JP2012071627A - 車両用シート及びシートバックボード - Google Patents

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【課題】簡素な構成で後突時の乗員頚部への負荷を軽減する。
【解決手段】シートバックボード16は下側バックバネ本体部48と上側バックバネ本体部54とを備えている。下側バックバネ本体部48の両端部は左右一対の下側連結固定部50によって上下に連結されると共に、左右のサイドフレーム26の側壁部26Aにシートバック前方側から掛けられて取付孔32で固定されている。一方、上側バックバネ本体部54の両端部は左右一対の上側連結固定部56の後壁部26Cに取付孔34で固定されている。従って、上側バックバネ本体部54のサイドフレーム26への固定位置の方が下側バックバネ本体部48のサイドフレーム26への固定位置よりもシートバック後方側へオフセットされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シート及びシートバックボードに関する。
下記特許文献1には、シートバックフレームの左右一対のサイドフレームにSバネで構成されたシートバックスプリングを架け渡すと共に、このシートバックスプリングの両端部と左右のサイドフレームとを車両前後方向に伸縮可能な連結部材で連結した技術が開示されている。連結部材は、所定値以上の荷重が作用すると、シートバック後方側へ伸びるように構成されている。
上記構成によれば、後面衝突(以下、単に「後突」という。)時に乗員がシートバックへ押し付けられて連結部材に所定値以上の荷重が作用すると、連結部材がシートバック後方側へ伸びる。その結果、乗員の姿勢が維持され、乗員の上体がシートバック上方側へ移動し、頭部がヘッドレスト支持位置からずれることを抑制し、乗員頚部への負荷を軽減することができる、というものである。
特開平7−291005号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、複数段に配設されるシートバックスプリングのそれぞれの両端部と左右のサイドフレームとを連結部材で一つずつ連結する構成であるため、部品点数が多く、重量の増加及びコストの増加を招くという課題がある。
本発明は上記事実を考慮し、簡素な構成で後突時の乗員頚部への負荷を軽減することができる車両用シート及びシートバックボードを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、左右一対のサイドフレームを備えたシートバックフレームと、前記左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されると共にシートバック高さ方向に複数本設けられ、シートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向へ撓み変形する複数本のバックバネ本体部と、前記バックバネ本体部の前面側に配置されたシートバックパッドと、前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、を有し、さらに、前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員胸部に対応して設けられた上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの後部に支持され、かつ前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員腰部に対応して設けられた下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの前部に支持されている。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1記載の発明において、前記サイドフレームは、平断面視においてシート前後方向に延在すると共に前記サイドフレームの前部を含む側部と、この側部の後端部からシート幅方向内側に屈曲されると共に前記サイドフレームの後部を含む後側フランジ部と、を含んで構成されており、さらに、前記上側バックバネ本体部のシート幅方向の端部は、上側固定部を介して当該後側フランジ部に固定されている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記下側バックバネ本体部は樹脂製とされており、当該下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には、前記サイドフレームのシートバック前方に配置されて当該サイドフレームに固定される左右一対の下側固定部が一体又は一体的に設けられている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、請求項3記載の発明において、前記下側バックバネ本体部は、シートバック高さ方向に複数本設けられており、さらに、当該複数本の下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対の下側固定部によってシートバック高さ方向に連結されている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る車両用シートは、請求項3又は請求項4記載の発明において、前記下側バックバネ本体部は、前記左右一対の下側固定部を介して、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されたバックボード部に一体又は一体的に設けられている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係るシートバックボードは、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されたバックボード部と、前記シートバックフレームが備える左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されると共にシートバック高さ方向に複数本設けられ、シートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向へ撓み変形する複数本のバックバネ本体部と、を備え、前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員胸部に対応して設けられた上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの後部に支持されていると共に、前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員腰部に対応して設けられた樹脂製の下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの前部に支持されており、更に、当該下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には、前記サイドフレームのシートバック前方に配置されて当該サイドフレームに固定される左右一対の下側固定部が一体又は一体的に設けられていると共に、前記バックボード部には、少なくとも前記下側バックバネ本体部が、前記左右一対の下側固定部を介して、一体又は一体的に設けられている。
