JP2012077134A - タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、加工性および耐引裂性を維持しつつ、低発熱性が改良されたタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれをキャップトレッドゴム部に用いた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分とカーボンブラックとを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物において、下記(1)〜(4)を満たすカーボンブラックを使用する。(1)ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、90〜180、(2)BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、5≦(BET5)−(STSA)≦12、(3)カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.70≦(ΔD−50)/(Dst)≦1.10、かつ(4)BET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.05≦(BET5)/(IA)≦1.35。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴム成分とカーボンブラックとを含有し、特に空気入りタイヤのキャップトレッドゴム部に採用されるタイヤトレッド用ゴム組成物であって、耐摩耗性、加工性および耐引裂性を維持しつつ、低発熱性が改良されたタイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
従来から、自動車用空気入りタイヤなどのゴム補強剤として、ゴム中に容易に分散し、かつ耐摩耗性などのゴム物性を付与できるカーボンブラックが使用されている。例えば、カーボンブラックの小粒径化、カーボンブラックの配合量の増加、カーボンブラック凝集体の高ストラクチャー化、あるいはカーボンブラック粒子表面の高活性化(表面官能基数の増大)などにより、ゴムの耐摩耗性が向上することが知られている。
一方、省エネルギーの観点から、自動車の燃料消費を節約するために、タイヤの転がり抵抗の低減が市場において強く要求されている。タイヤの転がり抵抗を低減するためには、寄与率が最も高いタイヤトレッド部のヒステリシスロスを低減し、低発熱性を改良する(つまり、発熱を抑制する)ことが効果的である。ヒステリシスロスを低減し、低発熱性が改良されたタイヤとするためには、ゴム補強剤として使用するカーボンブラックの配合量の低減、カーボンブラックの大粒径化、カーボンブラック凝集体の低ストラクチャー化、あるいはシリカ/界面活性剤の併用、などの方策がある。
しかしながら、カーボンブラックの粒径やストラクチャーなどの特性を制御することでタイヤの諸物性の向上を試みた場合、耐摩耗性と低発熱性とは二律背反の関係にあり、タイヤの耐摩耗性を維持しつつ低発熱性を改良することは困難である。加えて、カーボンブラックの特性や配合量の調整、さらにはシリカなどの併用に伴い、タイヤの耐引裂性や加工性が悪化する場合がある。したがって、これらのタイヤ特性をバランス良く向上することは非常に困難であった。
下記特許文献1では、150℃から450℃までの加熱減量が0.87質量%以上、トルエン着色透過度が90%以上、かつ窒素吸着比表面積(NSA)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比を1.10〜1.30に調整したカーボンブラック、ならびに脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかである加工助剤を含有するゴム組成物が、耐摩耗性と転がり抵抗の低減とを両立できる点を記載している。また、下記特許文献2では、セチルトリアンモニウム(CTAB)比表面積(m/g)を115〜145、DBP吸収量(24M4DBP)(ml/100g)とCTABとの比を0.75〜0.92、CTABとIAとの比を0.97〜1.25、比着色量TINT(%)≧−46.787(24M4DBP/CTAB)+168に調整したカーボンブラックを含有するゴム組成物が、耐摩耗性と低発熱性とを両立できる点を記載している。また、下記特許文献3では、NSAとIAとの比を1.20〜1.30、NSAとCTABとの差を5以下に調整したカーボンブラックを含有するゴム組成物が、耐摩耗性と低発熱性とを両立できる点を記載している。さらに、下記特許文献4では、CTABが120以上、圧縮DBP吸収量が90(ml/100g)以上、かつアグリゲート間ポア容積のうちポア径25〜30nmの占める量が30ml/100g以上であるカーボンブラックを含有するゴム組成物が、耐摩耗性と低発熱性とを両立できる点を記載している。
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、上記文献で着目したカーボンブラックの各指標を最適化するのみでは、カーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いを正確に把握することが困難であることが判明した。カーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いは、特に耐摩耗性と低発熱性とに大きな影響を及ぼすため、上記文献で使用されたカーボンブラックでは、特に耐摩耗性と低発熱性との両立を図る場合、さらなる改良の余地があることがわかった。
