JP2012056482A - 車両用シート - Google Patents

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英樹 小林
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真司 粟田
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Abstract

【課題】部品点数の削減を図りかつ装着したカバーがずれることを抑制又は防止する。
【解決手段】カバー20の裏面側には縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が縫製により取り付けられている。シートバックパッド18にはこれらの取付部材22、24を挿通させるための縦方向スリット72、横方向スリット70が形成されている。さらに、シートバックパッド20の裏面側に配置されるシートバックボード16のバックバネ部38の前面には、縦向き樹脂爪部58及び横向き樹脂爪部60が一体に形成されており、縦方向取付部材22の係合部22B及び横方向取付部材24の係合部22Bが弾性的に係合されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートに関する。
従来、シートバックパッド側にワイヤをインサートすると共にカバー側にもワイヤを取付け、双方のワイヤをホグリングで連結することにより、カバーをシートバックパッドに取付けていた。この場合、シートバックパッド側及びカバー側の双方にワイヤが必要になると共に複数のホグリングが必要になるため、部品点数が多くなり、組付け工数も増加する。また、ホグリングを使うため専用工具が必要となり、設備費も嵩む。
この点に鑑み、下記特許文献1には、ホグリング及びワイヤを廃止できるカバー取付構造が提案されている。簡単に説明すると、この先行技術では、シートバックの厚さ方向中間部に平板状の支持ボードが配設されている。この支持ボードの上部側には、縦断面形状がクランク状とされた被係合部がシート幅方向に沿って形成されている。これに対応して、カバーの上端部には、縦断面形状がJ字状とされた係合部材が取り付けられている。そして、カバーの下端部をシートバック下部に設けられた固定部材に固定すると共に、係合部材を被係合部に係合させることにより、カバーの上端部が支持ボードに取り付けられている。
特開2010−057855号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、カバーはシートバックの背面側で支持ボードに固定されるものの、シートバックの正面側ではカバーは何ら固定されない構造になっている。このため、カバー装着後に、乗員が繰り返し乗降することにより或いは乗員が車両用シートに着座して姿勢変化を繰り返すことにより、カバーが装着位置からずれてしまう可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、部品点数の削減を図りかつ装着したカバーがずれることを抑制又は防止することができる車両用シートを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、左右一対のサイドフレームを備え、シートバックの骨格部材を構成するシートバックフレームと、前記シートバックフレームの前面側に配置され、シートバックのクッション部材を構成するシートバックパッドと、前記左右一対のサイドフレーム間に配置されると共に前記シートバックパッドの背面側に配置され、シートバックパッドを介してシートバック後方側への荷重が作用することにより当該シートバック後方側へ撓み変形する樹脂製のバックバネ部と、前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、前記バックバネ部の前面に設けられた被係合部と、前記カバーの裏面に設けられると共に前記シートバックパッドの前面側から当該被係合部に係合されかつ当該被係合部に係合される係合部と、を備えたカバー固定手段と、を有している。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1記載の発明において、前記シートバックパッドにおいて前記被係合部とシート前後方向に対向する位置には、シートバックパッドを厚さ方向に貫通しかつ前記係合部が挿通可能な貫通溝が形成されている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記被係合部は、少なくとも前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記バックバネ部は、前記シートバック後方側への荷重が作用することにより伸長する撓み部を有しており、前記被係合部は、当該撓み部よりシート幅方向外側に設けられている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る車両用シートは、請求項4記載の発明において、前記バックバネ部は、前記左右一対のサイドフレームに車両前方側から架け渡されている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係る車両用シートは、請求項5記載の発明において、前記撓み部は、前記バックバネ部のシート幅方向両側に設けられており、前記被係合部は、当該シート幅方向両側に配置された撓み部の更にシート幅方向の両外側に設けられている、ことを特徴としている。
請求項7記載の本発明に係る車両用シートは、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記被係合部は、前記シートバックパッドのシート幅方向への移動が規制されるように前記貫通溝内へ挿入されている、ことを特徴としている。
請求項8記載の本発明に係る車両用シートは、請求項6又は請求項7記載の発明において、前記撓み部は、前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられており、前記被係合部は、当該バックバネ部の当該撓み部間にも設けられている、ことを特徴としている。
請求項9記載の本発明に係る車両用シートは、請求項8記載の発明において、前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられた外側被係合部と前記バックバネ部の当該外側被係合部間に設けられた内側被係合部とでは、前記カバーを引込む引込み方向が異なっている、ことを特徴としている。
