JP2012072855A - クラッチ - Google Patents

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和己 小川
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Abstract

【課題】油液の供給により形成された状態を、油液の供給を停止しても維持し続ける構成を採用することで、無駄にエネルギーを消費することのないクラッチを提供する。
【解決手段】クラッチは、第1および第2クラッチプレート53a,53bとを圧接させる押圧部材54と、入力回転体51と出力回転体52の何れか一方に設けられた基準部材55aと、基準部材55aに対して相対回転可能に支承されている回転部材55bと、を含んで構成され、回転部材55bを第1回転方向と第1回転方向と異なる第2回転方向に選択的に回転可能に構成されたロータリアクチュエータ55と、ロータリアクチュエータ55の第1回転方向または第2回転方向への回転運動をそれぞれ押圧部材54の往復直進運動に変換するとともに第1および第2クラッチプレート53a,53bとを圧接させる押圧位置に押圧部材54を位置決め可能な変換機構56と、を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クラッチに関する。
ハイブリッドモータ駆動装置の適用されるクラッチの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、クラッチにおいては、ハウジングに回転可能に支承されかつ車両に搭載されたエンジンで発生された駆動力を入力するインプットシャフト9(入力回転体)と、インプットシャフト9と同軸にハウジングに回転可能に支承されかつ車両の駆動輪に駆動力を出力するとともに発電機としても使用可能である電動モータ5(電動機)のロータ6が取り付けられているクラッチドラム8(出力回転体)との間において動力を伝達あるいは遮断する湿式クラッチ2(クラッチ)が備えられている。
湿式クラッチ2は、入力側のクラッチプレートと出力側のクラッチプレートが交互に配置されて構成されている。油圧式のピストン(押圧部材)が加圧されていない場合(またはピストンが減圧された場合)には、付勢部材によって両クラッチプレートが押圧され当接されて、クラッチが係合状態となるように構成されている。一方、油圧式のピストンが加圧されている場合には、付勢部材の付勢力に抗してピストンが両クラッチプレートを押圧して当接が解除されて、クラッチが解放状態となるように構成されている。すなわち、湿式クラッチ2は、ノーマルクローズ型のクラッチである。
このノーマルクローズ型のクラッチに代えて、ノーマルオープン型のクラッチを採用することができる。特許文献2の図1に示されているように、クラッチにおいては、室19に作動圧を供給すると、ピストン18がリターンスプリング22に抗してストロークされ、フリクションプレート16,17間を相互に摩擦係合させることにより、クラッチハブ14およびクラッチドラム15間、従って軸11および12間を駆動結合するようになっている。
特開2010−052516号公報 特開2000−154871号公報
特許文献1に記載のクラッチにおいては、クラッチの解放状態(クラッチ遮断中)を維持するために油液を供給し続ける必要があります。解放状態にあるピストンを位置決め固定する保持機構が別途設けられていないからです。また、特許文献2に記載のクラッチにおいては、クラッチの係合状態(クラッチ係合中)を維持するために油液を供給し続ける必要があります。係合状態にあるピストンを位置決め固定する保持機構が別途設けられていないからです。このとき、油液の供給源を駆動し続けるために無駄にエネルギーを消費するという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、油液の供給により形成された状態を、油液の供給を停止しても維持し続ける構成を採用することで、無駄にエネルギーを消費することのないクラッチを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ハウジングに回転可能に支承されかつ車両に搭載されたエンジンで発生された駆動力を入力する入力回転体と、入力回転体と同軸にハウジングに回転可能に支承されかつ車両の駆動輪に駆動力を出力する出力回転体と、入力回転体および出力回転体のいずれか一方に入力回転体の軸方向に移動可能に係合され環状に形成された複数の第1クラッチプレートと、複数の第1クラッチプレートと交互に接離可能に配置され入力回転体および出力回転体のいずれか他方に軸方向に移動可能に係合され環状に形成された複数の第2クラッチプレートと、第1クラッチプレートと第2クラッチプレートとを圧接させる押圧部が設けられた押圧部材と、入力回転体および出力回転体のいずれか一方に設けられている基準部材と、基準部材に対して相対回転可能に支承されている円筒状に形成された回転部材と、を含んで構成され、回転部材を第1回転方向と第1回転方向とは異なる第2回転方向に選択的に回転可能に構成されたロータリアクチュエータと、ロータリアクチュエータの第1回転方向または第2回転方向への回転運動をそれぞれ押圧部材の往復直進運動に変換するとともに第1クラッチプレートと第2クラッチプレートとを圧接させる押圧位置に押圧部材を位置決め可能な変換機構と、を備えたことである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、押圧部材は円筒状に形成され、変換機構は、回転部材に形成された第1ヘリカルスプラインと、押圧部材に形成され第1ヘリカルスプラインと係合する第2ヘリカルスプラインと、から構成されていることである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、回転部材は基準部材と同軸に配設され、ロータリアクチュエータは、基準部材に形成され基準部材と回転部材との間に形成された環状空間を周方向に沿って区画する固定セパレート部と、基準部材、回転部材および固定セパレート部により形成されるシリンダと、回転部材に形成されシリンダ内を容積変動可能な第1および第2作動油室に区画する可動セパレート部と、第1作動油室への油液の流入または第1作動油室からの油液の排出を許容する第1油路と、第2作動油室への油液の流入または第2作動油室からの油液の排出を許容する第2油路と、を備え、第1油路を介して油液を第1作動油室に供給するとともに第2油路を介して油液を第2作動油室から排出することにより回転部材を基準部材に対して第1回転方向に回転させ、第2油路を介して油液を第2作動油室に供給するとともに第1油路を介して油液を第1作動油室から排出することにより回転部材を基準部材に対して第2回転方向に回転させることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ロータリアクチュエータが、入力回転体および出力回転体のいずれか一方に設けられている基準部材と、基準部材に対して相対回転可能に支承されている円筒状に形成された回転部材と、を含んで構成され、回転部材を第1回転方向と第1回転方向とは異なる第2回転方向に選択的に回転可能に構成された。