JP2012073496A - 照明装置、投影型表示装置、直視型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光利用効率が改善された小型の照明装置ならびにそれを備えた投影型表示装置および直視型表示装置を提供する。
【解決手段】インテグレータ40の前段に偏光分離素子30が設けられ、インテグレータ40の後段に位相差板アレイ50が設けられている。これにより、光源10Aからの光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。
【選択図】図1
【解決手段】インテグレータ40の前段に偏光分離素子30が設けられ、インテグレータ40の後段に位相差板アレイ50が設けられている。これにより、光源10Aからの光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体発光素子を用いた照明装置、ならびにそれを備えた投影型表示装置および直視型表示装置に関する。
近年、オフィスだけでなく、家庭でも、スクリーンに映像を投影するプロジェクタが広く利用されている。プロジェクタは、光源からの光をライトバルブで変調することにより画像光を生成し、スクリーンに投射して表示を行うものである。最近では、手のひらサイズの超小型プロジェクタや、超小型プロジェクタ内蔵の携帯電話機などが普及し始めている。
ところで、プロジェクタに用いられる光源としては、高輝度の放電ランプが主流である。しかし、放電ランプでは、サイズが比較的大きく、消費電力も大きいことから、放電ランプに代わる光源として、近年では、発光ダイオード(LED)や、レーザダイオード(LD)、有機EL(OLED)などの固体発光素子が注目されている。これらの固体発光素子は、サイズや消費電力だけでなく、高信頼性という点でも、放電ランプよりも有利である。
プロジェクタの光源として上述の固体発光素子を用いる場合には、プロジェクタに含まれる他の主要部品も小型化して、プロジェクタ自体をさらに小型化することが考えられる。しかし、プロジェクタに含まれる他の主要部品を小型化すると、光の利用効率が低下し易い。そのため、例えば、上述の固体発光素子の数を増やすなどして光源の光量を増やしたとしても、光の利用効率低下によって所望の輝度が得られないという問題が生じる場合がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、光利用効率が改善された小型の照明装置を提供することにある。また、第2の目的は、そのような小型の照明装置を用いた投影型表示装置および直視型表示装置を提供することにある。
本発明の照明装置は、固体発光素子を含む1または複数の光源と、光源側から入射した光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換する1または複数の指向角変換素子とを備えている。この照明装置は、さらに、指向角変換素子側から入射した光を、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離する偏光分離素子と、偏光分離素子を透過した光が照明する所定の照明範囲における光の照度分布を均一化するインテグレータと、位相差の互いに異なる第1領域および第2領域を有する位相差板アレイとを備えている。ここで、第1領域は、偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第1領域への入射光を、偏光方向を維持したまま透過するようになっている。一方、第2領域は、偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のうち第1領域に入射する偏光成分とは異なる偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第2領域への入射光を、第1領域に入射する光の偏光と等しい偏光の光に変換するようになっている。
本発明の投射型表示装置は、照明光学系と、入力された映像信号に基づいて照明光学系からの光を変調することにより、画像光を生成する空間変調素子と、空間変調素子で生成された画像光を投射する投影光学系とを備えたものである。この投射型表示装置に搭載された照明光学系は、上記の照明装置と同一の構成要素を有している。
本発明の直視型表示装置は、照明光学系と、入力された映像信号に基づいて照明光学系からの光を変調することにより、画像光を生成する空間変調素子と、空間変調素子で生成された画像光を投射する投影光学系と、投影光学系から投射された画像光を映し出す透過型スクリーンとを備えたものである。この直視型表示装置に搭載された照明光学系は、上記の照明装置と同一の構成要素を有している。
本発明の照明装置、投射型表示装置および直視型表示装置では、光源からの光が、偏光分離素子によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイによって他方の偏光成分に変換される。これにより、位相差板アレイから射出される光が、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光となる。
本発明の照明装置、投射型表示装置および直視型表示装置において、位相差板アレイの第1領域および第2領域がともに、偏光分離素子における分離方向と直交する方向に延在する帯状の形状となっており、かつ偏光分離素子における分離方向と平行な方向に交互に配置されていることが好ましい。位相差板アレイがこのような構成となっている場合には、S偏光の進行方向とP偏光の進行方向とが、偏光分離素子の法線との関係で互いに反対方向を向いていてもよいし、S偏光およびP偏光のいずれか一方の進行方向が、偏光分離素子の法線と平行な方向を向いていてもよい。
S偏光の進行方向とP偏光の進行方向とが、偏光分離素子の法線との関係で互いに反対方向を向くようにするためには、例えば、光源および指向角変換素子を、指向角変換素子側からの光が偏光分離素子に斜めに入射するように配置することが好ましい。一方、S偏光およびP偏光のいずれか一方の進行方向が、偏光分離素子の法線と平行な方向を向くようにするためには、例えば、光源および指向角変換素子を、指向角変換素子側からの光が偏光分離素子に垂直に入射するように配置することが好ましい。
指向角変換素子側からの光を偏光分離素子に斜めに入射させるときの入射角は、以下の式で求められる大きさとなっていることが好ましい。なお、以下の式は、インテグレータが、互いに対向する一対のフライアイレンズからなることを前提としている。
φ=tan-1(hAWP/(2×fFEL))
φ:指向角変換素子側からの光が偏光分離素子に入射する角度
hAWP:第1領域および第2領域の配列方向のサイズ
fFEL:フライアイレンズの焦点距離
φ=tan-1(hAWP/(2×fFEL))
φ:指向角変換素子側からの光が偏光分離素子に入射する角度
hAWP:第1領域および第2領域の配列方向のサイズ
fFEL:フライアイレンズの焦点距離
本発明の照明装置、投射型表示装置および直視型表示装置によれば、インテグレータの前段に設けた偏光分離素子と、インテグレータの後段に設けた位相差板アレイとによって、光源からの光を、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃えるようにしたので、光の利用効率を高めることができる。また、このような照明装置を投射型表示装置や直視型表示装置の光源として用いることにより、小型かつ高輝度の投射型表示装置や直視型表示装置を提供することができる。
また、本発明の照明装置、投射型表示装置および直視型表示装置において、S偏光およびP偏光のいずれか一方の進行方向が、偏光分離素子の法線と平行な方向を向くようにした場合には、S偏光成分およびP偏光成分を位相差板アレイの第1領域および第2領域に効率良く選択的に入射させることができ、高輝度を実現することができる。また、S偏光およびP偏光のいずれか一方の進行方向が、偏光分離素子の法線との関係で互いに反対方向を向くようにした場合には、S偏光成分およびP偏光成分を位相差板アレイの第1領域および第2領域にさらに効率良く選択的に入射させることができ、高輝度を実現することができる。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(図1〜図11)
偏光分離素子に垂直に光を入射する例
2.第1の実施の形態の変形例(図12〜図15)
偏光分離素子に斜めに光を入射する例
3.第2の実施の形態(図16)
光路合成素子からの漏れ光を利用して光源の光量を計測する例
4.第3の実施の形態(図17〜図19)
偏光分離素子からの漏れ光を利用して光源の光量を計測する例
5.変形例(図20〜図27)
1.第1の実施の形態(図1〜図11)
偏光分離素子に垂直に光を入射する例
2.第1の実施の形態の変形例(図12〜図15)
偏光分離素子に斜めに光を入射する例
3.第2の実施の形態(図16)
光路合成素子からの漏れ光を利用して光源の光量を計測する例
4.第3の実施の形態(図17〜図19)
偏光分離素子からの漏れ光を利用して光源の光量を計測する例
5.変形例(図20〜図27)
<1.第1の実施の形態>
[構成]
図1(A),(B)は、本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクタ1の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ1が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図1(A)はプロジェクタ1を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表し、図1(B)はプロジェクタ1を横から(x軸方向から)見たときの構成例を表す。図2(A),(B)は、図1のプロジェクタ1内の光路の一例を表すものである。図2(A)は、プロジェクタ1を上から(y軸方向から)見たときの光路の一例を表し、図2(B)はプロジェクタ1を横から(x軸方向から)見たときの光路の一例を表す。
[構成]
図1(A),(B)は、本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクタ1の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ1が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図1(A)はプロジェクタ1を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表し、図1(B)はプロジェクタ1を横から(x軸方向から)見たときの構成例を表す。図2(A),(B)は、図1のプロジェクタ1内の光路の一例を表すものである。図2(A)は、プロジェクタ1を上から(y軸方向から)見たときの光路の一例を表し、図2(B)はプロジェクタ1を横から(x軸方向から)見たときの光路の一例を表す。
典型的には、y軸は垂直方向を向き、x軸は水平方向を向いているが、その逆に、y軸が水平方向を向き、x軸が垂直方向を向いていてもよい。なお、以下では、便宜的に、y軸は垂直方向を向き、x軸は水平方向を向いているものとして説明するものとする。また、以下において、「横方向」とはx軸方向を指しており、「縦方向」とはy軸方向を指しているものとする。
プロジェクタ1は、例えば、照明光学系1Aと、入力された映像信号に基づいて照明光学系1Aからの光を変調することにより画像光を生成する空間変調素子70と、空間変調素子70で生成された画像光を反射型のスクリーン2に投射する投影光学系80とを備えたものである。なお、照明光学系1Aが本発明の「照明装置」の一具体例に相当する。
照明光学系1Aは、空間変調素子70の照明範囲70A(被照射面)を照射する光束を供給するものである。なお、必要に応じて、照明光学系1Aの光が通過する領域上に、何らかの光学素子が設けられていてもよい。例えば、照明光学系1Aの光が通過する領域上に、照明光学系1Aからの光のうち可視光以外の光を減光するフィルタなどが設けられていてもよい。
照明光学系1Aは、例えば、図1(A),(B)に示したように、光源10Aと、カップリングレンズ(指向角変換素子)20Aと、偏光分離素子30と、インテグレータ40と、位相差板アレイ50と、コンデンサレンズ60とを有している。インテグレータ40は、照明範囲70Aにおける光の照度分布を均一化するものであり、例えば、一対のフライアイレンズ40A、40Bからなる。光源10Aの光軸上には、カップリングレンズ20Aと、偏光分離素子30と、インテグレータ40と、位相差板アレイ50と、コンデンサレンズ60とが光源10A側からこの順に配列されている。
