JP2012072323A - 成形材料および最終成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、複屈折が低く、金型転写性、成形加工性に優れた成形材料と複屈折を抑制する成形方法を提供すること。
【解決手段】23℃で液状の硬化性組成物を含浸している熱硬化性組成物シートを成形材料として使用する。このとき、液状の硬化性組成物を、23±5℃のトルエン中24時間浸漬でゲル分率35%以上のゲル、あるいは、当量以上の液状の硬化性樹脂を吸収可能な発泡体に含浸させることが好ましい。含浸している液状の硬化性樹脂が、シリコーン樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選ばれるものであることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】23℃で液状の硬化性組成物を含浸している熱硬化性組成物シートを成形材料として使用する。このとき、液状の硬化性組成物を、23±5℃のトルエン中24時間浸漬でゲル分率35%以上のゲル、あるいは、当量以上の液状の硬化性樹脂を吸収可能な発泡体に含浸させることが好ましい。含浸している液状の硬化性樹脂が、シリコーン樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選ばれるものであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、硬化性液状樹脂組成物から得られる成形材料および最終成形品に関するものである。
レンズ等の光学部品やLEDや受光素子などの光半導体の保護・封止材といった光学材料用高分子材料には、高い透明性と硬度が要求されており、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリ−カーボネート樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが使用されている。
近年、部品実装の簡易化によるコスト削減を目的に、ハンダ実装が可能な部品の需要が大きくなっている。さらに、電子機器の小型化と高性能化が進み、使用される部品の小型化と要求される寸法精度が進んでいる。そのため、耐熱性の高い硬化性樹脂組成物が注目されている(特許文献1)。
しかし、液状樹脂組成物は、金型内で粘度が非常に低くなるため、僅かな隙間に樹脂が流れ込み、安定した連続成形ができないのが現状である。さらに、収縮量が大きいため、寸法精度がばらつき、成形体に残る応力が課題となっている。
上下の金型の対向方向に変形可能な弾性変形部材を備えた圧縮成形用金型(特許文献2)も存在するが、これらは上記の課題を解決するものではなかった。
近年、部品実装の簡易化によるコスト削減を目的に、ハンダ実装が可能な部品の需要が大きくなっている。さらに、電子機器の小型化と高性能化が進み、使用される部品の小型化と要求される寸法精度が進んでいる。そのため、耐熱性の高い硬化性樹脂組成物が注目されている(特許文献1)。
しかし、液状樹脂組成物は、金型内で粘度が非常に低くなるため、僅かな隙間に樹脂が流れ込み、安定した連続成形ができないのが現状である。さらに、収縮量が大きいため、寸法精度がばらつき、成形体に残る応力が課題となっている。
上下の金型の対向方向に変形可能な弾性変形部材を備えた圧縮成形用金型(特許文献2)も存在するが、これらは上記の課題を解決するものではなかった。
本発明の目的は、硬化性液状樹脂組成物を、精度良く安定して成形加工できる成形材料、および、残留応力が小さく、かつ、複屈折の小さい成形体を提供することにある。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、硬化性液状樹脂組成物を流動性が少ない状態から成形加工することにより、複屈折が小さく、かつ、成形加工性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
1)(A)23℃で液状の硬化性組成物が、(B)23℃で固体状の樹脂に含浸されている熱硬化性樹脂組成物であって、その300μm厚の硬化物シートの450nmでの光線透過率が80%以上である熱硬化性樹脂組成物。
2)(A)が、シリコーン樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選ばれるものであることを特徴とする1)の熱硬化性樹脂組成物。
3)(A)と(B)の樹脂組成が異なり、23±5℃のトルエン中に24時間浸漬したときのゲル分率35%以上であることを特徴とする、1)〜2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
4)(B)が、(B)100重量部に対し(A)100重量部以上を含浸可能な発泡体であることを特徴とする、1)〜2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
5)上記1)〜4)の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を用いた光学部材やレンズ、光半導体モジュール、硬化物。
1)(A)23℃で液状の硬化性組成物が、(B)23℃で固体状の樹脂に含浸されている熱硬化性樹脂組成物であって、その300μm厚の硬化物シートの450nmでの光線透過率が80%以上である熱硬化性樹脂組成物。
2)(A)が、シリコーン樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選ばれるものであることを特徴とする1)の熱硬化性樹脂組成物。
3)(A)と(B)の樹脂組成が異なり、23±5℃のトルエン中に24時間浸漬したときのゲル分率35%以上であることを特徴とする、1)〜2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
4)(B)が、(B)100重量部に対し(A)100重量部以上を含浸可能な発泡体であることを特徴とする、1)〜2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
