JP2012071491A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バリア層、接着層、シーラント層がこの順に積層されてなり、前記接着層が、酸変性オレフィンエラストマーを含有することを特徴とする積層体。バリア層の上に、酸変性オレフィンエラストマーを含有する接着層を形成し、次いで前記接着層を介して、溶融したシーラント樹脂を押出ラミネーションによって積層することを特徴とする積層体の製造方法。
【選択図】なし
Description
(1)バリア層、接着層、シーラント層がこの順に積層されてなり、前記接着層が、酸変性オレフィンエラストマーを含有することを特徴とする積層体。
(2)酸変性オレフィンエラストマーを構成するオレフィンエラストマーが、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー、プロピレン・α−オレフィン共重合体エラストマーのうち少なくとも一つを含有することを特徴とする(1)に記載の積層体。
(3)接着層の量が、0.001〜5g/m2の範囲であることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層体。
(4)バリア層がアルミニウムを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)シーラント層がポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体。
(6)ポリオレフィン樹脂がポリプロピレンであることを特徴とする(5)に記載の積層体。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体を製造するときに、バリア層の上に、酸変性オレフィンエラストマーを含有する接着層を形成し、次いで前記接着層を介して、溶融したシーラント樹脂を押出ラミネーションによって積層することを特徴とする積層体の製造方法。
酸変性オレフィンエラストマーにおける、酸成分を有するオレフィンエラストマーの主成分であるオレフィンエラストマーとは、分子内に、少なくとも一つのオレフィン系エラストマー重合体部からなるソフトセグメントと、少なくとも一つのオレフィン系エラストマー重合体部からなるハードセグメントとを有するブロック共重合体である。
オレフィン系エラストマー重合体部からなるソフトセグメントとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα―オレフィンランダム重合体部、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物(ジオレフィン)の重合体部あるいはその水素添加物があり、ハードセグメントとしては、通常エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα−オレフィン重合体部で結晶性を有するもの、ポリスチレン重合体部などのガラス転移点が常温以上の重合体部、ブタジエン共重合体部の水素添加物で結晶性を有するものなどがある。
ブロック共重合体の成分としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体で代表されるエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィンの単独または2種類以上の共重合体であるオレフィンエラストマーが挙げられる。また、ノルボルネン系共重合体、単環の環状ポリオレフィン系重合体、環状共役ジエン系共重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体およびこれらの水素添加物などの脂環式構造含有重合体も用いることができる。
不飽和カルボン酸成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。これらの酸成分はポリオレフィン樹脂中に2種類以上含まれていてもよい。
また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
これらの酸変性オレフィンエラストマー以外の成分は、接着層の効果を損ねない範囲であることが好ましく、その量は接着層全体の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。上記樹脂成分を添加することにより、バリア層との接着性の向上が期待できる。
中でも、接着層の厚みを薄く均一に制御しやすい点から、酸変性オレフィンエラストマーを有機溶媒に溶解または水性媒体に分散させたものを接着剤とし、これをバリア層に塗布して媒体を乾燥させる方法が好ましい。この方法を使用する場合には、バリア層に接着剤を塗布、乾燥して接着層を形成し、次いでインラインでシーラント樹脂を溶融押出しし、後に冷却固化することによってシーラント層を積層する方法(押出ラミネート法)が簡便であり、特に好ましい方法である。
有機溶剤としては、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、γ―ブチロラクトン、イソホロン等のエステル類、加えて後述の親水性の有機溶剤などが挙げられる。
中でも、安価で耐熱性、耐油性に優れ、ボイルやレトルト等の加熱殺菌処理に適用可能であることから、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、またはこれらを含むものであることが好ましい。
なお、ポリプロピレンなどのシーラント樹脂には、低温ヒートシール性を向上させる目的で、ポリエチレン系樹脂やオレフィンエラストマーなどが含有されていてもよい。
詳しくは、押出ラミネート法では、シーラント層形成にあたりTダイからシーラント樹脂を溶融押出する際、溶融押出温度を270〜300℃程度に設定するのが一般的である。これは、溶融押出温度が高くなるにつれ、バリア層上にシーラント層を接着性よく形成できる傾向にあるからである。しかし、シーラント樹脂によっては、溶融押出温度が270〜300℃になると、接着性よくシーラント層を形成できる一方で、樹脂の成分の一部が熱分解し、その熱分解物がシーラント層に残留することがある。熱分解物の残留は、衛生的な観点から好ましいものではない。ポリプロピレンはこの傾向が特に顕著である。
これに対して、本発明では、ポリプロピレンを低温下で押出ラミネートすることが可能であり、ポリプロピレンの熱分解を抑えながら、接着性良好なポリプロピレンのシーラント層を形成することができる。この場合、シーラント樹脂の溶融押出温度としては、230〜270℃が好ましく、230〜250℃がより好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂フィルムが公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよく、その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等を施しておいてもよい。
