JP2012080682A - 振動発電素子およびそれを用いた振動発電装置 - Google Patents

振動発電素子およびそれを用いた振動発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力電力がより高く小型化が可能な振動発電素子およびそれを用いた振動発電装置を提供する。
【解決手段】支持部2aと該支持部2aに揺動自在に支持されたカンチレバー部2bとを備えたベース基板1と、カンチレバー部2bに形成されカンチレバー部2bの振動に応じて交流電力を発生する発電部3とを備えた振動発電素子10であって、発電部3は、ベース基板1の一表面1b側においてカンチレバー部2bに重なる部位に形成された下部電極4aと、該下部電極4aにおけるカンチレバー部2b側とは反対側に形成された第1の圧電層5aと、該第1の圧電層5aにおける下部電極4a側とは反対側に形成された中間電極4bと、該中間電極4bにおける第1の圧電層5aとは反対側に形成された第2の圧電層5bと、該第2の圧電層5bにおける中間電極4bとは反対側に形成された上部電極4cとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動エネルギを電気エネルギに変換する振動発電素子およびそれを用いた振動発電装置に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの一種として、車の振動や人の動きによる振動などの任意の振動に起因した振動エネルギを電気エネルギに変換する振動発電素子が各所で研究開発されている。
この種の振動発電素子として、たとえば、図8(a)に示すように、Siからなるベース基板81の支持部82aに一端部が固定され他端部がベース基板81と空間を隔てて揺動自在に支持されるカンチレバー部(撓み部)82bと、カンチレバー部82b上に形成されカンチレバー部82bの振動に応じて交流電力を発生する発電部83とを備えたものが知られている(たとえば、非特許文献1)。
図8(a)に示す振動発電素子810では、カンチレバー部82bが、SiOやSiからなる薄膜86と、該薄膜86上に形成され発電部83からの電荷の拡散を防止する拡散防止層87(ここでは、ZrO)とを備えた構成となっている。
また、拡散防止層87上の発電部83は、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)からなる圧電層85と、圧電層85の一表面側に形成されたPt/Tiからなる一対の電極84a,84bとで構成されている。なお、圧電層85は、変形方向と電界方向とが直交するd33モードを利用した構成としており、一対の電極84a,84bは、平面視において、それぞれ櫛形状であって、所定の間隔を隔てて互いに噛み合わさせた構造に配置している(図8(b)を参照)。さらに、振動発電素子810は、カンチレバー部82bの他端部側の表面上に、カンチレバー部82bの揺動が大きくなるように錘部82cが設けられている。
振動発電素子810は、振動によりカンチレバー部82bが揺動することで、発電部83の圧電層85が圧電層85の厚み方向と垂直な直交方向に分極(図8(a)中の矢印を参照)され、発電した電力を一対の電極84a,84bから外部に出力することができる。
Y.B.Jeon,et al,「MEMS powergenerator with transverse mode thin film PZT」,Sensors and Actuators A 122,16-22,2005
ところで、上記非特許文献1に記載の振動発電素子810は、カンチレバー部82bの揺動により発電部83が発電する。そのため、振動発電素子810の一対の電極84a,84bから出力される電力は、カンチレバー部82bの揺動に伴い極性が反転する交流電力を発生することになる。
これに対し、振動発電素子810の一対の電極84a,84bに接続される負荷は、一般に、小型電子部品やLSIなどの直流電力を必要とするものが想定されている。そのため、上記非特許文献1では、振動発電素子810から出力される交流電力を直流電力にできるように、上述の振動発電素子810を用いて図8(c)に示す振動発電装置820を構成している。
振動発電装置820は、振動発電素子810の出力を単相全波整流回路部(単相ブリッジ整流回路)である整流器D1の出力と並列にコンデンサCsを接続させコンデンサCsの両端間に負荷Rを接続させている。これにより、振動発電装置820は、振動発電素子810の出力を交流電力から直流電力に整流して、一対の電極84a,84bに接続される負荷R側に出力することができる。なお、図8(c)の振動発電装置820では、振動発電素子810を、交流電源Ipと、交流電源Ipに並列接続されたコンデンサCpと、コンデンサCpに並列接続された抵抗Rpによる等価回路で示している。
しかしながら、上述の振動発電素子810から取り出される発生電力は、一般にμW程度と小さい。振動発電装置820は、振動発電素子810から出力された電流を単相全波整流回路部たる整流器D1を通して整流すると、整流器D1を構成するダイオードのpn接合部での電圧降下による損失が大きく影響する。特に、図8(c)に示す振動発電装置820では、振動発電素子810の出力を交流電力から直流電力に整流するに際し、単相全波整流回路部である整流器D1の2個のダイオードを通って振動発電素子810からの電流が出力されることになる。そのため、上述の振動発電素子810を用いた振動発電装置820では、発電効率が低くなるという問題がある。
