JP2012079540A - 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法 - Google Patents

移動型x線撮影装置およびx線撮影方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012079540A
JP2012079540A JP2010223596A JP2010223596A JP2012079540A JP 2012079540 A JP2012079540 A JP 2012079540A JP 2010223596 A JP2010223596 A JP 2010223596A JP 2010223596 A JP2010223596 A JP 2010223596A JP 2012079540 A JP2012079540 A JP 2012079540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
filament
filament current
current value
ray imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010223596A
Other languages
English (en)
Inventor
Makito Kato
真己人 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2010223596A priority Critical patent/JP2012079540A/ja
Publication of JP2012079540A publication Critical patent/JP2012079540A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】 予備加熱を停止してこれをフラッシュ加熱により補うようにした場合に、フィラメントの余熱の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能な移動型X線撮影装置およびX線撮影方法を提供する。
【解決手段】 フィラメント電流供給回路52は、制御部6により制御され、X線管3によるX線の照射時以外にはフィラメント電流の供給を停止しておき、X線を照射する直前にX線照射時より大きいフィラメント電流を供給してフラッシュ加熱を行った後、X線照射時にフィラメントの本加熱を行うとともに、前回のX線照射によるフィラメントの余熱に基づいて、フラッシュ加熱時のフィラメント電流の電流値、あるいは、フラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を補正する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、X線管と、X線管から照射され被検体を通過したX線を検出するX線検出部と、X線管に対する電源としての蓄電池とを備えた移動型X線撮影装置、および、この移動型X線撮影装置におけるX線撮影方法に関する。
X線管は、フィラメントを有する陰極と、陽極とを備える。X線管においては、フィラメント電流を付与され加熱された陰極のフィラメントから、熱電子が発生する。この熱電子は、陽極に衝突してX線を発生する。このとき、陰極においては、フィラメントに電流を流してフィラメントを高い温度に加熱することで、フィラメントの自由電子を空間中に飛び出させるようにしている。そして、フィラメントで発生する電子が多いほど、陰極に流れる管電流が多量となる。従って、X線管の管電流は、フィラメント加熱時にフィラメントに供給されるフィラメント電流により制御されることになる。
ところで、従来のX線撮影装置においては、フィラメント加熱は、本加熱、フラッシュ加熱、予備加熱と呼称される三種類の態様において実行されている。ここで、本加熱は、X線管からX線を照射するときにフィラメントに設定値のフィラメント電流を供給するものである。また、フラッシュ加熱は、X線照射を実行する直前において、フィラメントを急速に低温からX線照射に適した高温まで昇温させるために、フィラメントに対して本加熱時よりも電流値が高いフィラメント電流を供給するものである。さらに、予備加熱は、X線照射を行わない待機時において、X線管を待機状態とするため、フィラメントに対して本加熱時やフラッシュ加熱時よりも大幅に小さいフィラメント電流を供給するものである。
一般的なX線撮影装置においては、装置の待機状態において常に予備加熱を行って、フィラメントがある程度加熱された待機状態としている。そして、X線撮影を実行するときには、フラッシュ加熱を、例えば、1秒以下の短時間で完了するようにしている。
しかしながら、短時間の間に連続してX線撮影を行った場合には、前回のX線撮影時のフィラメントの加熱による余熱が残存した状態で次のX線撮影が行われることから、X線管によるX線照射時にフィラメントが余分に加熱されることになり、管電流値が設定値より大きくなってしまうという問題が生ずる。
このため、従来、このような余熱を考慮してフィラメント電流値を調整するようにしたX線管のフィラメント加熱方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。すなわち、特許文献1に記載のフィラメント加熱電流の制御方法においては、フィラメントの温度が予備加熱温度まで下がる途中でX線照射を実行する場合においても、適正な管電流値でX線照射を実行することができるようにフィラメント電流値を演算している。また、特許文献2に記載のフィラメント加熱装置においては、フィラメントの温度を検出する検出手段を設け、フィラメントの設定温度と検出手段で検出したフィラメントの温度とが一致するようにフィラメント電流値を制御している。