これらのフィルムには易接着コーティング、帯電防止コーティングなどの各種コーティングを施されていてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚さは特に制限されないが、包装材料としての適性、他の層と積層する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜300μmの範囲で、用途によって5〜30μmがより好ましい。
樹脂0.15gを20mlのテトラヒドロフランに溶解し、クレゾールレッドを指示薬としてKOH水溶液で滴定を行い、中和に消費されたKOHのmg数から樹脂中の酸価(mgKOH/g)を求めた。
あらかじめ面積と質量を計測した基材に酸変性オレフィンエラストマーを含む液状物を塗工し、100℃で1分間、乾燥した。得られた積層体の質量を測定し、塗工前の基材の質量を差し引くことで塗工量を求めた。塗工量と塗工面積から単位面積当りの層量(g/m2)を計算した。
ラミネートフィルムから幅15mmの試験片を採取し、引張り試験機(インテスコ社製 精密万能材料試験機2020型)を用い、T型剥離により試験片の端部からバリア層とシーラント層の界面を剥離して強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。ラミネート強度は2N/15mm以上であれば包装材料としての使用に問題ないレベルであり、好ましい。なお、ラミネート強度が高い場合には、測定時にシーラントフィルムに伸び、切れなどが発生して剥離が不可能となることがあるが、このような現象はラミネート状態として最も好ましい状態であるといえる。
酸変性オレフィンエラストマー(P−1)の製造
エチレン−プロピレン共重合体のオレフィンエラストマー(三井化学社製 タフマーP−0680)200gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って攪拌下、無水マレイン酸1.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド1.0gをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して酸変性オレフィンエラストマー(P−1)を得た。
酸変性オレフィンエラストマー(P−2)の製造
参考例1において、無水マレイン酸の添加量を30.0g、ジクミルパーオキサイドの添加量を6.0gに変更した以外は同様の操作を行って、酸変性オレフィンエラストマー(P−2)を得た。
酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)の製造
プロピレン−ブテン共重合体の酸変性オレフィンエラストマー(三井化学社製 タフマー MP0620)15.0g、トルエン(ナカライテスク社製)285gをヒーター付の密閉可能なガラス容器内に仕込み、攪拌翼の回転速度を500rpmとして攪拌しながら、加熱した。系内の温度を80℃になるまで昇温した状態で、酸変性オレフィンエラストマー樹脂がすべて溶解するまで攪拌を行い、冷却後、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)を得た。溶液中に含まれる固形分の割合は、5質量%であった。
酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−2)の製造
参考例3において、酸変性オレフィンエラストマーとして、エチレン−ブテン共重合体の酸変性オレフィンエラストマー(三井化学社製 タフマー MH5020)に変更した以外は、同様の操作を行って酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−2)を得た。
酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−3)の製造
参考例3において、酸変性オレフィンエラストマーとして、エチレン−ブテン共重合体の酸変性オレフィンエラストマー(三井化学社製 タフマー MH7020)に変更した以外は、同様の操作を行って酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−3)を得た。
酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−4)の製造
参考例3において、酸変性オレフィンエラストマーとして、参考例1で得た酸変性オレフィンエラストマー(P−1)を用いた以外は同様の操作を行って、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−4)を得た。
酸変性オレフィンエラストマー水性分散体(S−5)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性オレフィンエラストマー(P−2)、45.0gのエチレングリコール−n−ブチルエーテル(和光純薬社製、特級、沸点171℃)、6.9g(樹脂中の無水マレイン酸単位のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製、特級、沸点134℃)及び188.1gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の均一な酸変性オレフィンエラストマー水性分散体(S−5)を得た。なお、フィルター上には残存樹脂は殆どなかった。
オレフィンエラストマー溶液(S−6)の製造
参考例3において、酸変性オレフィンエラストマーに代えて、エチレン−プロピレン共重合体のオレフィンエラストマー(三井化学社製 タフマーP−0680)を用いた以外は同様の操作を行って、オレフィンエラストマー溶液(S−6)を得た。
酸変性ポリオレフィン水性分散体(S−7)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、酸変性プロピレン樹脂(三洋化成社製ユーメックス1001 酸価26mgKOH/g)を60g、N,N−ジメチルエタノールアミンを6.3g、有機溶剤イソプロパノールを60g、蒸留水を174g仕込み、密閉した後、300rpmで撹拌翼しながら160℃(内温)まで加熱した。撹拌下、160℃で1時間保持した後、ヒーターの電源を切り室温まで撹拌下で自然冷却し、冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、やや黄色で半透明の均一な酸変性ポリオレフィン水性分散体(S−7)を得た。水性分散体中に含まれる固形分の割合は、20質量%であった。
アミノ基変性オレフィンエラストマー溶液(S−8)の製造
参考例3において、酸変性オレフィンエラストマーに代えて、アミノ基変性オレフィンエラストマー(JSR社製 ダイナロン 8630P)を用いた以外は同様の操作を行ってアミノ基変性オレフィンエラストマー溶液(S−8)を得た。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−12)を使用し、グラビアコート機を用いてポリエステル樹脂フィルムのコロナ面に二液硬化型のポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製)を乾燥後の塗布量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、バリア層として厚み7μmのアルミニウム箔を貼り合わせたバリア性基材を得た。