請求項1記載の本発明によれば、後突時に乗員がシートバックに押し付けられると、乗員胸部はこれに対応して設けられた上側バックバネ本体部に支持され、乗員腰部はこれに対応して設けられた下側バックバネ本体部に支持される。
ここで、本発明では、下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は左右一対のサイドフレームの前部に支持されているのに対し、上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は左右一対のサイドフレームの後部に支持されている。このため、後突時に乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを遅らせることができる。つまり、仮に上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部が下側バックバネ本体部と同様に左右一対のサイドフレームの前部に支持されていたとすると、支持位置が本発明構造よりもシートバック前方にある分、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりが早くなる。これに対し、本発明のように上側バックバネ本体部のサイドフレームへの支持位置をシートバック後方側へずらすと、その分、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを遅らせることができる。よって、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを乗員頭部の加速度の立ち上がりに近づけることができる。
しかも、本発明によれば、上側バックバネ本体部と下側バックバネ本体部のサイドフレームへの固定位置にシート前後方向の差を設けるという構成であるので、特別に部品点数が増えるということもない。
請求項2記載の本発明によれば、サイドフレームは側部と後側フランジ部とを備えている。そして、上側バックバネ本体部のシート幅方向の端部は、サイドフレームの側部ではなく、後側フランジ部に上側固定部を介して固定されている。このため、後突時にシートバック後方への荷重が作用したときに上側バックバネ本体部に余長が殆ど生じない。つまり、仮に上側バックバネ本体部のシート幅方向の端部をサイドフレームの側部に固定すると、シートバック後方側への荷重が作用したときに、以下の挙動を示す。すなわち、上側バックバネ本体部のシート幅方向の端部の角が車両後方側へ引っ張られて延ばされる。このため、上側バックバネ本体部のバネ定数が狙い値からずれ、撓み量が増えることが予想される。これに対し、本発明では、上側バックバネ本体部のバネ定数はほぼ狙い通りとなり、誤差が少なくなる。
請求項3記載の本発明によれば、下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には左右一対の下側固定部が設けられており、これらの下側固定部はサイドフレームにシートバック前方側から掛けられる。このため、着座時には、乗員から受ける荷重が、下側バックバネ本体部から左右一対の下側固定部を介してサイドフレームに伝達される。一方、後突時には、上側バックバネ本体部の固定位置が下側バックバネ本体部の固定位置よりもシートバック後方側にオフセットしているので、乗員胸部(背面上部)がシートバックに入りこむ。
請求項4記載の本発明によれば、下側バックバネ本体部はシートバック高さ方向に複数本設けられており、乗員の着座時に作用する荷重の大半はこれらの下側バックバネ本体部で分散して受けることになる。従って、各下側バックバネ本体部の荷重負担が軽減される。また、複数本の下側バックバネ本体部で乗員腰部を支持するので、着座時のクッション性が向上される。
請求項5記載の本発明によれば、シートバックフレームの背面側には樹脂の板材で形成されたバックボード部が配置されている。下側バックバネ本体部は左右一対の下側固定部を介してこのバックボード部に一体又は一体的に設けられているので、下側バックバネ本体部の撓み量を規制する制限部材としてバックボード部を用いることが可能になる。さらに、乗員の上体が下側バックバネ部を介してバックボード部に当接した際には、その荷重をバックボード部でも受けることができる。つまり、乗員腰部側での荷重伝達経路を、下側バックバネ本体部から一対の下側固定部を介してサイドフレームに伝達する経路とバックボード部から一対の下側固定部を介してサイドフレームに伝達する経路の複数にすることができる。
請求項6記載の本発明によれば、シートバックボードは、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されたバックボード部と、シートバックフレームが備える左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されると共にシートバック高さ方向に複数本設けられ、シートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向へ撓み変形する複数本のバックバネ本体部と、を備えている。
