JP2012080478A - クロック発生器、電子機器、及びクロックを発生するための制御方法 - Google Patents

クロック発生器、電子機器、及びクロックを発生するための制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数変調機能をオフした際のロックアップタイムを短縮することが可能なクロック発生器、及びクロック発生器の制御方法、並びに電子機器を提供すること。
【解決手段】周波数変調機能を有するクロック発生器で、リファレンスクロックを元にフィードバック制御を加えて、位相の同期した出力クロックを出力する位相同期ループと、出力クロックの周波数を変動させる変調制御回路と、を備え、変調制御回路は、周波数変調機能がオフされた際に、出力クロックの周波数を所望の周波数へ収束させるタイミングを速くする構成とする。
【選択図】図9

Description

本願は、クロック発生器、電子機器、及びクロックを発生するための制御方法に関する。
クロック発生器が単一の周波数を発生すると、クロック発生器から出力されるクロックに応答して動作する電子機器においてクロックの周波数及びその高調波での輻射(電源ノイズ、EMI(Electro Magnetic Interference))が大きくなる。スペクトラム拡散クロック発生器(Spread Spectrum Clock Generator、以下、SSCGと表記する。)は、出力するクロックの周波数をわずかに変動させる周波数変調を行うことによって、輻射されるノイズのピークを低く抑える働きをする。
図1は、従来のSSCGの一例を示す。図1のSSCGは、1/N分周器DIV1、周波数位相比較器(Phase Frequency Detector)PFD、チャージポンプCP、ループフィルタLF、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator)VCO、1/M分周器DIV2を含む位相同期ループ(Phase Locked Loop、以下、PLLと表記する。)と、変調制御回路CONTとを備える。この例で電圧制御発振器VCOは、V−I変換器CONVと、電流D/AコンバータIDACと、電流制御発振器ICOとを有する。また、変調制御回路CONTは、図2に示されるように、リファレンスクロックを分周してカウントクロックを出力するプリスケーラ1と、カウントクロックに従ってカウント動作を行い、変調パターンを発生するUp−downカウンタ2とを有する。
図3は、図1のSSCG及び図2の変調制御回路CONTに関して、変調動作例を示す波形図である。図3(A)に示されるように、変調制御回路CONTから出力される変調パターンは、最大値と最小値との間で周期的に変化する。これに伴って、図1の電流D/AコンバータIDACは図1のV−I変換器CONVからの出力に応じた電流に変調に応じた電流を演算した電流を出力するので、図3(B)に示されるように、電流D/AコンバータIDACの出力電流が基準値を中心に最大値と最小値との間で変化する。その結果、図3(C)に示されるように、電流制御発振器ICOから出力されるSSCGの出力周波数は、例えば±1.0%の範囲で変調される。これにより、図3(D)に示されるように、スペクトラムが拡散され、EMIが低減する。このように、図1のSSCGは、電流D/AコンバータIDACを用いたデジタル制御により周波数変調を行う。
図1のSSCGは、変調イネーブル信号に従って周波数変調機能のオンオフを切り替える。この例で変調イネーブル信号は、変調制御回路CONTと電流D/AコンバータIDACとに入力される。変調制御回路CONTにおいて変調イネーブル信号は、プリスケーラ1に入力される(図2参照)。
図4は、図1のSSCG及び図2の変調制御回路CONTに関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。図4(A)、(B)に示されるように、変調イネーブル信号により周波数変調機能がオフされると、電流D/AコンバータIDACは変調のための電流演算を止める。その結果、図1の電流D/AコンバータIDACの出力電流が、図1のV−I変換器CONVからの出力に応じた電流と、周波数変調機能がオフした時の変調パターンに応じた電流との差分だけ急激に変わることにより、図4(C)に示されるように、SSCGの出力周波数は大きく変化する。このように、図1のSSCGは、周波数変調機能のオンオフ切替に伴い、急激な出力周波数の変化を引き起こしてしまう。
