JP2014008841A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右一対のサイドフレームを備えたシートバックフレームと、サイドフレームの間に設けられ、乗員の荷重を受ける支持部材と、を備えた車両用シートである。支持部材の少なくとも一部は、サイドフレームの後端部23の後側に、後端部23に対向して配置される。
【選択図】図3
Description
特許文献1では、シートバックフレームに囲まれた開口を埋めるように、シートバックフレームに略板状のシートバックボードが固定され、このシートバックボードの上方及び下方に、上側バックバネ部と下側バックバネ部とが一体に形成されている。上側バックバネ部、下側バックバネ部は、平断面形状が波状の部材から形成され、シート幅方向の両端部が、シートバックボードを介してサイドフレームに固定されることにより、乗員の背部の上方及び下方を、背後からそれぞれ支持可能に構成されている。
また、車両用シートの左右方向又は前後方向に大型化することがなく、組み付け性がよく、シート幅方向の端部に設けられた取付部に掛かる荷重を抑制でき、安定した支持が可能な支持部材の開発が望まれていた。
本発明の他の目的は、車両用シートの左右方向又は前後方向に大型化することがなく、組み付け性がよく、シート幅方向の端部に設けられた取付部に掛かる荷重を抑制でき、安定した支持が可能な支持部材を備えた車両用シートを提供することにある。
このように構成しているため、後面衝突時など、シートバックにシート後方向の大きな荷重が入力されるときに、サイドフレームにより支持部材の後方への撓み量が規制されることがなく、乗員の後方への移動量を確保できる。
サイドフレームが孔部を備えない場合には、支持部材の撓み時にサイドフレームの後端部によって規制されることを防ぐために、支持部材の両端部側をサイドフレームのシート外側に設ける必要が生じるが、請求項2では、支持部材が挿通される孔部を備え、支持部材の端部側が、サイドフレームのシート内側の面に取付けられるため、支持部材が車両用シートの左右方向又は前後方向に大型化することを抑制できる。
このように構成しているため、屈曲部が孔部と干渉することがなく、組み付け性を向上できる。
このように構成しているため、サイドフレームの外側に孔部を設けた場合と比較して、支持部材の全長を短くすることが可能となり、支持部材の大型化を抑制できる。
このように、シート内側に形成された内端フランジ部を避けて、内端フランジ部よりもシート外側に孔部を設けているため、支持部材の撓み量を十分確保できる。
このように構成しているため、通常着座時など、入力される荷重が小さいときに、支持部材の端部側の取付部にかかる荷重を、サイドフレームの後側フランジ部の孔部の周辺で支持できるため、取付部に係る荷重を抑制できる。
このように構成しているため、支持部材の撓み量を、肉薄の後側配置部により確保しつつ、肉厚の前側配置部により、安定した支持が可能となる。
このように構成しているため、サイドフレームの側部で、支持部材を支持可能となる。
請求項4の発明によれば、サイドフレームの外側に孔部を設けた場合と比較して、支持部材の全長が短くなり、支持部材の大型化を抑制できる。
請求項6の発明によれば、通常着座時など、入力される荷重が小さいときに、支持部材の端部側の取付部にかかる荷重を、サイドフレームの後側フランジ部の孔部の周辺で支持できるため、取付部に係る荷重を抑制できる。
請求項8の発明によれば、サイドフレームの側部で、支持部材を支持可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用シートの外観図である。図2は、本発明の一実施形態に係る車両用シートのシートバックフレームに胸部樹脂バネ及び腰部樹脂バネを取付けた状態を示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る胸部樹脂バネをサイドフレームに取付けた状態を示す説明図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る胸部樹脂バネを、変形例に係るサイドフレームに取付けた状態を示す断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係る腰部樹脂バネをサイドフレームに取付けた状態を示す説明図である。