JP2012079379A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録再生ヘッドの浮上性を確保しつつ、ヘッド位置決め制度がよく、SN比が良好で、高温多湿環境下でも高い信頼性を示す磁気記録媒体を製造できる方法を提供する。
【解決手段】基板上に磁気記録層を製膜し、前記磁気記録層の記録部に対応する領域にマスクを形成し、前記マスクに覆われていない領域の磁気記録層の一部をC含有ガスを含むイオンビーム照射で失活して非記録部を形成し、全面に保護膜を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【選択図】 図4

Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)に組み込まれる磁気記録媒体において、隣接トラック間の干渉によりトラック密度の向上が妨げられるという問題が顕在化している。特に記録ヘッド磁界のフリンジ効果による書きにじみの低減は重要な技術課題である。
このような問題に対して、記録トラック間を物理的に分離したディスクリートトラック型パターンド媒体(DTR媒体)や、記録ビット間を物理的に分離したビットパターンド媒体(BPM)が提案されている。DTR媒体やBPMは、記録時におけるサイドイレース、再生時におけるサイドリードを低減できるため、トラック密度を高めることが可能となり、高密度磁気記録媒体として有望である。
DTR媒体のように、表面に凹凸が形成された媒体を浮上ヘッドで記録再生する際には、ヘッドの浮上性が問題になる。たとえば、DTR媒体で隣接トラック間を完全に分離しようとすると、厚さ約15nmの強磁性体からなる磁気記録層および厚さ約5nmの保護層の計20nmを除去して溝を形成する。一方、浮上ヘッドの浮上設計量は10nm程度であるため、溝を非磁性体で充填し、DTR媒体の表面を平滑にすることによってヘッドの浮上性を確保することが考えられていた。しかし、この平滑化工程は困難である。
そこで、平滑な磁気記録層を局所的に変質させてパターン化する方法が提案されている(特許文献1〜2)。
特開2009−087454号公報 特開2008−077756号公報
しかし、特許文献1、特許文献2においては、パターンド媒体の記録部を分断する非記録部は、磁性体が全くないか、あるいは非記録部をフッ化、あるいはCo濃度を下げることで磁性を消失させることで、磁気的に記録部を分断していた。このようなフッ化の類の失活では、記録層にフッ素をはじめとする揮発しやすい元素が含まれる場合、完全に結合しきらないフリーな原子が揮発し、失活効果を弱める現象が発生する。あるいは記録層へ移動し、コロージョンの問題を引き起こし、出来上がった媒体の耐環境性は十分に満たされているとは言い難い。
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、非記録部を確実に失活させながらも非記録部の環境耐性を増加させ、記録再生ヘッドの浮上性を確保しつつ、ヘッドの位置決め精度がよく、SN比が良好で、高温多湿環境下でも高い信頼性を示す磁気記録媒体を製造できる方法を提供することにある。
実施形態によれば、基板上に磁気記録層を製膜し、前記磁気記録層の記録部に対応する領域にマスクを形成し、前記マスクに覆われていない領域の磁気記録層の一部に、C含有ガスを含むイオンビーム照射で失活して非記録部を形成し、全面に保護膜を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
実施形態における磁気記録媒体の断面図。 実施形態におけるディスクリートトラック媒体の平面図。 実施形態におけるパターンド媒体平面図。 実施形態に係るパターンド媒体の製造方法を示す断面図。 他の実施形態に係るパターンド媒体の製造方法を示す断面図。 更なる他の実施形態に係るパターンド媒体の製造方法を示す断面図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の実施形態における磁気記録媒体のパターンド媒体の断面図を示す。
図2に、本発明の実施形態における方法を用いて製造されるパターンド媒体の一例であるディスクリートトラック媒体(DTR媒体)の周方向に沿う平面図を示す。図2に示すように、パターンド媒体1の周方向に沿って、サーボ領域2と、データ領域3が交互に形成されている。サーボ領域2には、プリアンブル部21、アドレス部22、バースト部23が含まれる。データ領域3には隣接するトラック同士が互いに分離されたディスクリートトラック31が含まれる。
図3に、本発明の実施形態における方法を用いて製造されるパターンド媒体の他の例であるビットパターンド媒体の周方向に沿う平面図を示す。このパターンド媒体では、データ領域3に磁性ドット32が形成されている。
(実施例1)