特開平10−74596号公報 特開2006−120544号公報
病院内の一般病室や集中治療室に移動させて、その場所でX線撮影を行う回診用X線撮影装置とも呼称される移動型X線撮影装置は、本体内にX線管に対する電源としての蓄電池を備えている。このため、このような移動型X線撮影装置においては、消費電力を低減させることが好ましい。
このため、このような移動型X線撮影装置においては、特許文献1に記載されたような予備加熱を停止するとともに、フラッシュ加熱を、一般的なX線撮影装置と比較して、高い電流値で、かつ、長い時間実行することで、フィラメントの急速な加熱を可能とすることが好ましい。
ところで、X線アナログ撮影時には、フィルムの現像やCRカセッテからの撮影画像の読み取り等に時間がかかることから、現在のX線撮影と次のX線撮影との間には、十分な時間間隔がある。しかしながら、近年のフラットパネルディテクタを使用したX線デジタル撮影では、撮影画像をすぐに取り込むことが可能であることから、X線撮影を短い時間間隔で連続して実行することが多い。このため、前回のX線撮影で加熱されたフィラメントにおいて余熱が残ったままの状態で、次のX線撮影が実行される場合がある。
このとき、上述したように、移動型X線撮影装置において、消費電力を低減させるために予備加熱を停止した場合には、フィラメントが完全に冷却された状態を想定してフラッシュ加熱を行うことから、このフラッシュ加熱を、一般的なX線撮影装置と比較して、高い電流値で、かつ、長い時間実行する必要がある。このため、このような移動型X線撮影装置においては、予備加熱を行う場合と比較して、余熱の影響を大きく受けるという問題がある。
フィラメントに余熱が残った状態でX線照射を連続して実行すると、X線照射時にフィラメントが過度に加熱されて管電流値が設定値より大きくなるばかりではなく、フィラメントの加熱によりフィラメントの寿命を縮めてしまうという問題も生ずる。
一方、特許文献2に記載されたように温度センサによりフィラメントの実際の温度を検出する構成を採用したとしても、フィラメント温度の変動は急激であることから、必ずしも適正にフィラメント電流値を制御できるわけではない。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、予備加熱を停止してこれをフラッシュ加熱により補うようにした場合に、フラットパネルディテクタを使用したX線デジタル撮影のように短時間に連続してX線撮影を行うときにも、X線管におけるフィラメントの余熱の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能な移動型X線撮影装置およびX線撮影方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、X線管と、前記X線管から照射され被検体を通過したX線を検出するX線検出部と、前記X線管に対する電源としての蓄電池と、前記X線管のフィラメントに供給するフィラメント電流を制御するフィラメント電流制御部とを備えた移動型X線撮影装置において、前記フィラメント電流制御部は、前記X線管によるX線の照射時以外にはフィラメント電流の供給を停止しておき、X線を照射する直前にX線照射時より大きいフィラメント電流を供給して前記フィラメントのフラッシュ加熱を行った後、X線照射時に前記フィラメントの本加熱を行うとともに、前回のX線照射による前記フィラメントの余熱に基づいて、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の電流値、あるいは、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を補正することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フィラメント電流制御部は、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値の少なくとも一方に基づいて、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流値、あるいは、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を補正する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、本加熱時のフィラメント電流値をI、フィラメント加熱後の経過時間および前回のX線照射時のフィラメント電流値によって定まるフラッシュ加熱係数をfとしたとき、フラッシュ加熱時のフィラメント電流値Ifを下記の式で演算する。
If=I×f
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記X線検出部は、フラットパネルディテクタである。
請求項5に記載の発明は、X線管と、前記X線管から照射され被検体を通過したX線を検出するX線検出部と、前記X線管に対する電源としての蓄電池と、前記X線管のフィラメントに供給するフィラメント電流を制御するフィラメント電流制御部とを備えた移動型X線撮影装置におけるX線撮影方法において、X線の撮影時に、前回の撮影が終了してからの経過時間を取得する経過時間取得工程と、前記経過時間取得工程において取得した経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、X線を照射する直前に前記フィラメントにX線照射時より大きいフィラメント電流を供給するフラッシュ加熱時のフィラメント電流値を演算する演算工程と、フィラメント電流値を、ゼロから前記演算工程で演算したフィラメント電流値まで上昇させることにより、フラッシュ加熱を行うフラッシュ加熱工程と、フィラメント電流値を、X線照射時の本加熱時の電流値に変更してX線撮影を行うX線撮影工程とを備えたことを特徴とする。