また、図5(A)、(B)に示されるように、変調イネーブル信号がLレベルになっても、電流D/AコンバータIDACは変調のための電流演算をすぐには止めず、基準値まで戻ったところで停止する。これにより、図5(C)に示されるように、周波数変調機能のオンオフ切替時における出力周波数の過渡的な変化が抑えられる(例えば、特許文献1)。
特開2007−233968号公報
周波数変調機能をオフした際に出力周波数を変調するための電流を止めると、クロック発生器での位相比較結果に応じた電流と出力周波数を変調するための電流との差分だけ出力周波数が変化し、その後、出力周波数が所望の周波数へ収束するまでのロックアップタイムが長くなる。周波数変調機能をオフした際に出力周波数を変調するための電流が基準値に達してから止めると、出力が所望の周波数になるまで待機する時間だけロックアップタイムが長くなる。
本願は、周波数変調機能をオフした際のロックアップタイムを短縮することが可能なクロック発生器、電子機器、及びクロックを発生するための制御方法を提供することを目的とする。
本願に開示されているクロック発生器は、周波数変調機能を有するクロック発生器である。出力クロックの周波数を制御する周波数制御回路と、出力クロックの周波数の設定値を所定の周期毎に切り替える変調制御回路とを備えている。変調制御回路は、周波数変調機能のオフの指令に応答して、所定の周期を短くし又は設定値の変移の方向を設定値が所望周波数に対応する値に近づく方向に切り替え、設定値が所望周波数に対応する値になると設定値の切り替えを停止する。
開示のクロック発生器、電子機器、及びクロックを発生するための制御方法によれば、周波数変調機能をオフした際のロックアップタイムを短縮することができる。
従来のSSCGの一例を示す図である。 従来のSSCGの変調制御回路の一例を示す図である。 図1のSSCG及び図2の変調制御回路に関して、変調動作例を示す波形図である。 図1のSSCG及び図2の変調制御回路に関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。 従来のSSCGの動作例を示す波形図である。 第1実施形態の回路ブロック図である。 変調制御回路の第1具体例を示す回路ブロック図である。 図6のSSCG及び図7の変調制御回路に関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。 図6のSSCG及び図7の変調制御回路に関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。 変調制御回路の第2具体例を示す回路ブロック図である。 図6のSSCG及び図10の変調制御回路に関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。 図6のSSCG及び図10の変調制御回路に関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。 第2実施形態の回路ブロック図である。 図13のSSCGに関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の変形例を示す回路ブロック図である。
図6は、第1実施形態の回路ブロック図である。本実施形態のSSCGは、PLLと変調制御回路CONTとを備える。まず、PLLについて説明する。リファレンスクロックは、例えば、水晶振動子の発振に基づく固有周波数の発振信号である。1/N分周器DIV1は、入力されたリファレンスクロックを分周比Nで分周し、周波数位相比較器PFDに出力する。また、1/M分周器DIV2は、SSCGの出力を分周比Mで分周し、周波数位相比較器PFDに出力する。周波数位相比較器PFDは、1/N分周器DIV1の出力と1/M分周器DIV2の出力との位相差を検出し、その位相差に応じたパルス幅の位相差信号を出力する。チャージポンプCPは、位相差信号に応答して、ループフィルタLFに対して正又は負の位相差電流を供給する。正の位相差電流はチャージポンプCPからループフィルタLFに向かって流れる電流であり、負の位相差電流はループフィルタLFからチャージポンプCPに向かって流れる電流である。ループフィルタLFは、チャージポンプCPが出力する位相差電流に応じた制御電圧を生成する。その制御電圧は、電圧制御発振器VCOに供給される。本実施形態において電圧制御発振器VCOは、V−I変換器CONVと、電流D/AコンバータIDACと、電流制御発振器ICOとを有する。
