。このような添加剤は、1種のみ含まれていても良いし、2種以上が含まれていても良い。水相成分に含まれ得る添加剤は、1種のみでも良いし、2種以上でも良い。
<B−1−2.連続油相成分>
連続油相成分は、好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む。連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採り得る。
親水性ポリウレタン系重合体は、該親水性ポリウレタン系重合体を構成するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール単位中のポリオキシエチレン比率、または、配合する水相成分量にもよるが、例えば、好ましくは、エチレン性不飽和モノマー70〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜30重量部の範囲であり、より好ましくは、エチレン性不飽和モノマー75〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜25重量部の範囲である。また、例えば、水相成分100重量部に対し、好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体が1〜30重量部の範囲であり、より好ましくは、親水性ポリウレタン系重合体が1〜25重量部の範囲である。親水性ポリウレタン系重合体の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果を十分に発現し得る。
(B−1−2−1.親水性ポリウレタン系重合体)
親水性ポリウレタン系重合体は、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール由来のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位を含み、該ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中の5重量%〜25重量%がポリオキシエチレンである。
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合は、上記のように、好ましくは5重量%〜25重量%であり、下限値として、より好ましくは10重量%であり、上限値として、より好ましくは25重量%であり、さらに好ましくは20重量%である。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンは、連続油相成分中に水相成分を安定に分散させる効果を発現するものである。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合が5重量%未満の場合、連続油相成分中に水相成分を安定に分散させることが困難になるおそれがある。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合が25重量%を超える場合、HIPE条件に近づくにつれてW/O型エマルションからO/W型(水中油型)エマルションに転相するおそれがある。
従来の親水性ポリウレタン系重合体は、ジイソシアネート化合物と疎水性長鎖ジオール、ポリオキシエチレングリコールならびにその誘導体、低分子活性水素化合物(鎖伸長剤)を反応させることによって得られるが、このような方法で得られる親水性ポリウレタン系重合体中に含まれるポリオキシエチレン基の数は不均一であるため、このような親水性ポリウレタン系重合体を含むW/O型エマルションは乳化安定性が低下するおそれがある。一方、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションの連続油相成分に含まれる親水性ポリウレタン系重合体は、上記のような特徴的な構造を有することにより、W/O型エマルションの連続油相成分に含ませた場合に、乳化剤等を積極的に添加せずとも、優れた乳化性および優れた静置保存安定性を発現することができる。
親水性ポリウレタン系重合体は、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。この場合、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物との比率は、NCO/OH(当量比)で、下限値として、好ましくは1であり、より好ましくは1.2であり、さらに好ましくは1.4であり、特に好ましくは1.6であり、上限値として、好ましくは3であり、より好ましくは2.5であり、さらに好ましくは2である。NCO/OH(当量比)が1未満の場合は、親水性ポリウレタン系重合体を製造する際にゲル化物が生成しやすくなるおそれがある。NCO/OH(当量比)が3を超える場合は、残存ジイソシアネート化合物が多くなってしまい、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を得るために用い得るW/O型エマルションが不安定になるおそれがある。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、例えば、ADEKA株式会社製のポリエーテルポリオール(アデカ(登録商標)プルロニックL−31、L−61、L−71、L−101、L−121、L−42、L−62、L−72、L−122、25R−1、25R−2、17R−2)や、日本油脂株式会社製のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プロノン(登録商標)052、102、202)などが挙げられる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらのジイソシアネートの二量体や三量体、ポリフェニルメタンポリイソシアネートなどが挙げられる。芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。ジイソシアネートの三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。ジイソシアネート化合物は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ジイソシアネート化合物は、ポリオールとのウレタン反応性などの観点から、その種類や組み合わせ等を適宜選択すれば良い。ポリオールとの速やかなウレタン反応性や水との反応の抑制などの観点からは、脂環族ジイソシアネートを使用することが好ましい。