5)上記1)〜4)の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を用いた光学部材やレンズ、光半導体モジュール、硬化物。
本特許は、複屈折が抑制された成形体を得られる液状硬化性組成物の成形法に関する。
6)上記1)〜4)に記載の熱硬化性樹脂組成物から、複屈折が抑制された成形体を得ることを特徴とする液状硬化性組成物の成形法。
6)上記1)〜4)に記載の熱硬化性樹脂組成物から、複屈折が抑制された成形体を得ることを特徴とする液状硬化性組成物の成形法。
本発明によれば、残留応力が小さく、かつ、金型転写性に優れ、耐熱性に優れたプラスチック製光学部品を得ることができる。また熱硬化性樹脂組成物から、複屈折が抑制された成形体を得ることが可能である。
以下に、本発明を実施するにあたって好ましい形態について説明する。
本発明の成形材料は、23℃で液状の硬化性組成物を含浸している熱硬化性樹脂組成物であれば特に限定されない。組成物を構成する(A)成分と(B)成分について説明する。
(A成分)
A成分としては、23℃で液状であり、かつ、60℃以上の熱をかける、あるいは、400nm以下の光線を照射することによって硬化する組成物であれば、特に限定されない。
A成分としては、23℃で液状であり、かつ、60℃以上の熱をかける、あるいは、400nm以下の光線を照射することによって硬化する組成物であれば、特に限定されない。
耐熱透明性の観点からは、含浸させる液状硬化性組成物は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選択されることが好ましい。
本発明でいうシリコーン樹脂とは、樹脂骨格中にシロキサン(−SiOSi−)単位を有するものを示す。例えば、シロキサン単位のみからなるものや、構成元素がC、H、N、O、Sおよびハロゲンからなる有機骨格を含むシロキサン―有機ブロックポリマー、シロキサン―有機グラフトポリマーといったものが含まれる。
得られる硬化物の硬度が高いという観点からは、シロキサン―有機ブロックポリマーが好ましく、脂環式骨格やイソシアヌル酸骨格といった、環状構造をもつ有機骨格を有する組成物がさらに好ましい。
本発明でいうエポキシ樹脂とは、反応性基としてエポキシ基を有する化合物の群を示す。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂:テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の臭素化エポキシ樹脂:ノボラック型エポキシ樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂:芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応物、芳香族カルボン酸の水素添加物とエピクロルヒドリンとの反応物等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂:N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂:ウレタン変性エポキシ樹脂:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂環式系エポキシ樹脂:トリグリシジルイソシアヌレート:ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル類:ヒダントイン型エポキシ樹脂:石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物などが例示できるが、これらに限定されるものではなく、一般に知られているエポキシ樹脂であれば使用しうる。耐熱変色性の観点からは、前記シロキサン骨格を有する樹脂が好ましい。
本発明でいう硬化性アクリル樹脂とは、アクリル骨格を有する樹脂の群を示す。アクリロイル基やメタクリロイル基等の反応性基で硬化する樹脂に限定するものではない。
本発明でいう硬化性ノルボルネン組成物とは、ノルボルネン骨格を有し、反応させることにより硬化して成形体を与えるものを示す。一般に、反応射出成形(RIM)により、ジシクロペンタジエン(DCP)やメチルテトラシクロドデセン(MTD)等のノルボルネン系モノマーを、金型内でメタセシス触媒系の存在下に塊状重合することによりノルボルネン系ポリマーを得ることは周知の技術である(特開昭58−129013号、特開昭59−51911号、特開昭61−179214号、特開昭61−293208号等)。
一般にこれらの塊状重合においては、メタセシス触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応原液と、共触媒とノルボルネン系モノマーを含む反応原液とをそれぞれ調製し、この両反応原液を混合後、メタセシス重合を開始し、未反応モノマーが実質的に残留しない程度まで反応させて、重合を完結させる。本発明において用いるノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環をもつものであればいずれでもよいが、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いると、熱変形温度の高い重合体が得られる。また、生成する開環重合体を熱硬化型とするために、全モノマー中の少なくとも10重量%、好ましくは30重量%以上の架橋性モノマーを使用する必要がある。ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、トリシクロペンタジエン等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、これらのアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、アルケニル置換体(例えば、ビニル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換体など)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置換体など)、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基を有する置換体等が例示される。これらのモノマーは、1種以上を組合わせて用いてもよい。なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地から、三環体ないし五環体が好ましい。