振動発電素子810は、より小型で出力の高いものが求められており、単純に振動発電素子810の圧電層85の面積を大きくして出力を向上させる構成とすることが難しい。したがって、上述の振動発電素子810や振動発電装置820の構成だけでは十分ではなく、更なる改良が求められている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、出力電力がより高く小型化が可能な振動発電素子およびそれを用いた振動発電装置を提供することにある。
本発明の振動発電素子は、支持部と該支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部とを備えたベース基板と、上記カンチレバー部に形成され上記カンチレバー部の振動に応じて交流電力を発生する発電部とを備えた振動発電素子であって、上記発電部は、上記ベース基板の一表面側において上記カンチレバー部に重なる部位に形成された下部電極と、該下部電極における上記カンチレバー部側とは反対側に形成された第1の圧電層と、該第1の圧電層における上記下部電極側とは反対側に形成された中間電極と、該中間電極における上記第1の圧電層とは反対側に形成された第2の圧電層と、該第2の圧電層における上記中間電極とは反対側に形成された上部電極とを有することを特徴とする。
この振動発電素子において、上記第1の圧電層および上記第2の圧電層は、それぞれ強誘電体薄膜であることが好ましい。
この振動発電素子において、上記第1の圧電層における分極の向きと、上記第2の圧電層における分極の向きとは、上記発電部の厚み方向において同一方向であることが好ましい。
本発明の振動発電装置は、上述の振動発電素子と、該振動発電素子の上記中間電極を共通電極にして上記上部電極および上記下部電極から出力される二相交流を整流する二相全波整流回路部とを備えたことを特徴とする。
本発明の振動発電素子では、出力電力がより高く小型化が可能になるという効果がある。
本発明の振動発電装置では、出力電力がより高く小型化が可能になるという効果がある。
実施形態の振動発電素子を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のX−X概略断面図である。 同上の振動発電素子を用いた振動発電装置の回路図である。 同上の振動発電素子の製造方法を説明する主要工程図である。 同上の振動発電素子の製造方法を説明する主要工程図である。 同上の振動発電素子の製造方法を説明する主要工程図である。 同上の振動発電素子の製造方法を説明する主要工程図である。 同上の振動発電素子の製造方法を説明する主要工程図である。 従来の振動発電素子を示し、(a)は断面図、(b)は要部平面図、(c)は振動発電素子を用いた振動発電装置の回路図である。
以下、本実施形態の振動発電素子について図1を用いて説明し、図2を用いて振動発電素子10を用いた振動発電装置20について説明する。
本実施形態の振動発電素子10は、図1に示すように、支持部2aと支持部2aの内側に配置され支持部2aに揺動自在に支持されたカンチレバー部2bとを備えたベース基板1と、ベース基板1の一表面1b側においてカンチレバー部2bに形成されカンチレバー部2bの振動に応じて交流電力を発生する発電部3とを備えている。
特に、本実施形態の振動発電素子10において、発電部3は、ベース基板1の一表面1b側においてカンチレバー部2bに重なる部位に形成された下部電極4aと、該下部電極4aにおけるカンチレバー部2b側とは反対側に形成された第1の圧電層5aと、該第1の圧電層5aにおける下部電極4a側とは反対側に形成された中間電極4bとを有している。また、本実施形態の振動発電素子10において、発電部3は、中間電極4bにおける第1の圧電層5aとは反対側に形成された第2の圧電層5bと、該第2の圧電層5bにおける中間電極4bとは反対側に形成された上部電極4cとを有している。また、ベース基板1の一表面1b側には、下部電極4a、中間電極4bおよび上部電極4cそれぞれに接続配線6a,6c,6eを介して電気的に接続された下部電極用パッド7a、中間電極用パッド7bおよび上部電極用パッド7cが、支持部2aに対応する部位で形成されている。なお、ベース基板1は、平面視において、カンチレバー部2bを介して、支持部2aと対向する側に錘部2cを備えており、錘部2cが貫通孔1dを介して支持部2aから延在するC字状のフレーム部2dの内側に囲まれて配置される構成としている。
発電部3は、下部電極4a、第1の圧電層5a、中間電極4b、第2の圧電層5bおよび上部電極4cの各平面サイズがそれぞれ順に小さくなるように設計している。更に、発電部3は、ベース基板1の一表面1b側であって、ベース基板1の他表面1a側に設けられた窪み部1cと対向するように配置してある。ここで、発電部3は、平面視において、下部電極4aにおける外周縁の内側に第1の圧電層5aが位置し、該第1の圧電層5aにおける外周縁の内側に該第1の圧電層5aと接する中間電極4bが位置している。また、中間電極4bの外周縁の内側に第2の圧電層5bが位置し、該第2の圧電層5bにおける外周縁の内側に該第2の圧電層5bと接する上部電極4cが位置している。