図4(a)〜(j)を参照して、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する。
図4(a)に示すように、ガラス基板50上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)(図示せず)、厚さ20nmの配向制御用下地層(Ru)(図示せず)および厚さ20nmの磁気記録層51(CoCrPt−SiO)、厚さ5nmのDLC保護膜52を成膜する。厚さ5nmのMoからなる第1のハードマスク53と、厚さ25nmのカーボンからなる第2のハードマスク54、厚さ3nmのSiからなる第3のハードマスク55を成膜する。第3のハードマスク55上に、厚さ50nmになるようにレジスト56をスピンコートする。
一方、たとえば図2または3に示すパターンに対応する所定の凹凸パターンが形成されたスタンパ60を用意する。スタンパ60は、EB描画、Ni電鋳、射出成形を経て製造される。スタンパ60を、その凹凸面がレジスト56に対向するように配置する。
図4(b)に示すように、レジスト56に対してスタンパ60をインプリントして、スタンパ60の凹凸パターンをレジスト56に転写する。その後、スタンパ60を取り外す。レジスト56に転写された凹凸パターンの凹部の底にはレジスト残渣が残っている。
図4(c)に示すように、ドライエッチングにより、凹部のレジスト残渣を除去し、第3のハードマスク55の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図4(d)に示すように、パターン化されたレジスト56をマスクとし、イオンビームエッチングを用いて第3のハードマスク55にパターンを転写し、凹部で第2のハードマスク54を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
図4(e)に示すように、パターン化された第3のハードマスク55をマスクとして、Cから成る第2のハードマスク54をエッチングしてパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク52の表面を露出させる。たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
図4(f)に示すように、パターン化された第2のハードマスク54をマスクとして、Moから成る第1のハードマスク53をエッチングしてパターンを転写し、凹部でDLC51の表面を露出させる。この工程は、例えばイオンミリング装置により、Arガスを使用し、ガス圧を0.06Paとし、加速電圧400V、エッチング時間を10秒間として行われる。
図4(g)に示すように、パターン化された第1のハードマスク53をマスクとして、DLC52をエッチングしてパターンを転写し、凹部で磁気記録層51の表面を露出させる。この工程は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を5秒として行われる。
図4(h)に示すように、磁気記録層51へのC元素打ち込みを行う。この工程は、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンによって、CHガスを使用し、ガス圧0.04Pa、マイクロ波パワー1000W、加圧電圧5000V、処理時間60秒にて行われる。
図4(i)に示すように、残存している第1のハードマスク(Mo)53を、その上の層ごと除去する。この工程は、たとえば過酸化水素水へ媒体を浸漬し、1分間保持することで、残存している第2のハードマスク53およびその上に体積された膜を全て除去する。
図4(j)に示すように、CVD(化学気相堆積)により保護膜57を形成し、潤滑剤を塗布することで実施形態によるパターンド媒体が得られる。
次に、本実施形態における特徴をより詳細に説明する。
<C元素打ち込み媒体>
本実施形態における磁気記録層は、磁性元素を主成分とする記録部、および記録部へC元素が添加された非記録部、から構成される。非記録部にCを添加することで、磁性を失活させ、媒体のフリンジ性能を向上させることができる。さらに、Cの添加された媒体は熱や湿度に対する耐性があり、耐環境性が良い。非記録部を構成する元素は、少なくとも記録部と同一の元素を含むことを特徴とする。同一の元素からなることで、組成の偏りを減らし、コロージョンに対する耐性を良くすることができる。
Cの濃度は、原子数比で磁性元素の1%以上が好ましい。1%以上含まれれば、記録層の格子を歪め、磁性を失活させることができる。1%以上含まれることは、EDXやEELSなどの分析法で容易に測定できる。また、20%以上含まれれば、Msを20%以下にすることができるため、媒体のフリンジ特性上さらに好ましい。
Cの添加は、磁気記録層にCVDやスパッタ等の方法で成膜するだけでは発生しない。たとえば、磁気記録層上に保護膜としてDLCが成膜されても、Cは1%以上の濃度で記録層中へ拡散しない。非記録部にあたる個所を半分の厚さだけエッチングし、Cで凹凸埋め込みを行っても本特許の特性は得られない。
