JP2012076923A - ジブクレーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状のベースフレーム12に旋回フレーム2を旋回自在に搭載し、旋回フレーム2上にクレーン部を搭載した旋回式ジブクレーンであって、ベースフレーム12が、上フレーム20と下フレーム30とからなり、上フレーム20を下フレーム30の上に重ねた状態で着脱自在な締結手段で互いに締結されている。上フレーム20と下フレーム30が別部材であることから、クレーン部1からの荷重がまず上フレーム20に伝達され、上フレーム20のみにおいて縦横に働く力のバランスがとられる。そして、上フレーム20から下フレーム30には垂直な方向の荷重のみが伝えられるので、ベースフレーム10に変形が生じない。
【選択図】図1
Description
ジブクレーンのうち旋回式のものは、原子炉や港湾設備等の大型構造物の組立てに利用されるが、荷役対象物が数百トンから約千トンに達する超重量物であることもあり、クレーン自体が相当の重量をもつ大型構造物である。
したがって、そのままで設置現場に搬送することはできないので、設置現場に分解した状態で搬送してきて組立て、使用に供し、工事の終了と共に分解して撤去される。
そこで、従来に一般的であったベースフレーム110を図9の模式図で示す。ベースフレーム110は環状であり、その中心には中心筒101がおかれ、中心筒101とベースフレーム110とは、スポーク121,122,123で結合されている。ベースフレーム110は、断面形状が三角形か台形の構造物で、補強リブ等が任意に形成されていても、基本構造としては一体物である。
また、クレーン部より伝えられる荷重が、風や荷振等の外力で偏荷重として作用すると、ベースフレームから載置面へ偏った荷重のまま伝えるので、ベースフレームの一部に負荷が作用してベースフレームを変形させたり、それに起因して、クレーン動作の安定性が損なわれ、クレーンの稼働に種々の制約が生じるという問題があった。
第2発明のジブクレーンは、第1発明において、前記ベースフレームは、環状の上フレームと環状の下フレームとからなり、前記上フレームは、その断面形状が2枚の側リブ部を有する三角形であり、前記下フレームは、その断面形状が台形であり、その両端部にそれぞれ三角形の側リブを有していることを特徴とする。
第3発明のジブクレーンは、第2発明において、前記上フレームは、円周方向に分割された複数個の上分割ブロックからなり、前記下フレームは、円周方向に分割された複数個の下分割ブロックからなり、前記上分割ブロックの底板と前記下分割ブロックの天板には、互いの積み重ね位置を規制する位置決め部が設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、上フレームの頂点に作用した負荷は三角形の二辺の側リブで二分されて下フレームの左右の上端部に伝えられる。そして、下フレームの2ヵ所の上端に作用した負荷は、それぞれ三角形の側リブにより更に二分されて載置面に伝達されるので、結局荷重は理論上4等分されて載置面に伝えられる。このため、クレーン部の重量や吊荷重量が均等に分散されて載置面に伝えられるので、ベースフレームの変形や載置面の変形が生じにくい。
第3発明によれば、上分割ブロックを下分割ブロックに載せたとき、位置決め部が互いの積み重ね位置を拘束するので、上クレームと下クレームの積み重ね位置が不動に規制され、上クレームと下クレームが分割ブロックから構成されているとしても、組立てが容易かつ短時間で行え、組立後の位置決め精度も高く維持できる。
(基本構造)
図3および図4に基づき、本発明に係るジブクレーンAの基本構造を説明する。
ジブクレーンAは、上部構造物であるクレーン部1とそれを支え地面に設置するための下部構造物である稼働支持体10とからなる。
3はジブで、その基部がピンで旋回フレーム2に枢支され、起伏自在となっている。4は補助ジブで、ジブ3の先端に取付けられている。5はガイドマストで、その上端部にはガイドシーブが取付けられている。6は起伏用ウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(起伏ロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3を起伏させることができる。
8は補巻きウインチで、このウインチから繰り出されたワイヤロープ(補巻きロープ)を繰り出し巻き戻しすることで、ジブ3の先端から吊り降ろした補フック8fを上げ下げすることができる。
9はジブ3と吊荷からなる転倒モーメントをバランスさせるために設置したカウンタウエイトである。
旋回レール11は環状のレールであって、その上面を旋回フレーム2の走行車輪が走行する。
ベースフレーム12の中心には、中心筒40が配置され、この中心筒40の上端には、中心軸41が立設され、中心軸41には球面軸受42が嵌められている。
51は上スポークで、中心筒40の上端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。52は斜めスポークで、中心筒40の下端部と上分割ブロック21の上端部との間で連結されている。53は下スポークで、中心筒40の下端部と下分割ブロック31の下端部との間で連結されている。
旋回フレーム2は、中央フレーム2Aと第1フレーム2Bと第2フレーム2Cの3分割構造のフレームで構成されている。なお、各フレーム2A,2B,2Cは、互いに連結ピンと連結ステーを介して結合分離が可能となっている。
中央フレーム2Aの中心部には、嵌合凹部が構成されており、前記中心軸41の球面軸受42に外挿されている。この構造により、旋回フレーム2の中心がベースフレーム12の中心と一致した位置に保持され、かつベースフレーム12の中心と旋回フレーム2の中心が一致した状態で、旋回フレーム2が旋回動作するようになっている。
図7は上フレーム20を構成する上分割ブロック21を示している。