さらに、複数本のバックバネ本体部のうち乗員胸部に対応して設けられた上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、左右一対のサイドフレームの後部に支持されていると共に、複数本のバックバネ本体部のうち乗員腰部に対応して設けられた樹脂製の下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、左右一対のサイドフレームの前部に支持されている。そして、下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には、サイドフレームのシートバック前方に配置されて当該サイドフレームに固定される左右一対の下側固定部が一体又は一体的に設けられていると共に、バックボード部には、少なくとも下側バックバネ本体部が、左右一対の下側固定部を介して、一体又は一体的に設けられている。従って、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載された車両用シートについてそれぞれ説明した特徴部分の作用が得られる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、簡素な構成で後突時の乗員頚部への負荷を軽減することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、後突時の乗員頚部への負荷を軽減することに対する精度を高めることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、着座時には乗員から受ける荷重を効率よくサイドフレームに伝達することができ、後突時には乗員頚部への負荷を効果的に低減することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、下側バックバネ本体部の耐久性を向上させることができると共に着座時のクッション性を向上させ疲労を軽減することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用シートは、樹脂製である下側バックバネ本体部に過負荷がかかることを抑制又は防止することができると共に、シートバックボードの全体を使って乗員からの荷重を支持することができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係るシートバックボードは、簡素な構成で後突時の乗員頚部への負荷を軽減することができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両用シートのシートバックの分解斜視図である。 図1に示されるシートバックフレームに樹脂バネ一体バックボードが組付けられた状態を示す斜視図である。 シートバックの組付状態を図2の3−3線に沿って切断した状態で示す拡大平断面図である。 シートバックの組付状態を図2の4−4線に沿って切断した状態で示す拡大平断面図である。 図1に示されるシートバックの組付状態を示す拡大縦断面図である。 本実施形態の効果を説明するための説明図であり、本実施形態の車両用シートに乗員が着座した状態において後突されたときの様子を示す側面図である。 本実施形態の効果を説明するための説明図であり、(A)は本実施形態の構造を着座時の状態で示す要部平断面図であり、(B)は対比例に係る構造を着座時の状態で示す要部平断面図であり、(C)は対比例の構造を後突時の状態で示す要部平断面図である。
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係る車両用シート及びシートバックボードの一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
<全体構成>
図1には、本実施形態に係る車両用シートの背もたれに相当するシートバックの分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、図5には、当該シートバックを備えた車両用シートの縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション11(図5参照)と、シートクッション11の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック12と、シートバック12の上端部に上下動可能に支持されたヘッドレストと、によって構成されている。
図1に示されるように、上記シートバック12は、シートバック12の骨格部材を構成する金属製のシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14の前面側に装着される樹脂バネ一体バックボード(以下、単に「シートバックボード」と称す。)16と、シートバック12のクッション材を構成すると共にシートバックボード16の前面側から取付けられてシートバックフレーム14に支持されるシートバックパッド18と、シートバックパッド18の主として前面を覆うカバー(表皮)20と、カバー20をシートバックボード16に取付けるための縦方向取付部材22及び横方向取付部材24と、によって構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
<シートバックフレーム14の構成>
図1〜図5に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向きと車両用シート10の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、車両幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士を車両幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
次に、上記左右のサイドフレーム26の断面構造について説明する。図2〜図4に示されるように、サイドフレーム26は、側壁部26Aと、前壁部26Bと、後壁部26Cとによって構成されており、単独で見ると平断面視で略L字状に形成されており、左右一対で見ると平断面視でシート幅方向に対向する内側が開口された開断面形状に形成されている。側壁部26Aは全体的には下端部から上端部に向かうほど幅が狭くなっている。また、側壁部26Aの下部には、上下に離間して複数の取付孔32(図1参照)が形成されている。前壁部26Bは側壁部26Aの前端から円弧面を介してシート幅方向内側かつやや斜め後方へ延在されている。後壁部26Cは側壁部26Aの後端からシート幅方向内側へ延在されており、その先端部は車両前方側へ斜めに折り曲げられている。後壁部26Cの幅は前壁部26Bの幅に対して充分に広く設定されている。また、後壁部26Cの上部側にも取付孔34(図1参照)が形成されている。
<シートバックボード16の構成>