変換機構が、ロータリアクチュエータの第1回転方向または第2回転方向への回転運動をそれぞれ押圧部材の往復直進運動に変換するとともに第1クラッチプレートと第2クラッチプレートとを圧接させる押圧位置に押圧部材を位置決め可能に構成された。
ロータリアクチュエータの回転部材が第1回転方向に回転されると、その回転運動が変換機構により押圧部材の往復直進運動のうち一方の往動(または復動)に変換される。これにより、押圧部材が第1および第2クラッチプレートを圧接する方向(または接離する方向)に移動される。最終的に、押圧部材が押圧位置まで移動され、ロータリアクチュエータの回転部材の回転運動が停止されると、変換機構によりその位置に位置決め固定される。すなわち、第1および第2クラッチプレートが圧接された状態を維持することができる。
一方、ロータリアクチュエータの回転部材が第2回転方向に回転されると、その回転運動が変換機構により押圧部材の往復直進運動のうち他方の復動(または往動)に変換される。これにより、押圧部材が第1および第2クラッチプレートを接離する方向(または圧接する方向)に移動される。最終的に、押圧部材は、第1および第2クラッチプレートから接離され、第1および第2クラッチプレートが接離される。
このように、変換機構は、ロータリアクチュエータの回転部材の回転運動が停止されても、押圧部材を押圧位置に位置決め固定することができるため、その位置で維持するために無駄なエネルギーが消費されるのを抑制することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、押圧部材は円筒状に形成され、変換機構は、回転部材に形成された第1ヘリカルスプラインと、押圧部材に形成され第1ヘリカルスプラインと係合する第2ヘリカルスプラインと、から構成されているこれにより、回転部材と押圧部材とのねじ係合を利用することで、簡単な構成で押圧部材を押圧位置に位置決め固定することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2において、回転部材は基準部材と同軸に配設され、ロータリアクチュエータは、基準部材に形成され基準部材と回転部材との間に形成された環状空間を周方向に沿って区画する固定セパレート部と、基準部材、回転部材および固定セパレート部により形成されるシリンダと、回転部材に形成されシリンダ内を容積変動可能な第1および第2作動油室に区画する可動セパレート部と、第1作動油室への油液の流入または第1作動油室からの油液の排出を許容する第1油路と、第2作動油室への油液の流入または第2作動油室からの油液の排出を許容する第2油路と、を備え、第1油路を介して油液を第1作動油室に供給するとともに第2油路を介して油液を第2作動油室から排出することにより回転部材を基準部材に対して第1回転方向に回転させ、第2油路を介して油液を第2作動油室に供給するとともに第1油路を介して油液を第1作動油室から排出することにより回転部材を基準部材に対して第2回転方向に回転させる。これにより、ロータリアクチュエータへの油圧状態を制御することで押圧部材の進行方向を制御することができるため、油圧式ロータリアクチュエータによってもクラッチの係合・開放を確実に制御することができる。
本発明によるクラッチを適用したハイブリッド車の一実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示したハイブリッドモータ駆動装置の下半分断面図である。 図1に示したクラッチの部分拡大断面図である。 図2で示すロータリアクチュエータを左方向から見た4−4線に沿って示す断面図である。 電磁切替弁の断面図を含む、ロータリアクチュエータの油圧回路である。
以下、本発明によるクラッチをハイブリッド車に適用した一実施形態について図面を参照して説明する。図1はそのハイブリッド車の構成を示す概要図である。
ハイブリッド車Mは、図1に示すように、ハイブリッドシステムによって駆動輪例えば左右後輪Wrl,Wrrを駆動させる車両である。ハイブリッドシステムは、エンジン11および電動モータ22(電動機)の2種類の動力源を組み合わせて使用するパワートレーンである。本実施形態の場合、エンジン11および電動モータ22の少なくとも何れか一方で車輪を直接駆動する方式であるパラレルハイブリッドシステムである。
ハイブリッド車Mは、エンジン11、ハイブリッドモータ駆動装置20、トランスミッション12、プロペラシャフト13、ディファレンシャル装置14、駆動輪(左右後輪)Wrl,Wrrおよび従動輪(操舵輪;左右前輪)Wfl,Wfrを備えている。ハイブリッドモータ駆動装置20、トランスミッション12、プロペラシャフト13、およびディファレンシャル装置14は、エンジン11とエンジン11の駆動力によって駆動される駆動輪Wrl,Wrrとの間の駆動経路にその駆動経路に沿って直列に設けられている。駆動経路とは、エンジン11から駆動輪Wrl,Wrrまでの間の経路であって両者間で動力が伝達する経路である。
エンジン11は、燃料の燃焼によって駆動力を発生させるものである。エンジン11の駆動力は、ハイブリッドモータ駆動装置20、トランスミッション12、プロペラシャフト13、およびディファレンシャル装置14を介して駆動輪Wrl,Wrrに伝達されるように構成されている。トランスミッション12は、一般的な自動変速機であり、トルクコンバータ12a、プラネタリギヤユニット(図示省略)、および油圧制御装置(図示省略)を含んで構成されている。
