JP2012073326A - フォトマスク、フォトマスクブランク及びフォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板上の一方の面にパターニングされた単層または複数の層からなる第一の膜を備え、かつ前記透明基板の反対面にパターニングされた単層または複数の層からなる第二の膜を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
まず、バイナリーマスクの一般的な製造工程は、次の通りである。
透明基板上にクロム化合物の遮光層が設けられたフォトマスクブランク上に電子線レジスト膜を塗布し、このレジスト膜に電子ビームでパターンを描画し、これを現像してレジストパターンを得る。次いで、このレジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチング加工により、遮光部と透過部からなるフォトマスクパターンが形成される。
ライエッチング加工により位相シフト部、透過部、及び、遮光帯部からなるフォトマスクパターンを形成する。(たとえば、非特許文献1)
これは、レジスト膜厚を薄くすればアスペクト比(=レジスト膜厚/パターン幅)を低く抑えることができ、その結果、ドライエッチングにおいてラジカル等のエッチング種を開口部の底部に到達し易くしてマイクロローディング現象を低減する効果と、現像処理において前記レジストパターンの倒壊を防ぐ効果がある。
しかし、有機物からなるレジストはその主成分が炭素であるため、ドライエッチング耐性が非常に弱く、ドライエッチング速度が速い。そのため、遮光膜をドライエッチングする際は、レジストパターンは十分な膜厚を残さなければならなかった。よって、レジストの
薄膜化は困難であった。
なお、一般的なフォトマスク製造におけるレジストの膜厚は300nmから500nmである。
ここでエッチング選択比とは、一般には(エッチング被対象物のエッチング速度/エッチング保護層のエッチング速度)と定義される値である。
遮光性を保つためには、光学濃度を充分保つような膜厚にする必要があり、遮光膜の膜厚に制限があった。そのため結局、遮光膜もレジストも薄膜化が困難であった。
請求項1のフォトマスクは、
透明基板上の一方の面にパターニングされた単層または複数の層からなる第一の膜を備え、かつ前記透明基板の反対面にパターニングされた単層または複数の層からなる第二の膜を備えることを特徴とする。
前記第二の膜が、露光転写の際の漏れ光により転写領域外が露光されることを防止するための遮光帯を成すことを特徴とする。
前記第一の膜が位相シフト膜を含むことを特徴とする。
前記第一の膜が位相シフト膜及びハードマスク膜を含むことを特徴とする。
前記位相シフト膜が露光光波長における透過率が4%〜100%であることを特徴とする。
前記第二の膜が遮光膜を含むことを特徴とする。
前記遮光膜がクロム化合物あるいは珪素化合物の少なくとも一種類を含むことを特徴とする。
前記クロム化合物が、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化物を主成分とする金属化合物、クロムを主成分とする金属もしくは合金のいずれかであることを特徴とする。
前記珪素化合物が、珪素酸化物、珪素窒化物、珪素酸化窒化物を主成分とする化合物のいずれかであることを特徴とする。
前記珪素化合物がさらに遷移金属を含むことを特徴とする。
前記遷移金属が、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hr)、バナジウム(V)、およびニオブ(Nb)の中から選択されることを特徴とする。
前記ハードマスク膜の前記位相シフト膜に対するエッチング選択比(位相シフト膜のエッチング速度/ハードマスク膜のエッチング速度)が5以上であることを特徴とする。
前記ハードマスク膜が、フッ素系ドライエッチング(F系)に対してはエッチング耐性を持ち、かつ酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl+O)系)により容易にエッチングされることを特徴とする。
前記ハードマスク膜が、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化物を主成分とする金属化合物、およびクロムを主成分とする金属または合金のいずれかを主成分とすることを特徴とする。
前記ハードマスク膜の膜厚が1nm〜15nmであることを特徴とする。
フォトマスクの素材として用いられるフォトマスクブランクであって、前記請求項1から15のいずれかに記載されたフォトマスクの膜構成を備えたことを特徴とする。
前記ハードマスク膜を酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングでパターニングした後に、前記位相シフト膜をフッ素系ガスによるドライエッチングでパターニングする工程を含むことを特徴とする。