請求項10記載の本発明に係る車両用シートは、請求項3〜請求項9のいずれか1項に記載の発明において、前記係合部及び前記被係合部は、シートバック高さ方向が長手方向となるようにそれぞれ長尺状に形成されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、シートバックの前面側にはシートバックパッドが配置されており、更にシートバックパッドの背面側には左右一対のサイドフレーム間に配置された樹脂製のバックバネ部が配置されている。乗員が車両用シートに着座すると、シートバックパッドを介してバックバネ部にシートバック後方側への荷重が作用する。このため、バックバネ部がシートバック後方側へ撓み変形し、良好な着座フィーリングが得られる。
ここで、上述したシートバックパッドの表面はカバーによって覆われる。本発明では、このカバーの裏面に係合部が設けられており、これに対応して樹脂製のバックバネ部の前面には被係合部が設けられている。そして、シートバックパッドの前面側から係合部を被係合部に係合させることにより、カバーがバックバネ部に取り付けられる。このように本発明では、従来のホグリングを使ったカバーの取付構造を廃止できるので、ワイヤやホグリング等の部品を廃止することができる。
また、カバー装着後、乗員が繰り返し乗降することにより、或いは着座後の乗員の姿勢変化が繰り返されることにより、カバーがシートバックパッドに対してずれることがある。しかし、本発明では、バックバネ部の前面に被係合部が設けられており、カバーの裏面に設けられた係合部はこの被係合部に係合されるため、カバーをシートバックパッドの前面にしっかりと固定することができる。従って、カバーはシートバックパッドに対してずれ難い。
請求項2記載の本発明によれば、係合部を被係合部に係合させるには、シートバックパッドに形成された貫通溝内へ係合部を挿通させればよい。貫通溝はシートバックパッドにおいて被係合部とシート前後方向に対向する位置に設けられているため、係合部が貫通溝を貫通(挿通)すると、直ちに係合部を被係合部に係合させることができる。また、係合部と被係合部との距離が略最短距離になるので、係合部のシート前後方向に沿った長さを短くできる。
請求項3記載の本発明によれば、被係合部は少なくともバックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられているので、カバーをバックバネ部に取り付けやすい。
請求項4記載の本発明によれば、被係合部が撓み部よりシート幅方向外側に設けられているので、係合部と被係合部との係合状態(カバーの固定状態)が撓み部の伸びによる影響を受け難い。このため、シートバックスプリングとしての機能は撓み部で担保し、カバーを固定する機能は被係合部と係合部とで担保することができる。
請求項5記載の本発明によれば、バックバネ部が左右一対のサイドフレームに車両前方側から架け渡されているので、係合部を被係合部に係合させる際に、バックバネ部がサイドフレーム(の前面)に支持される。このため、バックバネ部のシートバック後方側への変位が抑制される。この変位(即ち、バックバネ部の撓み変形)があまり大きくなると、係合部を被係合部に係合させる作業がやり難くなるが、本発明によれば、バックバネ部のシートバック後方側への変位が抑制されるので、係合部を被係合部に係合させる作業をやり易い。
請求項6記載の本発明によれば、撓み部がバックバネ部のシート幅方向両側に設けられた場合においても、請求項4に係る発明の作用が損なわれない。
請求項7記載の本発明によれば、被係合部がシートバックパッドの貫通溝内へ挿入されると、シートバックパッドのシート幅方向への移動が規制される。これにより、シートバックパッドのシート幅方向に対する位置決めが短時間でなされる。また、被係合部が貫通溝内へ挿入される分、シートバックの厚さが薄くなる。
請求項8記載の本発明によれば、バックバネ部のシート幅方向の両外側に撓み部が設けられており、被係合部は当該撓み部のシート幅方向の両外側の他に撓み部間にも設けられている。このため、カバーをより多くの取付点で取り付けることが可能になる。
請求項9記載の本発明によれば、外側被係合部と内側被係合部とでカバーの引込み方向が異なるため、カバーをより広範囲に引き込んで固定することができる。
請求項10記載の本発明によれば、係合部及び被係合部はシートバック高さ方向が長手方向となるようにそれぞれ長尺状に形成されているため、係合部を被係合部に係合させると、カバーを線状に引込むことができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用シートは、部品点数の削減を図りかつ装着したカバーがずれることを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用シートは、カバーの組付作業性を向上させることができると共に重量及びコストの増加を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用シートは、カバーの取付作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用シートは、バックバネ部においてカバーの安定した固定と充分な撓みの確保の両立を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用シートは、カバーの組付作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両用シートは、撓み部がバックバネ部のシート幅方向両側に設けられた場合においても、バックバネ部においてカバーの安定した固定と充分な撓みの確保の両立を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る車両用シートは、シートバックパッドの組付作業性を向上させることができると共にシートバックを薄型化することができるという優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係る車両用シートは、カバーをシートバックパッドにより密着させることができるという優れた効果を有する。
請求項9記載の本発明に係る車両用シートは、カバーに皺ができ難いという優れた効果を有する。
