JP2012078644A - 歯牙模型および歯牙模型ブロック、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

歯牙模型および歯牙模型ブロック、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歯髄腔部のリアル性を備えることにより、特に根管治療の実習に適した歯牙模型あるいはその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明に係る歯牙模型の製造方法は、光硬化性組成物からなる第1インクとワックス成分を含有する第2インクとを備えた3次元インクジェットプリンターを用いる歯牙模型の製造方法であって、前記3次元インクジェットプリンターのノズルから、エナメル質、象牙質およびセメント質に相当する部分には前記第1インクを吐出し、歯髄腔部に相当する部分には前記第2インクを吐出して、歯牙模型の一断面を描写する工程(a)と、前記一断面に光を照射して硬化層を形成する工程(b)と、前記工程(a)、(b)の順に繰り返して硬化層の積層体を造形する工程(c)と、前記積層体を加熱処理して前記ワックス成分を除去する工程(d)と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、歯牙模型および歯牙模型ブロック、ならびにそれらの製造方法に関する。
う蝕等の歯牙疾患が進行すると、その病変がエナメル質、象牙質を経て歯髄にまで到達することがある。この歯髄が細菌に感染してしまうと、歯髄炎を引き起こすことがある。一般的に歯髄炎は治癒することが不可能(不可逆性)であるため、根管治療により歯髄を除去(抜髄)する必要がある。根管治療の常法としては、リーマー、ファイル等の器具で細菌感染した歯髄を削り取り、次いで貼薬、充填等の一連の根管処置を経て、最終的に歯冠修復を行う方法が挙げられる。このような根管治療は、歯科治療の大部分を占めており、かつ、高度な技術を必要とする。そこで、歯科医学生らが根管治療を実習するための様々な歯牙模型が提案されている。
例えば、特許文献1には、歯牙模型用雌型に樹脂混合物を注入し、歯髄腔形状のシリコンゴムを前記雌型中央部に固定して重合硬化させることにより得られたシリコンゴム製の歯髄腔部を有する歯牙模型が提案されている。また、特許文献2には、アルミナや石膏等の無垢な材料を用いた顎歯模型用歯牙が提案されている。
特開平5−241498号公報 特開2006−163330号公報
しかしながら、前述の従来の技術で得られる歯牙模型は、切削性の面では天然歯と類似しているものの、特に歯髄腔部のリアル性に欠けており作業性の面では実習には向かなかった。したがって、根管治療を実習するためのモデルとしては、依然として抜歯した天然歯が使用されているという実態があった。天然歯を用いることで本格的な根管治療の実習が可能となるが、個々の歯の状態が一定ではないという問題があった。
本発明に係る幾つかの態様は、上記の課題を解決することで、歯髄腔部のリアル性を備えることにより、特に根管治療の実習に適した歯牙模型あるいはその製造方法を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る歯牙模型の製造方法の一態様は、
光硬化性組成物からなる第1インクとワックス成分を含有する第2インクとを備えた3次元インクジェットプリンターを用いる歯牙模型の製造方法であって、
前記3次元インクジェットプリンターの吐出ヘッドから、エナメル質、象牙質およびセメント質に相当する部分には前記第1インクを吐出し、歯髄腔部に相当する部分には前記第2インクを吐出して、歯牙模型の一断面を描写する工程(a)と、
前記一断面に光を照射して硬化層を形成する工程(b)と、
前記工程(a)、(b)の順に繰り返して硬化層の積層体を造形する工程(c)と、
前記積層体を40〜80℃に加熱処理して前記第2インクを除去する工程(d)と、
を含むことを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の歯牙模型の製造方法において、
前記積層体を100℃以上180℃以下の温度で1時間以上10時間以下加熱処理する工程(e)をさらに含むことができる。
[適用例3]
本発明に係る歯牙模型の一態様は、
適用例1または適用例2に記載の歯牙模型の製造方法により歯髄腔部が形成されたものである。
[適用例4]
適用例3の歯牙模型において、