また、発電部3は、中間電極4bと電気的に接続される接続配線6bと下部電極4aとの短絡を防止する第1の絶縁層8aが、下部電極4aおよび第1の圧電層5aそれぞれの周部を覆う形で形成されている。第1の絶縁層8aは、平面視において、ベース基板1の一表面1b側で第1の圧電層5aと中間電極4bとの接するエリアを規定もしている。すなわち、第1の絶縁層8aの平面視形状は、中間電極4bの周部に沿った枠状となっている。なお、第1の絶縁層8aは、上部電極4cと電気的に接続された接続配線6cと下部電極4aとの短絡も防止している。
同様に、上部電極4cに電気的に接続される接続配線6cと中間電極4bとの短絡を防止する第2の絶縁層8bが、中間電極4bおよび第2の圧電層5bそれぞれの周部を覆う形で第1の絶縁層8a上に形成されている。第2の絶縁層8bは、平面視において、ベース基板1の一表面1b側で第2の圧電層5bと上部電極4cとの接するエリアを規定もしている。すなわち、第2の絶縁層8bの平面視形状は、上部電極4cの周部に沿った枠状となっている。
なお、本実施形態の振動発電素子10における第1の絶縁層8aおよび第2の絶縁層8bは、シリコン酸化膜により構成しているが、シリコン酸化膜に限らず、シリコン窒化膜により構成してもよいし、単層膜だけでなく多層膜の構造としてもよい。本実施形態の振動発電素子10では、揺動するカンチレバー部2bの上側に形成される第1の絶縁層8aおよび第2の絶縁層8bが、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜により形成されているので、第1の絶縁層8aおよび第2の絶縁層8bをそれぞれレジストにより形成させた場合と比較して絶縁性および耐熱性を向上させることができる。
また、ベース基板1は、一表面1b側および他表面1a側それぞれにシリコン酸化膜からなる絶縁膜12e,12aを形成しており、発電部3とベース基板1とが一表面1b側の絶縁膜12eにより電気的に絶縁されている。
本実施形態の振動発電素子10では、発電部3が、下部電極4aと第1の圧電層5aと中間電極4bとで構成される第1の圧電変換部3aと、中間電極4bと第2の圧電層5bと上部電極4cとで構成される第2の圧電変換部3bとにより構成されている。そのため、カンチレバー部2bの振動によって発電部3の第1の圧電変換部3aおよび第2の圧電変換部3bがそれぞれ応力を受け各別に発電する。すなわち、第1の圧電変換部3aは、下部電極4aと中間電極4bとの間の第1の圧電層5aに電荷の偏りが発生し交流電力が発生する。同様に、第2の圧電変換部3bは、中間電極4bと上部電極4cとの間の第2の圧電層5bに電荷の偏りが発生し交流電力が発生する。
本実施形態における振動発電素子10は、第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bの圧電材料として、変形方向と電界方向とが平行となるd31モードを利用したPZT(Pb(Zr,Ti)O3)を用いている。なお、振動発電素子10の第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bは、圧電材料としてPZTに限らず、たとえば、PZT−PMN(:Pb(Mn,Nb)O)、PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O)やSBT(SrBiTa)などを用いてもよい。また、第1の圧電層5aと第2の圧電層5bとは、必ずしも同じ材料で形成する必要はない。すなわち、第1の圧電変換部3aからの出力と、第2の圧電変換部3bからの出力とが同等となるように、第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bの面積、厚みや材料を適宜に選択することもできる。
また、本実施形態の振動発電素子10は、単結晶シリコン基板12bと、単結晶のシリコン層(活性層)12dとの間にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜12cを挟んだ構造のSOI(Silicon on Insulator)基板を用いてベース基板1を形成している。なお、ベース基板1となるSOI基板としては、シリコン層12dの表面が(100)面のものを用いている。
また、本実施形態の振動発電素子10では、ベース基板1として、SOI基板を用いているので、後述する製造時において、SOI基板の埋込酸化膜12cをカンチレバー部2bの形成時におけるエッチングストッパ層として利用することができる。これにより、振動発電素子10は、カンチレバー部2bの厚さの高精度化を図れるとともに、信頼性の向上および低コスト化を図ることが可能となる。なお、ベース基板1は、SOI基板に限らず、たとえば、単結晶のシリコン基板などを用いてもよい。
また、本実施形態の振動発電素子10では、下部電極4aをPt膜により構成している。また、中間電極4bは、Ti膜とAu膜との積層膜により構成している。さらに、上部電極4cは、Ti膜とPt膜との積層膜により構成している。振動発電素子10の下部電極4a,中間電極4bおよび上部電極4cは、これらの材料や層構造を特に限定するものではなく、下部電極4a、中間電極4bおよび上部電極4cそれぞれを単層構造としてもよいし多層構造としてもよい。下部電極4aや上部電極4cの電極材料としては、たとえば、Au,AlやIrなどを採用してもよく、中間電極4bの材料としては、たとえば、Mo,Al,PtやInなどを採用してもよい。