請求項10記載の本発明に係る車両用シートは、カバーを効率良くかつ精度良く引込むことができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用シートのシートバックの分解斜視図である。 図1に示されるシートバックフレームに樹脂バネ一体バックボードが組付けられた状態を示す斜視図である。 図1に示されるシートバックの組付状態を拡大して示す拡大平断面図である。 図1に示されるシートバックの組付状態を、二箇所のカバー取付構造の部分拡大図を含めて示す拡大縦断面図である。 図1に示される縦方向取付部材と縦向き樹脂爪部とを拡大して示す分解斜視図である。 第2実施形態に係る樹脂バネ一体バックボードの斜視図である。 図6の7−7線に沿った拡大平断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る車両用シートの第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
<全体構成>
図1には、本実施形態に係る車両用シートの背もたれに相当するシートバックの分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、図4には、当該シートバックを備えた車両用シートの縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション11(図4参照)と、シートクッション11の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック12と、シートバック12の上端部に上下動可能に支持された図示しないヘッドレストと、によって構成されている。
図1に示されるように、上記シートバック12は、シートバック12の骨格部材を構成する金属製のシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14の前面側に装着される樹脂バネ一体バックボード(以下、単に「シートバックボード」と称す。)16と、シートバック12のクッション材を構成すると共にシートバックボード16の前面側から取付けられてシートバックフレーム14に支持されるシートバックパッド18と、シートバックパッド18の主として前面を覆うカバー(表皮)20と、カバー20をシートバックボード16に取付けるための縦方向取付部材22及び横方向取付部材24と、によって構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
<シートバックフレーム14の構成>
図1〜図4に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向きと車両用シート10の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、車両幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士を車両幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
次に、上記左右のサイドフレーム26の断面構造について説明する。図2及び図3に示されるように、サイドフレーム26は、側壁部26Aと、前壁部26Bと、後壁部26Cとによって構成されており、単独で見ると平断面視で略L字状に形成されており、左右一対で見ると平断面視でシート幅方向に対向する内側が開口された開断面形状に形成されている。側壁部26Aは全体的には下端部から上端部に向かうほど幅が狭くなっている。また、側壁部26Aの下部には、上下に離間して複数の取付孔32(図1参照)が形成されている。前壁部26Bは側壁部26Aの前端から円弧面を介してシート幅方向内側かつやや斜め後方へ延在されている。後壁部26Cは側壁部26Aの後端からシート幅方向内側へ延在されており、その先端部は車両前方側へ斜めに折り曲げられている。後壁部26Cの幅は前壁部26Bの幅に対して充分に広く設定されている。また、後壁部26Cの上部側にも取付孔34(図1参照)が形成されている。
<シートバックボード16の構成>
次に、本実施形態に係る車両用シート10の要部を構成するシートバックボード16の構成について詳細に説明する。図1〜図4(特には図1及び図2)に示されるように、シートバックボード16は、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレーム14の背面側に配置されたバックボード部36と、樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられると共に左右一対のサイドフレーム26に直接支持されるように架け渡され、更にシートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向(車両後方側)へ撓み変形可能に形成されたバックバネ部38と、を備えている。
バックボード部36は、シートバックフレーム14よりも一回り小さく形成されたボード本体40と、このボード本体40の外周部に一体成形されたU溝状の係止部42と、によって構成されている。より具体的には、ボード本体40は矩形枠状に形成されたシートバックフレーム14の開口部の内周縁よりも一回り小さく形成されている。そして、シートバックフレーム14への組付状態では、ボード本体40は左右のサイドフレーム26の後壁部26Cの先端部(内端部)間の若干車両後方側に配置されている。従って、ボード本体40は、シートバックフレーム14の車両前方側から組付可能とされている(図3参照)。係止部42の断面形状は、車両後方側が開放されたU字状とされている。この係止部42は、後述するカバー20の外周部を係止するために用いられるが、板状のボード本体40を補強してバックボード部36全体の面剛性を高める機能をも有している。
バックバネ部38は、バックボード部36の下部側に一体に形成された下側バックバネ部44と、バックボード部36の上部側に一体に形成された上側バックバネ部46と、によって構成されている。上側バックバネ部46は、下側バックバネ部44に対してシートバック高さ方向に所定距離だけ離間した位置に独立して設けられている。
下側バックバネ部44は、シートバック高さ方向に上下三段に平行に配置された3本の下側バックバネ本体部48と、これら3本の下側バックバネ本体部48の長手方向の両端部をシートバック高さ方向に連結すると共にバックボード部36とも連結しかつサイドフレーム26に固定される下側連結固定部50と、によって構成されている。なお、下側バックバネ部44を何本の下側バックバネ本体部48で構成するかは任意であり、要求されるクッション性能との関係で適宜変更される。従って、下側バックバネ部の上下幅を広げて1本にしてもよいし、逆に2本又は4本以上の複数本にしてもよい。