前記歯髄腔部における根管口径は、0.1mm以上50mm以下であることができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4の歯牙模型において、
前記歯髄腔部における根尖孔径は、0.1mm以上50mm以下であることができる。
[適用例6]
適用例3ないし適用例5のいずれか一例の歯牙模型において、
前記歯髄腔部における根尖孔から0.5mm〜3mmの部分を湾曲させることができる。
[適用例7]
適用例3ないし適用例6のいずれか一例の歯牙模型において、
前記歯髄腔部が分岐構造を有することができる。
[適用例8]
本発明に係る歯牙模型ブロックの一態様は、
適用例1または適用例2の歯牙模型の製造方法により歯髄腔部が形成されたものである。
[適用例9]
適用例8の歯牙模型ブロックにおいて、
前記歯髄腔部における根管の先端部に空洞を有することができる。
本発明に係る歯牙模型の製造方法によれば、歯髄腔部のリアル性を備えることにより、天然歯と類似した切削性および作業性を有する歯牙模型を製造することができる。かかる歯牙模型によれば、歯科医学生らが一連の根管治療の実習を行うことができ、天然歯を用いて実習した場合と同様の効果が得られる。
本実施の形態に係る歯牙模型の製造方法に用いる製造装置の断面を模式的に示した図である。 工程(a)を模式的に示す図である。 工程(b)を模式的に示す図である。 工程(c)を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る歯牙模型の一例を模式的に示す斜視図である。 電気的根管長測定法の一例を模式的に示した概念図である。 本実施例で得られた歯牙模型を模式的に示す斜視図である。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.歯牙模型の製造方法
本実施の形態に係る歯牙模型の製造方法は、光硬化性組成物からなる第1インクとワックス成分を含有する第2インクとを備えた3次元インクジェットプリンターを用いる歯牙模型の製造方法であって、
前記3次元インクジェットプリンターの吐出ヘッドから、エナメル質、象牙質およびセメント質に相当する部分には前記第1インクを吐出し、歯髄腔部に相当する部分には前記第2インクを吐出して、歯牙模型の一断面を描写する工程(a)と、
前記一断面に光を照射して硬化層を形成する工程(b)と、
前記工程(a)、(b)の順に繰り返して硬化層の積層体を造形する工程(c)と、
前記積層体を加熱処理して前記第2インクを除去する工程(d)と、
を含むことを特徴とする。
以下、製造装置、インク、各工程の順に説明する。
1.1.製造装置
3次元インクジェットプリンターには、光硬化性組成物からなる第1インクを吐出するノズルと、ワックス成分を含有する第2インクを吐出するノズルと、光照射装置と、が備えられている。造形物に対応する部分には、前記第1インクを吐出するノズルから前記第1インクを吐出し、造形物に対応する部分以外には前記第2インクを塗出するノズルから前記第2インクを塗出して、造形物を含む一断面を描画し、前記一断面に光照射し、前記光硬化性組成物を硬化させることにより、1層目の硬化層およびワックス層を形成する。同様に1層目の上に2層目の硬化層およびワックス層を形成する。この工程を繰り返すことにより、目的とする造形物が積層体として形成される。
図1は、本実施の形態に係る歯牙模型の製造方法に用いることのできる3次元インクジェットプリンター100の断面を模式的に示す図である。図1に示すように、3次元インクジェットプリンター100は、キャリッジ10と、光源16と、平面ステージ18と、支持軸19と、支持台20と、筐体22と、を基本的構成として含む。3次元インクジェットプリンター100を構成する部材は、外部からの光を遮断するために筐体22の内部にそれぞれ配置されている。
キャリッジ10は、ノズル12aおよび12bを有する吐出ヘッド13と、吐出ヘッド13の両側面に配置された光照射部14aおよび14bと、を備えている。キャリッジ10は、平面ステージ18に対して平行な平面上(図1のX−Y方向)を自在に移動することができる。
吐出ヘッド13は、平面ステージ18に対向するように配置されている。吐出ヘッド13は、光硬化性組成物からなる第1インクをノズル12aから吐出し、ワックス成分を含有する第2インクをノズル12bから吐出する手段である。ここで、吐出ヘッド13としては、圧電方式、サーマル方式、静電アクチュエータ方式、静電吸引方式等の種々の方式を採用することができるが、インクの組成に吐出性能が影響されにくい点で、圧電方式の吐出ヘッドを用いることが好ましい。また、図1に示した吐出ヘッド13では、ノズル12aと12bの2種のノズルを有しているが、2種以上のノズルを有するマルチチャンネルとしてもよい。吐出ヘッド13をマルチチャンネルとすることで、複数箇所に同時にインクを吐出することができる。