図7は、図6のB−B断面図である。図8は、乗員の着座時に、胸部樹脂バネ及び腰部樹脂バネのバネ部が乗員の胸部及び腰部を背部から支持する位置を示す説明図である。図9は、胸部樹脂バネ及び腰部樹脂バネのバネ部の説明図である。図10は、胸部樹脂バネの変形例を示す説明図である。図11は、胸部樹脂バネの他の変形例を示す説明図である。図12は、胸部樹脂バネの更に他の変形例を示す説明図である。図13は、乗員の腰方形筋及び仙骨の位置を示す説明図である。図14は、本発明の一実施形態に係る胸部樹脂バネの撓み量を、従来例に係る支持部材と対比した例を示す説明図である。
上部フレーム11には、ヘッドレストピラー14を支持するためのピラー支持部13が設けられている。
シートバックS1内部には、後側フランジ部23の後側であって、後側フランジ部23に対向する位置に、空間が形成されており、胸部樹脂バネ30と腰部樹脂バネ40が、この空間内で、シート後方へ移動可能になっている。
孔部25は、図3,図4に示すように、後側フランジ部23のシート幅方向中央よりもシート外側の位置に、後側フランジ部23のシート幅方向の両端辺に沿って上下方向にスリット状に延びている。
また、孔部25は、側部21に設けてもよい。側部21に孔部25を設けた場合には、胸部樹脂バネ30のバネ部31の全長が長くなるため、撓み量が確保される。また、図5に示すように、後側フランジ部23のシート幅方向の中央付近に設けられていてもよい。
バネ部31は、図8に示すように、バネ部31のシート幅方向中心に設けられ、乗員の第9胸椎52を支持する第9胸椎支持部32と、第9胸椎支持部32の左右に設けられ、乗員の左右の肩甲骨53を支持する一対の肩甲骨支持部33と、を備えている。
第9胸椎支持部32は、上端32uが、取付部34の上端34uよりも下方にあり、下端32lが、取付部34の下端34lよりもシート下方にあって、第9胸椎支持部32の下端32lの左右端と取付部34の下端34lとの間は、下端32lからシート上方に向かって外側に傾斜した傾斜辺で連結されている。なお、下端34lは、胸部樹脂バネ30の下端を形成している。
肩甲骨支持部33は、下端33lが、取付部34の下端34lよりもシート上方にあり、上端33uが、取付部34の上端34uよりもシート上方にあって、肩甲骨支持部33の上端33uの左右端と取付部34の上端34u及び第9胸椎支持部32の上端32uとの間は、上端33uからシート下方に向かって肩甲骨支持部33の外側に傾斜した傾斜辺で連結されている。
なお、例えば、肩甲骨支持部33の上端33uのシート内側の端部と胸部樹脂バネ30の上端30uとの間を、上端33uからシート下方に向かって肩甲骨支持部33の内側に傾斜した傾斜辺で連結するなどにより、逆に、第9胸椎支持部32のシート幅方向の長さL2を、一対の肩甲骨支持部33間のシート幅方向の距離L1よりも大きく形成してもよい。このように構成すると、肩甲骨支持部33の剛性を確保することができる。
取付部34は、肩甲骨支持部33の中心33cよりもシート下方で、第9胸椎支持部32の中心32cよりもシート上方の範囲に収まるように設けられている。ここで、肩甲骨支持部33の中心33cは、肩甲骨支持部33のシート上下方向及び幅方向における中心であり、第9胸椎支持部32の中心32cは、第9胸椎支持部32のシート上下方向及び幅方向における中心である。
第9胸椎支持部32の上端32uは、肩甲骨支持部33の中心33cよりもシート下方に位置している。
肩甲骨支持部33の下端33lは、第9胸椎支持部32の中心32cよりもシート上方に位置している。
バネ部31は、取付時に、一対の孔部25に挟まれる部分であり、特許請求の範囲の後側配置部に該当する。
胸部樹脂バネ30は、後面衝突時以外の平常時に、シートバックフレーム1により構成される面に沿うように配置され、乗員の肩甲骨53と第9胸椎52を支持可能である。
取付部34に屈曲部34bが設けられていることにより、取付剛性が向上する。また、屈曲部34bがサイドフレームの屈曲部23cの内面と当接して支持され、支持剛性が向上される。