なお、本実施形態の振動発電素子10では、下部電極4aの厚みを100nm、第1の圧電層5aの厚みを600nmと設定している。また、平面視における第1の圧電層5aよりも面積やカンチレバー部2bの振動に伴う応力が小さくなる第2の圧電層5bの厚みを、第1の圧電層5aが発電する出力と同等となるように、第1の圧電層5aよりも厚く設定している。本実施形態の振動発電素子10は、中間電極4bの厚みを100nm、上部電極4cの厚みを100nmに設定してある。なお、振動発電素子10の下部電極4a、中間電極4b、上部電極4c、第1の圧電層5aや第2の圧電層5bの厚みは、上述の厚みだけに限定するものではなく適宜に設定すればよい。
なお、本実施形態の振動発電素子10では、カンチレバー部2bの平面視形状が長方形状となっているが、これに限らず、たとえば、支持部2aから離れて錘部2cに近づくほど幅寸法が徐々に小さくなる台形形状でもよい。
本実施形態の振動発電素子10では、平面視において、下部電極4aの外周縁の内側に第1の圧電層5aが位置し、第1の圧電層5aの外周縁の内側に中間電極4bが位置しているので、下部電極4aと第1の圧電層5aと中間電極4bとが同じ平面サイズである場合に比べて、接続配線6bの下地となる部分の段差を低減できる。同様に、平面視において、中間電極4bの外周縁の内側に第2の圧電層5bが位置し、第2の圧電層5bの外周縁の内側に上部電極4cが位置しているので、中間電極4bと第2の圧電層5bと上部電極4cとが同じ平面サイズである場合に比べて、接続配線6cの下地となる部分の段差を低減できる。
振動発電素子10では、第1の圧電層5aと、第2の圧電層5bとからそれぞれ出力される電力を略等しくするため、第1の圧電層5aよりも平面視における面積が小さい第2の圧電層5bを第1の圧電層5aよりも厚く形成させる場合がある。この場合、第1の圧電層5aに形成される接続配線6bや第2の圧電層5bに形成される接続配線6bの下地となる部分の段差を低減することで、より信頼性の高い振動発電素子10とすることができる。
また、振動発電素子10は、下部電極4aと、中間電極4bおよび上部電極4cとの短絡をそれぞれ防止する第1の絶縁層8aが、ベース基板1の一表面1b側において支持部2a上まで延設されていてもよい。すなわち、中間電極4bと当該中間電極4bに電気的に接続される中間電極用パッド7bとの間の接続配線6bの全ての部位を第1の絶縁層8a上に形成し、中間電極用パッド7bを第1の絶縁層8aの平坦な部位上に形成してもよい(図示していない)。これにより、振動発電素子10は、接続配線6bの下地となる部分の段差を低減でき、第1の圧電層5aの膜厚を大きくしながらも下部電極4aと中間電極用パッド7bとを電気的に接続する接続配線6bの断線の可能性をより低減することができる。
同様に、上部電極4cと当該上部電極4cに電気的に接続される上部電極用パッド7cとの間の接続配線6cの全ての部位を第2の絶縁層8b上に形成し、上部電極用パッド7cを第2の絶縁層8bの平坦な部位上に形成してもよい(図示していない)。これにより、振動発電素子10は、接続配線6cの下地となる部分の段差を低減でき、第2の圧電層5bの膜厚を大きくしながらも中間電極4bと上部電極用パッド7cとを電気的に接続する接続配線6cの断線の可能性をより低減することができる。
本実施形態の振動発電素子10は、第1の圧電変換部3aで発電した電力を下部電極4aおよび中間電極4bを用いて出力させることができる。同様に、本実施形態の振動発電素子10は、第2の圧電変換部3bで発電した電力を中間電極4bおよび上部電極4cを用いて出力させることができる。
ここで、本実施形態の振動発電素子10は、振動発電素子10の中間電極4bを共通電極にして下部電極4aおよび上部電極4cから出力する二相交流を整流する二相全波整流回路部と接続させて振動発電装置20を構成する。より具体的には、図2に示すように振動発電装置20は、振動発電素子10の中間電極4bと電気的に接続された中間電極用パッド7bを共通にして、下部電極4aと電気的に接続された下部電極用パッド7aおよび上部電極4cと電気的に接続された上部電極用パッド7cを二相全波整流回路部たる整流器D2に接続させている。また、振動発電装置20は、整流器D2の両端間にコンデンサCsを接続させている。振動発電装置20は、振動発電装置20に接続される図示しない負荷に応じて、コンデンサCsと負荷との間にDC/DC変換部21を設けて負荷側に供給する電圧を適宜に昇圧または降圧させる構成としている。
本実施形態の振動発電素子10を用いた振動発電装置20では、上述した図8(c)に示した振動発電装置820とは異なり、振動発電素子10の出力を交流電力から直流電力に整流するに際して、整流器D2における1個のダイオードを通って振動発電素子10から電流が出力されることになる。そのため、本実施形態の振動発電素子10を用いた振動発電装置20は、図8(c)に示した振動発電装置820と比較して、整流器におけるダイオードでの損失を低減できるから発電効率を向上させることが可能となる。