以下に記すような方法で積極的にCを添加することが好ましい。
<磁気記録層のパターニング>
本実施形態における製造方法に含まれる磁気記録層のパターニングの工程は、イオンビーム照射による磁気記録層の失活によって行うことができる。磁性失活によって、磁気記録媒体のフリンジ特性が向上する。磁気記録層の非記録部にC元素を打ち込むことにより、特に、記録層の機械強度を増加させることが可能である。
本実施形態における磁性失活工程とは、磁気記録層のマスクから露出した領域の磁性を、マスクで覆われた領域の磁性と比較して弱める工程を指す。磁性を弱めるとは、軟磁性化させたり、非磁性化または反磁性化させたりすることを意味する。このような磁性の変化は、VSM(試料振動型磁力計)やKerr(磁気光学カー効果)測定装置によりHn、Hs、Hcなどの値を測定することで観測することができる。
本実施形態の方法において、磁性失活工程は、イオンビームの照射によって行うことができる。イオンビーム照射により、C元素が磁気記録層を構成する元素の格子間に配置、あるいは記録層元素を置換し、磁性を弱めることが可能である。イオンビームはECR(電子サイクロトロン共鳴)方式やRF電源でプラズマ化し、500eV〜20keV程度の加速エネルギーで照射する。これによって、磁気記録層にC元素を打ち込み、磁性を失わせることができる。
磁気記録層に対しイオンビームを直接照射して失活を行う場合、イオンビームのソースとしては、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、C、C10、HCN、CHFを用いることが好ましい。
これらのガスを用いることで、露出した磁気記録層へ効率的にC元素を打ち込むことができる。分子量の大きなガス種を用いることは、磁気記録層のエッチングを引き起こすため、好ましくない。ガス中にフッ素あるいは塩素などの腐食性元素が多く含まれる場合にも、記録層を構成する元素と反応しコロージョンの問題を引き起こすため、好ましくない。
また、C元素を打ち込む際、HeやNe、Ar、Kr、Xe、H、N、O、O等のガスをアシストとして混合させることも有効である。これらのガスが混合される場合、磁気記録層をアモルファス化し、失活の効果をより高めることができる。ただし、C打ち込みの効果を得るため、アシストは分圧比で75%以下であることが好ましい。
磁気記録層に対しCを含む層を堆積し、イオンビームを照射して失活を行っても良い。その場合、C打ち込みの効果を十分に得るために、堆積する層の組成はCの濃度が原子数比で50%以上であることが好ましい。堆積する層については、Cが50%含まれていれば効果が出るが、C、CN、AlC、SiC、TiC、VC、CrC、ZrC、NbC、MoC、TaC、WCのいずれか、あるいはそれらの混合物であると効果が高く、特にC、CN、CrC、VCであればさらに好ましい。
堆積層の膜厚は、30nm以下であることが好ましく、3nm以上であることが好ましい。厚すぎる場合にはC打ち込みが過剰になり、記録領域にまでC元素が拡散する。薄すぎる場合、打ち込むCの総量が不足する。
C層を堆積させた後、イオンビームを照射して非記録部の磁性層を失活させる。照射するイオンビームは、He、Ne、Ar、Kr、Xeおよびそれらの混合物からなるガスをプラズマ化したものであることが好ましい。
やOなどのガスはCと反応しガス化するため、好ましくない。イオンビーム照射はCを含む層がおよそ5nm以下、場合によっては磁気記録層に凹凸がつくまで続けられる。
イオンビーム照射によって磁気記録層にエッチングが起きる場合、ヘッド浮上の観点から、磁気記録層の凹凸は15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
<ハードマスク(図4でいう第2のハードマスク)>
本実施形態の方法におけるハードマスクは、カーボンを主成分とするのが好適である。原子数比で、カーボンの割合が75%を超えることが望ましい。カーボンの割合が75%以下であると、エッチング選択比が低下し、形状よく磁性層を加工できなくなる傾向がある。
ハードマスクは、スパッタまたはCVDで堆積することができる。また、カーボンの他にも、Al、Si、Ta、Tiをハードマスクとして使用することも可能である。ハードマスクの膜厚は4〜50nmが好ましい。膜厚が厚すぎると剥離の際にエッチング時間がかかり、パターン化された膜のサイドにおけるダメージの原因となる。薄すぎるとエッチングの際のハードマスクとしての機能が果たせない。
ハードマスクはプロセス前の原料媒体の保護膜としての機能を果たすため、磁気記録層とハードマスクの間の酸化保護膜を省いてもよい。また、必要に応じて、ハードマスクと磁気記録層との間にウェット剥離層を成膜することができる。
<ハードマスクとレジスト層の間の副マスク(図4でいう第3のハードマスク)>