次に、本実施形態に係る車両用シート10の要部を構成するシートバックボード16の構成について詳細に説明する。図1〜図5(特には図1及び図2)に示されるように、シートバックボード16は、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレーム14の背面側に配置されたバックボード部36と、樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられると共に左右一対のサイドフレーム26に直接支持されるように架け渡され、更にシートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向(車両後方側)へ撓み変形可能に形成されたバックバネ部38と、を備えている。
バックボード部36は、シートバックフレーム14よりも一回り小さく形成されたボード本体40と、このボード本体40の外周部に一体成形されたU溝状の係止部42と、によって構成されている。より具体的には、ボード本体40は矩形枠状に形成されたシートバックフレーム14の開口部の内周縁よりも一回り小さく形成されている。そして、シートバックフレーム14への組付状態では、ボード本体40は左右のサイドフレーム26の後壁部26Cの先端部(内端部)間の若干車両後方側に配置されている。従って、ボード本体40は、シートバックフレーム14の車両前方側から組付可能とされている(図3参照)。係止部42の断面形状は、車両後方側が開放されたU字状とされている。この係止部42は、後述するカバー20の外周部を係止するために用いられるが、板状のボード本体40を補強してバックボード部36全体の面剛性を高める機能をも有している。
バックバネ部38は、バックボード部36の下部側に一体に形成された下側バックバネ部44と、バックボード部36の上部側に一体に形成された上側バックバネ部46と、によって構成されている。上側バックバネ部46は、下側バックバネ部44に対してシートバック高さ方向に所定距離だけ離間した位置に独立して設けられている。
下側バックバネ部44は、シートバック高さ方向に上下三段に平行に配置された3本の下側バックバネ本体部48と、これら3本の下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部をシートバック高さ方向に連結すると共にバックボード部36とも連結しかつサイドフレーム26に固定される下側連結固定部50と、によって構成されている。なお、下側バックバネ部44を何本の下側バックバネ本体部48で構成するかは任意であり、要求されるクッション性能との関係で適宜変更される。従って、下側バックバネ部の上下幅を広げて1本にしてもよいし、逆に2本又は4本以上の複数本にしてもよい。
下側バックバネ本体部48の平断面形状は波状に形成されており、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用することにより波状部分(撓み部)48Aが伸長し、これにより荷重作用方向であるバックボード部36側へ撓み変形(弾性変形)するようになっている。なお、上段と中段の下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48B近傍には、カバー20を取付けるための後述する縦向き樹脂爪部58が一体に形成されており、この縦向き樹脂爪部58が形成される範囲については波状部分48Aは形成されない。
図3及び図4に示されるように、上述したバックボード部36は、下側バックバネ部44の車両後方側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。つまり、下側バックバネ部44とバックボード部36との間には所定の隙間52が形成されている。この隙間52の範囲内で下側バックバネ本体部48は弾性変形可能とされている。すなわち、バックボード部36は、下側バックバネ部44の撓み量を所定量以下に制限する制限部材としても機能している。
図3に示されるように、下側連結固定部50は、平断面視で略逆U字状に形成されており、下側バックバネ本体部48の長手方向の端部48Bが連結される内側側壁50Aと、この内側側壁50Aに対してシート幅方向に対向して配置されてサイドフレーム26の側壁部26Aの外側面に面接触状態で係止される外側側壁50Bと、内側側壁50Aの前端と外側側壁50Bの前端とを車両幅方向に連結しサイドフレーム26の前壁部26Bに面接触状態で係止される前壁50Cと、を備えている。
上述した上下三段の下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bは、波状部分48Aが形成されないフラットな部分として構成されており、左右一対の下側連結固定部50によって相互に連結されている。つまり、下側バックバネ本体部48はシートバック高さ方向に複数段に設けられるが、これらの下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bが左右一対の下側連結固定部50によって連結されることにより、下側バックバネ部44がバックボード部36に一体化されている。なお、下側連結固定部50は、最上段の下側バックバネ本体部48の上縁から最下段の下側バックバネ本体部48の下縁までの範囲を含むようにその長手方向寸法が設定されている。
上記下側連結固定部50は、その外側側壁50Bがサイドフレーム26の側壁部26Aの取付孔32に図示しない固定手段によってシート幅方向外側から固定されることにより、サイドフレーム26に固定されている。なお、固定手段としては、外側側壁50Bに樹脂クリップを一体に形成して取付孔32に係合させる構成や、リベット、スクリュー、ネジ又はボルトとウエルドナット等の締結具で締結する構成、構造用接着剤で接着する構成等、種々の態様が適用可能である。
上側バックバネ部46も基本的には下側バックバネ部44と同様に構成されており、上側バックバネ本体部54と後述する上側連結固定部56とによって構成されている。そして、上側バックバネ本体部54には、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用すると伸長して撓み変形(弾性変形)するように波状部分54Aが形成されている。さらに、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bには縦向き樹脂爪部58が一体に形成されている他、シート幅方向の両端部54Bと中央部には横向き樹脂爪部60が一体に形成されている。