特開2009−40904号公報 特開2000−344945号公報 特開2007−231179号公報 特開2005−344063号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性、加工性および耐引裂性を維持しつつ、低発熱性が改良されたタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれをキャップトレッドゴム部に用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、カーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いを正確に把握する手法について、鋭意検討を行った。その結果、BET比表面積(BET5)と外部比表面積(STSA)との差が特定の範囲内にあるカーボンブラックでは、カーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いが、耐摩耗性と低発熱性との両立を図るうえで特に好ましいことが判明した。さらに、BET5とSTSAとに加えて、従来からカーボンブラックの特性を示す指標として使用されているジブチルフタレート(DBP)吸収量と、ヨウ素吸着量(IA)と、カーボンブラックのストークス径(Dst)およびストークス径分布(ΔD−50(半値幅))と、の関係で最適なカーボンブラックを配合したゴム組成物を原料とすることで、タイヤの耐摩耗性、加工性および耐引裂性を維持しつつ、低発熱性を改良できることを見出した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上述の目的を達成するものである。
即ち、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分とカーボンブラックとを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物であって、前記ゴム成分が、前記ゴム成分100重量部中、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを50〜100重量部、重量平均分子量(Mw)が35万〜100万のポリブタジエンゴムを0〜50重量部含有するものであり、前記カーボンブラックが、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物;
(1)ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、90〜180、
(2)BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、5≦(BET5)−(STSA)≦12、
(3)前記カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.70≦(ΔD−50)/(Dst)≦1.10、かつ
(4)BET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.05≦(BET5)/(IA)≦1.35、に関する。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックの(1)ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、90〜180であるため、耐摩耗性と低発熱性とをバランス良く両立することができる。DBP吸収量は、カーボンブラック凝集体のストラクチャーの指標となるものであり、DBP吸収量が(1)に記載の範囲を下回ると、カーボンブラック凝集体のストラクチャーが低すぎるため、耐摩耗性が悪化する傾向がある。一方、DBP吸収量が(1)に記載の範囲を超えると、カーボンブラック凝集体のストラクチャーが高すぎるため、低発熱性が悪化する傾向がある。
また、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックの(2)BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、5≦(BET5)−(STSA)≦12となる。BET比表面積(BET5)と外部比表面積(STSA)とは、いずれも窒素吸収量に基づいて計算された比表面積に関する指標であるため、両者の差を算出することで、カーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いを正確に把握することができる。
カーボンブラック凝集体表面の細孔にはゴム分子が入り込めないため、細孔が多いほどカーボンブラックとゴム分子との結びつきが弱くなる。本願発明では、カーボンブラックの(BET5)−(STSA)の関係が上記(2)を満たすため、カーボンブラックとゴム分子との結びつき度合いが最適化され、その結果、耐摩耗性と低発熱性とをバランス良く両立することができる。
また、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、(3)カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.70≦(ΔD−50)/(Dst)≦1.10であるため、耐摩耗性および低発熱性、さらに耐引裂性をバランス良く向上することができる。(ΔD−50)/(Dst)が(3)に記載の範囲を下回ると、低発熱性が悪化する傾向がある。一方、(ΔD−50)/(Dst)が(3)に記載の範囲を超えると、耐摩耗性および耐引裂性が悪化する傾向がある。
さらに、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックの(4)BET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.05≦(BET5)/(IA)≦1.35であるため、カーボンブラックとゴム分子との結びつき度合いが最適化され、耐摩耗性および低発熱性をバランス良く向上することができる。(BET5)/(IA)は、カーボンブラック粒子の表面活性の指標となるものであり、(BET5)/(IA)が(4)に記載の範囲を下回ると、低発熱性が悪化する傾向がある。一方、(BET5)/(IA)が(4)に記載の範囲を超えると、加工性および耐引裂性が悪化する傾向がある。
上記タイヤトレッド用ゴム組成物において、前記カーボンブラックの外部比表面積(STSA)(m/g)が、75〜170であることが好ましい。STSAは、カーボンブラック粒子の比表面積(粒径)の指標となるものであり、STSAが75未満であると耐摩耗性が悪化する傾向があり、170を超えると低発熱性が悪化する傾向がある。