下側バックバネ本体部48の平断面形状は波状に形成されており、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用することにより波状部分48Aが伸長し、これにより荷重作用方向であるバックボード部36側へ撓み変形(弾性変形)するようになっている。なお、上段と中段の下側バックバネ本体部48の長手方向の両端部48B近傍には、カバー20を取付けるための後述する縦向き樹脂爪部58が一体に形成されており、この縦向き樹脂爪部58が形成される範囲については波状部分48Aは形成されない。
図3に示されるように、上述したバックボード部36は、下側バックバネ部44の車両後方側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。つまり、下側バックバネ部44とバックボード部36との間には所定の隙間52が形成されている。この隙間52の範囲内で下側バックバネ本体部48は弾性変形可能とされている。すなわち、バックボード部36は、下側バックバネ部44の撓み量を所定量以下に制限する制限部材としても機能している。
下側連結固定部50は、平断面視で略逆U字状に形成されており、下側バックバネ本体部48の長手方向の端部48Bが連結される内側側壁50Aと、この内側側壁50Aに対して平行に配置されてサイドフレーム26の側壁部26Aの外側面に面接触状態で係止される外側側壁50Bと、内側側壁50Aの前端と外側側壁50Bの前端とを車両幅方向に連結しサイドフレーム26の前壁部26Bに部分的な面接触状態で係止される前壁50Cと、内側側壁50Aの後端部から下側バックバネ本体部48の長手方向の端部48Bに対してバックボード部36に連結される後壁50Dと、を備えている。
上述した上下三段の下側バックバネ本体部48の長手方向の両端部48Bは、波状部分48Aが形成されないフラットな部分として構成されており、左右一対の下側連結固定部50によって相互に連結されている。つまり、下側バックバネ本体部48はシートバック高さ方向に複数段に設けられるが、これらの下側バックバネ本体部48の長手方向の両端部が左右一対の下側連結固定部50によって連結されることにより、下側バックバネ部44がバックボード部36に一体化されている。なお、下側連結固定部50は、最上段の下側バックバネ本体部48の上縁から最下段の下側バックバネ本体部48の下縁までの範囲を含むようにその長手方向寸法が設定されている。
上記下側連結固定部50は、その外側側壁50Bがサイドフレーム26の側壁部26Aの取付孔32に図示しない固定手段によってシート幅方向外側から固定されることにより、サイドフレーム26に固定されている。なお、固定手段としては、外側側壁50Bに樹脂クリップを一体に形成して取付孔32に係合させる構成や、リベット、スクリュー、ネジ又はボルトとウエルドナット等の締結具で締結する構成、構造用接着剤で接着する構成等、種々の態様が適用可能である。下側連結固定部50がサイドフレーム26に固定された状態では、後壁50Dがサイドフレーム26の後壁部26Cに対しても平行に配置されている。これにより、下側バックバネ本体部48の長手方向の端部48Bがサイドフレーム26の断面内方に入り込んだ状態で配置されている。
上側バックバネ部46も基本的には下側バックバネ部44と同様に構成されており、上側バックバネ本体部54と上側連結固定部56とによって構成されている。そして、上側バックバネ本体部54には、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用すると伸長して撓み変形(弾性変形)するように波状部分54Aが形成されている。さらに、上側バックバネ本体部54の長手方向の両端部54Bには縦向き樹脂爪部58が一体に形成されている他、長手方向の両端部54Bと中央部には横向き樹脂爪部60が一体に形成されている。また、上側連結固定部56にあっては、シートバック幅方向外側へ向けて張出した形状とされており、上述した左右のサイドフレーム26の側壁部26A間に納まる長手方向寸法に設定されている。そして、上側連結固定部56が後壁部26Cの取付孔34に図示しない固定手段によってシート後方側から固定されることにより、上側連結固定部56がサイドフレーム26に固定されている。
なお、本実施形態では、上述したようにバックバネ部38を下側バックバネ部44と上側バックバネ部46とに分けたが、これに限らず、両者を繋げて一体化してもよい。すなわち、下側連結固定部50をシートバック上方側へ延長して上側バックバネ本体部54の長手方向の両端部と連結させる構成を採ってもよい。この点については後述する第2実施形態で説明する。
また、本実施形態では、上側バックバネ部46を一段(1本)で構成したが、これに限らず、複数段(複数本)で構成してもよく、バックボード部36の上部から下部に亘って等間隔で複数段(複数本)のバックバネ部を設ける構成を採ってもよい。
<シートバックパッド18の構成>
図1に示されるように、シートバックパッド18は、大別すると、パッド中央上部62と、パッド中央下部64と、左右一対のパッドサイド部66と、によって構成されている。なお、シートバックパッド18は、ウレタンフォーム等によって製作されている。
図4に示されるように、パッド中央上部62の縦断面形状は、上下左右逆向きの略J字状に形成されている。このパッド中央上部62は、シートバックフレーム14のアッパフレーム28にシートバック上方側から係止されている。パッド中央下部64の縦断面形状は、左右逆向きの略J字状に形成されている。また、パッド中央下部64は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状をしている。このパッド中央下部64は、サイドフレーム26の下端部同士をシート幅方向に連結するコネクティングロッド68にシートバック下方側から係止されている。なお、コネクティングロッド68は、シートバックフレーム14のロアフレーム30の前方側に平行に配置されている。
また、図3に示されるように、パッドサイド部66の横断面形状は、略C字状に形成されている。このパッドサイド部66は、下側連結固定部50が装着された状態のサイドフレーム26に巻き付けられるようにして装着されている。なお、パッドサイド部66は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状を成しており、かつパッド中央上部62及びパッド中央下部64よりも車両前方側へ膨出されて乗員に対するサイドサポート性を確保する形状になっている。