親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は、下限値として、好ましくは5000であり、より好ましくは7000であり、さらに好ましくは8000であり、特に好ましくは10000であり、上限値として、好ましくは50000であり、より好ましくは40000であり、さらに好ましくは30000であり、特に好ましくは20000である。
親水性ポリウレタン系重合体は、末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有していても良い。親水性ポリウレタン系重合体の末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有することにより、本発明の効果がより一層発現され得る。
(B−1−2−2.エチレン性不飽和モノマー)
エチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーであれば、任意の適切なモノマーを採用し得る。エチレン性不飽和モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルを含む。エチレン性不飽和モノマー中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合は、下限値として、好ましくは80重量%であり、より好ましくは85重量%であり、上限値として、好ましくは100重量%であり、より好ましくは98重量%である。(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、炭素数が1〜20のアルキル基(シクロアルキル基、アルキル(シクロアルキル)基、(シクロアルキル)アルキル基も含む概念)を有するアルキル(メタ)アクリレートである。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは4〜18である。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルの意味であり、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートの意味である。
炭素数が1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。炭素数が1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な極性モノマーをさらに含む。エチレン性不飽和モノマー中の極性モノマーの含有割合は、下限値として、好ましくは0重量%であり、より好ましくは2重量%であり、上限値として、好ましくは20重量%であり、より好ましくは15重量%である。極性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;などが挙げられる。
(B−1−2−3.重合開始剤)
連続油相成分には、好ましくは、重合開始剤が含まれる。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤などが挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、過酸化物、ペルオキシ炭酸、ペルオキシカルボン酸、過硫酸カリウム、t−ブチルペルオキシイソブチレート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−2959)、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−1173)、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−651)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−184)などのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキサイド(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−819);などを挙げることができる。
重合開始剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
重合開始剤の含有割合は、連続油相成分全体に対し、下限値として、好ましくは0.05重量%であり、より好ましくは0.1重量%であり、上限値として、好ましくは5.0重量%であり、より好ましくは1.0重量%である。重合開始剤の含有割合が連続油相成分全体に対して0.05重量%未満の場合には、未反応のモノマー成分が多くなり、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体中の残存モノマー量が増加するおそれがある。重合開始剤の含有割合が連続油相成分全体に対して5.0重量%を超える場合には、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体の機械的物性が低下するおそれがある。
なお、光重合開始剤によるラジカル発生量は、照射する光の種類や強度や照射時間、モノマーおよび溶剤混合物中の溶存酸素量などによっても変化する。そして、溶存酸素が多い場合には、光重合開始剤によるラジカル発生量が抑制され、重合が十分に進行せず、未反応物が多くなることがある。したがって、光照射の前に、反応系中に窒素等の不活性ガスを吹き込み、酸素を不活性ガスで置換しておくことが好ましい。
(B−1−2−4.架橋剤)
連続油相成分には、好ましくは、架橋剤が含まれる。