上記タイヤトレッド用ゴム組成物において、前記ゴム成分100重量部に対する前記カーボンブラックの配合量が、35〜60重量部であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が35重量部未満であると、補強性が十分でなく耐摩耗性が悪化する傾向があり、60重量部を超えると、加工性や低発熱性が悪化する傾向がある。
上記タイヤトレッド用ゴム組成物において、さらに、前記ゴム成分100重量部に対して、シリカを0〜15重量部、かつ前記シリカの含有量に対してシランカップリング剤を5〜15重量%含有してもよい。上記所定量のシリカおよびシランカップリング剤を含有する場合、タイヤトレッド部の耐引裂性および耐摩耗性に優れ、かつ低発熱性が向上するため好ましい。
また、本発明は前記いずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をキャップトレッドゴム部に用いた空気入りタイヤに関する。上述のとおり、本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性、加工性および耐引裂性が維持され、かつ低発熱性が改良されたものである。したがって、かかるタイヤトレッド用ゴム組成物をキャップトレッドゴム部に用いた空気入りタイヤは、耐摩耗性および耐引裂性に優れ、かつ低発熱性に優れることから転がり抵抗を低減することができる。
各カーボンブラックについて、横軸に(BET5)/(IA)、縦軸に(BET5)−(STSA)をプロットしたグラフ
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、必須成分としてゴム成分とカーボンブラックとを含有する。本発明においては、ゴム成分として、ゴム成分100重量部中、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを50〜100重量部、重量平均分子量(Mw)が35万〜100万のポリブタジエンゴムを0〜50重量部含有する。本発明においては、ゴム成分100重量部中、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを60〜80重量部、重量平均分子量(Mw)が35万〜100万のポリブタジエンゴムを20〜40重量部含有することが好ましい。天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)としては、必要に応じて、末端を変性したもの(例えば、末端変性BRなど)、あるいは所望の特性を付与すべく改質したもの(例えば、改質NR)も使用可能である。また、ポリブタジエンゴム(BR)については、コバルト(Co)触媒、ネオジム(Nd)触媒、ニッケル(Ni)触媒、チタン(Ti)触媒、リチウム(Li)触媒を用いて合成したものに加えて、WO2007−129670に記載のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物を用いて合成したものも使用可能である。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)以外のジエン系ゴムを本発明の効果を損なわない範囲でゴム成分として含有しても良い。ジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上のブレンドとして用いることができる。これらのゴムについても、末端を変性したもの、あるいは所望の特性を付与すべく改質したものを使用することができる。合成ゴムの場合、その重合法や分子量などは特に制限されることはなく、ゴム種類とブレンド比率の組合せを適宜選択することができる。
本発明においては、使用するカーボンブラックが下記(1)〜(4)を満たす点が最大の特徴である。
(1)ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、90〜180、
(2)BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、5≦(BET5)−(STSA)≦12、
(3)前記カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.70≦(ΔD−50)/(Dst)≦1.10、かつ
(4)BET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.05≦(BET5)/(IA)≦1.35。
上記(1)〜(4)を満たすカーボンブラックは、タイヤ業界で通常使用されるISAFクラス(ASTMグレード)のカーボンブラックよりもカーボンブラック凝集体表面の細孔の度合いが少なく、その粒径、ストラクチャー、凝集体分布が特殊なカーボンブラックである。本発明においては、かかるカーボンブラックを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物を原料として使用することで、タイヤトレッドの耐摩耗性、加工性および耐引裂性を維持しつつ、低発熱性を改良することができる。より具体的には、ISAFクラスのカーボンブラックを含有するゴム組成物に匹敵する耐摩耗性および耐引裂性と、HAFクラスのカーボンブラックを含有するゴム組成物に匹敵する低発熱性を実現することができる。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物では、外部比表面積(STSA)(m/g)が、75〜170であるカーボンブラックを含有することが好ましい。この場合、耐摩耗性と低発熱性とをよりバランス良く両立することができる。
特に、本発明においては、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、120〜150であることが好ましく、BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、7≦(BET5)−(STSA)≦10であることが好ましく、カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.75≦(ΔD−50)/(Dst)≦0.95であることが好ましく、あるいはBET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦(BET5)/(IA)≦1.30であることが好ましい。また、本発明においては、カーボンブラックの外部比表面積(STSA)(m/g)が、90〜120であることが好ましい。