光照射部14aおよび14bは、吐出ヘッド13の両側面に配置されている。光照射部14aおよび14bは、ノズル12aから吐出された第1インクに対して、光源16で発生させた光を照射して硬化させるためのものである。なお、図1に示す3次元インクジェットプリンター100では、光照射部14aおよび14bが吐出ヘッド13の両側面に配置されているが、この配置に制限されるものではなく、以下の手段を採用することもできる。例えば、(1)レーザー光またはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束光等を走査させながら光硬化性組成物に照射する手段、(2)所定パターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を光硬化性組成物に照射する手段、(3)多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を光硬化性組成物に照射する手段、(4)デジタルミラーデバイスを用いて各ミラーを画素として光照射のON/OFFを制御する手段、(5)水銀灯等が発する光を第1インクおよび第2インクを吐出して形成された一断面の全体に照射する手段、等を採用することができる。また、前記マスクを用いる手段においては、マスクとして液晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンにしたがって、光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気化学的に形成するものを用いることもできる。
光源16は、レーザー光線等の光を発生させるためのものである。発生光源16としては、例えば、光励起レーザー、メタルハライドランプ、ハイパーメタルハライドランプ、LED光源、水銀ランプ等を使用することができる。
平面ステージ18は、支持軸19を介して支持台20により固定されている。平面ステージ18は、図示しない昇降手段を備えている。かかる昇降手段は、後述する制御部により平面ステージ18上に硬化層が一層分形成されるごとに、その一層分の厚みだけ平面ステージ18が降下する仕組みとなっており、平面ステージ18上に形成された硬化層とキャリッジ10との距離が常時一定に保たれるようになっている。
なお、3次元インクジェットプリンター100には、3次元データを入力する計算機が接続されている。3次元インクジェットプリンター100は、前記3次元データに基づいてキャリッジ10および平面ステージ18の動作を制御する制御部を別途備えることができる。これらにより、高精細な歯牙模型を形成することができるようになる。
1.2.インク
1.2.1.第1インク
第1インクは、光硬化性組成物から構成される。光硬化性組成物は、レーザー光線等の光によって迅速に硬化する液状組成物であれば特に制限されない。しかしながら、歯牙模型には、適切な硬さ(切削性)、造影性および耐熱性を兼ね備えていることが要求される。そのため、光硬化性組成物としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび多官能(メタ)アクリレートを主成分とする組成物であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、以下の(1)〜(4)の方法によって製造することができる。
(1)ポリオールおよび脂肪族ポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
(2)脂肪族ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法。
(3)ポリオール、脂肪族ポリイソシアネート、および水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法。
