JP2012077278A - 光学材料用樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】2段階で硬化することができ、透明性に優れ、硬化前後の収縮が少ない光学材料用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
ポリイソシアネート類(A)および/または末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー類(B)10〜80重量部、ポリオール類(C)10〜80重量部ならびにウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)5〜30重量部を少なくとも含有することを特徴とする光学材料用樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料用樹脂組成物およびその硬化物に関する。
液晶表示装置等の画像表示装置では、通常、画像表示パネルの損傷を防止し、また、表面を保護するために、画像表示パネルの前面に、保護パネルが設置されている。具体的には、例えば、画像表示パネルの周縁部において、画像表示パネルと保護パネルの間にスペーサ等を介在させ、保護パネルと画像表示パネルとの間に空気層が存在するように筐体内に組み付けられている。
しかし、画像表示パネルと保護パネルの間の空気層により、光の散乱が生じ、その結果、コントラストや輝度が低下するといった問題が生じていた。そこで、液晶表示パネルの表面に貼り付けられた偏光板の周囲にスペーサを配置し、このスペーサの上部に表面保護ガラスを載せるとともに、偏光板と表面保護ガラスの間に気泡が入らないように接着剤を充填し、液晶表示パネル上に前記表面保護ガラスを取り付ける方法が提案されている(特許文献1)。当該方法では光の散乱等は改善することができるが、接着剤として、紫外線硬化型樹脂を使用するため、一旦硬化してしまうと表示パネルモジュールを破損しないように位置ズレ等の修正をすることが困難という問題があり、また、紫外線硬化型樹脂は、硬化前後の収縮が大きいため、硬化前は隙間なく充填できていても、硬化後に隙間が生じてしまったり、歪が生じてしまったりするという問題があった。
そこで、剥離再利用性に優れた活性エネルギー線硬化組成物として、分子末端にカルボキシ基またはヒドロキシル基のいずれかを有するウレタンプレポリマーと、分子末端にエチレン性不飽和結合を有するウレタンプレポリマーを含有する活性エネルギー線硬化組成物が提案されている(特許文献2参照)。当該方法によれば、剥離再利用性に優れた活性エネルギー線硬化組成物が得られるものの、2種の異なるウレタンプレポリマーの組み合わせによっては相分離することがあり、また、末端がカルボキシル基またはヒドロキシル基であるため、未反応基が硬化物中に残留し、さらに、ウレタンプレポリマーのみでは高粘度であるため、作業性を考慮した粘度調整のために、活性エネルギー線により反応する反応性希釈剤を使用しなければならないという問題があった。
特開2005−55641号公報 特開2007−254705号公報
本発明は、2段階で硬化することができ、透明性に優れ、硬化前後の収縮が少ない光学材料用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討したところ、特定の組成物を用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ポリイソシアネート類(A)および/または末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー類(B)10〜80重量部、ポリオール類(C)10〜80重量部ならびにウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)5〜30重量部を少なくとも含有することを特徴とする光学材料用樹脂組成物;当該光学材料用樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより得られる硬化物に関する。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、熱および活性エネルギー線の2種類の方法で硬化できるため、硬化を2段階で進めることができる。これにより、たとえば、画像表示パネルと保護パネルの間に本発明の光学材料用樹脂組成物を充填した後、活性エネルギー線を照射し、硬化した場合であっても、熱硬化前であれば、組成物が完全に硬化していないため、位置ズレ等を修正することができる。また、本発明の光学材料用樹脂組成物は、硬化前後の収縮が少ないため、硬化後に隙間や歪が生じず、また、硬化物は、透明性に優れるため、光学用部品等として有用である。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、ポリイソシアネート(A)(以下、(A)成分という)および/または末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー(B)(以下、(B)成分という)10〜80重量部、ポリオール(C)(以下、(C)成分という)10〜80重量部ならびにウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)(以下、(D)成分という)5〜30重量部を少なくとも含有することを特徴とする。
(A)成分としては、イソシアネート基を少なくとも2つ以上有する化合物であって後述する(B)成分以外のものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的にはたとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、等の脂肪族系ポリイソシアネート(a1)(以下、(a1)成分という)、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、等の脂環族系ポリイソシアネート(a2)が挙げられる。なお、(a1)成分、(a2)成分としては、前記したものの変性体であってもよい。変性体としては、たとえば、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、ウレトジオン変性体、アロファネート変性体、ウレタン変性体等が挙げられる。(A)成分としては、(a1)成分および/または(a2)成分を用いることが、耐候性の点から好ましい。特に、(a1)成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を用いることが好ましく、(a2)成分としては、イソホロンジイソシアネートまたはノルボルナンジイソシアネートを用いることが好ましく、両者を併用して使用することもできる。
(B)成分は、ポリオール類(a3)(以下、(a3)成分という)と前記(A)成分を反応させて得られた反応物である。