図4に戻り、上述したシートバックボード16は、縦断面視で、パッド中央上部62の背面側下端部62Aからパッド中央下部64の背面側上端部64Aに亘って配設されている。正確には、パッド中央下部64の背面側上端部64Aは背面側下端部62Aよりも薄く形成されており、その薄くなった部分にバックボード部36の下端部が前後に重ねて配置されている。
また、上述したパッド中央上部62とパッド中央下部64との間には、カバー吊り込み用の貫通溝としての横方向スリット70が形成されている。さらに、パッド中央上部62、パッド中央下部64とパッドサイド部66との間には、左右一対のカバー吊り込み用の貫通溝としての縦方向スリット72がそれぞれ形成されている。横方向スリット70及び縦方向スリット72のスリット幅は、後述する縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が挿通可能な長さに設定されている。また、これらの横方向スリット70及び縦方向スリット72はいずれも直線状に形成されており、シートバックパッド18をその厚さ方向(車両前後方向でもある)に貫通している。
<カバー20の構成>
図1に示されるように、カバー20は、シートバックパッド18を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。また、カバー20は、上記シートバックパッド18の分割構成に合わせてカバー中央上部74、カバー中央下部76、左右一対のカバーサイド部78を備えている。
<カバー20の取付構造>
次に、カバー20を取り付けるための縦方向取付部材22、横方向取付部材24、縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60及び外周係止部80の構成について説明する。
図1、図3及び図5に示されるように、縦方向取付部材22は、帯状に形成された取付部材本体22Aと、取付部材本体22Aの一方の側縁に設けられると共に略楔状に形成された樹脂製の係合部22Bと、によって構成されている。取付部材本体22Aはカバー20と同じ柔軟な部材で構成されており、その全長は上側バックバネ本体部54に形成された後述する縦向き樹脂爪部58と一又は二以上の下側バックバネ本体部48に形成された後述する縦向き樹脂爪部58とに架け渡すことが可能な長さに設定されている。取付部本体22Aの他方の側縁は、係合部22Bの中心部にインサート成形により埋設されている。これにより、取付部材本体22Aと係合部22Bとが一体化されている。上記取付部材本体22Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76とカバーサイド部78とに縫製により予め取り付けられている(図3参照)。なお、図1では縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)をカバー20から分離して描いているが、縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)は、カバー20の裏面側に予め取り付けられている。
上述した縦方向取付部材22は、シートバックパッド18の縦方向スリット70を挿通した後、バックバネ部38の縦向き樹脂爪部58に弾性的に係合されている。縦向き樹脂爪部58は、上段と中段の下側バックバネ本体部48の長手方向の両端部48B並びに上側バックバネ本体部54の長手方向の両端部54Bに一体に形成されている。
図2に図示された合計6個の縦向き樹脂爪部58は基本的に同一構成であるので、代表して上段の下側バックバネ本体部48に形成された縦向き樹脂爪部58(図2の3−3線上に配置された樹脂爪部58)について説明することにする。左右一対の縦向き樹脂爪部58は、下側バックバネ本体部48において樹脂製のバネを構成する波状部分48Aのシート幅方向の両外側に配置されている。また、縦向き樹脂爪部58は、シートバック高さ方向を長手方向とする細長い突起状に形成されている。構造的には、縦向き樹脂爪部58は、下側バックバネ本体部48の前面からシート前方側へ突出されかつ互いに接近及び離間する方向へ弾性変形可能とされ、更に先端部に爪が形成された左右一対の脚部58Aと、これらの脚部58Aの間に形成されて前述した縦方向取付部材22の係合部22Bが嵌合可能な大きさの凹溝58Bと、によって構成されている。凹溝58Bは、縦向き樹脂爪部58の上端部から下端部まで連続して形成されている。
そして、縦方向取付部材22の係合部22Bを上から順に又は下から順にバックバネ部38の縦向き樹脂爪部58に順次弾性的に係合させていくことにより、カバー中央上部74、カバー中央下部76とカバーサイド部78との境界部分がシートバックボード16側へ引込まれて係止される構成である。
図1及び図4(特にはB部拡大図)に示されるように、横方向取付部材24はシート幅方向を長手方向として配置されている点でシートバック高さ方向を長手方向として配置された縦方向取付部材22と異なるが、それ以外の構成は縦方向取付部材22と同様に構成されている。すなわち、横方向取付部材24も、縦方向取付部材22と同様に帯状に形成された取付部材本体24Aと、取付部材本体24Aの一方の側縁に設けられると共に略楔状に形成された樹脂製の係合部24Bと、によって構成されている。また、取付部材本体24Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76に縫製により予め取り付けられている。一方、横向き樹脂爪部60は、縦向き樹脂爪部58と同様に上下一対の脚部60Aと、これらの脚部60A間に形成された凹溝60Bと、によって構成されている。
そして、図4に示されるように、横方向取付部材24をシートバックパッド18の横方向スリット70内へ挿通させた後、係合部24Bをバックバネ部38の横向き樹脂爪部60に順次弾性的に係合させていくことにより、カバー中央上部74とカバー中央下部76との境界部分がシートバックボード16側へ引込まれて係止される構成である。つまり、横方向取付部材24と縦方向取付部材22とでは、カバー20の引込み方向が90度異なっている。