請求項1、請求項2および請求項5に記載の発明によれば、短時間に連続してX線撮影を行うときにも、X線管におけるフィラメントの余熱の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、本加熱時のフィラメント電流値とフィラメント加熱後の経過時間とに基づいて、フラッシュ加熱時のフィラメント電流値を演算することが可能となる。このため、X線管におけるフィラメントの余熱の影響を適切に防止することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、フラットパネルディテクタを使用して短時間に連続してX線撮影を実行する場合においても、X線管におけるフィラメントの余熱の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能となる。
この発明に係る移動型X線撮影装置の概要図である。 移動型X線撮影装置において、X線管3を制御するための主要な電気的構成を示すブロック図である。 この発明の第1実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。 比較例としての、この発明以外の実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。 比較例としての、この発明以外の実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。 X線照射後の経過時間Tとフラッシュ加熱係数fとの関係を示すグラフである。 この発明に係る移動型X線撮影装置におけるX線撮影動作を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る移動型X線撮影装置の概要図である。
この移動型X線撮影装置は、移動用台車61と、この移動用台車61に付設された旋回自在の前輪62およびモータ駆動の後輪63を備える。この移動用台車61には、支柱64が立設されており、この支柱64には、昇降可能なアーム65が付設されている。そして、このアーム65の先端部には、X線管3と、このX線管3から出射されるX線の照射領域を制限するためのコリメータ34とが配設されている。
また、この移動型X線撮影装置は、フラットパネルディテクタ4を備える。このフラットパネルディテクタ4は、テーブル2上に載置されており、このフラットパネルディテクタ4上に被検者1を配置した状態で、X線撮影が行われる。このフラットパネルディテクタ4と移動用台車61とは、ケーブル66で接続されている。また移動用台車61の内部には、X線管3に対する電源としての蓄電池54が配設されている。
図2は、上述した移動型X線撮影装置において、X線管3を制御するための主要な電気的構成を示すブロック図である。
この移動型X線撮影装置は、上述したX線管3に接続されたX線管駆動部5と、制御部6と、記憶部7とを備える。
このX線管駆動部5は、上述した蓄電池54と図示を省略した変圧器を介して接続された、高電圧供給回路51およびフィラメント電流供給回路52を備える。高電圧供給回路51は、制御部6からの制御信号を受け、X線管3に付与する管電圧を制御する。また、フィラメント電流供給回路52は、制御部6からの制御信号を受け、X線管3のフィラメント31に付与するフィラメント電流を制御する。X線管3においては、フィラメント電流を付与され加熱された陰極のフィラメント31からは、熱電子Aが発生する。この熱電子Aは、陽極32に衝突してX線Bを照射させる。このときの、X線管3がX線を照射するときの管電流値は、管電流検出部53により検出される。なお、上述した制御部6およびフィラメント電流供給回路52は、この発明に係るフィラメント電流制御部を構成する。
次に、この発明に係るフィラメント電流の制御方法の基本的な概念について説明する。図3は、この発明の第1実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。また、図4および図5は、比較例としての、この発明以外の実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。
なお、これらの図における上側のグラフはフィラメント31に付与されるフィラメント電流の変化を示し、これらの図における下側のグラフは、そのときのフィラメント31の温度(室温との差異)を示している。また、これらの図においては、符号Fはフラッシュ加熱を、符号Mは本加熱を、符号Pは予備加熱を示している。さらに、これらの図においては、左側は最初のX線照射時の状態を、また、右側は引き続き実行される二回目のX線照射時の状態を示している。
図4は、従来の一般的なX線撮影装置によりX線撮影を行うときのフィラメント電流の供給動作を示している。この図に示す実施形態においては、X線撮影を実行していないときに、フィラメント31に対して常に小さなフィラメント電流を供給して予備加熱Pを行っている。このため、フィラメント31の温度は、常に、室温よりも高い温度に維持されている。そして、X線撮影を行うときには、フラッシュ加熱Fを実行した後に、本加熱Mを実行する。
このときには、図4における右側に示すように、連続してX線撮影を実行した場合には、先のX線照射時の余熱R1によりフィラメント31の温度が予備加熱P時の温度より上昇していることから、本加熱Mを実行するときの余熱R2によってフィラメント温度が最初のX線照射時とは異なることになる。このため、この余熱R2の影響により、X線照射時にフィラメントが余分に加熱されることになり、管電流値が設定値より大きくなってしまう。