(4)脂肪族ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後に再び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により得られるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは700〜3500、より好ましくは900〜2200である。数平均分子量が前記範囲内であると、光硬化性組成物の粘度が良好となりインクの吐出安定性が確保されると共に、歯牙模型の機械的特性が良好となる。
第1インク中におけるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、組成物全質量100質量%に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。ウレタン(メタ)オリゴマーの含有量が前記範囲内であると、歯牙模型の切削性がより天然歯に近くなるため好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレートともいう)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、一種単独であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
第1インク中における多官能(メタ)アクリレートの含有量は、組成物全質量100質量%に対して、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは10〜45質量%、特に好ましくは15〜40質量%である。多官能(メタ)アクリレートの含有量が前記範囲内であると、歯牙模型の切削性がより天然歯に近くなるため好ましい。
また、第1インクには、光重合開始剤を添加してもよい。光重合開始剤としては、光を照射することにより第1インクのラジカル反応を促進させる化合物であれば特に制限されない。光重合開始剤の具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。光重合開始剤の市販品名としては、IRGACURE 184、369、651、500、819、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、DAROCUR 1116、1173、LUCIRIN TPO(以上、BASFジャパン社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
第1インク中における光重合開始剤の含有量は、組成物全質量100質量%に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、光硬化性が良好となる場合がある。
第1インクには、上記成分以外に各種添加剤、例えば顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて添加することができる。
1.2.2.第2インク
第2インクは、ワックス含有組成物から構成される。ワックス含有組成物は、室温では固体であり、加熱により反応が起こることなく軟化して、かつ、光硬化性を有しない化合物(以下、「ワックス成分」ともいう)を含有していれば特に限定されない。ワックス成分の軟化点は、30〜80℃であることが好ましく、40〜70℃であることがより好ましい。このようなワックス成分としては、例えば、天然ロウ、合成ワックス等が挙げられる。天然ロウとしては、キャンデリラロウ、カルナバロウ、ライスワックス、密ロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、地蝋、等が挙げられる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックス,Fisher−Ttopsch合成により得られるワックス、ロウ質共重合体及びそれらのエステル、C−C32で直鎖状又は分枝状の脂肪鎖を持つ動植物又は食物性油の触媒水素添加によって得られるワックスや、シリコンワックス、フッ素含有ワックス等が挙げられる。第2インクを構成するワックス成分は、前記例示した化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上混合してもよい。第2インクは、メタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶剤、n−ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等の各種溶剤でワックス成分を希釈した形態が、取り扱いの点で優れるため好ましい。
1.3.製造工程
1.3.1.工程(a)