1/N分周器DIV1の出力と1/M分周器DIV2の出力との位相差に応じてループフィルタLFにより生成される制御電圧は、電圧制御発振器VCOに供給され、V−I変換器CONVで電流に変換される。この電流に後述する変調制御回路CONTから出力される変調パターンを出力する電流が加算されて電流D/AコンバータIDACに入力される。電流D/AコンバータIDACでは、電流加算の上、必要に応じてゲインが決定される。電流D/AコンバータIDACから出力される電流は電流制御発振器ICOで周波数に変換される。変調パターンの基準となる基準電流が加算される場合、電流制御発振器ICOから所望の周波数のクロックが出力される。出力されるクロックの周波数は、変調パターンにより所定周期で周波数変調される、いわゆるスペクトラム拡散されたクロックとなる。
続いて、変調制御回路CONTについて説明する。図7は、変調制御回路CONTの第1具体例を示す回路ブロック図である。本具体例の変調制御回路CONTは、リファレンスクロックを分周してカウントクロックを出力するプリスケーラ1Aと、カウントクロックに従ってカウント動作を行い、変調パターンを発生するUp−downカウンタ2Aとに加えて、制御回路3Aを有する。制御回路3Aには、変調イネーブル信号、カウントクロック、及びUp−downカウンタ2Aが発生する変調パターンが入力される。制御回路3Aは、これらの入力に基づいて、プリスケーラ1Aの動作/停止/分周比切替を制御する。プリスケーラ1Aの動作/停止を制御するプリスケーラ動作/停止信号およびプリスケーラ1Aの分周比を切り替える分周比切替信号を出力する。
制御回路3Aは、変調イネーブル信号により変調動作を許可する指令を受けると、プリスケーラ1Aに対してプリスケーラ動作/停止信号を出力する。これにより、プリスケーラ1Aは動作を開始する。この場合、分周比切替信号は出力されない。これにより、所定周期で変動するカウントクロックを出力する。カウントクロックは、Up−downカウンタ2Aに入力されカウントされる。Up−downカウンタ2Aは、例えば“011”を中心とし最大値“110”と最小値“000”と間を往復して、カウントクロックごとに、カウントアップあるいはカウントダウンのカウント動作を行なう。
ここで、“011”の設定時に、変調パターンの基準値である基準電流がUp−downカウンタ2Aから出力される。“011”が変調の中心値である。
制御回路3Aは、変調イネーブル信号により変調動作を不許可にする指令を受けると、プリスケーラ1Aに対して分周比切替信号を出力し、分周比が小さな値に切り替えられる。これにより、所定周期より短周期でカウントクロックを出力する。カウントクロックの値は制御回路3Aに入力されている。制御回路3Aは、カウントクロックのカウント値が、最大値“110”あるいは最小値“000”を経て中心値“011”に至ることを検出してプリスケーラ動作/停止信号を出力する。これにより、プリスケーラ1Aは動作を停止する。
本具体例の変調制御回路CONTの動作の一例を、図8を参照して具体的に説明する。図8は、図6のSSCG及び図7の変調制御回路CONTに関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。図8に示されるように、変調イネーブル信号がHレベルからLレベルになると、制御回路3Aは、カウントクロックに同期して、プリスケーラ1Aの分周比を切り替える分周比切替信号をLレベルからHレベルにする。分周比切替信号がHレベルになると、プリスケーラ1Aは、分周比を小さくする。
図7のUp−downカウンタ2Aが発生する変調パターンの値は、カウントクロックに応答する毎に、例えば中心値“011”を中心とした最大値“110”と最小値“000”と間の設定値で切り替わる。この変調パターンが図6の電流D/AコンバータIDACに入力され、図10に示すように、延長パターンと連動したIDAC電流の電流波形に変換される。分周比切替信号がHレベルになり、プリスケーラ1Aの分周比を小さくなると、カウントクロックの周期が短くなる。従って、分周比切替信号がHレベルになると、分周比切替信号がHレベルになる前と比較して、変調パターンの切り替わる頻度が大きくなる。
制御回路3Aは、外部のコントローラ等から発せられる指令信号である変調イネーブル信号がLレベルの状態において変調パターンの値が中心値“011”になった時点で、分周比切替信号をLレベルに戻すとともに、プリスケーラ動作/停止信号をHレベルからLレベルにしてプリスケーラ1Aを停止する。これにより、プリスケーラ1Aは、カウントクロックの出力動作を停止する。そのため、Up−downカウンタ2Aが発生する変調パターンは、中心値“011”で変化しなくなる。したがって、電流D/AコンバータIDACの出力電流は、基準値で変化しなくなる。 従って、図7の変調制御回路の動作により、分周比切替信号をHレベルにしてプリスケーラ1Aの分周比を小さくしてカウントクロックの周期が短くすることで、変調パターンの切り替わりを早くすることで変調パターンの値が中心値“011”に速やかに収束させることができるので、周波数変調機能がオフされてから図6のPLLの出力が所望の周波数になるまでのロックアップタイムが小さい。