上分割ブロック21は、側面視で略四角形のリブ22を円周方向に多数枚並べて、底板25と側板26,27と天板28を接合して箱状に構成したものである。
リブ22は主リブ23と補リブ24とからなる。主リブ23は、側リブ23a,23bで基本形状が二等辺三角形となるように形成されている。このため、垂直に作用した荷重を2枚の側リブ23a,23bに分散して下方に伝えることができる。また、中央部分は肉抜きされているので軽量である。
主リブ23の頂面、つまり天板28に沿う位置には、旋回レール11が固定されている。
なお、旋回レール11はベースフレーム12と同様に6分割された分割レールを環状に連結したものである。
下分割ブロック31は、側面視で台形のリブ32を円周方向に多数並べて、底板35と側板36(図8参照)および側板37と天板38を接合して箱状に構成したものである。
リブ32は、左右両側の二等辺三角形の側リブ32a,33bと、それを上下でつなぐ上辺32c、下片32dからなる。なお、中央部分は肉抜きされ、軽量化されている。
内側の側リブ32aの内側下端部には取付ブラケット32pが形成され、下スポーク53を結合するためのピン孔が形成されている。
そして、上分割ブロック21の底板25と下分割ブロック31の天板38とは、ボルト・ナット等で強固に結合される。
そして、上ブロック21の両端部21eは、下ブロック31の中央に位置し、かつ下ブロック31の両端部31eは上ブロック21の中央に位置するように取付けられている。
まず、図2の模式図に示すように、上分割ブロック21(上フレーム20)と下分割ブロック(下フレーム20)は力学的には縁が切れた状態と理解してよい。
これは、上フレーム20と下フレーム30が別部材であることによる。このように、上下分割ブロック21,31が別部材であると、クレーン部1からの荷重がまず上分割ブロック21に伝達されるが、この荷重は上分割ブロック21内において縦横に働く力f2のバランスがとられる。したがって、上分割ブロック21から下分割ブロック31には垂直な方向の荷重f3のみが伝えられる。そして、下分割ブロック31では、さらに力を2ヵ所の三角フレーム部に二分した力f4を伝えることになる。したがって、理論上2ヵ所の側リブに生ずる4ヵ所の力の作用点に25%づつの分散荷重が伝えられることになる。
上分割ブロック21の頂点(レール11)に作用したクレーン部の重量や吊荷荷重からなる全荷重F1は、上分割ブロック21の二辺の側リブ23a,23bに分散されて、二分された力f2として伝えられる。そして、この力f2は底辺23cで互いにバランスするので、上分割ブロック21から下分割ブロック31へは垂直荷重f3のみが伝えられることになる。
そして、垂直荷重f3は、下分割ブロック31において、力を直接載置面Gに伝えることのできる両端部の側リブ32a,32bに伝えられる。
この2ヵ所の側リブ32a,32bは、それぞれが三角形の2辺を有しているので、その2辺を通って力f4が下向きに伝えられる。
このように、全荷重F1は、均等に分散されて載置面Gに伝えられることになるので、載置面Gでは均等な反力が生じる。このため、ベースフレーム12の変形や載置面Gの変形が生じにくい。
上記に一実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
図7および図8に示すように、上分割ブロック21の主リブ23と下分割ブロック31のリブ32は、板材で構成されているが、これに適宜の形状の補強リブを取付けて強度を増すことは任意である。
とくに力の作用線に沿った補強リブを取付けると、荷重に対して変形しにくくなるので好ましい。
また、図7および図8に示す位置決め部は、ピンと孔で構成したが、ピンの代りに棒材(角棒など)を底板と天板に取付け、底板側の棒材と天板側の棒材が互いに入れ合わされて位置決めするものであってもよい。
上分割ブロック21の端部21eは、下分割ブロック31の中央ではなく、ある程度中央よりも下分割ブロック31の端部31e寄りに位置してもよい。
また、上分割ブロック21および下分割ブロック31は6分割構造に限らず、6分割よりも少ない3分割や4分割でもよく、6分割よりも多い7分割から10分割にしてもよい。
さらに、分割するとき等角度に分割するほか不等角に分割してもよい。
さらに、ベースフレーム12は、上フレーム20と下フレーム30との2段構造に限らず、3段以上の積層構造としてもよい。
また、本発明はベースフレーム12およびレール11は円形に限らず、直線状のベースフレーム12およびレール11の上を走行するジブクレーンに適用してもよい。
2 旋回フレーム
12 ベースフレーム
21 上分割ブロック
31 下分割ブロック
2A 中央フレーム
2B 第1フレーム
2C 第2フレーム
51 上スポーク
52 斜めスポーク
53 下スポーク
Claims (3)
- ベースフレームにクレーン部を稼働自在に搭載したジブクレーンであって、
前記ベースフレームが、上フレームと下フレームとからなり、該上フレームが前記下フレームの上に重ねられた状態で締結手段で互いに締結されている
ことを特徴とするジブクレーン。 - 前記ベースフレームは、環状の上フレームと環状の下フレームとからなり、
前記上フレームは、その断面形状が2枚の側リブ部を有する三角形であり、
前記下フレームは、その断面形状が台形であり、その両端部にそれぞれ三角形の側リブを有している
ことを特徴とする請求項1記載のジブクレーン。 - 前記上フレームは、円周方向に分割された複数個の上分割ブロックからなり、
前記下フレームは、円周方向に分割された複数個の下分割ブロックからなり、
前記上分割ブロックの底板と前記下分割ブロックの天板には、互いの積み重ね位置を規制する位置決め部が設けられている
ことを特徴とする請求項2記載のジブクレーン。
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