また、本実施形態では、上側バックバネ部46を一段(1本)で構成したが、これに限らず、二段等の複数段(複数本)で構成してもよい。
<シートバックパッド18の構成>
図1に示されるように、シートバックパッド18は、大別すると、パッド中央上部62と、パッド中央下部64と、左右一対のパッドサイド部66と、によって構成されている。なお、シートバックパッド18は、ウレタンフォーム等によって製作されている。
図5に示されるように、パッド中央上部62の縦断面形状は、上下左右逆向きの略J字状に形成されている。このパッド中央上部62は、シートバックフレーム14のアッパフレーム28にシートバック上方側から係止されている。パッド中央下部64の縦断面形状は、左右逆向きの略J字状に形成されている。また、パッド中央下部64は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状をしている。このパッド中央下部64は、サイドフレーム26の下端部同士をシート幅方向に連結するコネクティングロッド68にシートバック下方側から係止されている。なお、コネクティングロッド68は、シートバックフレーム14のロアフレーム30の前方側に平行に配置されている。
また、図3に示されるように、パッドサイド部66の横断面形状は、略C字状に形成されている。このパッドサイド部66は、下側連結固定部50が装着された状態のサイドフレーム26に巻き付けられるようにして装着されている。なお、パッドサイド部66は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状を成しており、かつパッド中央上部62及びパッド中央下部64よりも車両前方側へ膨出されて乗員に対するサイドサポート性を確保する形状になっている。
図5に戻り、上述したシートバックボード16は、縦断面視で、パッド中央上部62の背面側下端部62Aからパッド中央下部64の背面側上端部64Aに亘って配設されている。正確には、パッド中央下部64の背面側上端部64Aは背面側下端部62Aよりも薄く形成されており、その薄くなった部分にバックボード部36の下端部が前後に重ねて配置されている。
また、上述したパッド中央上部62とパッド中央下部64との間には、カバー吊り込み用の貫通溝としての横方向スリット70が形成されている。さらに、パッド中央上部62、パッド中央下部64とパッドサイド部66との間には、左右一対のカバー吊り込み用の貫通溝としての縦方向スリット72がそれぞれ形成されている。横方向スリット70及び縦方向スリット72のスリット幅は、後述する縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が挿通可能な長さに設定されている。また、これらの横方向スリット70及び縦方向スリット72はいずれも直線状に形成されており、シートバックパッド18をその厚さ方向(車両前後方向でもある)に貫通している。
<カバー20の構成>
図1に示されるように、カバー20は、シートバックパッド18を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。また、カバー20は、上記シートバックパッド18の分割構成に合わせてカバー中央上部74、カバー中央下部76、左右一対のカバーサイド部78を備えている。
<カバー20の取付構造>
カバー20は、縦方向取付部材22、横方向取付部材24、縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60及び外周係止部80等によって取り付けられている。
図1に示されるように、縦方向取付部材22は、帯状に形成された取付部材本体22Aと、取付部材本体22Aの一方の側縁に設けられると共に楔状に形成された樹脂製の係合部22Bと、によって構成されている。取付部材本体22Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76とカバーサイド部78とに縫製により予め取り付けられている。なお、図1では縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)をカバー20から分離して描いているが、縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)は、カバー20に予め取り付けられている。これに対応して、バックバネ本体部48における波状部分48Aよりも更にシート幅方向の両外側には、縦向き樹脂爪部58が一体に形成されている。縦方向取付部材22の係合部22Bは、縦向き樹脂爪部58に弾性的に係合可能とされている。そして、左右一対の縦方向取付部材22の係合部22Bを各バックバネ本体部48の対応する縦向き樹脂爪部58に弾性的に係合させることにより、カバー20の中央部が縦方向にシートバックボード16に取り付けられている。
同様に、横方向取付部材24は、帯状に形成された取付部材本体24Aと、取付部材本体24Aの一方の側縁に設けられると共に楔状に形成された樹脂製の係合部24Bと、によって構成されている。取付部材本体24Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76に縫製により予め取り付けられている。これに対応して、最上段に配置されたバックバネ本体部48には、シート幅方向の中央部と両外側二箇所に横向き樹脂爪部60が一体に形成されている。横方向取付部材24の係合部24Bは、横向き樹脂爪部60に弾性的に係合可能とされている。そして、図4に示されるように、三箇所に設けられた横方向取付部材24の係合部24Bを最上段に配置されたバックバネ本体部48の各横向き樹脂爪部60に弾性的に係合させることにより、カバー20の中央部が横方向にシートバックボード16に取り付けられている。
さらに、カバー20の外周部の適宜位置には、鏃(やじり)形状とされた外周係止部80が縫製により取り付けられている。外周係止部80はバックボード部36の係止部42に車両後方側から挿入されて係止されている。これにより、カバー20の外周部がバックボード部36に取外し可能に係止されている。
<本実施形態の要部構成>
ここで、図1及び図4に示されるように、上述した上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bには、左右一対の上側連結固定部56が一体に形成されている。左右一対の上側連結固定部56は、上側バックバネ本体部54も含めて上述した左右のサイドフレーム26の側壁部26A間に納まる長手方向寸法に設定されている。