本実施形態の方法における副ハードマスクは、ハードマスクに対してエッチング選択比がとれるものを用いる。OまたはOガスに耐性を有する、Si、SiO、SixNy、SiON、Al、Ta、Ti、もしくは、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Pt、Ruを主成分とするものが望ましい。また、これらの単体、窒化物、酸化物、合金、混合物が使用できる。
副ハードマスクの膜厚は1〜15nmであることが好ましく、特に2〜5nmであることが好ましい。この膜厚が厚すぎる場合、副ハードマスクの除去の際に磁気記録層に対するダメージの原因となる。逆に、薄すぎる場合、一様な膜として成膜できない。
副ハードマスクのパターニングおよび剥離工程は、CF、C、C、C、SF、NF、CHF、HFをはじめとするフッ素系ガスを含有するガスや、He、Ne、Ar、Kr、Xeをはじめとする希ガスを主成分としたガスによるプラズマエッチングによって行われる。
<ウェット剥離層(図4でいう第1のハードマスク)>
本実施形態の方法におけるウェット剥離層は、水、あるいは酸、アルカリ、有機溶媒などのウェット剥離プロセスによって除去可能な金属層が用いられる。例えば、剥離液が水であればMg、酸であればMo、Al、Sc、Ti、V、Mn、Y、Zr、Nb、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Hf、アルカリであればAl、Zn、Sn、Pb、Ga、In、有機溶媒であれば光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂類が好ましい。
<副ハードマスクのパターニング>
副ハードマスクを用いる場合、インプリント及びレジスト残渣除去の後、インプリントされたレジストのパターンを元に、ハードマスクをパターニングする。副ハードマスクのパターニングにはRIEを用いてもよいし、He、Ne、Ar、Kr、Xe等によるイオンビームエッチング法を用いてもよい。例えば、副ハードマスクの主成分がSi、SiO、SixNy、SiON、Al、Ta、Tであれば、CF、C、C、C、SF、NF、CHF、HFをはじめとするフッ素系ガスを主成分とするガスの使用が好適である。
ハードマスクの主成分がAg、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、Pt、Ruであれば、CFなどのフッ素系ガスや、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスによるイオンビームエッチングが好適である。副ハードマスクのパターニングは、ハードマスクの表面が露出した段階で終了とする。
<ハードマスクのパターニング>
副ハードマスクを用いる場合、副ハードマスクのパターンを元に、ハードマスクをパターニングする。副ハードマスクを用いない場合は、インプリント及びレジスト残渣除去の後、インプリントされたレジストのパターンを元に、ハードマスクをパターニングする。ハードマスクのパターニングにはRIEを用いてもよいし、He、Ne、Ar、Kr、Xe等によるイオンビームエッチング法を用いてもよい。
例えば、ハードマスクの主成分がCであれば、OやOを主成分とするガスの使用が好適である。ハードマスクの主成分がAl、Si、Ta、Tiであれば、CFなどのフッ素系ガスや、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスによるイオンビームエッチングが好適である。ハードマスクのパターニングは、磁気記録層の表面(もしウェット剥離層を使用する場合には、ウェット剥離層の表面)が露出した段階で終了とする。
<ウェット剥離層のパターニング>
ウェット剥離層を用いる場合は、ハードマスクのパターンを元に、ウェット剥離層をパターニングする。ウェット剥離層のパターニングにはCF、C、C、C、SF、NF、CHF、HFをはじめとするフッ素系ガスによるRIEを用いてもよいし、OやOを主成分とするガスによるRIEでもよい。He、Ne、Ar、Kr、Xe等によるイオンビームエッチング法を用いてもよい。
<マスク層の除去>
磁気記録層のパターニング後、マスク層を除去する。
ウェット剥離層を用いる場合、上層のハードマスクごと、ウェットプロセスによってマスクを剥離する。
ウェット剥離層を用いない場合、ハードマスクはOやO、Hを主成分とするガス、またはフッ素系ガスを主成分とするガスによるプラズマアッシング、RIEによるアッシングによって剥離することができる。
(実施例2)(C濃度とエラーレート、耐衝撃性)
実施例1の方法でDTR媒体を作製した。ただし、Cの打ち込み量を変化させるため、CHガスのイオンビーム照射時間を表1のように15秒〜100秒まで変化させた。また、比較例として、CH照射ではなくCF照射による磁性失活を行った媒体を用意した。
