JP2012072437A - 金属−セラミックス複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の方法によれば、複数のセラミック成形体1’が介装体4に密着するように当該複数の成形体1’に圧力がかけられるため、複合材料1のうち介装体4と密着している箇所は余剰金属3により覆われずに済む(図2参照)。また、複合材料1と余剰金属3との間に介在している板状粒子2が離型材の役割を果たす。各複合材料1は介装体4から容易に離型されうる。
【選択図】図2
Description
(第1実施例)
(セラミックス成形体)
セラミックス成形体が、セラミックス粉末として2種類のSiC粉末(信濃電気製錬社製)が用いられて作成された。一方は、レーザー散乱法により測定されるメジアン径が81[μm]である市販の#180のSiC粉末である。他方は、レーザー散乱法により測定されるメジアン径が10.2[μm]である市販の#1000のSiC粉末である。これら2種類のSi粉末が、#180:#1000=7:3の重量比率で混合され、シリカバインダー(日産化学社製)が8%添加された湿式粉末が作成される。混合時間は10〜20[hr]の範囲における任意の時間に設定されうる。
離型材として雲母粉末(山口雲母工業社製。平均粒径(板状結晶の長手方向の大きさを意味する。以下同じ。)23[μm]。平均アスペクト比65)が用いられ、溶媒としてのイソプロピルアルコールによってスラリー化された。なお、溶媒としてはエタノール等が用いられてもよい。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.01[g/cm2]に調節された。
介装体として厚さ1[mm]の鉄板が用いられた。また、介装体が挟み込まれた複数の成形体にかけられる圧力は1[MPa]とされた。
金属としての鋳造用アルミニウム合金であるAC3A合金(Si成分:10〜13[%])を溶融状態でセラミックス成形体に浸透させた。浸透圧は10[MPa]とされた。なお、アルミニウム合金に代えてアルミニウムが浸透させられてもよい。
複合材料が介装体から離型された後、SiC粉末(F46番)を砥粒(投射材)としたブラストにより複合材料の表面が片面ずつ5分間照射されることにより、離型材が除去された。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.02[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が49[%]を占め、第2範囲に属する細孔が6.3[%]を占めている。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は49[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.03[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が53[%]を占め、第2範囲に属する細孔が8.9[%]を占めている。介装体として厚さ0.9[mm]のカーボンシートが用いられた。複数の成形体にかけられる圧力は1.3[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は41[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が57[%]を占め、第2範囲に属する細孔が14.6[%]を占めている。介装体として厚さ0.9[mm]のカーボンシートが用いられた。複数の成形体にかけられる圧力は1.3[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は39[%]であった。
セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が43[%]を占め、第2範囲に属する細孔が8.9[%]を占めている。アルミニウム合金のセラミックス成形体に対する浸透圧は20[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は45[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が51[%]を占め、第2範囲に属する細孔が16.7[%]を占めている。アルミニウム合金のセラミックス成形体に対する浸透圧は25[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は42[%]であった。
板状粒子として窒化ホウ素粉末(電気化学社製。平均粒径18[μm]。平均アスペクト比51)が用いられた。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.005[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が59[%]を占め、第2範囲に属する細孔が8.7[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は1.2[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は38[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.02[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が57[%]を占め、第2範囲に属する細孔が10.2[%]を占めている。アルミニウム合金のセラミックス成形体に対する浸透圧は20[MPa]に調節された。これ以外は第7実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は40[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.03[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が54[%]を占め、第2範囲に属する細孔が13.9[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は1[MPa]に調節された。これ以外は第7実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は47[%]であった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が53[%]を占め、第2範囲に属する細孔が11.5[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は1[MPa]に調節された。アルミニウム合金のセラミックス成形体に対する浸透圧は25[MPa]に調節された。これ以外は第7実施例と同一条件下で複合材料が製造された。残留アルミニウムの割合は41[%]であった。
(第1比較例)
セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が51[%]を占め、第2範囲に属する細孔が5.3[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は3[MPa]に調節された。この場合、成形体に割れが発生してしまった。
セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が46[%]を占め、第2範囲に属する細孔が6.7[%]を占めている。アルミニウム合金のセラミックス成形体に対する浸透圧は40[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、複合材料にメタルベイン(金属のみのライン)と呼ばれる欠陥が生じた。これは、溶融金属の浸透過程で高圧のために成形体に亀裂が生じ、この亀裂に溶融金属が浸透したためである。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.001[g/cm2]に調節された。離型材の全体気孔率は70%を超えている。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が53[%]を占め、第2範囲に属する細孔が7.2[%]を占めている。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、複合材料の表面に厚さ約1.5[mm]の余剰金属層が形成され、この余剰金属層を成形体から離型させることができなかった。