架橋剤は、典型的には、ポリマー鎖同士を連結して、より三次元的な分子構造を構築するために用いられる。架橋剤の種類と含有量の選択は、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体に所望される構造的特性、機械的特性、および流体処理特性に左右される。架橋剤の具体的な種類および含有量の選択は、耐熱性衝撃吸収発泡体の構造的特性、機械的特性、および流体処理特性の望ましい組み合わせを実現する上で重要となる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を製造する上では、好ましくは、架橋剤として、重量平均分子量の異なる少なくとも2種類の架橋剤を用いる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体を製造する上では、より好ましくは、架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する。ここで、多官能(メタ)アクリレートとは、具体的には、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、多官能(メタ)アクリルアミドとは、具体的には、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリルアミドである。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ジアクリレート類、トリアクリレート類、テトラアクリレート類、ジメタクリレート類、トリメタクリレート類、テトラメタクリレート類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルアミドとしては、ジアクリルアミド類、トリアクリルアミド類、テトラアクリルアミド類、ジメタクリルアミド類、トリメタクリルアミド類、テトラメタクリルアミド類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートは、例えば、ジオール類、トリオール類、テトラオール類、ビスフェノールA類などから誘導できる。具体的には、例えば、1,10−デカンジオール、1,8−オクタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタン−2−エンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性物などから誘導できる。
多官能(メタ)アクリルアミドは、例えば、対応するジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類などから誘導できる。
重合反応性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、コポリエステル(メタ)アクリレート、オリゴマージ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、疎水性ウレタン(メタ)アクリレートである。
重合反応性オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上である。重合反応性オリゴマーの重量平均分子量の上限は特に限定されないが、例えば、好ましくは10000以下である。
架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量は、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して、下限値として、好ましくは40重量%であり、上限値として、好ましくは100重量%であり、より好ましくは80重量%である。「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して40重量%未満の場合、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体の凝集力が低下してしまうおそれがあり、じん性と柔軟性の両立が困難になるおそれがある。「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して100重量%を超える場合、W/O型エマルションは乳化安定性が低下してしまい、所望の耐熱性衝撃吸収発泡体が得られないおそれがある。
架橋剤として、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量は、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して、下限値として、好ましくは1重量%であり、より好ましくは5重量%であり、上限値として、好ましくは30重量%であり、より好ましくは20重量%である。「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して1重量%未満の場合、耐熱性が低下してしまい、含水重合体を脱水する工程(IV)において収縮によって気泡構造が潰れてしまうおそれがある。「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量が連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量に対して30重量%を超える場合、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体のじん性が低下してしまい、脆性を示してしまうおそれがある。
架橋剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
(B−1−2−5.連続油相成分中のその他の成分)
連続油相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分が含まれ得る。このようなその他の成分としては、代表的には、好ましくは、触媒、酸化防止剤、有機溶媒などが挙げられる。このようなその他の成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
触媒としては、例えば、ウレタン反応触媒が挙げられる。ウレタン反応触媒としては、任意の適切な触媒を採用し得る。具体的には、例えば、ジブチル錫ジラウリレートが挙げられる。
触媒の含有割合は、目的とする触媒反応に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。
触媒は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
酸化防止剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。
酸化防止剤は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機溶媒を採用し得る。
有機溶媒の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。
有機溶媒は、1種のみを含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。
≪B−2.W/O型エマルションを賦形する工程(II)≫