胸部樹脂バネ30をサイドフレーム20に取り付ける場合には、まず、取付部34を、孔部25に挿入する。一対の係止片34cは、樹脂の弾性により、口を開くように、相互に離れる方向に変形するため、係止片34cを、サイドフレーム20に沿ってシート後方側から係止部26に押し当て、係止部26に押し込むことにより、係止させる。
また、本実施形態では、サイドフレーム20に、胸部樹脂バネ30を取付けるための孔部25と係止部26を設けているが、孔部25と係止部26を設ける代わりに、サイドフレーム20の後側フランジ部23の背面に、胸部樹脂バネ30の端部を取付けるためのリテーナを設けてもよい。
バネ部71は、乗員の一対の肩甲骨53に相当する位置と第9胸椎52に相当する位置を含む略帯状の波板体からなり、シート幅方向の中央でバネ部71のシート上方端部よりも若干下がった位置に、孔部75が形成されている。孔部75は、第9胸椎52に相当する位置よりもシート上方で、バネ部71で支持する必要のない位置に設けられており、孔部75を設けることにより、バネ部71の軽量化が図られている。
バネ部71のシート幅方向中央は、シート下方に向かって突出しており、孔部75のシート下方の部分が、第9胸椎支持部72を形成している。第9胸椎支持部72のシート幅方向両側の部分は、一対の肩甲骨支持部73を形成している。
孔部75のシート上端と、バネ部71のシート上端との間は、一対の肩甲骨支持部73を相互に連結する連結部を構成している。
バネ部81は、乗員の一対の肩甲骨53に相当する位置と第9胸椎52に相当する位置を含む略帯状の波板体からなり、シート幅方向の中央の上端が、コの字型に切欠かれた形状となっている。このように、第9胸椎52に相当する位置よりもシート上方で、バネ部81で支持する必要のない位置が切欠かれた形状になっているため、バネ部81の軽量化が図られている。
バネ部81のシート幅方向中央で、シート上方が切欠かれた形状になっている部分のシート下側の部分は、第9胸椎支持部82を形成しており、第9胸椎支持部82のシート幅方向両側の部分は、一対の肩甲骨支持部83を形成している。
バネ部91は、乗員の一対の肩甲骨53に相当する位置と第9胸椎52に相当する位置を含む略楕円状の波板体からなる。
シート幅方向の中央でバネ部91のシート上方端部よりも若干下がった位置に、孔部95が形成されている。バネ部91のシート幅方向中央は、シート下方に向かって突出しており、孔部95のシート下方の部分が、第9胸椎支持部92を形成している。
孔部95,96は、バネ部91で支持する必要のない位置に設けられており、孔部95,96を設けることにより、バネ部91の軽量化が図られている。
孔部95のシート上端と、バネ部91のシート上端との間は、一対の肩甲骨支持部93を相互に連結する連結部を構成している。また、孔部96のシート下端とバネ部91のシート下端との間は、バネ部91の胸部を支持する胸部支持部のシート下端の左右端と、第9胸椎支持部92とを連結する連結部を構成している。
バネ部41は、図8に示すように、バネ部41のシート幅方向中心に設けられ、乗員の仙骨62を支持する仙骨支持部42と、仙骨支持部42の左右に設けられ、乗員の左右の腰方形筋63を支持する一対の腰方形筋支持部43と、を備えている。
これらのスリット45,46は、シート上下方向の長さが、取付部44のシート上下方向の幅よりも大きく形成されており、一層の軽量化ができる。
バネ部41の構成は、波板状でなく板状からなる点と、スリット45,46を備える点を除いては、図8に示すように、バネ部31の構成と同様であるため、説明を省略する。なお、バネ部41は、波板状の板体から構成してもよい。
取付部44の内端フランジ部当接部44aから側部当接部44dに至る領域は、サイドフレーム20の内端フランジ部24から側部21に至る領域の内面に当接しているので、取付剛性が向上する。
腰部樹脂バネ40は、後面衝突時以外の平常時に、シートバックフレーム1により構成される面に沿うように配置され、乗員の腰方形筋63から腸骨を経て仙骨62に至るまでの部分を支持可能である。
腰部樹脂バネ40は、板状体から形成されることにより、胸部樹脂バネ30よりも撓み量が小さくなっている。
従来の車両用シートでは、図14のように、受圧部材130の両端部が、サイドフレーム20の後側フランジ部23の前面側に取付けられている。