板状粒子として窒化ホウ素粉末が用いられた。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.001[g/cm2]に調節された。離型材の全体気孔率は70%を超えている。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が49[%]を占め、第2範囲に属する細孔が5.7[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は1.2[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、複合材料の表面に厚さ約2.1[mm]の余剰金属層が形成され、この余剰金属層を成形体から離型させることができなかった。
セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.08[g/cm2]に調節された。離型材の全体気孔率は55%未満である。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が56[%]を占め、第2範囲に属する細孔が6.4[%]を占めている。複数の成形体にかけられる圧力は1.3[MPa]に調節された。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、溶融金属を成形体に十分に含浸または進入させることができなかった。
板状粒子として窒化ホウ素粉末が用いられた。離型材の全体気孔率は55%未満である。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.08[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち、第1範囲に属する細孔が53[%]を占め、第2範囲に属する細孔が7.2[%]を占めている。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、溶融金属を成形体に十分に含浸または進入させることができなかった。
離型材として球状のアルミナ粒子が用いられた。離型材の全体気孔率は55%未満である。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち第2範囲に属する細孔が45[%]を占めている。径が第1範囲に属する細孔はない。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、余剰金属を成形体から離型させることができなかった。
離型材として球状のアルミナ粒子が用いられた。離型材の全体気孔率は55%未満である。セラミック成形体に対する離型材の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。セラミックス成形体の表面に付着している離型材の全体気孔率のうち第1範囲に属する細孔が64[%]を占めている。径が第2範囲に属する細孔はない。これ以外は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、溶融金属を成形体に十分に含浸または進入させることができなかった。
離型材を用いず、複数の成形体に圧力がかけられなかったほかは第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。この場合、複合材料が厚さ約4[mm]の余剰金属層により覆われた。この金属層には亀裂が見られ、また、余剰金属層の除去後に複合材料に長手方向について約0.5[mm]の反りが生じた。
板状粒子として窒化ホウ素粉末(電気化学社製。平均粒径18[μm]。平均アスペクト比51)が用いられた。セラミック成形体に対する板状粒子の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。この細孔径分布は、離型材の全体気孔率のうち第1範囲に属する細孔が56[%]を占め、第2範囲に属する細孔が7.1[%]を占める。また、板状粒子の全体気孔率が53%である。これ以外の浸透条件等は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。
板状粒子として窒化ホウ素粉末(電気化学社製。平均粒径18[μm]。平均アスペクト比51)が用いられた。セラミック成形体に対する板状粒子の塗布量が0.04[g/cm2]に調節された。ただし、第10比較例とは異なる粒径の板状粒子を用いた。この細孔径分布は、離型材の全体気孔率のうち第1範囲に属する細孔が44[%]を占め、第2範囲に属する細孔が16[%]を占める。また、板状粒子の全体気孔率が75%である。これ以外の浸透条件等は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。
離型材として板状でなく、粒状であるSiC粒子を用い、塗布量が0.05[g/cm2]に調節された。このSiC粒子の細孔径分布は、離型材の全体気孔率のうち第1範囲に属する細孔が63[%]を占め、第2範囲に属する細孔が3.9[%]を占める。これ以外の浸透条件等は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。
離型材として板状でなく、粒状であるSiC粒子を用い、塗布量が0.05[g/cm2]に調節された。このSiC粒子の細孔径分布は、離型材の全体気孔率のうち第1範囲に属する細孔が38[%]を占め、第2範囲に属する細孔が18[%]を占める。これ以外の浸透条件等は第1実施例と同一条件下で複合材料が製造された。
Claims (4)
- 金属−セラミックス複合材料の製造方法であって、
離型材としての板状粒子または平板結晶を含むスラリーを多孔質の複数のセラミックス成形体のそれぞれの表面に塗布した上で乾燥させ、
前記複数のセラミックス成形体の間に介装体を挟み、前記セラミックス成形体と前記介装体とが密着するように前記複数のセラミックスに圧力をかけ、
前記複数のセラミックスに対して、前記圧力がかけられている状態で前記複数の溶融金属を加圧浸透させてから冷却することにより、余剰金属により覆われた金属−セラミックス複合材料を得て、
前記余剰金属を前記離型材とともに前記金属−セラミックス複合材料から除去し、前記複合材料を前記圧力から解放して前記複合材料を前記介装体から離反させることを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、前記セラミックス成形体に対する前記離型材の塗布量を0.005〜0.04[g/cm2]の範囲内に調節し、
前記圧力を1〜1.3[MPa]の範囲内に調節し、
前記セラミックス成形体に対する前記溶融金属の浸透圧力を10〜25[MPa]の範囲内に調節することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、前記セラミック成形体に付着した状態の前記離型材の全体気孔率が55〜70[%]であり、細孔径分布が第1範囲としての0.01〜1[μm]および第2範囲としての10〜100[μm]のそれぞれにおいて1つのピークを示し、かつ、全体気孔率のうち前記第1範囲に属する細孔が42〜59[%]を占める一方、前記第2範囲に属する細孔が5.3〜16.7[%]を占めるように、前記離型材を前記セラミックス成形体の表面に塗布し、
前記圧力を1〜1.3[MPa]の範囲内に調節し、
前記セラミックス成形体に対する前記溶融金属の浸透圧力を10〜25[MPa]の範囲内に調節することを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の方法により製造された金属−セラミックス複合材料であって、表面粗さRaが5〜20[μm]の範囲にあることを特徴とする金属−セラミックス複合材料。
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JPS61221341A (ja) * | 1985-03-27 | 1986-10-01 | Isuzu Motors Ltd | 単一複合材料の製造法 |
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