なお、ここでいう熱硬化性液状樹脂組成物には、無機充てん材や、カップリング材、老化防止剤など、通常、一般的に用いられる添加剤を含んでもよい。
なお、ここでいう熱硬化性液状樹脂組成物には、無機充てん材や、カップリング材、老化防止剤など、通常、一般的に用いられる添加剤を含んでもよい。
(B成分)
B成分は、23℃で固体状態を維持でき、かつ、必要量のA成分が含有、保持できるような空隙をもつ構造であれば特に限定されない。このような構造として、網目状にネットワーク構造を有するゲル、空隙が繋がった発泡体、繊維を編みこんだシート等が挙げられる。
B成分は、23℃で固体状態を維持でき、かつ、必要量のA成分が含有、保持できるような空隙をもつ構造であれば特に限定されない。このような構造として、網目状にネットワーク構造を有するゲル、空隙が繋がった発泡体、繊維を編みこんだシート等が挙げられる。
透明性の観点からは、本発明の成形材料は、(A)成分と(B)成分の屈折率の差が0.01以内であることが好ましい。さらに好ましくは、(A)成分と(B)成分の相溶性が高く、かつ、同等の力学特性を有する樹脂組成である。
上記条件を満たすものとして、(B)成分が、(A)成分を加工して作成したものであることが好ましい。加工方法としては、熱処理して一定の空隙が残った状態のゲルを作成する方法、可能な限り繋がった発泡体を作成する方法が挙げられる。これら作成したものに(A)成分を浸漬させることで充填させることができる。
本発明のゲル分率は、23±5℃にてトルエン中に24時間浸漬後のゲル分率で定義している。測定方法として、23±5℃の条件下において、約1gのサンプルをステンレス製の金網に包み、トルエンに24時間浸漬した後、100℃x5時間の条件で乾燥させた際の、試験前後のサンプル重量を測定し、ゲル分率を算出することができる。
具体的には、(ゲル分率)=[(試験後の重量)/(試験前の重量)]x100
の計算式にて算出することができる。本発明では、(B)成分として、ゲル分率35%以上の23℃で固体状の硬化性組成物を使用することが好ましい。
具体的には、(ゲル分率)=[(試験後の重量)/(試験前の重量)]x100
の計算式にて算出することができる。本発明では、(B)成分として、ゲル分率35%以上の23℃で固体状の硬化性組成物を使用することが好ましい。
成形材料の取扱易さの観点からは、ゲル分率35%以上が好ましい。さらに好ましくは、50%以上である。35%未満の場合、(A)成分を含浸させた後の成形材料表面のタック感(べと付き感、接着性)が強く、埃がつきやすい等の課題が発生し、また成形材料の強度が弱くなり取扱難くなる。
得られた成形体の膨張係数が低いという観点からは、繊維状フィラーやこれらを編みこんだシートに液状樹脂を含浸させたものや、有機・無機フィラー等を20重量部、好ましくは30重量部以上添加してなる硬化性組成物が好ましい。
本発明の成形材料の寸法形状は特に限定されないが、特に厚み方向については、3mm
以下であることが成形材料全体の反応率を均一化しやすい傾向があるので好ましい。
以下であることが成形材料全体の反応率を均一化しやすい傾向があるので好ましい。
本発明の成形材料を得る方法は特に限定されず、通常知られた圧力を掛けられる方法であればよい。例えば、プレス成形、圧縮成形、真空成形などが挙げられる。特に材料充填時の速度、圧力、などの成形条件に制約はなく、シート中に含まれる残存気体を押し出せるだけの圧力が掛けられる、金型温度、硬化時間が設定できればよい。
本発明の成形方法により得られる最終成形品は家電用品、家庭用品、車両部品、光学部品、医療品、通信部材、機能性フィルムなど様々な分野で用いることができるが、特に光学部品として好適に用いることができる。これは、残留応力が小さく、複屈折が小さい成形体を得られるためである。
本発明で言う光学部品とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザー等の光をその部品中を通過させる用途に用いる成形体一般を示す。形状は、フィルムやシートといった薄膜状のものやレンズやプリズムといったバルク状のもの等、様々な形の光学部品にすることができる。例えば、カメラ(スチールカメラ、デジタルカメラ、防犯カメラ、携帯電話用カメラ等)やプロジェクター、FAX、スキャナー、プリンター、光学計測機器、光メモリー機材(CD、DVD、Blu−ray)、眼鏡、コンタクトレンズ等に使用される各種レンズやプリズムや光半導体の封止剤、導光板、プリズムシート、偏向板といった各種透明フィルムやシートといった用途が挙げられる。
また、本発明による耐ハンダリフロー性がある部品を用いると、モジュールを組み立てるときに適用可能な工法が増える。工法を工夫することで、経済的に有利にすることができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるもの
ではない。
ではない。
(合成例1)
2L四つ口ナスフラスコにトルエン600g、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン600gを加えて、内温が90℃になるように加熱した。そこに、ジビニルベンゼン73.5g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.003g、トルエン73.2gの混合物を滴下して反応させた。その後、未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去して、化合物Cを得た。1H−NMRにより、化合物Cは、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がジビニルベンゼンと反応したものであることがわかった。