上記カーボンブラックの特性評価項目のうち、ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)はJIS K6217−4、BET比表面積(BET5)(m/g)および外部比表面積(STSA)(m/g)はJIS K6217−7、ストークス径(Dst)およびストークス径分布(ΔD−50(半値幅))はJIS K6217−6、ならびにヨウ素吸着量(IA)(mg/g)はJIS K6217−1に準拠して測定したものである。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分100重量部に対するカーボンブラックの配合量は、35〜60重量部であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が35重量部未満であると、補強性が十分でなく耐摩耗性が悪化する傾向があり、60重量部を超えると、加工性や低発熱性が悪化する傾向がある。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックに加えて、充填剤としてシリカおよびシランカップリング剤を配合しても良い。特に、BET比表面積(BET5)(m/g)が90〜220、ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、120〜220であるシリカを配合した場合、タイヤトレッドの耐引裂性および耐摩耗性が向上するため好ましい。シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対して0〜15重量部であることが好ましく、0〜10重量部以下であることがより好ましい。また、シランカップリング剤の配合量は、シリカの含有量に対して5〜15重量%であることが好ましい。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シラン系カップリング剤とともに、硫黄、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、加硫戻り抑制剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合し用いることができる。
硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100重量部に対する硫黄の配合量は、0.5〜5.0重量部が好ましい。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100重量部に対する加硫促進剤の配合量は、0.1〜5.0重量部が好ましい。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。ゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100重量部に対する老化防止剤の配合量は、0.0〜5.0重量部が好ましい。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シラン系カップリング剤、必要に応じて硫黄、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、加硫戻り抑制剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、ゴム成分およびカーボンブラックのみを予め混練マスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。なお、ゴム成分およびカーボンブラックを予めマスターバッチとする場合、ゴムラテックスにカーボンブラックを混入して得られるウエットマスターバッチを使用してもよい。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて、ゴム用押出機などの公知の設備により、タイヤトレッドを製造し、これらを備える未加硫タイヤを成型した後、公知の方法に従い加硫することで、空気入りタイヤを製造することができる。その結果、耐摩耗性および耐引裂性に優れ、かつ転がり抵抗が低減された空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、実施例などにおける評価項目は、各ゴム組成物を150℃にて30分間加熱、加硫して得られたゴムサンプルを下記の評価条件に基づいて評価を行った。
(1)加工性
JIS K6300に準拠し、予熱時間1分、ローター作動時間4分、測定温度100℃で測定したムーニー粘度(ML(1+4))値に基づいて評価を行った。比較例1のML(1+4)値を100として指数評価で表示し、数値が小さいほど加工性が良好であることを意味する。
(2)耐引裂性
JIS K6252に準拠して評価を行った。比較例1の測定値を100として指数評価で表示し、数値が大きいほど耐引裂性が良好であることを意味する。
(3)耐摩耗性
JIS K6264に準拠し、スリップ率30%、負荷荷重40N、落砂量20g/分で測定した結果に基づいて評価を行った。比較例1の測定値を100として指数評価で表示し、数値が大きいほど耐摩耗性が良好であることを意味する。
(4)低発熱性(tanδ)
UBM社製粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み15%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz、温度60℃で測定したtanδ値に基づいて評価を行った。数値が小さいほどヒステリシス特性に優れることを意味する。
(タイヤトレッド用ゴム組成物の調製)