さらに、図3及び図4(特にはA部拡大図)に示されるように、カバー20の外周部の適宜位置には、先端部が鏃(やじり)形状とされた外周係止部80が縫製等により取り付けられている。詳細には、外周係止部80は、取付部材本体24Aが固定される基部80Aと、この基部80Aの先端部に一体形成された鏃形状の引っ掛かり部80Bと、基部80Aの基端部側に形成されて基部80Aに対して直交する方向へ延出された頭部80Cと、によって構成されている。係止部80は、その引っ掛かり部80Bがバックボード部36の係止部42内へ深く挿入され、かつカバーサイド部78から引張力を受けて頭部80Cが引っ張られると、頭部80Cが係止部42の内壁に反力をとって引っ掛かり部80Bが容易に係止部42から抜け落ちることがないようになっている。なお、外周係止部80を係止部42から引抜けば、外周係止部80を係止部42から取外すことができる。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
上記構成の車両用シート10では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したシートバックボード16を備えている。そして、このシートバックボード16を金属製のシートバックフレーム14に車両前方側から嵌合させる。具体的には、左右の下側連結固定部50にあっては、左右のサイドフレーム26に車両前方側から嵌合され、この状態でサイドフレーム26にシート幅方向外側から固定される。また、左右の上側連結固定部56にあっては、左右のサイドフレーム26の内側に車両前方側から挿入された後、左右の後壁部26Cに車両前方側から固定される。その後、シートバックパッド18がシートバックフレーム14に車両前方側から装着され、更にカバー20がシートバックパッド18に被せられる。カバー20には予め縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が縫製により予め固定されており、カバー20をシートバックパッド18に被せながら縦方向取付部材22、横方向取付部材24を対応する縦方向スリット72及び横方向スリット70に挿入して縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60にそれぞれ係止させる。さらに、カバー20の外周係止部80をバックボード部36の係止部42に係止させていく。
上記の如くして組み立てられたシートバック12はシートクッション11及び図示しないヘッドレストが取り付けられて車両用シート10とされる。乗員が車両用シート10に着座すると、カバー20及びシートバックパッド18を介してバックバネ部38にシートバック後方側への荷重(図3に矢印Fでこれを現す)が入力される。このため、下側バックバネ本体部48及び上側バックバネ本体部54が荷重作用方向であるシートバック後方側へ撓み変形する(図3の二点鎖線参照)。また、このときの荷重は下側連結固定部50及び上側連結固定部56より左右のサイドフレーム26に伝達されるため、サイドフレーム26から車両前方側への反力(図3に矢印fでこれを現す)が発生する。
このように乗員からバックバネ部38に荷重が入力されると、自身は撓み変形してシートバック12のクッション性の確保に寄与し、荷重そのものは左右のサイドフレーム26に伝達して左右のサイドフレーム26で支持する。その結果、シートバック12のクッション性能が充分に確保される。また、バックバネ部38は樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられているので、バックバネ部38を金属製のシートバックスプリングで構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数が削減される。その結果、本実施形態によれば、シートバック12のクッション性能を充分に確保することができ、しかも更なる軽量化及び低コスト化を図ることができる。
ここで、本実施形態では、カバー20の裏面側に縦方向取付部材22及び横方向取付部材24を取付けると共に、シートバックパッド18に縦方向スリット72、横方向スリット70を形成し、更にシートバックボード16のバックバネ部38の前面に縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60を形成した。このため、縦方向取付部材22及び横方向取付部材24の係合部22B、24Bを縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60の脚部58A、60Aに係合させることにより、カバー20をシートバックパッド18の前面側から取り付けることができる。なお、係合部22B、24Bを脚部58A、60Aに係合させた状態では、カバー20がシートバックパッド18の前面に密着される。このように本実施形態では、従来のホグリングを使ったカバーの取付構造を廃止できるので、シートバックフレーム側ワイヤ、シートバックパッド側ワイヤ及びホグリング等の部品を廃止することができる。
また、カバー20の装着後、乗員が繰り返し乗降することにより、或いは着座後の乗員の姿勢変化が繰り返されることにより、カバー20がシートバックパッド18に対してずれることがある。しかし、本実施形態では、バックバネ部38の前面に縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60が設けられており、カバー20の裏面に設けられた縦方向取付部材22及び横方向取付部材24の係合部22B、24Bは、縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60の脚部58A、60Aに係合される。このため、カバー20をシートバックパッド18の前面にしっかりと固定することができる。従って、カバー20がシートバックパッド18に対して非常にずれ難い。
上記より、本実施形態によれば、その結果、本実施形態によれば、カバー取付構造の観点から部品点数の削減を図りかつ装着したカバー20がずれることを抑制又は防止することができる。