(a3)成分としては、一分子中に少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール等の脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ポリオールなどが挙げられる。また、(a3)成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子中に活性水素含有基を2つ以上有する反応開始剤とアルキレンオキサイドとの反応により得られる化合物等が挙げられる。反応開始剤としては、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、ポリエーテルポリオールは、1種を単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これらの中では、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物を使用することが、得られる硬化物の透明性と組成物の相溶性の点から好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、等の脂肪族多塩基酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、等の脂環式多塩基酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、等の芳香族多塩基酸等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これらの中では、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られるポリエステルポリオールを用いることが、得られる硬化物の透明性と組成物の相溶性、耐候性の点から好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、等の環状エステル化合物の開環重合により得られる。なおラクトン化合物は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオールのホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法等により得られる。これらの中では、分子量1000〜2000の液状のものを用いることが、得られる硬化物の透明性と組成物の相溶性、充填性の点から好ましい。
(a3)成分と(A)成分の使用量比は、通常(a3)成分のヒドロキシル基数1モルに対し、(A)成分のイソシアネート基数1.5〜3.0モル程度反応させることにより得られる。
(B)成分としては、(a3)成分ならびに(a1)成分および/または(a2)成分を反応させて得られるものを用いることが、耐候性の点から好ましい。特に、(a3)成分としては、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物、ポリカプロラクトンポリオールを用いることが好ましく、(a1)成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネートを、(a2)成分としては、イソホロンジイソシアネートまたはノルボルナンジイソシアネートを用いることが組成物の相溶性の点から特に好ましい。
(A)成分および/または(B)成分のNCO%は、10〜50%程度とすることが好ましいが、さらに10〜30%程度とすることが硬化前後の収縮率を抑える点から好ましい。なお、NCO%は、JIS K 1603により算出される。
(C)成分としては、前記(a3)成分と同様のものを使用することができる。これらの中では、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを用いることが、組成物の相溶性の点から好ましく、特にテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物、ポリカプロラクトンポリオールのいずれかを用いることが、耐候性の点から好ましい。
(D)成分としては、ウレタン構造を有する(メタ)アクリレート樹脂であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。(D)成分としては、たとえば、前記(A)成分または(B)成分とヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートの反応物を用いることができる。ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されず公知のものを使用することができる。
ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
(A)成分および/または(B)成分とヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートの使用量比は、通常、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートのヒドロキシル基数1モルに対し、(A)成分および/または(B)成分のイソシアネート基数0.5〜2.0モル程度反応させることにより得られる。
(D)成分としては、たとえば、脂環構造を有するイソシアネート成分、ポリオール成分およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いて得られる脂環族系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(d1)(以下、(d1)成分という)、脂肪族構造を有するイソシアネート成分、ポリオール成分およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いて得られる脂肪族系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(d2)(以下、(d2)成分という)、芳香族構造を有するイソシアネート成分、ポリオール成分およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いて得られる芳香族系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(d3)(以下、(d3)成分という)等が挙げられる。
(d1)成分の調製に用いられる脂環構造を有するイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートを用いることが好ましい。また、(d1)成分の調製に用いられるポリオール成分としては、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物を用いることが好ましい。
(d1)成分の調製に用いられるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレートを用いることが好ましい。
