JP5277947B2 - ウレタン樹脂組成物及びその樹脂硬化物 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物及びその樹脂硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物及びその樹脂硬化物に関する。
ウレタン樹脂は、靭性、強度等の機械物性に優れることから、産業分野や日常生活分野で広く普及している。中でも、脂肪族イソシアネートや脂環式イソシアネートを用いたウレタン樹脂は近紫外域まで透明性が高く、耐着色性に優れることから、耐候性が要求されるコーティング用途や光学用途等で用いられている。
ウレタン樹脂の硬化物の成型法としては、イソシアネート含有溶液とポリオール含有溶液とを混合して型に流し込んで熱硬化し、その後、冷却してから型から取り出す注型法、加熱してある金型に混合溶液を加圧しながら流し込み短時間で加圧加熱によって硬化させて金型から取り出すリアクション・インジェクション・モールド法等が知られているが、より短時間での速硬化が求められている。
しかしながら、ウレタン化反応の触媒としてよく用いられる従来の塩基性触媒や金属塩系触媒は、硬化物の色味に悪影響を及ぼすことが知られており、光学用途では好ましくない。また、上記塩基性触媒、金属塩系触媒を用いた場合は、保管時の安定性、すなわちポットライフに悪影響を与えるという問題がある。
また、脂肪族イソシアネートや脂環式イソシアネートは芳香族イソシアネートと比較して、電子的要因からも立体構造的要因からもポリオールとの反応性に劣る。このため、イソシアネート基と水酸基とのウレタン化反応の促進剤としてアミン類等の塩基性触媒が用いられている。これは、アミンがイソシアネート基の炭素原子に配位し、その結果、中心の炭素原子は求電子性に富み、水酸基との反応が促進されると考えられている。
一方、同様に酸もウレタン化反応の促進剤として働く。これは、イソシアネート基の酸素原子にプロトンが付加し、その結果、中心の炭素原子は求電子性に富み、水酸基との反応が促進されると考えられている。反応促進作用があるのはブレンステッド酸に限られず、ルイス酸に分類される金属塩系触媒は一般的にアミン系触媒よりも活性が高いとされている。
このような状況下、速硬化性が必要となる上記のリアクション・インジェクション・モールド法に対応するために、特許文献1では有機錫触媒が、特許文献2ではカルボン酸や、アミドカルボン酸等の金属塩及び第3級アミン化合物の組合せが、特許文献3ではカルボン酸金属、ハロゲン化金属又はカルボン酸アンモニウム、錫−硫黄触媒、及び第三級アミンの組合せが、特許文献4では有機酸ビスマス及び有機酸カルシウムの組合せが、それぞれ反応促進剤として提案されている。
特許第3911030号公報 特許第2703180号公報 特許第3605160号公報 特開2007−246829号公報
しかしながら特許文献1〜4等に記載の樹脂組成物は、硬化促進作用に優れるものの、可使時間が短く、さらに樹脂硬化物の透明性、着色にも悪影響が見られるという問題がある。
そこで本発明は、硬化促進作用に優れるとともに、可使時間(ポットライフ)が十分に長く、さらにはその硬化物の透明性が高いウレタン樹脂組成物及びその樹脂硬化物を提供することを目的とする。
本発明は、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート、飽和ポリオール、及びかさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛を含有してなるウレタン樹脂組成物を提供する。
かかるウレタン樹脂組成物によれば、硬化促進作用に優れるとともに、可使時間が十分に長く、さらにはその硬化物の透明性が高い。
上記脂環式ポリイソシアネートは、第2級炭素原子に結合したイソシアネート基を有する2官能又は3官能の脂環式ポリイソシアネートであることが好ましい。
上記ウレタン樹脂組成物は、165℃でのゲル化時間が40秒以下であることが好ましく、また1mm厚の硬化物の589nmでの透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明はまた、上記本発明のウレタン樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物を提供する。かかる樹脂硬化物は、本発明のウレタン樹脂組成物を用いているので透明性が高い。
本発明によれば、硬化促進作用に優れるとともに、可使時間(ポットライフ)が十分に長く、さらにはその硬化物の透明性が高いウレタン樹脂組成物及びその樹脂硬化物を提供することができる。本発明のウレタン樹脂組成物は、その硬化物の透明性が高いことから、光学用途の成型物の原料として好適であり、また可使時間が十分に長いことから、注型法、リアクション・インジェクション・モールド法等の成型法により好適に成型することができる。
本発明のウレタン樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート、飽和ポリオール、及びかさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛を含有してなる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、上記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート(2,5−(2,6)ビスイソシアネトメチル[2,2,1]ヘプタン)又はこれらの混合物等が挙げられる。