なお、図1(A),(B)では、プロジェクタ1の各構成要素がz軸と平行な線分上に配列されている場合が例示されているが、プロジェクタ1の各構成要素の一部がz軸と非平行な線分上に配列されていてもよい。例えば、図示しないが、照明光学系1A全体を図1(A),(B)の状態から90°回転させて照明光学系1Aの光軸がz軸と直交する方向を向くように照明光学系1Aがレイアウトされていてもよい。ただし、このようにした場合には、照明光学系1Aから出力された光を空間変調素子70に導く光学素子(例えばミラー)を設けることが必要である。また、例えば、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aを図1(A),(B)の状態から90°回転させて、これらの光軸をz軸と直交する方向を向くように光源10Aおよびカップリングレンズ20Aがレイアウトされていてもよい。ただし、このようにした場合にも、光路合成素子30から出力された光をインテグレータ40に導く光学素子(例えばミラー)を設けることが必要である。
光源10Aは、それぞれ、例えば、図2(A),(B)〜図4(A),(B)に示したように、固体発光素子11と、固体発光素子11を支持するとともに覆うパッケージ12とを有している。固体発光素子11は、例えば、図2(A),(B)に示したように、単一のチップ11Aからなっていてもよいし、例えば、図3(A),(B)、図4(A),(B)に示したように、複数のチップ11Aからなっていてもよい。固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、そのチップ11Aは、無偏光の光を射出するものである。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、それらのチップ11Aのうち少なくとも1つは、無偏光の光を射出するものである。なお、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合に、全てのチップ11Aが無偏光の光を射出するものであってもよいし、一部のチップ11A(1または複数のチップ11A)が、偏光光を射出するものであってもよい。また、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、それらのチップ11Aは、例えば、図3(A),(B)に示したように、横方向に一列に配置されていたり、例えば、図4(A),(B)に示したように、横方向および縦方向に格子状に配置されていたりする。
固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、例えば、図2(A)に示したように、単一のチップ11Aのサイズ(WV1×WH1)に等しい。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズは、例えば、図3(A),図4(A)に示したように、全てのチップ11Aをひとまとまりとしたときのサイズに等しい。複数のチップ11Aが横方向に一列に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図3(A)の例では、WV1×2WH1となる。また、複数のチップ11Aが、横方向および縦方向に格子状に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図4(A)の例では、2WV1×2WH1となる。
チップ11Aは、発光ダイオード(LED)、有機EL発光素子(OLED)、またはレーザダイオード(LD)からなる。LEDおよびOLEDは無偏光の光を射出するものであり、一方のLDは偏光光を射出するものである。固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合に、固体発光素子11に含まれる各チップ11Aは、例えば、互いに同一の波長帯の光を発するようになっていてもよいし、互いに異なる波長帯の光を発するようになっていてもよい。
例えば、固体発光素子11が1つのチップ11Aからなる場合に、そのチップ11Aは、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長の光(青色光)を発するものであってもよいし、波長500nm〜600nm程度の波長の光(緑色光)を発するものであってもよいし、波長600nm〜700nm程度の波長の光(赤色光)を発するものであってもよい。また、例えば、固体発光素子11が3つのチップ11Aからなる場合に、1つ目のチップ11Aは、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長の光(青色光)を発するものであり、2つ目のチップ11Aは、例えば、波長500nm〜600nm程度の波長の光(緑色光)を発するものであり、3つ目のチップ11Aは、例えば、波長600nm〜700nm程度の波長の光(赤色光)を発するものである。
チップ11Aは、例えば、図2(A),(B)〜図5(A)〜(C)に示したように、チップ11Aサイズ(WV×WH)よりも小さなサイズ(PV1×PH1)の発光スポット11Bを有している。発光スポット11Bは、チップ11Aに電流を注入してチップ11Aを駆動したときにチップ11Aから光が発せられる領域(光射出領域)に相当する。チップ11AがLEDまたはOLEDからなる場合には、発光スポット11Bは非点状(面状)となっているが、チップ11AがLDからなる場合には、発光スポット11BはLEDまたはOLEDの発光スポット11Bよりも小さな点状となっている。
固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、発光スポット11Bの数は、例えば、図5(A)に示したように1つである。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、発光スポット11Bの数は、例えば、図5(B),(C)に示したようにチップ11Aの数と等しい。ここで、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としての光射出領域のサイズ(PV×PH)は、発光スポット11Bのサイズ(PV1×PH1)に等しい。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としての光射出領域のサイズ(PV×PH)は、最小面積で全てのチップ11Aの発光スポット11Bを囲ったときのその囲いのサイズに等しい。複数のチップ11Aが横方向に一列に配置されている場合には、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、図5(B)の例では、PV1×2PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。また、複数のチップ11Aが、横方向および縦方向に格子状に配置されている場合には、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、図5(C)の例では、2PV1×2PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。
カップリングレンズ20Aは、例えば、光源10Aから発せられた光を略平行光化するものであり、光源10Aから発せられた光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換するものである。カップリングレンズ20Aは、光源10Aから発せられた光のうち指向角内の光が入射する位置に配置されている。カップリングレンズ20Aは、単一のレンズによって構成されていてもよいし、複数のレンズによって構成されていてもよい。
偏光分離素子30は、入射する光の偏光に対して異方性を有する光学素子であり、カップリングレンズ20A側から入射する光を、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離(例えば回折)するようになっている。偏光の分離方向は、横方向となっていることが好ましいが、縦方向となっていてもよい。偏光分離素子30は、例えば、図6(A),(B)に示したように、一方の表面に、ブレーズ状またはステップ状の複数の帯状の凸部が並列配置された凹凸形状を有する偏光回折素子であることが好ましい。なお、偏光分離素子30は、図示しないが、バイナリ型の偏光回折素子であってもよい。
偏光分離素子30は、例えば、カップリングレンズ20A側から入射した光に含まれるS偏光成分の光を、入射角と射出角とが互いに等しく(またはほぼ等しく)なるように透過させるようになっている。さらに、偏光分離素子30は、例えば、カップリングレンズ20A側から入射した光に含まれるP偏光成分の光を、入射角と射出角とが互いに異なるように回折透過させるようになっている。なお、偏光分離素子30は、上記の例とは逆に、例えば、カップリングレンズ20A側から入射した光に含まれるP偏光成分の光を、入射角と射出角とが互いに等しく(またはほぼ等しく)なるように透過させるようになっていてもよい。この場合に、偏光分離素子30は、さらに、例えば、カップリングレンズ20A側から入射した光に含まれるS偏光成分の光を、入射角と射出角とが互いに異なるように回折透過させるようになっていてもよい。偏光分離素子30から射出されたS偏光の進行方向、または偏光分離素子30から射出されたP偏光の進行方向が、偏光分離素子30の法線(光軸)と平行な方向を向いている。
ここで、図6(A),(B)に示したような偏光回折素子を設計する際の基準となる波長(通常は、入射光の主波長)をλとし、回折格子のピッチをPAとしたときに、λとPAの比が以下の式(1)を満たすことが好ましい。λとPAの比が以下の式(1)を満たす場合には、図6(A),(B)に示したような偏光回折素子に斜め方向から光を入射させたときに、偏光分離素子30から射出されたS偏光の進行方向と、偏光分離素子30から射出されたP偏光の進行方向とが、偏光分離素子30の法線(光軸)との関係で互いに反対方向を向き、偏光分離素子30の法線(光軸)との関係で互いに線対称となる方向を向く。
λ/PA=sin(2×tan-1(hAWP/2×fFEL))…(1)
hAWP:第1領域50Aおよび第2領域50Bの配列方向のサイズ
fFEL:フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離
λ/PA=sin(2×tan-1(hAWP/2×fFEL))…(1)
hAWP:第1領域50Aおよび第2領域50Bの配列方向のサイズ
fFEL:フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離
フライアイレンズ40A、40Bは、それぞれ、所定の配列状態(ここでは、縦×横=4×3のマトリクス状)に配置された複数のレンズ(セル)によって構成されたものである。フライアイレンズ40Bに含まれる複数のセル42は、フライアイレンズ40Aのセル41ごとに1つずつ対向して配置されている。フライアイレンズ40Bは、フライアイレンズ40Aの焦点位置の手前に配置されており、位相差板アレイ50が、フライアイレンズ40Aの焦点位置(または略焦点位置)に配置されている。従って、インテグレータ40は、フライアイレンズ40Aで分割形成された光束が位相差板アレイ50内に焦点を結び、ここに2次光源面(光源像)を形成するようになっている。この2次光源面は投影光学系80の入射瞳と共役な面の位置に位置している。ただし、この2次光源面は、必ずしも厳密に投影光学系80の入射瞳と共役な面の位置に位置している必要はなく、設計上の許容範囲内に位置していればよい。
一般に光源10Aから射出された光束は、その進行方向に垂直な面において不均一な強度分布をもっている。そのため、これら光束をそのまま照明範囲70A(被照射面)に導くと、照明範囲70Aでの照度分布が不均一になるが、上記のように光源10Aから射出された光束をインテグレータ40によって複数の光束に分割してそれぞれを照明範囲70Aに重畳的に導くようにすれば、照明範囲70A上の照度分布を均一にすることができる。
位相差板アレイ50は、例えば、図8に示したように、位相差の互いに異なる第1領域50Aおよび第2領域50Bを有している。第1領域50Aは、偏光分離素子30で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光成分が入射する位置に配置されており、第1領域50Aへの入射光を、偏光方向を維持したまま透過するようになっている。一方、第2領域50Bは、偏光分離素子30で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のうち第1領域50Aに入射する偏光成分とは異なる偏光成分が入射する位置に配置されており、第2領域50Bへの入射光を、第1領域50Aに入射する光の偏光と等しい偏光の光に変換するようになっている。第1領域50Aおよび第2領域50Bは、ともに、偏光分離素子30における分離(回折)方向と直交する方向に延在する帯状の形状となっており、かつ偏光分離素子30における分離(回折)方向と平行な方向に交互に配置されている。ここで、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比(アスペクト比)を有している場合には、第1領域50Aおよび第2領域50Bはともに、フライアイレンズ40A,40Bの長手方向と垂直な方向に延在している。