2L四つ口ナスフラスコにトルエン600g、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン600gを加えて、内温が90℃になるように加熱した。そこに、ジビニルベンゼン73.5g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.003g、トルエン73.2gの混合物を滴下して反応させた。その後、未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去して、化合物Cを得た。1H−NMRにより、化合物Cは、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がジビニルベンゼンと反応したものであることがわかった。
(実施例1)
まず、トリアリルイソシアヌレート7.1g、化合物C10g、反応調整剤としての白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.01g、および1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.01gを混合し、撹拌脱泡することにより、(A)成分である組成物A−1を製造した。
まず、トリアリルイソシアヌレート7.1g、化合物C10g、反応調整剤としての白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.01g、および1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.01gを混合し、撹拌脱泡することにより、(A)成分である組成物A−1を製造した。
次に、SiH末端環状ジメチルシリコーン(信越化学社製LS−8600)0.5g、ビニル基末端直鎖状ジメチルジフェニルシリコーンジメチル(Gelest社製PDV−2331)16.0g、および反応調整剤としての白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.001gの混合物を作成してから、これを離型剤を塗布したガラス板の間に挟み、120℃で30分熱することにより、(B)成分である固体B−1(約φ80x1mmtのゲル、ゲル分率60%)を作成した。
B−1を、20gのA−1中に浸け込み、25℃で12時間放置し、A−1を含むゲル状のB−1を得た。得られたゲルを140℃に加熱したガラスとNi−P板で挟みこみ、上部から5kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。成形体厚みは約0.8mmであった。
(実施例2)
まず、ビニル基末端直鎖状ジメチルジフェニルシリコーンジメチル(Gelest社製PDV−2331)10.0g、トリアリルイソシアヌレート5.0g、化合物C10g、反応調整剤としての白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.01g、および1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.01gを混合し、撹拌脱泡することにより、(A)成分である組成物A−2を製造した。また(B)成分である固体B−2として、10x10x0.5mmtのジメチルシリコーンゴム(ゲル分率70%)を作成した。
まず、ビニル基末端直鎖状ジメチルジフェニルシリコーンジメチル(Gelest社製PDV−2331)10.0g、トリアリルイソシアヌレート5.0g、化合物C10g、反応調整剤としての白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)0.01g、および1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.01gを混合し、撹拌脱泡することにより、(A)成分である組成物A−2を製造した。また(B)成分である固体B−2として、10x10x0.5mmtのジメチルシリコーンゴム(ゲル分率70%)を作成した。
減圧下で行うこと以外は実施例1と同様にして、B−2をA−2中に浸け込み、A−2を含むB−2を得た。得られたゲルを140℃に加熱したガラスとNi−P板で挟みこみ、上部から5kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。成形体厚みは約0.8mmであった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、(A)成分である組成物A−1を製造した。また(B)成分である固体B−3として、10x10x2mmtのポリエチレン製発泡シートを使用した。
減圧下で行うこと以外は実施例1と同様にして、B−3をA−1中に浸け込み、A−1を含むB−3を得た。得られたシートを140℃に加熱したガラスとNi−P板で挟みこみ、上部から10kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。
(実施例4)
実施例1と同様にして、(A)成分である組成物A−1を製造した。また(B)成分である固体B−3として、A−2成分に純水0.3gを添加し、離型剤を塗布したガラス板の間に挟み、150℃30分間熱処理することで、10x10x2mmtの発泡シートを作成した。
実施例1と同様にして、(A)成分である組成物A−1を製造した。また(B)成分である固体B−3として、10x10x2mmtのポリエチレン製発泡シートを使用した。
減圧下で行うこと以外は実施例1と同様にして、B−3をA−1中に浸け込み、A−1を含むB−3を得た。得られたシートを140℃に加熱したガラスとNi−P板で挟みこみ、上部から10kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。
(実施例4)