また、上側連結固定部56は、シートバック幅方向外側へ向けて張出されており、平断面視で段差形状に形成されている。具体的には、上側連結固定部56は、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bからシート幅方向外側へそのまま延設された延長部56Aと、この延長部56Aの先端部からシートバック後方側へ斜めに屈曲された中間部56Bと、この中間部56Bの先端部からシート幅方向外側へ屈曲された固定部56Cと、によって構成されている。
延長部56Aは、上側バックバネ本体部54をサイドフレーム26に連結すべく、サイドフレーム26に接近する役目を担う部分である。また、中間部56Bは、延長部56Aの先端部をサイドフレーム26への固定部位となる後壁部26Cまで繋ぐ役目を担う部分である。この中間部56Bが存在することによって下側バックバネ本体部48のサイドフレーム26への固定位置に対するシートバック後方側へのオフセット量が得られる(調整可能である)。さらに、固定部56Cは、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の端部54Bをサイドフレーム26の後壁部26Cに固定する役目を担う部分である。この固定部56Cが後壁部26Cの取付孔34に図示しない固定手段によってシートバック前方側から固定されることにより、上側連結固定部56がサイドフレーム26に固定されている。なお、固定手段としては、固定部56Cに樹脂クリップを一体に形成して取付孔34に係合させる構成や、リベット、スクリュー、ネジ又はボルトとウエルドナット等の締結具で締結する構成、構造用接着剤で接着する構成等、種々の態様が適用可能である。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
上記構成の車両用シート10では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したシートバックボード16を備えている。そして、このシートバックボード16を金属製のシートバックフレーム14に車両前方側から嵌合させる。具体的には、左右の下側連結固定部50にあっては、左右のサイドフレーム26に車両前方側から嵌合され、この状態でサイドフレーム26にシート幅方向外側から固定される。また、左右の上側連結固定部56にあっては、左右のサイドフレーム26の内側に車両前方側から挿入された後、左右の後壁部26Cに車両前方側から固定される。その後、シートバックパッド18がシートバックフレーム14に車両前方側から装着され、更にカバー20がシートバックパッド18に被せられる。カバー20には予め縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が縫製により予め固定されており、カバー20をシートバックパッド18に被せながら縦方向取付部材22、横方向取付部材24を対応する縦方向スリット72及び横方向スリット70に挿入して縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60にそれぞれ係止させる。さらに、カバー20の外周係止部80をバックボード部36の係止部42に係止させていく。
上記の如くして組み立てられたシートバック12はシートクッション11及び図示しないヘッドレストが取り付けられて車両用シート10とされる。乗員が車両用シート10に着座すると、カバー20及びシートバックパッド18を介してバックバネ部38にシートバック後方側への荷重が入力される。このため、下側バックバネ本体部48及び上側バックバネ本体部54が荷重作用方向であるシートバック後方側へ撓み変形する。また、このときの荷重は下側連結固定部50及び上側連結固定部56より左右のサイドフレーム26に伝達されるため、サイドフレーム26から車両前方側への反力が発生する。
このように乗員からバックバネ部38に荷重が入力されると、自身は撓み変形してシートバック12のクッション性の確保に寄与し、荷重そのものは左右のサイドフレーム26に伝達して左右のサイドフレーム26で支持する。その結果、シートバック12のクッション性能が充分に確保される。また、バックバネ部38は樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられているので、バックバネ部38を金属製のシートバックスプリングで構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数が削減される。
ところで、後突時になると、乗員は慣性によってシートバック12に押し付けられる。このとき、乗員胸部はこれに対応して設けられた上側バックバネ本体部54に支持され、乗員腰部はこれに対応して設けられた下側バックバネ本体部48に支持されることになる。
ここで、本実施形態では、下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bが、下側連結固定部50を介してサイドフレーム26の前部(即ち、側壁部26Aの前部側)に固定されているのに対し、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bは上側連結固定部56を介してサイドフレーム26の後部(即ち、後壁部26C)に固定されている。このため、後突時に乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを遅らせることができる。つまり、仮に上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bが下側バックバネ本体部48と同様に左右一対のサイドフレーム26の前部に固定されていたとすると、固定位置が本実施形態構造よりもシートバック前方にある分、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりが早くなる。これに対し、本実施形態のように上側バックバネ本体部54のサイドフレーム26への固定位置をシートバック後方側へずらすと、その分、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを遅らせることができる。よって、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりを乗員頭部の加速度の立ち上がりに近づけることができる。