互いに隣り合う第1領域50Aおよび第2領域50Bの合計の幅Λarrayは、例えば、フライアイレンズ40Bの1つのセル42の幅と等しくなっている。第1領域50Aおよび第2領域50Bが縦方向に配列されている場合には、幅Λarrayは、例えば、セル42の縦方向の幅(hFEL2V)と等しくなっている。第1領域50Aおよび第2領域50Bが横方向に配列されている場合には、幅Λarrayは、例えば、セル42の横方向の幅(hFEL2H)と等しくなっている。第1領域50Aの幅と、第2領域50Bの幅とは、例えば、互いに等しくなっている。
コンデンサレンズ60は、インテグレータ40により形成された多光源からの光束を集光して照明範囲70Aを重畳的に照明するものである。空間変調素子70は、画像信号に基づいて、照明光学系1Aからの光束を2次元的に変調し、これにより画像光を生成するものである。ここで、光源10Aが互いに異なる複数の波長帯の光を発するようになっている場合には、空間変調素子70は、光源10Aの各波長成分に対応した色画像信号に基づいて、照明光学系1Aからの光束を2次元的に変調し、これにより画像光を生成するようになっている。
空間変調素子70は、例えば、透過型の素子であり、例えば、透過型の液晶パネルによって構成されている。なお、図示しないが、空間変調素子70が反射型の素子、例えば、反射型の液晶パネルもしくはデジタルマイクロミラーデバイスによって構成されていてもよい。ただし、その場合には、空間変調素子70で反射された光が投影光学系80に入射するようになっていることが必要である。
次に、本実施の形態のプロジェクタ1の特徴部分について説明する。
(特徴部分その1)
本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズがフライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離と、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離とが設定されている。ここで、領域B1は、図9(A)に示した光束がセル42を通過する領域に対応しており、領域B2は、図9(B)に示した光束がセル42を通過する領域に対応している。また、領域(=領域B1+領域B2)のサイズとは、図11(A)に示したように、領域B1,B2をひとまとまりとして見たときのサイズ、つまり、1つのセル41から射出された光束がセル42を通過する領域のサイズを指している。
本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズがフライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離と、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離とが設定されている。ここで、領域B1は、図9(A)に示した光束がセル42を通過する領域に対応しており、領域B2は、図9(B)に示した光束がセル42を通過する領域に対応している。また、領域(=領域B1+領域B2)のサイズとは、図11(A)に示したように、領域B1,B2をひとまとまりとして見たときのサイズ、つまり、1つのセル41から射出された光束がセル42を通過する領域のサイズを指している。
さらに、本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって位相差板アレイ50に形成される各光源像S1、各光源像S2のサイズが第1領域50A、第2領域50Bの1セルのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離と、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離とが設定されている。ここで、光源像S1は、図9(A)に示した光束によって形成される光源像に対応しており、光源像S2は、図9(B)に示した光束によって形成される光源像に対応している。
上の各条件を式で表すと、以下の式(2),(3)ようになる。また、上の各条件を模式的に表すと、図11(A),(B)のようになる。図11(A)には、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比(アスペクト比)を有している場合が例示されている。なお、図11(A)については後に詳述する。
h1<hFEL2…(2)
h2=P×(fFEL/fCL)≦hAWP1(またはhAWP2)…(3)
h1:1つのセル41から射出された光束がセル42を通過する領域のサイズ
hFEL2:フライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズ
h2:光源像S1(または光源像S2)のサイズ
P:固体発光素子11の光射出領域のサイズ
fCL:カップリングレンズ20Aの焦点距離
hAWP1:第1領域50Aの配列方向のサイズ
hAWP2:第2領域50Bの配列方向のサイズ
h1<hFEL2…(2)
h2=P×(fFEL/fCL)≦hAWP1(またはhAWP2)…(3)
h1:1つのセル41から射出された光束がセル42を通過する領域のサイズ
hFEL2:フライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズ
h2:光源像S1(または光源像S2)のサイズ
P:固体発光素子11の光射出領域のサイズ
fCL:カップリングレンズ20Aの焦点距離
hAWP1:第1領域50Aの配列方向のサイズ
hAWP2:第2領域50Bの配列方向のサイズ
なお、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、Pは、そのチップ11Aの発光スポット11Bのサイズに等しい。固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、Pは、最小面積で全てのチップ11Aの発光スポット11Bを囲ったときのその囲いのサイズに等しい。また、カップリングレンズ20Aが、それぞれ、複数のレンズによって構成されている場合には、fCLは、各レンズの合成焦点距離とする。
上記の式(3)とおおよそ等価な式として、以下の式(4)を挙げることができる。式(4)は、固体発光素子11の光射出領域のサイズが固体発光素子11のサイズと概ね等しい場合に特に有益である。
h2=W×(fFEL/fCL)≦hAWP1(またはhAWP2)…(4)
W:固体発光素子11のサイズ
h2=W×(fFEL/fCL)≦hAWP1(またはhAWP2)…(4)
W:固体発光素子11のサイズ
なお、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、Wは、そのチップ11Aのサイズに等しい。また、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、Wは、全てのチップ11Aを単一のチップとしてみたときの、そのチップのサイズに等しい。
ところで、本実施の形態において、例えば、図7(A),(B)に示したように、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比(アスペクト比)を有している場合には、カップリングレンズ20Aの焦点距離と、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離とが以下の式(5),(6)を満たしていることが好ましい。以下の式(5),(6)を模式的に表すと、図11(B)のようになる。
hH2=PH×(fFELH/fCLH)≦hAWP1…(5)
hH3=PH×(fFELH/fCLH)≦hAWP2…(6)
hH2:光源像S1の、第1の方向のサイズ
hH3:光源像S2の、第1の方向のサイズ
PH:固体発光素子11の光射出領域の、第1の方向またはそれに対応する方向のサイズ
fFELH:フライアイレンズ40A,40Bの第1の方向の焦点距離
fCLH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向の焦点距離
hH2=PH×(fFELH/fCLH)≦hAWP1…(5)
hH3=PH×(fFELH/fCLH)≦hAWP2…(6)
hH2:光源像S1の、第1の方向のサイズ
hH3:光源像S2の、第1の方向のサイズ
PH:固体発光素子11の光射出領域の、第1の方向またはそれに対応する方向のサイズ
fFELH:フライアイレンズ40A,40Bの第1の方向の焦点距離
fCLH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向の焦点距離
ここで、「第1の方向またはそれに対応する方向」は、光源10A、カップリングレンズ20Aが位相差板アレイ50の光軸上に配置されている場合には第1の方向を指している。また、「第1の方向またはそれに対応する方向」は、光源10A、カップリングレンズ20Aが位相差板アレイ50の光軸から外れた光路上に配置されている場合には、光源10Aから位相差板アレイ50までの光路上に配置された光学素子のレイアウトの関係から第1の方向に対応する方向を指している。
なお、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、PHは、そのチップ11Aの発光スポット11Bの第1の方向またはそれに対応する方向のサイズに等しい。また、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、PHは、最小面積で全てのチップ11Aの発光スポット11Bを囲ったときのその囲いの、第1の方向またはそれに対応する方向のサイズに等しい。
また、本実施の形態において、フライアイレンズ40A,40Bの各セル41,42が1以外の縦横比を有している場合には、フライアイレンズ40Aの各セル41の縦横比と、照明範囲70Aの縦横比とが以下の式(7)を満たしていることが好ましい。ここで、照明範囲70Aの縦横比H/Vは、空間変調素子70の解像度と相関を有しており、例えば、空間変調素子70の解像度がVGA(640×480)である場合には640/480となっており、例えば、空間変調素子70の解像度がWVGA(800×480)である場合には800/480となっている。
hFEL1H/hFEL1V=H/V…(7)
hFEL1H:フライアイレンズ40Aの1セルの第1の方向のサイズ
hFEL1V:フライアイレンズ40Aの1セルの第1の方向と直交する第2の方向のサイズ
H:照明範囲70Aの第1の方向のサイズ
V:照明範囲70Aの第1の方向と直交する第2の方向のサイズ
hFEL1H/hFEL1V=H/V…(7)
hFEL1H:フライアイレンズ40Aの1セルの第1の方向のサイズ
hFEL1V:フライアイレンズ40Aの1セルの第1の方向と直交する第2の方向のサイズ
H:照明範囲70Aの第1の方向のサイズ
V:照明範囲70Aの第1の方向と直交する第2の方向のサイズ
(特徴部分その2)
また、本実施の形態では、カップリングレンズ20Aに入射する光のビームサイズが20Aのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離および開口率が設定されている。これを式で表すと、以下のようになる。
φCL=2×fCL×NA≦hCL…(8)
φCL:カップリングレンズ20Aに入射する光のビームサイズ
NA:カップリングレンズ20Aの開口率
hCL:カップリングレンズ20Aのサイズ
また、本実施の形態では、カップリングレンズ20Aに入射する光のビームサイズが20Aのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離および開口率が設定されている。これを式で表すと、以下のようになる。
φCL=2×fCL×NA≦hCL…(8)
φCL:カップリングレンズ20Aに入射する光のビームサイズ
NA:カップリングレンズ20Aの開口率
hCL:カップリングレンズ20Aのサイズ
ところで、本実施の形態において、カップリングレンズ20Aが1以外の縦横比(アスペクト比)を有している場合には、カップリングレンズ20Aの焦点距離および開口率が以下の2つの式(9),(10)を満たしていることが好ましい。
φCLH=2×fCLH×NAH≦hCLH…(9)
φCLV=2×fCLV×NAV≦hCLV…(10)
φCLH:カップリングレンズ20Aに入射する光の、第1の方向(例えば横方向)またはそれに対応する方向のビームサイズ
φCLV:カップリングレンズ20Aに入射する光の、第2の方向(例えば縦方向)またはそれに対応する方向のビームサイズ