これにより、マイクロローディング現象の低減による寸法精度の向上効果、およびSRAF等の微細パターンのレジストパターン倒れの防止効果が得られ、微細かつ高精度なフォトマスクが作製可能になった。
図1は、本発明のフォトマスクの一実施形態の構成を示す。
図1のフォトマスク300は位相シフトマスクの構成を示しており、その構成は、石英ガラスからなる透明基板100の一方の面に半透明の位相シフト膜パターン101aが形成されている。そして、位相シフト膜パターン101aとは透明基板100を挟んで反対の面に、遮光膜パターン103aが形成されている。
第二アライメントマークパターン103bは前記位相シフト膜のアライメントマークパターン101bと同形のパターンであり、そのパターン中心位置はフォトマスクの厚さ方向において一致するように形成されている。
次に、本発明のフォトマスクを製造するためのフォトマスクブランクの構成を以下に説明する。
さらに、透明基板100を挟んで反対の面に、遮光膜103を積層してある。この反対面に積層された膜を第二の膜112とし、本実施例では遮光膜のみとしている。
また、位相シフト膜101の位相差は、最終的なフォトマスク製品として170度以上190度以下であることが一般的に要求される。これらの要求特性値は、露光する設計パターンや露光条件等によりフォトマスクユーザーによって適宜選択される。
遮光膜の膜厚に制限はないが、露光波長に対する光学濃度が位相シフト膜と合わせて2以上になるように選択することが好ましく、より好ましくは光学濃度が3以上である。
遷移金属としては、例えば、モリブテン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウ(Zr)、ハフニウム(Hr)、バナジウム(V)および、ニオブ(Nb)などが挙げられるが、エッチング加工の容易性の観点からはモリブテンが好ましい。
ク膜が同時にエッチングされて消失してしまい、非露出部の位相シフト膜表面にまでダメージを与えてしまう可能性があるからである。
そのため、これらの膜は前記エッチング選択比が充分に大きいことが望ましい。
そのため、ハードマスク膜と位相シフト膜とは互いにエッチング特性が異なるので、特にエッチング選択比が大きい値がとれる。
エッチング選択比が大きいほど、ハードマスク膜は位相シフト膜エッチング時の膜減り量が小さくなるので、その膜厚を薄くすることができる。
またハードマスク膜厚を薄くした場合の下限値に関しては、フォトマスクの現像処理や酸・アルカリ洗浄による膜のダメージへの耐性を考慮すると、1nm以上が望ましい。
次に、図3において、本発明のフォトマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法を工程図で示す。
酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl/O)系のエッチング条件は、従来のクロム化合物をドライエッチングする際に用いられてきた公知の方法を用いてよい。また、この際の添加ガスとしては、塩素系ガスと酸素系ガスに加えて窒素ガスやヘリウムなどの不活性ガスを混合してもよい。
また、位相シフト膜101をエッチングする前に、第一レジストパターン104aを剥離除去しておいても構わない。
なお、フッ素系ガスとしてはCF4やC2F6が一般的であり、必要に応じて窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを混合してもよい。
101aにはメインパターン101cおよびアライメントマークパターン101bが形成されている。
図3(f)は、遮光膜103上に第二レジスト膜105を新たに塗布形成した後、パターニングする工程を示す。
本工程では、図3(a)及び(b)と同様な方法で第二レジスト膜105を塗布し、電子ビーム描画を行なった後、現像処理することで、第二レジストパターン105aが形成される。
この工程はパターンのずれが規格内に入るまで繰り返すことができる。
本発明のフォトマスクを作製して、マスクパターンの寸法リニアリティ測定を行なった。作製条件として、レジストは化学増幅型ネガレジストを使用し、寸法測定装置にはフォトマスク用測長SEM装置を用いた。寸法リニアリティ特性の測定結果を図4に示す。なお、図4には比較例として従来のフォトマスクでの測定結果を加えた。
ターン寸法との差(Delta CD)をとった。この寸法差(Delta CD)は実際のパターンにおける設計値からの誤差を意味するので、この値がゼロに近いほど高精度なパターンと言える。
続いて、本発明のフォトマスクを用いてパターン解像性の評価を行った。
ハードマスク膜の膜厚は5nmとし、レジスト膜の膜厚は100nmとした。
まず、パターン寸法を30〜100nmのライン&スペースとして設定し、描画及び現像処理によりレジストパターンを形成した。次に、フォトマスク用測長SEM装置を用いて、孤立ラインパターンの各寸法に対するレジストパターン倒壊率を調べた。
その結果を表1に示す。また、表1には本発明のフォトマスクに加え、比較例として従来のフォトマスクの結果も示した。