また、脂環式ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型やビウレット型、アダクト型のポリイソシアネートであってもよく、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートを用いたイソシアヌレート型ポリイソシアネートが特に好ましい。
これらの中で、第2級炭素原子に結合したイソシアネート基を有する2官能又は3官能の脂環式ポリイソシアネートである、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートを用いたイソシアヌレート型ポリイソシアネートは反応性が低いために、本発明の効果が顕著に現れる。
また、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートは、上述のポリイソシアネートと後述する飽和ポリオールとの反応生成物であるイソシアネート基残存プレポリマーであってもよい。
上述の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
上記飽和ポリオールは、2官能以上の飽和ポリオールであり、その具体例としては、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、ポリエーテルポリオール、カーボネートポリオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリル樹脂ポリオール等が挙げられる。
軟質な硬化物を得たい場合にはより水酸基当量の大きいポリオール、例えば、高分子量で2官能のポリエーテルジオール、カーボネートジオール、ポリエステルジオール等が好ましい。
一方、硬質な硬化物を得たい場合にはより水酸基当量の小さいポリオール、例えば低分子量で2官能のカーボネートジオール、カプロラクトンジオール、3官能のカプロラクトントリオールや脂肪族トリオールとしてはトリメチロールプロパン、プロパン−1,2,3−トリオール、それにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加した誘導体、4官能の脂肪族テトラオールとしてはジグリセリンやそれにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加した誘導体等及びその混合物等が好ましい。
また、飽和ポリオールは、上述のポリイソシアネートと飽和ポリオールとの反応生成物である水酸基残存プレポリマーであってもよい。
上述の飽和ポリオールは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛としては、従来公知のものを用いることができる。かさ密度が0.12g/mlを超えると、ウレタン樹脂の硬化物においても、微白濁が見られ、透過率が低下する。なお、かさ密度が小さいことは、間接的に、粒子径が小さい、表面積が大きいことを表す。
かさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛としては、一次粒子の最大径が2μm以下、平均一次粒子径が1μm以下であることが望ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物には上記の成分以外に、酸化防止剤や光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、重合禁止剤等を添加することができる。
また、成形性の観点から離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等を添加してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、保存安定性の点から、上述の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートを含むイソシアネート成分B液と、飽和ポリオールを含むポリオール成分A液とからなる2液タイプの樹脂組成物とすることが好ましい。ここで、「2液タイプの樹脂組成物」とは、例えば、成分Aと成分Bといった、少なくとも2種の組成物からなり、これらを反応させて硬化物を得ることができるものである。
2液タイプの樹脂組成物においては、かさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛は、一般的にポリオールよりはポリイソシアネートに溶解する傾向があるので、イソシアネート成分B液中に含まれることが望ましい。
また、イソシアネート成分B液がイソシアネート基残存プレポリマーを含むか、あるいはポリオール成分A液が水酸基残存プレポリマーを含む場合には、A液とB液とを混合する際の相溶性を向上させることができるので好ましい。また、ポリオール成分A液が水酸基残存ポリマーを含み、かつイソシアネート成分B液がイソシアネート基残存プレポリマーを含む場合であっても同様の効果が得られる。
上記イソシアネート基残存プレポリマーは、飽和ポリオール中の水酸基当量Xとポリイソシアネート中のイソシアネート基当量Yとの比X/Yが0.05〜0.3となるように、ポリイソシアネートと飽和ポリオールとを反応させたものであることが好ましい。
上記の比X/Yが0.3より大きい場合はプレポリマーの分子量が大きくなり、粘度が高く扱い難くなる傾向があり、比X/Yが0.05より小さいと、プレポリマー化の効果が小さくなる傾向がある。
上記水酸基残存プレポリマーは、飽和ポリオール中の水酸基当量Xとポリイソシアネート中のイソシアネート基当量Yの比X/Yが3〜20となるように、ポリイソシアネートと飽和ポリオールとを反応させたものであることが好ましい。
上記の比X/Yが3未満であると、当該プレポリマーの分子量が大きくなり、粘度が高く扱い難くなる傾向があり、比X/Yが20を超えると、プレポリマー化の効果が小さくなる傾向にある。