fCLV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向の焦点距離
NAH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向の開口率
NAV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向の開口率
hCLH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向のサイズ
hCLV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向のサイズ
φCLH=2×fCLH×NAH≦hCLH…(9)
φCLV=2×fCLV×NAV≦hCLV…(10)
φCLH:カップリングレンズ20Aに入射する光の、第1の方向(例えば横方向)またはそれに対応する方向のビームサイズ
φCLV:カップリングレンズ20Aに入射する光の、第2の方向(例えば縦方向)またはそれに対応する方向のビームサイズ
fCLV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向の焦点距離
NAH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向の開口率
NAV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向の開口率
hCLH:カップリングレンズ20Aの、第1の方向またはそれに対応する方向のサイズ
hCLV:カップリングレンズ20Aの、第2の方向またはそれに対応する方向のサイズ
[作用・効果]
次に、本実施の形態のプロジェクタ1の作用・効果について説明する。本実施の形態では、インテグレータ40の前段に偏光分離素子30が設けられ、インテグレータ40の後段に位相差板アレイ50が設けられている。これにより、無偏光の光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。その結果、無偏光の光が、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
次に、本実施の形態のプロジェクタ1の作用・効果について説明する。本実施の形態では、インテグレータ40の前段に偏光分離素子30が設けられ、インテグレータ40の後段に位相差板アレイ50が設けられている。これにより、無偏光の光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。その結果、無偏光の光が、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
また、本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズがフライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。
ここで、フライアイレンズ40Bがフライアイレンズ40Aの焦点位置よりも手前に配置されているので、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズは、ある程度の大きさを持っている(図11(A)参照)。しかし、本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束が複数のセル42にまたがって通過することがないので、フライアイレンズ40Bに入射した光が効率良く、照明範囲にまで到達する。従って、照明光学系1Aにおける光利用効率を改善することができる。
さらに、本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって位相差板アレイ50に形成される各光源像S1、各光源像S2のサイズが第1領域50A、第2領域50Bの1セルのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。
ここで、固体発光素子11が、単一もしくは複数の点状、または単一もしくは複数の非点状の発光スポットからなる光射出領域から光を発するものである場合、例えば、1もしくは複数の発光ダイオード、1もしくは複数の有機EL発光素子、または複数のレーザダイオードによって構成されて場合には、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される各光源像S1,S2が点状ではなく、ある程度の大きさを持っている(図11(B)参照)。しかし、本実施の形態では、1つの光源像S1または1つの光源像S2が位相差板アレイ50において複数のセルにまたがって形成されることがないので、位相差板アレイ50に入射した光を効率良く、S偏光およびP偏光のいずれか一方の偏光に揃えることができる。これにより、例えば、空間変調素子70が偏光板などを備えている場合に、その偏光板への入射光の偏光軸をその偏光板の透過軸に平行にすることができるので、その偏光板での光のロスを低減することができる。その結果、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出する固体発光素子を光源に用いつつ、小型かつ高輝度の照明装置を実現することができる。
また、本実施の形態において、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVと、フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離fFELH,fFELVとを設定するようにした場合には、照明光学系1Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。また、本実施の形態において、カップリングレンズ20Aが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVおよび開口率NAH,NAVを設定するようにした場合には、照明光学系1Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。
<2.第1の実施の形態の変形例>
上記実施の形態では、照明光学系1Aの光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸が偏光分離素子30の光軸と平行となっていたが、偏光分離素子30の光軸と交差する方向に傾けられていてもよい。このとき、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸は、例えば、図12(A),(B)に示したように、横方向、すなわち、偏光板アレイ50の配列方向に傾いていることが好ましい。以下では、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸が横方向に傾いているものとして説明する。
上記実施の形態では、照明光学系1Aの光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸が偏光分離素子30の光軸と平行となっていたが、偏光分離素子30の光軸と交差する方向に傾けられていてもよい。このとき、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸は、例えば、図12(A),(B)に示したように、横方向、すなわち、偏光板アレイ50の配列方向に傾いていることが好ましい。以下では、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸が横方向に傾いているものとして説明する。
図13(A)〜(C)は、光源10Aおよびカップリングレンズ20Aの光軸が、横方向、すなわち、偏光板アレイ50の配列方向に傾いている場合の光路の一例を表したものである。図13(A)は、偏光分離素子30に入射した光のうちS偏光成分またはP偏光成分の光路だけを模式的に表したものであり、図13(B)は、偏光分離素子30に入射した光のうち図13(A)に示した偏光成分とは異なる偏光成分の光路だけを模式的に表したものである。図13(C)は、偏光成分によらず光路が共通となっている様子を模式的に表したものである。図14は、図13(A)の光路と図13(B)の光路とを一緒に表したものである。
偏光分離素子30は、位相差板アレイ50内の配列方向と平行な方向(例えば横方向)に光軸が傾いた光が当該偏光分離素子30に入射するように配置されている。そのため、例えば、図13(A),(B)、図14に示したように、偏光分離素子30に入射した光のうち一方の偏光成分の光が、入射光の光軸と平行な方向に射出され、偏光分離素子30に入射した光のうち他方の偏光成分の光が、入射光の光軸と交差する方向に射出される。このとき、例えば、図14に示したように、入射光の光軸と平行な方向に射出された光の光軸AX1と、入射光の光軸と交差する方向に射出された光の光軸AX2との二等分線AX3が、偏光分離素子30の法線AX4と平行(またはほぼ平行)となっていることが好ましい。
入射光の光軸と平行な方向に射出された光は、インテグレータ40で複数の微小光束となり、例えば、図13(A),図14に示したように、位相差板アレイ50の第1領域50Aに入射するようになっている。また、入射光の光軸と交差する方向に射出された光は、例えば、図13(B),図14に示したように、インテグレータ40で複数の微小光束となり、例えば、位相差板アレイ50の第2領域50Bに入射するようになっている。なお、図示しないが、入射光の光軸と平行な方向に射出された光が、位相差板アレイ50の第2領域50Bに入射するとともに、入射光の光軸と交差する方向に射出された光が、位相差板アレイ50の第1領域50Aに入射するようになっていてもよい。いずれにしても、位相差板アレイ50からは、P偏光およびS偏光のいずれか一方の偏光光が主として射出されるようになっている。
ここで、光の利用効率を勘案すると、入射光の光軸と平行な方向に射出された光の光軸AX1が、第1領域50Aの中央部分、または第2領域50Bの中央部分を通過することが好ましい。具体的には、第1領域50Aの境界が二等分線AX3(またはセル42の光軸)上に配置されるように第1領域50Aを配置した上で、以下の式(11)を満たすように、φ1、hAWP1、およびfFELHを設定するか、または、以下の式(12)を満たすように、φ1、hAWP2、およびfFELHを設定することが好ましい。
φ1=tan-1(hAWP1/(2×fFELH))…(11)
φ1=tan-1(hAWP2/(2×fFELH))…(12)
φ1:カップリングレンズ20A側からの光が偏光分離素子30に入射する角度
φ1=tan-1(hAWP1/(2×fFELH))…(11)
φ1=tan-1(hAWP2/(2×fFELH))…(12)
φ1:カップリングレンズ20A側からの光が偏光分離素子30に入射する角度
また、入射光の光軸と交差する方向に射出された光の光軸AX2が、第1領域50Aおよび第2領域50Bのうち光軸AX1の非通過の方の領域の中央部分を通過することが好ましい。具体的には、第2領域50Bの境界が二等分線AX3(またはセル42の光軸)上に配置されるように第2領域50Bを配置した上で、以下の式(13)を満たすように、φ2、hAWP1、およびfFELHを設定するか、または、以下の式(14)を満たすように、φ2、hAWP2、およびfFELHを設定することが好ましい。
φ2=tan-1(hAWP1/(2×fFELH))…(13)
φ2=tan-1(hAWP2/(2×fFELH))…(14)
φ2:入射光の光軸と交差する方向に射出された光の射出角
φ2=tan-1(hAWP1/(2×fFELH))…(13)
φ2=tan-1(hAWP2/(2×fFELH))…(14)
φ2:入射光の光軸と交差する方向に射出された光の射出角
さらに、光の利用効率を勘案すると、上記の式(11),(14)を同時に満たすか、または、上記の式(12),(13)を同時に満たすことが好ましい。ここで、上記の式(11),(14)を同時に満たすか、または、上記の式(12),(13)を同時に満たす場合に、さらに、以下の式(15)〜(17)を満たしてもよい。なお、偏光分離素子30に上述の偏光回折素子を用いた場合には、式(17)を満たすためには、λとPAの比が上述の式(1)を満たすことが必要である。
hAWP1=hAWP2…(15)
hAWP1+hAWP2=hFEL2H…(16)
φ1=φ2…(17)
hAWP1=hAWP2…(15)
hAWP1+hAWP2=hFEL2H…(16)
φ1=φ2…(17)
入射光の光軸と平行な方向に射出された光は、例えば、フライアイレンズ40Aで微小光束に分割され、分割された各光束が位相差板アレイ50の第1領域50Aで焦点を結び、ここに2次光源面(光源像S1)を形成する(図15(B)参照)。同様に、入射光の光軸と交差する方向に射出された光は、フライアイレンズ40Aで微小光束に分割され、分割された各光束が位相差板アレイ50の第2領域50Bで焦点を結び、ここに2次光源面(光源像S2)を形成する(図15(B)参照)。