すなわち、本発明のフォトマスクによって、微細パターンにおけるレジストパターン倒れ現象を低減する効果が得られた。
101・・・位相シフト膜
101a・・・位相シフト膜パターン
101b,104b・・・アライメントマークパターン
101c・・・メインパターン
102・・・ハードマスク膜
102a・・・ハードマスク膜パターン
103・・・遮光膜
103a・・・遮光膜パターン
103b,105b・・・第二アライメントマークパターン
104・・・第一レジスト膜
104a・・・第一レジストパターン
105・・・第二レジスト膜
105a・・・第二レジストパターン
110・・・フォトマスクブランク
111・・・第一の膜
112・・・第二の膜
200・・・フォトマスク
Claims (17)
- 透明基板上の一方の面にパターニングされた単層または複数の層からなる第一の膜を備え、かつ前記透明基板の反対面にパターニングされた単層または複数の層からなる第二の膜を備えることを特徴とするフォトマスク。
- 前記第二の膜は、露光転写の際の漏れ光により転写領域外が露光されることを防止するための遮光帯を成すことを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスク。
- 前記第一の膜は位相シフト膜を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のフォトマスク。
- 前記第一の膜が位相シフト膜及びハードマスク膜を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記位相シフト膜は露光光波長における透過率が4%〜100%であることを特徴とする、請求項3または4に記載のフォトマスク。
- 前記第二の膜は遮光膜を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記遮光膜はクロム化合物あるいは珪素化合物の少なくとも一種類を含むことを特徴とする、請求項6に記載のフォトマスク。
- 前記クロム化合物は、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化物を主成分とする金属化合物、クロムを主成分とする金属もしくは合金のいずれかであることを特徴とする、請求項7に記載のフォトマスク。
- 前記珪素化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、珪素酸化窒化物を主成分とする化合物のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のフォトマスク。
- 前記珪素化合物がさらに遷移金属を含むことを特徴とする、請求項9に記載のフォトマスク。
- 前記遷移金属は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hr)、バナジウム(V)、およびニオブ(Nb)の中から選択されることを特徴とする、請求項10に記載のフォトマスク。
- 前記ハードマスク膜の前記位相シフト膜に対するエッチング選択比(位相シフト膜のエッチング速度/ハードマスク膜のエッチング速度)が5以上であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記ハードマスク膜は、フッ素系ドライエッチング(F系)に対してはエッチング耐性を持ち、かつ酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl+O)系)により容易にエッチングされることを特徴とする、請求項4から12のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記ハードマスク膜は、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化物を主成分とする金属化合物、およびクロムを主成分とする金属または合金のいずれかを主成分とすることを特徴とする、請求項4から13のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- 前記ハードマスク膜の膜厚は1nm〜15nmであることを特徴とする、請求項4から14のいずれか1項に記載のフォトマスク。
- フォトマスクの素材として用いられるフォトマスクブランクであって、
前記請求項1から15のいずれかに記載されたフォトマスクの膜構成を備えたことを特徴とするフォトマスクブランク。 - 前記ハードマスク膜を酸素含有塩素系ガスによるドライエッチングでパターニングした後に、前記位相シフト膜をフッ素系ガスによるドライエッチングでパターニングする工程を含むことを特徴とする、請求項4から15のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
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