以下、本実施形態の振動発電素子10の製造方法について図3ないし図7を参照しながら説明する。各図における製造工程において、平面図を上側に、要部の略断面図を下側に図示している。
まず、ベース基板1となる上述のSOI基板からなる素子形成基板11の一表面側および他表面側それぞれにシリコン酸化膜からなる絶縁膜12e,12aを熱酸化法などにより形成する絶縁膜形成工程(図3(a)を参照)を行う。これにより、素子形成基板11を用いて形成されたベース基板1では、一表面1b側に絶縁膜12eを備え、他表面1aに絶縁膜12aを備えることになる。なお、SOI基板からなる素子形成基板11は、単結晶シリコン基板12bと、単結晶のシリコン層12dとの間にシリコン酸化膜からなる埋込酸化膜12cを挟んだ構造としている。
その後、素子形成基板11の一表面側の全面に下部電極4a、接続配線6aおよび下部電極用パッド7aの基礎となるPt層からなる第1の金属膜24aを、たとえば、スパッタ法やCVD法などにより形成する第1の金属膜形成工程を行う。続いて、素子形成基板11の一表面側の全面に圧電材料(たとえば、PZTなど)からなる第1の圧電層5aの基礎となる第1の圧電膜(たとえば、PZT膜など)25aを、たとえば、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法や後述する転写法などにより形成する圧電膜形成工程を行う(図3(b)を参照)。
なお、本実施形態の振動発電素子10では、下部電極4a上に第1の圧電層5aを形成しているが、第1の圧電層5aと下部電極4aとの間に、第1の圧電層5aの成膜時の下地となるシード層を介在させることで第1の圧電層5aの結晶性を向上させてもよい。シード層の材料としては、たとえば、導電性酸化物材料の一種であるPLT((Pb,La)TiO)、PTO(PbTiO)やSRO(SrRuO)などが挙げられる。
また、第1の金属膜24aは、Pt膜に限らず、たとえば、Al膜やAl−Si膜でもよいし、Au膜と該Au膜と絶縁膜12eとの間に介在させる密着性改善用の密着膜としてTi膜を備えた構成してもよい。ここで、図示していない密着膜の材料は、Tiに限らず、たとえば、Cr、Nb、Zr、TiNやTaNなどを用いてもよい。
次に、圧電膜形成工程後、第1の圧電膜25aをフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して所定の形状にパターニングすることで第1の圧電膜25aの一部からなる第1の圧電層5aを形成する圧電膜パターニング工程を行う(図3(c)を参照)。
その後、第1の金属膜24aをフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して所定の形状にパターニングすることで、第1の金属膜24aの一部からなる下部電極4a、接続配線6aおよび下部電極用パッド7aをそれぞれ形成する金属膜パターニング工程を行う(図4(a)を参照)。なお、本実施形態の振動発電素子10の製造方法では、金属膜パターニング工程で第1の金属膜24aをパターニングすることによって、下部電極4aと併せて接続配線6aおよび下部電極用パッド7aを同時に形成している。ここで、下部電極4a、接続配線6aおよび下部電極用パッド7aは、金属膜パターニング工程で第1の金属膜24aをパターニングすることで、全てを同時に形成するものだけでなく、下部電極4aのみを形成してもよい。この場合、下部電極4aを形成後、接続配線6aおよび下部電極用パッド7aを別途に形成する配線形成工程を設ければよい。同様に、接続配線6aを形成する接続配線形成工程と、下部電極用パッド7aを形成する下部電極用パッド形成工程とを別々に設けてもよい。なお、第1の金属膜24aのエッチングにあたっては、たとえば、RIE法やイオンミリング法などを適宜に採用すれることができる。
金属膜パターニング工程により、下部電極4a、接続配線6a、および下部電極用パッド7aを形成した後、素子形成基板11の上記一表面側に第1の絶縁層8aを形成する第1の絶縁層形成工程を行う(図4(b)を参照)。第1の絶縁層形成工程では、第1の圧電層5aが形成された素子形成基板11の上記一表面側にレジスト膜を塗布した後、該レジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする。続いて、素子形成基板11の上記一表面側の全面に絶縁膜をCVD法などにより成膜した後、レジスト膜を剥離するリフトオフ法を利用することで第1の絶縁層8aを形成している。第1の絶縁層形成工程では、第1の絶縁層8aを形成させるために、リフトオフ法を用いるだけに限られずフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすればよい。