[作用・効果]
次に、本変形例に係るプロジェクタ1の作用・効果について説明する。本変形例では、上記第1の実施の形態と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
次に、本変形例に係るプロジェクタ1の作用・効果について説明する。本変形例では、上記第1の実施の形態と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
また、本変形例では、上記第1の実施の形態と同様、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズがフライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。従って、上記第1の実施の形態と同様、照明光学系1Aにおける光利用効率を改善することができる。
さらに、本変形例では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって位相差板アレイ50に形成される各光源像S1、各光源像S2のサイズが第1領域50A、第2領域50Bの1セルのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。従って、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができるので、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出する固体発光素子を光源に用いつつ、小型かつ高輝度の照明装置を実現することができる。
また、本変形例において、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVと、フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離fFELH,fFELVとを設定するようにした場合には、照明光学系1Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。また、本実施の形態において、カップリングレンズ20Aが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVおよび開口率NAH,NAVを設定するようにした場合には、照明光学系1Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。
また、本変形例にでは、カップリングレンズ20Aからの光を偏光分離素子30に斜めに入射させるようにした。これにより、空間変調素子70の光入射側などに偏光板が用いられている場合に、光源10Aから射出された光を、上記の偏光板の透過軸と平行な偏光成分を主として含む偏光光に変換することができる。その結果、空間変調素子70の光入射側などに設けられた偏光板で生じる光のロスを小さくすることができるので、プロジェクタ1全体の光利用効率を大幅に改善することができる。
<3.第2の実施の形態>
[構成]
図16(A),(B)は、本発明の第2の実施の形態に係るプロジェクタ3の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ3が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図16(A)はプロジェクタ3を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表し、図16(B)はプロジェクタ3を横から(x軸方向から)見たときの構成例を表す。
[構成]
図16(A),(B)は、本発明の第2の実施の形態に係るプロジェクタ3の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ3が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図16(A)はプロジェクタ3を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表し、図16(B)はプロジェクタ3を横から(x軸方向から)見たときの構成例を表す。
プロジェクタ3は、照明光学系3Aを備えている点で、照明光学系1Aを備えたプロジェクタ1の構成と相違する。そこで、以下では、上記第1の実施の形態の変形例に係るプロジェクタ1との相違点について主に説明し、上記第1の実施の形態の変形例に係るプロジェクタ1との共通点についての説明を適宜省略するものとする。
照明光学系3Aでは、光源10Aの代わりに光源10B,10Cが設けられており、さらに、光路合成素子90とフロントモニタ100とが設けられている。光源10Bおよび光路合成素子90は、カップリングレンズ20Aの光軸上に配置されており、光源10Cは、光源10Cの光軸が光路合成素子90においてカップリングレンズ20Aの光軸と直交する位置に配置されている。フロントモニタ100は、光源10Cの光軸上に配置されており、光路合成素子90との関係では、光源10Cとは反対側に配置されている。
光源10B,10Cは、それぞれ、例えば、図示しないが、固体発光素子11と、固体発光素子11を支持するとともに覆うパッケージ12とを有している。固体発光素子11は、例えば、単一のチップ11Aからなっていてもよいし、複数のチップ11Aからなっていてもよい。光源10B,10Cの双方が、無偏光の光を射出するものであってもよいし、光源10B,10Cのいずれか一方が、偏光光を射出するものであってもよい。
チップ11Aは、発光ダイオード(LED)、有機EL発光素子(OLED)、またはレーザダイオード(LD)からなる。光源10B,10Cのそれぞれに含まれるチップ11Aが全て、LEDによって構成されていてもよいし、OLEDによって構成されていてもよい。また、光源10Bおよび光源10Cのうちいずれか一方の光源に含まれるチップ11Aが、LEDによって構成され、他方の光源に含まれるチップ11Aが、OLEDによって構成されていてもよい。また、光源10Bおよび光源10Cのうちいずれか一方の光源に含まれるチップ11Aが、LEDによって構成され、他方の光源に含まれるチップ11Aが、LDによって構成されていてもよい。また、光源10Bおよび光源10Cのうちいずれか一方の光源に含まれるチップ11Aが、OLEDによって構成され、他方の光源に含まれるチップ11Aが、LDによって構成されていてもよい。
各光源10B,10Cに含まれるチップ11Aは、例えば、光源10B,10Cごとに互いに異なる波長帯の光を発するようになっている。例えば、光源10Bに1つのチップ11Aが設けられている場合には、そのチップ11Aは、例えば、波長500nm〜600nm程度の波長の光(緑色光)を発するものである。また、例えば、光源10Cに2つのチップ11Aが設けられている場合には、1つ目のチップ11Aは、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長の光(青色光)を発するものであり、2つ目のチップ11Aは、波長600nm〜700nm程度の波長の光(赤色光)を発するものである。
なお、光源10Bに含まれるチップ11Aの数が2つ以上であってもよい。また、光源10Cに含まれるチップ11Aの数が1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、固体発光素子11に含まれるチップ11の数は、光源10B,10Cごとに異なっていてもよいし、全ての光源10B,10Cで互いに等しくなっていてもよい。また、光源10Bから発せられる光の波長帯が、波長400nm〜500nm程度の波長帯(青色)であってもよいし、波長600nm〜700nm程度の波長帯(赤色)であってもよい。また、光源10Cから発せられる光の波長帯が、波長500nm〜600nm程度の波長帯(緑色)であってもよい。
光路合成素子90は、1つのダイクロイックミラーからなる。このダイクロイックミラーは、波長選択性を持つ1枚のミラー(以下、便宜的にミラーAと称する。)を含むものである。なお、ミラーAは、例えば、多層の干渉膜を蒸着して構成されたものである。ミラーAは、ミラーAの裏面側から入射した光(光源10B側から入射した光)をミラーAの表面側に透過させるとともに、ミラーAの表面側から入射した光(光源10C側から入射した光)をミラーAで反射するようになっている。光路合成素子90は、光源10B,10Cから発せられた個々の光束を単一の光束に合成するようになっている。カップリングレンズ20Aは、光路合成素子90から射出された光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換するようになっている。
フロントモニタ100は、光路合成素子90から漏れ出てきた光を検出するものである。フロントモニタ100で検出した光量のデータを利用することにより、光源10Bおよび光源10Cの少なくとも一方から発せられる光の輝度を所望の値に制御することが可能となる。
[作用・効果]
次に、本実施の形態のプロジェクタ3の作用・効果について説明する。本実施の形態では、上記第1の実施の形態の変形例と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ3を実現することができる。
次に、本実施の形態のプロジェクタ3の作用・効果について説明する。本実施の形態では、上記第1の実施の形態の変形例と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ3を実現することができる。
また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態の変形例と同様、フライアイレンズ40Aの各セル41によって形成される光束がフライアイレンズ40Bを通過する領域(=領域B1+領域B2)のサイズがフライアイレンズ40Bの1つのセル42のサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。従って、上記第1の実施の形態の変形例と同様、照明光学系3Aにおける光利用効率を改善することができる。
さらに、本実施の形態では、フライアイレンズ40Aの各セル41によって位相差板アレイ50に形成される各光源像S1、各光源像S2のサイズが第1領域50A、第2領域50Bの1セルのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLと、フライアイレンズ40A、40Bの焦点距離fFELとが設定されている。従って、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができるので、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出する固体発光素子を光源に用いつつ、小型かつ高輝度の照明装置を実現することができる。
また、本実施の形態において、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVと、フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離fFELH,fFELVとを設定するようにした場合には、照明光学系3Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。また、本実施の形態において、カップリングレンズ20Aが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Aの焦点距離fCLH,fCLVおよび開口率NAH,NAVを設定するようにした場合には、照明光学系3Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。
また、本実施の形態にでは、カップリングレンズ20Aからの光を偏光分離素子30に斜めに入射させるようにした。これにより、空間変調素子70の光入射側などに偏光板が用いられている場合に、光源10B,10Cから射出された光を、上記の偏光板の透過軸と平行な偏光成分を主として含む偏光光に変換することができる。その結果、空間変調素子70の光入射側などに設けられた偏光板で生じる光のロスを小さくすることができるので、プロジェクタ3全体の光利用効率を大幅に改善することができる。
<4.第3の実施の形態>
[構成]
図17は、本発明の第3の実施の形態に係るプロジェクタ4の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ4が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図17はプロジェクタ4を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表す。