ハイブリッドモータ駆動装置20は、電動モータ22、クラッチ23、電磁切替弁24、電動ポンプ25およびリザーバ26を含んで構成されている。なお、図1において電磁切替弁24、電動ポンプ25およびリザーバ26は電動モータ22と別体に記載されているが、実際には電磁切替弁24および電動ポンプ25はクラッチ23とともに電動モータ22と一体化され、リザーバ26はハウジング21内に形成されている。
電動モータ22は、車輪駆動用の同期モータである。電動モータ22は、エンジン11とエンジン11の駆動力によって駆動される駆動輪Wrl,Wrrとの間の駆動経路に設けられている。電動モータ22の駆動力は、トランスミッション12、プロペラシャフト13、およびディファレンシャル装置14を介して駆動輪Wrl,Wrrに伝達されるように構成されている。
電動モータ22は、車両の加速時にはエンジン11の出力を補助し駆動力を高めるものであり、一方車両の制動時には発電を行って回生制動力を駆動輪に発生させるものである。また電動モータ22は、エンジン11の出力により発電を行うものであり、エンジン始動時のスタータの機能としても使える。なお、電動モータ22は、車輪駆動用の同期モータに限定されるものではない。
クラッチ23は、エンジン11と電動モータ22との間の前記駆動経路上に直列に設けられ、係合時にエンジン11と電動モータ22との間の動力が伝達可能であり一方解放時に前記動力を遮断するクラッチである。クラッチ23は、図2に示すように、油液(液圧)の給排によりロータリアクチュエータ55が往復回転運動され、その往復回転運動が押圧部材54の往復直進運動に変換され、押圧部材54が摩擦係合部材53を押圧して係合する係合状態または押圧部材54が摩擦係合部材53から離れて解放する解放状態に切り替えられるようになっている。
電磁切替弁24は、図5に示すように、クラッチ23と電動ポンプ25およびリザーバ26との間に設けられている。電磁切替弁24は、電動ポンプ25からの油液を、クラッチ23のロータリアクチュエータ55を正転させるための供給、またはクラッチ23のロータリアクチュエータ55を逆転させるための供給に切り替えるものである。正転とは、クラッチ23を係合状態にする回転(回転方向)をいい、逆転とは、クラッチ23を開放状態にする回転(回転方向)をいう。
電動ポンプ25は、リザーバ26に貯められている油液を吸入して電磁切替弁24を介してクラッチ23に吐出(圧送)するものである。リザーバ26は、ハウジング21内の油液を貯めおくものであり、ハウジング21内の底部である。
ハイブリッド車Mにおいては、図1に示すように、エンジン11はエンジンECU31に電気的に接続され、トランスミッション12は自動変速機ECU32に電気的に接続されている。また、電動モータ22は、バッテリ16に接続されているインバータ15を介してモータECU33に電気的に接続されている。さらに、電磁切替弁24および電動ポンプ25はクラッチECU34に電気的に接続されている。エンジンECU31、自動変速機ECU32、クラッチECU34およびモータECU33は互いに通信可能に接続されるとともに、これらECU31〜34はハイブリッドECU35とも互いに通信可能に接続されている。
エンジンECU31は、エンジン11を制御するECU(エレクトロニックコントロール ユニット:電子制御装置。以下同様。)であり、エンジン11の回転数をエンジン11に設けられた回転数センサ(図示省略)から入力している。回転数センサはエンジン11のクランク軸の回転数(すなわちエンジン回転数)を検出するものである。
自動変速機ECU32は、トランスミッション12を制御するECUである。また、モータECU33は、インバータ15を介して電動モータ22を上述した各駆動となるように制御するECUである。インバータ15は、直流電源としてのバッテリ16に電気的に接続されており、電動モータ22から入力した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給したり、逆にバッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換して電動モータ22へ出力したりするものである。さらに、クラッチECU34は、クラッチ23を制御するECUであり、クラッチ23を構成する電磁切替弁24および電動ポンプ25に制御指令をそれぞれ送信してクラッチ23を選択的に係合・解放するものである。
ハイブリッドECU35は、各ECU31〜34を統合的に制御するECUである。例えば、ハイブリッドECU35は、車両発進時には、電動モータ22でエンジン11をスタートさせ、車両加速時には、エンジン11の駆動力を電動モータ22の駆動力でアシストさせ、高速クルージング時には、電動モータ22のアシストなしでエンジン11の駆動力のみで駆動させるようにエンジン11、電動モータ22、クラッチ23などを制御することができる。また、電動モータ22の駆動力のみで走行させるように制御することができる。また、ハイブリッドECU35は、減速時(制動時)には、電動モータ22を発電させて回生制動力を駆動輪に発生させるように制御(回生制御)する。
次に、ハイブリッドモータ駆動装置20について図2を参照して詳述する。ハイブリッドモータ駆動装置20は、ハウジング21、電動モータ22、クラッチ23および電磁切替弁24を含んでいる。
図2に示すように、ハウジング21は、略円筒状に形成された本体ハウジング21aと、本体ハウジング21aの前方開口部を覆うカバーハウジング21bとを備えている。本体ハウジング21aの軸方向ほぼ中央には、本体ハウジング21a内を軸方向に区画する隔壁部21a1が形成されている。軸方向が前後方向である。また、エンジン11が縦置きである場合には、軸方向は車両前後方向である。図示左方向が前方向であり右方向が後方向である。
本体ハウジング21aの前部空間とカバーハウジング21bとで形成される空間内に、電動モータ22およびクラッチ23が収納されるようになっている。
電動モータ22について詳述する。電動モータ22(40)は、本体ハウジング21aに固定されたステータ41と、ステータ41の径方向内側に同軸回転可能に配設されたロータ42とを備えている。
ステータ41は、円筒状に形成された円筒部41aと、円筒部41aの内壁面から径方向内側に向けて突設された複数の突出部41bとから構成されている。このステータ41は、珪素鋼板(図示せず)を円筒部41aの軸方向に積層して構成されている。各突出部41bには、ロータ42を回転させる磁界を形成するためのコイル41cがそれぞれ巻回されている。コイル41cは、バスリング41dを介してインバータ15に接続されている。