次に、中間電極4bを形成する中間電極形成工程は、第1の絶縁層8aの形成を行った素子形成基板11の上記一表面側にレジスト膜を塗布した後、該レジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする。続いて、金属膜を蒸着して、レジスト膜を剥離するリフトオフ法を行うことにより、中間電極4bと併せて接続配線6bおよび中間電極用パッド7bを形成させて中間電極形成工程を行う(図4(c)を参照)。なお、中間電極4bは、EB蒸着法やスパッタ法やCVD法などの薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術を利用して形成する中間電極形成工程により、接続配線6bおよび中間電極用パッド7bと同時に形成させてもよい。また、本実施形態の振動発電素子10の製造方法では、中間電極形成工程において、中間電極4bと併せて接続配線6bおよび中間電極用パッド7bを形成しているが、これに限らず、中間電極形成工程と配線形成工程とを別々に行うようにしてもよい。また、配線形成工程は、接続配線6bを形成する接続配線形成工程と、中間電極用パッド7bを形成する中間電極用パッド形成工程とを別々に行ってもよい。
上述のようにして中間電極4b、接続配線6b、中間電極用パッド7bを形成した後、素子形成基板11の中間電極4b上に圧電材料(たとえば、PZTなど)からなる第2の圧電層5bを形成させる第2の圧電層形成工程を行う(図5(a)を参照)。第2の圧電層5bは、たとえば、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法や転写法を利用して圧電膜を形成させたのち、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術を利用して形成することができる。
ここで、第2の圧電層5bを転写法で形成するためには、予め、図示しない第2の圧電膜形成用基板の一表面上にスパッタ法、CVD法やゾルゲル法などを用いて強誘電体薄膜からなる第2の圧電膜を成膜させておく。次に、第2の圧電膜形成用基板の第2の圧電膜と、素子形成基板11に形成された中間電極4bとを対向配置させた状態で、透光性の第2の圧電膜形成用基板の他表面側からレーザ光を照射させる。レーザ光は、第2の圧電膜形成用基板と、第2の圧電膜との界面で吸収するように照射させる。これにより、第2の圧電膜形成用基板から第2の圧電膜の一部が剥離される。また、剥離した第2の圧電膜は、素子形成基板11の中間電極4b側に転写されて第2の圧電層5bとなる。レーザ光の照射する領域を制御することで、第2の圧電膜を平面視において中間電極4d上で中間電極4dの外形よりも小さい形状に転写することができる。
なお、第2の圧電膜形成用基板は、ベース基板1よりも第2の圧電層5bの基礎となる第2の圧電膜との格子定数差が小さく、格子整合性のよい基板を用いることが好ましい。たとえば、第2の圧電膜の材料としてPZTを用いた場合、第2の圧電膜形成用基板としては、単結晶MgO基板や単結晶STO(SrTiO)基板などを用いることができる。また、第2の圧電膜形成用基板から第2の圧電膜の一部を転写させるレーザ光は、たとえば、KrFエキシマレーザから照射させることができる。また、第2の圧電膜形成用基板と、第2の圧電膜との間に、第2の圧電膜の結晶配向を制御するためのPLT、PTOやSROなどのシード層を設けてもよい。シード層は、第2の圧電膜の一部を剥離するに際し、第2の圧電膜の転写時にレーザ光を吸収させて除去される犠牲層として利用することもできる。第2の圧電膜の転写に伴い第2の圧電膜形成用基板の不要な破片が素子形成基板11側に付着した場合は、適宜エッチャントにより除去してもよい。
このような別途に形成させた圧電膜を転写して圧電層を形成する転写法を用いることにより、振動発電素子10の製造時間を短縮させることが可能となる。すなわち、第1の圧電層5aと第2の圧電層5bとを順番に成膜して振動発電素子10を製造する方法と比較して、圧電膜の形成に時間のかかる圧電膜形成工程を第1の圧電層5aと第2の圧電層5bとで別途に並行して行うことができる。
上述の転写法を用いた第2の圧電層形成工程後、素子形成基板11の上記一表面側に第2の圧電層5bの一部が露出した第2の絶縁層8bを形成する第2の絶縁層形成工程を行う(図5(b)を参照)。第2の絶縁層形成工程では、第2の圧電層5bが形成された素子形成基板11の上記一表面側にレジスト膜を塗布した後、該レジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする。続いて、素子形成基板11の上記一表面側の全面に絶縁膜をCVD法などにより成膜した後、レジスト膜を剥離するリフトオフ法を利用することで第2の絶縁層8bを形成している。第2の絶縁層形成工程では、第2の絶縁層8bを形成させるために、リフトオフ法を用いるだけに限られずフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすればよい。
次に、上部電極4cは、第2の圧電層5bを被覆する第2の絶縁層8bが形成された素子形成基板11の上記一表面側にレジスト膜を塗布した後、レジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする。続いて、金属膜を蒸着して、レジスト膜を剥離することにより、上部電極4cと併せて接続配線6cおよび上部電極用パッド7cを形成させている(図5(c)を参照)。なお、上部電極4cは、EB蒸着法、スパッタ法やCVD法などの薄膜形成技術、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術を利用して形成する上部電極形成工程により、接続配線6cおよび上部電極用パッド7cと同時に形成させている。