[構成]
図17は、本発明の第3の実施の形態に係るプロジェクタ4の概略構成を表すものである。なお、プロジェクタ4が本発明の「投射型表示装置」の一具体例に相当する。図17はプロジェクタ4を上から(y軸方向から)見たときの構成例を表す。
プロジェクタ4は、照明装置4Aを備えている点で、照明光学系3Aを備えたプロジェクタ3の構成と相違する。そこで、以下では、プロジェクタ3との相違点について主に説明、プロジェクタ3との共通点についての説明を適宜省略するものとする。
照明装置4Aでは、照明光学系3Aの光源10Cおよびカップリングレンズ20Aが省略され、その代わりに、光源10D、カップリングレンズ20B,20C、光路合成素子110および微小振動素子120が設けられている。光源10B,10Dは、偏光分離素子30の光軸から外れた位置に配置されている。照明光学系4Aは、光源10Bから発せられた光がカップリングレンズ20Bおよび光路合成素子110を介して偏光分離素子30に入射するように構成されている。さらに、照明光学系4Aは、光源10Dから発せられた光がカップリングレンズ20Cおよび光路合成素子110を介して偏光分離素子30に入射するように構成されている。フロントモニタ100は、偏光分離素子30の近傍に配置されており、偏光分離素子30から漏れ出た光の光路上に配置されている。
光源10B,10Dは、それぞれ、例えば、図示しないが、光を発する固体発光素子11と、固体発光素子11を支持するとともに覆うパッケージ12とを有している。固体発光素子11は、例えば、単一のチップ11Aからなっていてもよいし、複数のチップ11Aからなっていてもよい。
チップ11Aは、発光ダイオード(LED)、有機EL発光素子(OLED)、またはレーザダイオード(LD)からなる。光源10D内の1または複数のチップ11Aは、レーザダイオード(LD)からなる。一方、光源10B内の1または複数のチップ11Aは、本実施の形態では、発光ダイオード(LED)、または有機EL発光素子(OLED)からなる。
光源10Bに含まれるチップ11Aの数は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。また、光源10Dに含まれるチップ11Aの数は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。また、固体発光素子11に含まれるチップ11の数は、光源10B,10Dごとに異なっていてもよいし、全ての光源10B,10Dで互いに等しくなっていてもよい。
各光源10B,10Dに含まれるチップ11Aは、例えば、光源10B,10Dごとに互いに異なる波長帯の光を発するようになっている。
例えば、光源10Bから1つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、その波長帯は、例えば、波長500nm〜600nm程度の波長帯(緑色帯)となっている。このとき、例えば、光源10Dから2つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、1つ目の波長帯は、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長帯(青色帯)となっており、2つ目の波長帯は、波長600nm〜700nm程度の波長帯(赤色帯)となっている。
また、例えば、光源10Bから2つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、1つ目の波長帯は、例えば、波長500nm〜600nm程度の波長帯(緑色帯)となっており、2つ目の波長帯は、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長帯(青色帯)となっている。このとき、例えば、光源10Dから1つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、その波長帯は、例えば、波長600nm〜700nm程度の波長帯(赤色帯)となっている。
また、例えば、光源10Bから2つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、1つ目の波長帯は、例えば、波長500nm〜600nm程度の波長帯(緑色帯)となっており、2つ目の波長帯は、例えば、波長600nm〜700nm程度の波長帯(赤色帯)となっている。このとき、例えば、光源10Dから1つの波長帯の光が発せられるようになっている場合には、その波長帯は、例えば、波長400nm〜500nm程度の波長帯(青色帯)となっている。
ところで、図18(A),(B)に示したように、赤色帯の波長の光を発するレーザダイオード10Rと、緑色帯または青色帯の波長の光を発するレーザダイオード10GBとでは、発振モードが互いに異なっている。すなわち、レーザダイオード10GBがTEモード発振であり、その射出偏光が活性層に対して平行な方向であるのに対して、レーザダイオード10RがTMモード発振であり、その射出偏光が活性層に対して垂直な方向である。これに対して遠視野像では、レーザダイオード10GB,10Rともに、その長軸方向が活性層に対して垂直な方向になる。カップリングレンズ20Cなどの光学系での光の利用効率や、フロントモニタ100などへの入射光量などを考慮すると、遠視野像が揃っている方が好ましい。
従って、例えば、光源10Dから、青色帯および赤色帯の光が発せられるようになっている場合には、光源10D内に、波長選択性を有する位相差板10Eが設けられていることが好ましい。この位相差板10Eは、赤色帯の光に対してλ/2またはほぼλ/2の位相差を与えるようになっており、青色帯の光に対して位相差を与えないようになっている。これにより、光源10Dから発せられた赤色帯の光の偏光方向は、位相差板10Eで90°回転し、光源10Dから発せられた青色帯の光の偏光方向と同一またはほぼ同一の方向となる。その結果、光源10Dから発せられた青色帯および赤色帯の光は、遠視野像および偏光方向の双方において同一またはほぼ同一となる。
なお、位相差板10Eは、光源10Dとは別体で設けられていてもよい。その場合には、位相差板10Eは、例えば、光源10Dと微小振動素子120との間に設けられている。
次に、光路合成素子110および微小振動素子120について説明する。
光路合成素子110は、波長選択性を持ったミラーである。光路合成素子110は、例えば、図17に示したように、ミラーの裏面側から入射した光(光源10D側から入射した光)をミラーの表面側に透過させるとともに、ミラーの表面側から入射した光(光源10B側から入射した光)をミラーで反射するようになっている。
微小振動素子120は、例えば、図19に示したように、光射出側に傾斜面A1〜Anを有するプリズムアレイを含んで構成されている。プリズムアレイは、光源10Dから発せられた光を傾斜面A1〜Anごとに微小な光束L1〜Lnに分割するものである。微小振動素子120は、図示しないが、プリズムアレイを面内方向に振動させる振動機構を含んでいる。微小振動素子120は、傾斜面A1〜Anごとに分割された微小な光束L1〜Lnを、照明領域70Aにおいて、振動機構による微小振動に応じて走査するようになっている。これにより、照明領域70Aにおける照明状態が時間的に変化するので、スペックルノイズを低減することができる。なお、微小振動素子120による光束の走査の微小振動の方向は、位相差板アレイ50の配列方向と直交する方向(つまり、第1領域50A,第2領域50Bの延在方向)またはその方向と対応する方向であることが好ましい。このようにした場合には、光源10Dから発せられ、フライアイレンズ40Bの1つのセル42から射出された光が、位相差板アレイ50の複数セルにまたがる虞がないので、微小振動に起因する光利用効率の低下をなくすることができる。
[作用・効果]
次に、本実施の形態のプロジェクタ4の作用・効果について説明する。本実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ4を実現することができる。
次に、本実施の形態のプロジェクタ4の作用・効果について説明する。本実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様、無偏光の光がS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、LEDやOLEDなどの無偏光の光を射出するチップ11Aを光源に用いつつ、小型かつ高輝度のプロジェクタ4を実現することができる。
また、本実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様、フライアイレンズ40Aの各セルによってフライアイレンズ40Bに形成される各光源像Sのサイズがフライアイレンズ40の1セルのサイズを超えない大きさとなるように、カップリングレンズ20Bの焦点距離fCLBと、カップリングレンズ20Cの焦点距離fCLCと、フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離fFELとが設定されている。従って、上記第3の実施の形態と同様、照明装置4Aにおける光利用効率を改善することができる。
また、本実施の形態において、フライアイレンズ40A,40Bの各セルが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Bの焦点距離fCLBH,fCLBVと、カップリングレンズ20Cの焦点距離fCLCH,fCLCVと、フライアイレンズ40A,40Bの焦点距離fFELH,fFELVとを設定するようにした場合には、照明装置4Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。また、本実施の形態において、カップリングレンズ20B,20Cが1以外の縦横比を有している場合に、その縦横比を考慮して、カップリングレンズ20Bの焦点距離fCLBH,fCLBVおよび開口率NABH,NABVと、カップリングレンズ20Cの焦点距離fCLCH,fCLCVおよび開口率NACH,NACVを設定するようにした場合には、照明装置4Aにおける光利用効率をさらに改善することができる。
また、本実施の形態において、光源10Dとして青色帯および赤色帯の光を発するLDを用いるようにした場合には、光源10Dとして青色帯および赤色帯の光を発するLEDまたはOLEDを用いた場合と比べて、低い消費電力で高い輝度を得ることができる。これにより、緑色帯の光と比べて相対的に視感度の低い青色帯および赤色帯の光の輝度を低い消費電力で高めることができる。
<6.変形例>
以上、複数の実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
以上、複数の実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(変形例1)
例えば、上記実施の形態等では、偏光分離素子30が偏光回折素子となっている場合が例示されていたが、例えば、図20(A)に示したように、偏光分離素子30が光学異方性(複屈折性)を有するプリズムの積層体によって構成されていてもよい。図20(A)に記載の偏光分離素子30は、光入射側に設けられた三角柱状のプリズム31(屈折率n1)と、光射出側に設けられた三角柱状のプリズム32(屈折率n2)とを重ね合わせて構成されている。図20(A)に記載の偏光分離素子30では、図20(B)に示したように、入射側のプリズム31のプリズム32側の界面において、入射光がp偏光成分とs偏光成分に分離される。そして、プリズム31で分離されたp偏光はプリズム32内を透過し、プリズム32の光射出側の界面において、プリズム31への入射角θの符号と同一の符号であって、プリズム31への入射角θと同一の角度θに屈折して外部に射出される。一方、プリズム31で分離されたs偏光はプリズム32内を透過し、プリズム31への入射角θの符号と反対の符号であって、かつプリズム31への入射角θと同一の角度θに屈折して外部に射出される。したがって、このような構成の偏光分離素子30を用いることによっても、光利用効率を改善することができる。この例では、p偏光に対してはn1=n2であり、s偏光に対してはn1≠n2であり、上記条件を満たすように、n1、n2、αが決まっている。また、s偏光に対してはn1=n2であり、p偏光に対してはn1≠n2であり、上記条件を満たすように、n1、n2、αが決まっていてもよい。