表1はCH照射時間と媒体特性との関係を示したものである。
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表1のようになった。媒体をドライブに搭載し、フリンジ試験を行った。媒体の磁気的なLand幅は54nm、Groove幅は16nm、実効記録ヘッド幅(MWW)は80nm、実効再生ヘッド幅(MRW)は50nmとし、1000回の隣接記録後にエラー率測定を行った。
CHの照射時間が22.2秒〜100秒の媒体においては、エラー率が10の−5乗以下となり、DTR媒体として問題なく動作したことを確認した。照射時間1.3秒、C含有量が0.7%の媒体で、非磁性部に磁化が残留しエラー率が測定できなかった。まったくCHを照射しなかった媒体でも、同様にエラー率の測定ができなかった。C含有量の低い媒体では、磁性失活が不十分だったためにフリンジ試験がNGになったと考えられる。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1以外では400時間以上の耐環境性を確認した。
それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
Figure 2012079379
以上の結果より、Cが非記録部に含まれる媒体においては、フリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
(実施例3)
図5(a)に示すように、ガラス基板50上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)(図示せず)、厚さ20nmの配向制御用下地層(Ru)(図示せず)および厚さ20nmの磁気記録層51(CoCrPt−SiO)、厚さ30nmのカーボンからなるハードマスク54を成膜する。ハードマスク54上に、厚さ50nmになるようにレジスト56をスピンコートする。
一方、たとえば図2または3に示すパターンに対応する所定の凹凸パターンが形成されたスタンパ60を用意する。スタンパ60は、EB描画、Ni電鋳、射出成形を経て製造される。スタンパ60を、その凹凸面がレジスト56に対向するように配置する。
図5(b)に示すように、レジスト56に対してスタンパ60をインプリントして、スタンパ60の凹凸パターンをレジスト56に転写する。その後、スタンパ60を取り外す。レジスト56に転写された凹凸パターンの凹部の底にはレジスト残渣が残っている。レジストにはシロキサンを主成分とする、SOG(Spin−on-glass)を用いる。
図5(c)に示すように、ドライエッチングにより、凹部のレジスト残渣を除去し、ハードマスク54の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図5(d)に示すように、レジスト56をマスクとして、カーボンからなるハードマスク54をエッチングしてパターンを転写し、凹部で磁気記録層51の表面を露出させる。
例えば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を30秒として行われる。
図5(e)に示すように、磁気記録層51へのC元素打ち込みを行う。この工程は、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンによって、CHガスを使用し、ガス圧0.04Pa、マイクロ波パワー1000W、加圧電圧5000V、処理時間60秒にて行われる。
図5(f)に示すように、残存しているハードマスク54を除去する。この工程は、酸素アッシング装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を1Paとし、プラズマパワーを100Wとし、エッチング時間を10秒として行われる。
図5(g)に示すように、CVD(化学気相堆積)により保護膜57を形成し、潤滑剤を塗布することで実施形態によるパターンド媒体が得られた。
作製した磁気記録媒体をドライブへ搭載し、エラー率測定を行ったところ、10の−6.4乗であり、100時間超の連続駆動を確認した。本実施例によるプロセスによって作製した媒体は、磁気記録媒体として良好な性能を持つことが示された。
(実施例4)
上述の実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。ただし、イオンビームのソースとして、CHの代わりにCO、CO、C、C、C、C、C、C、C、C10、HCN、CHFを用いた。
また、比較例として、CF照射による磁性失活を行った媒体を用意した。
表2はイオンビーム照射時間と媒体特性との関係を示したものである。
Figure 2012079379