本実施形態の振動発電素子10の製造方法では、上部電極形成工程において、上部電極4cと併せて接続配線6cおよび上部電極用パッド7cを形成しているが、これに限らず、上部電極形成工程と配線形成工程とを別々に行うようにしてもよい。また、配線形成工程についても、接続配線6cを形成する接続配線形成工程と上部電極用パッド7cを形成する上部電極用パッド形成工程とを別々に行ってもよい。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して、素子形成基板11を加工することで、支持部2aおよびカンチレバー部2bを備えたベース基板1を形成する素子形成基板加工工程を行う。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して、素子形成基板11の上記一表面側から支持部2a、カンチレバー部2bおよび錘部2cとなる部位以外の絶縁膜12eをBHFなどによりエッチングする。これにより、素子形成基板11のシリコン層12dを露出させる表面絶縁膜除去工程を行う(図6(a)を参照)。
次に、RIE法により、素子形成基板11における上記一表面側の絶縁膜12eを除去した部位のシリコン層12dをエッチングにより除去する。これにより、埋込酸化膜12cを露出させて貫通孔1dの一部となる表面溝を形成する表面溝形成工程を行う(図6(b)を参照)。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用し、素子形成基板11の上記他表面側から支持部2a、カンチレバー部2bおよび錘部2cとなる部位以外の絶縁膜12aをBHFなどを用いてエッチングする。これにより、絶縁膜12aの一部を除去して単結晶シリコン基板12bを露出させる(図6(c)を参照)。
絶縁膜12aの一部を除去した後、素子形成基板11の上記他表面側から絶縁膜12aを除去した部位をDeep−RIE法により、埋込酸化膜12cに達する所定深さまで素子形成基板11をエッチングする。これにより、素子形成基板11における他表面側の埋込酸化膜12cを露出させて、貫通孔1dの一部となる裏面構を形成する裏面構形成工程を行う(図7(a)を参照)。裏面構形成工程は、裏面構を形成すると同時に素子形成基板11の他表面側に窪み部1cを形成している。
続いて、埋込酸化膜12cの不要部分をRIE法によるエッチングにより除去して、表面溝と裏面溝とを連通させた貫通孔1dを形成させる酸化膜エッチング工程とを行う(図7(b)を参照)。これにより、カンチレバー部2bと併せて錘部2cが形成された振動発電素子10を製造することができる。本実施形態の振動発電素子10では、貫通孔1dを形成することにより、カンチレバー部2bを介して支持部2aと対向する側に錘部2cを備え、錘部2cが貫通孔1dを介して支持部2aから延在するC字状のフレーム部2dの内側に囲まれて配置される構成となる。
本実施形態の振動発電素子10は、カンチレバー部2bを介して支持部2aと対向する側に錘部2cを備えているので、錘部2cを有していない場合に比べて、発電量を大きくすることができる。なお、振動発電素子10は、支持部2aに揺動自在に支持するカンチレバー部2bを備えていればよく、必ずしも錘部2cやフレーム部2dを形成させる必要もない。したがって、振動発電素子10は、カンチレバー部2bを備えていれば、貫通孔1dを形成する酸化膜エッチング工程を省略することもできる。また、振動発電素子10は、素子形成基板加工工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、個々の振動発電素子10に分割するダイシンク工程を行うことで、複数個の振動発電素子10を量産性よく形成することができる。
なお、図1に示した振動発電素子10は、基本的にベース基板1と発電部3とで構成されているが、ベース基板1の一表面1b側において支持部2aやフレーム部2dに固着させた図示しない第1のカバー基板と、ベース基板1の他表面1a側において支持部2aやフレーム部2dに固着させた図示しない第2のカバー基板とを設けてもよい。
たとえば、第1のカバー基板は、ベース基板1側の一表面1bに、カンチレバー部2bおよび錘部2cが揺動する変位空間をベース基板1との間に形成するための凹所を備えたガラス基板やシリコン基板を用いればよい。
なお、第1のカバー基板は、ベース基板1の下部電極用パッド7a、中間電極用パッド7bおよび上部電極用パッド7cとそれぞれ接合されて外部に出力可能な連絡用電極を適宜に備えればよい。
また、第2のカバー基板は、ベース基板1側の他表面1aに、カンチレバー部2bおよび錘部2cが揺動する変位空間をベース基板1との間に形成するための凹所を備えたガラス基板やシリコン基板を用いればよい。ここで、ベース基板1と第1および第2のカバー基板とは、たとえば、常温接合法、エポキシ樹脂などを用いた樹脂接合法や陽極接合法などにより接合することで形成することができる。
なお、第1および第2のカバー基板を備えた振動発電素子10を製造するためには、ベース基板1を形成した後、各カバー基板を接合するカバー接合工程を行うようにすればよく、カバー接合工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の振動発電素子10に分割すればよい。