このステータ41は、本体ハウジング21a内にその内周壁に沿うように配設されている。具体的には、ステータ41は、略円筒状に形成されたステータホルダ41e内に同軸に挿入され保持固定されている。ステータホルダ41eは、本体ハウジング21a内に同軸に挿入されねじ止め固定されている。なお、本明細書および特許請求の範囲において「同軸に」とは中心軸または回転軸が同軸であることを示す。
ロータ42は、ステータ41の径方向内側に回転可能に配置されている。ロータ42は、ステータ41と所定のギャップを保持しながら対向するように設けられている。
具体的には、ロータ42は、円筒状に形成されたロータ本体42aを備えている。ロータ本体42aは、複数の鋼板を軸方向に積層して構成されている。ロータ本体42aは、一対の保持プレート42b1,42b2により軸方向に挟まれた状態で複数の固定ピン42cにより固定されている。一対の保持プレート42b1,42b2は、環状板状に形成されており、ロータ本体42aと同一形状に形成されている。固定ピン42cは、保持プレート42b1、ロータ本体42aおよび保持プレート42b2を貫通するものであり、固定ピン42cの両端部がかしめ加工されて一対の保持プレート42b1,42b2を抜け止め固定している。ロータ本体42aには、複数の界磁用磁石42dが周方向に沿って設けられている。
一対の保持プレート42b1,42b2のうちいずれか一方は、電動モータ22の回転軸としても機能しているクラッチドラム52にねじ止め固定されている。本実施形態では、保持プレート42b2の内周端から径方向内側に向かって突設された複数の固定部42b3が、クラッチドラム52の外側環状板部52eにねじ止め固定されている。
クラッチドラム52は、内筒部52a、外筒部52b、中間筒部52c、内側環状板部52dおよび外側環状板部52eを含んで構成されている。
内筒部52aは、円筒状に形成され、内筒部52aの外周壁面と隔壁部21a1に形成された支承部21a2との間に介装された軸受20aを介して隔壁部21a1に回転自在に支承されている。支承部21a2は、隔壁部21a1の中心に形成された貫通穴21a3の周縁から前方に向けて突設された円筒部である。
外筒部52bは、内筒部52aの径方向外側に内筒部52aと同軸に配設されている。外筒部52bの外周壁面には、ロータ42の内周壁面が当接している。外筒部52bの基部にはスプライン52b1(後述)が形成され、外筒部52bの先端部には係合溝52b2(後述)が形成されている。
中間筒部52cは、外筒部52bと内筒部52aとの径方向の間に内筒部52aと同軸に配設されている。中間筒部52cには、いずれも後述する、第3環状油路52c1、第1連通孔52c2、第4環状油路52c3および第2連通孔52c4が形成されている。
内側環状板部52dは、その内周端縁が内筒部52aの前端と接続されその外周端縁が中間筒部52cの前端と接続されている。外側環状板部52eは、その内周端縁が中間筒部52cの後端と接続されその外周端縁が外筒部52bの後端と接続されている。
このように構成されたクラッチドラム52は、ロータ42が回転されると回転軸Cを中心に一体的に回転するので、ロータ42の回転を外部(本実施形態ではトランスミッション12)に伝える電動モータ22の出力軸を構成している。
電動モータ22は、ロータ42の回転位置を検出する回転位置検出センサ43をさらに備えている。回転位置検出センサ43は、いわゆるレゾルバタイプのセンサであり、レゾルバロータ43aとレゾルバステータ43bとを含んで構成されている。回転位置検出センサ43は、その検出信号をモータECU33に出力するようになっている。
レゾルバロータ43aは、例えば、複数枚の薄板形状の電磁鋼板を積層して形成されるが、特にこれに限定されるものではない。レゾルバロータ43aは、例えば、磁性材で形成される薄板形状を有していればよい。レゾルバロータ43aは、略円環状に形成されている。レゾルバロータ43aの外周の形状は、本実施の形態においては、例えば、楕円形状を有するが、特にこれに限定されるものではない。このレゾルバロータ43aは、クラッチドラム52の外側環状板部52eから後方に向けて突設され内筒部52aと同軸の環状突部52fの先端部に固定されている。レゾルバロータ43aの円状の貫通穴と環状突部52fの先端部とが連結されている。
また、レゾルバステータ43bは、円環状に形成されており、レゾルバロータ43aの外周の面に対向するように設けられている。このレゾルバステータ43bは、隔壁部21a1の前面壁面から前方に向けて円筒状に突設された固定部21a4にねじ止めなどにより固定されている。レゾルバステータ43bには、励磁電流が流れる巻線(図示省略)と、出力信号を出力する出力巻線(図示省略)とが設けられている。
レゾルバロータ43aは、ロータ42が固定されているクラッチドラム52に固定されている。そのため、ロータ42の回転に伴なって、レゾルバロータ43aも一体回転する。レゾルバステータ43bの励磁巻線に励磁電流が流れると、レゾルバステータ43bとレゾルバロータ43aとのエアギャップの変化に応じて、出力巻線から出力信号が出力される。この出力信号に応じて、レゾルバロータ43aの回転位置が検出される。なお、レゾルバの構造および作用については、周知の技術を用いればよいため、その詳細な説明は行なわない。
さらに、クラッチ23について詳述する。クラッチ23(50)は、入力回転体51、出力回転体52、摩擦係合部材53、押圧部材54、およびロータリアクチュエータ55を含んで構成されている。
入力回転体51は、ハウジング21に回転可能に支承されかつハイブリッド車M(車両)に搭載されたエンジン11で発生された駆動力を入力するものである。本実施形態では、入力回転体51はインプットシャフトである。インプットシャフト51は、ダンパー(図示省略)を介してエンジン11のフライホイール(図示省略)に連結されている。
インプットシャフト51は、カバーハウジング21bの中心に形成された貫通穴21b1に、軸受20bを介して回転可能に支承されている。インプットシャフト51は、フランジ部51a1とフランジ部51a1の外周に円筒状に形成された円筒部51a2とから構成されたクラッチインナ51aを備えている。
出力回転体52は、入力回転体51と同軸にハウジング21に回転可能に支承されかつハイブリッド車Mの駆動輪Wrr,Wrlに駆動力を出力するものである。出力回転体52は、発電機としても使用可能である電動モータ22のロータ42が取り付けられている。本実施形態では、出力回転体52はクラッチドラムである。