また、縦方向取付部材22、横方向取付部材24の係合部22B、24Bを縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60に係合させるには、シートバックパッド18に形成された縦方向スリット72、横方向スリット70内へ縦方向取付部材22、横方向取付部材24の係合部22B、24Bを挿通させればよい。縦方向スリット72、横方向スリット70はシートバックパッド18において縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60とシート前後方向に対向する位置に設けられているため、縦方向取付部材22、横方向取付部材24の係合部22B、24Bが縦方向スリット72、横方向スリット70を貫通すると、直ちに縦方向取付部材22及び横方向取付部材24の係合部22B、24Bを縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60に係合させることができる。また、縦方向取付部材22及び横方向取付部材24の係合部22B、24Bと縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60との距離が略最短距離になるので、縦方向取付部材22及び横方向取付部材24の係合部22B、24Bのシート前後方向に沿った長さを短くできる。その結果、本実施形態によれば、カバー20の組付作業性を向上させることができると共に車両用シート10の重量及びコストの増加を抑制することができる。
さらに、縦向き樹脂爪部58は少なくともバックバネ部38のシート幅方向の両外側に設けられているので、カバー20をバックバネ部38に取り付けやすい。このため、カバー20の取付作業性を向上させることができる。
また、縦向き樹脂爪部58が波状部分48A、54Aよりシート幅方向外側に設けられているので、縦方向取付部材22の係合部22Bと縦向き樹脂爪部58との係合状態(カバー20の固定状態)が波状部分48A、54Aの伸びによる影響を受け難い。このため、シートバックスプリングとしての機能は波状部分48A、54Aで担保し、カバー20を固定する機能は縦方向取付部材22と縦向き樹脂爪部58とで担保することができる。その結果、本実施形態によれば、バックバネ部38においてカバー20の安定した固定と充分な撓みの確保の両立を図ることができる。
さらに、上側バックバネ本体部54にあっては、撓み部としての波状部分54Aが上側バックバネ本体部54のシート幅方向両側(二箇所)に設けられているが、縦向き樹脂爪部58は当該波状部分54Aの更にシート幅方向の両外側に配置されているので、このような態様においても、前記効果(即ち、バックバネ部38においてカバー20の安定した固定と充分な撓みの確保の両立を図ること)が得られる。
加えて、下側バックバネ部44が左右一対のサイドフレーム26に車両前方側から架け渡されているので、縦方向取付部材22の係合部22Bを縦向き樹脂爪部58に係合させる際に、下側バックバネ部44がサイドフレーム26の前壁部26Bに支持される。このため、下側バックバネ部44のシートバック後方側への変位が抑制される。この変位(即ち、下側バックバネ部44の撓み変形)があまり大きくなると、縦方向取付部材22の係合部22Bを縦向き樹脂爪部58に係合させる作業がやり難くなる。しかし、本実施形態によれば、下側バックバネ部44のシートバック後方側への変位が抑制されるので、縦方向取付部材22の係合部22Bを縦向き樹脂爪部58に係合させる作業をやり易い。その結果、本実施形態によれば、カバー20の組付作業性を向上させることができる。
また、縦向き樹脂爪部58がシートバックパッド18の縦方向スリット72内へ挿入されると、シートバックパッド18のシート幅方向への移動が規制される。これにより、シートバックパッド18のシート幅方向に対する位置決めが短時間でなされる。よって、本実施形態によれば、シートバックパッド18の組付作業性を向上させることができる。加えて、縦向き樹脂爪部58がシートバックパッド18の縦方向スリット72内へ挿入されると、その分、シートバック12の厚さが薄くなるので、シートバック12の薄型化を図ることができる。なお、このことは、横方向樹脂爪部60及び横方向スリット70についても同様に当てはまる。
さらに、上側バックバネ部46では、シート幅方向の両外側に波状部分48Aが設けられており、「被係合部」は当該波状部分48Aのシート幅方向の両外側の他に左右の波状部分48A間にも横向き樹脂爪部60として設けられている。このため、カバー20をより多くの取付点でシートバックボード16に取り付けることが可能になる。従って、本実施形態によれば、カバー20をシートバックパッド18により密着させることができる。
また、縦向き樹脂爪部58と横向き樹脂爪部60とでカバー20の引込み方向が略90度異なるため、カバー20が上下左右に引っ張られ、カバー20をより広範囲に引き込んで固定することができる。このため、カバー20に皺ができ難い。
さらに、縦方向取付部材22及び縦向き樹脂爪部58はシートバック高さ方向が長手方向となるようにそれぞれ長尺状に形成されているため、縦方向取付部材22の係合部22Bを縦向き樹脂爪部58に係合させると、カバー20を(直)線状に引込むことができる。その結果、ホグリングを使って所定の間隔で「点」で吊り込む構造に比べて、カバー20を効率良くかつ精度良く引込むことができる。なお、このことは、横方向取付部材24及び横向き樹脂爪部60についても同様に当てはまる。
〔第2実施形態〕
次に、図6及び図7を用いて、本発明に係る車両用シートの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図6及び図7に示されるように、この第2実施形態では、前述した第1実施形態で説明した縦向き樹脂爪部58と横向き樹脂爪部60を形成する対象部材の構造及び形状が若干異なっている。まず、サイドフレーム104の平断面形状が前述した第1実施形態のサイドフレーム26の平断面形状と若干異なっている。具体的には、平断面視で側壁部が前後方向中間部でシート幅方向外側に屈曲された前部側壁部104A及び後部側壁部104Bと、前部側壁部104Aの前端部からシート幅方向中央側へ屈曲された前壁部104Cと、後部側壁部104Bの後端部からシート幅方向中央側へ屈曲された後壁部104Dと、によって構成されている。
また、図6に示されるように、この第2実施形態では、シートバックボード100の下側バックバネ本体部107と上側バックバネ本体部54とが左右一対の連結固定部108によって一体に連結されている。従って、バックバネ部106は、複数の下側バックバネ本体部107と単一の上側バックバネ本体部54と左右一対の連結固定部108と、によって構成されている。また、連結固定部108の平断面形状は、サイドフレーム104の平断面形状に適合するように内側側壁108Aと外側側壁108Bと両者の前端同士をシート幅方向に繋ぐ前壁108Cとの3枚の壁によって構成されている。内側側壁108Aは、シート幅方向外側へ開く傾斜壁として構成されている。また、前壁108Cはサイドフレーム104の前壁部104Cに面接触状態で当接されており、外側側壁108Bはサイドフレーム104の前部側壁部104Aに面接触状態で当接されている。なお、外側側壁108Bがサイドフレーム104に図示しない固定手段によって固定されている。さらに、下側バックバネ本体部107の波状部分107Aは、下側バックバネ本体部107の長手方向の全域に形成されているのではなく、シート幅方向の両外側(下側バックバネ本体部107の長手方向の複数箇所であり、図5及び図6に示される実施形態では、左右二箇所)に部分的に形成されている。