後面衝突時には、乗員を、車両用シートSに押し付ける方向の力が掛かり、受圧部材130が撓んで乗員は、車両用シートSの後方に向かって進入する。受圧部材130は、後方に向かって撓むときに、図14に示すように、サイドフレーム20の内端フランジ部24に当接するため、後側フランジ部23及び内端フランジ部24が障害となって、十分な撓み量が確保されない。
GL 直線
L1 距離
L2 長さ
S 車両用シート
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
1 シートバックフレーム
1a,2a クッションパッド
1b,2b 表皮材
3a パッド材
3b 表皮材
11 上部フレーム
12 下部フレーム
13 ピラー支持部
14 ヘッドレストピラー
20 サイドフレーム
21 側部
22 前側フランジ部
23 後側フランジ部
23c 屈曲部
24 内端フランジ部
25,75,95,96 孔部
26,27 係止部
26a 湾曲部
26b 孔
30,70,80,90 胸部樹脂バネ
31,41,71,81,91 バネ部
31´,41´ 位置
32,72,82,92 第9胸椎支持部
32c,33c 中心
30u,32u,33u,34u,40u,42u,43u,44u 上端
32l,33l,34l,42l,43l,44l 下端
33,73,83,93 肩甲骨支持部
34,44 取付部
34a 挿通部
34b,44c 屈曲部
34c,44e 係止片
40 腰部樹脂バネ
42 仙骨支持部
43 腰方形筋支持部
44a 内端フランジ部当接部
44b 後側フランジ部当接部
44d 側部当接部
45,46 スリット
52 第9胸椎
53 肩甲骨
62 仙骨
63 腰方形筋
130 受圧部材
Claims (8)
- 左右一対のサイドフレームを備えたシートバックフレームと、前記サイドフレームの間に設けられ、乗員の荷重を受ける支持部材と、を備えた車両用シートであって、
前記支持部材の少なくとも一部は、前記サイドフレームの後端部の後側に、前記後端部に対向して配置されることを特徴とする車両用シート。 - 前記サイドフレームは、前記支持部材が挿通される孔部を備え、
前記支持部材の端部側は、前記サイドフレームのシート内側の面に取付けられることを特徴とする請求項1記載の車両用シート。 - 前記支持部材は、前記サイドフレームのシート内側の面に形成されたサイドフレーム屈曲部に当接する屈曲部を備え、該屈曲部は、前記サイドフレームへの取付け時に、前記孔部を避けた位置に配置されるように設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用シート。
- 前記サイドフレームは、シート前後方向に延出する板状の側部と、該側部のシート後端がシート内側に向かって曲げられた後側フランジ部と、を備え、
前記孔部は、前記後側フランジ部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の車両用シート。 - 前記サイドフレームは、前記後側フランジ部のシート内側端部に、シート内側前方に向かって曲げられた内端フランジ部を備え、
前記孔部は、前記内端フランジ部よりもシート外側に設けられることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の車両用シート。 - 前記孔部は、前記後側フランジ部のシート外側の端部よりも内側に設けられることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の車両用シート。
- 前記支持部材のうち、前記後側フランジ部を含む平面よりもシート前側に配置される前側配置部は、前記平面よりもシート後側に配置される後側配置部よりも、肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の車両用シート。
- 前記支持部材の端部側は、前記サイドフレームの前記側部に沿って前方に延出していることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の車両用シート。
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