以上説明した本実施形態の振動発電素子10では、下部電極4aと、中間電極4bとの間に高電界を印加することで、強誘電体薄膜を用いた第1の圧電層5aの分極処理を行うことができる。また、本実施形態の振動発電素子10は、強誘電体薄膜を用いた第1の圧電層5a内の分極の向きに、ずれが生じたときでも、分極処理により第1の圧電層5a内の分極の向きを揃えることができる。同様に、本実施形態の振動発電素子10は、第1の圧電層5aの分極の向きとカンチレバー部2bの揺動方向との間に、ずれが生じたときでも、分極処理により第1の圧電層5aの分極の向きを揺動方向に揃えることができる。そのため、本実施形態の振動発電素子10は、第1の圧電層5a内の分極の向きや、第1の圧電層5aの分極の向きとカンチレバー部2bの揺動方向との間でずれが生じることにより、発電効率が低下することを抑制することが可能となる。
同様に、本実施形態の振動発電素子10は、中間電極4bと、上部電極4cとの間に高電界を印加することで、強誘電体薄膜を用いた第2の圧電層5bの分極処理を行うことができる。また、本実施形態の振動発電素子10は、強誘電体薄膜を用いた第2の圧電層5b内の分極の向きに、ずれが生じたときでも、分極処理により第2の圧電層5b内の分極の向きを揃えることができる。同様に、本実施形態の振動発電素子10は、第2の圧電層5bの分極の向きとカンチレバー部2bの揺動方向との間に、ずれが生じたときでも、分極処理により第2の圧電層5bの分極の向きを揺動方向に揃えることができる。そのため、本実施形態の振動発電素子10は、第2の圧電層5bにおける分極の向きとカンチレバー部2bの揺動方向との間でずれが生じることにより、発電効率が低下することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態の振動発電素子10は、強誘電薄膜を用いた第1の圧電層5aおよび強誘電薄膜を用いた第2の圧電層5bに対し、下部電極4aと中間電極4bとの間、中間電極4bと上部電極4cとの間に高電界を印加する分極処理をそれぞれ行うことができる。これにより、第1の圧電層5aにおける分極の向きと、第2の圧電層5bにおける分極の向きとは、発電部3の厚み方向において同一方向に揃えることが可能となる。本実施形態の振動発電素子10を備えた振動発電装置20は、振動発電素子10における第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bの分極による向きを揃えることで、カンチレバー部2bが揺動している時に振動発電素子10から出力された交流電力を全波整流して直流電力とすることが可能となる。
このように形成された本実施形態の振動発電素子10は、中間電極4bを第1の圧電層5aと第2の圧電層5bとの間に挟んでいるため、カンチレバー部2bの揺動時に第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bに掛かる応力を緩和することが可能となる。そのため、本実施形態の振動発電素子10は、第1の圧電層5aや第2の圧電層5bがカンチレバー部2bの揺動に伴いクラックなどが生ずることを抑制しつつ、発電部3における圧電層である第1の圧電層5aおよび第2の圧電層5bのトータルの膜厚を増加させて、より出力電力を大きくすることが可能となる。すなわち、本実施形態の振動発電素子10は、出力電力がより高く小型化することが可能になる。
1 ベース基板
1b 一表面
2a 支持部
2b カンチレバー部
3 発電部
4a 下部電極
4b 中間電極
4c 上部電極
5a 第1の圧電層
5b 第2の圧電層
10 振動発電素子
20 振動発電装置
D2 整流器(二相全波整流回路部)

Claims (4)

  1. 支持部と該支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部とを備えたベース基板と、前記カンチレバー部に形成され前記カンチレバー部の振動に応じて交流電力を発生する発電部とを備えた振動発電素子であって、前記発電部は、前記ベース基板の一表面側において前記カンチレバー部に重なる部位に形成された下部電極と、該下部電極における前記カンチレバー部側とは反対側に形成された第1の圧電層と、該第1の圧電層における前記下部電極側とは反対側に形成された中間電極と、該中間電極における前記第1の圧電層とは反対側に形成された第2の圧電層と、該第2の圧電層における前記中間電極とは反対側に形成された上部電極とを有することを特徴とする振動発電素子。
  2. 前記第1の圧電層および前記第2の圧電層は、それぞれ強誘電体薄膜であることを特徴とする請求項1記載の振動発電素子。
  3. 前記第1の圧電層における分極の向きと、前記第2の圧電層における分極の向きとは、前記発電部の厚み方向において同一方向であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動発電素子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の振動発電素子と、該振動発電素子の前記中間電極を共通電極にして前記上部電極および前記下部電極から出力される二相交流を整流する二相全波整流回路部とを備えたことを特徴とする振動発電装置。
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