図5は、移動型X線撮影装置によりX線撮影を行うときに、予備加熱を停止した場合のフィラメント電流の供給動作を示している。この図に示す実施形態においては、X線撮影を実行していないときには、図4に示すようなフィラメント電流の供給による予備加熱Pを停止している。このため、X線を照射する前の段階では、フィラメント31の温度が室温となっている。この実施形態の場合には、X線撮影を行うときには、フラッシュ加熱Fを、図4に示す実施形態の場合と比較して、高い電流値で、かつ、長い時間実行した後に、本加熱Mを実行する。
このときにも、図5における右側に示すように、連続してX線撮影を実行した場合には、先のX線照射時の余熱R1によりフィラメント31の温度が予備加熱P時の温度より上昇していることから、本加熱Mを実行するときの余熱R2によってフィラメント温度が最初のX線照射時とは異なることになる。このため、この余熱R2の影響により、X線照射時にフィラメントが余分に加熱されることになり、管電流値が設定値より大きくなってしまう。そして、この実施形態においては、フラッシュ加熱Fが図4に示す実施形態よりも高い電流値で、かつ、長い時間行われることから、この場合の余熱R2の影響は、図4に示す実施形態よりもさらに大きなものとなる。
このとき、この実施形態のように、フラットパネルディテクタ4を使用したX線デジタル撮影の場合においては、撮影画像をすぐに取り込むことが可能であることから、X線撮影を短い時間間隔で連続して実行することができ、前回のX線撮影で加熱されたフィラメント31に余熱が残ったままの状態で次のX線撮影が実行されることになるため、余熱の影響がより深刻となる。
これに対して、図3は、この発明に係るフィラメント電流の供給動作を示している。この図に示す実施形態において、X線撮影を実行していないときに、図4に示すようなフィラメント電流の供給による予備加熱Pを停止しているのは、図5に示す実施形態と同様である。このため、X線を照射する前の段階では、フィラメント31の温度が室温となっている。そして、この実施形態の場合にも、X線撮影を行うときには、フラッシュ加熱Fを、高い電流値で、かつ、長い時間実行した後に、本加熱Mを実行する。
このとき、この発明においては、図3における右側に示すように、連続してX線撮影を実行する場合には、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、次のフラッシュ加熱時のフィラメント電流値を低減するようにしている。より具体的には、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、フラッシュ加熱係数fを決定し、これを本加熱M時のフィラメント電流値に乗算することにより、フラッシュ加熱F時のフィラメント電流値を決定している。このような構成を採用することにより、図3に示すように、余熱R1の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能となる。
すなわち、本加熱M時のフィラメント電流値をI、フィラメント加熱F後の経過時間および前回のX線照射時のフィラメント電流値によって定まるフラッシュ加熱係数をfとしたとき、フラッシュ加熱F時のフィラメント電流値Ifを下記の式で演算している。
If=I×f
X線照射後の時間の経過に応じてフィラメントの余熱の影響は低減され、X線照射後一定時間以上経過したときには、余熱の影響はなくなる。また、直前のX線撮影時のフィラメント電流値が大きいほど、言い換えれば、直前のX線撮影時の管電流値が大きいほど、余熱の影響は大きくなる。このため、上述したフラッシュ加熱係数fは、このような点を考慮した上で、実験的に求められる。
図6は、X線照射後の経過時間Tとフラッシュ加熱係数fとの関係を示すグラフである。なお、この図における横軸はX線照射後の経過時間(秒)を示し、縦軸はフラッシュ加熱係数fを示している。また、この図において、黒丸は管電圧が80kVで管電流が50mAの状態を、また、白三角は管電圧が80kVで管電流が160mAの状態を示している。
この図に示すように、X線照射後75秒を経過すれば、管電流値にかかわらず、余熱の影響は無視できる値となる。このため、X線照射後75秒を経過した後は、フラッシュ加熱係数fは一定値(1.3)となる。X線照射後45秒乃至75秒の領域においては、管電流値に関わらず、X線照射後の経過時間とフラッシュ加熱係数fとは比例する。すなわち、X線照射後の経過時間が短いほど、フラッシュ加熱係数fが小さくなり、フラッシュ加熱時のフィラメント電流値を小さくする必要が生ずる。また、X線照射後45秒以下の領域においては、これらの関係に加え、さらに、管電流値が小さいほど、フラッシュ加熱係数fも小さくなる。
これらのフラッシュ加熱係数fの値は、予め実験的に求められ、管電流と時間との関係を示すテーブルとして、図2に示す記憶部7に予め記憶されている。
なお、上述した説明においては、管電流値に応じてフラッシュ加熱係数fを決定しているが、管電流値とフィラメント電流値とは対応することから、X線照射後の経過時間とそのときの管電流値とでフラッシュ加熱係数fを決定することは、X線照射後の経過時間とそのときのフィラメント電流値とでフラッシュ加熱係数fを決定することと等価となる。
次に、上述した構成を有する移動型X線撮影装置におけるX線撮影動作について説明する。図7は、この発明に係る移動型X線撮影装置におけるX線撮影動作を示すフローチャートである。
この発明に係る移動型X線撮影装置においては、X線撮影が開始されれば(ステップS1)、前回の撮影が終了してからの経過時間を取得する(ステップS2)。そして、この経過時間取得工程において取得した経過時間と、撮影時に設定された管電流値、すなわち、X線照射時のフィラメント電流値に基づいて、記憶部7に記憶したテーブルを読み込み、フラッシュ加熱係数fを利用してフラッシュ加熱F時のフィラメント電流値Ifを演算する(ステップS3)。