このことを図6を用いて説明する。図6には、後突時のダミーDの挙動が側面視で示されている。後突前の乗員の状態が実線及び破線(重要なのは乗員胸部の背面を示す破線部分)Pで示されている。今仮に本実施形態の構造が適用されていなかったとすると、上側バックバネ本体部54のサイドフレーム26への固定位置は下側バックバネ本体部48の場合と同じようにサイドフレーム26の前側ということになる。このため、乗員胸部は一点鎖線Qで示された位置までシートバック12に入り込んでいる。そして、この位置から乗員胸部はシートバック前方側へ移動するので、一点鎖線Qの位置が乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりと考えてよい。一方、本実施形態の場合、上側バックバネ本体部54のサイドフレーム26への固定位置が下側バックバネ本体部48の固定位置よりもシートバック後方側へオフセットして設定されている。このため、乗員胸部は二点鎖線Rで示された位置、即ちより深い位置(シートバック後方側)までシートバック12に入り込む。そして、この位置から乗員胸部はシートバック前方側へ移動するので、一点鎖線Rの位置が乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりと考えてよい。よって、乗員胸部にかかる加速度の立ち上がりと乗員頭部の加速度の立ち上がりとの差が縮まり(言い換えると、乗員頭部と乗員胸部との距離が縮まり)、乗員頸部への負荷が軽減される。補足すると、後突時、シートバックに押し付けられた乗員胸部は車両前方側へ移動し始める一方、乗員頭部は慣性でそのままの状態を保持しようとするため、乗員頭部と乗員頸部とで相対変位が生じ、この相対変位が乗員頸部への負荷となる。
しかも、本実施形態によれば、上側バックバネ本体部54と下側バックバネ本体部48のサイドフレームへ26の固定位置にシート前後方向の差を設けるという構成であるので、特別に部品点数が増えるということもない。
その結果、本実施形態に係る車両用シート及びシートバックボードによれば、簡素な構成で後突時の乗員頚部への負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、図7(A)に示される如く、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の端部54Bが、上側連結固定部56によってサイドフレーム26の側壁部26Aではなく、後壁部26Cに固定されている。このため、後突時にシートバック後方への荷重Fが作用したときに上側バックバネ本体部54に余長が殆ど生じない。つまり、仮に図7(B)に示される如く、上側バックバネ本体部90のシート幅方向の端部に、平断面視でL字状とされた上側連結固定部92を一体に形成し、当該上側連結固定部92をサイドフレーム26の側壁部26Aに固定したとする。この場合において、シートバック後方側への荷重Fが作用すると、上側連結固定部92は以下の挙動を示す。すなわち、上側連結固定部92の角92Aが車両斜め後方側へ引っ張られて延ばされる。このため、上側バックバネ本体部90のバネ定数が狙い値からずれ、撓み量が増えることが予想される。これに対し、本実施形態では、上側バックバネ本体部54のバネ定数はほぼ狙い通りとなり、誤差が少なくなる。その結果、本実施形態によれば、後突時の乗員頚部への負荷を軽減することに対する精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bには左右一対の下側連結固定部50が設けられており、これらの下側連結固定部50はサイドフレーム26にシートバック前方側から掛けられる(嵌合される)。このため、着座時には、乗員から受ける荷重が、下側バックバネ本体部48から左右一対の下側連結固定部50を介してサイドフレーム26に伝達される。一方、後突時には、上側バックバネ本体部54の固定位置が下側バックバネ本体部48の固定位置よりもシートバック後方側にオフセットしているので、乗員胸部(背面上部)がシートバック12に入りこむ。その結果、本実施形態によれば、着座時には乗員から受ける荷重を効率よくサイドフレーム26に伝達することができ、後突時には乗員頚部への負荷を効果的に低減することができる。
また、下側バックバネ本体部48はシートバック高さ方向に複数本設けられており、乗員の着座時に作用する荷重の大半はこれらの下側バックバネ本体部48で分散して受けることになる。従って、各下側バックバネ本体部48の荷重負担が軽減される。また、複数本の下側バックバネ本体部48で乗員腰部を支持するので、着座時のクッション性が向上される。よって、下側バックバネ本体部48の耐久性を向上させることができると共に着座時のクッション性を向上させ疲労を軽減することができる。
さらに、シートバックフレーム14の背面側には樹脂の板材で形成されたバックボード部36が配置されている。下側バックバネ本体部48は左右一対の下側連結固定部50を介してこのバックボード部36に一体に設けられているので、下側バックバネ本体部48の撓み量を規制する制限部材としてバックボード部36を用いることが可能になる。さらに、乗員の上体が下側バックバネ部を介してバックボード部36に当接した際には、その荷重をバックボード部36でも受けることができる。つまり、乗員腰部側での荷重伝達経路を、下側バックバネ本体部46から一対の下側連結固定部50を介してサイドフレーム26に伝達する経路とバックボード部36から一対の下側連結固定部50を介してサイドフレーム26に伝達する経路の複数にすることができる。よって、樹脂製である下側バックバネ本体部48に過負荷がかかることを抑制又は防止することができると共に、シートバックボード16の全体を使って乗員からの荷重を支持することができる。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した実施形態では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したが、これに限らず、樹脂製のバックボード部に樹脂製のバックバネ部を一体的に設けてもよい。すなわち、バックボード部とバックバネ部とを別々に製作してから両者を溶着等により一体化するようにしてもよい。さらに、バックバネ部を構成するバックバネ本体部と連結固定部とを別部品として製作してから溶着等により一体化するようにしてもよい。更に補足すると、上述した実施形態では、下側連結固定部50を下側バックバネ部44(バックバネ部38)側の構成要素として説明したが、下側連結固定部50をバックボード部36側の構成要素と捉えても、そのように解釈すること自体は一向に差し支えない。なぜなら、シートバックボードの完成品の状態では、連結固定部という構成要素をバックバネ部側に含めるか、それともバックボード部側に含めるかは、区分けをどのようにするかの問題に過ぎないからである。