本工程は、3次元インクジェットプリンター100の吐出ヘッド13から、エナメル質、象牙質およびセメント質に相当する部分には前記第1インクを吐出し、歯髄腔部に相当する部分には前記第2インクを吐出して、歯牙模型の一断面を描写する工程である。図2は、工程(a)を模式的に示す図である。
まず、本工程では、歯牙模型の3次元データをX−Y平面でスライス処理した最下層のデータに基づいて、3次元インクジェットプリンター100のノズル12aおよび12bから前記インクを吐出して最下層の断面24aを平面ステージ18上に描写する。この際、歯の硬組織に相当する部分(すなわち、エナメル質、象牙質およびセメント質)には、光硬化性組成物からなる第1インクを吐出する。一方、歯髄腔部に相当する部分には、ワックス成分を含有する第2インクを吐出する。断面24aの厚さを30〜40μmとすることで、超高精細な歯牙模型の製造が可能となる。また、歯髄腔部のような空洞部分をワックス成分で充填しておくことで、薄肉厚かつ微細な形状である断面24aの形状を破壊せずに保持できる。さらに、歯牙模型の周辺にも第2インクを吐出してワックス成分で満たすことで、造形物の倒れを防止するサポートを形成する必要がないため好ましい。
1.3.2.工程(b)
本工程は、工程(a)で得られた断面24aに対して、光照射部14aおよび14bから光を照射して硬化層24bを形成する工程である。図3は、工程(b)を模式的に示す図である。工程(b)により、第1インクが吐出された部分のみが硬化して歯牙模型の硬組織が形成され、第2インクが吐出された部分は硬化せずに形状が保持される。
1.3.3.工程(c)
本工程は、前記工程(a)、(b)の順に繰り返して硬化層の積層体を造形する工程である。図4は、工程(c)を模式的に示す図である。
まず、歯牙模型の3次元データをX−Y平面でスライス処理した最下層の一層上のデータに基づいて、3次元インクジェットプリンター100のノズル12aおよび12bから前記インクを吐出して断面26aを硬化層24b上に描写する。その後、断面26aに対して、光照射部14aおよび14bから光を照射して硬化層26bを形成する。そして、この工程を所定回数繰り返すことにより、連続する複数の硬化層が一体的に形成された積層体を造形することができる。
1.3.4.工程(d)
本工程は、任意の工程であり、工程(c)で得られた積層体を加熱処理して歯牙模型の外表面に付着したワックス成分を除去する工程である。このとき、外表面に付着したワックス成分の全てが除去されていなくてもよい。また、歯髄腔部にワックス成分が残存していても構わない。本工程で、積層体を加熱する温度は、ワックス成分の軟化点よりも高い温度に設定する必要がある。ワックス成分の軟化点以上の温度で加熱してワックス成分を軟化させ、必要に応じ溶剤で洗うことで、積層体周囲のワックス成分を除去することができるからである。したがって、本工程の操作をより簡便にする観点から、ワックス成分の軟化点は、40℃以上80℃以下であることが好ましく、40℃以上70℃以下であることがより好ましい。加熱時間は、特に限定されず、例えば、1秒から1時間の間で、任意に設定できる。なお、歯牙模型の製造過程において、後述する工程(e)を経る場合は、その昇温過程を工程(d)と見なしてもよい。
工程(d)は、歯牙模型の周辺にも第2インクを塗出して製造するときに特に有用である。複数の歯牙模型がワックス中に設置されるように、一度に製造してもよい。
前述の工程により得られた積層体を平面ステージ18から取り出して、その表面に残存する未硬化の光硬化性組成物やワックス成分をアセトン等の有機溶剤で脱脂洗浄後、エアブロー等で乾燥させる。このようにして、目的とする歯牙模型が得られる。
従来の光硬化性組成物中に浸漬させた状態で光照射して造形する方法では、光硬化性組成物が経時的に硬化してしまうため、積層体を造形した後アルコールまたはアセトン等の有機溶媒による洗浄工程(以下、「後処理」という)が必要不可欠であった。これに対し、本実施の形態に係る歯牙模型の製造方法によれば、歯髄腔部に相当する部分にワックス成分含有組成物を充填するため、光硬化性組成物の経時的硬化を考慮することなく後処理なしで歯牙模型を造形することができる。
また、本実施の形態に係る歯牙模型の製造方法によれば、内部に歯髄腔部のような複雑な空洞を有する歯牙模型であっても分割せずに一度に製造することができる。
1.3.5.工程(e)