上記構成のシートバックボード100における上段及び中段の下側バックバネ本体部107と上側バックバネ本体部54とに、第1実施形態と同様の配列及び構成で縦向き樹脂爪部58と横向き樹脂爪部60が形成されている。
(作用・効果)
上記構成によっても、カバー20の取付構造に関する構成は前述した第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同様の作用並びに効果が得られる。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した実施形態では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したが、これに限らず、樹脂製のバックボード部に樹脂製のバックバネ部を一体的に設けてもよい。すなわち、バックボード部とバックバネ部とを別々に製作してから両者を溶着等により一体化するようにしてもよい。さらに、バックバネ部を構成するバックバネ本体部と連結固定部とを別部品として製作してから溶着等により一体化するようにしてもよい。更に補足すると、上述した実施形態、例えば第1実施形態では、下側連結固定部50を下側バックバネ部44(バックバネ部38)側の構成要素として説明したが、下側連結固定部50を下側バックボード部44側の構成要素と捉えても、そのように解釈すること自体は一向に差し支えない。なぜなら、シートバックボードの完成品の状態では、連結固定部という構成要素をバックバネ部側に含めるか、それともバックボード部側に含めるかは、区分けをどのようにするかの問題に過ぎないからである。第2実施形態の連結固定部108の解釈についても同様である。
10 車両用シート
12 シートバック
14 シートバックフレーム
16 樹脂バネ一体バックボード
18 シートバックパッド
20 カバー
22 縦方向取付部材(係合部)
24 横方向取付部材(係合部)
26 サイドフレーム
36 バックボード部
38 バックバネ部
48 下側バックバネ本体部(バネ本体部)
48A 波状部分(撓み部)
58 縦向き樹脂爪部(被係合部)
60 横向き樹脂爪部(被係合部)
70 横方向スリット(貫通溝)
72 縦方向スリット(貫通溝)
100 樹脂バネ一体バックボード
104 サイドフレーム

Claims (10)

  1. 左右一対のサイドフレームを備え、シートバックの骨格部材を構成するシートバックフレームと、
    前記シートバックフレームの前面側に配置され、シートバックのクッション部材を構成するシートバックパッドと、
    前記左右一対のサイドフレーム間に配置されると共に前記シートバックパッドの背面側に配置され、シートバックパッドを介してシートバック後方側への荷重が作用することにより当該シートバック後方側へ撓み変形する樹脂製のバックバネ部と、
    前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、
    前記バックバネ部の前面に設けられた被係合部と、前記カバーの裏面に設けられると共に前記シートバックパッドの前面側から当該被係合部に係合される係合部と、を備えたカバー固定手段と、
    を有する車両用シート。
  2. 前記シートバックパッドにおいて前記被係合部とシート前後方向に対向する位置には、シートバックパッドを厚さ方向に貫通しかつ前記係合部が挿通可能な貫通溝が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  3. 前記被係合部は、少なくとも前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用シート。
  4. 前記バックバネ部は、前記シートバック後方側への荷重が作用することにより伸長する撓み部を有しており、
    前記被係合部は、当該撓み部よりシート幅方向外側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用シート。
  5. 前記バックバネ部は、前記左右一対のサイドフレームに車両前方側から架け渡されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の車両用シート。
  6. 前記撓み部は、前記バックバネ部の長手方向の複数個所に設けられており、
    前記被係合部は、シート幅方向の最外側に配置された一対の当該撓み部の更にシート幅方向の両外側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載の車両用シート。
  7. 前記被係合部は、前記シートバックパッドのシート幅方向への移動が規制されるように前記貫通溝内へ挿入されている、
    ことを 特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用シート。
  8. 前記撓み部は、前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられており、
    前記被係合部は、当該バックバネ部の当該撓み部間にも設けられている、
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の車両用シート。
  9. 前記バックバネ部のシート幅方向の両外側に設けられた外側被係合部と前記バックバネ部の当該外側被係合部間に設けられた内側被係合部とでは、前記カバーを引込む引込み方向が異なっている、
    ことを特徴とする請求項8記載の車両用シート。
  10. 前記係合部及び前記被係合部は、シートバック高さ方向が長手方向となるようにそれぞれ長尺状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか1項に記載の車両用シート。
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