工程(II)において、W/O型エマルションを賦形する方法としては、任意の適切な賦形方法を採用し得る。例えば、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形する方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂フィルムの一面に塗工して賦形する方法が挙げられる。
工程(II)において、W/O型エマルションを賦形する方法として、熱可塑性樹脂フィルムの一面に塗工して賦形する方法を採用する場合、塗工する方法としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーターなどを用いる方法が挙げられる。
≪B−3.賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)≫
工程(III)において、賦形されたW/O型エマルションを重合する方法としては、任意の適切な重合方法を採用し得る。例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ加熱によって重合する方法や、活性エネルギー線の照射によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ活性エネルギー線の照射によって重合する方法が挙げられる。
加熱によって重合する場合、重合温度(加熱温度)は、下限値として、好ましくは23℃であり、より好ましくは50℃であり、さらに好ましくは70℃であり、特に好ましくは80℃であり、最も好ましくは90℃であり、上限値としては、好ましくは150℃であり、より好ましくは130℃であり、さらに好ましくは110℃である。重合温度が23℃未満の場合は、重合に長時間を要し、工業的な生産性が低下するおそれがある。重合温度が150℃を越える場合は、得られる耐熱性衝撃吸収発泡体の孔径が不均一となるおそれや、耐熱性衝撃吸収発泡体の強度が低下するおそれがある。なお、重合温度は、一定である必要はなく、例えば、重合中に2段階や多段階で変動させてもよい。
活性エネルギー線の照射によって重合する場合、活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。活性エネルギー線としては、好ましくは、紫外線、可視光線であり、より好ましくは、波長が200nm〜800nmの可視〜紫外の光である。W/O型エマルションは光を散乱させる傾向が強いため、波長が200nm〜800nmの可視〜紫外の光を用いればW/O型エマルションに光を貫通させることができる。また、200nm〜800nmの波長で活性化できる光重合開始剤は入手しやすく、光源が入手しやすい。
活性エネルギー線の波長は、下限値として、好ましくは200nmであり、より好ましくは300nmであり、上限値として、好ましくは800nmであり、より好ましくは450nmである。
活性エネルギー線の照射に用いられる代表的な装置としては、例えば、紫外線照射を行うことができる紫外線ランプとして、波長300〜400nm領域にスペクトル分布を持つ装置が挙げられ、その例としては、ケミカルランプ、ブラックライト(東芝ライテック(株)製の商品名)、メタルハライドランプなどが挙げられる。
活性エネルギー線の照射を行う際の照度は、照射装置から被照射物までの距離や電圧の調節によって、任意の適切な照度に設定され得る。例えば、特開2003-13015号公報に開示された方法によって、各工程における紫外線照射をそれぞれ複数段階に分割して行い、それにより粘着性能を精密に調節することができる。
紫外線照射は、重合禁止作用のある酸素が及ぼす悪影響を防ぐために、例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後に不活性ガス雰囲気下で行うことや、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後にシリコーン等の剥離剤をコートしたポリエチレンテレフタレート等の紫外線は通過するが酸素を遮断するフィルムを被覆させて行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、一面にW/O型エマルションを塗工して賦形できるものであれば、任意の適切な熱可塑性樹脂フィルムを採用し得る。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムやシートが挙げられる。
不活性ガス雰囲気とは、光照射ゾーン中の酸素を不活性ガスにより置換した雰囲気をいう。したがって、不活性ガス雰囲気においては、できるだけ酸素が存在しないことが必要であり、酸素濃度で5000ppm以下であることが好ましい。
≪B−4.得られた含水重合体を脱水する工程(IV)≫
工程(IV)では、得られた含水重合体を脱水する。工程(III)で得られた含水重合体中には水相成分が分散状態で存在する。この水相成分を脱水により除去して乾燥することにより、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体に含まれる発泡体が得られる。得られた発泡体は、そのまま本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体となり得る。また、後述するように、基材と組み合わせることによって、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体となり得る。
工程(IV)における脱水方法としては、任意の適切な乾燥方法を採用し得る。このような乾燥方法としては、例えば、真空乾燥、凍結乾燥、圧搾乾燥、電子レンジ乾燥、熱オーブン内での乾燥、赤外線による乾燥、またはこれらの技術の組み合わせ、などが挙げられる。
≪B−5.本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が基材を含有する場合≫