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表2のようになった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。全ての媒体において、エラー率は10の−5乗以下であることが確認でき、非記録部は問題なく失活できていることがわかった。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1、CHF以外では400時間以上の耐環境性を確認した。
それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。また、CHFでは比較例1ほどではないものの、200時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
以上の結果より、上記実施例のガスをソースに用いた場合、フリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。ただし、イオンビームのソースとして、CHに対してアシストガスであるHe、Ne、Ar、Kr、Xe、H、N、O、Oを混合した。混合の割合は分圧比で50%になるようにした。
また、比較例として、アシストガスなしの媒体と、CF照射による磁性失活を行った媒体を用意した。
表3はアシストガス種と媒体特性との関係を示したものである。
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表3のようになった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。全ての媒体において、エラー率は10の−5乗以下であることが確認でき、非記録部は問題なく失活できていることがわかった。
また、比較例以外のすべての媒体において、CH単独よりも照射時間が短いにも関わらず、エラー率がCH単独と同等あるいはそれよりも小さく、ガスによるアシスト効果が証明された。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1以外では400時間以上の耐環境性を確認した。それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
Figure 2012079379
CHだけでなく、他のCを含んだガスについても試したが、同様の結果となった。以上より、請求項10に記載のガスをアシストに用いた場合、フリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。ただし、イオンビームのソースとして、CHに対してアシストガスであるHeを分圧比で25%、50%、75%、85%の割合で混合した。
また、比較例として、アシストガスなしの媒体と、CF照射による磁性失活を行った媒体を用意した。
表4はアシストガス濃度と媒体特性との関係を示したものである。
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表4のようになった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。He分圧が75%以下の全ての媒体において、エラー率は10の−5乗以下であることが確認でき、非記録部は問題なく失活できていることがわかった。
また、ガスによるアシスト効果も確認した。He分圧が85%の媒体は、他のHe分圧の少ない媒体よりもC含有量が少なく非磁性部のMsが残留しやすく、CH単独よりもエラー率が少し劣る程度であった。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1以外では400時間以上の耐環境性を確認した。それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
Figure 2012079379
以上の結果より、本実施形態のガスをアシストに用いた場合、アシストガス濃度が75%以下でフリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
(実施例7)
図6(a)〜(k)を参照して、本実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法の他の一例を説明する。
図6(a)に示すように、ガラス基板50上に、厚さ40nmの軟磁性層(CoZrNb)(図示せず)、厚さ20nmの配向制御用下地層(Ru)(図示せず)および厚さ20nmの磁気記録層51(CoCrPt−SiO)、厚さ5nmのDLC保護膜52を成膜する。厚さ5nmのMoからなる第1のハードマスク53と、厚さ25nmのカーボンからなる第2のハードマスク54、厚さ3nmのSiからなる第3のハードマスク55を成膜する。
第3のハードマスク55上に、厚さ50nmになるようにレジスト56をスピンコートする。一方、たとえば図2または3に示すパターンに対応する所定の凹凸パターンが形成されたスタンパ60を用意する。スタンパ60は、EB描画、Ni電鋳、射出成形を経て製造される。スタンパ60を、その凹凸面がレジスト56に対向するように配置する。