クラッチドラム52は、アウトプットシャフト27に一体回転するように連結されている。具体的には、クラッチドラム52の内筒部52aの内周壁面とアウトプットシャフト27の外周壁面がスプライン嵌合するように構成されている。上述したように、クラッチドラム52は、本体ハウジング21aに回転可能に支承されているので、アウトプットシャフト27も本体ハウジング21aに回転可能に支承されている。
また、アウトプットシャフト27の後端には、プレート28が一体回転するようにねじ止めなどにより固定されている。プレート28には、トランスミッション12のトルクコンバータ12aのポンプインペラ(図示省略)が一体回転するように取り付けられる。したがって、クラッチ23が係合状態にある時には、インプットシャフト51に入力されたエンジン11の駆動力がアウトプットシャフト27に伝達され、トランスミッション12などを介して駆動輪Wrr,Wrlに出力される。
摩擦係合部材53は、複数の第1クラッチプレート53aおよび複数の第2クラッチプレート53bを含んで構成されている。
各第1クラッチプレート53aは、環状に形成されており、クラッチインナ51aすなわちインプットシャフト51に相対回転を規制されインプットシャフト51の軸方向に移動可能に係合されている。具体的には、第1クラッチプレート53aの内周に形成された凸部53a1は、クラッチインナ51aの円筒部51a2の外周面に形成された係合溝51a3に係合されている。なお、第1クラッチプレート53aは、インプットシャフト51に相対回転を規制されていなくてもよい。
各第2クラッチプレート53bは、環状に形成されており、複数の第1クラッチプレート53aと交互に接離可能に配置されている。各第2クラッチプレート53bは、クラッチドラム52に相対回転を規制され軸方向に移動可能に係合されている。具体的には、第2クラッチプレート53bの外周には、周方向に所定間隔にて複数の凸部53b1が形成されている。第2クラッチプレート53bの各凸部53b1は、クラッチドラム52の外筒部52bの先端部に周方向に所定間隔にて形成された係合溝52b2にそれぞれ係合されている。第2クラッチプレート53bの両面には摩擦材が設けられている。なお、第2クラッチプレート53bは、クラッチドラム52に相対回転を規制されていなくてもよい。
第2クラッチプレート53bの前端側(すなわち、押圧部材54に押圧される側と反対側)には、環状の板状に形成された受圧部材53cがクラッチドラム52の外筒部52bの開口端部に位置決め固定されている。受圧部材53cは、摩擦係合部材53が押圧部材54によって押圧された際にその圧力を受けるものである。
押圧部材54は、円筒状に形成されており、摩擦係合部材53の後端側に配設されている。押圧部材54は、先端部に形成され摩擦係合部材53に当接して押圧する押圧部54aと、外周壁面に軸方向に形成されたスプライン54bと、内周壁面に螺旋状に形成されたヘリカルスプライン54cと、を有している。
スプライン54bは、クラッチドラム52の外筒部52b(本実施形態では外筒部52bの基部側)の内周壁面に形成されたスプライン52b1にクラッチドラム52の軸方向に摺動可能に係合している。これにより、押圧部材54は、クラッチドラム52に軸方向に摺動可能に係合されるとともに、クラッチドラム52に対して径方向に相対回転を規制される。ヘリカルスプライン54c(第1ヘリカルスプラインである。)は、ロータリアクチュエータ55を構成する回転部材55bの外周壁面に形成されたヘリカルスプライン55b1(第2ヘリカルスプラインである。)に摺動可能に係合している。これにより、押圧部材54は、回転部材55bの外周を回転しながらクラッチドラム52の軸方向に沿って直線運動を行う。なお、本実施形態では、ヘリカルスプライン54cは右ねじにて形成されている。
ロータリアクチュエータ55は、図2〜図4に示すように、基準部材55a、回転部材55b、環状空間55c、固定セパレート部55d、シリンダ55e、第1作動油室55f、第2作動油室55g、可動セパレート部55h、第1油路55i、および第2油路55jを備えている。ロータリアクチュエータ55は、回転部材55bを第1回転方向と第1回転方向とは異なる第2回転方向に選択的に回転可能に構成されたものである。
基準部材55aは、クラッチドラム52に固定されており、クラッチドラム52と一体回転するものである。具体的には、基準部材55aは、環状に形成された基部55a1、および基部55a1を両側から挟持する環状板状に形成された一対の左右側壁プレート55a2,55a3を備えている。基部55a1および左右側壁プレート55a2,55a3は、同軸に配置され、クラッチドラム52にボルト55kによりねじ止めで固定されている。基準部材55aは径方向外側に開放された断面コ字状に形成されている。
基準部材55aは、図3に示すように、クラッチドラム52の外筒部52b、外側環状板部52eおよび中間筒部52cにより形成される空間内に、基部55a1の内周壁面が中間筒部52cの外周壁面に当接されて配置されている。
また、基部55a1の外周壁面には、図4に示すように、周方向に沿って所定間隔(所定角度)にて固定セパレート部55dが径方向外側に向けて凸設されている。本実施形態においては、固定セパレート部55dは複数(例えば4つ)設けられている。固定セパレート部55dの外周壁面は、回転部材55bの内周壁面に液密かつ回動可能に当接するようになっている。なお、ボルト55kが貫通する孔は固定セパレート部55dに形成されている。
固定セパレート部55dは、基準部材55aと回転部材55bとの間に形成された環状空間55cを周方向に沿って区画する。換言すると、基準部材55a、回転部材55bおよび固定セパレート部55dにより、環状空間55cは4つの円弧状空間に区画される。この円弧状空間がシリンダ55eである。このシリンダ55eは、ロータリタイプ(回転式)のシリンダである。
回転部材55bは、円筒状に形成されており、基準部材55aに対して相対回転可能に支承されている。具体的には、回転部材55bは、基準部材55aと同軸に基準部材55aの外周に配置されている。すなわち、回転部材55bは、左右側壁プレート55a2,55a3の両外周部に液密かつ回動可能に挟持されている。そして、回転部材55bの内周壁面には、周方向に沿って所定間隔(所定角度)にて可動セパレート部55hが径方向内側に向けて凸設されている。本実施形態においては、可動セパレート部55hは複数(例えば4つ)設けられている。可動セパレート部55hの内周壁面は、基準部材55aの基部55a1の外周壁面に液密かつ回動可能に当接するようになっている。