例えば、上記実施の形態等では、偏光分離素子30が偏光回折素子となっている場合が例示されていたが、例えば、図20(A)に示したように、偏光分離素子30が光学異方性(複屈折性)を有するプリズムの積層体によって構成されていてもよい。図20(A)に記載の偏光分離素子30は、光入射側に設けられた三角柱状のプリズム31(屈折率n1)と、光射出側に設けられた三角柱状のプリズム32(屈折率n2)とを重ね合わせて構成されている。図20(A)に記載の偏光分離素子30では、図20(B)に示したように、入射側のプリズム31のプリズム32側の界面において、入射光がp偏光成分とs偏光成分に分離される。そして、プリズム31で分離されたp偏光はプリズム32内を透過し、プリズム32の光射出側の界面において、プリズム31への入射角θの符号と同一の符号であって、プリズム31への入射角θと同一の角度θに屈折して外部に射出される。一方、プリズム31で分離されたs偏光はプリズム32内を透過し、プリズム31への入射角θの符号と反対の符号であって、かつプリズム31への入射角θと同一の角度θに屈折して外部に射出される。したがって、このような構成の偏光分離素子30を用いることによっても、光利用効率を改善することができる。この例では、p偏光に対してはn1=n2であり、s偏光に対してはn1≠n2であり、上記条件を満たすように、n1、n2、αが決まっている。また、s偏光に対してはn1=n2であり、p偏光に対してはn1≠n2であり、上記条件を満たすように、n1、n2、αが決まっていてもよい。
(変形例2)
また、上記の第2および第3の実施の形態では、2つの光源が設けられていたが、3つ以上の光源が設けられていてもよい。この場合に、全ての光源が、無偏光の光を射出するものであってもよいし、一部の光源(1または複数の光源)が、偏光光を射出するものであってもよい。また、3つ以上の光源が設けられている場合に、各光源からの光を合成するために、例えば、単一のダイクロイックミラーが用いられてもよいし、複数のダイクロイックミラーが用いられてもよい。ここで、複数のダイクロイックミラーが用いられる場合には、光源ごとに1つずつカップリングレンズを設け、複数のダイクロイックミラーを用いて、各カップリングレンズを透過した光を合成することが好ましい。
また、上記の第2および第3の実施の形態では、2つの光源が設けられていたが、3つ以上の光源が設けられていてもよい。この場合に、全ての光源が、無偏光の光を射出するものであってもよいし、一部の光源(1または複数の光源)が、偏光光を射出するものであってもよい。また、3つ以上の光源が設けられている場合に、各光源からの光を合成するために、例えば、単一のダイクロイックミラーが用いられてもよいし、複数のダイクロイックミラーが用いられてもよい。ここで、複数のダイクロイックミラーが用いられる場合には、光源ごとに1つずつカップリングレンズを設け、複数のダイクロイックミラーを用いて、各カップリングレンズを透過した光を合成することが好ましい。
(変形例3)
また、上記実施の形態等では、照明光学系1A,3A,4Aの光源が、無偏光の光を射出する素子を含んでいたが、偏光光を射出するレーザダイオードだけで構成されていてもよい。この場合であっても、光源からの光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。その結果、光源からの光が、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
また、上記実施の形態等では、照明光学系1A,3A,4Aの光源が、無偏光の光を射出する素子を含んでいたが、偏光光を射出するレーザダイオードだけで構成されていてもよい。この場合であっても、光源からの光が、偏光分離素子30によって、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離され、分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方が位相差板アレイ50によって他方の偏光成分に変換される。その結果、光源からの光が、S偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光光に揃うので、簡易な構成で、光の利用効率を高めることができる。従って、小型かつ高輝度のプロジェクタ1を実現することができる。
(変形例4)
また、上記実施の形態では、図2(A),(B)〜図5(A),(B)に示したように、チップ11Aが上面発光型の素子となっている場合が例示されていたが、端面発光型の素子であってもよい。その場合には、光源10A,10B,10C,10Dは、それぞれ、例えば、図21(A),(B)〜図26(A),(B)に示したように、ステム13とキャップ14とによって囲まれた内部空間に、1または複数の端面発光型のチップ11Aからなる固体発光素子11が収容されたキャンタイプの形態となっている。
また、上記実施の形態では、図2(A),(B)〜図5(A),(B)に示したように、チップ11Aが上面発光型の素子となっている場合が例示されていたが、端面発光型の素子であってもよい。その場合には、光源10A,10B,10C,10Dは、それぞれ、例えば、図21(A),(B)〜図26(A),(B)に示したように、ステム13とキャップ14とによって囲まれた内部空間に、1または複数の端面発光型のチップ11Aからなる固体発光素子11が収容されたキャンタイプの形態となっている。
ステム13は、キャップ14とともに光源10A,10B,10C,10Dのパッケージを構成するものであり、例えば、サブマウント15を支持する支持基板13Aと、支持基板13Aの裏面に配置された外枠基板13Bと、複数の接続端子13Cとを有している。サブマウント15は導電性および放熱性を有する材料からなる。支持基板13Aおよび外枠基板13Bは、それぞれ、導電性および放熱性を有する基材に、1または複数の絶縁性のスルーホールと、1または複数の導電性のスルーホールとが形成されたものである。支持基板13Aおよび外枠基板13Bは、例えば、円板形状となっており、双方の中心軸(図示せず)が互いに重なり合うように積層されている。外枠基板13Bの直径は、支持基板13Aの直径よりも大きくなっている。外枠基板13Bの外縁は、外枠基板13Bの中心軸を法線とする面内において外枠基板13Bの中心軸から放射方向に張り出した環状のフランジとなっている。フランジは、製造過程においてキャップ14を支持基板13Aに嵌合させるときの基準位置を規定する役割を有している。複数の接続端子13Cは、少なくとも支持基板13Aを貫通している。複数の接続端子13Cのうち少なくとも1つの端子を除いた端子(以下、便宜的に「端子α」とする。)は、個々のチップ11Aの電極(図示せず)に1つずつ電気的に接続されている。端子αは、例えば、外枠基板13B側に長く突出しており、かつ支持基板13A側に短く突出している。また、複数の接続端子13Cのうち上記の端子α以外の端子(以下、便宜的に「端子β」とする。)は、全てのチップ11Aの他の電極(図示せず)に電気的に接続されている。端子βは、例えば、外枠基板13B側に長く突出しており、端子βの支持基板13A側の端縁は、例えば、支持基板13A内に埋め込まれている。各接続端子13Cのうち外枠基板13B側に長く突出している部分が、例えば基板などに嵌め込まれる部分に相当する。一方、複数の接続端子13Cのうち支持基板13A側に短く突出している部分が、ワイヤ16を介して個々のチップ11Aと1つずつ電気的に接続される部分に相当する。複数の接続端子13Cのうち支持基板13A内に埋め込まれている部分が、例えば、支持基板13Aおよびサブマウント15を介して全てのチップ11Aと電気的に接続される部分に相当する。端子αは、支持基板13Aおよび外枠基板13Bに設けられた絶縁性のスルーホールによって支持されており、そのスルーホールによって支持基板13Aおよび外枠基板13Bから絶縁分離されている。さらに、個々の端子αは、上記の絶縁部材によって互いに絶縁分離されている。一方、端子βは、支持基板13Aおよび外枠基板13Bに設けられた導電性のスルーホールによって支持されており、そのスルーホールと電気的に接続されている。
キャップ14は、固体発光素子11を封止するものである。キャップ14は、例えば、上端および下端に開口が設けられた筒部14Aを有している。筒部14Aの下端が、例えば、支持基板13Aの側面に接しており、筒部14Aの内部空間に、固体発光素子11が位置している。キャップ14は、筒部14Aの上端側の開口を塞ぐようにして配置された光透過窓14Bを有している。光透過窓14Bは、固体発光素子11の光射出面と対向する位置に配置されており、固体発光素子11から出力された光を透過する機能を有している。
本変形例において、固体発光素子11は、単一もしくは複数の点状、または単一もしくは複数の非点状の発光スポットからなる光射出領域から光を発するようになっている。固体発光素子11は、例えば、所定の波長帯の光を発する単一のチップ11Aからなっていてもよいし、同一の波長帯の光を発する複数のチップ11Aからなっていてもよいし、互いに異なる波長帯の光を発する複数のチップ11Aからなっていてもよい。固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、それらのチップ11Aは、例えば、図21(A),(B)、図22(A),(B)に示したように、横方向に一列に配置されていたり、例えば、図24(A),(B)、図25(A),(B)に示したように、縦方向に一列に配置されていたりする。固体発光素子11に含まれるチップ11の数は、光源10A,10B,10C,10Dごとに異なっていてもよいし、全ての光源10A,10B,10C,10Dで互いに等しくなっていてもよい。
固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、例えば、図23(B)、図26(B)に示したように、単一のチップ11Aのサイズ(WV1×WH1)に等しい。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズは、例えば、図21(B),図22(B),図24(B),図25(B)に示したように、全てのチップ11Aをひとまとまりとしたときのサイズに等しい。複数のチップ11Aが横方向に一列に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図21(B)の例では、WV1×3WH1より大きく、図22(B)の例では、WV1×2WH1より大きい。また、複数のチップ11Aが縦方向に一列に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図24(B)の例では、3WV1×WH1より大きく、図25(B)の例では、2WV1×WH1より大きい。
チップ11Aは、例えば、レーザダイオード(LD)からなる。光源10A,10B,10C,10Dのそれぞれに含まれるチップ11Aが全て、LDによって構成されていてもよい。また、光源10A,10B,10C,10Dのうち少なくとも1つの光源に含まれるチップ11Aが、LDによって構成され、それ以外の光源に含まれるチップ11Aが、LEDまたはOLEDによって構成されていてもよい。
チップ11Aは、例えば、図21(A),(B)〜図26(A),(B)に示したように、チップ11Aサイズ(WV×WH)よりも小さなサイズ(PV1×PH1)の発光スポット11Bを有している。発光スポット11Bは、チップ11Aに電流を注入してチップ11Aを駆動したときにチップ11Aから光が発せられる領域(光射出領域)に相当する。チップ11AがLDからなる場合には、発光スポット11BはLEDまたはOLEDの発光スポットよりも小さな点状となっている。
固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、発光スポット11Bの数は、例えば、図23(B)、図26(B)に示したように1つである。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、発光スポット11Bの数は、例えば、図21(B),図22(B),図24(B)、図25(B)に示したようにチップ11Aの数と等しい。ここで、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としての光射出領域のサイズ(PV×PH)は、発光スポット11Bのサイズ(PV1×PH1)に等しい。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としての光射出領域のサイズ(PV×PH)は、最小面積で全てのチップ11Aの発光スポット11Bを囲ったときのその囲いのサイズに等しい。複数のチップ11Aが横方向に一列に配置されている場合には、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、図21(B)の例では、PV1×3PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。同様に、図22(B)の例では、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、PV1×2PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。また、複数のチップ11Aが縦方向に一列に配置されている場合には、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、図24(B)の例では、3PV1×PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。同様に、図25(B)の例では、光射出領域のサイズ(PV×PH)は、2PV1×PH1よりも大きく、WV×WHよりも小さい。