図6(b)に示すように、レジスト56に対してスタンパ60をインプリントして、スタンパ60の凹凸パターンをレジスト56に転写する。その後、スタンパ60を取り外す。レジスト56に転写された凹凸パターンの凹部の底にはレジスト残渣が残っている。
図6(c)に示すように、ドライエッチングにより、凹部のレジスト残渣を除去し、第3のハードマスク55の表面を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を60秒として行われる。
図6(d)に示すように、パターン化されたレジスト56をマスクとし、イオンビームエッチングを用いて第3のハードマスク55にパターンを転写し、凹部で第2のハードマスク54を露出させる。この工程は、たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
図6(e)に示すように、パターン化された第3のハードマスク55をマスクとして、Cから成る第2のハードマスク54をエッチングしてパターンを転写し、凹部で第1のハードマスク52の表面を露出させる。
たとえば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を20秒として行われる。
図6(f)に示すように、パターン化された第2のハードマスク54をマスクとして、Moから成る第1のハードマスク53をエッチングしてパターンを転写し、凹部でDLC51の表面を露出させる。この工程は、例えばイオンミリング装置により、Arガスを使用し、ガス圧を0.06Paとし、加速電圧400V、エッチング時間を10秒間として行われる。
図6(g)に示すように、パターン化された第1のハードマスク53をマスクとして、DLC52をエッチングしてパターンを転写し、凹部で磁気記録層51の表面を露出させる。この工程は、例えば誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を5秒として行われる。
図6(h)に示すように、磁気記録層51上に打ち込み層としてのCを10nm成膜する。たとえば、Arガスを用いたDCスパッタによって、プラズマパワー500Wとし、成膜時間を30秒間として行われる。
図6(i)に示すように、磁気記録層51へのC元素打ち込みを行う。この工程は、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)イオンガンによって、Heガスを使用し、ガス圧0.1Pa、マイクロ波パワー1000W、加圧電圧5000V、処理時間100秒にて行われる。
図6(j)に示すように、残存している第1のハードマスク(Mo)53を、その上の層ごと除去する。この工程は、たとえば過酸化水素水へ媒体を浸漬し、1分間保持することで、残存している第2のハードマスク53およびその上に体積された膜を全て除去する。
図6(k)に示すように、CVD(化学気相堆積)により保護膜57を形成し、潤滑剤を塗布することで本実施形態によるパターンド媒体が得られる。
以上の方法でDTR媒体を作製した。得られた媒体の非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、52%だった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。
エラー率は10の−6.0乗であった。また、実施例2と同様の環境試験を行ったところ、400時間以上の耐環境性を確認した。
以上の結果より、この方法よって作製されたDTR媒体が十分な性能を持つことが示された。
(実施例8)
上述の実施例7と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。ただし、打ち込み層として、Cの代わりにCN、AlC、SiC、TiC、VC、CrC、ZrC、NbC、MoC、TaC、WCを用いた。
表5は打ち込み層と媒体特性との関係を示したものである。
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表5のようになった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。比較例1を除く全ての媒体において、エラー率は10の−5乗以下であることが確認でき、非記録部は問題なく失活できていることがわかった。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1以外では400時間以上の耐環境性を確認した。それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
Figure 2012079379