さらに、回転部材55bの外周には、図3および図4に示すように、ヘリカルスプライン55b1が形成されている。このヘリカルスプライン55b1と、押圧部材54の内周に形成されたヘリカルスプライン54cと、から変換機構56が構成されている。変換機構56は、ロータリアクチュエータ55ひいては回転部材55bの互いに反対方向の回転運動(往復回転運動)すなわち第1回転方向または第2回転方向への回転運動をそれぞれ押圧部材54の往復直進運動に変換するとともに押圧部材54を押圧位置に位置決め可能なものである。
ヘリカルスプライン55b1およびヘリカルスプライン54cのピッチは、回転部材55bが許容されている回転角度内であり、かつ、必要な往復直線運動距離内となるように設定されている。「許容されている回転角度」とは、可動セパレート部55hが、その可動セパレート部55hが収容されているシリンダ55eを形成する隣接する2つの固定セパレート部55d,55d間で回動できる角度のことである。本実施形態においては、90度未満の約60度である。「必要な往復直線運動距離」とは、押圧部材54が、押圧部材54と摩擦係合部材53とが当接して押圧している位置(押圧位置;図2に示す)と、押圧部材54と摩擦係合部材53とが接離した位置(接離位置)との間の直線距離のことである。本実施形態では、この直線距離が1/6(=60度/360度)ピッチより小さくなるように設定されている。なお、可動セパレート部55hおよび固定セパレート部55dがそれぞれ2つずつで構成されている場合には、前述した直線距離が約1/2より小さくなるように設定すればよい。
なお、ピッチは、回転部材55b(ねじ)一回転による回転部材55b(ねじ)の進みを表すリードと同一の値であり、リード角はねじ面の傾斜を表す。tan(リード角)=(リード)/(π×(回転部材55bの直径))である。
押圧部材54が押圧位置に位置するときには、摩擦係合部材53からの反力も加わって押圧部材54と回転部材55bとはねじ力により締め付けられその状態で維持されている。その締め付け状態が維持されるように、ヘリカルスプライン55b1およびヘリカルスプライン54cのリード角が設定されている。すなわち、ヘリカルスプライン55b1およびヘリカルスプライン54cのリード角は、押圧部材54からの軸方向反力に対して、回転部材55bが回転しないような角度に設定されている。
なお、押圧部材54が接離位置に位置するときにも、反力を受け得るような位置決め部材(図示省略)に当接して位置決めされるように構成することが好ましい。
各可動セパレート部55hは、各シリンダ55e内に回動可能にそれぞれ配設されており、シリンダ55e内を容積変動可能な第1および第2作動油室55f,55gに区画する。第1作動油室55fには、第1油路55iが連通されている。第1油路55iは、第1作動油室55fへの油液の流入または第1作動油室55fからの油液の排出を許容するものである。第1油路55iは、基準部材55aの基部55a1に径方向に延在して形成されており、第1環状油路55a4に連通されている。第2作動油室55gには、第2油路55jが連通されている。第2油路55jは、第2作動油室55gへの油液の流入または第2作動油室55gからの油液の排出を許容するものである。第2油路55jは、基準部材55aの基部55a1に径方向に延在して形成されており、第2環状油路55a5に連通されている。
第1環状油路55a4は、基準部材55aの基部55a1の内周壁面に沿って全周にわたって環状に形成された油路である。第2環状油路55a5は、第1環状油路55a4に平行に配設され、基準部材55aの基部55a1の内周壁面に沿って全周にわたって環状に形成された油路である。
このように構成されたロータリアクチュエータ55の作動について説明する。図4は、図2で示すロータリアクチュエータ55を左方向から見た4−4線に沿って示す断面図である。
油液(油圧)が、第1環状油路55a4および第1油路55iを通って第1作動油室55fに供給されると、可動セパレート部55hは第1作動油室55fの油圧により押圧される。このとき、第2作動油室55g内の油液は、第2油路55jおよび第2環状油路55a5を通って排出される。よって、回転部材55bは基準部材55aに対して第1回転方向(図4において時計まわり方向)に回転(回動)される。そして、回転部材55bが第1回転方向(時計まわり方向)に回転されると、ヘリカルスプライン54cが右ねじで形成されているため、押圧部材54は摩擦係合部材53に近づく方向(図3において左方向)に向けて直進運動される。最終的に、押圧部材54が摩擦係合部材53に当接し押圧して図2および図3に示す押圧位置に位置決め固定される。なお、回転部材55bは、可動セパレート部55hが第2作動油室55g側の固定セパレート部55dに当接してそれ以上回転しないように規制される。
反対に、油液(油圧)が、第2環状油路55a5および第2油路55jを通って第2作動油室55gに供給されると、可動セパレート部55hは第2作動油室55gの油圧により押圧される。このとき、第1作動油室55f内の油液は、第1油路55iおよび第1環状油路55a4を通って排出される。よって、回転部材55bは基準部材55aに対して第1回転方向と逆回転方向の第2回転方向(図4において反時計まわり方向)に回転(回動)される。そして、回転部材55bが第2回転方向(反時計まわり方向)に回転されると、ヘリカルスプライン54cが右ねじで形成されているため、押圧部材54は摩擦係合部材53から離れる方向(図3において右方向)に向けて直進運動される。なお、回転部材55bは、可動セパレート部55hが第1作動油室55f側の固定セパレート部55dに当接してそれ以上回転しないように規制される。
このように、第1作動油室55fに油液が供給されると、クラッチ23は係合されるため、第1作動油室55fを係合作動油室と言ってもよい。また、第2作動油室55gに油液が供給されると、クラッチ23は開放(遮断)されるため、第2作動油室55gを遮断作動油室と言ってもよい。