また、本実施形態では、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bを、平断面視で段差形状とされた左右一対の上側連結固定部56を用いてサイドフレーム26の後壁部26Cに固定したが、これに限らず、種々の形状を採ることができる。例えば、サイドフレーム26の後壁部26Cと上側バックバネ本体部54とのシート前後方向の位置がずれていない場合には、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bをそのままシート幅方向外側へ延長させてサイドフレーム26の後壁部26Cに固定するようにしてもよい。
10 車両用シート
12 シートバック
14 シートバックフレーム
16 シートバックボード
18 シートバックパッド
20 カバー
26 サイドフレーム
26A 側壁部(サイドフレームの前部、側部)
26B 後壁部(サイドフレームの後部、後端フランジ部)
36 バックボード部
48 下側バックバネ本体部(バックバネ本体部)
48B 両端部
50 下側連結固定部(下側固定部)
54 上側バックバネ本体部(バックバネ本体部)
54B 両端部
56 上側連結固定部(上側固定部)

Claims (6)

  1. 左右一対のサイドフレームを備えたシートバックフレームと、
    前記左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されると共にシートバック高さ方向に複数本設けられ、シートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向へ撓み変形する複数本のバックバネ本体部と、
    前記バックバネ本体部の前面側に配置されたシートバックパッドと、
    前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、
    を有し、
    さらに、前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員胸部に対応して設けられた上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの後部に支持され、
    かつ前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員腰部に対応して設けられた下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの前部に支持されている、
    車両用シート。
  2. 前記サイドフレームは、平断面視においてシート前後方向に延在すると共に前記サイドフレームの前部を含む側部と、この側部の後端部からシート幅方向内側に屈曲されると共に前記サイドフレームの後部を含む後側フランジ部と、を含んで構成されており、
    さらに、前記上側バックバネ本体部のシート幅方向の端部は、上側固定部を介して当該後側フランジ部に固定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  3. 前記下側バックバネ本体部は樹脂製とされており、
    当該下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には、前記サイドフレームのシートバック前方に配置されて当該サイドフレームに固定される左右一対の下側固定部が一体又は一体的に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用シート。
  4. 前記下側バックバネ本体部は、シートバック高さ方向に複数本設けられており、
    さらに、当該複数本の下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対の下側固定部によってシートバック高さ方向に連結されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の車両用シート。
  5. 前記下側バックバネ本体部は、前記左右一対の下側固定部を介して、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されたバックボード部に一体又は一体的に設けられている、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車両用シート。
  6. 樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されたバックボード部と、
    前記シートバックフレームが備える左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されると共にシートバック高さ方向に複数本設けられ、シートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向へ撓み変形する複数本のバックバネ本体部と、を備え、
    前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員胸部に対応して設けられた上側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの後部に支持されていると共に、前記複数本のバックバネ本体部のうち乗員腰部に対応して設けられた樹脂製の下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部は、前記左右一対のサイドフレームの前部に支持されており、
    更に、当該下側バックバネ本体部のシート幅方向の両端部には、前記サイドフレームのシートバック前方に配置されて当該サイドフレームに固定される左右一対の下側固定部が一体又は一体的に設けられていると共に、
    前記バックボード部には、少なくとも前記下側バックバネ本体部が、前記左右一対の下側固定部を介して、一体又は一体的に設けられている、
    ことを特徴とするシートバックボード。
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