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体が基材を含有する場合、本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の製造方法の好ましい実施形態の一つとして、W/O型エマルションを基材の一面に塗工し、不活性ガス雰囲気下あるいはシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムにより被覆して酸素が遮断された状態において、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによってW/O型エマルションを重合させて含水重合体とし、得られた含水重合体を脱水することで、基材/発泡層の積層構造を有する耐熱性衝撃吸収発泡体とする形態が挙げられる。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体の製造方法の好ましい別の実施形態の一つとして、W/O型エマルションをシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムの一面に塗布したものを2枚準備し、該2枚のうちの1枚のW/O型エマルション塗布シートの塗布面に基材を積層し、積層した該基材の他方の面に、もう1枚のW/O型エマルション塗布シートの塗布面を合わせるように積層した状態において、加熱または活性エネルギー線の照射を行うことによってW/O型エマルションを重合させて含水重合体とし、得られた含水重合体を脱水することで、発泡層/基材/発泡層の積層構造を有する耐熱性衝撃吸収発泡体とする形態が挙げられる。
W/O型エマルションを基材またはシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性のフィルムの一面に塗工する方法としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーターなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、常温とは23℃を意味する。
(分子量測定)
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel GMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
(平均孔径の測定)
得られた発泡体をミクロトームカッターで厚み方向に切断したものを測定用試料とした。測定用試料の切断面を走査型電子顕微鏡(日立製、S−3400N)で800〜5000倍にて撮影した。撮影した画像を用いて、任意範囲の球状気泡の孔径や、任意範囲の球状気泡間を貫通する貫通孔の孔径や、任意範囲の表面開口部の孔径を測定し、その測定値から球状気泡の平均孔径や貫通孔の平均孔径や表面開口部の平均孔径を算出した。
(50%圧縮荷重の測定)
得られた発泡体を25mm×25mmに打ち抜いた後、5枚積層し、測定用サンプルとした。測定にはテンシロンを使用し、常温下で、測定用サンプルに対して厚さ方向に初期厚みの50%まで速度10mm/分で圧縮し、厚みが50%圧縮された時点の最大値を測定した。サンプルはn=2で測定し、その平均値を50%圧縮荷重とした。
(50%圧縮荷重変化率の測定)
50%圧縮荷重の測定用サンプルを、100℃のオーブンに22時間、または、125℃のオーブンに22時間、または、150℃のオーブンに22時間保存した後に、50%圧縮荷重を測定し、該加熱保存処理の前後における50%圧縮荷重の変化率を求めた。
(衝撃吸収率の測定)
図5に示すような振り子試験機を用いて、発泡体を介しない場合の衝撃力(F0)と発泡体を介する場合の衝撃力(F1)とを測定し、下記式より、衝撃吸収率を求めた。
衝撃吸収率(%)=[(F0−F1)/F0]×100
振り子試験機300は、直径19mm、重量28g重(0.27N)の鋼球からなる衝撃子31に長さ350mmの支持棒32を設けて作製した。34、35、36、37はそれぞれ、力センサー(東陽テクニカ社製)、アルミニウム板、電源、Multi−Purpose FTT Analyzer((株)小野測器製)である。測定する発泡体を20mm角に切り取って試験片33とし、これをアルミニウム板35に貼り合わせ、さらに試験片33のもう一方に1mm厚のアクリル板38を貼り合せ、該アクリル板上から鋼球31が衝突した際の衝撃力を力センサー34で感知して、Multi−Purpose FTT Analyzer((株)小野測器製)37にて測定した。
(加熱寸法変化率の測定)
発泡体の加熱寸法変化を、JIS−K−6767の高温時の寸法安定性評価に準拠して測定した。すなわち、得られた発泡体を100mm×100mmの大きさに切りだして試験片とし、125℃のオーブンに22時間保存した後に、JIS−K−6767の高温時の寸法安定性評価に準拠して、該加熱保存処理の前後における寸法の変化率を求めた。
(密度の測定)
得られた発泡体を100mm×100mmの大きさに5枚切りだして試験片とし、重量を体積で除して見掛け密度を求めた。得られた見掛け密度の平均値を発泡体の密度とした。
(気泡率の測定)
エマルションを製造する際の油相成分のみを重合し、得られた重合体シートを100mm×100mmの大きさに5枚切りだして試験片とし、重量を体積で除して見掛け密度を求めた。得られた見掛け密度の平均値を、発泡体を構成する樹脂成分の密度とした。発泡体の気泡率は、発泡体の密度を上記樹脂成分の密度で除した相対密度を用いて、下記式のように算出した。
気泡率=(1−相対密度)×100
〔製造例1〕:混合シロップ1の調製
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(東亜合成(株)製、以下「2EHA」と略す)からなるモノマー溶液173.2重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(キシダ化学(株)製、以下「DBTL」と略す)0.014重量部とを投入し、攪拌しながら、水素化キシリレンジイソシアネート(武田薬品(株)製、タケネート600、以下「HXDI」と略す)12.4重量部を滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.6であった。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート(キシダ化学(株)製、以下「HEA」と略す)5.6重量部を滴下し、65℃で2時間反応させ、両末端にアクリロイル基を有する親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。得られた親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は1.5万であった。得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ100重量部に対して2EHAを25重量部、n−ブチルアクリレート(東亜合成社製、以下「BA」と略す)56重量部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製、以下「IBXA」と略す)17.9重量部、極性モノマーとしてアクリル酸(東亜合成社製、以下、「AA」と略す)10.7重量部を加え、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1とした。