さらに、電磁切替弁24について図5を参照して詳述する。電磁切替弁24は、クラッチ23の係合作動油室55fと電動ポンプ25を連通させるとともにクラッチ23の遮断作動油室55gとリザーバ26を連通させる第1切替状態と、クラッチ23の係合作動油室55fとリザーバ26を連通させるとともにクラッチ23の遮断作動油室55gと電動ポンプ25を連通させる第2切替状態と、に切り替えられるようになっている。
具体的には、電磁切替弁24は4ポートを有する2ポジションの電磁弁であり、第1給排ポート24a、第2給排ポート24b、入力ポート24c、およびドレンポート24dを有している。第1給排ポート24aは、第1連通路P1を介して係合作動油室55fに連通している。第2給排ポート24bは、第2連通路P2を介して係合作動油室55gに連通している。入力ポート24cは電動ポンプ25の吐出口に接続されており、ドレンポート24dはリザーバ26に接続されている。電動ポンプ25の吸込口は常にリザーバ26と接続されている。
電磁切替弁24は、非通電である場合には、プランジャ24eはスプリング24fの付勢力により図示右方向に付勢され位置決め固定されている(図4に示す状態)。このとき、入力ポート24cと第1給排ポート24aとが連通されるようになっているため、電動ポンプ25の吐出口が係合作動油室55fに接続される。また、ドレンポート24dと第2給排ポート24bとが連通されるようになっているため、リザーバ26が遮断作動油室55gに接続される。このとき電動ポンプ25がリザーバ26内の油液を吸引し電磁切替弁24を介して係合作動油室55fへと吐出しクラッチ23の接続を係合状態とする。
電磁切替弁24は、通電である場合には、プランジャ24eはスプリング24fの付勢力に抗して図示左方向に付勢され位置決め固定されている。このとき、入力ポート24cと第2給排ポート24bとが連通されるようになっているため、電動ポンプ25の吐出口が遮断作動油室55gに接続される。また、ドレンポート24dと第1給排ポート24aとが連通されるようになっているため、リザーバ26が係合作動油室55fに接続される。このとき電動ポンプ25がリザーバ26内の油液を吸引し電磁切替弁24を介して遮断作動油室55gへと吐出しクラッチ23の接続を遮断状態とする。
第1連通路P1は、第1ハウジング油路21a4、第3環状油路52c1、第1連通孔52c2、第1環状油路55a4、および第1油路55iから構成されている。第1ハウジング油路21a4は、ハウジング21の隔壁部21a1から支承部21a2まで形成された油路である。第1ハウジング油路21a4は、第1給排ポート24aと第3環状油路52c1とを連通するものである。第3環状油路52c1は、クラッチドラム52の中間筒部52cの内周壁面に沿って全周にわたって環状に形成された油路である。第3環状油路52c1には、中間筒部52cを径方向に貫通する第1連通孔52c2が接続されている。第3環状油路52c1は、第1連通孔52c2を介して第1環状油路55a4に連通されている。
第2連通路P2は、第2ハウジング油路21a5、第4環状油路52c3、第2連通孔52c4、第2環状油路55a5、および第2油路55jから構成されている。第2ハウジング油路21a5は、第1ハウジング油路21a4とは別に独立してハウジング21の隔壁部21a1から支承部21a2まで形成された油路である。第2ハウジング油路21a5は、第2給排ポート24bと第4環状油路52c3とを連通するものである。第4環状油路52c3は、第3環状油路52c1とは別に独立して、クラッチドラム52の中間筒部52cの内周壁面に沿って全周にわたって環状に形成された油路である。第4環状油路52c3には、中間筒部52cを径方向に貫通する第2連通孔52c4が接続されている。第4環状油路52c3は、第2連通孔52c4を介して第2環状油路55a5に連通されている。
なお、ハウジング21の支承部21a2とクラッチドラム52の中間筒部52cとの間には、環状のシール部材S1,S2,S3が介装されている。シール部材S1,S2により第1連通路P1がシールされており、シール部材S2,S3により第2連通路P2がシールされている。
上述した説明から明らかなように、ロータリアクチュエータ55の回転部材55bが、2つの回転方向のうち一方の回転方向(第1回転方向)に回転されると、その回転運動が変換機構56により押圧部材54の往復直進運動のうち一方の往動(または復動)に変換される。これにより、押圧部材54が第1および第2クラッチプレート53a,53bを圧接する方向(または接離する方向)に移動される。最終的に、押圧部材54が押圧位置まで移動され、ロータリアクチュエータ55の回転部材55bの回転運動が停止されると、変換機構56によりその位置に位置決め固定される。すなわち、第1および第2クラッチプレート53a,53bが圧接された状態を維持することができる。
一方、ロータリアクチュエータ55の回転部材55bが一方の回転方向と反対方向である他方の回転方向(第2回転方向)に回転されると、その回転運動が変換機構により押圧部材54の往復直進運動のうち他方の復動(または往動)に変換される。これにより、押圧部材54が第1および第2クラッチプレート53a,53bを接離する方向(または圧接する方向)に移動される。最終的に、押圧部材54は、第1および第2クラッチプレート53a,53bから接離され、第1および第2クラッチプレート53a,53bが接離される。
このように、変換機構56は、ロータリアクチュエータ55の回転部材55bの回転運動が停止されても、押圧部材54を押圧位置に位置決め固定することができるため、その位置で維持するために無駄なエネルギーが消費されるのを抑制することができる。
また、押圧部材54は円筒状に形成され、変換機構56は、回転部材55bに形成されたヘリカルスプライン55b1(第1ヘリカルスプライン)と、押圧部材54に形成されヘリカルスプライン55b1と係合するヘリカルスプライン54c(第2ヘリカルスプライン)と、から構成されている。これにより、回転部材55bと押圧部材54との両ヘリカルスプライン55b1,54cのねじ係合を利用することで、簡単な構成で押圧部材54を押圧位置に位置決め固定することができる。