以上の結果より、請求項12に記載の材料を打ち込み層に用いた場合、フリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
(実施例9)
実施例6と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。ただし、打ち込みのためのイオンビームソースとして、Heの代わりにNe、Ar、Kr、Xeを用いた。
表6はビームソースと媒体特性との関係を示したものである。
非磁性部のC含有量(Coの原子数に対する%)をXPSで測定したところ、表6のようになった。媒体をドライブに搭載し、実施例2と同様のフリンジ試験を行った。比較例1を除く全ての媒体において、エラー率は10の−5乗以下であることが確認でき、非記録部は問題なく失活できていることがわかった。
また、各媒体について、環境試験を行った。80℃、湿度80%の高温高湿条件に置き、エラー率が測定できなくなるまでの時間を調べたところ、比較例1以外では400時間以上の耐環境性を確認した。それに対し、比較例1のドライブでは、24時間でエラー率が測定不可能となった。非記録部からフッ素が移動し、記録部磁性を劣化させていることが予想される。
Figure 2012079379
他の打ち込み層についても試したが、同様の結果となった。以上の結果より、上述の材料を打ち込み層に用いた場合、フリンジ特性および耐環境性が良好で、DTR媒体として十分な性能を持つことが示された。
以上のように本発明の実施形態によれば、非記録部を確実に失活させながらも非記録部の環境耐性を増加させ、記録再生ヘッドの浮上性を確保しつつ、ヘッドの位置決め精度がよく、SN比が良好で、高温多湿環境下でも高い信頼性を示す磁気記録媒体を製造できる方法を提供することが可能となる。
1…磁気記録媒体
2…サーボ領域
21…プリアンブル部
22…アドレス部
23…バースト部
3…データ領域
31…ディスクリートトラック
32…記録ビット
50…ガラス基板
51…磁気記録層
51a…C元素打ち込み
52…DLC保護膜
53…第1のハードマスク
54…第2のハードマスク
55…第3のハードマスク
56…レジスト

Claims (10)

  1. 基板上に磁気記録層を製膜し、
    前記磁気記録層の記録部に対応する領域にマスクを形成し、
    前記マスクに覆われていない領域の磁気記録層の一部に、C含有ガスを含むイオンビーム照射で失活して非記録部を形成し、
    全面に保護膜を形成する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記非記録部の形成は、前記マスクに覆われた記録部よりもC濃度の高い非記録部を形成するようイオンビーム照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記非記録部の形成は、前記マスクに覆われた記録部よりもC原子数が1%以上非記録部を形成するようにイオンビーム照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記マスクはカーボンを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記イオンビームのソースが、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、C、C10、HCN、CHFおよびそれらの混合物からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記イオンビームのソースは、更に、He、Ne、Ar、Kr、Xe、H、N、O、Oおよびそれらの混合物からなる群の混合ガスである
    ことを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記マスクの形成後にCを主成分とする層を成膜し、イオンビーム照射によりC元素を記録層中に拡散させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記Cを主成分とする層は、Cの濃度が50%以上である
    ことを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記Cを主成分とする層は、C、CN、AlC、SiC、TiC、VC、CrC、ZrC、NbC、MoC、TaC、WCのいずれか、あるいはそれらの混合物からなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記C元素を記録層へ拡散させるイオンビームは、He、Ne、Ar、Kr、Xeおよびそれらの混合物からなる群の混合ガスからなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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