なお、プレポリマーの合成は、触媒を添加することによって短縮できるが、着色を避けるため無触媒下で室温(25℃)又は加熱反応させる方が好ましい。
イソシアネート成分とポリオール成分との配合比は、水酸基当量/イソシアネート基当量の比が0.7〜1.3となるように配合することが好ましく、0.8〜1.1となるように配合することがより好ましい。この比が0.7〜1.3から外れると、硬化物の耐熱性、光学特性、機械特性が低下する傾向がある。
かさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛の配合量は、樹脂組成物の全質量に対して0.001〜1質量%であることが好ましく、0.002〜0.1質量%であることがより好ましい。配合量が0.001質量%未満であると、硬化促進効果が小さく、一方、1質量%を超えると、硬化物が微白濁する傾向がある。
本実施形態の樹脂組成物は、165℃でのゲル化時間が120秒以下であることが好ましく、40秒以下であれば量産性に優れるリアクション・インジェクション・モールド成型法やコンプレッション成型法で効率良く適用できるので特に好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物による樹脂硬化物は、透明性に優れ、1mm厚の硬化物の589nmでの透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた硬化物の製造方法は、特に制限はないが、例えば、調合し、均一化した樹脂組成物を注型、ポッティング又はリアクション・インジェクション・モールド成型法やコンプレッション成型法で加熱硬化することによって硬化物を得ることが好ましい。
また、2液タイプの場合もポリオール成分A液とイソシアネート成分B液とを混合、均一化した後、同様に硬化物を得ることが好ましい。これら樹脂組成物の調合方法や、2液の攪拌方法は、回転攪拌や超音波分散等による方法があり、樹脂組成物が均一となることが必要である。
また、混合物を成型する前に、調合、混合時に混入した気泡やイソシアネートと空気中の水分との反応で生成する二酸化炭素を除くために、樹脂混合物を真空脱泡することが望ましい。
本発明の樹脂組成物の硬化条件は、イソシアネート基と水酸基とが反応しウレタン樹脂を形成するような条件であればよい。一方、リアクション・インジェクション・モールド成型法やコンプレッション成型法の場合は、金型から取り出せる硬度まで硬化が進んでいれば、金型から取り出した後、さらに加熱し、反応を進めて後硬化させてもよい。
以上、説明した本発明の樹脂組成物は、イソシアネート基と水酸基との反応性に優れ、硬化物の着色が少なく、また他の有機錫やカルボン酸金属触媒と比較してポットライフに優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
なお、以下の実施例においては下記の化合物を用いた。
ポリオール(A1): 分子量が300、水酸価が540(KOH・mg/g)のポリカプロラクトントリオール
ポリオール(A2): トリメチロールプロパン(Perstorp社製)
イソシアネート(B1): 1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(三井武田ケミカル株式会社製、商品名タケネート600)
イソシアネート(B2): 4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(デグサジャパン製、H12MDI)
イソシアネート(B3): イソホロンジイソシアネート(デグサジャパン製、商品名VESTANAT IPDI)
イソシアネート(B4): ノルボルネンジイソシアネート(三井武田ケミカル株式会社製、商品名コスモネートNBDI)
イソシアネート(B5): イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70質量%酢酸ブチル溶液(住化バイエルウレタン製、商品名デスモジュールZ4470BA)
ステアリン酸亜鉛(C1): かさ密度0.10g/ml、平均粒径0.9μmのステアリン酸亜鉛(日本油脂株式会社、商品名MZ−2)
酸化防止剤(D1): [2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ヒンダード型フェノール系酸化防止剤:住友化学製、商品名スミライザーGA−80)
(実施例1)
イソシアネート(B1)27.1質量部、及びイソシアネート(B2)24.4質量部にポリオール(A1)9.7質量部を加え、窒素雰囲気下で、80℃で6時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。このイソシアネート基残存プレポリマーに硬化触媒としてステアリン酸亜鉛(C1)0.05質量部を加え、イソシアネート成分B液を調製した。
また、ポリオール(A1)38.7質量部に酸化防止剤(D1)0.1質量部を加え、窒素雰囲気下にて80℃で1時間、加熱攪拌して透明均一な、ポリオール成分A液を調製した。
上記A液61.25質量部と上記B液38.8質量部とを、室温で透明均一となるまで混合攪拌して樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
イソシアネート(B3)54.6質量部にポリオール(A2)4.5質量部を加え、窒素雰囲気下で、80℃で6時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。このイソシアネート基残存プレポリマーにステアリン酸亜鉛(C1)0.05質量部を加え、イソシアネート成分B液とした。