また、回転部材55bは基準部材55aと同軸に配設され、ロータリアクチュエータ55は、基準部材55aに形成され基準部材55aと回転部材55bとの間に形成された環状空間55cを周方向に沿って区画する固定セパレート部55dと、基準部材55a、回転部材55bおよび固定セパレート部55dにより形成されるシリンダ55eと、回転部材55bに形成されシリンダ55e内を容積変動可能な第1および第2作動油室55f,55gに区画する可動セパレート部55hと、第1作動油室55fへの油液の流入または第1作動油室55fからの油液の排出を許容する第1油路55iと、第2作動油室55gへの油液の流入または第2作動油室55gからの油液の排出を許容するに油液を給排する第2油路55jと、を備え、第1油路55iを介して油液を第1作動油室55fに供給するとともに第2油路55jを介して油液を第2作動油室55gから排出することにより回転部材55bを基準部材55aに対して第1回転方向に回転させ、反対に、第2油路55jを介して油液を第2作動油室55fに供給するとともに第1油路55iを介して油液を第1作動油室55fから排出することにより回転部材55bを基準部材55aに対して第2回転方向に回転させる。これにより、ロータリアクチュエータ55への油圧状態(油圧供給方向)を制御することで押圧部材54の進行方向を制御することができるため、油圧式ロータリアクチュエータによってもクラッチ23の係合・開放を確実に制御することができる。
なお、上述した実施形態においては、ロータリアクチュエータ55の基準部材55aを出力回転体であるクラッチドラム52に設けるようにしたが、入力回転体であるインプットシャフト51(クラッチインナ51a)に設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、ロータリアクチュエータ55は油圧に限らず、電動で作動するように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、回転部材55bの外周に押圧部材54を配設するようにしたが、回転部材55bの内周に押圧部材54を配設するようにしてもよい。この場合、ロータリアクチュエータ55は、回転部材55bは基準部材55aの内周に配置されるように構成するのが好ましく、回転部材55bの内周にヘリカルスプライン55b1が形成されるとともに、押圧部材54の外周にヘリカルスプライン54が形成される。
11…エンジン、12…トランスミッション、13…プロペラシャフト、14…ディファレンシャルギア、15…インバータ、16…バッテリ、20…ハイブリッドモータ駆動装置、21…ハウジング、22…電動モータ(電動機)、23…クラッチ、24…電動切替弁、25…電動ポンプ、26…リザーバ、31…エンジンECU、32…自動変速機ECU、33…モータECU、34…クラッチECU、35…ハイブリッドECU、41…ステータ、42…ロータ、43…回転位置検出センサ、51…インプットシャフト(入力回転体)、52…クラッチドラム(出力回転体)、53…摩擦係合部材、53a…第1クラッチプレート、53b…第2クラッチプレート、54…押圧部材、54a…押圧部、54b…スプライン、54c…ヘリカルスプライン、55…ロータリアクチュエータ、55a…基準部材、55b…回転部材、55c…環状空間、55d…固定セパレート部、55e…シリンダ、55f…第1作動油室、55g…第2作動油室、55h…可動セパレート部、55i…第1油路、55j…第2油路、56…変換機構、Wrl,Wrr…駆動輪。

Claims (3)

  1. ハウジングに回転可能に支承されかつ車両に搭載されたエンジンで発生された駆動力を入力する入力回転体と、
    前記入力回転体と同軸に前記ハウジングに回転可能に支承されかつ前記車両の駆動輪に前記駆動力を出力する出力回転体と、
    前記入力回転体および前記出力回転体のいずれか一方に前記入力回転体の軸方向に移動可能に係合され環状に形成された複数の第1クラッチプレートと、
    前記複数の第1クラッチプレートと交互に接離可能に配置され前記入力回転体および前記出力回転体のいずれか他方に前記軸方向に移動可能に係合され環状に形成された複数の第2クラッチプレートと、
    前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートとを圧接させる押圧部が設けられた押圧部材と、
    前記入力回転体および前記出力回転体のいずれか一方に設けられている基準部材と、前記基準部材に対して相対回転可能に支承されている円筒状に形成された回転部材と、を含んで構成され、前記回転部材を第1回転方向と前記第1回転方向とは異なる第2回転方向に選択的に回転可能に構成されたロータリアクチュエータと、
    前記ロータリアクチュエータの前記第1回転方向または前記第2回転方向への回転運動をそれぞれ前記押圧部材の往復直進運動に変換するとともに前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートとを圧接させる押圧位置に前記押圧部材を位置決め可能な変換機構と、を備えたことを特徴とするクラッチ。
  2. 請求項1において、前記押圧部材は円筒状に形成され、
    前記変換機構は、前記回転部材に形成された第1ヘリカルスプラインと、前記押圧部材に形成され前記第1ヘリカルスプラインと係合する第2ヘリカルスプラインと、から構成されていることを特徴とするクラッチ。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記回転部材は前記基準部材と同軸に配設され、
    前記ロータリアクチュエータは、前記基準部材に形成され前記基準部材と前記回転部材との間に形成された環状空間を周方向に沿って区画する固定セパレート部と、前記基準部材、前記回転部材および前記固定セパレート部により形成されるシリンダと、前記回転部材に形成され前記シリンダ内を容積変動可能な第1および第2作動油室に区画する可動セパレート部と、前記第1作動油室への油液の流入または前記第1作動油室からの油液の排出を許容する第1油路と、前記第2作動油室への油液の流入または前記第2作動油室からの油液の排出を許容する第2油路と、を備え、前記第1油路を介して前記油液を前記第1作動油室に供給するとともに前記第2油路を介して前記油液を前記第2作動油室から排出することにより前記回転部材を前記基準部材に対して前記第1回転方向に回転させ、前記第2油路を介して前記油液を前記第2作動油室に供給するとともに前記第1油路を介して前記油液を第1作動油室から排出することにより前記回転部材を前記基準部材に対して前記第2回転方向に回転させることを特徴とするクラッチ。
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