本工程は、任意の工程であり、工程(d)により得られた積層体を100℃以上180℃以下の温度で1〜10時間、さらに加熱処理する工程である。これにより、工程(d)により得られた積層体のユニバーサル硬度をさらに高めることができる。
具体的には、工程(d)により得られた積層体の表面に、必要に応じて紫外線ランプで照射しながら、熱風乾燥器等の加熱容器中に保管する。ここで加熱温度としては100〜180℃(より好ましくは120℃以上170℃以下)、保持時間としては1〜10時間が好ましいが、加熱や冷却工程の温度変化を徐々に行えば乾燥中の変形なども防止でき、より好ましい。また、加熱容器中の雰囲気を酸素濃度が低くなるように、窒素等で置換してもよい。
1.3.6.その他
歯科医学生らの根管治療の実習効果を高めるために、前述までの工程により作製された歯牙模型の歯髄腔部を色素で着色してもよい。歯髄腔部を色素で着色する方法としては、例えば、色素を溶解した着色液を瓶の中に入れて、得られた歯牙模型をその着色液に浸した状態で瓶の内部圧力を下げることにより、歯髄腔部を着色することができる。また、歯髄腔部のみを着色したい場合には、歯髄腔部に着色液を注入し静置しておくことにより、歯髄腔部のみを着色することができる。
2.歯牙模型および歯牙模型ブロック
2.1.歯牙模型
本実施の形態に係る歯牙模型は、前述の歯牙模型の製造方法により歯髄腔部が形成される。歯牙模型は天然歯の外形および歯髄腔部である内部形状を有する歯牙の模型であることが好ましいが、歯髄腔部である内部構造を有していれば、外形は任意とすることもできる。製造される歯牙模型は、天然の歯と同サイズでもよいし、天然の歯の数倍の大きさを有していてもよい。前述の歯牙模型の製造方法によれば、厚みが30〜40μm程度の硬化層を複数積層させることにより歯牙模型が形成されるため、該歯牙模型の内部に歯髄腔部等の微細な立体的形状を高精細に形成することができる。
図5は、本実施の形態に係る歯牙模型の一例である。図5においては、歯牙模型200の内部に位置する歯髄腔部の形状を実線で表し、歯牙模型200の全体構造を破線で表している。図5に示すように、歯牙模型200は、その内部に形成された歯髄腔部30と、前記歯髄腔部30を取り巻く象牙質およびエナメル質を含む歯冠部40と、前記歯髄腔部30を取り巻く象牙質を含む歯根部50と、を有している。歯髄腔部30は、髄質部32と、髄質部32から歯根方向へと伸びた根管34と、歯根の末端に存在する根尖孔36と、を有している。
根管34は、図示しないが、主たる根管から枝分かれした、いわゆる側枝を有していてもよいし、根管同士をつなぐ側枝を有してもよいし、根管同士をつなぐ根管からさらに枝分かれしていてもよい。なお、根管34を湾曲させた形状とすることにより、歯髄腔部30のリアル性を備えることができる。特に、根尖孔36から0.5mm〜3mmの部分の根管34を湾曲させることで、天然歯と類似した構造を構築することができる。
根管34としては、Weineが報告した分類のように、(I)根管の入口が1根管で出口が1根管である場合、(II)根管の入口が2根管で出口が1根管となる場合、(III)根管の入口が2根管で出口が2根管である場合、(IV)根管の入口が1根管で出口が2根管となる場合、等きわめて複雑な根管系があるが、歯牙模型200においてはこのような複雑な根管系を構築することも可能である。また、根管口径および根尖孔径は、例えば0.1mm以上50mm以下の範囲で任意に設計することができるが、根管の入口および出口の根管口径を根管中央部よりも狭く構築することで、歯髄腔部30のリアル性をさらに備えることができる。
さらに、図示しないが、根尖孔36においても枝分かれしており、いわゆる根尖分枝を有している。
本実施の形態に係る歯牙模型は、3次元インクジェットプリンターを用いて形成されるので、健康な歯と類似の形状のみならず病理像を再現した形状とすることもできる。病理像を再現した形状を有する歯牙模型としては、例えば、う蝕が進行した状態を再現した歯牙模型、歯石が付着した状態を再現した歯牙模型、歯根吸収(歯根の先端が溶解した状態をいう。)を再現した歯牙模型等が挙げられる。う蝕が進行した状態を再現した歯牙模型としては、従来では歯牙模型を作製することが困難であった内在性のう蝕を有する状態を再現した歯牙模型とすることもできる。
また、本実施の形態に係る歯牙模型は、歯冠部のエナメル質と象牙質の一部が歯髄の内側に深く陥入している陥入歯(歯内歯)を再現した歯牙模型、本来の歯根とは異なる別の枝分かれした歯根(副根)を再現した歯牙模型、grooveを再現した歯牙模型等の特殊な形状を再現することもできる。さらには、歯牙模型を支えるための顎骨を再現してもよい。