実施例1と同様にして、(A)成分である組成物A−1を製造した。また(B)成分である固体B−3として、A−2成分に純水0.3gを添加し、離型剤を塗布したガラス板の間に挟み、150℃30分間熱処理することで、10x10x2mmtの発泡シートを作成した。
減圧下で行うこと以外は実施例1と同様にして、B−3をA−1中に浸け込み、A−1を含むB−3を得た。得られたシートを140℃に加熱したガラスとNi−P板で挟みこみ、上部から10kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。
(比較例1)
シリコーン系熱硬化性液状樹脂組成物A−1を、液状のまま、140℃に加熱した金型とNi−P板で1mmtシリコーンスペーサーを挟み、上部から5kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。
シリコーン系熱硬化性液状樹脂組成物A−1を、液状のまま、140℃に加熱した金型とNi−P板で1mmtシリコーンスペーサーを挟み、上部から5kgの圧力を加えて30分間加熱成形したものを最終成形品とした。
・ゲル分率の算出方法
23±5℃の条件下において、約1gのサンプルをステンレス製の金網に包み、トルエンに24時間浸漬した後、100℃x5時間の条件で乾燥させた際の、試験前後のサンプル重量を測定し、下記式に従いゲル分率を求めた。
(ゲル分率)=[(試験後の重量)/(試験前の重量)]x100
・450nmでの光線透過率の算出方法
得られた硬化物の450nmにおける光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)で測定した。
23±5℃の条件下において、約1gのサンプルをステンレス製の金網に包み、トルエンに24時間浸漬した後、100℃x5時間の条件で乾燥させた際の、試験前後のサンプル重量を測定し、下記式に従いゲル分率を求めた。
(ゲル分率)=[(試験後の重量)/(試験前の重量)]x100
・450nmでの光線透過率の算出方法
得られた硬化物の450nmにおける光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)で測定した。
・金型転写性の評価
ガラスとNi−P板を0.5mmtのシリコーンゴムスペーサーを挟み、硬化させた最終成形品の表面について、Ni−P板表面自身に付いている数μmの研磨溝(研磨跡)が最終成体表面に転写されているかを顕微鏡にて確認し、転写されているものは○を、転写されていないものは、×の判定を行った。
ガラスとNi−P板を0.5mmtのシリコーンゴムスペーサーを挟み、硬化させた最終成形品の表面について、Ni−P板表面自身に付いている数μmの研磨溝(研磨跡)が最終成体表面に転写されているかを顕微鏡にて確認し、転写されているものは○を、転写されていないものは、×の判定を行った。
・複屈折の評価
最終成形品を、王子計測社製KOBRA−CCDを用いて複数回測定し、全面の複屈折を測定した。100nm以上の複屈折が生じているものを×、ないものを〇で評価した。
上記の評価結果を表1にまとめた。
最終成形品を、王子計測社製KOBRA−CCDを用いて複数回測定し、全面の複屈折を測定した。100nm以上の複屈折が生じているものを×、ないものを〇で評価した。
上記の評価結果を表1にまとめた。
評価結果の通り、本発明による成形体を用いた最終成形品は、金型転写性に優れ、複屈折が小さくなっている。
Claims (9)
- (A)23℃で液状の硬化性組成物が、(B)23℃で固体状の樹脂に含浸されている熱硬化性樹脂組成物であって、その300μm厚の硬化物シートの450nmでの光線透過率が80%以上である熱硬化性樹脂組成物。
- (A)が、シリコーン樹脂、硬化性アクリル樹脂、硬化性ノルボルネン組成物、および硬化性ポリイミド組成物からなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- (A)と(B)の樹脂組成が異なり、23±5℃のトルエン中に24時間浸漬したときのゲル分率35%以上であることを特徴とする、請求項1〜2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- (B)が、(B)100重量部に対し(A)100重量部以上を含浸可能な発泡体であることを特徴とする、請求項1〜2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物を使用した光学部品。
- 請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物を使用したレンズとレンズアレイ。
- 請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物を使用した光半導体モジュール。
- 請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物から得られた硬化物。
- 請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物から、複屈折が抑制された成形体を得ることを特徴とする液状硬化性組成物の成形法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010219684A JP2012072323A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 成形材料および最終成形品 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014101414A (ja) * | 2012-11-16 | 2014-06-05 | Kaneka Corp | 感温ゲル化剤含有熱硬化性樹脂組成物 |
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2010
- 2010-09-29 JP JP2010219684A patent/JP2012072323A/ja active Pending
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