しかる後、フィラメント電流値を、ゼロから演算工程で演算したフィラメント電流値Ifまで上昇させることにより、フラッシュ加熱Fを行う(ステップS4)。そして、フィラメント31の温度がX線照射に適切な温度まで上昇すれば、本加熱Mを行って(ステップS5)、X線を照射することにより(ステップS6)、X線撮影を実行する。これにより、上述した余熱R1の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、フラッシュ加熱係数fに基づいてフラッシュ加熱F時のフィラメント電流の電流値を補正しているが、フラッシュ加熱F時のフィラメント電流の電流値の代わりにフィラメント電流の供給時間を補正するようにしてもよい。
図8は、このような第2実施形態に係るX線撮影装置のフィラメント電流の供給動作とフィラメント温度との関係を示す説明図である。
この実施形態においては、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、次のフラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を短くするようにしている。このような構成を採用することにより、図3に示す実施形態の場合と同様、上述した余熱R1の影響を排除して、適切な管電流でX線撮影を実行することが可能となる。
なお、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、フィラメント電流の電流値と、フィラメント電流の供給時間の両方を補正するようにしてもよい。
1 被検者
2 テーブル
3 X線管
4 フラットパネルディテクタ
5 X線管駆動部
6 制御部
7 記憶部
31 フィラメント
32 陽極
51 高電圧供給回路
52 フィラメント電流供給回路
53 管電流検出部
54 蓄電池
61 移動用台車

Claims (5)

  1. X線管と、前記X線管から照射され被検体を通過したX線を検出するX線検出部と、前記X線管に対する電源としての蓄電池と、前記X線管のフィラメントに供給するフィラメント電流を制御するフィラメント電流制御部とを備えた移動型X線撮影装置において、
    前記フィラメント電流制御部は、
    前記X線管によるX線の照射時以外にはフィラメント電流の供給を停止しておき、X線を照射する直前にX線照射時より大きいフィラメント電流を供給して前記フィラメントのフラッシュ加熱を行った後、X線照射時に前記フィラメントの本加熱を行うとともに、
    前回のX線照射による前記フィラメントの余熱に基づいて、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の電流値、あるいは、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を補正することを特徴とする移動型X線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の移動型X線撮影装置において、
    前記フィラメント電流制御部は、前回のX線照射からの経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値の少なくとも一方に基づいて、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流値、あるいは、前記フラッシュ加熱時のフィラメント電流の供給時間を補正する移動型X線撮影装置。
  3. 請求項2に記載の移動型X線撮影装置において、
    本加熱時のフィラメント電流値をI、フィラメント加熱後の経過時間および前回のX線照射時のフィラメント電流値によって定まるフラッシュ加熱係数をfとしたとき、フラッシュ加熱時のフィラメント電流値Ifを下記の式で演算する移動型X線撮影装置。
    If=I×f
  4. 請求項3に記載の移動型X線撮影装置において、
    前記X線検出部は、フラットパネルディテクタである移動型X線撮影装置。
  5. X線管と、前記X線管から照射され被検体を通過したX線を検出するX線検出部と、前記X線管に対する電源としての蓄電池と、前記X線管のフィラメントに供給するフィラメント電流を制御するフィラメント電流制御部とを備えた移動型X線撮影装置におけるX線撮影方法において、
    X線の撮影時に、前回の撮影が終了してからの経過時間を取得する経過時間取得工程と、
    前記経過時間取得工程において取得した経過時間と前回のX線照射時のフィラメント電流値とに基づいて、X線を照射する直前に前記フィラメントにX線照射時より大きいフィラメント電流を供給するフラッシュ加熱時のフィラメント電流値を演算する演算工程と、
    フィラメント電流値を、ゼロから前記演算工程で演算したフィラメント電流値まで上昇させることにより、フラッシュ加熱を行うフラッシュ加熱工程と、
    フィラメント電流値を、X線照射時の本加熱時の電流値に変更してX線撮影を行うX線撮影工程と、
    を備えたことを特徴とするX線撮影方法。

JP2010223596A 2010-10-01 2010-10-01 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法 Pending JP2012079540A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010223596A JP2012079540A (ja) 2010-10-01 2010-10-01 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010223596A JP2012079540A (ja) 2010-10-01 2010-10-01 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012079540A true JP2012079540A (ja) 2012-04-19