歯科医学生らの実習において、歯牙模型を用いて電気的根管長測定法を行うことがある。この際、本実施の形態に係る歯牙模型にさらに歯牙模型を支持する構造を付与しておけば、歯牙模型を電気的根管長測定装置に固定することができる。これにより、歯科医学生らの実習が行いやすくなる。図6は、電気的根管長測定法の一例を模式的に示した概念図である。図6に示すように、歯牙模型202には、固定部材60が設けられている。そして、容器70には、生理食塩水が満たされており、歯牙模型202の一部が生理食塩水に浸されるように配置されている。このような構成とすることで、歯牙模型202を容器70に容易に固定することができるので、電気的根管長測定法の操作が簡便なものとなる。なお、固定部材60と容器70とは、ネジ等で固定するとよい。
本実施の形態に係る歯牙模型は、歯髄腔部を形成するのみならず、前述したような特徴を取り入れることで、天然歯にそっくりな形状とすることができる。これにより、天然歯と同一または類似の形状の歯髄腔部を有する歯牙模型が得られるため、歯科医学生らが根管治療の本格的な実習を行うことができ、天然歯を用いて実習した場合と同様の効果が得られる。
さらに、実際の医療現場ではレントゲン写真を基に根管治療を行うが、抜歯した天然歯を用いて実習を行う場合には、本数分のレントゲン写真が必要となる。しかしながら、本実施の形態に係る歯牙模型は、同一形状の模型を量産することができるため、一枚のレントゲン写真を複製するだけで歯科医学生の根管治療の実習を行うことができる。
2.2.歯牙模型ブロック
歯牙模型ブロックとは、天然歯とは異なる外形を有する歯牙模型であって、歯冠および根管形態が天然歯と同様の形態であるものをいう。
前述した歯牙模型の製造方法によれば、このような歯牙模型ブロックを作製することもできる。かかる歯牙模型ブロックは、専用の顎模型に取り外し可能な形態とすることができる。また、歯牙模型ブロック内部は、前述した歯牙模型と同様に、天然歯とそっくりな根管形態を形成することもできる。また、根管先端(根尖部)には、外部に開いた貫通孔を有してしてもよい。根管先端に貫通孔を有することにより、根管部に生理食塩水を注入することができる。この孔には、電気的根管長測定法で使用する電極が挿入できるようにしておくとよい。このような形態を有する歯牙模型ブロックによれば、当該歯牙模型ブロックを専用の顎模型に装着し、さらにその顎模型を専用のマネキンに装着することで、実際の患者治療と同様のシチュエーションで根管治療の実習を行うことができる。
従来の電気的根管長測定法は、高価な電気的根管長測定専用の顎模型が必要であった。また、従来の電気的根管長測定法は、機材の準備が大変であり、生理食塩液が周囲に飛び散るため、後始末も容易ではなかった。しかしながら、前述した歯牙模型ブロックには生理食塩液および電極用の専用孔が形成されているので、当該歯牙模型ブロックさえあれば、他の特殊な顎模型がなくても電気的根管長測定法の実習が可能となる。すなわち、前述した歯牙模型ブロックによれば、事務机の上などで非常に簡単な準備で電気的根管長測定法の実習を行うことができるようになる。
3.実施例
以下に、本発明に関して実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
3.1.第1インクおよび第2インク
第1インクとして、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含有する光硬化性組成物を使用した。第2インクとして、ポリエチレンワックスからなるワックス成分を含む組成物を使用した。
3.2.歯牙模型の製造
3.2.1.製造装置
3次元インクジェットプリンター(株式会社スリーディー・システムズ製)を使用した。
3.2.2.製造方法
まず、見本となる天然歯の形状を3次元CADソリッドモデルとして作成し、STLファイルに変換した。次いで、STL変換されたファイルをスライス処理し、それを等高線データに変換し各断面の輪郭データを作成した。
得られた等高線データに基づいて、吐出ヘッドから吐出された光硬化性組成物からなる第1インクとワックス成分を含有する第2インクとが支持ステージ上の所定位置に配置されることにより、歯牙模型の一断面形状を描写した。その後、光照射部から紫外線を照射することで、光硬化性組成物で描写された部分が3次元架橋反応し、支持ステージ上に一層分の断面体が形成された。次いで、一層形成するごとに支持ステージが当該一層分下降して、同様の操作を繰り返すことで連続的に幾層もの断面体を積層させた。このようにして、歯牙模型の3次元モデルを完成させた。