(d2)成分の調製に用いられる脂肪族構造を有するイソシアネート成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが好ましい。また、(d2)成分の調製に用いられるポリオール成分としては、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物を用いることが好ましい。(d2)成分の調製に用いられるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレートを用いることが好ましい。
(d3)成分の調製に用いられる芳香族構造を有するイソシアネート成分としては、ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることが好ましい。また、(d3)成分の調製に用いられるポリオール成分としては、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールまたは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンのいずれかを反応開始剤として用いて、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを反応させた化合物を用いることが好ましい。(d3)成分の調製に用いられるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレートを用いることが好ましい。
これらの中では、(d1)成分および/または(d2)成分を用いることが、組成物の相溶性と耐候性の点から好ましい。
本発明の光学材料用樹脂組成物には、必要に応じて、反応性希釈剤(E)(以下、(E)成分という)を併用することができる。(E)成分としては、(D)成分以外のラジカル重合性の(メタ)アクリル化合物等を例示することができる。具体的には、たとえば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリシクロデカニルアクリレート、イソボルニルアクリレートなどが挙げられる。なお、(E)成分を使用する場合の使用量は、特に限定されないが、通常は、(D)成分100重量部に対し50重量部程度以下である。
本発明の光学材料用樹脂組成物には、活性エネルギー線による(D)成分の重合を速やかに開始させるため、ラジカル重合開始剤(F)(以下、(F)成分という)を使用することができる。(F)成分としては、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、フォスフィンオキサイド系開始剤など公知のものを使用することができる。特に、ヒドロキシル基を有する化合物を用いることが、組成物の相溶性の点から好ましい。なお、(F)成分の使用量は、特に限定されないが、通常(D)成分100重量部に対し、0.5〜5重量部程度である。
本発明の光学材料用樹脂組成物には、各種公知の添加剤を添加することができる。使用できる添加剤としては、たとえば、消泡剤、ウレタン硬化触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、難燃剤、脱水剤、可塑剤、フィラー等が挙げられる。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、加熱および活性エネルギー線の照射のいずれの方法によっても硬化させることができる。そのため、光学材料用樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより硬化させることもできる。硬化条件は、特に限定されないが、通常、活性エネルギー線照射を1000 mJ/cm程度、活性エネルギー線照射後の熱硬化は50〜80℃で2時間程度または25℃×20〜24時間程度とすることが好ましい。
本発明の硬化物は、硬化前後の収縮率が1.0%以下である。また、屈折率は1.45〜1.60であり、100μm厚みでの可視光透過率が90%以上であるため、光学材料として有用である。硬化前後の収縮率は、成型収縮率法により測定した値である。また、屈折率は、アッベ屈折計((株)アタゴ製、NAR−1T)により測定した値である。100μm厚みでの可視光透過率は、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、U−4100)により測定した値である。
本発明の実施例を以下に説明する。本発明の実施例に用いた原料化合物および添加剤についての詳細を表.1、2、3に示す。実施例は、ポリオール成分とウレタンアクリレートを含むものを主剤とし、イソシアネート成分を含むものを硬化剤とする2液性となっている。
製造例1(主剤の調製)
ポリエーテルポリオール(商品名:サンニックスFAー909、三洋化成工業(株)製)58重量部、ポリエーテルポリオール(商品名:ニューポールPEー62、三洋化成工業(株)製)33重量部、ウレタンアクリレート(商品名:ビームセット575、荒川化学工業(株)製)9重量部、触媒としてジブチルスズジラウレート0.01重量部を混合してポリオールとウレタンアクリレートの混合物(主剤)を調製した。
製造例2〜4
使用する各成分の種類および使用量を表1に記載のとおりに変更した他は製造例1と同様にして主剤を調製した。
Figure 2012077278
表中、略称は以下のとおりである。
サンニックスFA909:グリセリンを開始剤としてエチレンオキサイドを重合したポリエーテルポリオール(三洋化成工業(株)製、重量平均分子量6000、水酸基価28)
プラクセル305:ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業(株)製、重量平均分子量550、水酸基価305)
ニューポールPE62:プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを共重合して得られたポリエーテルポリオール(三洋化成工業(株)製、重量平均分子量2200、水酸基価51)
プラクセル205U:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、重量平均分子量530、水酸基価212)
プラクセルL220AL:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、重量平均分子量2000、水酸基価56)
ビームセット575:ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製)
ビームセット577:ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製)
製造例5
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(タケネートD−170HN、三井化学ポリウレタン(株)製)96.6重量部、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)を1.7重量部ずつ混合し、イソシアネートと光重合開始剤の混合物(硬化剤)を調製した。