Family

ID=46239550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010223596A Pending JP2012079540A (ja) 2010-10-01 2010-10-01 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012079540A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110192888A (zh) * 2019-07-04 2019-09-03 上海联影医疗科技有限公司 管电流的控制方法、装置、计算机设备和存储介质
JP7034722B2 (ja) 2018-01-15 2022-03-14 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線管制御装置、x線画像診断装置及びx線管制御方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61259498A (ja) * 1985-05-14 1986-11-17 Toshiba Corp X線管フイラメント加熱回路
JP2004342360A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Toshiba Corp X線発生装置
JP2009081034A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Shimadzu Corp X線高電圧装置及びx線管のフィラメント加熱制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61259498A (ja) * 1985-05-14 1986-11-17 Toshiba Corp X線管フイラメント加熱回路
JP2004342360A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Toshiba Corp X線発生装置
JP2009081034A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Shimadzu Corp X線高電圧装置及びx線管のフィラメント加熱制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7034722B2 (ja) 2018-01-15 2022-03-14 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線管制御装置、x線画像診断装置及びx線管制御方法
CN110192888A (zh) * 2019-07-04 2019-09-03 上海联影医疗科技有限公司 管电流的控制方法、装置、计算机设备和存储介质
CN110192888B (zh) * 2019-07-04 2024-02-06 上海联影医疗科技股份有限公司 管电流的控制方法、装置、计算机设备和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5611213B2 (ja) 移動型x線装置
US9125619B2 (en) Radiographic examination apparatus and method for the same
US11589448B2 (en) X-ray source and X-ray imaging apparatus
JP5676096B2 (ja) X線撮影装置
JP6050356B2 (ja) X線透視撮影装置及びx線透視撮影装置の制御方法
JP2012079540A (ja) 移動型x線撮影装置およびx線撮影方法
US9900971B2 (en) X-ray CT apparatus, X-ray high-voltage device, and X-ray scanning device
JP5129692B2 (ja) X線発生装置及びx線管の駆動方法
JP5600930B2 (ja) X線撮影装置
JP4651412B2 (ja) X線画像診断装置
JP2014200436A (ja) X線画像診断装置
JP2006314704A (ja) X線画像診断装置
JP6095281B2 (ja) X線発生装置、及び移動型x線撮影装置
JP5392111B2 (ja) X線透視撮影装置
JP2012019856A (ja) 診断用x線撮影装置
JP2011182974A (ja) 放射線源の制御装置、放射線撮影システム及び曝射条件の更新方法
JP5640690B2 (ja) X線検査装置
JP4648678B2 (ja) X線管のフィラメント加熱装置
JP5604965B2 (ja) 放射線透視・撮影装置
JP2000260594A (ja) X線管のフィラメント加熱装置
JP5644931B2 (ja) X線撮影装置
JP3648885B2 (ja) X線高電圧装置
CN220023159U (zh) 操作x射线管灯丝的控制设备及其发生器和x射线成像系统
JP5962555B2 (ja) 透視撮影装置
JP2002289396A (ja) X線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150428