〔実施例1〕
製造例1で得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップ1の100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)(分子量226)11.9重量部、反応性オリゴマーとして、ポリテトラメチレングリコール(以下、「PTMG」と略す)とイソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略す)から合成されるポリウレタンの両末端がHEAで処理された、両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンアクリレート(以下、「UA」と略す)(分子量3720)47.7重量部、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「ルシリンTPO」)0.41重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン社製、商品名「イルガノックス1010」)0.69重量部を均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水300重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は75/25であった。
得られたW/O型エマルションを常温で1時間静置保存した後、光照射後の厚さが1mmとなるように離型処理された基材上に塗布し連続的に成形した。さらにその上に厚さ38μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。このシートにブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ1mmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を130℃にて20分間に亘って加熱することによって、厚さ約1mmの耐熱性衝撃吸収発泡体(1)を得た。
結果を表1に示した。
また、得られた耐熱性衝撃吸収発泡体(1)を斜めから撮影した表面/断面SEM写真の写真図を図3に示した。
〔実施例2〕
水相としてイオン交換水566.7重量部を常温下、連続的に滴下供給した以外は、実施例1と同様に行い、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は85/15であった。
調製から室温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と称する)上に、光照射後の発泡層の厚さが500μmとなるように塗布し、連続的にシート状に成形した。さらにその上に、ポリエステル長繊維をタテヨコに整列させて積層させた厚さ70μmのポリエステル繊維積層布(JX日鉱日石ANCI社製、商品名「ミライフ(登録商標)TY0505FE」)を積層した。さらに、別途、調製から室温下で30分間静置保存したW/O型エマルションを、離型処理された厚さ38μmのPETフィルム上に、光照射後の発泡層の厚さが500μmとなるように塗布したものを用意し、塗布面を上記ポリエステル繊維積層布に被せた。このシートにブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ1mmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を130℃にて20分間に亘って加熱することによって、厚さ約1mmの耐熱性衝撃吸収発泡体(2)を得た。
結果を表1に示した。
本発明の耐熱性衝撃吸収発泡体は、緩衝材など、各種部材に好ましく利用できる。
100 耐熱性衝撃吸収発泡体
10 発泡体
10a 発泡体
10b 発泡体
20 基材
30 剥離フィルム
31 衝撃子
32 支持棒
33 試験片
34 力センサー
35 アルミニウム板
36 電源
37 Multi−Purpose FTT Analyzer
38 アクリル板

Claims (9)

  1. 球状気泡を有する発泡体を含み、
    振り子試験における衝撃吸収率が、圧縮率40%において60%以上である、
    耐熱性衝撃吸収発泡体。
  2. 50%圧縮荷重が50N/cm以下である、請求項1に記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  3. 125℃で22時間保存したときの寸法変化率が±5%未満である、請求項1または2に記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  4. 125℃で22時間保存したときの50%圧縮荷重変化率が±10%以下である、請求項1から3までのいずれかに記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  5. 前記発泡体が親水性ポリウレタン系重合体を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  6. 前記球状気泡の平均孔径が20μm未満である、請求項1から5までのいずれかに記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  7. 前記発泡体が、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有する、請求項1から6までのいずれかに記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  8. 前記貫通孔の平均孔径が5μm以下である、請求項7に記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。
  9. 前記発泡体の密度が0.5g/cm以下である、請求項1から8までのいずれかに記載の耐熱性衝撃吸収発泡体。

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