(変形例5)
また、上記実施の形態では、本発明を、投射型表示装置に適用した場合について説明されていたが、他の表示装置に適用することももちろん可能である。例えば、図27に示したように、本発明を、リアプロジェクション表示装置5に適用することが可能である。リアプロジェクション表示装置5は、図27に示したように、照明光学系1A,3A,4Aを含むプロジェクタ1,3,4と、プロジェクタ1,3,4(投影光学系80)から投射された画像光を映し出す透過型スクリーン6とを備えている。このように、リアプロジェクション表示装置5の照明光学系として、照明光学系1A,3A,4Aを用いることにより、光利用効率を改善することができる。
また、上記実施の形態では、本発明を、投射型表示装置に適用した場合について説明されていたが、他の表示装置に適用することももちろん可能である。例えば、図27に示したように、本発明を、リアプロジェクション表示装置5に適用することが可能である。リアプロジェクション表示装置5は、図27に示したように、照明光学系1A,3A,4Aを含むプロジェクタ1,3,4と、プロジェクタ1,3,4(投影光学系80)から投射された画像光を映し出す透過型スクリーン6とを備えている。このように、リアプロジェクション表示装置5の照明光学系として、照明光学系1A,3A,4Aを用いることにより、光利用効率を改善することができる。
1,3,4…プロジェクタ、1A,3A,4A…照明光学系、2…スクリーン、5…リアプロジェクション表示装置、6…透過型スクリーン、10A,10B,10C、10D…光源、11…固体発光素子、11A…チップ、11B…発光スポット、12…パッケージ、13…ステム、13A…支持基板、13B…外枠基板、13C…接続端子、14…キャップ、14A…筒部、14B…光透過部、15…サブマウント、16…ワイヤ、20A,20B,20C…カップリングレンズ、30…偏光分離素子、40…インテグレータ、40A,40B…フライアイレンズ、41,42…セル、50…位相差板アレイ、50A…第1領域、50B…第2領域、60…コンデンサレンズ、70…空間変調素子、70A…照明範囲、80…投影光学系。
Claims (16)
- 固体発光素子を含む1または複数の光源と、
前記光源側から入射した光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換する1または複数の指向角変換素子と、
前記指向角変換素子側から入射した光を、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子を透過した光が照明する所定の照明範囲における光の照度分布を均一化するインテグレータと、
位相差の互いに異なる第1領域および第2領域を有する位相差板アレイと
を備え、
前記第1領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第1領域への入射光を、偏光方向を維持したまま透過し、
前記第2領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のうち前記第1領域に入射する偏光成分とは異なる偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第2領域への入射光を、前記第1領域に入射する光の偏光と等しい偏光の光に変換する
照明装置。 - 前記第1領域および前記第2領域はともに、前記偏光分離素子における分離方向と直交する方向に延在する帯状の形状となっており、かつ前記偏光分離素子における分離方向と平行な方向に交互に配置されている
請求項1に記載の照明装置。 - 前記偏光分離素子から射出されたS偏光の進行方向と、前記偏光分離素子から射出されたP偏光の進行方向とは、前記偏光分離素子の法線との関係で互いに反対方向を向いている
請求項2に記載の照明装置。 - 前記偏光分離素子から射出されたS偏光の進行方向と、前記偏光分離素子から射出されたP偏光の進行方向とは、前記偏光分離素子の法線との関係で互いに線対称となる方向を向いている
請求項3に記載の照明装置。 - 前記光源および前記指向角変換素子は、前記指向角変換素子側からの光が前記偏光分離素子に斜めに入射するように配置されている
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の照明装置。 - 前記インテグレータは、互いに対向する一対のフライアイレンズからなり、
前記光源および前記指向角変換素子は、前記指向角変換素子側からの光が前記偏光分離素子に以下の関係式を満たす角度で入射するように配置されている
請求項5に記載の照明装置。
φ=tan-1(hAWP/(2×fFEL))
φ:前記指向角変換素子側からの光が前記偏光分離素子に入射する角度
hAWP:前記第1領域および前記第2領域の配列方向のサイズ
fFEL:前記フライアイレンズの焦点距離 - 前記偏光分離素子から射出されたS偏光、および前記偏光分離素子から射出されたP偏光のいずれか一方の進行方向が、前記偏光分離素子の法線と平行な方向を向いている
請求項2に記載の照明装置。 - 前記光源および前記指向角変換素子は、前記指向角変換素子側からの光が前記偏光分離素子に垂直に入射するように配置されている
請求項1、請求項2または請求項7に記載の照明装置。 - 前記インテグレータは、互いに対向する一対のフライアイレンズからなり、
前記位相差板アレイは、前記一対のフライアイレンズのうち前段のフライアイレンズの略焦点位置に配置されている
請求項1、請求項2、請求項3または請求項7に記載の照明装置。 - 前記固体発光素子は、所定の波長帯の光を発する単一のチップ、または同一の波長帯もしくは互いに異なる波長帯の光を発する複数のチップからなる
請求項1、請求項2、請求項3または請求項7に記載の照明装置。 - 当該照明装置は、複数の光源と、複数の指向角変換素子とを備え、
各光源は、前記固体発光素子を内蔵したパッケージとなっており、
各指向角変換素子は、前記パッケージごとに1つずつ配置され、
当該照明装置は、各指向角変換素子を透過した光を合成する光路合成素子をさらに備えた
請求項10に記載の照明装置。 - 当該照明装置は、複数の光源と、1つの指向角変換素子とを備え、
各光源は、前記固体発光素子を内蔵したパッケージとなっており、
当該照明装置は、各固体発光素子から射出された光を合成する光路合成素子をさらに備え、
前記指向角変換素子は、前記光路合成素子から射出された光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換する
請求項10に記載の照明装置。 - 当該照明装置は、1つの光源と、1つの指向角変換素子とを備え、
前記光源は、前記固体発光素子を内蔵したパッケージとなっている
請求項10に記載の照明装置。 - 前記チップは、発光ダイオード、有機EL発光素子、またはレーザダイオードである
請求項10に記載の照明装置。 - 照明光学系と、
入力された映像信号に基づいて前記照明光学系からの光を変調することにより、画像光を生成する空間変調素子と、
前記空間変調素子で生成された画像光を投射する投影光学系と、
を備え、
前記照明光学系は、
固体発光素子を含む1または複数の光源と、
前記光源側から入射した光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換する1または複数の指向角変換素子と、
前記指向角変換素子側から入射した光を、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子を透過した光が照明する所定の照明範囲における光の照度分布を均一化するインテグレータと、
位相差の互いに異なる第1領域および第2領域を有する位相差板アレイと
を備え、
前記第1領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第1領域への入射光を、偏光方向を維持したまま透過し、
前記第2領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のうち前記第1領域に入射する偏光成分とは異なる偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第2領域への入射光を、前記第1領域に入射する光の偏光と等しい偏光の光に変換する
投射型表示装置。 - 照明光学系と、
入力された映像信号に基づいて前記照明光学系からの光を変調することにより、画像光を生成する空間変調素子と、
前記空間変調素子で生成された画像光を投射する投影光学系と、
前記投影光学系から投射された画像光を映し出す透過型スクリーンと
を備え、
前記照明光学系は、
固体発光素子を含む1または複数の光源と、
前記光源側から入射した光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換する1または複数の指向角変換素子と、
前記指向角変換素子側から入射した光を、S偏光成分とP偏光成分との進行方向が異なるように分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子を透過した光が照明する所定の照明範囲における光の照度分布を均一化するインテグレータと、
位相差の互いに異なる第1領域および第2領域を有する位相差板アレイと
を備え、
前記第1領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のいずれか一方の偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第1領域への入射光を、偏光方向を維持したまま透過し、
前記第2領域は、前記偏光分離素子で分離されたS偏光成分およびP偏光成分のうち前記第1領域に入射する偏光成分とは異なる偏光成分が入射する位置に配置されており、当該第2領域への入射光を、前記第1領域に入射する光の偏光と等しい偏光の光に変換する
直視型表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010219298A JP2012073496A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 照明装置、投影型表示装置、直視型表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012073496A true JP2012073496A (ja) | 2012-04-12 |
Family
ID=46169709
Family Applications (1)
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JP2010219298A Pending JP2012073496A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 照明装置、投影型表示装置、直視型表示装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2012073496A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014020728A1 (ja) * | 2012-08-01 | 2016-07-11 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 照明光学系及び投射型表示装置 |
JP2016540252A (ja) * | 2013-08-26 | 2016-12-22 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 特にマイクロミラー装置に使用する光源装置 |
US11936829B2 (en) | 2020-03-26 | 2024-03-19 | Ricoh Company, Ltd. | Illuminating device, image reading device, and image forming apparatus with multiple light sources |
-
2010
- 2010-09-29 JP JP2010219298A patent/JP2012073496A/ja active Pending
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