その後、再び変調イネーブル信号がLレベルからHレベルになると、制御回路3Aは、プリスケーラ動作/停止信号をHレベルに戻す。これにより、プリスケーラ1Aは、カウントクロックの出力動作を再開する。
図9は、図6のSSCG及び図7の変調制御回路CONTに関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。図9(A)、(B)に示されるように、変調イネーブル信号により周波数変調機能がオフされると、電流D/AコンバータIDACは、出力電流が基準値まで戻るのを早めるために変調周波数を上げるよう、変調制御回路CONTによって制御される。そして、電流D/AコンバータIDACは、出力電流が基準値まで戻ったところで変調動作を停止する。これにより、図5のケース(破線)に比べて、電流D/AコンバータIDACの出力電流が速く基準値に戻るとともに、基準値からのずれ分の面積が小さくなる。PLLは、所望の周波数からの出力周波数のずれをループフィルタLFでの積分により記憶しているため、積分された周波数のずれを打ち消すようにフィードバック制御がかかり、出力の周波数が変わる。従って、図7の変調制御回路により、図9(B)の実線で示すようにIDACの電流波形と基準値とで囲まれる面積が小さくなることで積分された周波数のずれを打ち消す分が減るのでその結果、図9(C)に示されるように、周波数変調機能のオンからオフへの切替時における出力周波数の急激な変化が抑えられるとともに、図5のケース(破線)と比較すると所望の周波数へ収束するまでのロックアップタイムを短縮することができる。このように、図6に示した第1実施形態のSSCG及び図7に示した変調制御回路CONTの第1具体例によれば、周波数変調機能をオフした際、変調周波数を上げて、所望の周波数へ早く到達することができる。
図10は、変調制御回路CONTの第2具体例を示す回路ブロック図である。本具体例の変調制御回路CONTは、リファレンスクロックを分周してカウントクロックを出力するプリスケーラ1Bと、カウントクロックに従ってカウント動作を行い、変調パターンを発生するUp−downカウンタ2Bとに加えて、制御回路3Bを有する。制御回路3Bには、変調イネーブル信号、及びUp−downカウンタ2Bが発生する変調パターンが入力される。制御回路3Bは、これらの入力に基づいて、プリスケーラ1Bの動作/停止を指令するプリスケーラ動作/停止信号、及びUp−downカウンタ2Bのカウント方向を切り替えるup/down切替信号を出力する。
制御回路3Bは、変調イネーブル信号により変調動作を許可する指令を受けると、プリスケーラ1Bに対してプリスケーラ動作/停止信号を出力する。これにより、プリスケーラ1Aは動作を開始する。カウントクロックは、Up−downカウンタ2Bに入力されカウントされる。Up−downカウンタ2Bは、例えば中心値“011”を中心とし最大値“110”と最小値“000”と間を往復して、カウントクロックごとに、カウントアップあるいはカウントダウンのカウント動作を行なう。カウントクロックの値は制御回路3Bに入力されている。制御回路3Bは、カウントクロックのカウント値が、最大値“110”あるいは最小値“000”に至ることを検出する。これにより、制御回路3Bはup/down切替信号を出力する。これにより、プリスケーラ1Aはカウント方向を切り替える。
制御回路3Bは、変調イネーブル信号により変調動作を不許可にする指令を受けると、Up−downカウンタ2Bに対してup/down切替信号を出力しカウントクロックの値に応じてUp−downカウンタ2Bのカウント方向を切り替える。これにより、Up−downカウンタ2Bは、カウントアップ動作時の場合にはカウント値が中心値“011”を越えていれば最大値“110”に至ることなくカウント方向をダウンカウントに切り替え、カウントダウン動作時の場合にはカウント値が中心値“011”を下回っていれば最小値“000”に至ることなくカウント方向をアップカウントに切り替える。変調パターンは制御回路3Bに入力されている。制御回路3Bは、変調パターンが基準値を示す中心値“011”に至ることを検出してプリスケーラ動作/停止信号を出力する。これにより、プリスケーラ1Aは動作を停止する。