製造例6〜8
使用する各成分の種類および使用量を表2に記載のとおりに変更した他は製造例5と同様にして硬化剤を調製した。
Figure 2012077278
表中、略称は以下のとおりである。
タケネートD−170HN:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(三井化学ポリウレタン(株)製、NCO%22.7%)
コロネートHX:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン工業(株)製、NCO%21.2%)
光重合開始剤A:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
光重合開始剤B:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
実施例1
製造例1で調製した主剤100重量部および製造例5で調製した硬化剤10重量部を混合して光学材料用樹脂組成物110重量部を得た。
実施例2〜6
使用する主剤および硬化剤の種類および使用量を表3および表4に記載のとおりに変更した他は実施例1と同様にして光学材料用樹脂組成物を調製した。
Figure 2012077278
Figure 2012077278
実施例1〜6で得られた光学材料用樹脂組成物を用いて可視光透過率、収縮率、屈折率、UV硬化性の測定を行った。結果を表5、表6に示す。
可視光透過率
実施例1〜6で調製した光学材料用樹脂組成物を0.1mmtサンプル成型用のガラス製の型に流し込み、UV照射炉にて1000mJ/cmのUV照射を行った後、乾燥炉にて60℃×1時間保持して硬化させた。得られた硬化物について、分光光度計(商品名:U−4100、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定を行った。
収縮率(成型収縮率法)
実施例1〜6で調製した光学材料用樹脂組成物を内径66.0mm、高さ8.8mmの金属型に10g流し込み、UV照射炉にて1000mJ/cmのUV照射を行った後、乾燥炉にて60℃×1時間保持して硬化させた。収縮率は金属型内径と硬化物の直径の差から求めた。
屈折率(JIS K 7105 5.1)
実施例1〜6で調製した光学材料用樹脂組成物を2.0mmtサンプル成型用のガラス製の型に流し込み、UV照射炉にて1000mJ/cmのUV照射を行った後、乾燥炉にて60℃×1時間保持して硬化させた。硬化物を用いてアッベ屈折計NAR−1Tを用いて測定を行った。
UV硬化性
主剤と硬化剤の混合液を2枚のスライドガラスで挟み、UV照射炉にて1000mJ/cmのUV照射を行った後、UV硬化性を確認するため、2枚のスライドガラスをずらす評価を行った。UV照射を行った後に2枚のスライドガラスがずれなかった場合を良好とし、ずれた場合を不良とした。
Figure 2012077278
Figure 2012077278
製造例9〜12
使用する各成分の種類および使用量を表7に記載のとおりに変更した他は製造例1と同様にして、主剤を調製した。
比較例1〜4
使用する主剤および硬化剤の種類および使用量を、表7および表8に記載のとおりに変更した他は、実施例1と同様にして光学材料用樹脂組成物を調製した。比較例1では、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)を添加しておらず、比較例2と3では、各成分の使用量が範囲外となっており、比較例4では、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)単独での評価となっている。
比較例1〜4で得られた光学材料用樹脂組成物を用い、上記方法と同様にして可視光透過率、収縮率、UV硬化性の測定を行った。結果を表9に示す。
Figure 2012077278
Figure 2012077278
Figure 2012077278

Claims (12)

  1. ポリイソシアネート類(A)および/または末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー類(B)10〜80重量部、ポリオール類(C)10〜80重量部ならびにウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)5〜30重量部を少なくとも含有することを特徴とする光学材料用樹脂組成物。
  2. ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(D)が、脂環族系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(d1)および/または脂肪族系ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(d2)である請求項1に記載の光学材料用樹脂組成物。
  3. ポリイソシアネート類(A)が、脂肪族系ポリイソシアネート類(a1)および/または脂環族系ポリイソシアネート類(a2)である請求項1または2に記載の光学材料用樹脂組成物。
  4. 末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー類(B)が、ポリオール類(a3)ならびに脂肪族系ポリイソシアネート(a1)および/または脂環族系ポリイソシアネート類(a2)を反応させて得られるものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
  5. ポリイソシアネート類(A)および/または末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマー類(B)のNCO%が、10〜50%である請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
  6. ポリオール類(C)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールである請求項1〜5のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
  7. 熱および活性エネルギー線により硬化ができる請求項1〜6のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
  9. 活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより得られる請求項8に記載の硬化物。
  10. 硬化前後の収縮率が1.0%以下である請求項8または9に記載の硬化物。
  11. 屈折率が1.45〜1.60である請求項8〜10のいずれかに記載の硬化物。
  12. 100μm厚みでの可視光透過率が90%以上である請求項8〜11のいずれかに記載の硬化物。
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