得られた歯牙模型を70℃に加熱して、アセトンで洗浄することにより、ワックス成分を除去した後、さらにエアブローで乾燥させることにより歯髄腔部を有する歯牙模型を得た。さらに、得られた歯牙模型を150℃で5時間加熱処理することで目的とする歯牙模型を得た。
3.3.歯牙模型
図7は、本実施例により得られた歯牙模型204を模式的に示す斜視図である。図7では、本実施例に係る歯牙模型204の内部に位置する歯髄腔部の形状を実線で表し、歯牙模型200の全体構造を破線で表した。図7に示すように、歯牙模型204は、その内部に形成された歯髄腔部30と、前記歯髄腔部30を取り巻く象牙質およびエナメル質を含む歯冠部40と、前記歯髄腔部30を取り巻く象牙質を含む歯根部50と、を有していた。歯髄腔部30は、髄質部32と、髄質部32から歯根方向へと伸びた根管34と、歯根の末端に存在する根尖孔36と、を有していた。歯牙模型200の根管34の最大孔径を測定したところ、11mmであった。また、歯牙模型200の根尖孔36の最大孔径を測定したところ、4mmであった。さらに、根尖孔36から2mm程度内部に進入した箇所が湾曲していることが認められた。
以上のように、本実施例に係る歯牙模型の製造方法によって、天然歯と形状がそっくりな歯牙模型を製造することができた。
3.4.使用試験
以上のようにして得られた歯牙模型204を用いて、歯科学生10人が根管治療の実習を行った。その結果、歯牙模型204は、歯髄腔部30のリアル性が高く、天然歯とほぼ同等の切削性および(ファイリングおよびリーミング等の)作業性を有しており、根管治療の実習に適していることが分かった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…キャリッジ、12a・12b…ノズル、13…吐出ヘッド、14a・14b…光照射部、16…光源、18…平面ステージ、19…支持軸、20…支持台、22…筐体、24a・26a…断面、24b・26b…硬化層、30…歯髄腔部、32…髄質部、34…根管、36…根尖孔、40…歯冠部、50…歯根部、60…固定部材、70…容器、100…3次元インクジェットプリンター、200・202・204…歯牙模型

Claims (9)

  1. 光硬化性組成物からなる第1インクとワックス成分を含有する第2インクとを備えた3次元インクジェットプリンターを用いる歯牙模型の製造方法であって、
    前記3次元インクジェットプリンターのノズルから、エナメル質、象牙質およびセメント質に相当する部分には前記第1インクを吐出し、歯髄腔部に相当する部分には前記第2インクを吐出して、歯牙模型の一断面を描写する工程(a)と、
    前記一断面に光を照射して硬化層を形成する工程(b)と、
    前記工程(a)、(b)の順に繰り返して硬化層の積層体を造形する工程(c)と、
    前記積層体を40〜80℃に加熱処理して前記第2インクを除去する工程(d)と、
    を含む、歯牙模型の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記積層体を100℃以上180℃以下の温度で1時間以上10時間以下加熱処理する工程(e)をさらに含む、歯牙模型の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の歯牙模型の製造方法により歯髄腔部が形成された、歯牙模型。
  4. 請求項3において、
    前記歯髄腔部における根管口径は、0.1mm以上50mm以下である、歯牙模型。
  5. 請求項3または請求項4において、
    前記歯髄腔部における根尖孔径は、0.1mm以上50mm以下である、歯牙模型。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記歯髄腔部における根尖孔から0.5mm〜3mmの部分を湾曲させた、歯牙模型。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記歯髄腔部が分岐構造を有する、歯牙模型。
  8. 請求項1または請求項2に記載の歯牙模型の製造方法により歯髄腔部が形成された、歯牙模型ブロック。
  9. 請求項8において、
    前記歯髄腔部における根管の先端部に空洞を有する、歯牙模型ブロック。
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