本具体例の変調制御回路CONTの動作の一例を、図11を参照して具体的に説明する。図11は、図6のSSCG及び図10の変調制御回路CONTに関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。図11に示されるように、変調イネーブル信号がHレベルからLレベルになると、制御回路3Bは、Up−downカウンタ2Bのup/downを切り替えるup/down切替信号をLレベルからHレベルにする。up/down切替信号のHレベルへの変化に応答して、Up−downカウンタ2Bはカウント方向を切り替える。アップカウント動作時の場合、変調パターンを発生するためのカウンタ値が中心値“011”より大きいとダウンカウントに切り替わり、カウンタ値が中心値“011”より小さいとアップカウント動作が維持される。ダウンカウント動作時の場合、変調パターンを発生するためのカウンタ値が中心値“011”より小さいとアップカウントに切り替わり、カウンタ値が中心値“011”より大きいとダウンカウント動作が維持される。
この例では、up/down切替信号がHレベル変化した時のカウンタ値が“101”であり、中心値“011”より大きいので、Up−downカウンタ2Bのカウント動作は、ダウンカウントに切り替わる。そして、制御回路3Bは、変調イネーブル信号がLレベルの状態において変調パターンの値が中心値“011”になった時点で、up/down切替信号をLレベルに戻すとともに、プリスケーラ動作/停止信号をHレベルからLレベルにしてプリスケーラ1Bを停止する。これにより、プリスケーラ1Bは、カウントクロックの出力動作を停止する。そのため、Up−downカウンタ2Bが発生する変調パターンは、中心値“011”で変化しなくなる。したがって、電流D/AコンバータIDACの出力電流は、基準値で変化しなくなる。その後、再び変調イネーブル信号がLレベルからHレベルになると、制御回路3Bは、プリスケーラ動作/停止信号をHレベルに戻す。これにより、プリスケーラ1Bは、カウントクロックの出力動作を再開する。この場合、up/down切替信号はLレベルであるため、アップカウント動作が開始される。
図12は、図6のSSCG及び図10の変調制御回路CONTに関して、周波数変調機能をオンからオフに切り替えたときの動作例を示す波形図である。図12(A)、(B)に示されるように、変調イネーブル信号により周波数変調機能がオフされると、電流D/AコンバータIDACは、出力電流が基準値まで戻るのを早めるためにすぐに基準値に向かうよう、変調制御回路CONTによって制御される。そして、電流D/AコンバータIDACは、出力電流が基準値まで戻ったところで変調動作を停止する。これにより、図5のケース(破線)に比べて、電流D/AコンバータIDACの出力電流が速く基準値に戻るとともに、基準値からのずれ分の面積が小さくなる。PLLは、所望の周波数からの出力周波数のずれをループフィルタLFでの積分により記憶しているため、基準値からのずれ分の面積が小さくなることで収束までの時間が早まる。その結果、図12(C)に示されるように、周波数変調機能のオンからオフへの切替時における出力周波数の急激な変化が抑えられるとともに、図5のケース(破線)と比較すると所望の周波数へ収束するまでのロックアップタイムを短縮することができる。このように、図6に示した第1実施形態のSSCG及び図10に示した変調制御回路CONTの第2具体例によれば、周波数変調機能をオフした際、変調動作を切り替えて、すぐに所望の周波数へ向かうことができる。
図13は、第2実施形態の回路ブロック図である。本実施形態のSSCGは、PLLと変調制御回路CONTとに加えて、制御回路3Cを備える。PLLについては、図6に示した第1実施形態と同様なため説明を省略する。また、変調制御回路CONTは、プリスケーラとUp−downカウンタとを有する。プリスケーラは、リファレンスクロックを分周してカウントクロックを出力する。Up−downカウンタは、プリスケーラから出力されるカウントクロックに従ってカウント動作を行い、変調パターンを発生する。
変調パターンは、リファレンスクロックを分周したカウントクロックをUp−downカウンタがカウントすることにより生成される。例えば、“011”を中心に最大値“110”と最小値“000”との間を往復しながらアップカウントとダウンカウントとを繰り返すことで変調パターンが生成される。この変調パターンが図13の電流D/AコンバータIDACに入力され、V−I編喚起CONVから出力される電流に加算される。