次いで、バリア性基材のアルミニウム箔面に酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)を乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて接着層を形成させた。
次いで、押出機を備えたラミネート装置を用いて、接着層表面にシーラント樹脂としてポリプロピレン(日本ポリプロ社製 ノバテックPP FL02A)を溶融押出して、35μmのポリプロピレン層からなるシーラント層が形成された積層体を得た。このとき、Tダイから押出されたシーラント樹脂の温度は240℃であった。
実施例1において酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)に代えて、それぞれ(S−2)、(S−3)、(S−4)、酸変性オレフィンエラストマー水性分散体(S−5)、オレフィンエラストマー溶液(S−6)、酸変性ポリオレフィン水性分散体(S−7)、アミノ基変性オレフィンエラストマー溶液(S−8)を用いたこと以外は同様の操作を行って積層体を得た。
実施例1において、接着層の塗布量が0.1g/m2となるように代えた以外は同様の操作を行って積層体を得た。
実施例6において、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)に代えて、それぞれ(S−2)、(S−3)を用いたこと以外は同様の操作を行って積層体を得た。
アルミニウム蒸着フィルム(東セロ社製メタラインML−PET)のバリア層面(蒸着面)に、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)を乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて接着層を形成させた。
次いで、押出機を備えたラミネート装置を用いて、接着層表面にシーラント樹脂としてポリプロピレン(日本ポリプロ社製 ノバテックPP FL02A)を溶融押出して、35μmのポリプロピレン層からなるシーラント層が形成された積層体を得た。このとき、Tダイから押出されたシーラント樹脂の温度は240℃であった。
実施例9において、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)に代えて、それぞれ(S−2)、(S−3)、酸変性オレフィンエラストマー水性分散体(S−5)を用いたこと以外は同様の操作を行って積層体を得た。
実施例9において、アルミニウム蒸着フィルムに代えて、アルミナ蒸着フィルム(凸版印刷社製GL−AE)を用いた以外は同様の操作で積層体を得た。
実施例1において、シーラント樹脂のポリプロピレンに代えて、ポリエチレン(日本ポリエチレン社製 ノバテックLD LC600A)を用いた以外は同様の操作を行って積層体を得た。
実施例14において、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)に代えて、それぞれ(S−2)、(S−3)を用いたこと以外は同様の操作を行って積層体を得た。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製 エンブレット PET−12)を使用し、グラビアコート機を用いてポリエステル樹脂フィルムのコロナ処理面に二液硬化型のポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製)を乾燥後の塗布量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、バリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り合わせたバリア性基材を得た。
次いで、バリア性基材のアルミニウム箔面に酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)を乾燥後の塗布量が3.0g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて接着層を形成させた。
次いで、接着層を介して50μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レ社製)を120℃に加熱したニップロールに通し貼り合わせラミネートフィルムを得た。
実施例17において、酸変性オレフィンエラストマー溶液(S−1)に代えて、(S−4)を用いたこと以外は同様の操作を行って積層体を得た。
一方、接着層に本発明の範囲外の樹脂を用いた場合、つまり、酸変性されていないオレフィンエラストマーを用いた場合(比較例1)、酸変性されているがオレフィンエラストマーでない樹脂を用いた場合(比較例2)、また、酸変性以外の変性がされたオレフィンエラストマーを用いた場合(比較例3)、得られた積層体は、いずれもラミネート強度が小さく、包装材料として使用できるものではなかった。また、比較例2において、Tダイから押出されたシーラント樹脂の温度を290℃になるように設定して、他の実施例や比較例よりも高温でラミネートしたところ、ラミネート強度の向上はみられたものの、ポリプロピレンが熱分解し、熱分解物がシーラント層に残存していた。
Claims (7)
- バリア層、接着層、シーラント層がこの順に積層されてなり、前記接着層が、酸変性オレフィンエラストマーを含有することを特徴とする積層体。
- 酸変性オレフィンエラストマーを構成するオレフィンエラストマーが、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー、プロピレン・α−オレフィン共重合体エラストマーのうち少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 接着層の量が、0.001〜5g/m2の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- バリア層がアルミニウムを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
- シーラント層がポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
- ポリオレフィン樹脂がポリプロピレンであることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を製造するときに、バリア層の上に、酸変性オレフィンエラストマーを含有する接着層を形成し、次いで前記接着層を介して、溶融したシーラント樹脂を押出ラミネーションによって積層することを特徴とする積層体の製造方法。
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