また、ポリオール(A1)40.9質量部に酸化防止剤(D1)0.1質量部を加え、窒素雰囲気下、80℃で1時間、加熱攪拌して透明均一な、ポリオール成分A液を調製した。
上記A液41質量部と上記B液59.2質量部とを、室温で透明均一となるまで混合攪拌して樹脂組成物を調製した。
(実施例3)
ポリオール(A1)18.1質量部に、ポリオール(A2)8.1質量部を加え、加熱攪拌してポリオール成分A液を調製した。
ポリオール(A2)1.5質量部とイソシアネート(B1)15.2質量部とを混合し、窒素雰囲気下100℃で3時間加熱攪拌し、イソシアネート基残存プレポリマーを調製した。このイソシアネート基残存プレポリマー16.7質量部、イソシアネート(B4)15.9質量部、イソシアネート(B5)41.2質量部、及び酸化防止剤(D1)0.1質量部を混合した後、酢酸ブチルを留去し均一樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液に、触媒としてステアリン酸亜鉛(C1)0.05質量部を加え、加熱攪拌しポリイソシアネート成分B液を調製した。
上記A液と上記B液とを、室温で透明均一となるまで混合攪拌して樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
ステアリン酸亜鉛(C1)を用いないこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
ステアリン酸亜鉛(C1)に代えてジブチル錫ジラウレート(昭和化学株式会社製)0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
(比較例3)
ステアリン酸亜鉛(C1)に代えてビスマス系触媒(C3:楠本化成製、商品名K−KAT348)0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
(比較例4)
ステアリン酸亜鉛(C1)に代えてかさ密度が0.15g/mlのステアリン酸亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名SZ−2000)0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
(比較例5)
ステアリン酸亜鉛(C1)に代えてかさ密度が0.25g/mlのステアリン酸亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名SZ−P)0.05質量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した。
[樹脂組成物の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた樹脂組成物について、下記の方法によりゲル化時間、可使時間、及び成型体の透明性を評価した。その結果を表1に示す。
(ゲル化時間)
ゲル化時間は、SYSTEM SEIKO製のゲル化試験機を用いて、ホットプレートの温度を165℃に設定し、ウレタン樹脂組成物がゲル化するまでの時間を測定することによって求めた。
(可使時間)
可使時間は、A液及びB液を混合後に室温で放置した場合に、粘度が初期の粘度の2倍になるまでの時間を測定することによって求めた。
(光透過率(透過性))
上記樹脂組成物について、液状トランスファー成型装置を用い、金型温度が165℃、射圧が10MPa、成型時間が90秒の条件で、40×40×1mmの板状の硬化物を成型し、成型体を得た。この成型体について、オーブンを用いて150℃で3時間、後硬化を行い、試験片を得た。得られた試験片について、分光光度計を用いて波長589nmでの光透過率を測定することにより光透過率を求めた。
Figure 0005277947

表1に示されるように、実施例1と比較例1を比べると、かさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛を用いることによって、可使時間が同等ながらゲル化時間を短縮でき、かつ同等の透過率が得られることが明らかである。実施例2及び3においてもゲル化時間、可使時間、透過率は実施例と同様な特性が得られた。
これに対し、比較例2及び3では、ゲル化時間が短いが、可使時間も短く作業性に劣っていた。
また、比較例4及び5では、ゲル化時間、可使時間は実施例1と同様な特性が得られたが、透過率が低下した。
さらに、比較例2及び3ではゲル化時間が速すぎて、透過率の測定用サンプルが作製できなかった。

Claims (5)

  1. 脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート、飽和ポリオール、及びかさ密度が0.12g/ml以下のステアリン酸亜鉛を含有してなるウレタン樹脂組成物。
  2. 前記脂環式ポリイソシアネートが、第2級炭素原子に結合したイソシアネート基を有する2官能又は3官能の脂環式ポリイソシアネートである、請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 165℃でのゲル化時間が40秒以下である、請求項1又は2に記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 1mm厚の硬化物の589nmでの透過率が90%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のウレタン樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物。
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