また、変調制御回路CONTは、第1実施形態の第1具体例(図7)または第2具体例(図10)に例示した変調制御回路CONTとすることもできる。第1具体例(図7)を適用すれば、制御回路3Aが変調イネーブル信号により変調動作の不許可指令を受けると、プリスケーラ1Aに対して分周比切替信号を出力し、分周比が小さな値に切り替えられ、所定周期より短周期でカウントクロックが出力される。カウントクロックのカウント値が、最大値“110”あるいは最小値“000”を経て中心値“011”に至ることを検出してプリスケーラ動作/停止信号を出力し、プリスケーラ1Aが動作を停止する。また、第2具体例(図10)を適用すれば、制御回路3Bが変調イネーブル信号により変調動作の不許可指令を受けると、Up−downカウンタ2Bに対してup/down切替信号を出力しカウントクロックの値に応じてUp−downカウンタ2Bのカウント方向を切り替える。これにより、Up−downカウンタ2Bは、カウントアップ動作時の場合にはカウント値が中心値“011”を越えていれば最大値“110”に至ることなくカウント方向をダウンカウントに切り替え、カウントダウン動作時の場合にはカウント値が中心値“011”を下回っていれば最小値“000”に至ることなくカウント方向をアップカウントに切り替える。カウント値を迅速に中心値“011”に戻しプリスケーラ1Aは動作を停止する。
ここで、第2実施形態では、変調イネーブル信号は制御回路3Cに入力され、変調制御回路CONTには変調イネーブル信号に代えて制御回路3Cが出力する変調動作の動作/停止を制御する信号が入力される。
続いて、制御回路3Cについて説明する。制御回路3Cには、変調イネーブル信号、及び変調制御回路CONTから出力される変調パターンが入力される。制御回路3Cは、これらの入力に基づいて、変調制御回路CONTの変調動作の動作/停止、1/N分周器DIV1と1/M分周器DIV2の分周比切替、及びチャージポンプCPの電流値切替を制御する。
ここで、PLLがロックするまでの特性、すなわち、出力周波数に変動があったときに正そうとする際の収束の速さを示すパラメータとして、PLLにおける自然周波数ωnがある。PLLにおける自然周波数ωnは、以下の式(1)で求められる。
ωn=((Kν×I)/(2π×M×C))1/2 …(1)
式(1)において、Kνは電圧制御発振器VCOのゲイン、IはチャージポンプCPが出力する位相差電流、Mはフィードバック分周器である1/M分周器DIV2の分周比、CはループフィルタLFの容量である。一般に、SSCGでは、単純なPLLと比較して、出力に変調動作が現れるよう、周波数変動に対して鈍くなるように各値が設定される。第2実施形態では、周波数変調機能がオフされると、電流D/AコンバータIDACの出力電流が基準値に戻ったところで、PLLとして収束が速くなるよう、制御回路3Cが制御を行う。
制御回路3Cの動作の一例を、図14を参照して説明する。図14は、図13のSSCGに関して、変調イネーブル信号により周波数変調機能をオフする場合の動作例を示すタイミングチャートである。図14に示されるように、変調イネーブル信号がHレベルからLレベルになると、制御回路3Cは、変調パターンの値が中心値“011”になったことを検知することで、変調制御回路CONTの変調動作の動作/停止を制御する信号をHレベルからLレベルにする。それとともに、制御回路3Cは、1/N分周器DIV1と1/M分周器DIV2の分周比、及びチャージポンプCPの電流値の設定を切り替える設定切替信号をLレベルからHレベルにする。これにより、変調制御回路CONTは、変調動作を停止する。また、1/N分周器DIV1と1/M分周器DIV2の分周比の設定値が例えば、1000から2に切り替わるとともに、チャージポンプCPの電流値の設定値が1μAから12.8μAに切り替わる。1/M分周器DIV2の分周比Mが1/500倍、チャージポンプCPの電流値が12.8倍の設定値となることで、式(1)より、自然周波数ωnは変更前に比べて80倍となる。このように、図13に示した第2実施形態のSSCGによれば、周波数変調機能をオフした際、電流D/AコンバータIDACの出力電流が基準値に戻ったところで自然周波数ωnを大きくすることによってPLLの応答性を上げ、出力周波数の急激な変化を抑えながらロックアップタイムを短縮することができる。
以上、詳細に説明したように、前記第1乃至第2を含む実施形態によれば、SSCGにおいて周波数変調機能をオフした際に、出力周波数の急激な変化が抑えられるとともに、所望の周波数へ収束するまでのロックアップタイムを短縮することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、図13に示した第2実施形態において、制御回路3Cは、変調制御回路CONTの変調動作の動作/停止、1/N分周器DIV1と1/M分周器DIV2の分周比切替、及びチャージポンプCPの電流値切替を制御する、とした。しかし、これに限られない。式(1)から明らかなように、制御回路3Cは、ループフィルタLFの容量値切替を制御してもよい。図15にループフィルタLFの容量値を切り替える場合の回路構成を示す。周波数変調機能がオフされた場合に設定切替信号によってスイッチのオンオフを切り替え、容量値を小さくすることで、PLLの応答性を上げ、ロックアップタイムを短縮することができる。