表1および表2の配合処方に従い、実施例1〜12および比較例1〜9のタイヤトレッド用ゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、タイヤトレッド用ゴム組成物を調整した。表1および表2に記載の各配合剤を以下に示す(表1および表2において、カーボンブラックおよび各配合剤の配合量を、ゴム成分100重量部に対する重量部数で示す)。なお、カーボンブラックは以下の製造方法により製造した。
a)ゴム成分
天然ゴム(NR) 「RSS#3」
ブタジエンゴム(BR−(1))(Co系触媒を使用して合成された末端未変性品、Mw=48.6万)、「BR150L」、(宇部興産社製)
ブタジエンゴム(BR−(2))(Nd系触媒を使用して合成された末端未変性品、Mw=65.8万)、「CB22」、(LANXESS社製)
ブタジエンゴム(BR−(3))(Li系触媒を使用して合成された末端スズ変性品、Mw=47.8万)、「BR1250H」、(日本ゼオン社製)
b)シリカ (BET比表面積 205(m/g)、DBP吸収量 150(ml/100g)) 「ニップシールAQ」、(東ソー・シリカ社製)
c)シランカップリング剤 「Si69」、(デグサ社製)
d)亜鉛華 「亜鉛華1号」、(三井金属鉱業社製)
e)ステアリン酸 「ビーズステアリン酸」、(日油社製)
f)老化防止剤 「アンチゲン6C」、(住友化学社製)
g)加硫促進剤 「ソクシールCZ」、(住友化学社製)
h)粉末硫黄 (鶴見化学工業社製)
(カーボンブラックの製造方法)
炉頭部に接線方向空気供給口と炉軸方向に装着された燃焼バーナーを備える燃焼室と、該燃焼室と同軸的に連設された原料油噴射ノズルを有する多段の狭径反応室および広径反応室と、により構成されるオイルファーネス炉を用いて、カーボンブラック混合ガス温度を1000〜2200℃、空気量(Nm/h)と原料導入量(kg/h)の比を2.0〜6.0、空気量と燃料導入量(kg/h)の比を15.0〜30.0、原料導入量と燃料導入量の比を3.0〜8.0の範囲内で適宜調整し、規定の比表面積、ストラクチャー、表面活性、凝集体分布、細孔の度合いを有するカーボンブラックを得るために、下記i)〜iv):
i)原料油の分割導入、
ii)酸素ガス添加、
iii)反応時間0.002〜0.05(秒)、
iv)乾燥温度180〜250(℃)、
を単独もしくは組み合わせて表1に記載のカーボンブラック(A)〜(E)を製造した。表3にカーボンブラック(A)〜(E)のカーボンブラック特性を示す。また、カーボンブラック(A)〜(E)について、横軸に(BET5)/(IA)、縦軸に(BET5)−(STSA)をプロットしたグラフを図1に示す。
また、カーボンブラック(F)〜(H)として、下記に記載のカーボンブラック市販品を使用した。表3にカーボンブラック(F)〜(H)のカーボンブラック特性を示す。また、カーボンブラック(F)〜(H)について、横軸に(BET5)/(IA)、縦軸に(BET5)−(STSA)をプロットしたグラフを図1に示す。
g)カーボンブラック(F) 「シースト9(SAF)」、東海カーボン社製
h)カーボンブラック(G) 「シースト6(ISAF)」、東海カーボン社製
i)カーボンブラック(H) 「シーストKH(HAF)」、東海カーボン社製
Figure 2012077134
Figure 2012077134
Figure 2012077134
表1の結果から、カーボンブラック(A)〜(E)のいずれかを含有する実施例1〜12に係るタイヤトレッド用ゴム組成物の加硫ゴムは、使用したカーボンブラックが上記(1)〜(4)の条件を全て満たすため、耐摩耗性、加工性および耐引裂性に優れ、かつ低発熱性に優れることがわかる。一方、表2の結果から、カーボンブラック(F)〜(H)のいずれかを含有する比較例1〜9に係るタイヤトレッド用ゴム組成物の加硫ゴムは、使用したカーボンブラックが上記(1)〜(4)の条件のいずれかを満たさないため、耐摩耗性、加工性、耐引裂性、低発熱性のいずれかにおいて悪化することがわかる。

Claims (5)

  1. ゴム成分とカーボンブラックとを含有するタイヤトレッド用ゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、前記ゴム成分100重量部中、天然ゴムまたはポリイソプレンゴムを50〜100重量部、重量平均分子量(Mw)が35万〜100万のポリブタジエンゴムを0〜50重量部含有するものであり、
    前記カーボンブラックが、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物;
    (1)ジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)が、90〜180、
    (2)BET比表面積(BET5)(m/g)と外部比表面積(STSA)(m/g)との差が、5≦(BET5)−(STSA)≦12、
    (3)前記カーボンブラックのストークス径(Dst)とストークス径分布(ΔD−50(半値幅))との比が、0.70≦(ΔD−50)/(Dst)≦1.10、かつ
    (4)BET比表面積(BET5)(m/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.05≦(BET5)/(IA)≦1.35。
  2. 前記カーボンブラックの外部比表面積(STSA)(m/g)が、75〜170である請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100重量部に対する前記カーボンブラックの配合量が、35〜60重量部である請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. さらに、前記ゴム成分100重量部に対して、シリカを0〜15重量部、かつ前記シリカの含有量に対してシランカップリング剤を5〜15重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をキャップトレッドゴム部に用いた空気入りタイヤ。
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