また、上述したSSCGと、リファレンスクロックを供給するための水晶振動子と、SSCGの出力を動作クロックとするシステムと、を備える電子機器を構成してもよい。電子機器において、用途によっては周波数変調機能のオンオフを切り替えて使用することがある。例えば、携帯電話において音声通信、データ通信、ワンセグ受信の状況に応じて周波数変調機能のオンオフを切り替えることが考えられる。前記第1乃至第2を含む実施形態によれば、周波数変調機能のオンオフを切り替え時に、出力周波数の急激な変化が抑えられるとともに、所望の周波数へ収束するまでのロックアップタイムを短縮される。従って、電子機器の切り替え動作が速やかに行われる。
その他、各実施形態が適宜組み合わされて用いられてもよいことは言うまでもない。
尚、変調制御回路CONT、制御回路3A、3B、3Cは、変調制御回路の一例である。
1 プリスケーラ
2 Up−downカウンタ
3A、3B、3C 制御回路
CONT 変調制御回路

Claims (5)

  1. 周波数変調機能を有するクロック発生器であって、
    出力クロックの周波数を制御する周波数制御回路と、
    前記出力クロックの周波数の設定値を所定の周期毎に切り替える変調制御回路と、
    を備え、
    前記変調制御回路は、前記周波数変調機能のオフの指令に応答して、前記所定の周期を短くし又は前記設定値の変移の方向を前記設定値が所望周波数に対応する値に近づく方向に切り替え、前記設定値が前記所望周波数に対応する値になると前記設定値の切り替えを停止する
    ことを特徴とするクロック発生器。
  2. 前記周波数制御回路は、
    リファレンスクロックと前記出力クロックとの位相を比較する位相比較回路と、
    前記位相比較回路により比較される前記リファレンスクロックと前記出力クロックとの位相差に応じて電荷の入出力を行うチャージポンプと、
    前記チャージポンプにより入出力される電荷が充放電される容量を有するループフィルタと、
    前記出力クロックを分周する分周器と、
    を備え、
    前記変調制御回路は、
    前記設定値の切り替えの停止に応答して、前記チャージポンプの電荷の入出力に伴う電流値、前記ループフィルタが有する前記容量の値、前記分周器の分周比、のうち少なくとも1つを、前記出力クロックに対するフィードバック制御の応答特性を速くする値に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のクロック発生器。
  3. 周波数変調機能を有するクロック発生器であって、
    リファレンスクロックと出力クロックとの位相を比較する位相比較回路と、
    前記位相比較回路により比較される前記リファレンスクロックと前記出力クロックとの位相差に応じて電荷の入出力を行うチャージポンプと、
    前記チャージポンプにより入出力される電荷が充放電される容量を有するループフィルタと、
    前記出力クロックを分周する分周器と、
    を備え、
    前記周波数変調機能のオフの指令に応答して、前記チャージポンプの電荷の入出力に伴う電流値、前記ループフィルタが有する前記容量の値、前記分周器の分周比、のうち少なくとも1つを、前記出力クロックに対するフィードバック制御の応答特性を早くする値に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のクロック発生器。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のクロック発生器と、
    前記リファレンスクロックを供給するための発振素子と、
    前記出力クロックを動作クロックとするシステムと、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  5. 周波数変調されたクロックを発生するための制御方法であって、
    前記クロックの周波数を制御するステップと、
    前記クロックの周波数の設定値を所定の周期毎に切り替えるステップとを備え、
    前記設定値切り替えのステップは、
    前記周波数変調のオフ指令に応答して、前記所定の周期を短くし又は前記設定値の変移の方向を前記設定値が所望周波数に対応する値に近づく方向に切り替え、前記設定値が前記所望周波数に対応する値になると前記設定値の切り替えを停止する
    ことを特徴とするクロックを発生させるための制御方法。
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